わが国の動物検疫所の努力だけでは家畜の伝染性疾病の侵入を防止することは至難の技です。したがって、世界各国の連絡協調のもとに、家畜衛生情報の交換、技術協力等を効果的にすすめることを目的として、大正13年(1924年)に動物流行病の予防および研究の国際機関として、国際獣疫事務局Office International des Epizooties(0IE)がパリに創設されました。
わが国は、昭和5年(1930年)1月に加盟し、その年の5月、第4回0IE委員会に初めて代表が参加しています。
アジア地域には、地域特有の疾病が多く、その調査、研究には地域内各国間の情報交換や相互協力など緊密な連携が必要であることから、昭和27年(1952年)にアジア委員会が設立されています。
第1回アジア会議は、同年パキスタンで開催され、その後ほぼ2年に1回開催されています。第2回目のタイ国での会議から国連食料農業機関(FAO)がその重要性を認識して積極的に協力し、1956年の第3回東京会議からFAO /OIEの共催となり、現在に至っています。
なお、日本は昭和42年(1967年)第6回会議に続いて昭和47年(1972年)第8回会議を催すなどその活動に積極的に参加し、大きな役割を果たしています。
1968年第36回OIE総会で、衛生保証を集約して国際貿易手続きの簡素化を図りたいという世界各国の要請と、各地に発生している獣疫の流行から家畜を保護するという共通の理念を具体化するため、国際動物衛生規約 (International Zoo-Sanitary-Code:現 Terrestrial Animal Health Code)が制定され、以来年々改定されて現在に至っています。
この規約には動物の伝染病が発生した場合の通報や情報の交換、動物、畜産物の輸出入時の衛生基準や処置についての考え方、重要疾病(外部リンク)毎の規約、国際間移動時の証明書様式、さらには動物の輸送、病原体ならびに媒介昆虫の撲滅、疫学調査、精液・受精卵の輸出入に係る一般条件、生物学的製剤関係、輸入に関する危険度分析等も盛り込まれています。
本規約の制定は家畜及び畜産物の国際貿易の円滑化を図りつつ、家畜疾病の伝播を防止するためのものであり、その適用については、加盟国それぞれの実情に即した形で選択することが認められています。
衛生植物検疫措置の適用に関する協定(S P S協定)の概要

SPS協定(衛生植物検疫措置の適用に関する協定)は、1994年4月に調印されたGATTウルグァイ・ラウンド多国間貿易交渉の最終合意文書に盛り込まれた協定の一つで、国際貿易において検疫 ・衛生措置が、国際貿易に係る不当な障害 ・偽装された制限となることを防ぎ、関連の国際機関等によって作成された国際基準等に基づいて各国の検疫・衛生措置の調和を図ること等を目的としています。1995年1月に設立された世界貿易機関(WTO)の設立協定の一部をなしています。WTO加盟国は、動物および畜産物の貿易にあってはSPS協定に基づき、 1)科学的原理に基づいた検疫措置の適用、2)原則として国際基準に基づいた検疫措置の実施と措置の調和の促進、3)危険性の評価による適切な検疫措置の決定、4)検疫措置の公表等による透明性の確保、等を推進することが求められています。動物検疫の関係では0IEが基準を作成する国際機関としての役割を担なっています。
対象分野
主な対象分野は、食品衛生、動植物検疫及び飼料安全の三分野で、関連する法律は、以下のとおりです。
〔農林水産省関連〕
植物防疫法
蚕糸業法
家畜伝染病予防法
狂犬病予防法(うち、法第7条及び犬等の輸出入検疫規則)
飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律
〔厚生労働省関連〕
食品衛生法
検疫法