平成20年度食の安全・安心確保交付金の事後評価について
中国四国農政局では、管内各県の「平成20年度食の安全・安心確保交付金(食の安全・消費者の信頼確保対策推進交付金)」及び「平成18年度食の安全・安心確保交付金(消費・安全対策整備交付金)」の事業結果について、学識経験者等第三者の意見を踏まえ、事後評価を実施しました。事後評価が低くなった県に対しては指導・助言を行うこととしています。
「平成20年度食の安全・安心確保交付金(食の安全・消費者の信頼確保対策推進交付金)」及び「平成18年度食の安全・安心確保交付金(消費・安全対策整備交付金)」事後評価結果
県名 | 平成20年度食の安全・安心確保交付金(食の安全・消費者の信頼確保対策推進交付金) | 平成18年度食の安全・安心確保交付金(消費・安全対策整備交付金) | ||||||||||||
事業の目標 | ||||||||||||||
総合評価 | 農畜水産物の安全性の確保 | 伝染性疾病・病害虫の発生予防・まん延防止 | 地域における食事バランスガイ ド等の普及・活用の促進 | 家畜衛生の推進 | ||||||||||
土壌有害物質のリスク管理の推進 | 生鮮農産物の安全性の確保 | 硝酸塩のリスク管理の推進 | 農薬の適正使用等の総合的な推進 | 埋設農薬の処理進捗率 | 畜産物の安全性の確保 | 水産物の安全性の確保 | 家畜衛生の推進 | 養殖衛生管理体制の整備 | 病害虫の防除の推進 | 重要病害虫の特別防除等 | 家畜衛生保健所等における検査の迅速化、疫学診断の高度化のための施設及び機器の整備 | |||
鳥取県 | A | - | - | - | A | - | A | A | A | A | A | A | A | A |
島根県 | A | A | A | - | A | - | A | A | A | A | A | A | A | A |
岡山県 | B | - | A | - | A | - | A | A | C | A | A | A | - | A |
広島県 | A | - | - | - | A | - | A | A | A | A | A | A | - | A |
山口県 | A | - | A | B | A | - | A | A | A | A | A | A | - | A |
徳島県 | A | - | - | - | A | - | A | A | C | A | A | A | A | - |
香川県 | A | - | - | - | A | - | A | A | A | A | A | A | - | - |
愛媛県 | A | - | - | - | A | C | A | A | A | A | A | A | A | A |
高知県 | A | - | A | - | A | - | A | - | A | A | A | A | A | A |
事後評価に当たっては、各県が各事業毎に予め設定した以下の目標値と実績値の比較により行っております。
目標値に対する実績値の達成度により、評価A(達成度80%以上)、評価B(達成度50%以上80%未満)、評価C(達成度50%未満)としております。また、各県の食の安全・消費者の信頼確保対策推進交付金の総合評価及び消費・安全対策整備交付金の評価は、事業毎の達成度を交付金の執行額で加重平均して算出しています。
【食の安全・消費者の信頼確保対策推進交付金(目標値の考え方)】
土壌有害物質のリスク管理の推進
- カドミウム等土壌有害物質のリスク低減化技術等延べ実施面積の事業実施年度における増加・拡大分
生鮮農産物の安全性の確保
- GAP(農業生産工程管理手法)実践農家数の増加率
硝酸塩のリスク管理の推進
- 硝酸塩の低減化技術実施面積
農薬の適正使用等の総合的な推進
- 農薬の不適切な販売及び使用の発生割合並びに埋設農薬の処理進捗率
畜産物の安全性の確保
- 飼料の不適正な製造・販売・使用等の発生割合及び無獣医地区等の解消割合
水産物の安全性の確保
- ノロウイルス監視調査及び貝毒発生監視調査の総実施数
家畜衛生の推進
- 畜産衛生に係る取組の充実度
養殖衛生管理体制の整備
- 都道府県が養殖衛生管理指導を実施した経営体数の割合
病害虫の防除の推進
- 総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指標値の現状値よりの向上率。又は農薬環境リスク低減値の現状値よりの向上率
重要病害虫の特別防除等
- 対象病害虫の調査・防除等の総回数
地域における「食事バランスガイド」の普及・活用の促進
- 「食事バランスガイド」を参考に食生活を送っている人の割合及び「教育ファーム(農業体験学習)推進計画」を策定している市町村等の数又は「教育ファーム」実施主体数
【消費・安全対策整備交付金(目標値の考え方)】
家畜衛生保健所等における検査の迅速化、疫学診断の高度化のための施設及び機器の整備
- 施設ごとの活用状況の向上割合
学識経験者等第三者委員の意見
学識経験者等第三者委員からなる評価検討会を開催し、事後評価の妥当性について意見を頂きました。
検討会において第三者委員から出された主な意見は、以下の通りです。
これらの意見については、事後評価が低かった県に対する指導・助言及び今後の事業実施にあたっての参考にすることとしています。
【硝酸塩のリスク管理】
- ホウレンソウの硝酸塩含有量については、通常より生育期間を長くすると低くなるという知見もある。硝酸塩低減に関しては、見栄えを重視するなど、出荷形態及び輸送コスト等流通上の問題もある。また、消費者の意識を変える必要もある。
【農薬の安全使用等の総合的な推進(埋設農薬処理の進捗率)】
- 埋設農薬が地中に漏洩しないように作業を進めて欲しい。
【家畜衛生の推進】
- 畜産経営が難しくなっている状況で、1戸あたりの飼養頭数が増加し、畜舎において過密飼育による衛生管理が問題になっている。衛生管理に対する意識の低い生産者への啓蒙活動が必要だと考える。
【地域における「食事バランスガイド」等の普及・活用の推進】
- 「食事バランスガイド」に係る意識調査アンケートを実施する場合、意識の低い者へも実施し、全体の意識を把握するようにすべき。また、将来、食の中心となる子供に対するアンケート調査を実施し、意識の変化を追跡調査してはどうか。
その他、農林水産行政一般に関して以下のとおり委員から意見をいただきましたので、あわせて紹介します。
- 食品トレーサビリティを推進する際、生産者への負担増とならないように、県においてシステムとして普及体制を構築し、そこに交付金を活用したらどうか。
- 食品トレーサビリティをいろいろな分野で実施するのは良いが、生産者にのみにコストや精神的負担を課すことのないよう、生産者の励みなるような取組も実施して欲しい。
- 病害虫の発生回数が増加している状況にある。地球温暖化の影響なのか。地球温暖化を考慮した事業を考えて欲しい。
- 牛トレーサビリティ制度における履歴情報検索について、もっとPRすべきである。
- 補助金等を活用する場合、書類が多く膨大な事務量となる。簡素化はできないのか。
お問合せ先
消費・安全部
安全管理課 (内線:2351)
消費生活課 (内線:2318)
電話:086-224-4511