コラム:国木田独歩
明治の文豪・国木田独歩は、千葉県に出生しましたが、父親が山口市の裁判所勤務となってからは、山口県各地を転住しました。
20歳から22歳(明治25年(1892年)~27年(1894年))の間は、山口県の柳井市で過ごし、柳井市の「白壁の町並み」にある旧宅には、独歩が愛用していた机や、月琴などが納められ、閑静な佇まいは、今も当時の雰囲気を残しています。この国木田独歩旧宅は、外部の見学は自由で、庭から窓越しに邸内を見ることもできます。
また、彼の作品である『置土産』や『少年の悲哀』は、柳井を舞台にしたものです。
『置土産』の冒頭には「餅は円形き(まるき)が普通(なみ)なるを故意(わざ)と三角に捻りて客の眼を惹かんと企(たく)みしやうなれど実は餡(あん)をつ丶むに手数のか丶らぬ工夫を不思議にありて、三角餅の名何時(いつ)しか其近在に広まり、此茶店の小さいに似ぬ繁盛.....」とあります。これは柳井市にある「藤坂屋」の「三角餅」を紹介している一節です。
「藤坂屋」の向かい側には、独歩が岩国小学校在学時の同級生で、後に代議士になった永田新之丞の揮毫によって、昭和43年(1968年)に建てられた「置土産」の碑があります。
【写真】国木田独歩旧宅(柳井市姫田)
【写真】国木田独歩石碑
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