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中国四国農政局

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    四国土地改良調査管理事務所

    1. 徳島県 佐藤良左衛門(さとうりょうざえもん)

    【生没年不詳】(徳島)

    徳島県で、吉野川についで第二の大きさを誇る一級河川那賀川(なかがわ)。急峻(きゅうしゅん)な剣山(つるぎさん)山系に源を発し、急勾配で平野部へと流れ込んでいく那賀川の流域は、台風の通り道でもあり、日本有数の多雨地域にあたっており、下流の那賀川平野は、洪水の被害が絶えませんでした。この地に、堰や水路を築くには、計り知れない苦労がありました。

    佐藤良左衛門は、現在の阿南(あなん)市(旧羽ノ浦(はのうら)町中庄(なかのしょう))の中世から続く豪農の家に生まれ、那賀川の北部一帯を潤す大用水、大井手(おおいで)堰の開削を行いました。1674年、藩主の命を受けて行われたこの用水の開削は、那賀川沿岸で行われた大規模なかんがい事業の中でも、最も古いものの一つで、この堰の完成によって、那賀川北岸の羽ノ浦(阿南市)、立江(たつえ)(小松島(こまつしま)市)、坂野(小松島市)、今津・平島(阿南市)の5カ村、およそ1,300ヘクタールにもおよぶ農地に水が行き渡るようになったといいます。

    これら大井手堰をはじめとした堰の開削によって、江戸時代の那賀川平野には、ほぼ現在の用水系統が確立し、米の生産量は阿波国(あわのくに)(徳島県)全体のおよそ3分の1を占める県下でも有数の穀倉地帯となりました。大井手堰は、昭和30年(1955)、上広瀬堰、下広瀬堰とともに、北岸(ほくがん)堰に統合されるまで、およそ三百年にも渡って、平野を潤し続けました。

    写真1  大井手堰跡の碑

    【写真】大井手堰跡の碑

    写真提供:国土交通省 河川局

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