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台風第9号の接近及び通過並びに高温等に対する技術指導の徹底について 

   気象庁発表の台風情報(9月7日11時発表)によると、台風9号は、対馬市の西南西の海上にあって、北東に進んでおり、7日夜には山陰沖に達する見込みとなっています。このことから、北日本から西日本の広い範囲で、強風及び大雨による農作物等への影響が懸念されるところです。また、平成22年9月3日気象庁発表の全般気象予報及び1か月予報においては、今後も平年と比較して高温が続くとされており、台風通過後も引き続き高温に対する対応が必要となっています。
   このため、「平成22年農業技術の基本指針」(平成22年2月26日付け21政第175号農林水産省大臣官房技術総括審議官通知)その他の関係通知を踏まえつつ、特に下記事項について、気象や作物の生育状況に応じた迅速かつ適切な技術指導が行われるよう、貴県関係機関等へのご指導方よろしくお願いします。 

 【共通事項】

1  台風が接近、通過する地域にあっては、県、普及指導センター、農協など関係機関の連携体制を整備し、気象庁の台風情報を基に地域に雨、風等どのような影響があるか把握しつつ、地域の品目や生育ステージに応じた対応を速やかに現場に徹底すること。

2  事故防止の観点から、台風接近後におけるほ場の見回り等については、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まってから行うこと。

3  局地的な大雨が予想される地域においては、ほ場の冠浸水のおそれがあることから、速やかな排水に備えること。特に、これまで冠浸水したことのあるほ場や地域については、重点的に対応を進めること。
排水ポンプの融通等についても積極的に進めること。なお、中国四国農政局土地改良技術事務所で、冠浸水したほ場の排水対策に活用できる災害応急用ポンプの貸出を行っているので、活用されたい。

4  台風通過後の対策として、適時適切な防除を心がけること。特に、県病害虫防除所から発表される発生予察情報に基づき適期防除に努めること。
なお、薬剤を使用する際には、ポジティブリスト制度への対応を念頭に農薬の使用基準を遵守し、周辺への飛散低減対策を講ずるとともに、適時適切な散布に心がけること。

5  熱中症対策として、高温下での長時間作業を避け、水分・塩分補給と休憩を取るなど高温対策に心がけること。

【水稲】

1 台風第9号対策

(1) 事前の対策

ア 事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えること。

イ 貯蔵施設において、あらかじめ浸水の被害が想定される場合には、収穫物を浸水の危険がない安全な場所に移動するなど、適切な対応に努めること。

(2) 被害拡大防止のための対策

ア 冠水した場合、葉先や穂先だけでも水面に出すよう速やかな排水に努めること。

イ 冠水や籾ずれ等の被害の著しいほ場においては、白葉枯病等の多発が懸念されることから、排水後、病害の発生動向に十分注意し、的確な防除に努めること。また、冠水や浸水の被害を受けた稲体は水分調整、肥料吸収等の機能が低下していることから、田面の過度な乾燥に注意すること。

ウ 台風通過直後のフェーン現象の発生により稲体の水分含有率が低下し、白穂の発生等が懸念される場合には、通水による水分補給により稲体の活力保持に努めること。
また、共済組合や農業協同組合との連携を密にし、収穫前に被害実態の把握に努めること。

エ 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩をすること。

オ 収穫直前の地域において、稲体の倒伏や穂発芽の発生などにより品質の低下が懸念される場合には、可能な限り速やかに収穫作業を開始するとともに、被害籾については、仕分けを行い、乾燥、調製作業を実施すること。

2 高温対策

(1) 出穂期から成熟期までの登熟期間が高温に経過すると、白未熟粒等の発生が助長されることから、水稲の登熟期間中は、極力、間断かんがいを継続し、登熟後半まで稲体の活力の維持に努めること。

(2) 収穫作業については、高温によって登熟期間が短縮し、収穫適期が通常よりも早まる可能性があるため、出穂・開花期以降の積算気温や籾の状態に十分注意し、刈り遅れとならないよう品種・地帯毎の収穫適期を判定すること。

(3) 収穫後の籾の過乾燥は胴割米の発生を助長するため、乾燥中の穀温が40℃を超えないよう適切な送風温度、乾燥速度に設定し、品質保持に努めること。

【豆類】

1 台風第9号対策

(1) 事前の対策

事前に排水路の詰まり等の点検・補修を行い、冠浸水時の速やかな排水に備えること。

(2) 被害拡大防止のための対策

ア 冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。

イ 冠水や浸水等を受けた場合、生育遅延や根腐れを引き起こし、日照不足と相まって、病害虫に対する抵抗性が弱まること、また、風により莢が損傷した場合や倒伏した場合に、傷口からの病原菌の侵入により、カビ粒、腐敗粒、紫斑粒の発生が懸念されるので、病害虫の発生動向に注意し、適切な防除を行うこと。

(3) 土壌の多湿状態が長期間継続すると、根系における酸素が不足し、根粒菌の活動が抑えられるため、天候の回復後、排水後のほ場の状況等を勘案し、中耕や培土を実施すること。また、湿害により葉色や生育に不良の症状が見られる場合には、窒素の追肥等により生育量の回復に努めること。

 

【野菜】

1 台風第9号対策

(1) 事前の対策

   園芸施設については、防風対策として、防風網の設置、施設周辺の清掃等を行うほか、フィルムの取付金具の点検や抑えひもの固定等を行うこと。特に、燃料タンクについては、転倒しないように安定性の確認を行うこと。

(2) 被害拡大防止のための対策

ア 冠水や浸水等を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行うこと。

イ 果菜類では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減すること。

ウ 生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再は種を行い、被害の軽減に努めること。また、被害が著しい場合には、他の品種又は作物に転換することも検討すること。

エ 園芸用施設については、できるだけ早期に施設の破損、倒壊等の点検を行い、施設内に水が侵入した場合には、換気を十分に行い土壌の乾燥を図り、施設内の湿度を下げ、病害の発生を防止すること。

(3) 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩すること。

2 高温・少雨対策

   「高温に伴う野菜の被害防止に向けた技術指導の徹底について」(平成22年8月26日付け22中生第1191号(園))において既に通知しているとおり、以下の対策を行うこと。

(1) 全般

ア かん水は、地温が低下している早朝・夕方に実施する。また、敷きわらやもみ殻で土壌を被覆し、地温上昇の抑制と土壌水分の蒸発抑制に努める。

イ 園芸用施設は、妻面・側面を開放するとともに、寒冷紗等を使用し、施設内の温度上昇を抑制する。また、寒冷紗等による遮光は、果実の日焼けや葉やけ防止にも有効である。

ウ こまめな除草や側枝、弱小枝、下葉を除去し、風通しを良くする。

エ 育苗箱は、コンテナやブロックでかさ上げし、風通しを良くする。

(2) 特に葉茎菜類

ア ねぎでは、軟腐病が発生する恐れがあることから、畝間かん水を控える。

イ 乾燥によるチップバーンを防止するため、薬剤防除時にカルシウム剤を混用する。

(3) 特に果菜類

ア 不良果の摘果、若どりを行い、着果負荷の軽減を図るとともに、適宜施肥により樹勢維持と成り疲れを防止する。

イ 老化葉、黄色葉を中心に摘葉を実施し、蒸発を抑制するとともに、かん水による土壌水分の急激な変化に留意する。

ウ カルシウム欠乏、鉄欠乏、ホウ素欠乏等の生理障害対策として、必要に応じて葉面散布を行う。

 

【果樹】

1 台風第9号対策

(1) 事前の対策

ア 強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱の点検・補修を行っておくこと。また、倒伏しやすい樹体は支柱により補強すること。

イ 収穫可能な果実はできる限り収穫しておくこと。ただし、農薬使用基準(散布から収穫までの経過日数)に留意すること。

ウ 排水が速やかに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行うこと。

エ 潮風害が予想される地域においては、除塩のための水源を確保しておくこと。

(2) 被害拡大防止のための対策

ア 被害程度に応じた適切なせん定、施肥、摘果を実施し、生育の回復に努めること。強風による倒伏や枝裂けが起こった場合には適切な処置を行うこと。

イ 落果した果実については、農薬使用基準に留意し、必要に応じて低温保管、選別の徹底、早期出荷等に努めること。また落葉した場合は、日焼けや樹脂病等の発生に注意し、被害程度に応じて摘果や白塗剤の塗布等を行うこと。

ウ 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水による除塩を行うこと。

 

2 高温・少雨対策

(1) 干ばつ傾向にある地域においては、敷わら、敷草等により、土壌水分の蒸発を極力抑制しつつ、用水の確保に努め、適宜かんがいを実施する。また、防水透湿性シートによるマルチ栽培を行っている園地においては、かん水ホースによるドリップかんがい等により、草生園においては、干ばつ期の草刈りにより水分競合を抑制し、地表面への直接かん水に努める。なお、かん水に当たっては、かん水設備の漏水・目詰まり等に留意し、適切にかん水が行われるよう事前に点検を行う。

(2) 果実の着色不良を防止するため、樹冠内光環境の改善、反射シートの活用によって着色を促す。また、着色が遅延することに伴い収穫時期が遅れ、果実が過熟とならないよう、適期収穫に努める。高温によって果実の日焼けが発生しやすい園地においては、各種資材による遮光等の対策をとる。

 

【花き】

1 台風第9号対策

(1) 事前の対策

ア 園芸施設については、施設周辺の清掃等により飛来物による損傷を防ぐほか、フィルムの取付金具の点検や抑えひもの固定等の防風対策を講ずること。

イ 露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆し、草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備えること。

(2) 被害拡大防止のための対策

ア 冠水又は浸水の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止すること。

イ 折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努めること。

ウ 天候が回復した後、被覆資材、支柱、防虫ネット等の栽培施設や資材の点検及び修復を行うこと。特にキク等の栽培に係る電照・補光関連施設(電球、タイマー等)については、速やかに作動状況の点検を行うこと。

エ 潮風害を受けた場合には、できる限り速やかに散水により除塩すること。また、肥料が流亡した場合は、土壌分析を実施し、適正量を施用すること。

オ 天候が回復した後は、強反射によりハウス内温度が急上昇し、作物に高温障害を生じやすいので、フィルム巻上げ等の換気操作を行うこと。

2 高温・少雨対策

(1) 干ばつ傾向にある地域の露地栽培の花きについては、敷わら等マルチを用いて、土壌水分の蒸発防止に努める。

(2) 施設栽培の花きについては、寒冷紗や遮光資材を用いて、気温や地温、植物体温の上昇を抑える。また、妻面のビニールを取り除く等により、施設内の通風を図るとともに、室温の上昇を抑える。

 

【畑作物・特産物】

1 台風第9号対策

(1) 茶については、潮風害が懸念される場合、散水等による速やかな除塩に努めること。また、天候が回復した後、防霜ファン、茶工場等の施設や資材の点検及び修復を行うとともに、傾斜地茶園の場合は、排水溝、石垣、法面等の点検及び修復を行うこと。

(2) こんにゃくいもについては、冠水、浸水の被害を受けた、又は土砂の流入のあったほ場では、速やかに排水に努めるとともに、強風による葉の損傷等が発生した場合は、病害の発生を防止するために直ちに薬剤散布を行うこと。

(3) かんしょ・ばれいしょについては、ほ場が滞水した場合、塊茎腐敗を起こしやすいので、排水溝の設置等により速やかな排水に努めること。また、台風通過後、高温が予想される地域においては、特に長時間の冠水又は浸水を避けるとともに、湿潤ほ場での収穫は行わないこと。

2 高温・少雨対策

(1) こんにゃくいもについては、高温時による日焼け症対策として、ボルドー液散布を行うことが効果的であるが、散布時に固着性展着剤を添加するとともに、防除は日中を避け早朝夕方の涼しいときに行うこと。また、腐敗病株は早めに除去し、適切な薬剤散布を行い発生の拡大抑制に努めること。

 

【畜産】

飼料作物

1 台風第9号対策

(1) 冠水や浸水等の被害を受けたほ場においては、速やかな排水に努めること。

(2) 生育後期になっている飼料作物は、天候の回復後に収穫を行うこと。また、とうもろこし等の長大作物については、倒伏すると収穫量が減少し、品質が低下するため、倒伏した場合には早めに収穫し、サイレージ調製等を行うこと。

2 高温対策

   「家畜への暑熱に対する技術指導の再徹底について」(平成22年9月6日付け22中生第1244号(畜))の「○飼料作物」において既に通知しているとおり、以下の対策を行うこと。

(1) 草地については、過放牧、過度の低刈りや短い間隔での刈り取りを避け、貯蔵養分の消耗を軽減して草勢の維持に努めるとともに、牧草の草勢に低下が見られた場合にあっては、必要に応じ追播や雑草の防除等的確な維持管理作業を行うこと。

 

家畜

1 台風第9号対策

(1) 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行うこと。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去すること。

(2) 家畜防疫対策要綱(平成11年4月12日付け農林水産省畜産局長通知)に基づき、必要に応じて立入検査の実施、消毒等の適切な発生予防措置の実施に努めるとともに、家畜伝染予防法(昭和26年法律第166号)に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底すること。

(3) 養分の低下した飼料作物や品質の低下した濃厚飼料の給与をする場合にあっては、栄養価、嗜好性にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意すること。

2 高温対策

   「家畜への暑熱に対する技術指導の再徹底について(平成22年9月6日付け22中生第1244号(畜))」の「○家畜」において既に通知しているとおり、以下の対策を行うこと。

(1) 飼育密度の緩和や、畜体等への散水・散霧により、家畜の体感温度の低下を図るとともに、換気扇等による送風、換気、寒冷紗やよしずによる日除け、屋根裏への断熱材の設置及び屋根への消石灰の塗布等、畜舎環境の改善を図ること。

(2) 良質で消化率の高い飼料及び清浄で冷たい水を給与すること。
   なお、具体的な家畜の暑熱対策については以下の資料を参照のこと。
(社団法人中央畜産会のホームページ(http://jlia.lin.gr.jp)の畜産生産性向上促進総合対策のうち暑熱対策の優良事例(リーフレット))

 

 

お問い合わせ先

生産部生産技術環境課
担当者:技術係
代表:086-224-4511(内線2426)
ダイヤルイン:086-230-4249
FAX:086-232-7225

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