5 漁業生産構造の再編整備

 52年からの本格的な200海里体制により大幅に狭められた公海は,我が国漁業にとっては外国200海里内からの撤退を緩衝する場となっていたものの,近年においては,漁業資源以外の生物への影響を懸念する環境保護的な観点から漁業規制を求める動きや漁業資源についても国際的な資源管理の実施,旗国の責任ある漁業管理を求める動きにより,従来のような操業は最早期待できない状況にある。

 一方,我が国周辺水域においても,底魚類はもとより,近年の我が国の漁業生産を量的に支えてきたまいわし資源も減少傾向にあり,漁船・漁具の性能の向上による漁獲能力の増大とあいまって,資源量と漁獲強度のバランスが失われつつある。このほか,労働力の確保難やコスト増大,魚価の低迷等から経営が悪化している漁業種類もみられる。

 以上のような問題に対処するため,4年度においては,国際規制の強化により操業の維持に支障が生じた公海流し網漁業,北洋さけ・ます漁業及び遠洋底びき網漁業や国内において資源の減少や経営状態の悪化が生じている中型いか釣漁業,大中型まき網漁業,沖合底びき網漁業,小型底びき網漁業等については,適正な漁業生産構造の構築を図るため,合計409隻の減船による再編整備が行われた( 表III-5-1 , ダウンロード )。

 今後とも引き続き国際情勢の変化を見越した計画的な再編整備を進めることが重要であるとともに,我が国周辺水域においても,省力・省人化による低コスト化等と合わせ,漁船の小型化も含めた資源管理型漁業の実践への努力を継続しつつ再編整備を推進することにより,適正な漁獲能力の実現と経営の合理化・安定化を図っていくことが重要である。