2 海外漁場の確保と外国漁船対策

(1) 海洋水産資源の調査・開発

 ア 最新のハイテク技術を導入した大型調査船「開洋丸」により,漁業資源に及ぼす環境調査(海洋大循環調査),あかいか資源調査等を行ったほか,一海洋水産資源開発センターが行う{1}新漁場の企業化調査事業(中部太平洋等のまき網漁業等6漁業種類),{3}企業化の可能性の高い新資源開発企業化調査事業(がすとろ資源),{3}大型深海調査船「深海丸」により行う深海漁場開発企業化調査事業,{4}海洋水産資源の開発等に関する資料の収集・提供等の事業に対し助成した。

 イ 公海流し網漁業停止後のあかいか釣り漁業の効率的な操業に資するため,新たに,好漁場探索技術の確立のための調査を行った。

(2) 国際漁業協力の推進

 ア 外務省の経済開発等援助費(無償資金協力)に水産関係援助(予算額102億円)を引き続き計上し,開発途上国の漁業開発を通じ,我が国との友好関係の維持強化を図りつつ,長期的展望の下に我が国漁船の漁場確保等に資するため,水産関係施設の建設等に必要な資金の供与を行った。

 また,開発途上国からの技術協力についての要請の高まりに対応し,国際協力事業団を通じて専門家及び調査団の派遣,海外からの研修員の受入れ等を行ったほか,沿岸国の要請にこたえて水産資源等の管理,開発のための調査を実施した。

 さらに,国際連合食糧農業機関(FAO)に対して,南太平洋沿岸漁業技術開発普及事業を行うためのトラスト・ファンドの拠出を行ったほか,国際協同組合同盟に対して漁協組織育成強化のための拠出,東南アジア漁業開発センターに対して東南アジア地域漁業開発のための協力を行った。

 イ (財)海外漁業協力財団等が実施した{1}我が国漁業者等が行う海外漁業協力事業についての長期の無利子又は低利の融資,{2}海外研修生の受入れ,{3}海外への専門家派遣及び機材補助事業,{4}開発途上国の漁業の発展に寄与するための漁場開発の可能性調査,魚食普及等の協力事業,{5}我が国と入漁関係のある南太平洋諸国等の零細な漁業を振興するための総合的な技術協力事業,{6}南太平洋,中南米及びアフリカ諸国の漁業振興に資するための専門家の派遣による水産関係施設等のメンテナンス等の技術協力事業,{7}開発途上国への漁業技術の適正かつ効率的な移転を図るための現地研修事業,{8}開発途上国の漁業強化策としての合弁事業等の推進に協力するとともに,我が国中小漁業者等の海外進出に対する投資環境条件等を整備するための調査等事業,{9}開発途上国の低水準にある水産資源の回復を図るための現地に適した増養殖等の技術協力事業,{10}開発途上国の漁業の開発・振興計画の樹立に対するニーズ等を的確に把握するための調査事業に対し助成した。

(3) 外国漁船対策

 ア 我が国周辺水域における外国漁船の動向等に関する情報を収集し,関係機関,漁業者等へ通報することにより,漁具被害の未然防止,不法操業の迅速な取締体制の確保を図った。

 イ これらの外国漁船の取締りについては,海上保安庁の巡視船艇・航空機及び水産庁の取締船等が都道府県の取締船等との協力の下に,不法操業を重点とした取締りを行った。

 ウ また,日韓間では「日韓漁業協定」を補完するため,55年より相互に相手国の周辺水域で操業する自国漁船に対し操業の自主規制措置を講じているが,5年においても,日韓漁業実務者間で4年3月に意見の一致をみた新たな自主規制措置に基づく連携巡視,共同乗船等の取締り強化措置を的確に実施した。

(4) 遠洋漁業等の漁業調整及び取締り・指導

 各種国際取決め等の遵守励行を図り,また,我が国漁船の操業秩序を維持し,外国漁船との紛争防止を図るため,所要の漁業調整措置を講じたほか,取締船の派遣等により遠洋水域に出漁する漁船に対する指導・監督を行った。