2 漁場環境保全対策

(1) 漁場における公害対策等

 ア 水銀,PCB等による魚介類汚染水域監視調査,有機すず化合物やダイオキシン類による主要漁場の汚染実態調査,新たな汚染物質による魚介類汚染の早期発見と対策検討のための調査,海外漁場で採捕された魚介類の化学物質による汚染実態の調査,有害化学物質の短期毒性の海産魚による試験法確立のための調査及び酸性雨内水面漁業影響調査を実施したほか,新たに,有害化学物質による魚介類汚染機構解明のための調査を実施した。

 また,ほたてがい等の毒化現象に対処するため,毒化機構解明調査,貝毒測定技術の開発,毒化予知手法の開発等の貝毒対策を実施した。

 イ 漁業公害の調査・指導,油防除資器材等の配備を総合的に行う漁場保全対策事業等について助成し,映画テレビ,パンフレット等による漁業公害に関する啓発・普及を行った。

 また,漁業者団体を中心としたFRP漁船,漁網,貝殻等の漁業系廃棄物の処理計画策定について助成したほか,新たに,生分解性プラスチック漁具の開発を行った。

 ウ 底質悪化等により効用が低下している漁場を復旧するため,漁場保全事業について助成した。特に,産業・生活排水により汚れた沿岸水域において,ヘドロのしゅんせつ等の実施を積極的に推進し,きれいな海の回復を図った。

 また,廃棄物等による漁場の汚染に対処するため,漁場・海岸の美化運動の全国的展開とあわせて沿岸水域の廃棄物回収や海亀産卵場の清掃や保護監視を推進する水域環境クリーンアップ事業に助成したほか,沖縄県沿岸の漁場に堆積した赤土の効果的な除去技術開発について助成した。

 エ 原因者不明の漁場油濁による被害漁業者に対する救済事業等を行う(財)漁場油濁被害救済基金に対し,引き続き助成した。

(2) 漁場環境影響調査

 干潟等の浄化機能の定量的評価手法の確立及び瀬戸内海の漁業にとって望ましい栄養塩レベルの策定に取り組むとともに,海水中の燐成分に対する窒素成分の比率の増加が漁場環境に及ぼす影響についての調査を実施したほか,発電所の取放水が内湾,浅海域の漁業に及ぼす影響についての調査を実施した。

(3) 赤潮対策等

 ア 赤潮発生状況等の調査及び赤潮関係情報の伝達体制の整備について引き続き助成した。

 イ 赤潮の発生防止及び赤潮による漁業被害防止のため,赤潮対策技術開発試験として,東部瀬戸内海等におけるシャットネラ赤潮の発生予察技術,発生防止技術等の開発を引き続き実施したほか,赤潮情報のデータベース化,ネットワーク化を通じた赤潮発生予察システムの開発を行った。

 ウ 魚介類の大量へい死や底魚等の漁業資源の減少をひき起こす貧酸素水塊の発生状況及び発生機構を明らかにし,貧酸素水塊の発生予察技術及び貧酸素水塊の発生防止技術の開発を行う事業を実施した。

 エ 富栄養化対策の効果的な実施を図るため,底質からの汚濁負荷の溶出機構の解明,底質改善手法の検討等を行った。

 オ 地球環境の保全に積極的に貢献するため,広く海洋に展開している我が国漁業の特性をいかし,漁船を活用して有害化学物質,油塊及びプラスチック粒子による汚染状況等海洋環境について各種データ収集を行ったほか,漁網の流出防止等のための調査及びその海産ほ乳動物,魚類等に与える影響調査を実施した。