3 水質汚濁・海洋汚染の防止

 ア 公共用水域の水質保全を図るため,「水質汚濁防止法」の規定に基づき,引き続き排水規制及び生活排水対策等の各種水質保全対策を実施した。特に,水質環境基準の確保が緊要な閉鎖性海域の水質保全対策として,東京湾,伊勢湾及び瀬戸内海について,汚濁負荷量の削減のため引き続き水質総量規制を推進したほか,さらに,瀬戸内海については,「瀬戸内海環境保全特別措置法」に基づき,燐及びその化合物の削減指導並びに東京湾及び伊勢湾については,栄養塩類の削減指導を推進した。また,窒素及び燐に係る環境基準の類型指定に向けた作業を順次進めるとともに,5年10月より排水規制の実施を開始した。さらに,「湖沼水質保全特別措置法」に基づき,指定湖沼について総合的かつ計画的な水質保全対策を推進した。このほか,有機すず化合物による環境汚染に対応して,発生源周辺の実態等に関する調査を行ったところであり,これを踏まえ,モニタリング及び有効な対策を推進した。

 青潮発生の予測手法確立調査,富栄養化に関する調査研究等を実施した。このほか,各種水質測定機器の整備等について都道府県等に対し助成した。

 また,海洋汚染の防止のため,海水及び底泥中の重金属濃度等について調査する日本近海海洋汚染実態調査を実施した。

 さらに,「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」に基づきばら積み有害液体物質の排出規制について円滑な実施を図ったほか,ロンドン条約附属書改正に対応し,6年2月,同法施行令等を改正し,産業廃棄物の洋上焼却の禁止,廃棄物の海洋投入処分に係る規制強化等の措置を講じた。

 イ 海洋環境の保全に資するため,巡視船艇・航空機の効率的な運用により厳重な監視取締りを行うとともに,監視取締用資器材の整備等監視取締体制の充実を図った。また,海事関係者,漁業関係者等に対するきめ細かな海洋汚染防止指導を行った。

 さらに,我が国周辺水域や主要湾等における海洋汚染の科学的調査,廃油ボールの漂流・漂着状況の調査及び海上漂流物の実態調査を行ったほか,海洋に排出された油類に含まれる微量潤滑油の高度識別手法に関する研究を行うとともに,内湾域の赤潮等の発生に影響を与える海水流動及び物質循環を解明するため,伊勢湾の海水流動モデル及び水温,塩分等の成層消長モデルの開発・研究を引き続き行った。

 このほか,油等の排出事故に対処するため,巡視船艇・航空機の常時出動体制の確保及び防除資機材の整備を図るとともに,船舶所有者,油保管施設設置者等に対し,防除資機材の備付け等について指導を行ったほか,海上災害防止センター,流出油災害対策協議会等の指導・育成を図った。さらに,全国各地において官民合同の大量の油等の排出事故対策訓練を実施した。

 ウ 海域環境の改善,親水空間の確保等快適な海域環境を創造するため,ヘドロが堆積し海水が汚染された海域において,覆砂や海浜整備を行う海域環境創造事業(シーブルー事業)を引き続き2海域及び8港で実施した。

 また,港湾及び一般海域の環境を改善するため,引き続き港湾管理者の実施する東京港,大阪港等13港における汚泥のしゅんせつ事業等に対し助成したほか,廃棄物埋立護岸及び廃油処理施設の整備等に対し助成した。さらに,直轄事業として,ごみ回収船,油回収船等により東京湾,伊勢湾及び瀬戸内海におけるごみ・油回収事業を行った。

 このほか,環境の改善への要請が高い内湾水質の浄化等高質な環境創造技術に対する調査を行った。

 エ 海洋における汚染物質の長期的監視及び地球温暖化対策の一環として海洋バックグランド汚染観測(重金属,油分,浮遊汚染物,温室効果気体,オゾン層破壊物質等)を日本周辺及び西太平洋海域で引き続き定期的に実施するとともに,地球温暖化対策の一環として海洋における温室効果気体等の監視及び海洋における有機物の観測を行った。

 また,気象庁「エルニーニョ監視センター」において,全世界の海洋データを収集し,解析・予測情報を国内外へ提供した。