1 漁協及び漁業経営対策

(1) 漁協経営基盤及び漁業経営の強化

 国際的な漁業規制の強化,周辺水域における資源状況の低迷等漁業を取り巻く厳しい状況に対処して,より多くの漁業者が漁業を基盤に漁村地域で生活を維持できるよう,漁協を中心として,一定の漁業地区における漁業者全体について,漁業外の所得機会の確保を含めた総合的な経営強化を図り,漁業経営が悪化しつつある漁業者に対しては,経営管理能力の向上とこれを通じた財務体質の改善を図るため,漁協系統職員等で構成する指導チームが個々の漁業者を定期的に訪問し,経営実態の診断,経営改善の方策の助言・指導等を行ったほか,低利の短期資金(融資枠100億円)の融通を引き続き実施した。

 また,金融自由化の急速な進展,国際規制の一層の強化等最近の漁協を取り巻く厳しい情勢に対処して,信用・販売・購買事業等漁協事業全般にわたる基盤強化を図るため,合併,事業統合等を推進するためのマスタープランの策定,合併等に伴い必要となる事務・情報機器の整備についての助成,合併等の計画を有する経営不振漁協の欠損金等見合いの借入金に対する利子補給等を引き続き実施した。

 さらに,漁協の健全な経営基盤の強化,適切な事業運営の確保等を図るため,{1}漁業振興及び漁村地域活性化のための漁協事業の充実,{2}事業の的確かつ機動的な実施を確保するための組合の経営管理体制の整備,{3}漁協事業の規模拡大による効率的な実施を図るための事業の譲渡に関する規定の整備等を内容とする「水産業協同組合法」の改正を行い,合併の推進による漁協の経営基盤の一層の強化を図るため,「漁業協同組合合併助成法」の適用期限の延長及びその内容の拡充を行った。

(2) 水産業協同組合の育成指導等

 「水産業協同組合法」に基づき,水産業協同組合(漁協,漁業協同組合連合会,水産加工業協同組合,水産加工業協同組合連合会及び共済水産業協同組合連合会をいう。)に対する常例検査を実施し,近年の漁業環境の変化に対応した漁協の経営改善を図るための指導事業等を引き続き実施した。

 また,水産業協同組合の育成強化を図るため,系統組織の人材養成,漁協の経営基盤の強化を図るための調査分析,経営基盤強化方策の作成・指導等を引き続き行った。

(3) 漁業生産構造再編整備等の推進

 ア 内外の厳しい諸情勢に対処して漁業経営の体質強化を図るため,経営の悪化の著しい特定漁業において減船を円滑に行うために必要な不要漁船の処理又はとも補償の負担軽減に要する経費を助成する特定漁業生産構造再編推進事業を引き続き実施したほか,減少が著しい資源を利用する漁業において減船・漁船の小型化,網目規制等の漁獲努力量縮減措置を円滑に行うために不要漁船・漁具の処理又はとも補償の負担軽減に要する経費を助成する資源管理型漁業構造再編緊急対策事業を引き続き実施した。

 また,減船等漁業生産構造の再編整備を図ろうとする中小漁業者に対し,その円滑な推進に資するため,引き続き,漁業構造再編整備資金(融資枠550億円)等を融通した。

 イ 中小漁業の構造改善を図るため,「漁業再建整備特別措置法」に基づき定められた第4次中小漁業構造改善基本方針に従い,中小漁業構造改善事業を実施するために必要な資金(融資枠353億円)を農林漁業金融公庫から融通した。

(4) 経営の再建及び維持安定のための緊急融資

 漁業経営が依然として厳しい状況にあることにかんがみ,漁業経営の維持が困難となっている中小漁業者であって,その漁業経営の再建を図ろうとするものに対して,低利の漁業経営維持安定資金(融資枠320億円)を融通するとともに,漁業経営再建資金(融資枠300億円)を融通した。