3 加工対策

 ア 地場水産業に密接な関連のある伝統的水産加工業の省人化,労働環境の改善等を図るため,(社)マリノフォーラム21が行う当該加工業に汎用性のある生産システムのオートメーション化に必要な技術開発に対して新たに助成した。

 イ 我が国水産加工業の活性化を図るため,新たに,多角的な水産加工原料確保のために必要な魚肉中の不用物質(塩化アンモニウム,色素,酵素等)の除去・抑制技術の実用化技術の開発を行う水産加工新原料開発事業に対し助成したほか,引き続き,高純度のDHA(ドコサヘキサエン酸)を大量かつ効率的に抽出・精製するための技術を開発するDHA高度精製抽出技術開発事業に対し助成した。

 また,近海資源を活用して消費者ニーズの変化に対応した新製品・新技術の開発を進めるため,地方公共団体の水産試験場等と水産加工業者等による共同研究開発を促進する水産加工技術基盤整備事業に対し助成した。

 ウ 食品産業の技術革新を担う先端的な技術に関する共同研究を推進するとともに,技術基盤の向上を図るため,新たに,{1}微生物の代謝機能を活用することによる従来法では困難な食品産業排水の総合的な処理のシステム技術の開発,{2}酵素,微生物等の持つ機能を用いたバイオセンサー(生物化学検知器)による計測技術の開発,{3}食品産業の安全性対策強化のための海外の食品安全性に関する情報の収集・提供,{4}地域の食品企業のみでは解決の困難な技術問題に対応し,異業種企業や生産者との連携強化による技術開発を推進した。また,引き続き,{5}食品産業から排出される副産物・廃棄物から食物繊維等有用な物質を分離,回収する技術(エコ・プロセス)の開発,{6}立体構造解析技術を利用した新しい食感を持つ食材や水溶性等の新機能を付加した素材の開発及び食品素材としての適性等の評価技術(マテリアル・イノベーション)の開発,{7}中小企業の労働力不足等を克服するための省力化,自動化等の技術開発,{8}食品製造工程における熟練者の勘,経験に基づく判断処理技術のコンピューター化による効率的な食品生産システム(インテリジェンスコントロール)の開発,{9}環境に対して負荷の少ない食品包装・容器等(エコロジカル・パッキング)の開発,{10}細胞融合等のバイオテクノロジーの手法を活用した食品機能の変換及び高度化技術(フードデザインテクノロジー)の開発を行った。このほか,新技術の応用研究,汎用性の高い技術の開発,情報システムの整備,人材育成及び食品産業における国際技術協力を引き続き行った。

 エ 公害の防止及び廃棄物の適正処理に関して,情報の提供及び公害防止技術の指導を行うとともに,工場等の排水処理の環境保全についての特別指導に助成を行った。

 また,食品の生産・流通・消費の各段階を通じて食品廃棄物や包装・容器の減量化,再資源化等の取組に対して食品産業を横断的にとらえた環境対策を総合的に行った。

 オ 近年の水産加工業を取り巻く情勢の変化に対応して,我が国近海資源の有効利用と水産加工業の体質強化を図るため,「原材料の供給事情及び水産加工品の貿易事情の変化に即応して行われる水産加工業の施設の改良等に必要な資金の貸付けに関する臨時措置に関する法律」の期限を5年間延長し,水産加工資金(融資枠145億円)の融通を引き続き行ったほか,対象魚種・対象地域の追加,融資限度額の引上げ等資金内容の拡充を行った。

 また,国際規制の強化に対応した水産加工業者の経営の維持安定,近海低利用資源の有効活用の促進及び近海資源を原材料とする水産加工業の体質強化を図るため,水産加工経営改善促進資金(融資枠140億円)を融通した。

 カ 漁業をめぐる国際環境の変化等による原料魚の供給減少等により事業転換を余儀なくされる水産加工業者に対しては,中小企業体質強化資金の融通を行った。

 また,これらの水産加工業の従事者に対しては,「特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法」等に基づき,失業の防止と円滑な職業転換を図ったほか,離職を余儀なくされる者の再就職の促進を図った。