4 消費者対策の推進

(1) 食品規格・表示の適正化

 ア 消費者の食品に対するニーズの多様化を踏まえ,消費者の適切な選択等に資するため「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)」を一部改正し,特別な生産・製造方法等により生産された特別表示食品について生産の方法に着目した特定JAS規格を制定できることとしたほか,品質表示基準を制定できる品目の対象範囲を拡大した。また,これらの特別表示食品について,都道府県が基準を策定し,認証すること等により表示の適正化を推進した。

 イ JAS法に基づくJAS規格及び品質表示基準について,必要に応じ,新規制定の推進,既制定規格・基準の見直しを行った。

 また,JAS規格の設定が困難な品目について,消費者の適正な選択に資するため,必要に応じ,各種の品質表示ガイドラインの制定を推進するとともに,その普及・定着を図った。

 さらに,食品の日付表示のあり方等食品表示に係る諸問題につき総合的な調査・検討を行った。

 ウ 地域消費者団体等に対するJAS制度についての啓発等JAS制度の普及・定着を促進したほか,JAS規格の検査指導体制の強化,食品製造工場等の品質管理担当者を対象とする講習,品質表示基準遵守状況の点検調査等を行い,JAS制度の推進を行った。

 エ FAO/WHO合同食品規格計画に基づく国際食品規格のJAS規格への採用に係る問題点の調査・検討を行った。

(2) 食品の安全性の確保対策

 ア JAS制度における食品等認定工場の資格要件である技術的基準について,安全性確保の観点から,新たに製造工程上具体的に安全管理等を必要とする施設整備等の主要ポイントを調査分析して,適正製造基準(GMP)の策定を推進した。

 イ 食品の生産,加工,流通,消費の各段階でのモニタリング体制の整備及び迅速で的確な検査分析能力の向上を図るため,農林水産消費技術センターの検査分析体制の整備充実を図った。

 さらに,輸入食品等の適正な品質を確保するため,JAS制度における高度な分析技術を有する登録格付機関の検査体制を整備するとともに,登録格付機関による特定品目についての安全性のチェックを行った。

(3) 健康的で豊かな食生活の推進等

 ア 食料消費,食行動が多様化する中で,我が国の食文化の優れた点を維持,発展させ,食料消費の適正化,安全,良質な食料の安定供給に資するため,食文化に関する国際シンポジウム,食卓へ向けての優秀な提案に対する表彰,食をテーマとする研究集会の誘致等新たな食文化創造へ向けての提案の場を設けた。

 また,食生活・食料消費についての基礎的な情報を収集・整理するため,ライフスタイル別に食料消費動向についての調査を行った。

 イ 多様化,高度化することが予想される食品等に係る相談等に対応するため,都道府県における相談処理体制の整備に対し助成するとともに,消費者に対し,相談方法,食品の安全性の知識等に関する情報提供,講習会等の啓発を実施した。

 また,消費者が環境に配慮した食行動をとる際のよりどころとなる具体的な提案内容等について検討を行い,消費者が自主的に環境面からみて望ましい食行動をとれるよう啓発した。

 ウ 消費者を対象に,テレビ等各種媒体による食生活に関する知識の提供等の啓発活動を推進した。また,消費者の主体的な商品選択を助長するため,テレフォンサービスにより的確な情報を提供した。

 エ 健全な食料消費を推進するため,食料品消費モニター経験者等食料消費に関する基礎知識を有し,地域における活動の中核となる者を対象に食料消費に関する研修を実施することにより,消費者相談,消費者への助言,情報提供等を行い得る者を育成した。

 オ 食生活に係る様々な情報がはん濫している中で,行政として,多様化するニーズに応えるため,消費者,生産者,加工流通業者等あらゆる方面からの情報を機動的に収集・フィードバックするシステムを整備した。

 カ 消費者行政ニーズの増大等に対応して,農林水産消費技術センターの検査分析能力の向上を図りつつ,消費者の関心の高い事項等について検査分析し,その結果等を踏まえて食品等に関する情報提供を行ったほか,同センターによる消費者相談の広域的機動的な展開等の消費者対策の強化を図った。

 キ 「消費者保護基本法」の趣旨に基づき,農林水産本省,地方農政局,農林水産消費技術センター,食糧事務所,(財)食品産業センター等による消費者相談・苦情処理体制を整備するとともに,商品テスト機関連絡会議の全国及び地域での開催,農林水産消費技術センターにおける都道府県消費生活センター職員等の研修を行った。

 ク 消費者と行政,食品産業界,生産者団体あるいは消費者相互の対話交流を一層促進するため,農林水産本省,地方農政局,農林水産消費技術センター,食糧事務所の「消費者の部屋」又は「消費者コーナー」の充実を図った。また,農林水産本省の「消費者の部屋」と地方の「消費者の部屋」を結ぶ情報システム(電子ファイルヘの情報蓄積及びファクシミリによる地方との連携)の整備を促進した。