2 漁業労働力対策の充実

(1) 漁業労働力の確保等

 ア 漁業就業者の確保育成を組織的かつ有機的に行うため,新たに,中央及び都道府県に漁業就業者確保育成のための体制を整備したほか,漁業労働力需給情報の収集・提供,人材育成等を行う事業に対し助成した。

 イ 漁業労働力の確保のため,船員職業安定所において,求職者に対する職業指導及び職業紹介並びに求人開拓に努めた。特に,若年労働力確保のため,新規学卒者の求人及び求職開拓を積極的に行った。

 また,国際環境の変化,国際規制の強化等に伴う漁業離職者が特定の地域に多数発生することから,引き続き船員職業安定所間において,ファクシミリによる求人情報の全国的な展開を行うとともに,求職者の求職活動の利便を図るため,テレホン・サービスによる求人情報を提供することにより,広域職業紹介を行い,地域的需給不均衡の解消に努めた。

 さらに,漁業離職者等に対して,公益団体等が行う海技資格訓練等の受講を積極的に指導した。

 ウ 海技従事者国家試験を定期的に実施し,漁船乗組員の多い地域においては臨時試験を実施した。また,船舶職員法施行規則を改正(5年11月1日施行)し,従来,海員学校等の卒業生が商船に乗船した場合に限り認めていた国家試験に当たり必要となる乗船履歴に係る軽減措置の対象範囲を漁船に拡大し,海員学校等卒業者の漁業就業へのインセンテイブの付与を図った。

(2) 漁業労働条件及び労働環境の改善

 ア 漁船船員の労働災害防止対策を計画的に進めるため,第6次船員災害防止基本計画(5〜9年度)を作成するとともに,その効果的な実施を図るため,5年度船員災害防止実施計画を作成して,自主的な船員災害防止体制の確立,船内作業の安全化等の労働災害防止対策を船舶所有者,船員及び国の三者が一体となって強力に推進した。

 イ 漁船の海難,海中転落事故等の発生状況にかんがみ,その防止を図るため,安全指導の強化のための講習会の開催及び海中転落者の早期発見方策を確立するための検討を行った。

 ウ 漁船船員の労働条件について,漁船船員の労働条件改善指導要綱に基づき,国内各地で開催される労務担当者教育講習会等を通じて,賃金,労働時間の管理,労務管理体制の整備等について指導の強化を図った。

 エ 漁船船員の労働環境の改善を図るため,漁船船員の労働環境改善措置要綱に基づき,安全の確保,衛生の保持等に努めるとともに,船員労務官による監査,船員災害防止協会等が行う講習会等を通じて労働環境改善のための指導強化を図った。

 オ 漁業労働環境を改善し,漁業への就業の促進を図るため,新たに,漁業における労働時間等の漁業就業環境の実態を調査したほか,漁船について,自動化装置等を導入した機関部の省人・省力化に関する調査・検討を実施した。

(3) 漁業離職者の再就職の促進

 ア 船員職業安定所及び公共職業安定所において,漁業離職者に対する求人情報の提供,職業相談及び職業紹介に努めたほか,その円滑な再就職を図るため漁協等との連絡を密にし,広域的な就職促進のための措置を引き続き講じた。

 イ 国際環境の変化,国際規制の強化等に対処するために実施される減船に伴う漁業離職者については,その実態に即応しつつ必要に応じ,「漁業再建整備特別措置法」,「国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法」等に基づく措置を講じ,再就職の促進と生活の安定を図った。