3 金融・税制上の措置

(1) 漁業経営改善促進資金

 中小漁業者の経営の改善合理化に向けた取組を支援するため,「漁業再建整備特別措置法」(昭和51年法律第43号)に基づく構造改善事業を実施する中小漁業者のうち,経営の多角化や協業化,漁船使用の長期化等による生産コストの低減,漁獲物の加工への取組や販売方法の改善等の取組を行うものに対して,低利の短期運転資金(融資枠1,000億円)の融通を措置した。

(2) 経営の再建及び安定等のための緊急融資

 漁業経営の維持が困難となっている中小漁業者であって,その漁業経営の再建を図ろうとするものに対し,漁業経営維持安定資金の融通を図ったほか,国際規制関連経営安定資金,漁業経営再建資金,漁業経営強化特別資金,水産物生産流通等高度化資金及び漁業経営環境変化対応緊急資金の融通を措置した。

(3) 農林漁業金融公庫資金等及び漁業近代化資金

 ア 農林漁業金融公庫資金の水産関係の貸付計画額を400億円としたほか,沿岸漁業構造改善資金について,10トン以上漁船の貸付限度額の引上げを行った。

 また,沖縄振興開発金融公庫の農林漁業関係貸付計画額を80億円としたほか,水産加工施設資金について,貸付対象者の条件緩和を行った。

 さらに,日本政策投資銀行(旧日本開発銀行)の水産関係資金の融通を措置した。

 イ 漁業者等の資本装備の高度化を図り,経営の近代化を促進するため,漁業近代化資金(融資枠1,250億円)の融通を措置した。

 また,融資内容の充実を図るため,漁村給排水施設の貸付対象の拡大を実施した。

(4) 中小漁業融資保証制度

 中小漁業者等の漁業経営等に必要な資金の融通の円滑化を図るため,漁業保証保険資金に充てるために必要な政府出資を農林漁業信用基金に対して実施したほか,漁業信用基金協会に対する都道府県の出資について助成した。

 また,「中小漁業融資保証法」(昭和27年法律第346号)に基づき,漁業信用基金協会に対する常例検査を実施した。

 さらに,良質保証の拡大による保証保険収支の改善を図るため,普及推進の講習会の開催,ポスター・リーフレット等による啓発普及等を実施したほか,漁業信用基金協会の業務の円滑化を図るため,同協会のコンピューターの新システムを開発した。

(5) 沿岸漁業改善資金の充実

 沿岸漁業従事者等が自主的にその経営及び生活を改善し,また,青年漁業者等の養成確保を図ること等を助長するため,沿岸漁業従事者等に対する中・短期の無利子資金の貸付(貸付枠58億円)を実施する都道府県に対し,貸付資金の造成に必要な経費を助成した。

 また,環境対応型養殖業推進資金の貸付限度額の引上げを実施した。

(6) 国税・地方税の特例措置

 平成11年度の税制改正により講じた措置のうち,沿岸漁業及び中小漁業に関する主要なものは,次のとおりである。

ア 国税

{1} 水産業協同組合の留保所得の特別控除制度について,所要の見直しを行った上,その適用期限を2年延長した。

{2} 「漁業再建整備特別措置法」に基づく中小漁業構造改善計画を実施する漁業協同組合等の構成員の漁船の割増償却制度について,その適用期限を2年延長した。

{3} 農林漁業金融公庫資金等の転貸の場合の抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置について,その適用期限を2年延長した。

{4} 漁業信用基金協会の受ける抵当権の設定登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置について,その適用期限を2年延長した。

{5} NTT株の売却収入を活用した無利子貸付けを受けて水産業協同組合が整備する一定の漁港施設用地に供する土地で,国又は地方公共団体に無償譲渡されるものに係る所有権の保存登記の登録免許税の軽減措置について,その適用期限を2年延長した。

イ 地方税

 水産業協同組合がNTT-A型の無利子資金の貸付けを受け,国又は地方公共団体に無償譲渡する漁港整備事業の用に供する土地を取得した場合の不動産取得税の非課税措置について,その適用期限を2年延長した。