6 漁業労働力対策の充実

(1) 漁業労働力の確保等

 ア 沖合漁業,遠洋漁業及び沿岸漁業の就業者確保対策を組織的かつ効率的に行うための全国的な組織を整備し,漁業労働力需給情報の交換,都会から漁村へのU・IターンのPR等の広報活動等をはじめとする漁業就業者の育成確保のための諸対策を総合的に実施した。

 イ 漁業労働力の確保のため,船員職業安定所において,求職者に対する職業相談及び職業紹介並びに求人開拓に努めた。特に,若年労働力確保のため,新規学卒者の求人及び求職開拓を積極的に実施した。

 また,国際規制の強化等に伴う漁業離職者が特定の地域に多数発生することが予定されたことから,全国の船員職業安定所間において,ファクシミリによる求人情報について広域的な展開を実施したほか,求職者の求職活動の利便を図るため,テレホンサービスによる求人情報を提供することにより,広域職業紹介を実施し,地域的需給の不均衡等の解消に努めた。

 このほか,漁業離職者等に対して,公益団体等が実施する海技資格訓練等の受講を積極的に指導した。

 ウ 海技従事者国家試験を定期的に実施し,漁船乗組員の多い地域においては臨時試験を実施した。また,海技免状については5年ごとの有効期間の更新を行い,更新忘れの者等に対しては講習を実施して海技免状の再交付を行った。

(2) 漁業労働条件及び労働環境の改善

 ア 漁船船員の労働災害防止対策を計画的に進めるため,「第7次船員災害防止基本計画」(平成10〜14年度)に基づき平成11年度船員災害防止実施計画を作成して,自主的な船員災害防止体制の確立,船内作業の安全化等の労働災害防止対策を船舶所有者,船員及び国の三者が一体となって強力に推進した。

 イ 漁船の海難,海中転落事故等の発生状況にかんがみ,その防止を図るため,安全指導の強化のための講習会を開催した。

 ウ 漁船船員の労働条件について,漁船船員の労働条件改善指導要綱に基づき,国内各地で開催される労務担当者教育講習会等を通じて,賃金,労働時間の管理,労務管理体制の整備等について指導の強化を図った。

 エ 漁船船員の労働環境の改善を図るため,漁船船員の労働環境改善措置要綱に基づき,安全の確保,衛生の保持等に努めたほか,船員労務官による監査,船員災害防止協会等が実施する講習会等を通じて労働環境改善のための指導強化を図った。

 オ 指定漁船に乗り組む海員に対する「週40時間労働制」の実現に向けて,平成11年4月から航海中は週44時間以内(操業期間中を除く。),停泊中は週40時間以内とされたので,その実現のため雇い入れ公認手続き等の機会を捉えて強力な指導を行った。

(3) 漁業離職者の再就職の促進

 ア 船員職業安定所及び公共職業安定所において,漁業離職者に対する求人情報の提供,職業相談及び職業紹介に努めたほか,その円滑な再就職を図るため漁協等との連絡を密にし,広域的な就職促進のための措置を講じた。

 イ 国際環境の変化,国際規制の強化等に対処するために実施された減船に伴う漁業離職者については,その実態に即応しつつ必要に応じ,「漁業再建整備特別措置法」(昭和51年法律第43号),「国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法」(昭和52年法律第94号)等に基づく再就職の促進等のための特別の措置を講じ,漁業離職者の職業及び生活の安定を図った。