2 水産物の流通対策

 ア 一定の品質・規格でまとまった量の水産物の安定的かつ低コストでの供給を実現するため,水産物供給の拠点となる産地における流通・加工の高度化等を図るために必要な施設整備を計画的・効率的に実施した。加えて,漁協合併等を契機とした産地市場の統合を支援するため,漁協合併を計画している拠点的な産地等において,流通加工機能と水揚機能を一体的に強化するための施設の整備を推進した。また,沿岸地域における流通加工機能の強化を図り,当該地域に水揚げされる水産物の付加価値の向上を図った。

 イ 産地市場の価格形成機能を強化し,産地流通の活性化を図るため,漁業協同組合等が主体となった産地市場の統合・機能分担,一次処理・加工分野への進出,地域水産物の利活用等の取組を促進した。

 ウ 産地と消費地との双方向の情報交換を活発化させ,水産物流通の効率化を図るため,最近進展の著しい情報通信技術を活用した使いやすくより効率的な情報網の構築に向けた検討と実証を行った。

 エ 水産物の安定供給を図るため,産地における漁獲物の直接販売等の供給体制の強化,需要者の高鮮度・簡便志向に対応した新製品の開発等水産物の新たな供給システムの開発を推進した。また,小型の多獲性魚種を餌料及び加工原料として有効利用するため,漁業者と養殖事業者等の間の円滑な取引を推進した。

 オ 輸入が急増している水産物等について,輸入元国における生産・流通の状況,国内産地への影響等の調査・分析等を行った。

 カ 水産物流通において基幹的役割を担う卸売市場について,「第6次卸売市場整備基本方針,中央卸売市場整備計画及び都道府県卸売市場整備計画」(平成8〜17年度)に基づき,卸売市場施設の計画的整備,取引方法の多様化,情報化の推進,卸売業者・仲卸業者の経営体質の強化等卸売市場の機能をハード・ソフト両面から強化した。具体的には,「第6次卸売市場整備基本方針」に基づく重点的整備・機能強化の推進,財源の一層の効率的活用等の観点から,中核的市場の再整備を緊急かつ重点的に推進したほか,物流効率化,情報化,衛生・環境対応機能の強化等に資する施設の重点的整備を推進した。

 また,卸売市場を軸とする産地,小売の各段階を通じた情報ネットワークを活用し,搬送資材効率化,一貫低温流通等の物流上の課題に対応した水産物流通におけるロジスティクス(物流効率化のための総合的・戦略的なシステム)を構築したほか,複数の卸売市場が情報ネットワークを構築することによる合理的な物流を推進した。

 さらに,卸売業者・仲卸業者の経営体質を強化するため,卸売業者・仲卸業者が必要な施設の整備とあわせて,営業権の取得,出資による支配関係の構築,業者数の縮減等を実施する場合に必要な資金の融通を措置した。

 キ 消費者ニーズの多様化・高度化,労働環境の変化,環境問題への関心の高まり等食品流通を取り巻く社会的経済的情勢の変化に適切に対応するため,1食品流通構造改善促進法」(平成3年法律第59号。以下「流改法」という。)に基づき,食品流通の構造改善対策を実施した。

 (財)食品流通構造改善促進機構を通じ,「流改法」に基づく構造改善事業を積極的に推進するため,構造改善計画の作成の指導及び当該事業に関する調査・研究等総合的な構造改善対策を推進した。

 また,最新の情報技術を活用し,地域の食品販売業者が共同で受注,配送,代金決済等の在宅取引(電子御用聞き)を行うためのシステム開発・実証実験,地域社会の担い手となる中小食品商業について後継者の育成のための教育システムの構築等を実施した。

 さらに,大型量販店の競争力の強まり,いわゆる「価格破壊」の動き,食品卸売業者の系列化の進展等に対応して,中小食品卸・小売業者の組織の活性化・人材育成を図ったほか,仕入れ・配送業務の共同化,情報化等を推進するための指針策定,モデル的事業運営等を支援した。

 ク 消費者利便の増進を図るとともに食品流通段階での環境問題に対処するため,食品商業施設に附帯する食品流通機能高度化施設及び鮮魚小売店等から廃棄される魚腸骨等食品廃棄物処理施設を整備したほか,新鮮・高品質な食品に対する消費者ニーズへの幅広い対応と地域で生産された農林水産物の販路の確保を図るため,地域食品商業活性化施設を整備した。

 また,生鮮食品等の流通全体の効率化,魅力ある小売業への転換による食品小売業の活性化を図るため,食品小売業者が加工・包装等の業務を一括共同化するための取組を支援した。

 さらに,遠隔産地,中山間地域の地域間物流について,鉄道・船舶が有する大量・低廉輸送機能と冷蔵コンテナが有する品質保持機能を併せて活用することにより,遠隔産地等から消費地に輸送する生鮮食品等の低コスト幹線低温物流システムを構築した。

 ケ 農水産物の生産から加工・流通・消費に至る食料供給の一連の流れであるフードシステムの連携を強化しつつ,新製品の開発や販路の拡大,有機性廃棄物の循環利用の促進,モデル的な加工施設の整備等多様な取組を推進するため,フードシステム連携強化・循環推進事業を実施した。