1 漁港漁村等の整備

(1) 漁港施設の整備

 漁港の整備は,「第9次漁港整備長期計画」(平成6〜13年度,総事業費3兆円)に基づいて行われており,その実施状況は, 表V-1 ( ダウンロード )のとおりである。

 このほか,水産業協同組合が事業主体となり,国から無利子貸与を受けて漁港施設の整備を行うNTT-Aタイプ事業(平成11年度事業費19億7,100万円)を実施した。

(2) 漁港漁村環境等の整備

 「第9次漁港整備長期計画」に基づき,豊かで活力ある漁村の形成をめざし,漁港機能の増進と周辺漁業集落における生活環境の改善を図るため,漁業集落道,水産飲雑用水施設,漁業集落排水施設,緑地・広場施設,防災安全施設等の生活環境改善施設及びそのための用地を整備する漁業集落環境整備事業を実施した。

 また,快適で潤いのある漁港環境を形成するため,植栽,休憩所,運動施設,親水施設,安全情報伝達施設及びそのための用地等の整備により景観の保持・美化を図ったほか,汚泥等の除去,覆砂及び藻場・干潟等の整備により,水域環境を改善する漁港環境整備事業を実施した。

 さらに,離島,辺地等の小規模な漁村において漁港施設と生活環境改善施設を総合的に整備する漁港漁村総合整備事業(一般型)及び漁港環境施設等と併せて整備する漁港漁村総合整備事業(交流促進型)に加え,高齢者が就労・生活しやすい漁港漁村づくりを推進するため,高福祉施設等を併せて整備する漁港漁村総合整備事業(高福祉型)を実施した。

 このほか,水産物の衛生的な取扱い,つくり育てる漁業を支援するための海洋深層水供給施設,漁業活動等を支援するための漁港漁村地域の情報基盤施設等を整備する漁港高度利用活性化対策事業を実施した。

(3) 漁港関連道の整備

 漁獲物,漁業用資材等の輸送の合理化を図るため,「第9次漁港整備長期計画」に基づき,農林漁業用揮発油税財源の身替り事業として,漁港と主要道路又は関連漁港等を結ぶ漁港関連道整備事業を実施した。

(4) 海岸保全施設の整備

 「第6次海岸事業七箇年計画」(平成8〜14年度,総投資規模1兆7,700億円)の4年度目として,漁港・海岸の背後に密集する漁業集落を高潮,津波,波浪及び侵食による被害から防護し,国民生活の安定を図ったほか,自然との共生を図り,利用しやすく親しみのもてる海岸の創造を目指して海岸保全施設の整備を積極的に推進した。

(5) 海岸環境等の整備

 多様化する海洋性レクリエーションの需要に対処したほか,快適で潤いのある生活の実現に向けて,地域の特性と調和した優れた海岸環境の保全・整備を推進した。

 また,狭あいな漁村地域において公園,学校等の公共用地を確保するため公有地造成護岸等の整備を推進した。

(6) 公共的施設の整備

 ア 漁村における生涯学習の推進を図るため,公民館,図書館等の社会教育施設の設備整備並びにこれらの施設における学習活動及び地域活動について助成した。

 イ 漁協が漁業に関する災害の防止及び漁獲物その他生産物の生産・流通に必要な情報の伝達を目的として,同時性に優れた同報通信方式による無線局(無線設備は,市町村が開設している防災行政用同報無線局の設備を共用する。)の開設を推進した。

 また,これらの施設の効果的な利用,適正な管理運営等を推進するため,関係団体が行うコンサルタント活動等を促進した。

 ウ 農山漁村における電気導入について農林漁業金融公庫資金からの融通を措置するとともに,離島における電気導入事業を実施した。

(7) 過疎対策等の推進

 ア 山村等中山間地域の振興を一層促進するため,地域の個性を活かした多様な地域産業振興,山村・都市交流とこれを支援する豊かな自然環境,地域の担い手の確保に重点を置いた総合的な地域振興施策を展開した。

 イ 地域住民による世代を超えた新たな助け合い精神に基づいたボランティア組織の育成及びボランティア活動を支援した。

 ウ 「特定の農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律」(平成5年法律第72号)に基づく新たな農林業等活性化基盤整備計画に即し,高収益・高付加価値型農業の展開,多様な担い手の育成,地域間交流の促進など地域の活性化に向けて取り組むソフト活動の計画的な実施に必要な市町村の基金の造成等に助成し,これら取組を安定的・継続的に支援した。

 エ 過疎地域及び振興山村において,基幹的な漁港関連道等の整備の推進を図ったほか,農林漁業金融公庫から農林漁業者等に対し長期低利の振興山村・過疎地域経営改善資金(融資枠30億円)の融資を実施した。

 また,市町村が実施する漁業の経営の近代化のための養殖施設等の整備に必要な財源として,辺地及び過疎対策事業債(総計画額4,475億円)について配慮した。

 オ 小規模零細地域対策として,漁業の生産基盤及び近代化施設の整備等を推進した。

 カ 漁村住宅の改善に資するため,住宅金融公庫等から個人建設住宅資金の一般貸付けを実施した。さらに,償還方法に特例措置が講じられている集落再編成移転者等に対し,土地費も貸付対象とする個人建設住宅資金特別貸付けを実施した。

 また,漁村住宅の増改築を行う者に対して住宅改良資金の貸付けを行った。

 さらに,特定優良賃貸住宅制度を活用し,過疎地域等における若年層等の定住を促進した。

 キ 過疎地域の水産業の振興に資するため,モデル市町村の指定を行い,郵便局と地方自治体等とが連携して当該地域における水産業関係の各種産品を郵便局の「ふるさと小包」として商品化することを促進した。

 ク 漁業等の勤労体験,自然体験等の機会を幅広く子どもたちに提供するため,子どもが夏休みに自然の中で親と離れて2週間程度の長期宿泊体験を行う「子ども長期自然体験村」を漁村等に設置した。

(8) 建設コストの縮減

 「水産関係公共事業のコスト縮減計画」に基づき,水産関係公共事業の効果的・効率的な執行を図った。また,平成10年12月に策定された「漁港漁村の技術開発導入基本方針」に基づき,コスト縮減等に資する新技術の開発・導入を積極的に図ったほか,計画的かつ着実にコスト縮減を推進した。