3 沿岸漁業活性化構造改善事業の推進等による漁村の活性化

 ア 近年の沿岸漁業をめぐる厳しい情勢に対処するため,「沿岸漁業活性化構造改善事業」(平成6〜11年度)を実施した。

 この事業は,{1}海の生産力の向上と資源に見合った健全な漁業の育成,{2}需要変化・消費動向に対応した供給体制の確立,{3}漁村におけるゆとりの創造と快適な労働・生活環境づくり及び{4}都市住民との交流の促進等による漁村社会の活性化を基本目標として,漁業生産基盤,近代化施設,漁村環境,都市と漁村の交流促進のための施設整備等を総合的に実施するものであり,{1}地域漁業活性化構造改善事業(対象85地域),{2}広域漁業活性化構造改善事業(対象地域39地域),{3}海の恵みモデル事業(対象地域20地域),{4}美しいむらづくり対策事業(対象地域10地域),{5}資源管理型漁業促進対策事業(対象地域138地域)及び{6}漁港高度利用活性化対策事業(対象地域50地域)により構成されている。

 この中で,{3}海の恵みモデル事業においては,離島,半島,過疎地域等自然的,社会経済的に厳しい条件下にある漁村地域の活性化を図るため,これらの地域について海の恵みを活かした生活環境の整備,地域資源の有効利用による就業機会の確保等を進める事業を実施した。

 また,{4}美しいむらづくり対策事業においては,漁村を豊かで潤いのある生産・生活の場としていくため,水,緑,文化などを活かした景観形成に加え,農山漁村を一体として捉えた環境・生態系の保全と地域資源の有効利用による地域づくりを行う「美しいむらづくり」を推進するため,モデル地区において,「美しいむらづくり計画」に基づき,景観や親水性に配慮した漁港施設等の整備,集落の景観整備,緑地,花壇,並木等の重点整備,景観や環境保全等に配慮した生活環境施設や交流促進施設の整備等を農林業の事業と連携して一体的かつ集中的に実施した。

 イ 沿岸漁業活性化構造改善事業が平成11年度に終了することを踏まえ,新たに都道府県ごとに次期対策に係る構造改善計画等の策定を行うポスト沿岸漁業構造改善事業調査事業を実施した。

 ウ 沖縄県については,水産業に係る生産基盤の整備水準の向上,水産業の振興による地域の活性化等を通じて,事業の地域振興の核となる拠点の整備強化を図りつつ,本土との格差を解消することを目的として,新たに沖縄県水産業拠点強化構造改善特別対策事業(平成11〜17年度)を実施した。

 エ 近年の水産業・漁村を取り巻く状況の大きな変化に対応し,これまでのマリノベーション構想を更に発展させ,水産業の振興と漁村地域の活性化を図ることを目的として平成6年度に策定された新マリノベーション構想(21世紀初頭を目標とする水産業を核とした沿岸・沖合域の総合的な整備開発構想)を推進するため,各種水産施策を総合的に盛り込んだ基本計画の適正な管理,本構想の普及を図るための優良事例等に関する情報提供,新マリノベーション地域(基本計画策定地域)の活性化を支援する活動等を実施した。また,漁村地域の生態系や資源,文化等の利活用を総合的に実施し,地域の活性化を図るため策定された「元気な漁村づくり」計画を推進したほか,都市住民との交流等を促進する拠点の整備を推進した。

 オ 漁業体験活動を通じた都市と漁村との交流を促進し漁村地域の活性化を図るため,交流活動の中心となる人材の育成,地域の受入れ態勢の整備等を行った。