2 海洋水産資源の調査・開発による海外漁場の確保

(1) 海洋水産資源の調査・開発

 最新のハイテクノロジーを導入した大型調査船「開洋丸」により,南極海におけるおきあみ資源調査等を行ったほか,海洋水産資源の開発及び利用の合理化を図るため,海洋水産資源開発センターが実施する{1}新漁場の企業化調査事業(中部太平洋等のまき網漁業等4漁業種類),{2}大型深海調査船「深海丸」により行う深海漁場の企業化調査事業及び{3}海洋水産資源の開発及び利用の合理化に関する資料の収集・提供等の事業に対し助成した。

(2) 海外漁場の確保

 200海里体制の下での沿岸国による資源の管理,公海漁業に対する規制の強化等に対処し,適正な資源の保存及び管理を図りつつ国民のし好に合った食料の安定供給,海外漁場における我が国漁業の操業の確保を図るため,次の施策を講じた。

 ア 我が国漁業の国際的な信頼を得るため,インマルサット衛星等を活用し,我が国かつお・まぐろ漁船等から送信されるリアルタイムの位置情報及び漁獲データを収集し,対象資源の科学的な資源管理を行える体制を整備したほか,我が国漁船が,沿岸国や国際連合食料農業機関(FAO)及び地域漁業管理機関が定める操業取決め・規制を遵守することで,海洋水産資源の国際的資源管理へ積極的に貢献した。

 また,まぐろ資源の国際管理の適正化に資するため,「まぐろ資源の保存及び管理の強化に関する特別措置法」(平成8年法律第101号)を適用し,まぐろ類の輸入業者及び運搬業者から便宜置籍漁船の漁獲物等に関する報告の徴収を開始したほか,これらの情報をインターネット上で公開し,輸入・運搬業者に対し便宜置籍漁船が漁獲した漁獲物を取扱わないよう要請した。

 さらに,くろまぐろに関して種苗生産・放流による資源増大を図るための技術開発を実施した。

 イ 大型鯨類の管理は,「国際捕鯨取締条約」に基づき国際捕鯨委員会(IWC)において行われることとなっているが,IWC総会における各国の態度が世論の影響を大きく受けていることを踏まえ,従来の主として政府関係者等を対象とした広報に加え,広く各国の国民一般をも対象として,鯨類等の海洋生物資源の持続的利用に関する啓発・普及活動を積極的に実施した。

 ウ 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(ワシントン条約)の適切な運用を図り,過度な国際取引規制の導入を防止したほか,漁業の適切な存続を図るための調査を実施した。