2 漁場環境保全対策

(1) 漁場における公害対策等

 ア 二枚貝等の毒化現象に対処するため,毒化及び解毒機構の解明,スクリーニング手法を導入したモニタリング手法等の研究・技術開発を行った。

 イ 良好な漁場環境の維持を図るための漁場保全対策推進事業について助成したほか,映画・パンフレット等により環境と調和する漁業のあり方等についての啓発・普及を実施した。

 ウ 底質環境悪化等により効用が低下している漁場を復旧するため,沿岸漁場保全事業について助成した。特に,産業・生活排水により汚れた沿岸水域において,ヘドロのしゅんせつ等の実施と併せて藻場・干潟の造成を積極的に推進し,「青く豊かな海」の確保を図った。

 また,海域環境対策に係る地域ごとの総合的な計画(「マリン・エコトピア21構想に基づくマスター・プラン)に基づき,沿岸環境緊急回復事業により,漁場環境,海洋環境の維持・修復及び創造を図った。

 さらに,廃棄物等による海浜及び漁場の汚染に対処するため,効果的な海浜及び漁場の美化を総合的に推進するための計画策定,海浜美化指導員の養成,廃棄物の除去等を行う漁場環境保全総合美化推進事業について助成した。

 エ 原因者不明の漁場油濁による被害漁業者に対する救済事業等を実施する(財)漁場油濁被害救済基金に対し助成した。

 オ 油汚染事故による漁業被害を最小限にするため,我が国周辺水域の漁業関連情報を調査,収集及び整理し,これらの情報を取りまとめ,漁業影響情報図等を作成した。

 また,関係都道府県等に対し,汚染防止機材の整備への助成を行ったほか,水産庁漁業取締船に油回収資機材を整備し,防除指導者の育成のための講習会,実地訓練等について助成した。

 カ 種々の生物による環境浄化作用について,浄化効果を含めた環境改善方策を検討するための調査を実施した。

(2) 漁場環境影響調査

 将来の開発事業による漁場への影響を適切に評価するため,集中的に立地された発電所が広範囲にわたる海域の漁業に及ぼす影響についての調査を実施したほか,沿岸漁場における環境の変化が漁場生産力に与える影響等に関する調査を実施した。

 また,新たに1漁場環境保全のあり方」の考え方を整理したほか,それら成果をも踏まえた漁場環境への影響評価を実施した。

(3) 赤潮対策等

 ア 都道府県が実施する赤潮発生状況等の調査,赤潮関係情報の伝達体制の整備,貝毒のモニタリング等について助成した。

 イ 赤潮の発生防止及び被害防止のため,赤潮殺滅微生物を活用した赤潮発生防止技術,広域的かつ総合的な赤潮等の監視を推進するための赤潮・貝毒情報ネットワークシステムの開発等を実施した。

 また,近年,分布を拡大しているヘテロカプサ等の有害プランクトンにより引き起こされる赤潮被害防止のための技術開発等を新たに実施した。

 ウ 漁場の効果的な富栄養化対策として,漁場として望ましい栄養塩等の指針の作成,底生生物の多様度等を考慮した底質環境評価手法の実用化,河川・湖沼域の総合的な浄化機能の評価と水草帯等の浄化促進技術の開発等を実施した。

(4) 有害化学物質(内分泌かく乱物質等)対策

 水銀等による魚介類汚染水域監視・指導調査,ダイオキシン類等の主要漁場の魚介類への蓄積状況の実態調査,今後問題となるおそれが高い物質の魚介類への蓄積状況の早期発見や国際的な食品規格基準の検討対象物質の魚介類中での蓄積状況の実態調査,ダイオキシン類等による魚介類蓄積機構解明のための調査及び有害物質による水産生物への影響防止の観点からの水質目標設定手法の検討を行った。

 また,新たに,我が国周辺の水域における主要な水産資源について,形態的な観察及び血液中のタンパク質(ビテロジェニン)の濃度分析を行ったほか,これら調査水域において内分泌かく乱物質であると疑われる化学物質の生息環境中での蓄積状況の調査等を実施した。

(5) 漁場環境等維持・修復

 生態系に配慮した漁場・海岸等の環境の維持・修復及び創造を行うため,埋立等によって消失する藻場・干潟の代替場として人工の藻場・干潟の造成等を実施する環境修復技術に関する調査・検討を実施したほか,海域及び内水面における漁場・海岸等の環境の維持・修復及び創造を具体的に進めるために基本構想(「マリン・エコトピア21l構想)に基づき地域を指定し,各種関連事業を総合的・計画的に実施するための地域ごとの全体計画(マスター・プラン)を策定した。