3 水質汚濁・海洋汚染の防止

 ア 公共用水域の水質保全を図るため,「水質汚濁防止法」(昭和45年法律第138号)の規定に基づき,排水規制及び生活排水対策等の各種水質保全対策を実施した。また,海域の窒素及び燐に係る環境基準の類型当てはめを進めたほか,海域の富栄養化防止の総合的な推進に努めた。さらに,東京湾,伊勢湾及び瀬戸内海について,汚濁負荷量の削減のため水質総量規制を推進した。瀬戸内海については,「瀬戸内海環境保全特別措置法」(昭和48年法律第110号)に基づき,総合的な環境保全施策を推進したほか,従来の規制を中心とした保全型施策を充実し,失われた良好な環境を回復させる施策の展開を図るための検討を進めた。東京湾及び伊勢湾については,栄養塩類の削減指導を推進した。また,水質環境基準の確保が緊要な湖沼の水質保全対策として,「湖沼水質保全特別措置法」(昭和59年法律第61号)に基づく指定湖沼10湖沼について,総合的かつ計画的な水質保全対策を推進した。

 さらに,富栄養化に関する調査・研究等を実施したほか,各種水質測定機器の整備等について都道府県等に対し助成した。

 また,生態系の保全を含めた海洋環境保全を図るため,我が国の排他的経済水域等において,水質,底質及び水生生物を総合的かつ系統的に把握するための海洋環境モニタリングを行った。

 このほか,「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律」(昭和45年法律第136号)に基づく油,有害液体物質,廃棄物等の排出規制の円滑な実施を図ったほか,未査定液体物質の適正な査定を行った。また,我が国沿岸で発生する油流出事故対応の充実を図るため,事故発生時における環境影響調査手法のガイドライン策定に必要な調査を実施した。

 イ 海洋環境の保全に資するため,巡視船艇・航空機の効率的な運用により厳重な監視・取締りを実施したほか,監視・取締用資器材の整備等監視・取締体制の充実を図った。また,近年における環境問題は,国民の日常生活等に伴う環境への負荷の集積によって生じることから,海事,漁業関係者のみならず一般の人々をも対象とした幅広い各種の指導・啓発活動を実施し,海洋環境保全思想の普及に努めたほか,船舶の不法投棄について,廃船投棄事犯の発生の抑制及び廃船の適正処理の促進を目的とする「廃船指導票」を用いた指導に努めた。

 さらに,我が国周辺海域や閉鎖性の高い海域等における海洋汚染の科学的調査,廃油ボールの漂流・漂着状況の調査及び海上漂流物の実態調査を実施した。

 このほか,油等の排出事故に対処するため,巡視船艇・航空機,防除資機材等の整備を図り,全国各地において官民合同の大量の油等の排出事故対策訓練を実施したほか,排出油の防除等に関する専門家からなる機動防除隊の業務執行体制の強化を図った。また,防災対応に必要な沿岸域情報の充実を図ったほか,浮流油の的確な処理に必要な漂流予測の精度向上のための体制の強化を図った。

 さらに,船舶所有者,油保管施設の設置者,海上災害防止センター,排出油の防除等に関する協議会等に対する指導,海上防災訓練の実施等により,官民一体となった海上防災体制の充実を図ったほか,多様化する海上災害に対処するため,防災技術,資機材等の開発等を推進した。

 また,タンカー等による大規模な海洋汚染事故発生時に,油等の海上浮遊物の防除作業・回収作業を効率的・計画的に実施して海洋環境への被害の低減及び早期復元を図るため,事故処理機関に対して処理活動に必要な気象・波浪・水温等の予測情報や1週間程度先までの漂流予測情報を作成して提供する業務を開始した。

 ウ 海域環境の改善,親水空間の確保等快適な海域環境を創造するため,ヘドロが堆積し,汚染された海域において,覆砂等を行う海域環境創造事業(シーブルー事業)を2海域及び11港で実施した。

 また,港湾及び一般海域の環境を改善するため,港湾管理者の実施した大阪港等5港における汚泥のしゅんせつ事業等,廃油処理施設の整備等に対し助成した。さらに,直轄事業として,ごみ回収船,油回収船等により東京湾,伊勢湾及び瀬戸内海におけるごみ・油回収事業を実施した。

 このほか,環境の改善への要請が高い内湾水質の浄化等高質な環境創造技術に対する調査を実施した。

 エ 海洋バックグランド汚染観測により,海洋における汚染物質の長期的監視として,重金属,油分,浮遊汚染物等の観測を日本周辺及び北西太平洋海域で定期的に実施したほか,地球温暖化及びオゾン層破壊対策の一環として海洋における温室効果ガス,オゾン層破壊物質等の観測を行った。