ホーム > 「食品に関する消費者コミュニケーション~もっと語ろう、食のこと」 > 平成21年度第3回「輸入食品について」意見交換概要
食品の輸入届出窓口状況についてお伺いしたい。
また、他の港に入った食品も小樽検疫所で検査をするのか。
全国6箇所に設置されている検査課について再度説明をお願いしたい。
検疫所では、「検疫法に基づく海外からの病気の侵入防止」及び「食品衛生法に基づく輸入食品の監視」の大きく分けて二つの業務を行っている。
輸入食品に関する業務については、北海道内では小樽と千歳空港の2箇所だけで行っており、函館や稚内、釧路等の出張所は検疫業務のみを行っている。千歳空港支所に関しては、千歳空港の区域のみで、それ以外の道内で通関される輸入食品の監視については、全て小樽で対応しており、必要に応じて、職員が出向き収去(採取)等をして対応している。
検疫所が行う検査(主にモニタリング検査)については、現在、GLP(Good Laboratory Practice:優良試験所基準)という信頼性の確保されるシステムに基づいて実施をしており、各所に検査課を作るのは技術面や経費面でかなり厳しいと考えられる。一般的には、残留農薬やカビ毒のような高度な検査については、神戸、横浜の検査センター2箇所で行い、添加物や細菌検査などの検査については検査課で行うことになっている。
小樽検疫所への輸入届出件数は、千歳空港を含めても約23,000件と比較的少なく、モニタリング検査件数も約1,700件と少ないこともあり、検査課は置かれていない。このことから、小樽検疫所では収去(採取)のみを行っており、その採取した食品等を検査項目によって検査センターもしくは検査課へ送付して検査を実施する形となっている。
小樽検疫所では、届出件数約20,000件のうち、6%強の検査を行っているが、モニタリング検査は、輸入者負担が無く検疫所で行っており、検査命令や自主検査は、輸入者の自己負担により、登録検査機関が検体採取から検査まで実施している。(検査項目の重複分があるため、届出件数としては約1,200件強)。
※GLP・・・医薬品や化学物質等の安全性評価試験の信頼性を確保するため、試験施設が備えるべき設備、機器、組織、試験操作等の手順書等について基準を定めること。
※登録検査機関・・・政府の代行機関として、業務規程の認可を受けた製品検査を行うことができる検査機関。
モニタリング検査で採取される食品は、どのようにして決められているのか。
説明資料の16枚目「モニタリング検査件数の算出方法」をご覧いただきたい。
1の摂取量の多い食品、違反の蓋然性、輸入実績等を基に食品を分類し、2の検査分類【残留農薬や抗菌性物質等、添加物、成分規格(冷凍食品の細菌検査等)】毎に、CODEXガイドラインに基づき検査数を設定の上実施している。即ち、届出件数、重量、過去の違反率や危険度を基にして検査数を算出している。
※蓋然性・・・ある事柄が起こる確実性や、ある事柄が事実として認められる確実性の度合い。
※CODEX・・・1962年にFAO(国際連合食糧農業機関)とWHO(世界保健機関)によって設置された政府間組織。FAO/WHO合同食品規格委員会。
違反の状況や残留農薬の有無、事故があったかなど、北海道に輸入されている食品の違反事例を知りたいので、資料をいただくことは可能か。
小樽検疫所における昨年度の違反件数は19件である。冷凍食品で細菌に汚染されていた事例や、認められていない添加物の使用、穀類(米・小麦)で水濡れによるカビが発生した事例などがある。資料については、提供が可能である。
検査率が全体の10%くらいということは、私たちの食卓にまで不安のある食品がすり抜けてきているのではないかと心配である。
一方、過去にアメリカで、中国産の衣類から発がん性物質が出たという話を聞いたことがあるが、検疫所では衣類の検査はしていないのか。おもちゃは子どもに関するものなので検査は必要だと思うが、衣類も口にこそしないが身に付けるものなので、心配である。
衣類については業務で携わっていないので分からない。
食品衛生法の改正等により、器具やおもちゃの範囲がかなり広くなったこともあり、監視が強化されている。
確かに、検査率とすれば届出件数全体の11%であるが、輸入食品等を全て検査した場合、流通自体への影響を及ぼすことや、経費を勘案すると、現実的には難しいのではないかと考えられる。
輸入者が一義的に衛生管理の一貫として自主的な検査を行う等、安全性の確保を行うことが基本であり、検疫所は、輸入者による定期的な検査の実施を指導しながら、必要に応じて命令検査を含め、輸入時検査を強化する等の対策を講じている。また、広くモニタリング検査を実施しており、これまでのモニタリング検査によって違反事例も多く発見してきているところである。より良き方策により、安全性の確保に努めている。
検疫所の食品衛生監視員が全国で368人ということだが、この人員では、日本の消費者を守るということにはならないのではないか。
一方、違反状況を見ると、176万件届出のうち、1,150件の違反件数とのことを聞き、ある意味では良かったと思っている。何故かというと、違反が少ないということは、やはり日本の検疫所はしっかりしているということであり、世界的に何処の国から見ても日本はしっかりしている国だと見られていると思う。
ここに参加して分かったが、368名という監視員の人数は一般の人には全く知られていない。もう少し監視員を増やした方がいいのではないか。
農林水産省もそうだが、関係する企業には強いが、一般の人に対するPRが弱い気がするので、安全・安心に係る人員を増やすべきである。
先ほどお話しのあった「アメリカにおける、中国産の衣類騒動やペットフード騒動」から2年半くらいになる。この騒動以降、日本でも色々な問題が発覚したことから、厚生労働省からの通知等(指示)が多数出された。これにより、審査及び検査に更なる慎重さが要求され、より時間を要することとなった。且つ、モニタリング検査件数の増加もあり、業務はより一層多忙となっているが、今のお話を聞いて大変心強く感じたところである。
検疫所の職員になるには、何か特別な資格が必要か。日本の食料の6割が海外から輸入されている中で、この人員では不安である。
モニタリング検査は10%ということで、民間なり国の検査率が10%くらいといわれているが、資料の「農薬の検査数」の例を見ても、開梱数に大幅な差があっても大丈夫なのかと思うし、もっと監視員の人員を増やして、色々なところでチェックする体制を取って欲しい。
報道で、回収命令が出てもほとんど回収されていないという話も聞いたことがある。人員が増えれば、もっと色々なことができるのではないかと思う。
食品衛生監視員になるために必要な職員の資格は、医師や薬剤師、獣医師や大学で認められた化学を履修した者となっている。
人員については、現在、国家公務員の定員が毎年数%ずつ削減されている中で増員は厳しい状況である。モニタリング検査も増やしていきたいが、人員や予算の関係もあり、中々増やせないのが実情である。国家公務員の削減の中、検疫所は増員されているが、国民の皆さまから一層声を上げていただければ強い味方となるので、よろしくお願いしたい。
水がかなり輸入されているが、飲料に含まれるのか。また、サプリメントも食品に含まれるのか。
新型インフルエンザのワクチンは検疫とは別のものなのか。
サプリメントの中でも医薬品及び医薬部外品に入るものについては、薬事監視対応となる。
水は飲料であり、健康食品や飲料は検疫所で対応している。
新型インフルエンザのワクチンについては、厚生労働省の医薬食品局で対応している。
最近、消費者庁ができたが、消費者庁がもっと他省と横の連絡を取っていれば、人員を増やさなくても色々と対応できるはずである。縦割り行政ではないのか。
せっかく消費者庁を作ったのであれば、消費者庁が検査機関に業務を委託するような体制を作って欲しいと思うが、どのように考えるか。
消費者庁は、消費者が日常生活において問題があったときに「泣き寝入りさせない」という考えのもと、隙間事案の対応を含めて設置されたものと承知している。
農林水産省や厚生労働省、公正取引委員会などが所管する多くの法律や制度が消費者庁に集められ、消費者庁がそれらの企画を担っている。しかし、消費者庁は地方出先機関を持っていないことから、各省の地方出先機関が執行を担う形を取っており、政府が一体的に消費者行政を行う体制となっている。
農林水産省が所管するJAS法に基づく業務は、食品の表示と中身の信憑性を確保する観点のものであり、食品衛生の観点からの業務ではない。
食品衛生のものは厚生労働省の所管であり、輸入食品についても同様である。また、流通している食品は、都道府県や市町村がチェックしており、水際段階と流通段階で二重の網をかけ、食品の安全性を確保する仕組みとなっている。
保健所でも検査できるので、保健所をもっと利用できないのか。
検疫所は水際で輸入食品をチェックし、都道府県等の保健所は、輸入食品が市場に流通している中での対応を行っている。
保健所等は衛生業務全般を行っており、検査に関しては現在、衛生研究所的なところ一本で行っているケースも多いはずであることから、他所の分まで検査するのは難しいのではないかと思われる。
なお、検疫所では、外部委託を取り入れるなど、柔軟に対応するようにしている。
事故米の詳しい状況と、今後の購入の有無と対策についてお聞かせ願いたい。事故米と分かっていて買っていたと思うが、輸入することを決めたのは何処なのか。
農林水産省として、十分な対応が出来なかったことについて深くお詫び申し上げる。
事故米穀とは、WTO協定に基づく輸入米(年間約77万トン)のうち、輸入後の国内残留農薬基準の見直しによって基準値を超えることが判明した米穀及び水濡れ等の被害を受けたりカビが生えたりした米穀のことで、事故米事案は、これらの米穀を民間事業者に工業用糊等非常食に使う条件で用途を限定して売却したものについて、買い受けた事業者が業務目的以外に不正に流通させたものである。
輸入米については、国際的な約束事の中で、ミニマムアクセスとして輸入することになっており、米麦は国家貿易品のため、国が買い入れて実需者に販売することになる。
事故米穀の不正規流通が発覚した以降は、事故品はすべて焼却処分することとし、保管場所から廃棄処理施設までの監視体制を徹底してきたところである。
現在は、再発防止のため、事故米があった場合は、すべて水際で積戻し又は焼却処分することを明確にし、国内に流通されない仕組みとしている。
※ミニマムアクセス・・・最低輸入義務量。
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