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食を学ぼう!なるほど講座(第6回)

 

農林水産省北海道農政事務所では、消費者が日々の生活の中で感じた食に対する不安や疑問に対して、科学的な見地からの情報提供を推進するため「食を学ぼう!なるほど講座」を札幌市消費者センターと共同で開催しています。

本年度6回目の講座は、12月6日、札幌エルプラザにおいて、「科学の目から見た食中毒」をテーマに開催し、34名の参加をいただきました。

今回は、財団法人日本食品分析センター千歳研究所 業務部業務課長 小澤 淳 氏をお招きし、食中毒の種類や実際の発症事例、予防方法などについてご説明いただきました。

【講演概要】

はじめに、食中毒の統計資料や微生物による発症の特徴や傾向について、以下の概要のとおり説明されました。

〔食中毒とは〕

食中毒は、有害・有毒な微生物や化学物質含む飲食物を摂取した時、下痢や嘔吐などの疾病を起こすことである。本日の統計資料は、医師が食中毒または疑いがあるとして保健所に報告した件数を基に作られており、医師の診察を要しなかった軽度の症状等を考慮すれば、その実態は資料の件数以上に発生しているのではないか。

平成22年の患者数では、自然毒や化学物質を原因とするものは2%に過ぎず、細菌性やウイルス性など微生物による食中毒が90%を占める。

〔微生物による食中毒の基礎知識〕

食中毒発生状況は、全体的に事件数、患者数とも年々減少傾向にある。要因として衛生状況の改善等が考えられるが、平成22年には約26千人の患者が報告されており、まだまだ多くの食中毒が発生している状況である。

月ごとの発生状況について平成12年と平成22年を比較すると、平成12年当時は夏場に多く発生していたが、平成22年は、1月など寒い時期にも発生している。これは原因物質の変化が要因として考えられる。具体的には、平成12年はブドウ球菌による患者数が一番多かったが、平成22年はノロウイルスが一番多くなった。

〔食中毒分類の3つの観点〕

微生物の中の細菌性食中毒については3つの観点から考えることができる。

一点目は、病原性細菌が体内で増殖する「感染型」と、食品中で増殖した細菌が生産する毒素に起因する「毒素型」の異なる発生機構による分類がある。潜伏期間に特徴があり、サルモネラやカンピロバクターなどの「感染型」は数時間~7日間と長く、黄色ぶどう球菌などの「毒素型」は1時間で発症するものもあり、潜伏期間が短い。

二点目として発症菌量による分類がある。ぶどう球菌やセレウス菌は発症に10万個以上の大量の菌が必要であるが、一度発生すれば大規模な食中毒になりやすい。一方、サルモネラやカンピロバクターなどは、100個前後の少量の菌でも発症し、散発的に集団発生する傾向がある。

三点目は耐熱性により、セレウス菌やウェルシュ菌など、芽胞を作って熱に耐えることができる菌と、腸炎ビブリオや病原性大腸菌など加熱すれば死滅する菌について分類することができる。

講演の様子

【食中毒事例の解説】

次に、各細菌による実際の食中毒事例について紹介し、その発生原因や予防策についてお話されました。

1点目のノロウイルスの事例では、汚物による2次感染が原因であること、防止するための消毒方法としては、エタノールではなく漂白剤が有効であることを解説されました。

2点目は、研修施設で起こったサルモネラ菌による食中毒事例で、原因は調理器具の洗浄・殺菌不足による交差汚染であり、同様の事故が、本年2月に道内の学校給食でも起こったことを説明されました。

このほかに、成型肉の加熱不足によるO157の事例や、衛生管理の不徹底を起因とするサンドイッチの黄色ブドウ球菌汚染事例、さざえの煮物の加熱不足などを原因とする腸炎ビブリオ発症事例について説明がありました。

【食品衛生の3原則】

最後に食品衛生の3原則として「つけない」、「増やさない」、「やっつける」ことについてお話されました。

食中毒菌を「つけない」ためには、洗浄・殺菌や機械・器具等の使い分けが重要であることを説明し、実際の手洗い方法について実演されました。

さらに「増やさない」ポイントとして、食中毒菌が繁殖しやすい中温(0℃~55℃)状態を避け、すみやかに冷却することの重要性を説明し、最後に「やっつける」ための加熱方法や、殺菌剤の使用方法について説明されました。

回答する小澤課長 参加者の質問

【意見交換】

講演の後には、参加者の皆さんからたくさんの質問をいただき、小澤課長から回答いただきました。(意見交換概要(PDF:127KB)

また、ご協力いただいたアンケートでは、「大変感銘を受けた。つけない、増やさない、やっつけるの3原則は誠に簡潔で当を得たまとめであった」、「食中毒はマスコミ記事が多いときは気を付けているが、少なくなると忘れがち。今回のようなセミナーの開催は、再度、気を引き締めるために効果大である」などのご感想やご意見をいただきました。

お問い合わせ先

消費・安全部消費生活課
ダイヤルイン:011-642-5474
FAX:011-613-3795

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