ホーム > 食育地域レポート > コープさっぽろ農業賞フォーラムin帯広
コープさっぽろ帯広地区委員会は、「あなたはどんな食べ物を選びたいですか?~有機農業と慣行農業~」をテーマに、十勝管内の第8回コープさっぽろ農業賞受賞者を招き、十勝の農業への理解と食に対する関心を深めることを目的として、「コープさっぽろ農業賞フォーラムin帯広」を開催し、約90人が参加しました。
「コープさっぽろ農業賞」は、2004年に北海道の頑張っている生産者を消費者の立場から応援する企画としてスタートしましたが、毎年度の開催は今年度で終了し、今後は3年に1度の開催となります。今回は、十勝管内から新得町で有機農業を実践している宇井農場が農業奨励賞を受賞しました。

パネルディスカッションは、受賞した宇井農場の宇井 宏 氏と宇井 茂子 氏、十勝農業改良普及センターの川田 修 氏をパネリストに迎え、コープさっぽろ農業賞事務局長の石坂裕幸 氏がコーディネーターを務めて行われました。
宇井 宏 氏は農業を始めたきっかけについて、「若い頃に自転車で日本1周を目指し旅をしていたとき、9月に立ち寄った北海道で一冬を過ごすことになった。この間、現代農業という雑誌で『農薬べったりじゃない農業』という特集を読み、農業をやりたい、有機農業をやりたいと思ったことに始まった」と話されました。その後、新得町で実習を行い、1980年に就農、1.7haの農地で少しの農薬と化学肥料を使った慣行農業から始め、1987年から有機農業に取り組んでいます。
妻の茂子 氏は「子どもができてからは、農薬(除草剤)で枯れる草を見ているのが嫌で、有機農業へと移行した。都会で暮らしていた頃は、農作物を見ても、単に『おいしそう』と考えるだけであったが、今は、どうやって作られたのか等、生産現場を思い描けるようになった」と語りました。
宇井 宏 氏は「農薬や化学肥料を全否定しないが、素性の知れた素材で自分が調理する。自分の体を作る食べ物だから添加物等の入らない食品を考えたいし、食べるものを選ぶスタンスを考えていただきたい」と話されました。

川田 氏は「十勝の農業の今後に向けて、根底にあるのは食の安全であり、生産、環境、流通に係る安全性を確保することである」と話され、十勝の実態として、農家戸数は6600戸、そのうち有機農家は32戸であること、有機農法だけであれば収量減となり、食品の出回り量が減少すること、慣行農法が農作物の生産を支えている状況にあることを説明しました。
また、慣行農法においても農薬の使用に当たっては、使用量や使用方法等のルールを守り、残留農薬が基準値を超えないようGAP(農業生産工程管理)の取組を行っていること、化学肥料の使用についても、過剰施用は収量増につながらないことから、必要最小限の使用を心がけていることなど、生産現場での食の安全に関する取組を紹介しました。
さらに、北海道として取り組んでいるYES!clean農産物についても、現在、十勝管内で33集団が登録しており、今後もこの取組の推進を図るとともに、有機農法における生産量等を慣行農法レベルにもっていくような技術開発に心がけていることを伝えました。
最後に、主催者から「本フォーラムにおいては、十勝の農業を理解していただくために、有機農業だけではなく慣行農業についても取り上げて、日常の食について考えていただいた。今後も、生産者と消費者が持続可能な循環型農業を目指して特別栽培農産物やYES!clean農産物など、いろいろな面から食について考えていきたい。『どのような食べ物を選ぶのか』を決めるのは、私たち自身である。『食べ物を選ぶ、生命をいただく』という学習の場を提案していきたい」と挨拶がありました。
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