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北海道農政事務所

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病気を防ぐ、病気に勝つ方法を「健康食レストラン」で伝授する

 

札幌市にある「コンフォート栄養食物研究所」は、平成11年9月に日本で初めて開設された「健康食レストラン」を併設する「栄養相談所」です。

 「食は医なり、食は薬なり」の考え方をモットーに、和食・伝統食の考え方や素晴らしさを伝え、食材に対する正しい知識を持つ「知食」を実践するための取組を積極的に行っています。

当相談所では、食べる人の健康状態に合わせた栄養豊富な食事を摂る場として、「コンフォート健康食レストラン」を開設しており、その土地、季節の食材を使い、伝統食の考え方や食材一つ一つが持つ効能を伝えながら、健康であり続けるための栄養食を提供し、和食文化を実践的に伝えています。
また、民間企業の講座、市町村の講座、高齢者大学、栄養大学等で、日本食・伝統食の大切さや食材への正しい知識を伝える活動を実施したり、企業・農家等と連携した新たな商品開発に取り組むほか、伝統食を伝えていくためには「歴史」を理解することが重要であると考え、アイヌ文化の観点から伝統食の研究を行っています。

講座の様子

 

取組の経緯・問題意識

所長の北川 恵子さんは、 管理栄養士として22年間の病院勤務を経験した中で、病院等で栄養不足の食事が提供されていたり、薬漬けの医療実態を目の当たりにし、「受け身医療」ではなく、自律的に「食べて治す・防ぐ方法」を身につける必要があると感じました。

また、先祖から受け継ぐ伝統食・伝統の味が失われつつあるという現状を改善すべく、日本食に対する正しい知識を身につけてもらいながら真の和食、伝統食を伝承していく役目があると思い、「健康食レストラン」を併設した「栄養相談所」の開設に至りました。 

所長北川恵子さんの写真

           【所長の北川 恵子さん】

取組の内容・特徴・効果

「健康食レストラン」で栄養食を提供 

「健康食レストラン」では、北海道の伝統食を出来るだけ献立に取り入れ、伝統食の考え方や素晴らしさを伝えるとともに、北川さんが母親から伝授してもらった季節感のある料理を提供し、食材の効能を伝えています。例えば、春時期には、「肝臓」の機能を高める食材として芽吹き食材(うど、ふき)や芽吹き料理(蕗の油炒め、うどの酢味噌和え、行者にんにくの酢物や天ぷら、わらびの胡麻和え)を中心に、血を巡らせ活動を高めるような料理を提供するなど、季節に見合った献立を考えています。

また、お正月には「おせち」の由来などの知識を伝え、現代風にアレンジした「おせち」を提供したり、鏡開きには、お供え餅を入れた雑煮や汁を提供するなど、行事食の伝承活動にも力を入れています。毎月発刊する「月間便り」を通して、行事食の由来や栄養に関する豆知識を伝えることもしています。

 健康食レストランの様子  
            【健康食レストラン】

 

 講座、講演等を通じた普及活動

毎年1回、独自で研究してきた「予防栄養学」を実践してもらうため、和食の伝承を取り入れた啓蒙活動「食生活と健康講座」を開催しています。(今年で21回目、延べ1,680人を指導)

また、「食べて治す!防ぐ!健康講座」と題し、栄養バランスの良い食事を摂ることの重要性などを伝える講座を月1回開催しています。(180回以上の開催実績、延べ3,680人を指導)

なお、食材に対する正しい知識を持つ「知食」の実践も推進しています。健康に効果があるといわれている食材に対し、食材の効能を理解するとともに、独自で検証も実施しています。

食育講座の様子

              【講座の様子】

 

農家・企業と連携した新たな商品開発、販路拡大に向けた取組

農家の方々と連携し、各地域の特産物を年中提供できる方向を研究し、農業の発展に寄与するため取組を行っています。まだヤーコンが普及していない時代に、ある企業から依頼され、大腸がん予防におけるヤーコンレシピを開発したり、鵡川の長芋農家と連携し、年中食べることのできる「長芋ドレッシング」の開発を行うなど、企業や農家の新たな商品開発や販路拡大に向けた取組を応援しています。 

 

アイヌ民族の文化の歴史研究から紐解く、北海道の伝統食

北川さんは、定住者アイヌ民族の特有文化を 伝える役目が自分にはあると考えています。

私たちの先祖は、全国各地から北海道に移住してきたため、私たちは日々、沢山の伝統食が入り混じった日本中の伝統食を食べていると言えます。北川さん自身、北海道の道の駅を全て巡り、制覇した経験があり、地域ごとにそれまで自分が見聞きしたことのない食材や料理が、その地域の中ではしっかり継承され、根付いているのを肌で感じたそうです。こうした経験から、「北海道はまさに、伝統食の発信源にベストな場所」と北川さんは言います。

今後の展望

今後も、「健康食レストラン」や講座等を通じて、北海道産食材の効能を活かした安心・安全な栄養食を提供するとともに、食材に対する正しい知識を身につけた「知食」を実践してもらえるよう活動を続けていきたいと思います。また、北海道で行って来た講演会、料理講習会の経験を活かし、例えば、「豆」によって町興しの一環として、手軽に食べられる料理本を全国的に広め、町の疾病予防のモデルケースを構築するなど、各地域の食材を活かした町興しに貢献していきたいです。

現代社会の食生活は、過食や食生活の欧米化などの多くの課題が挙げられます。日本は世界一の長寿国といわれていますが、実は、健康寿命と平均寿命の差は10年以上もあるという事実を認識すべきだと感じています。私は、 「和食」こそ「世界に誇れる健康食」であることを伝えていく担い手として、食材に対する正しい知識を持つ「知食」を活かし、「食は医なり、食は薬なり」の考え方をモットーに、日本が誇れる食文化を伝承して行きたいと思っています。また、教育(食育)と栄養学の観点からも日本食を見つめ直し、これからも誇れる日本食を伝えていくために、日々努力していきたいと思います。 

【編集後記】

実際に、上司と二人でコンフォート栄養食物研究所を訪れ、健康食レストランの料理を食べてみました!

上司と私とでは、献立は同じですが、量が違いました。上司(50代)には608kcal、私(20代)には648kcalの料理が提供されました。年齢や健康状態などの様々な要素を考慮した上で、それぞれに応じたカロリー量で料理を提供しているそうです。

鵡川産のナガイモを使った味噌汁、オリジナルドレッシングを使ったサラダなど、どの料理も絶品でしたが、特に、農家と連携して研究している「鶴豆」という豆を使った豆ご飯が魅力的でした!

北川さんによると、鶴豆には黒千石豆の4倍もの抗酸化作用が含まれているそうです。しかし、健康効果が非常に高いものの、生産が難しいという課題もあり、現在、農家さんと連携して研究中とのことです。店頭で買える日が来るのが待ち遠しいですね。

 健康食レストランの料理の写真

                  【ごちそうさまでした!】

                                

お問合せ先

生産経営産業部 事業支援課

担当者:食育担当
ダイヤルイン:011-330-8810
FAX番号:011-520-3063