食品中の農薬等の残留基準制度(ポジティブリスト制度)に関するアンケート結果
この調査結果は、平成18年12月に、農林水産情報交流ネットワーク事業の消費情報提供協力者105人、農業者モニター95人に対して実施し、それぞれ91人、80人から回答を得た結果です。
【調査結果の概要】
1 新たな残留基準制度(ポジティブリスト制度)の認知度
全体(171人)では「食品中に残留する農薬等の新たな残留基準制度」を聞いたところ、「知っている」が42%、「知っているが詳しく知らない」及び「知らない」がそれぞれ29%となっている。(図1-1)

これを農業者(80人)でみると、「知っている」が81%、「知っているが詳しく知らない」が18%、「知らない」が1%となった。(図1-2)

消費者では、「知らない」が53%、「知っているが詳しく知らない」が38%、「知っている」が9%となった。(図1-3)

2 新たな残留基準制度(ポジティブリスト制度)の周知媒体(複数回答)
新たな残留基準制度を「知っている」と回答した122人(「知っている」73人+「知っているが詳しく知らない」49人)に、周知媒体を聞いたところ、「説明会や意見交換会」が61%と最も高く、次いで「チラシやパンフレットなどの広報誌」が56%、「新聞、テレビ、ラジオの報道等」が49%となった。(図2-1)

これを農業者(79人)でみると、「説明会や意見交換会」が82%と最も高く、次いで「チラシやパンフレットなどの広報誌」が65%、「新聞、テレビ、ラジオの報道等」が42%となった。(図2-2)

また、消費者(43人)では、「新聞、テレビ、ラジオの報道等」が63%と最も高く 、次いで、「チラシやパンフレットなどの広報誌」が40%、「インターネット(国等のホームページ)」及び「説明会や意見交換会」がそれぞれ23%となった。(図2-3)

3 農薬を使用した農産物の安全性確保のための仕組みの認知状況(複数回答)
農薬を使用した農産物の安全性を確保するため国等が設けている制度などの認知状況を聞いたところ、全体では「農薬の使用基準を定め、使用者がこれを守ることを義務化している」が75%と最も高く、次いで「無登録の農薬の製造、輸入、販売、使用を禁止している(取締を行っている)」及び、「毒性等の試験により安全性がチェックされ、登録された農薬のみが製造、輸入、販売、使用できることとしている」がそれぞれ70%となった。(図3-1)

これを、農業者(80人)でみると「農薬の使用基準を定め、使用者がこれを守ることを義務化している」が91%と最も高く、次いで「毒性等の試験により安全性がチェックされ、登録された農薬のみが製造、輸入、販売、使用できることとしている」及び「食品中に残留する農薬等の基準を定め、これを超える食品の流通を禁止している(新たな残留基準制度施行前から、一部の農薬については残留基準があった)」がそれぞれ78%となった。(図3-2)

また、消費者(91人)では「無登録の農薬の製造、輸入、販売、使用を禁止している(取締を行っている)」が66%が最も高く、次いで「毒性等の試験により安全性がチェックされ、登録された農薬のみが製造、輸入、販売、使用できることとしている」が63%、「農薬の使用基準を定め、使用者がこれを守ることを義務化している」が62%となった。(図3-3)

4 農業者の農薬散布時の周辺作物への飛散(ドリフト)低減対策
農業者(80人)に、作物の栽培状況を聞いたところ、「稲作と露地野菜」が25%、次いで「稲作と施設野菜」が16%、「稲作と雑穀・いも類・豆類」が15%となった。(図4-1)

農業者(80人)に、農薬をどのような方法(機器)で散布しているかについて聞いたところ「背負型動力散布機(水稲用パイプダスター等)」が56%が最も高く、次いで「可搬型・走行型動力噴霧機(トラック運搬噴霧機等)」が46%、「ヘリコプター(有人、無人)」が33%となった。 (図4-2)

農業者に、新たな残留基準制度の導入に伴い周辺作物への農薬飛散低減対策を講じる必要性が強まったことの認知状況を聞いたところ「知っている」が94%、「知らない」が6%となった。(図4-3)

農業者に、農薬を使用する際、周辺作物への農薬飛散低減対策の実施状況を聞いたところ、「対策を行っている」が84%、「全く対策を行っていない」が16%となった。
「対策を行っている」をみると、「全ての周辺作物に対し対策を行っている」が51%、「一部の周辺作物に限って対策を行っている」が33%となった。(図4-4)

農薬飛散低減対策の実施状況で「対策を行っている」と回答した67人に、どのような方法で実施しているか聞いたところ「風下の別の作物にかからないように、風の弱い時に風向に気をつけて散布する」が82%と最も高く、次いで「ほ場の外側から内側に向けて散布したり、できるだけ対象の作物の近くから対象の作物だけにかかるよう、散布の方向や作物の位置に気をつけて散布する」が67%、「散布量が多くなりすぎないように、散布量と散布範囲に気をつけて散布する」が58%となった。(図4-5)

農薬飛散低減対策で「一部の周辺作物に限って対策を行っている」と回答した26人について、全ての周辺作物に飛散低減対策をしない理由を聞いたところ、「対象作物を効果的に栽培する関係上、これまでの散布方法(散布機器)でしか対応できないため」及び「周辺の作物と混在して作付けしているため(他作物と隣接している部分だけ対策を行っているため)」がそれぞれ50%、次いで「技術や費用、労力面で対応が困難なため」が31%となった。(図4-6)

農薬飛散低減対策を「全く行っていない」と回答した13人について、その理由を聞いたところ、「周辺の栽培状況から対策を行う必要性がないため」が84%と最も高く、次いで「有効な情報がない等により、どのような対策を行えば良いかわからないため」と「有効な情報はあるが、技術や費用、労力面で対応が困難なため」がそれぞれ8% となった。(図4-7)

約8割 -
農業者(80人)に、新たな残留基準制度への対応や農薬飛散低減対策を進める上での、要望を聞いたところ「農薬飛散低減に対してより有効な農薬の開発や登録拡大」が80%と最も高く、次いで「費用、労力などの面で、農薬飛散低減に対してより有効な資材(ノズル、ネット等)の開発」が59%、「作物別、農薬別に実証試験を実施し、それらのデータにもとづく対策の手引き等の作成」が51%となった。(図4-8)

5 消費者の農薬散布時の周辺作物への飛散(ドリフト)低減対策
消費者(91人)に、農薬の使用を聞いたところ、「使用している」が32%であった。使用場所については「庭・花壇・庭木・垣根など」が86%、「自家用の田、畑(家庭菜園)」が66%となった。(図5-1)

農薬を「使用している」と回答した29人について、農薬飛散低減対策の必要性や対策方法を知っているか聞いたところ「どちらも知らない」が41%、次いで「必要性及び対策方法とも知っている」が31%、「必要性は知っていたが対策方法までは知らない」が28%となった。(図5-2)

「周辺作物への農薬飛散低減対策の必要性及び対策方法とも知っている」と回答した9人について、どのように取組んでいるか(又は取り組む予定か)について聞いたところ、「風の弱い時に風向に気をつけて散布する」が67%と最も高く、次いで「防除の対象作物だけにかかるよう、散布の方向や作物の位置に気をつけて散布する」が56%、「散布量が多くなりすぎないように、散布量と散布範囲に気をつけて散布する」が44%となっている。(図5-3)

利用上の注意
- 1 調査目的
- 平成18年5月29日から導入された食品中の農薬等の残留基準制度(ポジティブリスト制度)に関して、農業者のみならず農家以外の方々がこの制度を正しく認知、適切な対応が行われているかを把握し、関連施策推進のための基礎資料とする。
- 2 調査項目
- 1 新たな残留基準制度(ポジティブリスト制度)の認知度
- 2 新たな残留基準制度(ポジティブリスト制度)の周知媒体(複数回答)
- 3 農薬を使用した農産物の安全性確保のための仕組みの認知状況(複数回答)
- 4 農業者の農薬散布時の周辺作物への飛散(ドリフト)低減対策
- 5 消費者の農薬散布時の周辺作物への飛散(ドリフト)低減対策
- 3 調査対象
- 農林水産情報交流ネットワーク事業におけるモニター等200人
(うち、農業者95人(畜産経営部門を除く)、消費者105人) - 4 調査時期
- 平成18年12月
- 5 調査方法
- 北陸農政局からの郵送調査により行った。
- 6 回収結果
- 171人(回収率85.5%)(うち、農業者80人、消費者91人)
