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更新日:平成21年3月13日
肉用牛生産は地域の活性化等を図るために重要な役割を果たしており、地域資源の有効活用を図り、地域農業の健全な発展を図る上で、今後ますますその振興を図ることが求められています。
しかしながら、近年、管内における肉用牛の飼養戸数は、農家の高齢化等に伴い減少傾向で推移しております。
肉用子牛生産の基盤を維持・拡大するためには、中核的な担い手を育成するとともに、繁殖部門の大宗を占める高齢・小規模の複合経営も含めた地域全体の支援体制への取組が重要となっており、地域によってはこうした取組が繁殖雌牛の頭数維持・拡大に寄与している事例がありますので紹介します。
肉用牛ヘルパー組織とは、肉用牛経営を支援する組織として、畜産経営者に代わり日常の飼養管理作業や子牛の市場出荷等を行う組織です。
【肉用牛ヘルパーの種類】
| 飼養管理ヘルパー | 冠婚葬祭、傷病時、旅行時等に肉用牛の飼養管理の代行を行うヘルパー |
|---|---|
| 飼料生産収穫調整ヘルパー | 飼料作物の収穫・調整(乾草、サイレージ)作業管理代行を行うヘルパー |
| 削蹄ヘルパー | 肉用牛の削蹄を行うヘルパー |
| 家畜市場出荷ヘルパー | (1)農家から家畜市場までの家畜の運搬、(2)セリ上場前後の家畜の世話、セリ上場及び購買者への家畜の引渡しの代行を行うヘルパー |
| 堆肥散布・耕起ヘルパー | 堆肥散布または耕起あるいは両者の代行を行うヘルパー |
| 除角・去勢ヘルパー | 除角の代行及び去勢時の保定等の補助を行うヘルパー |
これらのヘルパーにより、高齢・小規模農家の労働負荷を軽減し、経営継続を支援
キャトルステーションとは、繁殖農家において3~4ヶ月齢の離乳した子牛を預かり、子牛市場に出荷するまでの間、農協等(当施設の設置者)が飼養管理・育成する施設で、いわば子牛の保育園です。
キャトルステーションに子牛を預けるメリットとしては、
これまで放牧を行う際には、牧柵として鉄柱と有刺鉄線などを利用した固定式が一般的でしたが、電気牧柵と呼ばれる手軽な施設を用いて小面積で分散している耕作放棄地等への放牧が可能になりました。特に高齢・小規模な複合経営の肉牛繁殖農家にあっては、飼養管理の省力化が図れる放牧に積極的に取り組まれることをお奨めします。
![]() (放牧前) |
→ | ![]() (放牧後) |
耕作放棄地のほとんどは小面積で分散しており、まとまった土地がなかなか見つからないものです。そこで設置・移動が簡単な電牧器・電気牧柵を2台以上活用して、分散した10アール程度の複数の耕作放棄地を放牧地として、それらを順々に放牧するような使い方すれば、連続して放牧が可能になります。
放牧だけで飼養する場合、牛は1日当たり生草を体重比15%前後食べます。このため概ね5~10月まで通して放牧するには成牛1頭当たり30~40アール程度必要となります。
放牧には、放牧経験のある繁殖雌牛の中でも3産以上で、落ち着きのあるものが適しています。なお、最低2頭以上を一緒に放牧すると牛が落ち着くようです。
また、耕作放棄地での放牧には、人工授精のための捕獲の必要がない妊娠牛を分娩2ヵ月前頃まで放牧することを推奨しています。
放牧サイクル(妊娠牛を放牧する場合)
| 放牧期間(6ヵ月): | 子牛離乳~分娩2ヵ月前 |
|---|---|
| 舎飼期間(6ヵ月): | 分娩・人工授精・妊娠鑑定後 |
電牧器:
放牧面積(電牧線を張る距離)に応じて様々なタイプがあります。電圧は約7千ボルト発生するが、電流がほとんど流れていないため感電の心配はない。(触れた時の衝撃は静電気よりやや強い感じです。)
電源は家庭用電源のほか乾電池、太陽電池(ソーラー式)、12ボルトバッテリーも利用できるものもあるので、近くに電源のない所でも放牧利用できます。
電牧線:
ビニールに導線を編み込んだもの(ポリワイヤー)、軽量で柔軟性があり巻き取りやすく、設置や移動が簡単です。
電牧柱(コーナー及びゲート用):
電牧線を支えるだけなので、強度はあまり必要せず、樹脂製の軽量な支柱を利用し、設置間隔は広く(5メートル間隔位)するため、差し込み・引き抜きが簡単です。また、木柱、竹等でも代用出来ます。
アース:
銅製棒かステンレス製棒を湿気の多い場所に深く(1.5メートル以上)埋めます。
ゲート:
放牧地への出入り口に装備
危険表示板:
接触すると危険であることを示す看板(電気設備技術基準により、設置が義務付けられています。)
| 区分 | 員数 | 単価(円) | 金額(円) | 備考 |
| 電牧器(乾電池式) | 1台 | 28,000 | 28,000 | |
| 電牧線(1巻 400メートル) | 1巻 | 5,500 | 5,500 | 電牧柵は1段張りで試算。 |
| 電牧柱A(コーナー及びゲート用) | 6本 | 1,500 | 9,000 | |
| 電牧柱止め金具 | 6個 | 180 | 1,800 | |
| 電牧柱B(ポール5メートル間隔) | 35本 | 400 | 14,000 | |
| アース棒 | 1本 | 1,600 | 1,600 | |
| ゲート(スプリングゲート) | 1個 | 2,500 | 2,500 | |
| 危険表示板 | 2枚 | 420 | 840 | |
| 消費税 | - | - | 3,126 | |
| 計 | 65,646 |
| 給水施設:水路が放牧地に隣接している場合には、水路から落差を利用して水を引き込む簡単な方法で飲ませている例もあります。 | ![]() 給水施設 |
水源が確保出来ない場合には、農業用タンクとフロート(止水弁)を取り付けたコンテナを組み合わせることにより、簡易飲水施設が出来ます。ただし、水は定期的に運搬し、タンクに給水する必要があります。 | ![]() 簡易飲水施設 |
事例(1)
概要
富山県氷見市において、耕作放棄田約1ヘクタールにおいて繁殖雌牛2頭を放牧している。
飼養者の方は、会社勤めをしながら水田を耕作してきたが、耕作を休止していた田の草刈り等の維持管理の労力が年齢を増す毎に肉体的な負担となっていた。このことから会社退職を契機に繁殖雌牛2頭の購入を決意し、耕作放棄田での放牧に取り組んでいる。
放牧用の電気牧柵等の器具機材については富山県から貸与を受けている(県単独事業)。
成果
中山間地域で増加している耕作放棄田における維持管理作業の省力化が図れるとともに、美しい農地・農村の景観が改善、維持された。
繁殖経営は低コストで労力負担が小さいため、今回の事例のように会社退職後の中高年齢者でも取り組むことが可能である。
事例(2)
概要
富山県立山町内にて畜産農家5戸と耕種農家54戸(平成16年度)と共同で、耕作放棄地や転作田において、平成14年度から繁殖雌牛の放牧を行っている。
放牧頭数は年々増え続け、平成16年度においては、8ヘクタールの面積に対し17頭を放牧している(平成14年度3頭、平成15年度8頭)。
成果
放牧中の飼料は雑草だけで十分(観察時のみ濃厚飼料給与)であり、また、飼料給与等の労力が減少し低コスト化が図られらた。
雑草についてはほとんど食べ尽くされ、カヤ株等については消滅するか縮小し、景観の改善も図れた。3年間行って来て期待された効果もあったことから、地元住民の水田放牧に対する理解も得られたことから、今後も意欲的に放牧面積の拡大に取り組む意向である。
町内外から親子連れ等が見学に訪れるようになった。
事例(3)
概要
福井県三方郡美浜町の休耕田(耕作放棄地)において、平成16年6月~9月の約半年間イノシシ、シカなどの獣害被害防止対策のため繁殖雌牛(妊娠牛)2頭を放牧している。
県の実証試験として行っている。放牧期間中の飼養管理等は地域農家の協力により行っている。
成果
放牧地周辺の農地での、獣害による作物被害が減少し、また休耕田の雑草がほとんどなくなった。
町内外から見学者が多く訪れ、景観等の観点から好評を得ている。
![]() 立山町での事例(1) |
![]() 立山町での事例(2) |
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生産部畜産課
担当者:畜産環境対策官
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