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北陸の水稲直播栽培

北陸で直播が急激に増加した要因と、北陸における水稲直播栽培の今後の課題

北陸における直播栽培面積の推移(単位:ha)
 北陸における直播栽培面積の推移

北陸で直播が急激に増加した要因

(1) 栽培技術の確立

「落水出芽法(播種後田干し法)」の確立・普及により、出芽苗立ちの安定性が向上しました。

落水出芽法(播種後田干し法)

湛水状態のほ場に播種した後湛水せず、約1週間から10日間、ほ場にヒビが入るくらいの状態まで田干しを行う方法で、北陸では平成8年頃から急激に普及しました。

落水により、種子に酸素が供給され出芽が促進されることはわかっていましたが、それまでは播種直後に散布する除草剤が主流だったので、除草効果低下の恐れから落水は困難でした。しかし、播種後日数が経過してから散布できる初中期剤が直播水稲に適用され、これ以降、安心して播種後落水を行うことができるようになりました。

倒伏しやすいため「直播には不向き」とされていたコシヒカリで、目標苗立数や施肥法などの栽培管理技術が開発されました。

(2) 新たな播種機・資材等の開発・普及

試験研究機関や農機メーカー等による、出芽・苗立ち、耐倒伏性の向上に資する様々な播種機や播種様式が開発され、普及が加速しました。
また、ノエビ防除に有効な薬剤や1キロ粒剤の無人ヘリ散布が普及したことも普及が加速した要因です。

【近年開発された直播用農業機械】
機械名 概要
打ち込み式同時点播機 代かきと同時に、高速回転している鋸歯型ディスクにより土中に点播
高精度湛水直播機 水田管理ビークル搭載型の高精度条播機と高精度帯状播種機
安定した播種深度の確保し、出芽・苗立ちの安定性が向上
不耕起乾田直播機 不耕起圃場で、溝切り・播種・施肥・施薬を一工程で実施
冬季代かき乾田直播機 冬季に代かきを行い、春に乾田状態で播種を行う方式作溝輪によるV字溝に、播種・施肥を同時に実施
自動コーティング機 酸素供給剤のコーティング作業をむらなく高作業能率で実施
レーザー均平作業機 ±2.5cm以内という高精度な圃場均平を実現

(3) 農作業の省力化・低コスト化が可能

育苗、田植え作業が不要となることで、春作業に関わるコスト・労力が軽減されました。

(4) 移植栽培との組み合わせによる計画的な作付拡大・労力配分が可能

  • 市場性の高いコシヒカリの作期拡大が可能となりました。
  • 他品種と組み合わせた作業分散により労力分散が可能となりました。
  • 収穫期が分散されることにより乾燥作業の集中の回避が可能となりました。刈り遅れなど適期外収穫による品質低下の回避が可能となりました。
管内で近年育成された直播適応性の高い品種
品種名 育成年および育成機関
どんとこい
平成  6年  北陸農業試験
味こだま
平成  9年  新潟県農業試験場
いただき
平成12年  北陸農業試験場
イクヒカリ
平成16年  福井総合農業試験場

【参考】

最新の品種登録出願公表及び品種登録の状況並びに研究会における検討内容等を掲載

(5) 出穂期遅延(移植比で1週間程度遅延)により、夏場高温回避に伴う品質低下防止が見込まれる

出穂期が移植栽培に比べ遅く、出穂期の夏場高温回避が図られることで、品質低下が防止され、高温期に出穂期となる移植栽培に比べ品質がよくなる傾向が近年多くなっています。

北陸における水稲直播栽培の今後の課題

更に水稲直播を安定的に普及させるためにも、次の課題解決に向けて取り組むことが重要となっています。

(1) 安定生産・低コスト技術の底上げ・確立

ア.技術及び技術体系の確立

収量・品質向上技術の確立

  • 移植栽培と同等の収量を確保すること(現状は収量10%減)
  • ほ場の気象、環境要因に、より適応した高品質確保栽培体系を確立すること

鳥害防止技術の確立

  • 鳥の慣れ(学習)を打破する追い払い法は確立されておらず、現状では数種の防除策を組み合わせて効果を高める努力が必要。

省力的除草・病害虫防除体系の確立

  • 雑草では、特に最近,、SU抵抗性雑草(イヌホタルイ等)対策が重要
  • 砂壌土登録のある有効な除草剤を開発・登録すること
  • カルパー粉衣同時処理が可能ないもち病予防剤等を開発すること

イ.さらなるコスト低減の追求

乾田直播の導入

  • 排水内への窒素付加を極力減らす播種法及び管理方法を取り入れた高品質米安定生産技術の確立。環境保全型技術としても効果的
  • 重粘土高水分土壌における技術確立
  • 更なる省力化を目指した乾田直播栽培技術体系の確立

ほ場集積の促進

  • 省力効果を最大限に発揮するためにもほ場集積が必要

ウ.カルパー籾の長期保存法の確立

その他注意事項

品種の違う種子を、同じほ場で連続栽培すると、前年のこぼれ種が発芽し混種する可能性が大きいので、避けることが望ましい。

お問い合わせ先

生産部生産振興課
担当者:農産係
代表:076-263-2161(内線3322)
ダイヤルイン:076-232-4302
FAX:076-232-5824

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