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バイオマス・ニッポン総合戦略推進アドバイザリーグループ第1回会合(議事概要)

  1. 日時  平成15年4月9日(水曜日)16時00分~17時30分
  2. 場所  農林水産省第2特別会議室
  3. 出席者  別紙のとおり
  4. 内容

(皆川企画評価課長)それでは定刻になりましたので、ただいまから「バイオマス・ニッポン総合戦略推進アドバイザリーグループ」の第1回会合を開催いたします。

座長の選出まで司会をさせていただきます農林水産省の大臣官房企画評価課長の皆川でございます。まずお手元の資料の確認をさせていただきたいと思います。資料の一覧のとおりお配りしているはずでございますが、もし不足等がございましたら、お手を上げていただければ、事務局からお配りをさせていただきたいと思います。また確認した上で何かございましたら、ご連絡いただければと思います。

では、まず初めに本アドバイザリーグループについて簡単にご説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料の7番、バイオマス・ニッポン総合戦略の推進体制ということでの資料がございますが、総合戦略の推進に当たっては、関係府省が実効性のある形で連携を図ることが必要だということでございまして、多様な意見や民間の視点というものを反映させていくことが必要でございます。そういった認識のもとで、関係府省間で局長から構成されます総合戦略推進会議というものを立ち上げているわけでございますが、この推進会議への提言、助言を行っていただく機関といたしまして、アドバイザリーグループを設置することとした次第でございます。

メンバーにつきましては、幅広い観点でのご議論を期待いたしまして、ご専門やご職業も多岐にわたる構成とさせていただきました。本日も19名の識者の皆様方にお集まりをいただいたということでございます。

それでは委員の紹介ということで、委員名簿がございますけれども、各委員の皆様方を五十音順で紹介させていただきたいと思います。

(委員の紹介)

まず初めに座長の選出でございますけれども、委員の方でご推薦はございませんでしょうか。

(赤池委員)バイオマスについては継続的な議論の蓄積が重要ではないかと思いますので、昨年に引き続きまして、東京大学の小宮山先生に座長をお願いしてはどうかとご提案申し上げます。

(皆川企画評価課長)小宮山先生ということで座長のご推薦がございましたけれども、小宮山先生に座長をお願いしようと思いますが、いかがでございましょうか。

(異議なしの声)

(皆川企画評価課長)では、ご異議ございませんようでございますので、小宮山先生に座長をお願いしようと思います。それでは小宮山先生、今後の議事、よろしくお願いいたします。

(小宮山座長)どうもご推薦いただきまして、大変ありがとうございます。では、議事に入ります前に本会合の取り扱いについて、お諮りしたいと思います。本会合は目標の1つとして国民の理解を上げておりまして、また社会的な関心も大変強いということから、会議に関しましては場所等の関係もございまして非公開とさせていただきますが、議事録及び資料については公開させていただくということでまいりたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。

(異議なしの声)

(小宮山座長)ありがとうございました。それではそのように取り扱うこととさせていただきます。本日は亀井農林水産大臣にお越しいただいておりますので、一言ごあいさついただきたいと思います。

(亀井農林水産大臣)このたび農林水産大臣を拝命いたしました亀井善之でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

バイオマス・ニッポン総合戦略推進アドバイザリーグループの第1回会合の開催に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。

まず初めに、本日はお忙しい中、ご参集を賜りましたこと、心から御礼申し上げます。ご承知のとおり、私たち人類は古来より太陽のエネルギーをもとに、生物が生み出す再生可能な資源であるバイオマスを食料やエネルギー、製品として利用してまいりました。バイオマスは化石資源に依存した社会のあり方が問われる今日、その価値を見直し、大いに活用していける可能性を秘めた資源といえます。このため、政府はバイオマスの総合的な利活用を推進するための国家戦略であるバイオマス・ニッポン総合戦略を昨年末に閣議決定したところであり、政府一丸となって、その計画的な推進を図ることといたしました。本年2月27日には、関係府省で構成されるバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議を開催し、各府省間の一層の連携を図りながら、推進に努めているところでございます。

しかしながら、このバイオマス・ニッポン総合戦略を着実に推進し、さらに発展させていくためには、我々国の行政機関のみならず、各界の有識者、専門家の皆様のご意見を十分踏まえることが重要と考え、本日は皆様方にお集まりいただいた次第であります。

私は、生命を育み、自然環境を保全し、文化を形づくる食料、農林水産業、農山漁村を支える農林水産行政を担うものとして、農山漁村に豊富に存在するバイオマスの利活用は、我が国の経済の活性化、地域の活性化、農林漁業の再生のかぎとなるものと考えており、バイオマスの利活用を重要な政策課題ととらえ、その推進を図ってまいりたいと考えております。

最後になりましたが、バイオマス・ニッポン総合戦略の推進は循環型社会の構築、地球温暖化対策の推進、戦略的産業の育成、地域の活性化といった、我が国の喫緊の課題にこたえるものであり、政府としても全力で取り組んでまいる所存であります。新たな時代を切り開くバイオマスの総合的な利活用の推進に向け、皆様方からの忌憚のないご意見、アドバイスをお願いいたしまして、私のあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(小宮山座長)どうもありがとうございました。亀井大臣、公務がおありで、ここで退席なさるということです。なお、本日は熊谷政務官にもお越しいただいておりますが、政務官は引き続きご出席なさいます。どうも大臣、ありがとうございました。

それでは、早速議事に入りたいと思います。本日のテーマは政府の取り組みに対する意見、それから新技術、地域での取り組みの報告ということです。第1回ということもありますので、各委員から自己紹介を兼ねまして、お1人ずつ、ご意見や、あるいは情報の提供をお願いしたいと思っております。

本日、お手元に各委員から事前にちょうだいしております資料を配付させていただいております。またご質問等、途中であるかとも思うのですが、最後に議論の時間をまとめてとりたいと考えておりますので、まず委員のご意見を聞かせていただきたいと思います。

それでは、アイウエオ順で青山委員の方からお願いします。

(青山委員)では、トップバッターを切らせていただくということでお許しをいただきたいと思います。

私は意見というよりも、今回、この場に加わらせていただきました感想を含めてお話ししたいと思います。私はバイオマスに関しては全くの素人で、先日、私、政府公報の番組を担当しておりまして、このバイオマス・ニッポンのご紹介をさせていただいたところですが、そんなときに、なぜ必要なのかということを国民にわかりやすく、その重要性を伝えてくださいねと後で担当者の方に耳打ちをいたしましたら、数日後にこのお話がまいりまして、きょう、この場に座っているのだと思います。

私、例えば木質バイオマスに関しましては、森林ボランティアで森を守ることに携わっておられる、赤池委員などもそうだと思いますけれども、ボランティアの一般市民の方から、この木質バイオマスの重要性について初めて教えられました。それで、慌てて担当の方に木質バイオマスってどういうこと?と伺ったぐらいな感じで、今や市民の方たちは環境だとか循環社会だとか、そういったことに対する意識が大変高くなっているというのを強く感じます。そういう意味では、このバイオマス・ニッポンの取り組みというのは、うまく、幅広く国民に訴えていけば、非常に理解しやすいものではないかと思いますし、また廃食用油の話にしましても、私、番組で天ぷらカーというタイトルで伝えさせていただいたのですが、多分、深くその話を追求すれば大変難しい話なのでしょうけれども、それをわかりやすく国民の人たちに、共感を得るような形でアピールしていけば、そういったことも理解されていくのではないかと思っております。

中身の、専門的なお話につきまして、私、余り意見を申し上げることはありませんので、今回、ご専門の方々や、そして実践されている方々のご意見を十分、私も勉強しながら、何かお役に立って、私も含めてなのですけれども、国民に広めていくような方法を考えていければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(赤池委員)ユニバーサルデザイン総合研究所の赤池です。ユニバーサルデザインに基づきまして製品開発や地域開発を手がけておりまして、昨年の閣議決定以降、バイオマス関連の、自治体からの相談が非常に集まっているような状況です。

今回、意見ということなのですけれども、実は昨年の委員会(バイオマス・ニッポン総合戦略策定アドバイザリーグループ会合)でも特に後段で議論されましたが、やはり具体的に地域でのバイオマスの構想策定を行っていくときの、非常に規制や法規の問題にかかわる煩雑な作業が、実は具体的な構想策定を進める中で非常に課題としてあるなというのを改めて実感しているのです。

お手元にA4・1枚とA3・1枚の資料を委員の皆様にお配りさせていただきました。やはり1つは広域的に、特にバイオマス系の廃棄物を自治体をまたいで集めていく、こうしたことの問題点については昨年の委員会でも指摘されたのですが、では具体的にどうするのかということを今期の委員会の中でもぜひ議論されてはどうかと思っています。あるいは、そうしたことを含めまして、やはりバイオマスの利活用を進める優遇特区のようなものの中で、煩雑な書類を書かざるを得ないような現行の体系みたいなものを、特区化という1つのモデルを仮説化しながら議論していくことも重要ではないかと思います。

そういうものを発展させて、2つ目の「●」で書いているのですけれども、バイオマスの利活用に関する、例えば支障除去等に関する特別措置法案といったようなものの原案づくりのようなことも、この委員会で議論をしてはどうかと。あるいは下から2つ目の環境税の問題なのですけれども、バイオマスの利活用という観点から、この委員会の中で環境税をどのように設計していくべきなのかということを、ぜひこの委員会からも閣議決定というような形で行ってみてはどうかと思っています。関連しまして、下から3つ目の中で、今後、バイオマスの熱利用とか、あるいは地熱発電とバイオマスリファイナリーの連携等を考えますと、国立・国定公園等の特区の中で、こうしたバイオマスをどうつくればいいのかといったことの規制緩和についても、委員の皆様方の先見的な知見などを、この会議の中で議論されたらどうかと思います。

最後になりますけれども、現行ではバイオエネルギー化を含めて廃棄物系バイオマスに関連した事業といったものがメインの事業になっているのですが、これは昨年、東大の迫田委員もご提起されているように、廃棄物のあとは、やはり未活用のバイオマスを使っていく、あるいは機能性のバイオマスといったようなものを新産業にしていく、そして有用なバイオマスを作出、創出していくという、この4段階の発展形態に合わせて、2枚目のA3でバイオマスのソリューションのデータベースの設計案を慌ててつくってきたのですけれども、こうしたそれぞれのフェーズで、まさに省庁横断のプロジェクトですので、文部科学省の中に、あるいは経済産業省の関連施策の中に、このバイオマスの利活用を進める、どのようなリソースがあるのか。こうしたものを自治体の与件を入力すると、あるレベルの取り組むべきソリューションがみえてくる、あるいはそうしたものを、関連したいろいろなトレーサビリティのシステムの開発ですとか、あるいは地域の農村振興の具体的な事業と接着していくような1つのデータベースのアプリケーション開発などについても、この委員会の中で、その方向性を議論したらどうかといったようなことを考えております。以上です。

(秋元委員)秋元でございます。昨年もこの会議、やっておられますけれども、私は初参加ということでございます。お招きいただきました理由は、私が総合科学技術会議の専門委員をやっているという形であろうと思っております。実は、総合科学技術会議の中に重点分野の推進戦略専門調査会というのがありまして、その中で幾つか、いろいろな環境研究のイニシアチブ調査をやっているわけでございます。私がその中で担当しておりますのは、ごみゼロ型資源循環型の技術研究イニシアチブでございます。

この総合科学技術会議の目的と申しますのは、各省庁間で今、こういうバイオマスのような問題については非常に力を入れて進めておられるわけでございますし、環境研究全般、これは恐らく日本の各官庁が皆さん、何らかの関係をもって進めておられます。また民間もそれなりの意識をもって進めているわけでございますけれども、そういう進め方の中で、なるべく統一的にやっていくということになりますと、その間で、どこか抜け落ちているような研究項目というのがないだろうかと。あるいは重複をしていて、むしろこのあたりについては、ある程度調整を進めた方がいいのではないかと。いろいろなところで進められている研究開発についての相乗効果など、横の方から眺めて、それを調整していくというのが1つの、我々の仕事かなと思っております。

それから、いろいろな形で競争的資金、研究開発資金がつくようになっておりますので、それを一体どういう優先順位をつけて考えていくかというようなことで、実は昨年1年かけまして、各省庁、各国研でやっておられます研究開発を百数十目摘出をいたしまして、それのマッピングのようなことを今、つくり上げております。その中で各省庁からもお話をいただいたり、学識経験者にも集まっていただきまして、だんだんネットワークを絞っていって、重点化を進めていこうというようなことを進めているわけでありますけれども、結構大変な作業でありまして、例えば温暖化問題というような作業ですと、今まで温暖化問題というのは基礎の研究の方から順番に上がってまいりますものですから、研究開発のフェーズで出っ張り、引っ込みはないのです。循環型の作業というのは、もう既に地方自治体でも大変進んだ取り組みをしておられるところもありますし、民間でもそういう形で進んでいるということがあります。一方ではまだ研究の緒についたばかりというようなことがありまして、そういう意味での対応が、時系列的にも、あるいは分野的にも広いものですから、なかなかそれを1つのマップにまとめていくというのは大変な作業であります。それをある程度試行錯誤をやりながら進めていきたいと考えているわけであります。

その中で、先ほどから出ておりますようなバイオマスという、これは循環型社会をつくっていく中で1つのキーテクノロジーでございまして、これが抜けては全く画竜点睛を欠くというような形になっていくわけでして、この会議に参画をさせていただくことによりまして、我が社の中でも、バイオマスというのが日本の中でどういう形で育っていくのかというようなことを勉強させていただきながら、ごみゼロ循環の社会構築の課題に貢献させていただくように進んでいけたらと思っているところであります。

それからもう1つの形として、私は日本経団連の中で資源エネルギー対策委員長というのを務めておりまして、これからの21世紀のエネルギーの構造というものについては大変、関心をもっておりますし、経団連の中でも各企業の委員が中心になりまして活発に運営をしているわけであります。これから水素社会、バイオ社会というのをつくっていく中で、やはりこのバイオマスというのが非常に大きなウエイトを占めていくわけでありまして、これの帰趨というのも、これからのエネルギー構造を考えていく上で非常に大きな問題であろうと思っております。そういう面からもこの委員会に参画させていただきたいと、そういうことでございますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。

(池上委員)福井工業大学の池上でございます。私はもともと機械工学をやっておりまして、京都大学にいたのですけれども、定年退官で今の現職についております。

資料をあらかじめ配付してありますが、「京都市におけるバイオディーゼル燃料化事業の取り組み」と。これを側面から支援させていただいていた経緯があるものですから、そういう資料をつけさせていただきました。ご存じかどうかわかりませんが、平成9年から京都市では廃食用油を集めましてメチルエステル化いたしまして、それをディーゼルエンジンの燃料である軽油のかわりに使う、あるいは部分的に混ぜて使うということで、現在、ごみ収集車全部がそうなっておりますし、それから市バスも一部、そういう形をとっているということでございます。

そこに詳しく書いてありまして、これを読み出したらきりがありませんので、後でごらんいただくとしまして、そういう活動はきょう、やっていただいていますバイオマス活用の1つの形ではないかと思うわけです。ただし、これまでの軽油ディーゼル燃料の性質とかなり性状が違うものですから、そこのところを実際の自動車に適合するようにしてやる必要があるということで鋭意努力しているところでございます。おかげさまで、日本でも一番たくさん、バイオディーゼル燃料を使っているということになっておりますので、ぜひご関心を喚起できたらと思っているところです。

そして、事務局の方にこの資料を出しましたら、ここは必ずしもこういう燃料について詳しい人ばかりではないので、もう少し補足説明もしてほしいというわけで、その次のところにパワーポイントの形で書いたものがございます。ちょっとだけご理解を深めていただくために、一番最初ですが、エンジンには2つありまして、ガソリンエンジンというのと、それからディーゼルエンジンとあります。先ほどのものはディーゼルエンジンで、自分で着火する、そういう燃料ですが、2番目の図の上にありますのは、火花点火をする。これはガソリンです。そのときにバイオマスを利用するということも考えられまして、エタノールだとか、その後の方に書いてありますが、バイオマスソースの原料を使って点火、すると。これはアメリカでもE10という、エタノール10%という意味ですが、そういったものが使われていますし、ブラジルでは22%のエタノールを使うというようなことになっております。したがいまして、その次のページに書いてありますように、運輸燃料として使用するための原料の経路というのがありますが、そういう姿になっていきまして、部分的なものから次第にバイオマスに置きかえていくという構想ができるのではないかと思います。

ここにまんがが描いてありますが、その中で1つだけ大きな間違いがありました。真ん中にAlcoholという絵がありますが、そこからMTBE/ETBEと書いてありますところに行くほかに、その右側のところに線を入れていただきたいと思います。枝分かれしてブレンドになる、そういう使い方が先ほど申しましたE10というものでございます。

ちょっと時間を超過しましたので、これでご紹介にかえさせていただきます。

(岸上委員)私どものまちでは、パンフレットにございますとおり、バイオエコロジーセンターということでもう既に稼働いたしておりまして、家畜のふん尿を利用し、さらにはおからを投入し、廃乳を入れてメタンガスを発酵し、発電をするという施設でございます。ただ、稼働はうまく回っておりますが、出ます固形分は堆肥として利用しますが、液肥の部分は現在、凝集剤を使って河川へ流しているわけです。これの凝集剤に非常にコストがかかっております。これを何とか液肥として利用したいということで、今、パイプライン化を目指して取り組んでいる最中でございます。これをしていかないと、バイオガスの終末までの完全処理ができない。これによって循環型社会が構築できると思っておりますので、あともう一歩のところまで来ているなと思っております。また、ご指導をよろしくお願いを申し上げます。以上です。

(熊崎委員)熊崎です。私も今回の会議から初めて参加いたしました。今、木質バイオマス利用研究会の代表をやっております。

それで、岐阜へ移ったのです。2年前にこの学校(岐阜県立森林文化アカデミー)へ来たのですけれども、ちょうどバイオマスエネルギーをずっとやっていたものですから、美濃市にあるのですが、そこへ行きましたら、地域の人たちが本当に木くずの処理で弱ってしまっていたわけなのです。間伐をやったりして出てくるし、製材工場からもいっぱい出てくる。それを処理しようと思ったら、トン当たり一万幾らもの処理費を出して処理しないといかん。とてもこれでは中山間地はもたないということなのです。とにかく何とかエネルギー利用できないだろうかということで話が始まったわけです。小さい業者さんが多いのですけれども、みんなで固まって、とにかく何かやろうという話になりまして、それでNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成金をいただきまして、昨年になりますけれども、その予算でFS(実行可能性調査)をやりまして、電気を中心に熱も利用するのですが、 5,000~ 6,000キロワットのプラントだったら、何とか採算がとれる可能性がある。これは料金システムになるのですけれども、それで電気をつくって、発電効率 28%ぐらい期待できるわけです。というわけで、何とかいけるということになったわけです。

ただ、本当にこれが経済的に成り立つかどうかというのは幾らで電気が売れるかということにディペンドしているわけです。例えばキロワット10 円、11円のレベルで決まるということになりますと、今、木質系の廃棄物という、廃棄物系は非常に安く出回っているものですから、それだったら、これでも合うのです。だけれども、僕らが今、考えていますのは、間伐材であるとか、山から出てくるものをみんな、できるだけ利用したいと思っているものですから、やはり12円、13円、14円という格好でないと、とても山からのバイオマスは利用できないということなのです。これからRPS(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)で決まっていく新エネルギーの電気料金が幾らになるかというのを本当にかたずを飲んで見守っているのです。

それともう1つ、今、我々が当面している大きい問題というのは、中山間地なものですから高圧線は通っているのですけれども、そこへ接続する経費が物すごくかかる。1つの地域で約6億かかるというのです。 5,000~ 6,000キロワットのプラントにそんなに金をかけたらとても成り立たないものですから、そういう問題も抱えています。私どもといたしましては、せっかく今、バイオマスのこういう風が吹き始めて、それを中山間地の森林林業の活性化にどうやって結びつけていくか、それが一番大きい課題で、このままだと、山から出てくるバイオマスがみんな下へ流れていって、廃棄物になってしまって、それでみんな下で発電されてしまうという事態ができてきます。山の方はただそれに処理費をつけて出すだけという大変な事態になっていくものですから、何とかこういうことにならないように、いろいろな制度的な壁はあるわけですけれども、それを、こういう会議で取り払えるようにやっていただけるとありがたいと思っています。以上です。

(迫田委員)東京大学生産技術研究所の迫田といいます。去年(バイオマス・ニッポン総合戦略策定アドバイザリーグループ)に引き続いてことしも入れていただきまして、どうもありがとうございます。2年目ですので手短に話しますが、1つは皆様にお知らせなのですが、小宮山先生、それから広島大学の松村先生、それと私などが中心になって編集いたしました「バイオマス・ニッポン」という本が出ます。この目的は、広く国民にというと偉そうですけれども、一般の方々に、バイオマス・ニッポン総合戦略というとちょっと堅苦しいですから、それがどういうものかということを正確に知っていただくというのが趣旨であります。きょう、さすがに間に合いませんでしたけれども、ゴールデンウイークには本屋に並ぶと思います。 1,400円か 1,500円ですが、ひとつ1冊よろしくお願いいたします。

その中の第1章というのがその趣旨です。絵でみるバイオマス・ニッポンという、その中にバイオマスリファイナリーの絵とか、そもそもバイオマスとは何ぞやとかいう絵があるのですが、私が描いた汚い絵ではなくて、プロがお書きになった絵です。その3つ目の絵がバーチャル・バイオマス・タウンといって、2020年、こんなバイオマスタウンができたらいいなという絵です。できたらいいなというわけですけれども、鉄腕アトムの誕生日はおとといだったようですが、さすがにロボットはまだ空を飛びませんけれども、限りなく鉄腕アトムに近いロボットはできているわけで、それに比べれば、2020年のバーチャル・バイオマス・タウンは全くバーチャルではないと信じています。

信じているだけではあれですので、やはり東大の研究所の隅っこにおりますので、自分のできることは研究であろうということで、実は千葉大学の横に私ども、千葉実験所というのをもっています。そこを拠点にバイオマスリファイナリーという、農学部さんと一緒のユニットが、もう既に本格的に動き出しました。それはまだ小さなユニットですので、これからいろいろ個人的にも努力しまして、先ほど赤池委員がおっしゃったソフトの方ももちろん大事なのですけれども、技術体系、あるいはシステム構築、その辺をきちっとやるのが私の役目かなと思っています。どこまでできるかわかりませんが、頑張る所存です。よろしくお願いします。

(佐藤委員)私も昨年と引き続いてことしもこの委員会にお招きいただきまして、ありがとうございました。きょう、お話ししたいのは、昨年の総合戦略をつくるときにも随分中心的な課題になってはいたと思うのですが、このバイオマスの利活用を通じた農山村地域の振興をどうするかというのは随分いわれているのです。それを実際の意味での、あるいはサブスタンシャルな意味での振興にどうつなげるかという非常に難しい問題があって、例えば遊休化している土地を活用してエネルギー作物をつくるとか、そういう議論も随分あったのですが、やはり生産者である農民の経済的なメリットをもたなければいけないということになると、それは財政的にどこまで負担するかという話になって、これは非常に難しい話になる。そのような問題が非常にあって、地域の振興とはいうけれども、実際にそれをどう進めるかという意味では、この中でも具体的に詰めていただきたいと思います。それはもう1つ、そういう遊休化している農地をどうするかということでいうと、例えばたくさんの飼料を、今、ほとんど海外から輸入しているわけですが、その結果として国内に窒素を大量に残しているという状況を少し自給的な形に切りかえていく。そのためには、現状なかなか難しいという状況の中で経済的なインセンティブをどう与えるかということになるわけで、そういう非常に難しい問題を抱えているのですが、いずれにしろ、そういう遊休化している土地をどう利活用し、そして地域の振興につなげていくか、その間にこのバイオマスがどう位置づけられるのかということが1つあると思います。

それからもう1つは、バイオマスというものとしての観点からみると、これも非常に大きな位置づけとしてあるのが農地に還元すると。コンポスト化して農地に還元するという話が必ず出てくるのですが、ともすると、農地に還元するときの側面を見落としがちなのですが、2つあって、1つは土づくりとしてのバイオマス、農地還元という意味です。それからもう1つは肥料としての農地還元、2つの側面がこんがらがって議論されてしまう可能性があるのですが、そこをやはりきちんと分けて考えないといけない。土づくりのバイオマスの場合には炭素系がないとだめで、土壌中の微生物のえさになるためには炭素系が必要で、その土壌中の微生物を繁殖させて、そして土づくりを進めるという側面と、それから投入している化学肥料のかわりにバイオマスに含まれている肥料分を肥料の代替として考える。これはまた違う話で、その辺をきちんと切り分けて、どう有効利用するのかということも必要で、今のところその部分は非常にブラックボックスで余り明らかにされていないところなので、先ほどの迫田委員ではないのですが、きちんとその部分の研究を進めることによって実際に意味のあるものにしていく必要があるのかなと思っております。以上です。

(堂本委員)ありがとうございます。ことしから入れていただきました新参者でございますけれども、資料は京都の船井郡八木町の次が私の資料になっておりまして、色のある資料があるので、短く、これでお話ししたいと思います。千葉県は、まず大きな特徴は農業県ですということで、大変バイオマスに使う材料がいろいろな形であるということ。それからもう1つは、東京、神奈川からが多いのですけれども、廃棄物が非常に多く流入してくるということで、知事に就任してからというもの、どうやってこの廃棄物を処理するかというのが大テーマになりました。あともう1つは、いろいろな企業が臨海工業地帯におられて、きょうも新日鐵さんや東電の方がおられますけれども、それぞれの企業で随分とバイオマスについての研究をされていたり、実際に運用されていたり、実用化を目指している企業がおられるということです。その技術が使えるということ。それから、もう幾つかの、18ぐらいあるのですけれども、例えば農協さんとジャスコとか、そういうところで一緒にいろいろ始めつつあるわけです。この場合は多分、肥料とか土づくりという方に行くのだと思いますが、そういったようなことをやり始めているということです。

去年、私どもは資源循環型社会づくり計画というのを策定いたしました。去年の暮れなのですけれども、ここでいっぱいバイオマスのことが出てきたのと、それから私は知事に就任してから2年間、もう大量生産の時代は終わったと。常に循環型の環境の社会をつくらない限り、この県もこの国もだめになってしまうのだということを、千葉県じゅう回って、水戸黄門ではないのですが、一生懸命それをいって歩いた。それを使わせていただいたのは、そこにいらっしゃる藤井絢子さん(藤井委員)がやっていらっしゃる「なのはなプロジェクト」ということで、遊休地に菜の花を植えて、それをとって車を走らせたり、また出てきたものはえさにして、それから電気にして、ぐるぐると回る絵を描きまして、それをもって千葉県じゅう、今も回っているようなわけでございます。

そういうことを全部合わせて考えたときに、単にムードでやるのではなくて、きちっと技術的な計画性、あるいは行政的な計画性をもたなければいけないということで、去年、実はバイオマス立県千葉というように名づけました。そして、それを立ち上げましたら、たちまち、今度はバイオマス・ニッポンというのが出てきて、もうびっくり仰天いたしまして、ああ、そうなのか、国は私たちよりも大きく何をやるのだろうということで、早速国の方にお会いして、一体国の方は何をなさるのですかということを伺ったわけです。今、佐藤委員には感謝申し上げなければいけないのですが、私たちが面倒くさいことをしなくていいようにちゃんとレールを引いておいてくださいまして、ありがとうございましたということでございます。

時間がございませんので、いかばかり千葉にたくさんあるかということは、下の図のところの家畜の排泄物、これには困っています。それから食品の廃棄物とか間伐材、その他もろもろございます。そして、どう再資源化していくかということで、またいろいろな活用方法。そして私たちらしく、森は低いのですけれども、たくさんありますので、ウッド・バイオマス・タウンのような構想のあり方、あるいは南の方は菜の花だけではございません。いっぱい花がございます。そういったフラワー・バイオマス・タウンということで観光を絡めて考えられるのではないか。それから食品などの場合はアグリ・バイオマス・タウンというのと、それから上総にバイオテクノロジーの施設があって、ここでもゲノム解析などをやっていらっしゃいますが、同時に柏に東大の新領域、今お話があった生産技術研究所もバイオマスのことをやっておられるということで、そういったいろいろなことをリンクするのが県の仕事ではないか、私たちは徹底したコーディネーター役。そして市町村はいろいろなことをいいます。何かできることはないか。いろいろ話を伺っていってみますと、これはこれとこれを結びつけたらきっとできるであろう、少なくとも鉄腕アトムみたいに、やり始めれば将来、必ずアトムが空を飛ばしてくれるだろうと考えるものですから、先生方にいろいろ教えていただきながら、この間うちも、技術生産所でシンポジウムをもたせていただいたりいたしました。これからお仲間に入れていただいて、ここで議論されることを何とかモデルとしてでも千葉で実践をしていきたいと思っておりますので、いろいろ教えていただきたいと思っております。どうもありがとうございました。

(中西委員)トヨタ自動車の中西でございます。自動車工業界の立場で参加をします。今回初めてでございますので、よろしくお願いします。

自動車工業界からということですので、いかにバイオマスを燃料として、上手にどう使うかということからの意見をいろいろ出させていただくということになると思うのですが、実は私はトヨタ自動車で、将来の動力源、あるいは自動車のあり方の研究開発を担当しております。したがいまして、バイオマスは燃料だけではなくて、別の自動車部品にも使えないかという研究をしております。以前、ここに参画して、少し紹介をさせていただいたかもしれませんけれども、ポリ乳酸です。サツマイモを溶かしまして、そこからプラスチックをつくるというものもやっておりまして、いろいろ問題点はあるのですけれども、何とか自動車部品に使えないかという面でもいろいろ研究をやっております。その点についてもまた何かのチャンスにご紹介をさせていただければと思います。

先ほどの燃料の方に戻るのですが、基本的にバイオマスは酸素を燃料の中に含んでおりますので、 CO2だとかCO、こういうものを下げる上で大変有効であることは事実でございます。確かに燃料として、石油から脱却できますので、そういううれしさもあるのですが、実際に使うとなると、やはり難しい面がいろいろ出てまいります。この難しい面をいかにクリアしていくかということが大事かと思っておりまして、これもまたいろいろ意見を述べさせていただきたいと思いますが、一番大切なことは、やはりユーザーの方に買っていただくということだと思うのです。受け入れていただくというものでないと、なかなか旗を振っても広まっていかないということがございます。ここが一番のポイントではないかと思います。

最近、私は燃料電池も担当しておりまして、燃料電池車を出させていただきましたけれども、いろいろな方に乗っていただきました。皆さんの評価は、水素で走るんですねというよりもよく走りますねと。それは、そのことを考えて、実はいろいろ電気自動車等でトヨタも経験を積んでおりますので、やはり走る車でないと、皆さん、まず納得していただけないということで、馬力でいいますと 120馬力ぐらいのモーターをつけました。したがって、これを賄うフューエルセルをつくりましたので、ああいうクルーガーというような車になってしまったのですけれども、やはりよく走りますね、そして静かですねと。ユーザーにとって大変うれしいわけです。こういったものが、このバイオマスを使った燃料でも必要だろうと思いますので、これは徐々にステップアップしながら、いろいろここで皆さんのご意見を賜り、また私もいろいろ意見を話させていただきながら、導入方向について議論させていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(永広委員)新日鐵の永広でございます。初めてでございます。よろしくお願いいたします。

具体的に今、中西さんからもバイオマスの利用についてのお話がありましたけれども、私の方は既にいろいろな省エネルギーですとか、あるいはリサイクル、ゼロエミ等、やってまいっておりますので、そういう観点から、バイオマスの利用についても産業界という観点で一般的なコメントをさせていただきたいと思います。

まずバイオマス・ニッポンの戦略を具現化する上で考えなければならない点を、産業界という観点からですけれども、1つは経済合理性でございます。私ども、いろいろなことに携わってまいりましたけれども、バイオマスにつきましても、利用される上で継続性というのが非常に重要なわけですが、それを達成するためには経済合理性というのを忘れてはならないということでございます。単純に補助金や財政支援のみに頼った施策というのは、社会全体の利益になりにくいということを忘れてはならないということでございます。

2つ目は、総合的にエネルギー全体を評価しなければいけないと思います。地球温暖化の側面からとらえたとしても、やはりLCA全体、いろいろなところにバイオマスが発生しますし、エネルギー全体で果たしてどうなっているのか。利用効果、あるいは再資源化につきましても、どういうエネルギーに置きかえられていくのかという系全体の評価をしていかなければいかんというのが2つ目でございます。

3つ目は、包括的な取り組みが重要だということでございます。燃料電池のことにつきましても、先ほどちょっとございましたが、水素をどうやってつくるかとか、ソースだとか、あるいはタンクの材料とか、そういう広範囲な技術開発が必要ですので、そういう包括的な取り組みということを忘れてはならないと思っております。

それから、私どもはいろいろな省エネを、ゼロエミッションを含めて、リサイクルに今まで携わった範囲で、特に既存の産業のプロセスとの融合性を考慮していただいたらと。その可能性を拡大すべきだと思っております。セメントですとか非鉄、我々の鉄工業もそうですけれども、既に廃プラ、あるいは廃タイヤ、家電リサイクル、自動車リサイクル等につきまして、いろいろな業態といろいろなことに携わってまいりました。そういう中で、ゼロから始めますと成り立ちにくいものもたくさんございますので、既存の業態をうまく使った日本型の資源循環システムというのを考えるべきだと思っております。それはバイオマスについても同じだと思っておりますので、私どもはもちろんそういう協力体制を敷いていきたいと考えております。以上でございます。

(小宮山座長)議事の途中ですが、熊谷政務官に緊急のご案件が生じたということですので、ご退席になるということです。この際ですので、一言いかがでしょうか。

(熊谷政務官)ご意見の途中で大変、皆さん方に失礼でございますし、私も非常に残念な思いの中で退席をさせていただきますけれども、お許しをいただきたいと思います。きょうは非常に貴重なご意見をたくさん聞かせていただきました。残る方のご意見も後で事務方から報告を聞きますけれども、皆さん方のそういう貴重なご意見というものを、これから担当部署、あるいはバイオマス・ニッポン総合戦略推進会議、そういった場に生かしてまいりたいと思います。

委員の先生方、これからもひとつバイオマス戦略の推進に当たって格段のご意見なり、アドバイスを賜りますようにお願いを申し上げたいと思います。きょうは本当にありがとうございました。

(小宮山座長)それでは議事を続けさせていただきます。

(野村委員)時事通信の野村でございます。ことしに入りまして、このバイオマス、あるいはもっと広くいえば再生可能エネルギーといったような分野について、大変大きな動きがあったと思います。中でもブッシュ大統領が一般教書で水素社会の実現ということをいいまして、これは大変注目されたのですが、このブッシュ大統領の演説の背景には、どうも既に公道を走り始めた日本の燃料電池車が刺激になっているという観測もあります。もちろんバイオマスはエネルギーだけではなくて、資材の方もあるのですけれども、今回のバイオマスの総合戦略推進というのは、まさにそういう意味で大変タイムリーなテーマだというように私は思います。

ただ問題は、先ほどから出ていますように経済性をどうとっていくかということだと思います。まだまだ単一で化石燃料に対抗できるという経済性をとるのは大変だと思います。そういう意味では総合的に発想した対応がこれから必要になってくると思います。特に初期には、今、いろいろな地域で芽生えつつありますけれども、さまざまな動きを拾い上げ、育てていくような、そういう行政側の連携をお願いしたいと思います。

それからもう1つは、食料生産などと連携しながら、バイオマス事業を進めていくという総合的な、これも発想が必要かなと思います。もう1つ、これは先ほども出ましたけれども、環境税のようなものとか、あるいはグリーン電力証書といったような発想、これらをうまく使って、国民の協力を得ながらバイオマスエネルギーの利用を進めていく、バイオマス資材の利用を進めていくということを、これから考えていくべきかなと考えます。いろいろ勉強させていただきます。よろしくお願いします。

(日引委員)日引です。私は、専門は環境経済学で、きょう、ここでこれまでご意見をいただいた方々とはちょっと専門が違いまして、社会科学を専門にしております。経済学というと、どうしても環境税というように主張する方が多いので、余りいい顔をされない場合が多いのですけれども、私は今回、初めて参加させていただくわけですが、その前に、事前に配付されましたバイオマス・ニッポン総合戦略というものを読ませたいただいた感想と、社会科学からみた意味での感想を少しお話しさせていただきたいと思います。

この資料を読ませていただいて、目標が設定されて、それに向かって頑張っていこうということなのですけれども、その中で私が受けた印象というのは、主に総合戦略を達成していくための手法というのは、1つには技術開発だということです。技術開発というのは、いろいろな潜在的な技術を開発するだけではなくて、経済性をもたせるために、よりいい技術を投下して、生産性を上げていこうというような2つの意味での技術開発と、それから情報を普及することによって人々を啓蒙していこうという、主にその2つの柱でこの戦略を進めていこうというようなことが書かれているような印象をもちました。ただ、例えば技術の開発を進めていこうとすると、1つにはやはり経済性の壁にぶち当たる。何度もご指摘された方がいましたけれども、そういう問題があって、結局はなかなか社会構造の中にそういう技術を普及させたり、あるいはそういうものをつくれても、それが市場に普及していくということは非常に難しいし、あるいはそれが可能であっても非常に時間がかかるという問題があります。また、生産性を上昇させていくためには、そのためにも非常に時間がかかるという問題などもあるわけです。

それから、啓蒙活動というと、どうしても人々の良心に頼らなければいけない側面があって、フリーライダーの行動を変えることが難しいという問題があると思います。その中で、やはり重要な点というのは何人かから指摘されましたけれども、環境税や補助金などを初めとした経済的な手段というのを導入して、社会の中で望ましい、環境にとって望ましい技術が普及していくような土台をつくっていくということが非常に重要ではないかと思います。そのような視点が、少しこの中にも組み込まれてくる必要が、若干触れられてはいるのですけれども、やはり十分具体性があるような形ではまだみえていないと思いました。したがって、そのようなことを今後検討に入れていくということが重要ではないかと思います。

また、こういう動きというのは世界的にも非常に潮流となっていまして、経済的手段を導入しながら、社会構造を環境保全型に変えていこうというような、いわゆる技術開発が車の片輪だとすると、社会システムを変えていくというのは逆側の片輪なわけです。そのような動きがあるわけですから、それに合致するということです。

例えば環境税というのは、環境負荷に対してかけるわけですけれども、なぜそれがいいかというと、そのようにすると、間接的にバイオマスというのは環境税をかけられませんから、非常にいいわけです。人々がそういうエネルギーに、従来のエネルギーからバイオマスにシフトしていくという間接効果があるわけです。それによって市場を広げようということです。ただし考えなければいけないのは、ここで大きく触れられているのは温暖化の問題と廃棄物の問題ですけれども、それぞれ、従来、これまで行われている廃棄物対策や温暖化対策に非常に影響を受けるわけです。したがって、十分な環境税がかけられていれば、マーケットは自然とバイオマスに向かうので特に何もする必要はないのですけれども、それが不十分な場合にはどうすればいいのかということを考えなければいけない。そういう意味で、ほかの温暖化対策や廃棄物対策と整合的な政策立案というのが非常に重要になってくるということです。つまり、どのような制度設計をするのかというのが重要であると思います。そういう観点から少しでも貢献させていただけたらと思っております。よろしくお願いいたします。

(藤井委員)滋賀県環境生協の藤井です。昨年に引き続き、委員に参加させていただいて、大変うれしく思っています。このバイオマス・ニッポンの総合戦略の議論の中で、私は一貫して農林漁業を活性化して、農山漁村が元気になるのだと。そうならないと、バイオマス・ニッポンという言葉の元気は空回りしてしまうということをずっといってまいりました。この4月19、20に広島県の大朝町という、小さな 3,500人の町で菜の花サミットというのを開催します。資源循環型の地域モデルとして全国で菜の花プロジェクトというシンボリックな名前をつけた地域が 100ぐらい今、動いているのです。全国サミット3回目、九州は2回のブロックサミットをやっているのですが、そのテーマが、「菜の花プロジェクトはほんまに地域を元気にするんかいのぉ」なのです。広島弁で「のぉ」がつく。「菜の花プロジェクトは本当に地域を元気にする」とならなくてはいけない。そのためには、どういう問題があるかということをそこで議論していこうというように思っているのですが、地域活性化の中で、私たちに目にみえる形で、1つは地域でエネルギーの自立を考えてエネルギービジョンを立てている町が全国の 3,000余りの自治体の中で 600を超えました。そこの中で元気は88カ所あるだろうと。ならば88カ所の遍路道を経めぐれば、そこにみにいけば、さまざまなテーマのバイオマスを中心としたまちづくりがみられる。人がどう動いているかも経験を学ぶことができるということで、全国の遍路道をつなごうというのが1つ。

それから、そこの中で議論してきた中で、最近、非常に大きな動きがあって、木質バイオマスの方でペレットとペレットストーブが海外から輸入されていましたので、このぐらいは日本でつくらなければということで、岩手と山形が先頭を切って動いていました。山形が、かなり数的に動き始めまして、きょう、出てくる5日ぐらい前に電話が入ってきて、ペチカ型の30万余りのが 500台の予約が入りましたと。それから10万台の普及型が 500台、小さな製作所は目を回すように動き始めて、それはそれで、元気が出てくるところは出てきたなと。そのお金が、どこか中央に集まるのではなくて、地域にお金が落ちないと、地域がほんまに元気にならないわけで、そういう議論を、この菜の花サミットでやってみようと思っています。

そこのサミットのタイトルが、バイオマス・ニッポンよりさらに元気な、言葉だけでも元気にというので、「持続可能なふるさとづくりをサステイナブル・ニッポン」というようにつけまして、サステイナブル・ニッポン総合戦略開始宣言というのが菜の花サミットの宣言です。ここのバイオマス・ニッポンで議論したようなことが、本当に地域の人たちがそうだ、このように変わっていくのだ、そして自分たちが参加することで、地域で気がついていなかったシーズがこんなに生きるのだということを、そこで議論してみようと思っています。全国の、菜の花だけではなくて、バイオマスによって動いている元気な町がありますので、そういうところがさらに元気になって動くような、予算がそういう形で組まれているかどうかをきっちりとみるために参加させていただいています。よろしくお願いいたします。

(吉田代理)東京電力の藤原の代理でまいりました吉田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。私からは、電力会社でございますので、特に発電分野を中心として、電力会社からみたバイオマスへの期待、そして課題ということについて申し上げさせていただきたいと思います。

電力会社は従前から、発電分野における新エネルギーの利用というものに着目しておりまして、そのための拡大施策として、例えば自然エネルギーの余剰購入制度、それからグリーン電力基金です。先ほど少しお話が出ましたが。それから法人向けのグリーン電力消費制度と、こういったものをスタートさせまして、バイオマスを含む新エネルギーの拡大に力を入れてまいりました。この理由としては、まずこのバイオマス・ニッポン総合戦略の出だしにもありますように、地球温暖化への対応と、カーボンフリーである新エネルギーの促進によって、日本の CO2削減に役立てたいと。もう1つは、エネルギーセキュリティということでございまして、資源をほとんど輸入に頼っています我が国において、自給率を高めたいと。この2つの大きなエネルギーの課題に合致しているものが新エネルギーではないかと考えております。

加えまして、先週から、ご承知の方も多いと思いますけれども、新エネルギー等の利用に関する特別措置法、通称RPS法が施行されまして、小売りを行う電気事業者に一定の分野、一定の量で新エネルギー等を利用しなさいと、こういう法律が施行されております。恐らく15年度については、推計ですけれども30億キロワット/アワー強の新エネルギー等利用が義務として、全国の電気事業者に課されることになりますし、これが2010年になりますと4倍強になりまして、 122億キロワット/アワーと、総販売電力量の1.35%に増加いたします。この対象となっているのが太陽光、風力、中小水力に加えましてバイオマスというものが中に入っておりまして、従前以上に発電分野でのバイオマス利用というところに、我々も着目しているところでございます。特に大規模なものとしては、チップ化した木材を発電プラントに使うとか、それから植物系のバイオマスを液状化したものを使うとか、さまざまなお知恵は皆さんの方がおもちかと思いますが、いろいろと我々としても勉強させていただいているところでございます。

意外に思われるかもしれませんけれども、現状、このRPS法の対象になっている新エネルギーということでみますと、実は一番多いのはバイオマスなのです。東京電力の例でいいますと、かなりの部分をバイオマスが占めていると。しかしながら、これはどういうことかといいますと、自治体さんがやられている清掃工場から、我々かなり、東電全体で10億キロワット/アワー強、購入させていただいておりますけれども、このうちの、全部ではありませんで、いわゆるバイオマス部分、プラスチック系を除いたもの、これが我々として利用させていただいているということになるわけです。しかしながら、今後、大きく義務量が伸びていく中で、従前の延長ではとても義務は達成できないということから、いろいろな新しい形態での発電分野でのバイオマスの普及に期待しているところでございます。そういう意味では、もちろん自治体さんの従前からの取り組み、そして堂本知事の力強い言葉がありましたが、さらなる取り組みというのもありますが、加えて、やはり民間の事業として、次々にこういったバイオマス発電が出てきて、我々も利用させていただくということに期待しております。

この場合に課題になりますのが、先ほどから話が出ておりますが、経済性ということでございまして、我々もやはり株式会社でございますので、株主の皆さん、それから電気を買っていただいている消費者の方々に、余り大きな影響を及ぼす範囲での買い取りというのはなかなか難しいと。そういう意味では、コストダウンが進んで、非常にリーズナブルな価格で大きな量が出てくるというのが、我々としては一番望ましいというところで勉強させていただいております。

その勉強の中で、ただ安くだけでは知恵がありませんので、どういったところが課題なのかと我々が考えていきますと、やはり安定的な原料の供給というところが当然のことながら一番重要で、かつコストがかかると。特にバイオマスの場合、やはり収集・運搬に非常な労力が要るというところが我々として非常に大きな課題でございまして、先ほどの清掃工場からの買い取りでいいますと、我々平均で7~8円という、風力や太陽光に比べれば随分安い価格で買わせていただいております。それが実現できるのは、収集の部分を自治体さんが税金でやられているというところでありまして、これを事業としてやりますと、収集・運搬というのは、そのままコストに乗ってきますので、やはりまだまだコスト的に、そういったレベルに比べると高い部分があるのかなと考えております。ですので、今後、予算を含めた施策の検討を進める中で、ぜひ、こういった効率的な収集・運搬が可能になるような、そういったシステムで実現するような施策をぜひお願いしたいと、そのように考えております。

最後に総論的なお話になりますけれども、バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議、そしてこのアドバイザリーグループでございますが、省庁横断でこういった組織が発足したというのは非常に意義があることと考えております。各省庁さん、もちろんいろいろな予算を含めた施策をやられているわけですけれども、それが統合されて、効果的な使い方が考えられることによってシナジー効果が発揮できるのではないかと。ぜひ、そういった施策を期待したいと思っております。以上でございます。

(松見委員)松見でございます。私は伊藤忠商事に入社して30年を超えましたが、その間、実は20年にわたりましてアメリカ・ニューヨークに駐在したという変わり者でございます。現在、伊藤忠で先端技術戦略室長を務めておりまして、ナノテクノロジー、あるいはバイオテクノロジーなど、先端技術のビジネスの開発を進めております。その中で、実はバイオマスということも重要な位置づけをして対応いたしております。

このバイオマス・ニッポン、特にバイオマス利活用の重要性につきましては、もう今さら申し上げることはございませんで、短期的にも長期的にも日本にとって重要だという認識でございますが、一方、先ほど来ご指摘ありますように、民間ベースでは、やはり主として、その経済性の面からバイオマス案件がペイしないという理由でなかなかバイオマス案件を積極推進する企業がまだ少ないと考えております。総論先行の面がやはり否定できないと思います。したがいまして、逆に産学官挙げて、このバイオマス・ニッポン総合戦略に、たとえ時間がかかってもこれに取り組んで、一歩一歩バイオマス案件を着実に立ち上げていくということをやるべきだと、我々も確信いたしております。

企業PRをする場ではもちろんございませんが、ご参考までに、伊藤忠としても一総合商社としましても、国内外においてバイオマスの案件を何とか立ち上げようといたしております。海外ではマレーシアで、パームオイルを利用しましたバイオディーゼル案件のFS(実行可能性調査)を進めておりますし、デンマークでは稲、あるいは麦わら、これを直接燃焼する発電所案件も進めております。日本ではもみ殻灰の利用による超微粉再加工、そして商品化を進めていくという案件も推進しております。さらには、このバイオマス・ニッポン総合戦略の中で出てきます木質系バイオマスからのエタノール生産、これも極めて重視いたしております。今後は、やはり日本発のバイオマス案件を海外にもっていく努力をしたいと思います。さらには、海外のいい技術で、かつ日本とコンフリクトがなければ、日本のバイオマス・ニッポン総合戦略に使えるいい海外の技術があれば、この導入も考えるべきではないかと思います。したがいまして、国内外をみつめながら、本会議に意見も出させていただいて、何らかの貢献ができればと考えております。以上でございます。

(山本委員)JA全中の山本でございます。JAグループにおきましては、このバイオマスにつきましては、一部、農業用の生産資材として活用されているという現状にございます。例えば農業用のマルチフィルムとか、あるいは苗用のポットとか、こういう形で活用させていただいている。しかしながら、このバイオマスの本格的な検討につきましては、JAグループはこれからという段階でございます。したがいまして、この件につきまして、我々、農業生産にかかわる立場から若干ご意見を申し上げたいと思います。

先ほどから出ておりますが、循環型の社会、これは求められております。したがいまして、バイオマス・ニッポン戦略、これは私どもも大変重要な取り組みだと思っておりますし、またJAグループとしても貢献してまいりたいと考えているということでございます。理由は、やはり農業生産の立場から、農業がバイオマス資源を供給する可能性をもっている側面があるということ、それからバイオマスを農業生産に利用するという側面、両方をもっているということでございます。私どもも環境に優しい農業生産を振興していくと今、考えているわけなのですが、そういう意味からも、この地域資源の有効活用、あるいは先ほど出ておりましたが、地域の活性化、こういう観点から進めてまいりたいと。しかしながら、進めていく上では十分経済的に成り立つということの研究開発が急がれているのではなかろうかと思っているところでございます。

私どもも、ことしの秋に全国JA大会、いわゆるJAの全国大会というものを開催いたします。これは3年に1回、JAグループが、ここ3年、我々は何を目指していくのかということを、JAグループの総力を挙げて決議する場でございます。その大会議案、そろそろ決まってまいったわけなのですが、その中で環境保全型農業の推進と、この一環で地域でのバイオマスの取り組みもみんなでやっていこうではないかと、こういうことを決議する予定にいたしております。

ちょっと時間がなくなりましたが、1点だけ意見を申し上げたいと思います。1つは、家畜ふん尿バイオマスの利活用についてでございます。ご案内のとおり、来年の11月から家畜排せつ物法が施行されます。それまでに、畜産農家はふん尿処理施設の整備が義務づけられており、整備しませんと畜産経営ができないという状況になるわけでございます。このことは、地域の畜産基盤が維持できないということになるわけでございます。したがいまして、私どもとしては、畜産にとって、この問題は本当に大きな問題だと認識しているところでございます。

一方、家畜ふん尿の利活用につきましては、先ほどから出ておりましたけれども、環境保全農業にとって堆肥化による土づくり、大変重要でございます。そういうことと、堆肥化は当然でございますが、さらにエネルギーとしての活用可能性も大変大きいものがあると考えているところでございます。したがいまして、家畜ふん尿の利活用について、このバイオマス・ニッポン戦略の重点として取り組んでいただきたいと考えているところでございます。私もまだ勉強中でございます。勉強させていただきながら、いろいろな意見、また考え方をJAグループに反映してまいりたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

(渡部委員)東京大学の渡部と申します。今回初めてこの会議に出席させていただきました。専門が水産ということで、その代表ということでお話しさせていただければありがたいと思います。

初めてですので、資料を用意させていただきました。資料4の一番最後の3枚が資料です。海洋のバイオマスということで、概略をまんがで描かせていただいたのですけれども、大分陸上と違うところがあります。産業的には水産なのですけれども、もう少し広くとらえますと、そこの絵の左に書いてありますように、海洋生物資源という、人間がまだ利用していないものも含めると、かなり大きなバイオマスになります。もちろん、現在、人類が利用しているところもたくさんあります。詳しいことは避けたいと思いますが、一番大きい資源としては、漁獲、これは自然の恵みをそのままとってやるというところです。そのほか養殖があります。日本においては、これは農業も同じなのですけれども、かなりの量を外国から輸入しておりますので、それもやはり全体の中で考えていかないと、海洋といいますか、水産のバイオマスは議論できません。

1枚目はこういう大きな概念図で、特に今、食料としてなっていないものについては混獲とか、そういうものがあります。それからその下の方に書いてありますような、漁業を生産するときに、いろいろな阻害するものが出てきます。委員の方にはなじみのないものも入っているかと思いますけれども、こういうもの、あと、ここの海藻というのはアメリカではバイオマス資源としてかなり積極的に取り組まれて、バイオマス資源としてかなり注目されているものです。これは養殖もありますし、それから天然に育つような大きなこんぶです。アメリカではジャイアントケルプといっているものがありますけれども、そういうものについての積極的な取り組みがなされているはずです。流れとしては、そのフローチャートにあるとおりなのですけれども、やはり海産物というのは、いろいろな陸上の生物と違うところがあります。真ん中のちょっと右の方にいきますと3つ、大きな特徴が書いてあります。多様な組成、不均一な品質、塩をかなり含んでいますので、それを利用するときには、従来の陸上生物に比べると、できないような技術開発がやはり必要であるということになります。この会議で議論されているような、最終的に先端技術を利用して、どういうものができるかと。エネルギーへの利用と、そのほかまだ利用されていない成分の利用ということが、全体の流れとしてあります。

2枚目は大まかな資源の流れを数値的にあらわしてあります。先ほどの図とほとんど重なっております。ごらんになっていただければ結構かと思いますけれども、最終的な流れで、あと、どういう有効利用ができるかということで幾つか考えられています。その一番右の廃棄物の有効利用の事例の一番最初にある魚粉・魚油というのは、これはもう既に昔からかなり取り組まれておりまして、いわゆる食品にならないものは、魚粉の利用の仕方がされております。これについては3枚目にありますけれども、後でごらんになっていただければと思います。

実際に今現在、水産の方ではどのような取り組みがされているかというと、これはちょっと歴史的なものがありますけれども、現在、幾つかの地域で水産加工団地というのをつくってあります。これは出発は排水処理です。それで立ち上がったところなのですけれども、この辺が排水処理で回収されたものについて、それを積極的に利用していくというところが現在でも続いているところです。全国の水産加工が非常に盛んなところに必ずあります。

それで、バイオマスエネルギーということになりますと、やはり先ほど申し上げました塩分の問題等、非常に難しい――解決できないことはないのですけれども、何回か話題に出ました経済性といいますか、コストからすると、かなり高いというところが今、問題となっております。これから、ここの会議でいろいろな意見を散見しながら、水産の立場としてもぜひこのバイオマスについて積極的にやっていきたいと思っております。以上でございます。

(小宮山座長)

それでは、各委員からそれぞれご経験を踏まえた意見をいろいろいただいたのですが、それぞれの方でのご質問などがございましたら、ご発言をいただきたいと思います。

(日引委員)京都市のバイオディーゼル燃料化の事業の取り組みについて最初にご説明いただいたのですけれども、これは NOXなんかの問題というのはどうなんでしょうか。

(池上委員)資料に詳細は書いていませんが、いろいろな使っているものでどういう影響があるかを調べたわけです。しかし、京都市で実際の排ガスの測定はできませんので、どこかへ委託する、そうするとお金がかかるということなのですが、大ざっぱにいいますと、煙は減る方向です。PMPは減る。それから NOXは若干ふえる。そのほかの規制されているもので一酸化炭素は減ります。未規制の物質は大幅に減ると、こういう傾向が出ていて、これは海外の事例と非常によく似ているということでございます。特に微粒子が減るというのがうれしいところです。

(小宮山座長)どうもありがとうございました。ほかにいかがですか。よろしいですか。

それでは、遠慮されているのだと思いますけれども、議論はこの程度にさせていただきまして、私の方から皆さんのご意見に加えて申し上げたいのは、1つは、この戦略が日本固有のものであるということです。アメリカに代表されるところは、いわば栽培型のバイオマスを狙っていると思います。日本の全耕地面積よりももっと、数倍に上るようなものを新たに開発することを前提に、それこそ地下水を汲み上げて、種はもちろん飛行機でまいて、大量の肥料を投入して刈り取るといったようなことを想定したものに、私にはみえます。アメリカの計画をみると。そういうものと比べますと、日本はそういう地政学的な状況にはありませんので、バイオマス・ニッポンの成功には非常に多くの技術と知恵が要るということはいうまでもない、わかっていることであります。前回のアドバイザリーボードで出した知恵の一端が、収集・運搬というようなことがかぎになるのがありますから、まずフェーズを4つに分けて考えようと。スタートは、集まってくる廃棄物から考えていこうといったようなことを考えたこと。それからもう1つは、バイオマスリファイナリーという言葉に象徴されるように、エネルギーとしてだけ考えるのではなくて、物質も同時に考えて、総合的にしていこうということを挙げたあたりが、知恵のごくスタートなのでありますけれども、成功させるためには、もちろん、これだけの知恵では全く足りないと思います。基本的に間違っていないと思いますけれども、もっともっと多くの知恵と技術を集積していくこと必要だと思います。これが第1点です。

それからもう1点は、皆さんおっしゃらなかったのですが、チェック・アンド・レビューの体制といいますか、イラク戦争をみていてもわかるように、現実には何かが起こっているわけですけれども、それがどう起こって何なのかということを把握するというのは実は大変なことなのです。バイオマス・ニッポンというのは非常に複雑なもので、きょうも日本から、千葉県から、京都市のまちから、さまざまなところでさまざまな取り組みがされているのをどうやってみていくのか。チェックして、うまくいっているところの事例というのを横転したいわけですけれども、あと何が欠けているのかという議論もしていきたいわけですけれども、そのためには、やはりチェック・アンド・レビューの体制というのをどのようにしていくのか。毎年報告して、それを委員会で書類で審査すればいいといったようなものでは、私はないと思います。これは情報ヘッドクォーターとして私、前から申し上げているところですし、きょう、赤池委員がデータベースとおっしゃいましたか、ソリューションのデータベースというような形でも出てきているのもそういうことかと思いますが、どうやって全体を把握して、効率的に進んでいるのかどうかチェックしていくということが極めて重要だと、これは皆さんのご意見に加えた私の意見として述べさせていただきました。

それで、私の意見も含めて、今後の議論の進め方について提案させていただきたいのですが、皆さん、少し違った視点もありましたが、思いはかなり似ている点があるといいますか、それほど大きく違っていないというように感じました。ただ、キーワードはいろいろ出ておりまして、特区とかソリューションですとか、現実にお進めになっている企業でトヨタも東京電力もそうですし、岸上さんのところの町でおやりになっているといったような、さまざまな形での実験、実装がやられている、その実装というのが1つあります。それから研究開発。研究開発がこれからやはり重要になります。地力を維持するということと肥料として考えることは違うのだといったような視点だとか、それからエネルギーと物質と両方を考えていくといったような考え方、それから常にこの問題では収集・運搬というのをどのように負担していくか、市民の関与が不可欠なわけです。そういったようなキーワードはたくさん出てきておりますが、少し大ぐくりにまとめてみますと、主として、1つはバイオマス産業が自立するための競争条件の整備、例えばそのようなまとめ方が1つあるかもしれません。

それから地域での取り組み。地域の活性化というのはバイオマス・ニッポン総合戦略の4つの目標のうちの1つですから、それが重要なのですが、その地域での取り組みをどのように支援して、その地域の活性化につなげていくかといったような視点。それからバイオマスの、第1の自立というのは当然経済性の問題を意味していたわけですけれども、そういうこととも直接関係して、バイオマスの収集、運搬、変換、それから利用といったための技術開発をどのように進めていくかといったようなあたりに、少し違うというご意見もおありかもしれませんけれども、一応、方向をまとめることができるかなと思います。

それで、次回以降の議事に関しては、私の方で事務局とご相談の上、大きくいうと今のような方向を中心に論点を少し絞りたいと思うのですが、大きくいって、何かご意見ございますでしょうか。もう1つ、こういう視点を加えろというような。もしよろしければ、そういったような論点で事務局と私で、場合によっては少し委員の先生方にご相談させていただくということで、論点を絞って今後の議論をどう進めるか、考えていきたいと思うのですが、私の方にご一任いただけますでしょうか。

(異議なしの声)

(小宮山座長)それでは、そのようにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。今後のスケジュールについて、事務局の方からご連絡をいただきたいと思います。

(事務局)きょうはどうもありがとうございました。

今後のスケジュールでございますけれども、16年度の予算、概算要求というのをこれから各省、始めるわけでございます。そういうのが出そろう前に一度会合を開催したいと考えてございますが、具体的な日程につきましては、また追ってご相談をさせていただきたいと思っております。小宮山委員ともご相談の上、ご連絡をさせていただきたいと思っております。

(小宮山座長)それでは、第1回のアドバイザリーボードを終了させていただきます。どうもお忙しいところ、委員の先生方、ありがとうございました。

以上

バイオマス・ニッポン総合戦略推進アドバイザリーグループ第1回会合出席者名簿  

(アドバイザリーグループ委員)

青山  佳世(フリーアナウンサー)

赤池    学(株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所代表取締役所長)

秋元  勇巳(総合科学技術会議専門委員、三菱マテリアル株式会社取締役会長)

池上   詢(福井工業大学工学部機械工学科教授)

岸上  吉治(京都府八木町長)

熊崎    實(岐阜県立森林文化アカデミー学長)

◎小宮山  宏(東京大学副学長)

迫田  章義(東京大学生産技術研究所教授)

佐藤  洋平(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

堂本  暁子(千葉県知事)

中西    清(トヨタ自動車株式会社取締役)

永広和夫(新日本製鐵株式会社常務取締役)

野村  一正(時事通信社解説委員)

日引    聡(東京工業大学大学院社会理工学研究科助教授)

藤井  絢子(滋賀県環境生活協同組合理事長)

藤原  万喜夫(東京電力株式会社企画部長)

(代理出席  東京電力株式会社企画部調査グループ  吉田恵一課長)

松見  芳男(伊藤忠商事株式会社審議役)

山本  章夫(全国農業協同組合中央会常務理事)

渡部  終五(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

(◎:座長、五十音順敬称略)

(関係府省)

亀井  善之(農林水産大臣)

熊谷  市雄(農林水産大臣政務官)

笹野  泰弘(内閣府政策統括官(科学技術政策担当)付環境・エネルギー推進担当参事官)

花岡  千草(文部科学省研究開発局海洋地球課地球・環境科学技術推進室長)

大森  昭彦(農林水産省大臣官房技術総括審議官)

皆川  芳嗣(農林水産省大臣官房企画評価課長)

藤本    潔(農林水産省大臣官房企画評価課バイオマス・ニッポン総合戦略策定プロジェクトチーム室長)

伊藤    仁(経済産業省資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー対策課長)

関口  幸一(国土交通省総合政策局環境海洋課長)

竹内  恒夫(環境省廃棄物・リサイクル対策部企画課長)

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