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更新日:24年5月18日

担当:畜産振興課 草地整備推進室

飼料作物の生産・利用に関するQ&A

(利用上の注意)

平成24年2月3日、放射性セシウムに関する牛用飼料の暫定許容値が改訂されました。この改訂を受けて、通知「飼料の暫定許容値見直しを踏まえた今後の対応について」を発出しましたが、新たな暫定許容値に適合した飼養管理や除染対策の推進などに関して、関係者のみなさまへ理解を深めていただくため、このQ&Aを作成しました。

今後も関係者のみなさまからのご質問や運用状況などを踏まえて、随時更新していきたいと考えておりますので、このQ&Aの利用に当たっては、このページにおいて、最新のものを確認していただくようお願いいたします。

なお、「家畜用飼料の暫定許容値設定に関するQ&A」はこちらです。

【1 粗飼料の切替え】

Q1.牛の飼料はいつまでに切り替えれば良いのでしょうか。

Q2.乳用牛の場合、どうして3月15日までに飼料を切り替えなければならないのですか。

Q3.乳用牛以外の牛については、どうして3月31日までに飼料を切り替えなければならないのですか。

Q4.飼料の暫定許容値の見直しにより利用できなくなった牧草の代替飼料は、どのように確保すれば良いのでしょうか。

Q5.どのような場合に「飼い直し」が必要になるのですか。

Q6.平成23年産牧草モニタリング調査の最終1か月間の平均に基づいて、地域全体の牧草の利用の可否を判断していますが、これで牧草の安全は確保されるのでしょうか。

Q7.今年の春に収穫する「春上げわら」はどのような扱いになるのでしょうか。

Q8.畦草などの野草を牛に給与する場合は、安全確認はどのようにしたら良いのでしょうか。

Q9.新暫定許容値を上回る牧草はどのように管理すれば良いのでしょうか。

Q10.新暫定許容値を上回る牧草はどのような処理をすれば良いのですか。

Q11.新暫定許容値を上回る牧草であっても、生産されたほ場が明らかな場合は、そのほ場に還元施用することができるとのことですが、還元施用したあとに生産される牧草の安全性に問題はないのですか。

Q12.放射性セシウム濃度が8,000ベクレル/kgを超える飼料作物の処理は、特措法に基づいて行うこととされていますが、具体的にはどのようにすれば良いのですか。

Q13.暫定許容値の見直しにより保管している牧草が利用できなくなりましたが、この賠償請求はどのようにすれば良いのでしょうか。

 

【2 牧草地の除染対策】

Q14.牧草地の除染対策はどのように進めれば良いのでしょうか。

Q15.十分な除染効果を得るために注意すべきことを教えてください。

Q16.牧草地の作土層が薄い場合や作業用機械が手当できないなど、反転耕が難しいときはどうすれば良いのでしょうか。

Q17.牧草地の除染対策はいつまでに実施しなければならないのですか。

Q18.牧草地をできるだけ早く使いたいのですが、秋の草地更新時期まで待たなくてはなりませんか。

Q19.単年生飼料作物を作付ける場合も、除染を行う必要がありますか。

Q20.牧草地を除染した効果は、どのように確認すれば良いのでしょうか。

Q21.牧草地の除染に対する支援措置はありますか。

Q22.除染した牧草地はどのように取り扱えば良いのでしょうか。

Q23.牧草地を除染しましたが、東電への賠償請求は具体的にどのように進めれば良いのでしょうか。

Q24.収穫した牧草が新暫定許容値を超えることが明らかであり、かつ、除染が技術的に困難な場合は、当面の間、牧草地として利用しないとありますが、どうすれば使えるようになるのでしょうか。

 

【3 24年産牧草の利用】

Q25.24年産の飼料作物は、利用の可否をどのように判断すれば良いのでしょうか。23年産と同様に、モニタリング調査を行って地域毎の安全を確認してから利用するのでしょうか。

Q26.放牧は従来通りにできるのですか。

Q27.牧草等の飼料作物について、生産ロット毎に放射性セシウム濃度を調査して暫定許容値を上回らないことが確認された場合は、利用できるのでしょうか。
 

【4 その他】

Q28.肥料として用いられる牛ふん堆肥の暫定許容値(400ベクレル/kg)は、今回見直されるのですか。

Q29.敷料の取扱いは、今回見直されるのですか。

 

1  粗飼料の切替え

 Q1.牛の飼料はいつまでに切り替えれば良いのでしょうか。

A1.今回新たに設定された暫定許容値を上回る粗飼料を牛へ給与していた場合、牛乳や牛肉が24年4月1日から適用される予定の食品衛生法の放射性物質に関する基準値案を超えてしまう可能性があります。このため、代替飼料を確保して新たな暫定許容値である100ベクレル/kg以下の粗飼料への切替えを速やかに進めてください。
搾乳牛については、遅くとも牛乳の基準値が50ベクレル/kgになる4月1日の2週間前の3月15日までには、100ベクレル/kg以下の粗飼料へ切り替えてください。
肉用牛や乳用牛の育成牛・繁殖牛については、遅くとも3月31日までには100ベクレル/kg以下の粗飼料に切り替えてください。ただし、これまで給与してきた飼料中に含まれていた放射性物質の濃度によっては、食品の新基準値案を満たすため、輸入粗飼料や放射性物質に汚染されていない地域で生産された飼料作物などの放射性セシウム濃度ができる限り低い飼料を一定期間給与する「飼い直し」が必要となる場合があります。よくわからない場合は、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。 

 

 Q2.乳用牛の場合、どうして3月15日までに飼料を切り替えなければならないのですか。

A2 .牛乳の基準値が50ベクレル/kgになるのは24年4月1日の予定ですが、体内に蓄積した放射性セシウムは体外へ徐々に排出されます。そのため、これまで新暫定許容値である100ベクレル/kgを上回る粗飼料を給与していた場合、3月15日までに切り替えれば、4月までには生産される牛乳を50ベクレル/kg以下にすることができます。
このため、粗飼料の切替えを速やかに進め、遅くとも、牛乳の新基準値が適用される4月1日の2週間前である3月15日までに100ベクレル/kg以下の飼料へ切り替えてください。 

 

 Q3.乳用牛以外の牛については、どうして3月31日までに飼料を切り替えなければならないのですか。

A3.体内に蓄積した放射性セシウムは体外へ徐々に排出されるため、粗飼料をすぐに切り替えても、牛肉中の放射性セシウムは徐々にしか低下しません。
肥育牛については、標準的な飼養管理を行い、かつ、これまでの暫定許容値である300ベクレル/kgを上回る粗飼料を給与していた場合、3月31日までに100ベクレル/kgの飼料へ切り替えれば、10月には生産される牛肉が牛肉の新基準値である100ベクレル/kgを下回ることができます。
一方、肉用繁殖牛や搾乳牛については、標準的な飼養管理であっても、これまで300ベクレル/kgを上回る粗飼料を給与していた場合、3月31日までに100ベクレル/kg以下の粗飼料に切り替えたとしても不十分な場合があり、輸入粗飼料や放射性物質に汚染されていない地域で生産された飼料作物などの放射性セシウムを含まない粗飼料を給与する「飼い直し」が必要となる可能性があります。
いずれにしても、粗飼料についてはできる限り早い切替えが望ましく、遅くとも3月31日までに切り替えてください。
粗飼料の給与量や放射性物質の濃度によって、粗飼料を切り替えてから新たな基準値を満たした出荷が可能となるまでに要する期間が変わってきますので、よくわからない場合には、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。

 

 Q4.飼料の暫定許容値の見直しにより利用できなくなった牧草の代替飼料は、どのように確保すれば良いのでしょうか。

A4.代替飼料が必要となる場合は、日頃から取引がある飼料販売業者や農協へ早めに注文してください。なお、日頃からの取引がないような場合は、代替飼料の確保が難しい場合は、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどへお問い合わせください。 

 

 Q5.どのような場合に「飼い直し」が必要になるのですか。

A5.放射性セシウムを含む粗飼料を給与していた牛については、出荷前に輸入粗飼料や放射性物質に汚染されていない地域で生産された飼料作物などの放射性セシウム濃度ができる限り低い飼料を給与する「飼い直し」が必要になる場合があります。
特に粗飼料を多く給与する搾乳牛や繁殖牛では、牛肉の新基準値を超えてしまう可能性が高くなりますので、こうした牛については、肉用として出荷する前に給与飼料が新暫定許容値を下回っていたか、「飼い直し」の期間は適切であったかなどについて、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどへしっかり確認しましょう。

 

 Q6.平成23年産牧草モニタリング調査の最終1か月間の平均に基づいて、地域全体の牧草の利用の可否を判断していますが、これで牧草の安全は確保されるのでしょうか。

A6.昨年収穫した牧草は、地域のモニタリング調査の結果が300ベクレル/kgを超えないことを確認した上で、当該地域内で生産された牧草の利用の可否を判断することとしました。
今回は、地域のモニタリング調査の最終結果ではなく、当該地域のモニタリング調査の最終1か月間の平均が地域を代表とする数値としてより適切と考えられることから、これにより、地域全体の牧草の利用の可否を判断することとしたものです。なお、最終1か月間の平均が新暫定許容値(100ベクレル/kg)を下回っている地域でも、地域内で生産される畜産物の検査結果や空間線量率などから見て、牧草が100ベクレル/kgを上回ると予想される場合は、土壌中又は既に収穫した牧草中の放射性セシウム濃度などの汚染状況に関する調査等を行い、より詳細なデータを把握した上で粗飼料の切替えを指導していきます。 

 

 Q7.今年の春に収穫する「春上げわら」はどのような扱いになるのでしょうか。

A7.昨年の夏作飼料作物のモニタリング結果では、調査したすべての稲わらについて、放射性セシウム濃度が飼料の暫定許容値(300ベクレル/kg)を下回っていました。しかしながら、ほ場に長時間置かれた稲わらについては、土壌等から放射性物質が移行する可能性が否定できません。
このため、原発事故後に22年産稲わらが収集され、これまでの暫定許容値を上回るものが確認された岩手、宮城、福島、栃木、茨城の各県においては、今年の春に稲わらを収集・利用する場合には、念のため、農家単位で同一の生産ロット毎に個別に検査して新暫定許容値(100ベクレル/kg)以下の場合のみ利用できることとしました。
具体的な検査方法や利用の可否の判断については、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどに早めにお問い合わせください。

 

 Q8.畦草などの野草を牛に給与する場合は、安全確認はどのようにしたら良いのでしょうか。

A8.畦草を含む野草中の放射性セシウム濃度については、基本的には牧草と同じような傾向を示すものと考えられますが、土壌からの放射性セシウムの移行の程度は肥培管理された牧草とは異なる可能性があります。このため、畦草を含む野草を飼料として利用する際には、牧草のモニタリング調査方法を参考にしてモニタリング調査を行い、野草中の放射性セシウム濃度が新暫定許容値(100ベクレル/kg)以下であることを確認した上で利用してください。
野草中の放射性セシウム濃度が新暫定許容値(100ベクレル/kg)を上回ることが確認された場合は、100ベクレル/kg以下の粗飼料に切り替えてください。また、どの地域の野草が利用可能かについては、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどに早めにお問い合わせください。

 

 Q9.新暫定許容値を上回る牧草はどのように管理すれば良いのでしょうか。

A9.100ベクレル/kgを上回る牧草は飼料としては利用できなくなるため、例えば、別の場所に保管する、シートで覆うなどにより、100ベクレル/kgを超えていない牧草と分けて保管してください。
さらに、100ベクレル/kgを上回る牧草を誤って使用することがないように、使えなくなった牧草のロールにはマジックやスプレーなどで見やすい目印を付ける、保管場所では100ベクレル/kgを上回る牧草があることがわかるようにしっかりと表示するなど、関係者がしっかりと識別できるように工夫してください。

 

 Q10.新暫定許容値を上回る牧草はどのような処理をすれば良いのですか。

A10.放射性物質濃度が現物で8,000ベクレル/kg以下の牧草は、一般廃棄物として埋却、焼却等により処分することができますし、生産されたほ場が明らかであれば、そのほ場へ還元することもできます。処理についてよくわからない場合には、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。

(なお、深さ15cm以上で耕起しながら牧草をすき込めば、放射性セシウムによる土壌の汚染程度は非常に小さいものになりますし、土壌中の放射性セシウムが牧草へ移行する割合は非常に低いことがわかっております。)

 

 Q11.新暫定許容値を上回る牧草であっても、生産されたほ場が明らかな場合は、そのほ場に還元施用することができるとのことですが、還元施用したあとに生産される牧草の安全性に問題はないのですか。

A11.放射性セシウムの土壌中の濃度と牧草の濃度との比を「移行係数」と言いますが、放射性セシウムは土壌に吸着されやすく、耕起などによって土壌と密着させれば、牧草へ移行しにくくなります。(土壌や牧草の種類等によって幅はありますが、移行係数は平均で0.063とされています。)
深さ15cm以上で耕起しながら牧草をすき込めば、土壌中の放射性セシウム濃度の上昇は非常に小さいものになりますし、土壌への吸着・固定が促されるため、土壌中の放射性セシウムが牧草へ移行する割合も非常に小さくなります。
また、一般的な牧草の根の張りは15cm程度であるため、30cm以上深くすき込むことにより、根からの放射性セシウムの吸収をさらに抑えることができます。

 

(参考)牧草をほ場へ還元した後に作付した牧草へ移行する放射性セシウムの濃度
平成23年産の牧草のモニタリング調査では、ごく例外的なケースを除けば、放射性セシウム濃度が最も高い牧草は、3,000 ベクレル/kg程度(現物、水分含量8割)でした。この牧草をほ場へ還元した場合、還元後に作付した牧草へ移行する放射性セシウムを推計すると約5 ベクレル/kgになります。
これは、放射性物質に関する検査機器の通常の検出限界(≒10ベクレル/kg未満)を大きく下回るレベルです。同様に300ベクレル/kgの牧草(現物、水分含量80%)をほ場へ還元した場合は、0.5ベクレル/kgになります。 

 

(3,000 ベクレル/kgの牧草をほ場に還元した場合の試算)
[1] 作土を15cm、土の比重を1とすると、土壌の重さは150トン/10a。
[2] 牧草の単収を4トン/10aとして、すべての牧草を深さ15cmに還元した場合、牧草と土壌の重量比は、1:39 〔≒ 4:(150+4)〕であることから、土壌に還元されるセシウム濃度は、牧草中の濃度の1/40(≒39+1)。
[3] 3,000ベクレル/kgの牧草(現物、水分含量8割)をほ場に還元した場合、次に作付けした牧草へ移行する放射性セシウムは、

3,000 × 1/40 × 0.063 (移行係数)= 4.7 ≒ 5

 

注:農作物中に蓄積される物質の濃度と、土壌に含まれる同じ物質の濃度の比を「移行係数」と言います。これまでの調査結果によると、移行係数は、土性、土壌中のミネラル濃度や酸性度(pH)及び作物の種類等によって異なることが知られていますが、牧草のセシウム移行係数は、IAEAのリポート(Technical Reports Series No.472)では、平均で0.063(0.0048~0.99)にとされています。

 

 Q12.放射性セシウム濃度が8,000ベクレル/kgを超える飼料作物の処理は、特措法に基づいて行うこととされていますが、具体的にはどのようにすれば良いのですか。

A12.「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」において、放射性セシウムの濃度が現物で1キログラム当たり8,000ベクレル/kgを超える牧草などの飼料作物は、国に申請し指定廃棄物として指定を受けることができ、この指定廃棄物は国が処理することになります。
放射性セシウムに汚染された牧草のほとんどは、8,000ベクレル/kgを下回っていますが、8,000ベクレル/kgを超えるものが一部で確認されており、その場合は、国に申請した上で、特措法に基づく処理の基準に基づいて処理する必要があります。この処分の基準については、別途お示ししますので、これに従って対応していただくようお願いします。

 

 Q13.暫定許容値の見直しにより保管している牧草が利用できなくなりましたが、この賠償請求はどのようにすれば良いのでしょうか。

A13. 原子力損害賠償紛争審査会で提示された中間指針では、政府の指導等により、牧草等の利用や放牧を自粛した場合は、代替飼料の購入費用などの追加的費用を含め営業損害分を賠償すべき損害と認められると明記されており、既に東京電力からの賠償金の支払も始まっております。
したがって、今回の暫定許容値の見直しによって利用を自粛した牧草についても、東京電力への賠償請求の対象になると見込まれますので、各県の賠償窓口になる協議会に相談していただき、賠償請求手続を進めてください。
なお、賠償請求手続を進めるためには、賠償対象に該当することを証明する書類が必要となります。具体的には、例えば、飼料生産の作業日誌、代替飼料の購入伝票や領収書、家畜の飼養日誌等がありますが、各県の協議会に相談の上、前もって準備しておいてください。

 

2 牧草地の除染対策

 Q14.牧草地の除染対策はどのように進めれば良いのでしょうか。

A14.放射性セシウムは、牧草のルートマット1やリター層中2に長く留まっているため、牧草中の濃度が下がりにくいと考えられています。土壌の反転や通常の耕起による草地更新は、ルートマットに留まっている放射性セシウムと土壌の接触を促し、放射性セシウムの土壌への吸収・固定を促進させるため、牧草に移行する放射性セシウム量を低減することが可能です。
具体的な除染方法については、予想される牧草中の放射性セシウム濃度や農地の状態を考慮して決める必要がありますので、各県の畜産担当課、最寄りの農業普及センターなどに相談した上で進めてください。
なお、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染重点調査地域においては、市町村等が策定する除染計画の中に牧草地の除染が位置づけられていれば、環境省の除染事業を活用できる場合があります。詳しくは市町村等の担当へお問い合わせください。

 

1「ルートマット」とは、地表面~5cm程度の深さで根がマットのように積み重なり密になった層。
2「リター層」とは、ルートマットの上にあり、枯れた葉等の余り分解されていない有機物が堆積した層。

 

 Q15.十分な除染効果を得るために注意すべきことを教えてください。

A15.土壌中の放射性セシウムは、時間の経過とともに、放射性セシウム自体が自然に減少(壊変)していきますし、徐々に土壌へ吸着されることによって牧草に移行しにくくなります。
このため、反転耕や通常の耕起であっても、放射性セシウムを土壌に密着させることによって、牧草への移行を低減させる効果が得られますが、汚染レベルに応じて、適切な除染対策を選択する必要がありますので、詳しくは各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。

 

 Q16.牧草地の作土層が薄い場合や作業用機械が手当できないなど、反転耕が難しいときはどうすれば良いのでしょうか。

A16.牧草中の放射性セシウム濃度によっては、ロータリハローなどを用いた耕起でも充分な除染効果が期待できる場合があります。また、機械については、他の地域から融通できる場合もありますので、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。 

 

 Q17.牧草地の除染対策はいつまでに実施しなければならないのですか。

A17.牧草地の利用を早期再開するためには、除染をできるだけ早く進める必要があります。放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染重点調査地域においては、市町村等が策定する除染計画の中に牧草地の除染が位置づけられていれば、環境省の除染事業を活用できる場合があります。詳しくは市町村等の担当へお問い合わせください。
なお、除染が適切に行われたことが県によって確認された牧草地については、モニタリング調査の対象から除外され、地域の牧草のモニタリング調査の結果によらず牧草を利用することができます。 

 

 Q18.牧草地をできるだけ早く使いたいのですが、秋の草地更新時期まで待たなくてはなりませんか。

A18.牧草地自体は反転耕や通常の耕起によって除染することができますが、オーチャードグラスやチモシーなどの永年生飼料作物の播種は通常秋になってしまいます。
秋の播種以前に牧草地を利用したい場合は、牧草地の状況にもよりますが、春に十分耕起してから、青刈りとうもろこし、ヒエ、スーダングラスなどの単年生飼料作物を作付けることができます。詳しくは県や農協にご相談ください。
なお、永年草地を除染した場合は、単年生飼料作物を作付ける場合であっても、除染が適切に行われたことを県に確認してもらってください。単年生飼料作物中の放射性セシウム濃度が新暫定許容値以下であることが確認できれば、秋に再度耕起した上で、永年生飼料作物を播種できます。 

 

 Q19.単年生飼料作物を作付ける場合も、除染を行う必要がありますか。

A19.単年生飼料作物は作付け前に耕起していますが、汚染レベルがさほど高くない農地であれば、飼料作物の生産に必要な除染効果が期待できます。実際に、昨年の原発事故後に耕起した上で作付けした青刈りとうもろこしなどの単年生飼料作物について、各県が行ったモニタリング調査では、全体の98%は飼料の新暫定許容値である100ベクレル/kgを下回っていました。不明な点があれば、県や農協にお問い合わせください。
また、単年生飼料作物を作付ける前にきちんと耕起すれば、通常は特別な除染対策を行う必要はありません。ただし、pHが著しく低い、あるいは、カリ肥料が著しく不足していますと、放射性セシウムの飼料作物への移行が多くなってしまいますので、各県の施肥基準を参考にして適切な肥培管理を行ってください。 

 

 Q20.牧草地を除染した効果は、どのように確認すれば良いのでしょうか。

A20.除染が適切に行われたことが県によって確認された牧草地については、モニタリング調査の対象から除外され、地域の牧草のモニタリング調査の結果によらず牧草を利用できます。
このためには、県による除染効果の確認が必要となりますので、ほ場を除染する時には、あらかじめ各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどに連絡していただき、原則としてほ場毎に県の確認を受けてください。
県は除染したほ場から生産された牧草中の放射性セシウム濃度を検査したり、ほ場の状態を調べるなどして除染の効果を確認します。そのため、除染方法(耕起方法)、どれくらいの深さで耕起したかなど、除染作業の内容を作業日誌などに記録しておくようにお願いします。

 

 Q21.牧草地の除染に対する支援措置はありますか。

A21.牧草地の除染を行う直接的な原因は原発事故にあるため、除染に要する費用は東京電力への賠償請求が基本となります。ただし、除染に必要な経費の一部については、各種事業を活用することができます。事業を活用した場合、賠償請求は事業の自己負担分について請求していただくこととなります。
地域によって活用可能な事業が異なりますので、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。
なお、放射性物質汚染対処特措法に基づく汚染重点調査地域においては、市町村等が策定する除染計画の中に牧草地の除染が位置づけられていれば、環境省の除染事業を活用できる場合があります。詳しくは市町村等の担当へお問い合わせください。 

 

 Q22.除染した牧草地はどのように取り扱えば良いのでしょうか。

A22.永年牧草地を除染した場合には、除染していない他の牧草地と区別する必要があるため、管理しているほ場のうち除染した場所がどこであるか確認できるよう、ほ場を区別するための台帳などを作成してください。
その上で、除染したほ場が確実に区別できるようにしてください。(例えば、目印となるように杭で標識する、旗を立てるなどの目印の設置が考えられます。)

 

 Q23.牧草地を除染しましたが、東電への賠償請求は具体的にどのように進めれば良いのでしょうか。

A23.暫定許容値を満たす牧草を生産するために行った牧草地の除染費用については、事業への支障を避けるために生じた追加的費用として、適切な賠償が行われることとされていますので、各県の賠償協議会に相談していただき、賠償請求手続を進めてください。(除染に際して各種事業を活用された場合にはQ20を参照してください。)

なお、賠償請求手続を進めるためには、賠償対象に該当することを証明する書類が必要となります。具体的には、例えば、草地更新に係る作業日誌、資材等の購入伝票等がありますが、各県の協議会に相談の上、前もって準備しておいてください。

 

 Q24.収穫した牧草が新暫定許容値を超えることが明らかであり、かつ、除染が技術的に困難な場合は、当面の間、牧草地として利用しないとありますが、どうすれば使えるようになるのでしょうか。

 A24.土壌中の放射性セシウムは、土壌へ徐々に吸着され、牧草に移行しにくくなることに加え、自然減少(壊変)によって、放射性セシウム自体も時間の経過とともに減少していきます。
最初の土壌等の汚染レベルにもよりますが、一定期間が経過した後、モニタリング調査を行って新暫定許容値を満たすことが確認できれば、牧草地としての利用を再開できます。

 

 

3 24年産牧草の利用

 Q25.24年産の飼料作物は、利用の可否をどのように判断すれば良いのでしょうか。23年産と同様に、モニタリング調査を行って地域毎の安全を確認してから利用するのでしょうか。

A25. 昨年(23年)の牧草のモニタリング調査で新暫定許容値(100ベクレル/kg)を上回った地点を有する県については、基本的には23年産と同様に、モニタリング調査を行い、その結果に基づいて地域毎の飼料作物の利用の可否を判断します。
また、調査対象県の中で、モニタリング調査の最終1か月間の平均が100ベクレル/kgを上回る地域は、原則として旧市町村毎に調査地域を設定し、よりきめ細かく調査します。
その際、仮に暫定許容値を上回った調査地点があれば、その調査地点を含む地域をさらに細かく分けて調査を進めて汚染地域を特定することによって、牧草の安全を確保していきます。
なお、昨年の調査結果が50 ベクレル/kg未満の地域や除染対策が確実に行われたことが県により確認された牧草地については、モニタリング調査の結果を待たずに利用できます。詳しくは各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターなどにお問い合わせください。

 

 Q26.放牧は従来通りにできるのですか。

A26.放牧については、牧草モニタリング調査の結果によって判断します。したがって、モニタリング調査によって牧草利用が可能な地域内であれば、放牧もできます。
ただし、今回の暫定許容値見直しによって、育成牛、繁殖牛の特例措置がなくなり、100ベクレル/kgへ一本化されたことに注意してください。

 

 Q27.牧草等の飼料作物について、生産ロット毎に放射性セシウム濃度を調査して暫定許容値を上回らないことが確認された場合は、利用できるのでしょうか。

A27.牧草等の飼料作物については、区域毎のモニタリング調査の結果に基づいて、利用の可否を判断することが基本になっております。具体的には、調査区域毎に原則5か所以上の調査地点を設定してモニタリング調査を行い、すべての調査地点で新暫定許容値を上回らないことが確認された場合は、この調査区域内では飼料作物を利用することができます。
 また、調査地点の一部が新暫定許容値を上回った場合でも、モニタリング調査での調査結果が新暫定許容値を下回った調査地点の生産ロット、あるいは、モニタリング調査と同様に適切なサンプリングによる検査によって新暫定許容値を下回ることが確認された生産ロットについては、飼料として利用できます。
 なお、同じ生産者のほ場であっても、作付けしている草種、収穫時期、地理的条件などが異なる場合は同じ生産ロットとして扱うことはできず、個別に調査する必要があることに注意してください。具体的な調査方法や利用の可否の判断については、各県の畜産担当課や最寄りの農業普及センターにお問い合わせください。

 

 

4 その他 

 Q28.肥料として用いられる牛ふん堆肥の暫定許容値(400ベクレル/kg)は、今回見直されるのですか。

A28.牛ふん堆肥等の肥料に関する放射性セシウムの暫定許容値(400ベクレル/kg)は、この水準の肥料を長期間施用し続けても、農地土壌中の放射性セシウム濃度が原発事故前の濃度の範囲内に収めるように設定されています。
このように、牛ふん堆肥の暫定許容値は、食品の基準値とは違う観点から設定され、かつ、既に相当低い水準となっているため、食品の基準値の変更に伴う見直しは行われません。

例えば、玄米や牧草中の放射性セシウムの増加は1 Bq/kg未満。

400ベクレル/kgの堆肥を 10 a 当たり 2 t 施用し、農地土壌(比重1)15cmと混和した場合、農地土壌1kg当たりの放射性物質の年間付加量は、約5 Bq/kgと試算されます。この土壌で米を栽培した場合、玄米中の放射性セシウム濃度の肥料由来の増加は、放射性セシウムの玄米への移行の指標(0.1)を用いて試算すると1 Bq/kg未満となります。

詳しくは「肥料・土壌改良資材・培土の暫定許容値設定に関するQ&A」をご参照ください。

 

 Q29.敷料の取扱いは、今回見直されるのですか。

A29.敷料の取扱いについては、昨年8月23日に発出した通知「原子力発電所事故を踏まえた家畜用の敷料の取扱いについて」に基づき、敷料を原料として生産される堆肥が肥料の暫定許容値を超えないようにするため、敷料中の放射性セシウム濃度が牛ふん堆肥を肥料等の暫定許容値である400ベクレル/kg(製品重量ベース)を超えないものを使用するようにしてきました。(ただし、1,000 ベクレル/kg(製品重量ベース)を超えない敷料であっても、当該敷料を用いて生産される堆肥の放射性セシウム含有量が400ベクレル/kg(製品重量ベース)を超えなければ、400ベクレル/kg(製品重量ベース)を超える敷料を使うことができます。)
これまでは、牧草などの粗飼料を牛の敷料として使う場合、生産された堆肥を当該敷料が生産されたほ場に還元することなどの要件が満たされれば、3,000ベクレル/kg(水分含有量8割ベース)を超えない粗飼料を牛の敷料として利用できました。
しかし、牛用飼料の暫定許容値が100ベクレル/kg(水分含有量8割ベース)に見直されたことに伴い、粗飼料を牛の敷料として使う場合であっても、100ベクレル/kg(水分含有量8割ベース)を上回る場合は利用できなくなりましたので、粗飼料を牛の敷料に使う場合は注意してください。 

 

〔印刷用〕

牛用飼料の暫定許容値の見直しに関するQ&A (PDF:230KB)

 

お問い合わせ先

生産局畜産部畜産振興課草地整備推進室
担当者:飼料生産計画班 丹菊、早坂
代表:03-3502-8111(内線4925)
ダイヤルイン:03-6744-2399
FAX:03-3580-0078

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