ホーム > 組織・政策 > 審議会 > その他の旧審議会 > 農林水産省政策評価会 > 平成16年開催第1回農林水産省政策評価会・議事録
開催日時:平成16年3月4日(木曜日) 午後2時~5時45分
開催場所:農林水産省第2特別会議室
出席者:(委員)今村委員(座長)、秋岡委員、大木委員、大山委員、加藤委員、田中委員、森本委員
(当省)大臣官房企画評価課長、総合食料局食料企画課長、生産局生産政策室長、経営局経営政策課長、農村振興局農村整備総合調整室長、事業総合調整室長、農林水産技術会議事務局技術政策課長、研究開発企画官、林野庁企画課長、水産庁企画課長ほか
1.開会
(皆川企画評価課長)
ただいまから、農水省政策評価会を開催いたします。
企画評価課長の皆川でございます。今回は、委員の先生方は皆様ご留任ということでございますが、新たに政策評価会委員が任命されてから初めての会合でございますので、座長選出までの間は私の方で司会進行をさせていただきます。
なお、本日の会議は17時ごろまでを予定しておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、委員の先生方を五十音順に紹介させていただきます。
秋岡委員でございます。
今村委員でございます。
大木委員は、所用があって3時半ごろになられるということでございます。
大山委員でございます。
加藤委員でございます。
田中委員でございます。
森本委員でございます。
よろしくお願いいたします。
きょうは、実は亀井農林水産大臣がこちらに参上いたしましてご挨拶申し上げるということだったのですが、予算委員会の最終の際に、京都で発生いたしました鳥インフルエンザの関係の集中審議を今まさに国会でやっておりまして、出席がかないませんけれども、委員の先生方にはくれぐれもよろしくということでございましたので、お伝えをさせていただきます。
それでは、議事に入ります前に、評価会の座長を選出していただく必要がございます。事務局といたしましては、昨年に引き続き、今村委員に座長をお願いしてはどうかと思いますが、皆様にお諮りしたいと思います。よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、ご異議がないようでございますので、今村委員に座長をお願いいたします。こちらのお席にお移りいただいた上で、今村座長にこれからの議事のとり進めをよろしくお願いいたします。
それから、卓上にお配りしておりますのは、間伐材を使った商品でございまして、紙パックでお茶と青森県産りんごのジュースですので、お試しいただきたいと思います。
(今村座長)
それでは、ただいま座長に指名されました今村でございます。昨年に引き続いて、皆様からご活発なご意見をいただけますことを念じております。
まず初めに、座長の職務を代理する委員をあらかじめ決めておかなければならないことになっておりますので、田中委員に座長代理をお願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、田中委員、よろしくお願いいたします。
2.議事
(今村座長)
それでは、議事に入らせていただきます。
本日は今年初めての会合でありますので、まず最初に、政策評価に関する16年度実施方針に関しまして事務局からご説明をいただきまして、その上でご討議をいただきたいと思いますので、横山調査官、よろしくお願いいたします。
(企画評価課横山調査官)
企画評価課の横山でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料の中で、右肩に資料2とあります「政策評価に関する16年度実施方針のポイント」という2枚のものと、その後に、これは本体でございますが、「政策評価に関する16年度実施方針」がございます。この本体の方でご説明をさせていただきたいと思います。
政策評価に関する16年度実施方針につきましては、右上に2月6日と日付を打っておりますが、2月6日の農林水産省の新基本法農政推進本部に諮らさせていただいたものでございます。
基本的な考え方でございますが、農林水産省におきましては、12年度から他府省に先駆けまして政策評価を開始したわけでございます。政策評価法自体は14年4月に施行されておりますので、それより1年以上早く着手したということであります。
その後、当評価会のご意見も承りながら、14年度には政策手段別評価を導入し、15年度は政策を体系化いたしまして、それに基づいて実績評価を実施するといったことで、毎年、毎年、改善を図ってきたわけでございます。
今までに丸3回、政策評価を実施してきておりまして、そういう意味では今年は4回目となるわけでございますが、いい意味では慣れてきたということはあるわけですけれど、我々といたしましては、評価のための評価ではなく、政策に反映して初めて意味のあるものでございますので、今年は改めまして、政策への反映の徹底ということを旨として評価を実施してまいりたいと考えております。
具体的な内容でございます。下の2の評価の進め方というところから書いておりますが、まず、(1) 実績評価につきましては、政策評価シートにつきまして、昨年9月の評価会でご説明をさせていただきましたが、それに基づきまして粛々と実施をいたしまして、予算課、文書課という関係課と連携し、政策への反映の徹底を図ってまいりたいと考えております。
(2) 政策手段別の評価でございます。これにつきましては、14年度から実施していまして、そういう意味では今まで2回実施してきたわけでございます。政策評価の基本計画は18年度までということで、あと3年残しております。我々といたしましては、農林水産省のもっております政策手段につきまして、この残りの3年間で全部一通りみる、事業レベルで政策評価の目を通すということでやりたいと考えております。そうしたことを通じまして、政策形成能力の向上なり職員の意識改革にも資してまいりたいと考えております。
具体的には、例年同様、2年連続で「C」ということで評価の悪かった政策分野の事業でありますとか、超過達成になって達成ラングづけが行われなかった分野の事業に加えまして、基本的には各局の責任で事業を選択し、ただし、残りの3年間で全部に回るように計画的にやっていく。こういうことでやってまいりたいと考えております。
2ページの真ん中の下あたりですが、(3) 事業評価でございます。事業評価につきましては、政策評価法におきましては、基本的には10億円以上の公共事業であり、研究開発なりを評価することになっておりますが、農林水産省におきましてはそれを超えてすべての公共事業、研究開発について事業評価を実施してまいっております。その質の向上を図るという観点から、ア~エと4つに分けておりますが、事前、期中、完了後の評価の比較検証をし、予算要求に反映させていく。あるいは、費用対効果を積極的に実施する。さらには、情報公開は当然でございますが、評価会の下に専門部会が置かれておりますけれど、そういったところの学識経験者のご意見も承りながらやってまいる。さらに、新たな評価手法を開発する。こういったことを考えております。
3ページの中段あたり、(4) 総合評価でございます。総合評価につきましては、毎年の実績評価で把握し切れない部分も含めまして、ひとまとまりの政策をまさに政策の転換期にまとめて評価して、それを反映させていくということでございますが、16年度につきましては、食料・農業・農村基本計画の見直しということで我々は作業を始めているところでもありますので、それに反映させるということを旨といたしまして、食料自給率、耕地利用率、望ましい農業構造の確立という、この3点について実施をしてまいりたいと考えております。
同じページの下ですが、(5) 事前評価でございます。事前評価につきましては、夏の概算要求に反映させるべく、新規なり各種の施策について評価をしていくというものでございまして、去年の夏から試行的に実施をしてきております。16年度におきましては、よりその質的な向上を図るということで、対象を若干重点化しながら、より予算への反映を徹底できるようにしてまいりたいと考えております。
4ページですが、(6) 規制インパクト評価(Regulatory Impact Analysis)でございます。規制を導入する場合に、あるいはその変更、強化、あるいは緩和も入ろうかと思いますが、その規制の変更に伴いましてどういう影響があるのか、それにかかるコストはどれくらいかを定量的にはかり、その上で、その後、いつ、どのようにしてチェックするのだというところまでやっていくという思想に基づくものでありまして、これは規制改革の推進に関する第3次答申ということで、去年の12月に総合規制改革会議から出されたものの中で、16年度から試行的に実施するということにされております。政府といたしましてもそれを尊重するということにいたしておりまして、農林水産省といたしましても、16年度から試行的にこの規制インパクト評価というものを実施してまいりたいと考えております。
次に、中ほどの3でございますが、政策評価業務につきましては、先ほどの実績評価につきましても82政策分野から59政策分野に今回統合するということもいたしましたが、極力効率化しつつ、また、透明でわかりやすくやっていきたい。また、評価会におきましても、引き続き審議の重点化を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
(今村座長)
ありがとうございました。それでは、ただいまご説明いただきました実施方針につきまして、ご意見やご質問がございましたら、どうぞ。
(田中委員)
今の4ページの規制インパクト評価ですが、これは総合規制改革会議が答申したからやるということのようですけれど、従来から各省は、予算要求したり、そういう制度を法的に設けたりするときには、ある程度やっていたという記憶があるのですが、農水省ではこれからやるという話ですけれど、従来はこういう問題について何も措置を講じていなかったのか。私は、やっていたような気がするんですけれど。
(企画評価課横山調査官)
規制を変更する場合は、当然、法令的な審査をやる過程において、それをやるだけの正当性があるのかというのは、省内的には文書課、あるいは内閣法制局、さらに総務省の行政管理局などとも調整をさせていただいてやってきたわけですが、今回のこの規制インパクト評価といいますのは、実際に具体的に何億ぐらいの影響があるのかとか、極力、定量化するというところがやや新しい点かなと考えております。
各省とも、この規制インパクト評価のような形でしっかりしたものはなかなかございませんで、そういう意味ではまだまだ手探りなところもございます。我々としては、農林水産政策研究所のお力も借りながらやってまいりたいと考えております。
(今村座長)
それに関連しますが、例えば、どういうものをとりあえず取り上げようとか、これまでにある程度取り上げて、計量的にいかなかったけれども、さらに深めてみようとか、そのようなことがございましたか。
(企画評価課横山調査官)
具体的なものとしてどの規制をやるのかというのは、まだ調整しきれておりませんが、農林水産省だけで許認可というのは 1,100ぐらいございまして、その中で、他国の例なども参考にしながら、やれるものからやっていくということかなと考えております。
(今村座長)
この第3次答申というのは私は細かくは知らないのですけれど、具体的に、例えばこういうところからやるということも挙げてこられたのですか。
(企画評価課横山調査官)
具体的にこういう規制というのは書かれていませんが、具体的に検討すべき項目としてはどういうものかということは例として書いてありまして、読み上げますが、「項目例としては、以下の項目が考えられる」としてありまして、「ア.規制の内容、規制の目的、必要性等を含む。イ.規制の費用分析、規制実施による行政コスト、遵守コスト、社会コストの推計。ウ.規制の便益分析、規制実施による産業界や国民への便益、社会的便益の推計。エ.想定できる代替手段との比較考量。オ.規制を見直す条件。カ.レビューを行う時期」と、このように記載されております。
実際、イギリスなどではかなり本格的にやっているということで伺っております。
(今村座長)
ありがとうございました。そのほかにございますか。
(秋岡委員)
今年やる評価ではなくて、来年のものになるかもしれないですけれど、政策評価を国民に伝えるためには、国民がすごく関心をもっていることについて、こういう政策があって、こうだったよ、ということがすごく大事だと思うのですが、1つは、鳥インフルエンザとかBSEなどを今年度の評価の中でどのように取り上げていくつもりなのかということと、食料自給率に関係するかもしれないのですけれど、例えば、自給率が高まったんじゃなくて、輸入を停止したから自給だけになったとかというのがありますよね。あれは統計的にどうやって落としていくんですか。
それがもし来年度のことになるのだとしたら、来年度になったときに、去年はBSEとか鳥インフルエンザとかで輸入停止期間がこれだけあったので、データの連続性はありませんから比べられませんとしてしまうのか、あらかじめもうわかっていることだから、今わかっている資料をそういうふうにちょっとデフレートし直しておいて、連続性があってできるように何か準備をしていくのか。そういう問題というのはどう考えればいいのでしょうか。
(企画評価課横山調査官)
今の最後のデータの問題は、データはデータとしてとらえた上で、その分析の過程において影響なりをどこまで排除していけるのかという点はあろうかと思います。事前にある程度想定されるので、それを削除してということではなくて、データはデータとしてやった上で、それに加えて、誰がみても異常な事態でありますので、その部分をどのように実際の評価の中に反映させていくかということかと理解しています。
(中村食料企画課長)
自給率の話でしたので、少し補足します。今の説明とほぼ同じでございますけれど、輸入量と国内生産量を分母に置いて、国内生産量を分子に置くという計算式ですので、輸入量が何らかの影響で変化があったとした場合は、その変化があった後の数字を使って計算するというのが、今までずっとやってきた計算の方法です。
例えば、今、BSEの話がありましたので、13年に国内でBSEが発生をした場合について申し上げますと、国産の牛肉の生産にも影響があったのですが、これは後で数字をみてみますと、牛肉の消費が落ち、輸入の牛肉が減少したかわりに、輸入の豚肉と輸入の水産物がふえた結果、自給率は変わらなかったという状況でした。
(秋岡委員)
それは、国内でBSEで発生した場合には、その分母と分子が両方落ちたからというだけのことですか。
(中村食料企画課長)
牛肉の輸入物が減って、かわりに国産のものが供給されれば自給率は逆に上がるわけですが、実際に消費されたのが輸入の魚と輸入の豚肉だったので、結果的に自給率に変化がなかったということです。かわりに、例えば国産の豚肉の消費量がふえたとか、国産の牛肉の消費量がふえたとか、または国産の水産物の消費がふえたということであれば、これは自給率が上がる方向に行くのですが。どこに影響するかというのが結果でしかわからないというところもありまして、13年のときはそういうことになっているということです。
(秋岡委員)
食べ物全体でみればということですね。牛とかだけでみるわけじゃなくて。
(中村食料企画課長)
牛でも計算をしますし、豚でも、品目ごとにも計算しますけれど、今申し上げたのは、一番注目されているカロリーでみた場合にいろいろな要因がありますけれど、その結果として輸入数量がどうなったか、生産数量がどうなったかということで計算しているということでございます。
(森本委員)
BSEが外国で発生して、国内の牛肉が流通しますよね。そうすると自給率は上がるといったけれど、国内の牛がどんなに量が増えても、穀物を外国から輸入して食べさせているのだから、自給率からいえば下がるんじゃないですか。牛1匹に食べさせる穀物は外国から輸入をして食べさせるわけですから、牛の場合は、自給率だけでいうのだったら下がるのではないですか。
(中村食料企画課長)
今のは飼料自給率に関係するお話だと思いますけれど、外国産は 100%外国産です。それにかわって国産が供給された場合は、資料自給率を乗じる必要がありますから100%反映されるわけではありません。ただ、外国産に国産が入れ替われば、なにがしかは、上がる率は少ないですけれど、自給率自身は上がるということになります。
(皆川企画評価課長)
ちょっとだけですね。
(中村食料企画課長)
ちょっとだけです。
(森本委員)
ほんのちょっとですね。
(加藤委員)
事前に資料をお送りいただきまして、今ご説明のあった基本方針というものも拝見させていただきまして、この実施方針自体についてはかなり妥当なものになっているのではないかなと、私自身は思いました。
その中で特に重点的に絞ってやろうというのは、全くそのとおりだろうなと思っておりまして、かつ、その中の選択として、食料自給率の問題、あるいは耕地利用率の問題、そして望ましい農業構造の問題、こういったものを重点的に検討しましょうというのも、なかなかいい選択ではないかなと思いました。
ただ、後でご説明があるのだろうと思いますが、私が資料をさっとみた限りでは、3つ目の望ましい農業構造の中に、どうして林業が入っていないのかなと思っております。後で詳しくご説明いただいたり、私自身も議論をすればいいのかもしれませんが、問題意識だけ簡単にいっておきますと、もちろん、食料自給率は国民的関心で、40%というのはもうかなりの人に知られるようになりました。しかし、それに比べるとはるかに知られていなくて、かつ、非常に重要だと私には思えるのが林業関係の自給率です。これは国民は余り知らないかもしれませんが、20%という非常に低い率です。
そのこと自体が非常に問題であるとともに、これから先、地球の温暖化時代になっていって、日本の森林をきちっとしたものにもう1回立て直そうということになりますと、やはり農作物だけでなく、林業、そしていうまでもなく間伐材をどう使っていくかとか、バイオマスにしていくとか、それから、私はこの委員会でも繰り返しいっていますように、農業も同じことですけれど、林業の場合はもっと惨たんたるものだと思っていますけれど、林業を担える人材がいるのか、またそのための施策がとられているのか。そういうことを考えますと、非常に大きな問題だと思っています。
私のような農業の専門家でない人間からみると、農と食に絡む問題を非常に単純にいってしまえば、1つは食料自給率の問題、もう1つは林業や木材の自給率のような問題に集約されるのではないか。食料自給率を上げようとするといろいろなことをやらなければいけない。それこそ学校教育の話から、国民の意識の改革から、さまざまなことがある。同様に、林業の方も相当なことをやらなければだめだと。単に少し林野庁の予算をふやせとか、そういう程度ではもう到底済まない問題があるなと思っています。
何がいいたいかというと、望ましい農業構造の確立という「望ましい農業構造」という中に、私自身は林業というものも十分視野に入れて議論したいなと思っております。
それから、先ほどの規制インパクトの問題ですが、これは秋岡さんも触れられましたけれど、この評価委員会の意味があるためには、国民が関心をもっているものに対して答えなければいけないというのは、全くそのとおりだろうと私も思います。そういう意味では、規制というもので、例えば農業の休耕地とか耕作放棄地がどんどんふえている状態の中で、農業をやりたいという関心をもっている人は、それはいわゆる従来型の農業者ではない人ですが、たくさん民間の中にいる。その中にはもちろん株式会社なども入りますが、広い意味で農業をやりたいという人がかなりいる。
そういう人たちが自由に参入できるようにして、今、茫漠と広がりつつある耕作放棄地などにいろいろな形で使っていく。いろいろな民間の知恵を入れればさまざまな使い方がまだあるのだろうと思います。そのためには規制を撤廃していくということが非常に重要ではないかなと思いますので、ぜひそういう問題にも触れるべきではないかなと思っております。
繰り返しますと、実施方針自体はかなりセンシブルにできているのではないかと。ただ、幾つかの点について、私自身が関心をもつことについてコメントを申し上げました。
(今村座長)
後でまた議論すべきことかもしれませんが、とりあえず今の加藤委員のご質問にお答えすることはございますか。
(林野庁矢部調査官)
林野庁でございます。ただいまの加藤先生のご指摘でございますが、16年度の総合評価の中の「望ましい農業構造」に林業が入っていないということでございましたが、実は、平成13年10月に森林・林業の基本計画をつくりまして、これは法律でおおむね5年ごとに見直していくということになってございますので、5年後ということになりますと、次は18年の10月ということになりますが、当然それに向けて総合評価についても、林業の問題、森林の問題については取り上げていただくということでは考えてございます。
なお、当面の施策につきましては、実績評価の中で、木材利用の問題――これは現在、目標で国産材 2,500万m3を何とか需要をつくっていかなければいけないということで施策に取り組んでおりますので、そういったものについても個別の評価ということでご議論をいただくという考え方をとっております。
きょうお配りしておりますカートカンにつきましても、特に国産材の自給率が、厳密にいいますと今は18%ぐらいなのですが、特に紙の自給率は10%ぐらいしかないものですから、そういった低いところを何とかして国産材を使っていくという運動も展開してございます。ですから、そういう個別の問題については実績評価の中でご議論をいただいて、そういう積み重ねの中で、18年の基本計画の改定に向けて総合的な評価も実施していきたいと考えております。
(加藤委員)
理解はできました。ただ、それが適切かどうかの議論は、また他の先生方とご一緒にしたいと思います。
(今村座長)
それでは、改めてまた。
そのほかにございますか。
(大山委員)
簡単に2つだけお聞きしたいと思います。コメントで結構ですので。
実績評価、事業評価、そして総合評価とあるわけですが、実績評価と事業評価は対象になるのが割とはっきり出てくると思うのですけれど、総合評価の場合に、いろいろな側面からみなければいけないということですが、ここで3つ取り上げてありますけれど、これは経緯として、ある程度絞った中で3つというのが出てきたのか、あるいは幾つかの候補があって、最初からターゲットとしてこの辺に絞ろうということでやったのか、その辺が関心があるのですけれど。つまり、絞った中でまた選んできたのか、あるいは最初からターゲットとしてこういうことをことしはやろうということで選ばれたのか。
もう1点はRIAの話ですけれど、先ほど、許認可事業としてかなり多いというお話で、それはもちろんわかるのですが、RIAをやるという場合には、さっきの定量的なデータとか、制約というか、条件というか、やりやすさの問題とか、もともとかなり難しいという場合もあるでしょうし、それから、さっきどなたかがおっしゃった国民的な関心が強いものとか、そういういろいろな面があると思うのですが、選ぶ際に、どういう基準で選ぶか、あるいは選びたいか、あるいは幾つぐらいを対象にしたいのかとか、そういう基準といいますか、原則といいますか、いろいろなものから選ぶというのはそれはそれでいいかもしれませんけれど、ある程度やりやすさの問題とか、難しさの問題とか、そういうことが出てくると思いますので、その辺で何か考えておられることがあったら、教えていただきたいと思います。
(皆川企画評価課長)
まず、総合評価でこれを選んだ理由ですけれど、今回、平成12年3月に策定した基本計画は、この農政の基本方針であり、それに向かっていろいろな施策を講じていくという大方針が書いてあるわけですが、これを見直していくと。その際には、基本法の条文にもあるわけですけれど、状況の変化ということもありますし、それをやったことの施策上の意味合いといいますか、実施したことについてのしっかりした反省のもとに次の計画を立てるのだということになっているわけです。
このコアの部分が目標として定めたのは、食料自給率目標というものがあって、これは生産サイドと消費サイドの両面からの1つのターゲットとして設定したわけですが、これを検証しなければいけないと。その際に、生産サイドの要素としていいますと、それを達成するのに農地をどのくらい確保するのかという目途を示しておりまして、 470万ヘクタールぐらいを平成22年の時点でも確保し、優良農地 419万だったかと思いますが、 470万の農地を耕地利用率ということで、今、実は90%台まで下がっているものをある程度高めていきませんと、その生産をどの程度のレベルでやるかということが書かれておりまして、それが 105%ぐらいというのが1つの目安としてあるわけですが、それがどうだったのかと。
もう1つは、その農地なりを使って農業生産を、これは土地利用型農業は農地を使わざるを得ないわけですが、これを支えるある程度効率性があって安定性のある経営体というものがなければいけないと。それがしっかりした農地資源の上に経営を展開して初めて自給率というところに生産サイドからはたどり着くと。
この極めて重要な要素である農地なり耕地利用率、さらには農業構造がどれだけの効率性があり安定性のある経営体が育成され、それにどの程度の生産シェアが集中してきたのかと。そういうことをセットでやりませんと検証ができないだろうということで、まさにこの基本計画の見直しという課題に際して一番適当であろうという、かつ、その中での一番のコアの指標をめぐる要素というものを並べてみますと、こういった格好の総合評価項目というものが出てくるということなのではないかということで、設定を考えているということでございます。
それから、規制インパクト評価については、先ほど申し上げましたが、非常に新しいことですので、データの制約とか、また性格としてそういうものになじむもの、なじまないものも場合によってはありますので、今の時点では明確なお答えがなかなかできないわけですが、ただ、きょうご意見に出ましたように、政策上、ただやるのではなく、評価をし、それが1つの例としてほかの規制改革をやる際にも参考になるような、政策上の意味がなければいけないと。さらに、国民的関心が全くないようなものであってはいけないと。そういうことは、きょうのご意見も踏まえながら、中では少し議論をさせていただきたいなと思います。今のところ、そのどれがということについては余りフォーカスが絞られていないという状況にはあります。
(大山委員)
RIAの場合、これは全省庁が対象になっているんですね。
(皆川企画評価課長)
はい、そうです。
(大山委員)
今おっしゃったところからすると、先ほどの総合評価ですと、実はかなり相互関連しているなと。つまり、うちはこれに関して総合評価をやりました、ということで終わるのではなくて、それぞれがリンクしているようなというところをアピールするようなのが1つの農水省の特徴だという点では、私はむしろ今おっしゃったことから考えますと、いいんじゃないかと思いますので、ぜひそういう方向でやっていただければと思います。
(今村座長)
それでは、私から1つだけあるんですが。今の資料の2ページの一番上のところですけれど、揚げ足をとるつもりはさらさらないんですが、「原則として」というのは、例外はあるということですか。「原則として各局庁の責任により」というのは、例外があるとすると、これは農林水産大臣とかということなのでしょうか。
(企画評価課横山調査官)
この政策手段別の評価対象になるものは、下のア~オとしておりまして、そういう意味では、例年どおり2年連続で評価の悪いジャンルなどはルールとしてやってもらうと。それ以外の部分については、各局の責任で基本的に選んでくださいということであります。
ただ、オという項目も設けておりまして、さらに我々官房の方からみて必要な事業を指定する場合もある、ということで整理をしております。
(今村座長)
わかりました。
それから、その次の行ですが、「政策形成能力の向上」ですが、私どもがこの政策評価会でやっている評価の結果が本当に結びついているのかと。またこれが評価されるのかなと思って。それから、「職員の意識改革に資する」ということですが、そうなっているかどうかは証明はされていないのですけれど、どういう具合になっているかというのはいつかの機会に、それは次の年の概算要求なりに表現されていますよ、あるいは政策体系が大分変わりましたよ、ということになればそれはそれでいいんですけれど。そういうことで客観的にわかるということはわかっている上で、なおかつ、「政策形成能力の向上と職員の意識改革に資する」と、そういうことをいわんとする意味はわかりますけれど、ここまでいわれると、こっちも相当腹をくくってやらないと、という気がしたんです。この文章はなかなか重いんですよね。そういう意味で、ちょっとコメントをしました。特別にあれば、どうぞ。
(企画評価課横山調査官)
実際に事業をやった後に、その事業の効果というのはどうであったかというのを一つ一つ検証するという、そういう機会を提供するということで、我々はこの政策手段別評価というものは、ここに書いてありますように、やや大上段ではありますが、「政策形成能力の向上」なり「職員の意識改革」というものに資していくのではないかと考えておると、こういう趣旨でございます。
(今村座長)
わかりました。それでは、各局庁の皆さん、そういう趣旨でありますことを念頭に入れて、これから頑張ってください。
それでは、次の議論に入りたいと思います。
次は、昨年度から実施されております総合評価につきまして、現状での検討状況について中間的な報告をいただきたいと思います。まず、事務局から総合評価の概要について報告をいただきたいと思います。
(企画評価課横山調査官)
まず、総合評価全体の話につきまして、私からご説明させていただきます。
総合評価につきましては、農林水産省の政策評価基本計画の中で、「時々の重要課題についてさまざまな角度から掘り下げて分析する」とされております。「毎年度課題になるテーマを設定をし、課題の特性に応じて、必要性、有効性、効率性などの観点から適宜取捨選択して政策評価を行う」ということであります。
まず初めに、15~16年度の2カ年の計画で、現在、評価をしている最中でございますが、「土地改良事業の効果」ということでほ場整備の関係、そして「技術開発の経済的効果」について中間報告をさせていただきまして、その後、16年度から実施する予定でございます食料自給率目標の状況の検証、耕地利用率目標の状況の検証、そして望ましい農業構造の確立の検証につきまして、その選択の理由、評価内容、今後の方針につきまして、それぞれ課・室長からご説明をさせていただきたいと思います。
(今村座長)
それでは、昨年度から実施しております2つの課題につきまして、農村振興局、技術会議事務局より引き続いてご説明いただきたいと思います。
(農村振興局齋藤農村整備総合調整室長)
農村政策課の齋藤でございます。資料3-1に基づきまして、「土地改良事業の効果(ほ場整備事業)」評価の趣旨及び評価体制等の概要につきましてご説明させていただきたいと思います。
資料3-1の1の(1) 位置づけでございますが、後段に書いてございますように、平成15年3月に大臣決定されました実施計画におきまして、平成15~16年度までの2カ年にわたりまして、土地改良事業の代表的な事業であるほ場整備事業を対象に、総合評価の方式により評価を行うこととしております。
実施に当たりましては、(2) 総合評価の趣旨にありますとおり、総合評価は、「特定の課題を設定し、さまざまな角度から掘り下げて総合的に評価を行うもの」とされておりますので、これを踏まえまして、ほ場整備事業の中でも、ハード整備と一体的に行っております担い手への農地集積等のソフトの施策の実績等も踏まえまして、我が国の水田農業、及び農村社会への影響・効果等を総合的に評価するとともに、これまで整備されてきました既存の農地ストックの高度利用、そして国民の共有財産としての美しい農村づくり等の観点から、今後目指すべき方向性等について検討を行うこととしております。
次に、2の実施体制と予定スケジュールです。
(1) 全般的な方針ですが、総合評価を含む政策評価につきましては、「政策の特性に応じて学識経験を有する者の知見の活用を図ることと」とされておりますので、政策評価の客観性を確保し、多様な意見の反映を図るとともに、評価手法の向上を図るため、この政策評価会におきまして、評価の中間段階及びとりまとめ段階におきましてご報告させていただきまして、ご意見を伺うことにしております。
2ページですが、総合評価につきましては、統一的な評価手法がなかなか確立されておりませんので、その特定を踏まえた適切な評価手法等の検討を行う必要がありますので、専門的、技術的な立場から、食料・農業・農村政策審議会、農村振興分科会の中の農業農村整備部会におきまして、評価事項及び評価手法を中心に審議を行いまして、2ページの真ん中にありますような図の体制で具体的な検討を進めていくこととしております。
最後に、予定スケジュールでございますが、今回、そこにございますように中間報告をさせていただきまして、平成17年3月ごろにとりまとめ報告を行う予定でおりますので、よろしくお願いいたします。
(農村振興局植田事業総合調整室長)
続きまして、資料3-2の「総合評価「土地改良事業の効果(ほ場整備事業)」について(中間報告)」というペーパーでございます。
恐縮でございますが、2枚めくっていただきまして、1ページですけれど、このページは今ほど総合評価ということで説明がございましたので、省略させていただきます。
2ページ、(2) 評価の枠組みと対象範囲でございます。説明がありましたように、ほ場整備は昭和38年から行ってございますが、ソフト事業と一体的に行っている、平成5~14年までの間の担い手育成型という、ピンクの色で囲ってあるハード事業とソフト事業を分析対象といたしまして、評価の視点としましては、政策評価法の第3条に載っておりますが、「必要性、有効性、効率性」の3つの観点から評価を進めてまいりたいと思っております。
3ページでございます。ほ場整備の沿革ということで、事業の概要を載せてございます。ここはハード事業の概要ということで、その下に枠で囲ってございますが、ほ場整備事業は、大区画化とか農道の整備というものを総合的に実施しまして、農業の生産性を飛躍的に向上させ、また、湿田の汎用化を図りまして、畑作利用として麦・大豆等が植えられるようにするということから、耕地利用率の向上にも寄与しているということでございます。それから、土地利用の秩序化にも資している。こういったことを整理してございます。
4ページは、ハードと一体的に行っておりますソフト事業でございます。ハード事業を行う場合に、農地の利用関係の再編成などで地域ぐるみの話し合いの機会がございますので、地域農業の変革の上で絶好の機会でございます。そういう意味で、担い手の農地の利用集積を後押しするということで、ソフト事業を行っております。下の方にメニューがいろいろと書いてございます。
5ページは、ほ場整備の事業制度の変遷でございます。一番下にハード事業の変遷として、38年にほ場整備事業を創設しまして、その時々のニーズに合わせまして内容を見直して、先ほどご説明しました中ほどに担い手育成型事業がございます。それと、一番上にございますが、平成13年に土地改良法を改正しまして、環境との調和への配慮というものを義務づけて進めております。そういう変遷を記してございます。
6ページは、事業の実施状況でございます。38年から始めておりますが、40年代、50年代に集中的にやってございまして、最盛期には、図表でわかりますとおり、6~7万というペースでやっておりましたが、近年は1~2万ヘクタールで推移しております。また、右側ですが、事業の完了に伴いまして、農地の利用集積というものが増大しているということを示してございます。
7ページは、都道府県別の水田整備状況でございます。これは県別に左側から水稲の生産量の多い順番に書いてございます。全国の整備率が約60%ということですが、県によってかなりばらつきがございます。それから、上位10県をみますと、左側でございますが、半分の5県が全国の整備水準に至っていないという、ちょっと想像とは違う形を示してございます。
8ページは、先ほど申しました水田の汎用化ということで、写真を入れてございます。作物の栽培ができるように、そのような事業を行っているというイメージ図を示してございます。
9ページは、その整備水準の6割の中で、今申し上げましたように8割が汎用化ということですので、全水田面積の46%が汎用化を済ませているということでございます。
10ページは、生態系への影響でございます。そのように水田整備を進めておりますが、一方では、当然、手を加えるわけですので、生態系に影響を及ぼしているということでございます。右上に書いてございますが、用水と排水を分離しますと水田と排水路の連続性がなくなること。それを下に2つの例をお示ししてございますが、生息環境を維持確保するために連続性を確保するような整備を進めているということを記してございます。
11ページからは、評価でございます。先ほど申しました3つの観点の第1点目の必要性の評価ということで、社会資本形成の必要性ということが書いてございます。左側はよくみる表でございますが、先進国の中で食料自給率が最低の我が国にとりまして、やはり農地整備が必要不可欠であるということを示しておりますし、その下の方は、これはアンケート調査に基づきますが、左側ですけれど、「外国産より高くても、食料は生産コストを引き下げながら国内でつくる方がよい」という意見が8割ほどを占めておりますし、右側の方は、農業の多面的機能を評価する方が多いということを示してございます。
12ページは、今申しましたことを概念図としてまとめておりますので、飛ばさせていただきます。
13ページは、構造政策の必要性ということでございます。左側の図でございますが、それぞれの生産額に主業農家とかそのシェアが書いてございます。米以外では、生産に占める主業農家のシェアというのは7~9割以上となってございますが、米の方は36%ということで、かなり低くなってございまして、構造政策の必要性が高いということでございます。
それでは、ほ場整備がどのように寄与しているかということが、1ページ飛ばして、15ページに書いてございます。ハードとソフト事業それぞれの場合と、先ほど、我々のハードとソフトを一緒に評価をしたいと申しましたが、一体的に実施することにより利用集積が促進されるということを示してございます。
16ページは、第2点の有効性の評価ということでございます。事業と成果の関係を表にまとめてございます。成果の中では、ほ場整備事業をやる場合に大きな施策の柱であります4つ――農業の持続的な発展、多面的機能の発揮、食料の安定供給の確保、農村の振興というものにどのような効果をもたらすかということでまとめてございますし、真ん中に黄色で色をつけてございますが、事業の目的として農業生産性の向上と農業構造の改善というこの2点につきまして、その右側に[ 1 ]~[ 4 ]、そして下に[ 5 ]とございますが、このような観点から評価をするということを考えてございます。
17ページは、その第1点目で、[ 1 ]労働生産性の向上でございます。左側の図をみていただきますと、青い色で塗ってございますのは水田の整備率でございます。この上昇に伴いまして、赤い線、あるいは稲作と麦作が載ってございますが、10アール当たりの労働時間が減少しているということを示してございます。右側は、実際の事業実施地区で具体的な数字をとりまとめたものでございますが、事業の実施前と実施後では6割ほど短縮されると。また、担い手の生産コストは同様に3割ほど低減するということで、生産性の向上が図られているということでございます。
18ページは、[ 2 ]土地生産性の向上(単収、品質)について書いてございます。上の表は、昨年、北海道・東北地方で冷害がございまして、我々の方でいろいろアンケート調査をやりました結果、ほ場整備済みの水田と未整備の水田ということで、これは減収の量を示してございますが、被害の程度で顕著な差があるということを示してございます。下の表は麦の千粒重の比較でございまして、ほ場整備済みの水田では2割ほど増加するということを示してございます。
右の図は[ 3 ]耕作放棄の防止ということで、水田の整備率が高いほど耕作放棄は抑制される傾向があるということで、右下に平地農業地域と中山間地域ということで、横の方が整備水準になってございますが、高くなるほどその率は低くなっているということを示してございます。
19ページは、[ 4 ]農業構造の改善に寄与するということです。これは繰り返しになるかもしれませんが、経営規模の方は事業前と事業後で 2.2倍に拡大、農地の利用集積の方も 2.5倍に増加するということがございまして、右の方は、一番上が未整備の場合、真ん中がハードだけを行った場合、一番下は担い手育成型でソフトとハードを一体に行った場合ということで、グラフの長さでおわかりと思いますが、かなりポイントに差が出ております。一体に行った場合には25ポイント増加するというように効果があるということでございます。
20ページは、[ 5 ]土地利用の秩序の形成でございます。ほ場整備事業では、換地の手法等を活用しまして、公園、住宅地、高速道路に必要な用地を計画的に創設するということをしまして、土地利用の秩序化に貢献しているわけでございます。このページの場合ですと、右に書いてございますが、商業団地を導入した事例がございます。ほ場整備によりまして、今まで説明いたしましたが、担い手への農地の集積を図る一方で、今度は農地を貸した方々の就労の受け入れの場というものを確保するために、商業用地というものを創出しまして、商工団地を導入したということでございます。それによりまして、地域の活性化に大きく貢献しているということを事例として示してございます。
21ページは、評価の3つの目の観点、効率性の評価でございます。ここは具体的な数字は出ておりませんで、今後、行いたいということでございます。過去10年間に実施されましたほ場整備事業は、ソフトも一緒でございますが、この便益というものを費用換算しまして、総費用と比較して費用便益分析というものを行ってまいりたいと思ってございます。右側に計画当初の効果算定項目がございますが、ほ場整備の効果として考えられるものとして、それ以外に、その他の効果項目というものが書いてございまして、土砂崩壊流出防止とか農業振興による地域経済活性化など、そういう項目についても算定を検討して進めたいと考えてございます。
最後のページには、以上のような評価というものを踏まえまして、水田整備・保全のあり方についてどのような視点で検討すべきかを、現段階で整理したものを示してございます。
以上でございます。
(今村座長)
ありがとうございました。
引き続きまして、技術会議の方から、長谷川課長、お願いいたします。
(長谷川技術政策課長)
それでは、お手元の資料4に基づきましてご説明をさせていただきたいと思います。この総合評価の技術開発の経済的効果のご説明に入ります前に、既にご承知かとは思いますが、私ども農林水産関係の試験研究の概要について最初にご説明をさせていただきたいと思います。
1ページをごらんいただけますでしょうか。私どもの農林水産研究開発につきましては、10年間を見通した「農林水産研究基本目標」というもの、そして、それを受けた「農林水産研究技術の開発戦略」というものを定めております。この基本目標といいますのは、右の絵の上の方にもございますが、その時々の食料・農業・農村の事情、あるいは林業・水産業を取り巻く事情、あるいは農業なり森林等の基本計画なりを踏まえまして、目標あるいはそれを受けた研究技術開発戦略というものを定めているものでございまして、目標というものは10年間の全体の姿で、研究技術開発戦略と申しますが、絵でいいますと左下の具体的な実行計画となる戦略につきましては、5年間と10年間という2段階に分けた達成の水準、あるいはその推進方策を示しております。
この目標でございますが、これは農林水産省の設置法に基づきまして設けられております農林水産技術会議という特別な機関がございまして、そこで定められているものでございます。
それで、この基本目標におきましては、私どもの農林水産関係の試験研究――これは私どもの所管している法人に限らず、オールジャパンということで性格づけをしてございますが、大きく2つ、農林水産業の現場を支える技術の開発、そして世界をリードすると申しましょうか、それらの技術開発を支えるゲノム等の先端的研究開発、これを重点として推進しているところでございますし、また、最近の状況を踏まえまして、特に国民の食の安全や安心といったニーズにこたえられる研究につきましても最近は重点的に進めているところでございます。
また、右下の絵ですが、平成13年4月から、私ども農林水産省の所管しておりました試験研究機関のうち、農林水産政策研究所を除きましては、独立行政法人に移行いたしました。従来19あった試験場を8の法人に統合し、独立行政法人化したわけでございますが、大臣が指示するそれぞれの中期目標の策定に当たりましても、この研究基本目標をベースとしているところでございます。
2ページでございます。今申し上げました現在進めております農林水産関係の試験研究の現状では中心となっております8つの試験研究機関のごく概略をお示ししてございます。左上に、農業・生物系特定産業技術研究機構というものがございまして、これは最も農業の現場に近いと申しましょうか、例えば農産物、果樹、畜産等の生産性の向上といった生産技術の開発を総合的に推進するところということで設けてございまして、作物や作目の専門業種、あるいは東北や関東といった地域ごとの実情に応じた農業技術の開発、あるいは地域農業研究センターといったものを含めまして、一番大きな組織として設けられております。
それ以外は、いわば専門分野ごとの農業関係のものが5つございまして、その右でございますが、農業生物資源研究所という、いわば農業に関係する先端技術、ゲノム研究といったようなものを使いました農業技術の飛躍的向上を図る基盤となるような、そういうものをやっていく研究所でございます。
また、真ん中の段の左側でございますが、食品産業全体をリードするような先導的研究、あるいは加工・流通に至る一連の研究、特に食の安全・安心といったものを担当する食品総合研究所。
あるいは、真ん中の右でございますが、農業農村の多面的機能の発揮や、農村の総合的な整備のための農業工学研究所。
それから、左下でございますが、海外における農林水産技術について、国際貢献という観点から、そういうものを向上させるための国際共同研究を行う国際農林水産業研究センター。
それから、農業活動によってもたらされる環境への影響というものをきちんと研究し、負荷がある場合はそれを減らすような研究を行う農業環境技術研究所。
そういった合計6つの農業の関係の試験研究機関と、森林・林業等に係る技術開発を総合的に推進する森林総合研究所と、水産に関係する水産総合研究センターという、8つの法人がございます。
3ページでございますが、農林水産関係の予算についてでございます。全体の予算は、左の一番上の○にもございますが、約 1,200億円でございます。そのうち8割ぐらいが、今申しました8つの独立行政法人の運営費交付金、あるいはそれに伴う施設整備の補助金でございまして、2割が国家的に重要なプロジェクトとして行う研究の委託費、あるいは、競争的研究資金といいまして、公募型でいろいろなテーマに沿った研究に応募していただきました中で、優秀なものにお金をあげようというものでございます。
それから、その分野ということで3つ目の○にございますが、右の表にもございますとおり、やはり私どもの関係でございますので、ライフサイエンス分野と関係分野に関する経費が主体となっているところでございます。申しおくれましたが、運営費交付金と申しますのは、独立行政法人化した際にそれぞれの法人が自分たちに与えられた仕事があるわけでございますが、それについてきちんと運営し、研究を進めていくための基礎的な部分でございます。
それから、プロジェクトというのは、2つ目の○の※印にございますが、特に農林水産行政の政策上の要請によりまして試験研究を行うことに必要な経費として別途設けているものでございます。
以上、概略をごく簡単に申し上げましたが、総合評価につきましては田中開発企画官よりご説明いたします。
(田中研究開発企画官)
それでは、次の4ページをお開きいただきたいと思います。
技術会議が担当いたします総合評価でございますが、先ほど来お話のありますように、研究開発の効率的・効果的推進のため、過去の技術開発の成果について、その経済的効果等を検証するという、技術開発の経済効果ということで実施をするものでございます。
下に総合評価の進め方の大まかな考え方を記してございます。研究開発の特徴といたしまして、成果が普及をして初めて効果があらわれるということ、特に基盤的な研究の成果につきましては、実用化試験などを経て効果が発現するということで、研究成果の効果には終了後の一定期間が必要であるという特徴がございます。したがって、こういう特徴を踏まえた上で総合評価を実施するということで、適切なテーマを選定いたしまして、それに対する経済効果、社会的効果というものを測定いたしまして、投入資源に対する効果、そして目的の達成状況ということで分析をするという考え方で進めていくことにしてございます。
この評価結果の反映先でございますが、評価の目的ともいえるわけでございますけれど、プロジェクト研究の課題化における改善、あるいは経済的な効果等の予測――これはプロジェクト等を課題化する検討の際の効果を有効に利用するということを考えてございます。さらに、進行管理の改善、あるいは成果の普及方法の改善という形で反映をさせていくということで考えてございます。
次の5ページでございます。技術会議におきます評価の仕組みということで、先ほどご説明のありました技術会議のもとに、評価に関する専門的な事項を審議するために、評価専門委員会というものが設けられてございます。これは秋田県立大学の鈴木学長を座長とする13名の学識経験者によって構成されているものでございますが、現在、事業評価としては、研究分野別評価と研究課題評価ということで実施をしているわけでございまして、ここの評価専門委員会で総合評価も実施していただくということで、これの事務的な部分につきましては、技術会議事務局の技術政策課が企画評価課と調整をしながら進めていくということで考えてございます。
次の6ページでございます。では、いろいろあります研究開発の総合評価の対象といたしましてどういうものを選ぶかということでございますが、6点挙げてございます。
1つには、ある程度全体を代表するようなものということで、一定規模以上の研究開発、特にプロジェクト研究というものに絞って実施をしていく。
2つ目は、研究成果が普及・活用の段階にあること。
3つ目は、これは当然のことでありますが、その当時、農林水産政策の課題の解決に向けた重要な研究であったこと。
4つ目は、評価に必要な資料が入手可能であること。
5つ目は、研究開発の内容が今後の研究開発の推進上にも応用ができるものであること。
6つ目は、平成16年度中に評価を終えることができること。
こういった条件を勘案して、平成5~11年度に終了したプロジェクト研究の中から実施可能性も含めて選定をするという考え方で、特に大きく2つのタイプとして、実用化を目指したもの、そして基盤的技術の開発を目指したものということで、下に書いてございますように、小麦を主体とする水田畑作物の高品質化及び生産性向上技術の開発、昆虫の機能利用と資源化に関する基礎研究、この2つを対象といたしまして評価を進めていくということで考えてございます。
7ページは、この評価対象として選定をいたしましたプロジェクト研究の概要についてでございます。
まず、小麦を主体とする水田畑作物の高品質化及び生産性向上技術の開発でございますが、これにつきましては平成3~7年度に実施されております。総事業費は約19億円でございまして、外国産の小麦に匹敵する小麦品種の育成、あるいは大豆等の生産性向上技術などによりまして、地域輪作営農の経営基盤の強化を目的とするというものでございます。
いろいろな研究成果が出されておりますが、代表的な成果として、大豆の新品種等々が出てございます。このプロジェクト研究の成果につきましては、具体的に農業生産現場に普及をしていくということで、お手元にクリーム色のパンフレットを配付させていただいております。「麦の高品質化を目指して」ということで、こういった研究の成果をまとめてございますので、こちらについては後ほどごらんをいただければと思います。
次の8ページに、参考として、この研究で開発をされましたチクゴイズミあるいはホクシン等の栽培状況を示したものと、小麦の品質開発において特に解決されるべき課題となっています小麦の穂発芽と小麦の赤かび病を示してございます。
9ページでございますが、もう1つの対象とする事業ということで、昆虫の機能利用の資源化に関する基礎研究でございます。このプロジェクト研究につきましては、平成5~11年度に実施をされております。総事業費は約7億 5,000万円、目的としては、昆虫が生産する物質などを利用するための基盤技術を開発するということでございまして、成果といたしましては、これもいろいろな基盤技術が開発されておりますが、例えば、昆虫の大量飼育技術を供給するシステムなどが開発されております。
10ページには、この研究成果がどのように活用されているかという1例を示してございます。このプロジェクト研究を初めとして、昆虫の機能活用の研究がどのように行われてきたかということを記しましたもので、「昆虫テクノロジー研究」という同じくクリーム色のパンフレットをお手元に配付してございますので、これも後ほどごらんいただければと思います。
11ページですが、具体的な進め方でございます。評価の観点といたしまして、効率性の観点から、ただいまご説明を申し上げました評価対象プロジェクト研究による経済的効果等と当該プロジェクト研究に対する研究投資の妥当性。有効性といたしまして、当初のプロジェクト研究の目的の達成度。このような観点から評価を進めていくということでございます。
政策効果の把握につきましては、下の[ 1 ]~[ 5 ]に書いてありますが、こういった手法で把握をしていくことにしてございます。
それから、評価の実施体制につきましては、先ほどご説明させていただいたとおりでございますが、評価専門委員会が実際に行うということでございまして、農林水産技術会議が最終的にこの評価結果を決定していただくことになります。
なお、この農林水産技術会議で評価結果を決定する前に、この政策評価会に評価結果をご説明させていただき、ご意見を賜りたいと考えております。
12ページは、これまでご説明させていただいた内容を模式化してつけたものでございます。
最後に、今後のスケジュールでございますが、このような形で来年度1年間かけて評価を進めていきたいと考えてございます。
以上でございます。
(今村座長)
ありがとうございました。ただいま、土地改良(ほ場整備)と技術開発についての中間報告をいただきました。これをもとに、ご意見やご質問をいただきたいと思います。
(田中委員)
まず、報告順序で、土地改良について、気がついたことからお聞きしたいと思います。資料3-2の18ページの右の一番下ですが、水田整備率と耕作放棄地率との関係とあります。これをみると、確かに中山間地域の放棄が多いんですが、水田整備率が例えば90%以上であっても、なお放棄するということが読み取れますね。そうすると、整備したらどういう義務が生じていて、高速道路が通るからつぶれるということは仕方がないにしても、どういう場合が一番多くて、せっかく整備しながら、例えば5割以上のところをみても、放棄率が4%ぐらいあるんですね。これはかなりのものだと思いますが、50%以上整備しながら、なおかつこのようにつぶれていくと。整備するときには、ぜひやりたいということでやっているのでしょうけれど、中山間地域ですと8%も、これは平地の倍ぐらいの放棄地になっていく。まず、この辺はどのように考えたらいいのか。これは個人の財産ですから、どうしようもないといえばどうしようもないのですが、これと経費の回収などをつなげて考えると、放棄したものについてはどういうことになっているのか。土地改良区としても大変だろうと思うのですが、それを取り巻く状況説明がなかったので、教えていただければありがたいと思います。
この関連でご質問があると思いますから、一括してお答えいただければいいと思いますので。
(加藤委員)
今、田中先生からご質問のあった件に関連しまして、まずささやかなエピソードからご紹介したいと思いますが、今から1年ぐらい前、東北地方のあるところへ呼ばれて環境の講演に行きました。農業の調査に行ったわけでも何でもありません。そうしましたら東北新幹線の駅ができていまして、文字通りほ場整備をやっていて、ほ場整備をやったところに駅が来たのか、駅が来たところにほ場整備をしたのか、そこまでは調べませんでしたけれど、ただ、行ったらすばらしいものができているんですが、私を迎えに来てくれた町の職員が、「先生、ここの地主は、新幹線の駅前なものだから、何か高く売ることをいろいろと考えていまして」ということで、例えばデパートを呼びたいとか、そういう話をしているわけです。
非常に悪い言い方をすると、多くの農業関係者が努力してやっていらっしゃるほ場整備の中のほんの一部だとは思いますが、せっかくほ場整備をしていいものをつくって、それは地主からみると、そこはたまたま駅前という地理的条件なわけですが、それを使って別途利益を上げようということを考えているというわけですね。それに対してほとんど手が出ないということです。
私は先ほど規制緩和のことをちょっといいましたが、規制というのは何も農業に限らず、私の分野の環境にしてもそうですが、規制を強化すべきことと規制を緩和すべきことと両面があると思うのですけれど、今の話は、せっかくほ場整備をしながら、もうそこの地主は売ることを考えているというわけです。それはたまたま変な人で単に例外的な問題かもしれませんが、ただ、今、田中先生がご指摘になった統計をみても、あるいは同じようなことですが、11ページの右上の絵ですけれど、これは広く知られていることで、農地面積がどんどん確実に毎年減っていく。しばらく前までは 500万ヘクタールといわれていたのが、もう 500万ヘクタールを切ったと。拡張も多いのだけれど、ピンクの潰廃していく面積が圧倒的に多い。しかも、時間的に非常に速い。
それから、話が飛んで恐縮ですが、私は若いときにフランスのパリに3年ほど住んでいたわけですけれど、パリの周辺に車で30分も出ると大変広々とした農地になるわけです。そして、そこは絶対にほかに使えないわけです。よく日本から来たお客さんをご案内すると、「何でこんな広々とした農地にしておくんだ。もったいないじゃないか。ここにディズニーランドのようなものを誘致したり、ゴルフ場をつくったりしたほうがよっぽどいいじゃないか」と、日本人だとすぐそういう発想になってしまうのですが、農地が頑固なまでに守られている。
ところが、日本はたくさんの税金を使いながらやられて、それがすぐに次の転売を考えられていって、しかも、そういうことが可能であると。恐らく法律上はいろいろな難しい問題があるのだと思いますが、結局、どんどん変わっていってしまう。
今、私が申し上げたのは例外的な問題ではなくて、この周辺のどこをみても、農振地域でありながらどんどん家が建ってしまう。最初は息子の何とかだとか嫁の何とかだというので、事実上、市街化調整区域どころか、農振地域でありながら市街化区域のような様相を呈していってしまう。これはもう首都圏周辺にいくらでもあるわけです。
せっかくこういう施策を一方でやりながら、まさに規制ができていない。そっちの方はしり抜けで、一方、農業をやりたいという人が入ろうとすると、これはまたかたくなに、「だめだ」といって抑える。このちぐはぐさというのは相当なものだと思っておりまして、先ほど規制緩和のことをちょっと申しましたけれど、逆に規制をすべきところは規制をきちっとしなければいけないということの1つの例として申し上げました。
(今村座長)
ありがとうございました。皆さんから続けてご質問等をいただいて、一括してお答えいただきしょう。
(大山委員)
田中先生と加藤先生がおっしゃったことと似ていることかもしれませんけれど、土地改良事業のこの中間報告をみせていただいて感じたことだけちょっと言わせていただきますと、大きくほ場整備事業ということが、生産性の向上ということと、環境保全あるいは生態系の保全ということに関してどうもトレードオフの関係がある。そういうところをもうちょっと出していただいて、生産性の向上はもちろんわかるのですが、むしろ環境保全や生態系の保全については、何かデータを使った形で、具体的にはこういうことでというのを示していただいた方がわかりやすいと思います。このトレードオフというのは明確にはできないと思いますけれど、何かちょっとそういう努力をしていただけたらと思います。つまり、効率性が上がる、生産性が上がる、収量がふえるというのはいいんですが、そのマイナスとなるところがどういうことかをやっていただきたいというのが、非常に大きな要望の1つです。
それから、今の水田整備率との関係ですが、7ページのグラフをみていて感じるんですが、整備率と米の収穫量との関係なのでしょうけれど、むしろ生産性の向上というところでアピールしようとしているのでしょうが、先ほどの田中先生のお話にもありましたけれど、見方によっては必ずしもそういうようにみえない場合が出てくるわけですね。ですから、こういうものは、例えば、水稲収穫量と水田整備率との関係、あるいは米の生産性と水田整備率との関係とか、これは都道府県データで順位データですから、それで一体どのくらい相関があるのかというのをいろいろなところから順位相関の形で出していただければ、これは必ずしもそんなに高くないのではないかと思います。
そういうものを出していただいて、全体として60%になるというのは、これまではよかったかもしれませんけれど、ここでむしろ順位相関もそんなに高くないのだとしたら、ここの整備率の格差というのが必ずしもマイナスではなくて、一通りアベレージを高めるところはもう終わったと。このぐらいまででいいのではないかと。そして、次に何をすべきかということで、例えば環境保全や生態系保全でもいいんですが、低いところは必ずしも全体を上げる努力はしなくてもいいので、別の形のベネフィットが得られるような、そういう戦略とか政策というものがどういう可能性があるのか私にはよくわかりませんけれど、そういうものを示していただければ、もうちょっとアピールするんじゃないかというのが私の印象です。
つまり、アベレージとして上げるというのと、ばらつきをむしろ逆に利用する形で、規模によって生産性との関係もありますので、区画が大規模なほ場ができる場合はいいのだけれど、中規模・小規模になったら必ずしもそれは無理してやる必要はないとか、そういうことがデータとして出せるのではないかと思います。ですから、政策的には必ずしも一律にアベレージとして60%とか65%にするというよりも、例えば、大規模なものは上げるというのはいいかもしれないけれど、中規模・小規模のところは別な形の政策で効率的な政策がとれないかというところを説明していただければ、もうちょっと説得力があるのではないかなと思います。
(秋岡委員)
17ページですけれど、事業効果の検証のところで、右下に担い手の米の生産コストが3割下がりましたと書いてありますね。この下がった分の3割はどこに行って、だれが得をするのかがよくわからなくて。
それから、11ページの左下のところに総理府のアンケート調査みたいなものが出ているんですが、国民はこのアンケートに対して、「外国産のものより高くても、食料は生産コストを引き下げながら国内でつくるほうがよい」との回答が8割と書いてあるんですが、これは国民の人がいいたかったのは、「生産コストを引き下げながら」ではなくて、値段が下がるという努力をしながらならいいということでいっているのであって、この17ページのところに書いてあるような、生産コストが下がったところで「はい、おしまいです」といわれても、国民にとっては、「じゃあ、この3割分は私の買うお米が安くなるのか」とかということで、「いや、それは下がった分だけ再投資しているのですから、我慢してください」という意味なのか。この事業効果が米の生産コストが3割下がりましたというのは1つだと思いますけれど、そこから先はどうなっていくのかというのが、消費者の側からみると、「じゃあ、私たちにはどんな効果があるのかしら」というところがちょっとみえてこないんです。
これは3割下がった結果として全国平均値よりも安くなっていますね。でも、だからといって、国の補助を受けたところだけ安いお米を販売すると、多分ほかの補助を受けていない人に対して不公平だということになるので、当分は平均値以下には下げないとすると、国民には、だいぶ先になるまで、生産コストが下がっても販売価格の引き下げというメリットは来ないのだということになってしまうのかしらとか、ここから先をどう考えたらいいのかということを教えていただきたいと思います。
(森本委員)
今、この資料を、ああ、土地改良というのはいいんだな、いいことばっかりだなと思いながらみていました。デメリットなんていうのは一切ないんだなと。農家からすると、本当にすごい事業なんだなと思っているんです。確かにメリット的なものはあると思います。ただ、デメリットもたくさんあるんですね。
今の生産性の話の中で、米の価格もこういう状況の中で、そして農家も高齢化している。そうすると、今度は作れない農家の人たちが小作に出すにしても、小作料金が1万円程度しかもらえないとか、1万円を切るような県が多いという中で、今度は償還金も払えないという人が相当数いるんです。償還金の方が、水代とか管理費、国に対してのお金、工事費あたりを払うのに、1反当たりが2万円とか3万円とか払わなければいけないけれど、小作料は1万円しかもらえないと。だから、結局、自分の財産とみてしかやれないということですよね。
それから、今、秋岡先生がいわれたように、生産性が3割落ちている、その3割はどこに行ったのかという話ですけれど、その3割の何割かは機械の購入代金などにあてられているわけです。結果的に田んぼが広くなれば、当然、コンバインも新しいものを買うんです。そうすると、今までだったらある程度手作業でやれていた部分が、もうそれはできないから、結果的に 1,000万、 2,000万するコンバインも買わなければいけないし、当然、トラクターも買わなければいけないし、田植え機も買わなければいけない。そうすると、そういうところにお金が回っているということも実際あると思います。
農家からすれば、悪いところを探すと、これがまた不思議なものでいっぱい出てきまして、私がいいたいのは、メリットだけではないということです。なぜこんなに、土地改良事業はいいんだ、いいんだとしか書けないんだということなんです。農家からすれば、工事費が高いとかいろいろ話があるんですよ。土地改良事業でやった方が工事費もすごく高くつくと。自分たちでやった方が安いということも聞いたことがあるんです。それはそれとして、今、農家の手出しは5~10%ぐらいかな。県によって違うんですけれど。それでも、結構な金額になっているです。
それから、管理費あたりも、毎年、毎年、減らないんです。不思議ですよね。ポンプが何年かするとだめになるんです。それでポンプをかえると、今度は違うところの修理が出てきましてね。不思議なもので、管理費が毎年安くならないシステムというのが、これは技術会議は習いにいった方がいいぐらい、土地改良事業はその辺はすごい技術をもっていますからね。
でも、いいところは確かにあります。コスト的にも、私たち認定農家でこれから先やっていく人にとっては、すごくメリットもあるんです。ただ、何度もいいますけれど、メリットと、反面のデメリットの部分、その辺も明確にしていく時代に来ているんじゃないかと思います。国民がそういうお金の使い方をみたときに、もう今から先、生産性の向上にお金が使える時代ではなくなってきているんですね。農水省の予算あたりも限られていますから、ソフト事業あたりにお金を回すためには、土地改良事業もだんだんなくしていかなければいけない時代になっています。
この前の宮城の大地震などもそうなんですけれど、水の排水・揚水あたりも今は地下を通していますね。そうすると、あの地震で、どこが水漏れしているのかわからなくなったそうなんです。結局、目にみえているうちはよかったんだけれど、目にみえないところで水が供給されるようになると、地震とかがあって、どこが切断されているかとか、そういうことも全然わからなくなる。そういう話も実際に聞いています。
だから、やっぱりいいところだけではないんですよね。こういう中間報告を出されるときはその辺のところも若干加味していただいて、私たち農家も「うん、確かだな」と納得できるような資料にしていただきたいと思います。これをあと10回ぐらい読むと、変わらないことをただ単に手をかえ品をかえていっているんじゃないかなという気がしてしょうがないんです。こんなに何十枚も要るような話じゃなくて、これはよくよくまとめたら2~3枚で済むような内容じゃないのかな。どこも同じような言葉が、ちょっと変化をつけて、ページ数はふやしてあるんだけれど、何となくいってることは繰り返しだなと。そんなことを感じました。
(田中委員)
森本委員ほど痛烈にいえないんですけれど、それから、大山委員が非常に紳士的に、例えば7ページは私も非常に気になっていたところで、この図を私も含めた素人がみると、これは土地改良とあんまり関係ないじゃないかと。改良と整備と収穫量が関係ないとすれば、新潟などは、例えば歴史的に水田がもともと大きいのか、こういう表をせっかくつくられるなら、まずこの相関がどうかということと、例えば鳥取などは、いっぱい整備していても水稲の収穫量は非常に低いわけで、一体何のために整備したのかと素人には思えるわけです。
それなら、同じ整備した水田で、米だけではなくて、裏もできるわけですから、水田の収穫力とか収益力とか、そういうものの比較ならまだわかるんです。それから、整備する前にもともとそれぞれの県はどういう状況であったかと。それと整備後とを比較しないと、この表なんて一体何のためにつくってあるのかなと思えるわけです。これを立体的に分析しないと、この表で一体何がいいたいのかがよくわからない。そういう感想をつけ加えておきます。
(今村座長)
それでは、ごく簡潔に、齋藤室長と植田室長からお答えをお願いいたします。
(農村振興局植田事業総合調整室長)
それでは、私の方からは耕作放棄地ということで、18ページでございますが、定義としては「過去1年以上作物を栽培せず」とかございますが、耕作放棄については、若干古いのですが、全国農業会議所のアンケート調査というものがございまして、耕作放棄地の発生理由としましては、高齢化や労働不足が9割弱、傾斜地等で土地条件が悪いというのが半分くらいの理由、あるいは農地を貸したくても引き受け手がないといったことが4割弱。そういうアンケートもございます。
あとは、整備からしますと、局内の調査でございますが、やはり整備済みの方が、していないところよりは放棄は少なくなっているということもございます。いずれにしましても、確かにそのように条件が悪くなると、整備したところでも放棄されるという事実はございます。
それから、改良区との関係が書いていないということでございます。これはほ場整備だけではなく、水路とか、農業生産をやるときにほかの事業もたくさんございますが、そういう中で、別のところで、地域資源なりをいかに保全していくかということで、管理をする農家の数も減ってきたとか、集落内で今まで共同でやっていた人数が足りなくなったとか、そういうことで、今後、管理のあり方をいかにしていくかということが現在の検討課題になっているという側面もございます。
それから、環境とのトレードオフと、デメリット面ということでございます。これにつきましては、我々の方も農業農村整備部会の企画小委員会というところで検討をいただいておりますが、実は2月に行ってございまして、その中で指摘を受けている点が幾つかございます。
その第1点目は、環境に限らず、やはりマイナスの面というのが当然あるでしょうと。その点をもっと検討しなくてはいけませんということもいわれてございます。ほかに企画小委員会でいわれておりますのは、必要性なり有効性なりはどのようにしていくかをさらに検討するようにということと、ほ場整備事業だけではなく、ほかの政策との連携をどう図って進めていくかという観点からの検討も必要でしょうと。この3点が主なご意見でしたけれど、まさしくご指摘のとおり、デメリットというのが環境のところにちょっと書いてありますが、それ以外のところについても、そのようなご指摘も踏まえまして、今後、検討してまいりたいと思っております。
米生産コスト低減についてですが、理論的には、米価が下がったときに、数千億円、消費者利益というところで出てまいるという研究報告もあるわけですが、コスト低減分の行き先について追求したデータを持ち合わせてございませんので、申しわけございませんが、ご説明は別のときにさせていただきたいと思います。
(農村振興局齋藤農村整備総合調整室長)
先ほど転用の話がございましたので、それについてお話しさせていただきたいと思います。
ほ場整備等の土地改良事業は、農振農用地区域内でやっておりますので、その中の土地を転用することは原則できないわけでございまして、そういう意味では、土地改良投資したところは転用させないという原則論でやっているわけですが、ただ、農用地区域の設定とか転用の許可権限というのは、今は地方分権の中で相当地方におろしてきている実態がございまして、地方公共団体の長からして、公共施設ということで、そちらの方が重要だということになりますと、農用地区域から除外して、そこを転用して、という場合が確かにございます。
そして、一旦公共施設ができますと、周りの農用地、あるいはほ場整備したところも、だんだんとばら転の要望が出てきたりということがございまして、そういう中でどれだけ厳格に法制度を運用できるかというのは、地方公共団体の長に責任があるわけですが、委員がご指摘のような現状もございますので、そういう制度のあり方についても、今、内部でいろいろ議論しているところでございます。
(皆川企画評価課長)
後でご説明する基本計画にも関係する話ですので。土地利用の問題とか農地法制の問題というので、加藤委員のご指摘にあった転用規制のようなものは、百年農地のような形で強化すべきではないかという議論も当然あります。一方で、参入の障壁というのは、多様なニーズがあるわけですから、そういうものについては避けるべきではないかといった議論がありまして、農地法制に絡むそういういろいろな問題を今回の基本計画の中の課題の1つとして位置づけて検討していきたいと思っています。
ただ、ヨーロッパとの比較論をおっしゃったのですが、ヨーロッパの場合は、土地関係の法制に関しては、基本的に建築不自由原則というものがまずかぶっていて、そこから個別に外していくというアプローチなのに対して、日本の場合は、それに類するようなことを少し試行しながら都市計画法なり農振法というものもチャレンジはしているわけですが、基本的に私権に対する制約をかけるということについては余り積極的ではないといいますか、建築自由の原則があるものを個々にとめていくというアプローチになるので、その基本のところが転換をするということまではなかなかできないので、我々もかなり難しいながらも、ただ、農政課題の中に位置づけて議論を進化させていこうということでございます。
(加藤委員)
今のご説明は私も理解できるわけですが、特にほ場整備というのはかなり税金を導入しているわけですね。単なるプライベートな農家のそれをどうするこうするというのではなく、政策的に、ここを優良農地として残そうと、そして農振地域に指定して、しかもそこに大変な税金を投入してやっていると。先ほどの話は非常に例外的な例かもしれませんが、しかも、私自身詳しく調べたわけではありませんので、私の聞き間違いかもしれませんけれど、つくっている最中にもう転売することを考えていて、しかも町の職員が平気でそういうことをいうということに非常にショックを受けたわけです。一体何のために税金を使って、何のためにやろうとしているのかと。たまたま後からできた新幹線の居場所がいいというところですから、普通のいわゆる小さい意味の経済感覚からいったら、「こんなところを農地にしておくのはもったいないや」と思うのが当たり前なのですが、ただ、そこに税金を使ってやっているということですね。
ですから、これは皆川課長のご説明は私も極めてよく理解できますけれど、相当真剣にやらないと、それこそ自給率を向上させていくとか、農業を国際的に強くしていくとか、そういう政策と背馳してしまうということもあると思って、これはかなり重要な問題としてやっていただきたいなと思っています。
(今村座長)
若干、コメントをしておきますと、中間報告ですから了としますけれど、必要性については、私からみれば情けないデータばかりだなと思うのですが、常識的ですよね。
有効性については、ある程度書いているんですが、これも担当者からみると、有効性についてももう少し証明しないとだめだと思います。
それから、効率性ですが、これは中間報告ですからほとんど触れていない。
さらに大事なのは、総合性ですね。土地法制その他いろいろありますから。
そういうことを含めて、ほ場整備、土地改良というのは、採択条件にいろいろ差があるわけですね。歴史的にいっぱいありますし。ですから、助成条件も差があるし、負担金や償還金も違いがありますし、協議が始まってから延々とやって、採択して、そして実施して、完成したころはもう農業の姿は全然変わっていると。そして助成条件その他、非常に複雑ですね。そんなに変わっていないと思います。このごろのことは私もよく調べておりませんけれど。それから、予算の配分が一体どうなっているのか。そういうことも含めて、実績でいいですので。
さらに、中山間地域で、私は長野県の栄村へ行って調べましたけれど、非常にコストを安くほ場整備をやっています。「あれはけしからん。災害が起こったらどうするんだ」なんていうことはいうんですが、災害は起こっていないので。私もあれは調べてみました。ああいう現場でやる話と、特に傾斜地だとえらくコストがかかるほ場整備をやってきたわけです。そういうことを一体どうするのかと。
効率性とか総合性、特に土地改良については食料・農業・農村政策全体との関係で総合性をどう考えるか。今回は担い手育成といったところだけに焦点を絞ってやっていましたけれど、最終報告ではもう少し考えてやってみていただきたいと思います。
私のコメントでございます。
それでは、次に、技術開発についてです。これも一連のご意見やご質問をいただいた上で、総合的にご回答いただきましょう。
(田中委員)
6ページですが、研究開発の総合評価の対象で、[ 1 ]研究開発に要した費用が一定規模以上であること、と書いてありますね。こういうものをつくっていただくときに、私だけでなくて、先生方は皆さんそうだろうと思うのですが、例えば、対象の平成5~11年度の間に、一定の費用なら、例えば何億円以上のものが全体でどれほどあって、それで終了したものが幾らであって、名称でもわかればまだいいんですが、何百とあるなら仕方ないので数だけでもいいんですけれど、全体の姿がわかった上でこれとこれを取り上げたというふうにしてもらうと、非常にわかるんです。
もうちょっと具体的にいうと、それが何十あるか知りませんが、費用が一定規模以上であって、失敗したというものはどれほどあるのか。その失敗も、これは技術会議でみんなOKをとって始めているわけですが、どの段階で失敗したのかと。つまり、研究成果が出るまでやったけれど、実際にやってみたら物にならなかったとかという失敗なのか、研究の途中までやって、「もうこれはだめだ」という失敗なのか。そういうことがこれからは1つもわからないんですね。そういう全体の姿がわかるようなデータを初めに示すべきではないか。ちょっと不親切だなと思ったけれど、「いや、そんなことは無理だよ」ということなのかどうなのか。
小さいものも含めて、この対象年度の間にはどれほどお金を使って、その中で対象の事業が何件で、どれほどのウエイトを占めているか。そして、その中で成功とおぼしきものがこうであり、失敗したものはこうであると。そういうふうにしてもらうと、僕のような頭の悪い者でも「なるほど」とわかるのだけれど、こういうふうにあっても、「ああ、そう」というだけで、わけがわからない。
(加藤委員)
私はともにおもしろいなと思って聞きましたけれど、なかんずく、この昆虫テクノロジーというのは、私は実は浅学にしてこういう言葉があるというのを初めて知ったし、また昆虫産業という言葉も初めて知りましたので、なるほど、こういう産業というのもあるのかなと。いわれてみると、我々環境をやっている人間は、昆虫が生物種の中で圧倒的に多いというのはよく聞かされているわけで、地球上に生きている全生物の中で昆虫というのは種類が多いのだから、なるほどなという思いがします。
ただ、そこから先はいよいよ素人の発言になってしまうのですが、昆虫をいろいろといじり出してくださるのは結構なのですけれど、しばらく前までは私どもは鳥インフルエンザなんていう言葉すら知らなかったので、今この騒ぎをしているわけですけれど、昆虫インフルエンザみたいなものが起こって、昆虫界にいろいろな変なことが出なければいいなと、そういう老婆心といいますか、素人のつまらないコメントだけとりえあず申し上げておきたいと思います。ただ、おもしろいなと。大いに勉強はしていただきたいなと思いますけれど、そういうことにご注意いただきたいと思います。
(大山委員)
簡単に。我々のところも独立行政法人で、同じような状況にあるものですから、私はこれをみていて、やっぱり同じような苦労をしておられるのだなというのがわかったのですが、全体の予算の中の8割が運営交付金、2割が委託費あるいは農水産業技術振興費ということですね。この委託費というのは一体どの程度なのか、あるいはどういうところなのか、あるいは将来的にここのところが運営交付金とのバランスで割合がどうなって、どういう予測をしておられるのか。その辺をわかっている範囲で教えていただければと思います。
つまり、もっと自由に委託をとって稼ぐような形に将来的にはするのか、あるいは、補助金のこの2割というのをある程度フィックスされているのか。その辺を教えていただければと思います。
それから、総合評価のところで、先ほど田中先生がおっしゃったのは、失敗例などもということですが、ここで対象とする場合に、自主研究とか委託研究とかいろいろあるわけですね。総合評価をこれからやっていく場合に、すべてが対象になるのか、あるいは特別な自主研究のようなものだけが対象になるのか。今回のものは自主的研究の中から選ばれたのか。その辺を教えていただければと思います。
それから、一番最後のプロジェクト研究の概要が簡単に出ていますが、研究成果の場合、こっちをみればわかるとは思いますけれど、何が問題点なのか、何が課題なのか、どこを改善したいのか、そういう情報が欲しいんですね。でないと、評価をやりました、こういう成果が上がりましたということでどうしても終わってしまって、印象が余りよくないといいますか、何を改善したいのか、これによってどこが不十分だということがわかったのか――つまり、予算が足りないということでもいいと思いますが、そういう情報を総合評価をした場合には成果として出していただければと思います。
(森本委員)
技術会議に関しましては、はっきりいって、私たちもよくわからない分野なんです。ただ、土地利用型から考えましても、日本は雨の多いところでございますので、麦とか大豆とか、新たなそういう水に強い品種改良なくして、これから先の土地利用型農業はあり得ないんです。これは農村振興局の話にもなりますが、乾田化ができていない田んぼが相当数あるんです。米を主体にした土地改良事業だったものですから、これほどまでに劇的に米が余るということを意識していなかったものですから。ですから、大豆などをつくっても、梅雨時期にはまりますと全然とれなかったりとかということがよくあるんです。
その辺のところは技術会議がこれから先頑張っていただいて、日本の風土に合った、遺伝子操作などではなく、除草剤に強いとかとアメリカの除草剤会社が視察するような話ではなくて、消費者に受け入れられるような形の中でそういう改良した品種もできてくれると、私どもとしてはうれしいなと感じます。
それから、昔、農業新聞をみていましたら、無人田植え機というのが出ていたんです。無人田植え機なんだけれど、こっちでリモコン操作しているから無人ではないんです。基本的に田んぼにいる人間は大して変わってはいないのだけれど、こういったものによくお金を使うなと思いながらみていたんです。ただ、その話をしたら、そのときの担当の人が政策評価のときに来られていろいろ説明をされたので、「ああ、そうですか」と、わからなかったけれど返事だけはしていたんでけれど。
私は思うのは、農業に関していえば、人間の手がかからなければかからないほどいいという発想はおかしいと思うんです。やはりどこかの部分で人間の手がかかっていくことが初めて正しい作物のつくり方につながるんじゃないかと思うんです。言い方をかえれば、田植え機もコンバインも機械ですから、コンピュータが発展してGISあたりを使って、入力すれば自動的に作物を植えて刈っていくという時代がいつか来るのかもしれないんですが、私は、農業というのがコンピュータを扱えればできる時代というのは、それはそれで変な話なんじゃないかなと思うんです。
その辺のところが、便利さということと、農家の人間が全然タッチしないという部分は、若干違うんじゃないかなという気が前からしていたんです。言い方をかえれば、余り必要のないものは研究しなくていいという話なんだけれど。その辺も、農家サイドの話も聞きながら、本当に必要なものに一生懸命頑張っていただいて、余り必要でないようなものはざっとしておいていただければいいかなと。そういうところもありましたので、よろしくお願いします。
(秋岡委員)
基本的なところがよくわかっていなくて。この独立行政法人に出しているこの何とか運営費というのは、人件費も入っているんですか。その人件費を除くと実際はどのくらいが研究のための予算なのかというイメージを、大体でいいんですけれど、教えていただきたいのと、この独立行政法人になった農水省系のシンクタンクというのは、どういうビジネスモデルを目指して頑張ってやっていくのでしょうか。独立行政法人になったのだけれど、結果はずっと全部人件費も含めてお金をもらっていて、というだけなのか、やがてはこうやって稼ぐんだというのか。
例えば、食品何とか研究所というのは、いろいろな食品があって、写真をみているとすごくかわいいんですけれど、でも、人から頼まれて研究してつくったものを自分が勝手に売っちゃいけないですよね。この独立行政法人になったのはいいんですけれど、これはどうやって独立していくのかがよくみえなくて。
例えば、国の系列の研究所だからということではなくて、今、民間の企業でも技術の分野はものすごくいろいろなことが変わっていて、青色発光ダイオードの人に続いて味の素の人が自分の権利を主張したりとか、そういう風土もすごくありますよね。それは国の系列のシンクタンクで働いているかとかを問わず、世の中が変わっていくと、人間の心というのは、「ああ、そういうものなんだ」と思ったりもするでしょうし、逆に、民間の企業というのは終身雇用制が崩れてきたので、今週の「週刊東洋経済」か何かでサラリーマンの寿命は15年といわれていて、特に技術分野というのは、技術の進歩が激しいので、もう40歳、50歳ぐらいになると、よっぽど勉強している人とかよっぽど才能がある人でない限りは、もう役に立たないとはっきりいっていました。
民間の会社などはそういうところに成果主義を導入して別のポジションに行ってもらうとかとやっていると思いますが、でも、そのくらいのことをやらないと、新しい技術開発というのはもうこれからは出てこないかもしれなくなっちゃうときに、国からお金をもらっていて、国家公務員と同じ人事体系とかでやっていく研究所というのに、どのくらい成果を期待していいのかがよくわからないんです。
(今村座長)
これは長谷川課長も容易じゃないけれど、今の秋岡委員の質問に全部は答えられないかもしれないですけれど、ある程度答えていただければと思います。そのほかの委員の質問にも関連しますから。
(田中研究開発企画官)
それでは、資料についてのご質問と、総合評価の進め方の部分について、まずお話しさせていただきたいと思います。
資料のつくり方については、ご意見を踏まえて、とりまとめ等に反映させていきたいと思いますが、一定の費用以上のものがどのくらいあるかということについては、私どもが平成5~11年に終わった中にあるプロジェクトは20でございます。その中から、この考え方で選んだということでございます。
それから、成功例、失敗例ということで、例えば麦でいいますと、ここに書いてございますホクシンという品種ですが、これはご案内のように北海道で主力の品種になっているのでありますが、そのほかのものの中には余り現場に普及していないものもあるということですけれど、成功しているものについては、経済的な効果を極力把握するようにしますし、うまくいかなかったものについては、なぜかということを、技術的な課題なりを抽出して最終的にまとめていきたいと考えております。
(田中委員)
失敗例というのはものすごく重要なんですよ。どの段階で失敗したのか、なぜそういう失敗になったのかと。それは研究員が悪いのではなくて、プロジェクトそのものが悪かったのか。そういう評価が非常に重要だと思います。それは森本さんがいった話にもつながるんです。
(田中研究開発企画官)
もう1つ、私どもの技術会議で実施をする総合評価は、個々のプロジェクトの事業評価ということではなくて、代表的なものを選んで、その手法の確立も含めて、今後の技術開発の課題化をするとか振興管理をする上でのモデルケースにするということを目的にしているということでございますので。また、個々の評価というのは別途事業の中でやられているということでございますので。
(田中委員)
個々のことをいっているわけではなくて、そういうものをみないとトータルのことがいえないんじゃないですか、ということをいっているんです。
(田中研究開発企画官)
はい。そういうことでとりまとめに反映させていきたいと思っております。
(長谷川技術政策課長)
まず、加藤委員からの昆虫についてのご質問でございますが、このパンフレットにもございますけれど、昆虫を使ったものとして、蚕、ミツバチを初めといたしまして、過去から利用してきた産業がございます。おっしゃるようなご趣旨も踏まえまして、特に日本の立場からいえば、蚕というものは、明治以来、日本の冠たる産業としてきたわけで、具体的に研究の世界でも、蚕に関する研究につきましてはまさに世界のトップを走っております。そういう蓄積を生かしまして新しい分野の産業に生かしていくということで、それはおっしゃるように、いいものはちゃんとつくる、そして、端的にいえば、環境なりも含めまして、安全性にも十分配慮しながら研究を進めていくことが重要だと考えております。
2点目に、委託費のウエイトをこれからどうするのかということがございました。この独立行政法人化されましたときに、交付金につきましては、ご存じかとは思いますが、一定のルールでもって基本的には削減するような形での、もちろん行政上、必要な経費があればプラスアルファーがあり得るわけですが、そういう方向が示されて、秋岡委員のご質問ではないですが、できるだけ自分たちで稼ぎなさいということになっております。
そういう意味では、研究の法人でございますので、私どもは国からの委託費だけではなく、文部科学省が出しております科学技術振興費でありますとか、そういうよそからもらってくるお金、民間からの委託も含めまして、自分たちで稼げということを中期目標でもいっておりまして、そういう形で独立行政法人としてできるだけ自主的な経営ができるような形に進めていきたいと思っております。
それから、森本委員からは、湿田に強い大豆でありますとか、あるいは農家のニーズをもっと踏まえたといったご意見をいただきました。麦については、例えば穂発芽耐性といった品種もできておりますが、大豆につきましては、品種の問題もあるものですから、今、私どもの農業・生物系特定産業技術研究機構というところで、大豆 300Aプロジェクトという、バーチャルですが、チームを発足させまして、各地域の実情に合わせて、 300キログラムですから5俵どりの大豆づくりを目指せるような、そういう現場に立脚した研究を進めているところでございまして、できるだけ早くその成果を皆様方にお使いいただける形で実現していきたいと思っております。
(森本委員)
バーチャルって何ですか。
(長谷川技術政策課長)
チームなんですけれど、1カ所に全員が集まるというわけではなくて、連絡をとり合いながら、必要なときだけ集まって、ふだんは別々の場所で、例えば地域農業研究センターは岩手とかあちこちにあるものですから、その人たちが連絡をとり合って、たまに会議とか、実際の現場で実証の成果をみたりするときに集まろうということで、いつもは集まっていないということで、仮想という意味です。
それから、人件費率は6割弱でございます。具体的に申し上げますと、研究者もございますし、ほ場を運営したりしますので、作業の補助者もおりますので、全体として6割弱がこの交付金の中での人件費の比率でございまして、残りは光熱費などがございますが、あとは研究費が中心になってお金が使われております。
また、研究者についての硬直性といいますか、例えば、できるだけ若いうちでないと新しいアイデアなり研究成果が出てこないのではないかということで……。
(秋岡委員)
本体の農水省の人事体系と、研究所が一般の民間企業に伍してやっていくための人事システムというのは、多分全く違うと思うのです。その辺はどうなるのでしょうか。
(長谷川技術政策課長)
その点につきましては、独立行政法人でございますので、それぞれの採用などは各法人に基本的に任されております。例えば流動研究員というその分野の言葉があるのですが、例えば部長でしたら、最近は公募制をとったりするとか、若い人については任期付きの研究員ということで、3年とか5年とかほかのところから来ていただいてという形で、いわゆる定員のようなものもかなり法人が自由に定められるようになってきておりますし、いろいろな新しい分野の人を入れる工夫はしております。これはまだ比率は少ないわけですが、そういう動きも大分盛んになってきておりますし、私どもといたしましても、そういう動きをどんどん進めていくようにと考えております。逆にいえば、私どもの独立行政法人から大学ですとかほかの法人なりにもどんどん出ていってほしいと考えているところでございます。
(今村座長)
ありがとうございました。皆さん、特に土地改良については大分厳しいご意見をいただきまして、それはよくわかるのですが、来年度に向けてこの政策を評価するに当たって、どうしたらいいか。少し優しく、「こうしたらいかがですか」といったご提言やご助言をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
(田中委員)
そういう意味では余り優しくないんですけれど。総合評価は、非常に難しいし、重要だと思います。まず、やっている研究の総体をどうみるか。個々のそれは非常にわかりやすいけれど、では、技術会議として8つもある研究所の成果を、有効性はどうなのか、必要性はどうなのか、効率性はどうなのかというのをトータルに評価するというのは、どういうふうにするのか、私はこれをみただけではなかなかわからないんです。その辺は一挙によくなることはないと思います。できるとは思わない。しかし、これも初めておやりになることですし。ですから、今回はこういう切り口で全体の私たちの研究の評価をしてみましたということが、抽象的な言葉でなくて、わかる形でおやりになったら、それは成功か失敗かというのは両方あり得るけれど、しかし、いずれにしても初めてだし、農水省の評価の姿勢が、そもそも歩きながら考えて、評価自体のやり方も見直しながらやるという基本姿勢だったと私は理解しています。これは非常に重要なことなので、特に技術会議の関係などはその色彩がなお強いのだろうと思います。
ですから、一般の文部科学省なり大学などの研究も参考にしながら、彼らがどういう評価の仕方をしているか、まず評価の仕方からやってみて、しかも、個々の研究の評価はいっぱいあるわけですが、それを技術会議としてトータルとして8つの研究機関を把握するというときに、必要性・有効性・効率性について初めてやるときに、切り口を明確にしておかれた方が、次回にまたやるときにも非常に参考になるのではないか。
ただ、私は、具体的にこれをどうやれというのは、このペーパーをみただけではとてもよくわからないので、基本的なデータを示してほしいというのは、そういう意味もあって申し上げたんです。
(森本委員)
基本的には秋岡先生がいわれたことがベストだと思いますが、土地改良事業でも何でもそうなんですけれど、それだけの税金を使って土地改良をしたことによって生産性が上がる、コストが下がった、だからその後、国民の皆様方にこういうものがこういう価格体系の中で、本来であればこれだけの手間がかかるわけですから、1本 100円するキュウリが70円でとか。その辺のことを国民の人たちがみて、使われたお金が、これは農業に対してだけの助成とか補助金という位置づけではなく、この使われたことが回って、基本的には私たちの生活にすごく貢献してくれているのだなと。そういうふうに回っているということを実感させるように――土地改良事業というのは、基本的には恐らくそういうものなのだと思うんです。ですから、そこの根底を踏み外さないように、何もかもよくなったじゃなくて、よくなったのであれば、どの部分がどういう形でよくなって、国民の皆様方にちゃんとできています、ただ、この部分に関してはまだちゃんとした答えが出ていませんとか、そういうことも明確に出す。
それは技術会議も同じだと思います。大豆なり麦なりができてきて、量がたくさんとれればそれは生産者も助かりますけれど、消費者の方々にも、国内産の大豆や麦が今よりも安い値段で供給されるということになってくれば、それは土地利用型農業にもいいことだし、国民にとってもいいことだと。だから、基本的にはそういうお金が日本全体の中で生かされているという部分、そこがないと、私たち農業者がきついのは、「農業だけ特別にお金が使われている」といわれるのがすごくつらいところがあるんです。
だから、私は、今の基本計画の見直しの中でも、この前ご発言させていただいたんですが、国民の方々が、これは補助金ではなくて投資なのだと。数年後に訪れるかもしれない食料問題に対して、自分たちの食料安全保障の観点からみて、これは投資なのだと。今は直接的に自分たちに関係はないかもしれないけれど、やはりいついかなるときのために、優良農地を確保していかなければいけないし、農家の人数もある程度確保していかなければならないというのは、農家だけの問題ではなくて、これは国民全体の食料安全保障なのだよと。
話がちょっと大きくなりましたけれど、円が回ることが一番大事で、そういう中で事業を進めないと、ひとりよがりの、一生懸命やったことが、農家からすれば「土建屋だけがもうけただけだよ」という話になっては、せっかくの土地改良事業も変なふうになりますので、その辺のところを踏まえて、みんなが理解できるようなこれから先のつくり方にもっていければいいのかと思います。
(田中委員)
土地改良でいえば、国費を使い、地方の経費も使い、非常に低利の融資もし、本当の負担というのはせいぜい5%か10%ぐらいでしょう。この総合評価でなぜそれほどのことまでしてこの土地改良をやっているかということが立証されることが非常に重要だと思うのです。ほかの分野で、私有財産に対してここまで面倒みるということはおよそ余り聞かないですね。ですから、そういうことがまずベースとしてあって、それでせっかく資料をつくられて、進捗率のいいところとやっていないところとで米の生産性は余り変わらない、逆のところもありますと。こういう資料を出せばいいということではなくて、そういうことがトータルとしてどういうことだと。
土地改良全体としてみたときに、本当に有効だったとか、少々耕作放棄地ができても、それは日本の制度からいってやむを得ないのか。そういうこともあると思うのですが、しかし、トータルとしてみたときに、あの表をみせられただけでは、やっているところもやっていないところもある、生産性の高いところが結構やっていないわけで、一生懸命やっているところが生産性が低いみたいな話だと、説明がつかないんですね。
そういうものがトータルとして説明されないと。それをどうしたらいいかということを考えられるのがご担当の仕事だと思うのです。ただ、そのことは少なくともきょうの中間報告では説明する努力はしておられるのでしょうけれど、私たちには必ずしもピンと伝わらないということだと思います。勝手なことを再三いって申しわけないですけれど、そういう感じがしております。
(加藤委員)
先ほど森本さんと田中先生がともにおっしゃったことが非常に大事だと思います。私も、土地の問題についていえば、税金が使われている、しかも、今、田中先生がおっしゃったように、多額の税金が使われていて、しかも、それが効果が必ずしもみえてこないと。場合によってはそれがあっという間に別のものになっていってしまう。
先ほど森本さんが、農家にしてみると、国民から農家に非常に不透明なお金がたくさん使われているといわれるのが非常に嫌だとおっしゃいましたけれど、私はずっと都市に住んでいるわけですが、都市住民からすると、東京首都圏でいえば、森本さんなどからみれば猫の額にもならないような狭いところに何千万というお金をかけて、しかも、若いサラリーマンが何千万というローンを抱えて四苦八苦して生きていると。そして、ちょっと郊外に行くとお百姓さんがいて、そこはたくさんの土地をもっていて、庭をみるとベンツが3台ぐらい並んでいて、税金は、農地だということで極めて安くてと。都市住民にしてみれば、そういうのを常日ごろみているわけですね。これは農水省の職員の皆さんだって似たような思いをしている人もたくさんいると思いますけれど。
そういうのをみていると、やっぱり不公平だなということで、税金の使われ方として変だと。ですから、森本さんのおっしゃるような、都市住民の怨嗟が農民に行くという場合があるんですね。けれど、それは少し感情的な問題やら誤認の問題やらいろいろあるでしょうけれど、私自身は、両先生がおっしゃったように、税金が使われているということに対する感覚がもっともっと研ぎ澄まされる必要があるんじゃないかと。
もう1つ、まさに座長が先ほどおっしゃったように、土地については特に総合的ということが非常に大事だと。私も、全くそのとおりだと思います。
(大山委員)
政策評価をあちこちでやっていて、総務省の評価の評価ですか、全省庁の評価をやったのをみせてもらったのですが、こんな膨大な資料で、何が書いてあるかというと、要するに、どこそこの省は何件の事業評価をしたと。それで、評価の評価になっていないんですね。目標があったかなかったかとか、達成度が何とかでとかということで、評価を評価するというのが本来の目的にもかかわらず、それになっていないわけです。
どうしてそうなっていないかというと、世の中でまだ評価自体が確立していないということがもちろん大きいと思うのですが、ある意味ではそれはチャンスだと思うのです。あちこちの省庁をみますと、例えば経産省なんていうのは割と自分たち独自でやっているということをいっているわけですから、それの是非はともかく、農水省の評価というのは1つの特徴がある、それを常に頭に入れていただくのがいいんじゃないかと思います。
そのためには、さっき皆川課長がおっしゃったんでけれど、例としては、総合評価として自給率や耕地利用率とかに注目しましたと。それで、何とか局という担当という形でやると、しょうがないのかもしれないんでけれど、どうしても自分たちの施策に関しては、まずかったとか否定したくないというのは十分わかるのですが、もうちょっと勇気をもてば、自分たちがやったいろいろなプロセスで注目をする、またいろいろな基準でみれば、全部がマイナスということはまずあり得ないわけです。だから、何がプラスであって、何がマイナスであったかということを明らかにする。
それは1つの局の責任でも何でもないと思います。そういうところで1つの農水省の特徴を出していただいて、それでこれは自分たちの評価だということをアピールされるのがいいんじゃないかと思います。RIAなんていうのはある意味ではいい機会ではないかと思いますので、日本のほかの役所のものに注目するのではなくて、もうちょっと外をみるとか、私が今農水省でみている範囲では、体系化という形で政策ツリーとかという言い方もしておられるみたいですけれど、あれもある意味では、問題点はあるとしても、1つのきっかけにはなるのではないかとは思いますが、「農水省としての評価はこうだ」ということを心がけていただくのがいいのではないかと思います。ある意味ではいいチャンスではないかと思います。
(大木委員)
遅くなって来て済みませんでした。皆さんのご意見を伺っていて、ごもっともだなと思いました。特に森本さんが、国民全体の食料のためにこれが必要なんだよということがわかるようなというのは、それもそうだなと思ったんです。
ただ、1つだけ、独立行政法人で小麦の研究などを一生懸命なさっている。今から自給率を高めるには、お米ではなくて、大豆や小麦をどんどんやっていきましょうということにはなっているんですが、果たして国民が、今までお米のことは、小学校から稲の研究をしたりとか田んぼをつくったりとか、夏休みに鉢で植えたりとか、みんなよくわかっているんですが、同じものであっても、麦については全くわかっていない。理解していないですよね。
麦をみて、「大麦ですか、小麦ですか、二条麦ですか」と聞かれても、畑がないんですからわからないわけですよね。その辺の教育というものから、麦に意識をもたせるためにはやっていくというのは、この中でどこの予算に入るのかなと思ってみていたのですが。独立法人というのは「国民にサービスを」ということにもなっているわけで、その国民につながっていかなければいけないと思います。そこのところで、小さいことかもしれませんが、一番大事な一般の国民は、麦はほとんど日本でつくられていないということを知っている人はいないんです。90何%が輸入であって、日本の国ではほんのわずかしかつくられていないなんて、実際のところそういう意識もしていないんです。
ですから、こういう教育というものからやっていかないと、「自給率が大事なのだ」というところにつながっていかないので、こういう予算やPRというのは、どういうところでやっていくのでしょうというのが、私はこの資料をみてわからなかったものですから、その辺のところはどうなのでしょうかということをお聞きしたいと思います。
(皆川企画評価課長)
この技術開発自体の成果なりをどういう媒体でというのは、1つの小さな課題としてあるのでしょうが、後でご説明する基本計画の見直しなりの中で、最終的に我々も食料自給率を向上させたいという意図をもっていろいろやっている中で、今おっしゃったような、例えば、食育という中で、生産過程に国民の目を向けてもらうという努力をもっとするとか、学校教育でもっと働きかけをするとか、そういうことをあわせてやらないと、いいものをつくっても消費者や国民に理解されなければ、結局、消費に結びつかないということだと思います。
そういう意味では、幅広い基本計画、さらには策定過程、そして策定した後も、国民に対してどういう媒体、どういうプロセスを経て訴えていくかという中で、具体化をしていきたいなと思っています。
(秋岡委員)
これを両方あわせて何かいえばいいんですか。
(今村座長)
ええ。できたら前者の方にコメントが少ないものですから。
(秋岡委員)
前者の方は、国民というか、みんな何となく自分の食の安全を守るためにはコストがかかるんだというのは最近わかってきているので、これだけお金を出したから幾ら安くなりますというように、必ずしも幾らとはっきりいわなくても大丈夫だとは思うのですが、ただ、3割も生産コストが下がるのだったら何かあるんじゃないかと思った程度のことなんですけれど。
ですから、これには最後に、何となく国民に対しては食料の安定供給の確保、量・質、安全、低価格とか書いてありますけれど、きっと何でも結論はこれになっちゃうと思うのですが、こういう目に見えないものが国民への効果となるのだったら、できれば最後に消費安全局か何かが「確かにそうだ」とか一筆書いてもらって、別の視点からチェックをして、その人たちもそう思うし、でも、もしかして消費安全局は「こんなのに 1,000億も使うのだったら、私たちのこっちに 1,000億くれた方がいい」とかというコメントがあるなら、そうやって厳しくコメントし合っていただくのもいいのかなと思いました。
後者については、さっき人件費率6割ですといわれても、単純に計算すると、これは1個の会社ではないんですけれど、人件費を1日1億払っていることになるんですね。ボーナスが6カ月出るとして、毎月27億円の人件費が発生して、稼働日が20日とすると、単純にまず1億円ぐらいこの何とか研究所に人件費が出ているとするとすごい金額なので、アラブの石油王みたいにすごいお金の使い方で、この辺は独立行政法人としてやっていく経営の責任というのはすごく問われると思うので、このあたりのビジネスモデルみたいなものは早急に説明できるようになった方がいいかなと思いました。
(農村振興局齋藤農村整備総合調整室長)
先ほどの資料の説明が若干不十分だったということだと思うのですが、誤解されている面もあるのではないかと思いまして、植田室長の説明を補足させていただきたいと思います。
資料3-2の7ページにつきましては、下のグラフは水稲の収量の全体量をあらわしておりまして、ここで言いたかったことは、新潟とか秋田とか宮城といった、日本人にとっておいしいお米を提供してくれる米どころのところでも、まだこんなにほ場整備の率は低いということです。ほ場整備の率が低いと、今、高齢化になっている中で、担い手に農地の利用集積もできない。未整備田であれば作業受委託で受ける人もいませんし、担い手としてもそんな大規模に未整備の耕作放棄地が出てくるものを請け負って農業を展開するというわけにもいきません。そういうことを申し上げたかった資料でございまして。
(田中委員)
そうであるなら私は誤解していたかもわかりませんが、単位の収穫量であるとか……。私が言いたかったことは、この表は何を表現したいかがわからないということなんです。
(農村振興局齋藤農村整備総合調整室長)
そういう点を踏まえて直していきたいと思っております。
それから、もう1点ですが、これも私どもの説明が不十分で申しわけなかったのですが、18ページでございますけれど、水田整備率と耕作放棄地の率の関係をあらわしておりますが、この耕作放棄地率というのは、集落内の耕作放棄地でございまして、耕作放棄地というのは1年間作物を植えていないと耕作放棄地となりますので、そういう定義でやっていますが、必ずしもほ場整備をやった中で発生しているというわけではございません。
(田中委員)
それが知りたいんですよ。
(農村振興局齋藤農村整備総合調整室長)
、そういったことがわかるような形で次回整理していきたいと思いますが、そういう数字で整理してあるということでございます。
それから、もう1点ですが、少し説明させていただきますと、土地改良事業の予算でございますけれど、ピーク時には1兆 2,000億円以上ございました。今は 8,300億円ということで、ピーク時に比べますと3割以上減っております。特にほ場整備については、これも 2,000億円ぐらいの予算でやっていた時もあったのですが、今は 900億円ということで、半分以下になっています。
中身的にも相当ソフト政策に重点を置いておりまして、ほ場整備の予算の中でも、地域でほ場整備を計画するときに、将来、だれがこの水田を担っていくのかということを十分議論するようにしています。どういう人たちが農地を所有して耕作しているかというのを地図に全部色塗りしてみると、70代の人がもっていたり、80代の人がもっていると。そして、10年後はその人たちはどうするんですかと聞くわけです。そうすると、「私は10年先のことまで考えていない」とおっしゃる農家の人たちもいらっしゃるわけですが、その10年後を考えてみんなで話し合って、「こういう担い手がいるから、ここに集約しよう」とか、「農業生産法人に委託していくようにしよう」とか、そういう話し合いをするようにしております。
その中で、担い手に農地を集積するということであれば、そういう70代や80代の人たちが営農している農地をその担い手の周りに換地という手法で集積するなり、農業生産法人に将来耕作放棄になるような農地を集めておいて、そこで一体的な営農ができると。そういう将来の農地の利用形態を考えるソフトの議論に重点を置いて、そういうことをきちんとするところでなければ、もうほ場整備はやらないと。単に土地の区画形質をよくして、道路を通したいからと、そういう観点からほ場整備に手を挙げられても困る、ということで私どもはやっております。
それから、コストの面につきましても、長野県の栄村の話がございましたけれど、単に何枚かの田んぼを1枚にするということであればコストは非常に低くなります。ただ、そこに道路を通したりとか、用排水路もきちんと分離して、それぞれ個々の農家が農業用水を管理できるようにするということであれば、これはまたコストが違います。その辺で、やる整備水準によってコストは当然違ってくるわけでございますので、地域の人たちが、先ほど農家負担の問題もございましたので、どういうものでこの地域をやるのがいいのかということも十分話し合ってもらって、全てを土建業者に出すのではなくて、こういう工事だったら自分たちでできるよということであれば、そこは農家の人たちにやってもらうということも、今、取り入れてやっています。
そういうことで、いろいろと改善は図らせていただいております。ほ場整備もかなり昔とは変わってきておりますということを申し上げたかったのですが、いずれにしましても、きょういろいろご意見をちょうだいしましたので、さらに検討を加えたいと思います。
(大山委員)
おっしゃることは非常によくわかるのですけれど、こういうものを出していただいて、いろいろな情報を提供していただいたわけですし。ですから、こういう情報というのはもっと有効に使った方がいいですね。
それから、後ろのグラフなどは、前の都道府県とあわせてプロットする形で、片一方に水田整備率と片一方に放棄地率を置いて、そういう情報から何かの分析を出していただくとか。情報を一番もっておられるわけですから、その辺で政策を評価していただくというのがいいと思います。
(農村振興局齋藤農村整備総合整備室長)
十分工夫させていただきたいと思います。
(森本委員)
資料が自己満足にみえるんだよね。
(田中委員)
何をいいたいのかということが必ずしもよくわからない、ということだけ申し上げておきます。せっかく優秀な皆さんがつくるんですから。
(今村座長)
それでは、ここで10分ほど休憩したいと思います。
(暫時休憩)
(今村座長)
それでは、再開いたしたいと思います。
続きまして、本年度より新たに実施されます総合評価3課題につきまして、それぞれ総合食料局、生産局、そして経営局よりご説明いただきたいと思います。
まず初めに、総合食料局からお話をお願いします。
(中村食料企画課長)
では、資料5「総合評価 食料自給率目標の状況の検証(案)」でご説明させていただきます。
その2ページ目を先にお開きいただきたいと思います。一番上に、食料自給率ということで、品目別の自給率と穀物自給率と総合食料自給率が書いてございます。一番注目されていますのが、[ 3 ]総合食料自給率のうちカロリーベースのものでございます。45%目標と呼ばれるのがこの関係です。
真ん中の○のところをごらんいただきたいのですが、基本法ということで、15条の条文を掲げてありまして、その第3項が書いてありますけれど、「自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めるものとする」ということでございます。
この規定を受けまして、平成12年3月の基本計画におきまして、消費者が取り組むべき課題というものをちゃんと明示しまして、その上で、望ましい食料消費の姿というものを提示しております。もう1つ、生産者側が取り組むべき課題というものも明示をし、その課題が解決された場合に到達可能な水準として、生産努力目標というものを掲げてございます。
その両方が仮にうまくいったというときの目標として、その下にございますように、食料自給率の目標というものを掲げているわけでございます。ここには書いてございませんが、品目ごとにも、米、麦、大豆、その他、どういう自給率になっていくというものを掲げてありますが、一番注目されておりますのは、一番上のカロリーベース45%というところでございます。
そして、1枚目に戻っていただきますが、3の評価内容でございます。今回、基本計画の見直しを行うこととなっております。ということで、「具体的には」ということで書いてございますが、特にカロリーベースが一番の注目点でございます。カロリーベースの総合食料自給率、そしてそのベースになります品目別の自給率の状況と、今なぜそういう状況になっているかということを、課題の解決状況の面を中心に詳しく検証して、これを次の基本計画の見直しというところにもつなげていきたいと考えております。
スケジュールは、基本計画議論に間に合うようにやりたいということでございます。
(今村座長)
ありがとうございました。
次に、佐南谷生産政策室長からお願いいたします。
(佐南谷生産政策室長)
引き続きまして、耕地利用率目標の検証につきましてご説明を申し上げます。
資料6の2ページ目をごらんいただきたいと思います。食料自給率の目標と申しますのは、今の説明にもありましたように、生産面、食料消費面、こういった両方の柱によって支えられておりまして、この食料自給率目標といいますのは、こういった農業生産、食料消費の指針としての性格をもっているということでございます。
このうちの農業生産の努力目標につきましては、説明が重なる部分がございますけれど、一定の前提条件を置きまして、比率の向上とかコストの引き下げなどに取り組みまして、実現可能な国内生産の水準というものを考えまして、こういった国内生産の水準に対応する農地の利用面の側面――作付面積、耕地利用率、農地面積といったものにつきまして数値化したものでございます。
具体的には、耕地利用率目標というところにございますように、平成22年の目標といたしまして、今のところ 105%という耕地利用率の目標を出しております。これはどういう形で出てきたかということでございますが、今申し上げました農業生産の努力目標に対応いたします必要な延べ作付面積というものを作物ごとに積み上げまして、その当時、計算いたしましたところによりますと、平成22年には 495万ヘクタールという作付をする必要があり、農地面積につきましては、その当時の農地の実態といたしましては 495万ヘクタールございまして、農地が非常に減少傾向にあったわけでございますが、それにつきまして一定の抑制の努力を行いまして、平成22年では 470万ヘクタークの農地があると。こういう見込みの上に、結果的に利用率が 105%になると。こういう形で利用率を出しております。
細かい説明は省きますが、その右側の表にございますように、昭和60年以降、耕地利用率というのは非常に減少の一途をたどっておりまして、平成10年以降は横ばいに推移しております。これは左端の下に耕地利用率の技術的な定義を書いておりますが、耕地面積、畦畔込みの面積に対する延べ作付面積ということで出しておりますので、95%ぐらいで下げどまっているというのは、ある意味では、農地を1回耕しているという状況にあるということを意味しております。今までの農地利用率の推移がこういったことになってきていることを分析していきたいと思っております。
1ページにお戻りいただきたいのですが、評価内容といたしましては、平成9~14年度までの耕地利用率の目標の状況を農地面積と作付面積の両方の観点から検証いたしまして、農地確保の状況に係る分析、国内生産の状況に係る分析を行いまして、耕地利用率と生産努力目標の関連性、政策の有効性等につきまして明らかにし、基本計画の見直しにつなげていきたいと考えております。
(今村座長)
ありがとうございました。
次に、経営局の今井経営政策課長からお願いいたします。
(今井経営政策課長)
今井でございます。総合評価の3番目のテーマの「望ましい農業構造の確立の検証」の方針についてを資料7でご説明したいと思います。
1ページの1に現行の政策内容と書いてございますが、食料・農業・農村基本法におきまして、望ましい農業構造につきましては、1~2行目に書いてございますように、「効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立する」という方向づけがなされております。基本法の条文ですので非常に抽象的なわけですけれど、その具体的なイメージはどういうものかもあわせて示す必要があるということで、平成12年3月の食料・農業・農村基本計画を策定した際に、同時に、「農業構造の展望」というものを具体的な姿として示しておりまして、その中では、効率的かつ安定的な農業経営の数というのはどのくらいになるのだとか、その経営規模はどのくらいか、全耕地面積に占める効率的かつ安定的な農業経営の耕地面積シェアはどの程度になるのか、そういう基本要素を示しております。
具体的には、2ページですが、これはいろいろなところで現行の農政の枠組みを説明する際に用いている絵ですけれど、平成22年というところをみていただきますと、効率的かつ安定的な農業経営というのを家族経営で33~37万、法人生産組織で3~4万ということで、あわせて40万程度を育成しますということです。
3ページですが、それだけではまだ抽象的なものですから、営農類型別に、経営形態別に、どのようなイメージになるのかということで、例えば水田作でいきますと、北海道では21ヘクタール程度の1万戸程度の農家が耕地面積の9割を占めるといった、こういうものを示しているということでございます。これが現行の政策の示している内容ということでございます。
1ページに戻っていただきまして、では、なぜこれを総合評価のテーマに選んだかといいますと、冒頭、皆川課長からも話がありましたけれど、今、基本計画の見直し作業が始まっているわけですが、先ほどご説明いたしましたように、農業構造の展望というのは、食料・農業・農村基本計画とセットのものとして4年前に示しておりますので、それとあわせて検証を行うことが適切であろうということでございます。
3として、では、どういうことを評価していくのかということになります。先ほど、2ページ、3ページでご説明しましたような数字に対して、それは22年の姿ですが、では、現時点でそれに対してどんな進捗状況になっているのかという現状の分析と、それを進めるために、この政策評価会でも、構造政策に関係しましては、農地流動化がどうなっているのかとか、認定農業者の認定状況がどうだとか、新規就農者の就農状況がどうだといった実績評価をこの場でも何回かご議論願っておりますが、そういった施策の効果が出ているのか、出ていないのか。そんなことを評価していってはどうかと考えております。
そして、4の今後の方針といたしまして、そういった検証・評価を来年の3月に向けて今基本計画の見直しをしているわけですが、それにあわせまして、この農業構造の展望というものをどのように来年の3月の時点で考えていったらいいのかとか、それを推進するための諸施策のあり方もどのように改善していったらいいのか、そういう検討に活用していきたいということでございます。
(今村座長)
ありがとうございました。
ただいま3課題述べられましたが、これは現在始まっております基本計画の新しい策定に向けての議論と大いにかかわるものですから、最後の資料で、皆川企画評価課長から最近の状況についてご説明いただいた上で、あわせて総合討議をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(皆川企画評価課長)
資料ナンバーがついていない資料ですが、「新たな食料・農業・農村基本計画の策定について」をお開きいただきたいと思います。
1ページをお開きいただくと、基本法が11年7月にできまして、12年3月に基本計画が閣議決定されました。その内容は、施策の基本的な方針、食料自給率目標、そしてこれとの関係で、構造展望、経営展望といったもの、そして農地の確保指針といったものが同時に出されておりまして、自給率の目標というものを核としながら、さまざまな施策方針というものが立てられているということでございます。
あとは、それぞれの具体施策について、こういった方向で展開をしていきますといったことを書いております。それを今回、17年3月というのはちょうど5年目の見直しのタイミングでもあるわけで、その後の情勢変化、そして現行基本計画に基づく施策の評価といったものを行った上で、来年の3月に新基本計画として閣議決定にこぎつけたいということで、昨年の12月9日に食料・農業・農村政策審議会に大臣から諮問をしたという状況でございます。
かなり長丁場の議論でございますので、これからはどういう形でやっていくかということを先に申し上げますと、施策の指針としての自給率の目標を、これは法定事項でありますから、どういう形で立てるかということも評価をした上でやるわけでございますが、その議論ばかりやっておりますと、どういう施策を打っていくのかという内容面についてスピード感をもって新しい施策を立てていくということはなかなかできかねますので、年の前半では、3つの大きな課題について、政策の方向性を定めるということを重点として、この夏までの議論を政策審議会の方ではしたいと思っております。
そして、夏以降においては、その部分でのさらなる詰めもありますし、それ以外に――一番右側から2つ目の柱の中に白抜きで、品目横断的な政策への転換、担い手・農地制度の改革、農業環境・資源の保全対策の確立といった3つの施策が書いてありますが、こういった課題以外の課題、さらには、まさに政策指針としての目標の設定――自給率目標をどう立てるか、そういったことをこの年の後半に政策審議会の方でも議論いただいて、来年の3月の閣議決定といった順番で今考えているわけです。
そこで、今回、その次のページをごらんいただきますと、施策指針としての目標設定ということではなく、新しい施策展開方向としてどういうことを考えているかということにつきましては、1にありますように、食の安全・安心と安定供給の確保ということについての施策が非常に大事で、その中身として、表示ですとか食育の問題、トレーサビリティの問題というのが、この5年間、策定後の大きな情勢変化、特に安全・安心の揺らぎというものを踏まえて書いていかなければいけないわけですし、また、長い意味でいいますと、国際関係の中で、国境の措置によって関税を高く張ることによって長期にわたって農業生産を守っていくということ自体、なかなか制約が強まっていますので、そういう意味でも、消費者と農業との結びつきをいかに強化していくかということを大きな施策の柱にしたいと思っているわけです。
2の食料産業の持続的な発展の中の農業の競争力強化ということですが、先ほど今井課長からもありましたような、効率的で安定的な農業経営が相当部分を担う農業構造をつくるのだと。こういうことによって、農業がそれなりに国民に支持されて、ある程度の効率性をもちという形の農業経営が継続していくのだという姿をつくろうと思っているわけですが、その点について、今後も検証の中でも出てきますが、土地利用型の農業分野という中では、そういう農業構造ができていない。また、効率的かつ安定的な農業経営というものがしっかりと育成されているわけではないという現状を踏まえて、私どもとしては、今回の新しい施策の中では、そこの一番下の○の担い手の農業経営に対する支援の体系的整備ということについて大きな課題として位置づけて、主要3課題といっておりますが、ここで徹底的な議論をしたいということでございます。
「品目横断」ということについてはなかなかご理解いただきにくい表現ですが、どういうことかと申しますと、品目ごとに、例えば関税を高く張る、そして、もし関税での守り方では足りなければ、そこに品目ごとにいろいろな意味での支援策をつけて、品目にいわゆるかさ上げをして農家を支持するというやり方をしてきたわけですが、これに関しての制約が非常に強まってきていると。WTOの農業交渉などをみてもそうでございますし。また、その品目ごとにやっていくということについての農業経営に対する自由度をもっと上げていくべきではないかといった議論もある。
そういう意味で、例えば、水田農業ですとか畑作農業ということになりますと、1品目だけつくっているわけではなく、いろいろな品目を組み合わせながらつくっているという実態がありますので、品目ごとではなく、品目をまたがった政策に転換していこうという意味でございます。
そういった経営を直に支えていくような政策をどう強化していくかということが1つです。
それから、[ 2 ]ページの(2) で「農業環境・資源の保全」という言い方をしていますけれど、どういうことかと申しますと、農業生産の基盤である農地というものをいかに確保していくかということについて、これは後で出てまいります農地制度の問題とも関係しますが、そういった農地をいかにしっかり守っていくのかということ、さらには、農地なりそこに引かれている水というものは、今までは集落を単位とした形で利活用が図られてきたということがあるわけですが、担い手への経営の集約ということが進んだ中で、一方で、地域全体で守っていくというやり方がもう一段なければいけないのではないか。そういう意味で、資源の維持・保全ということをいっております。
また、一面で、多面的機能の発揮ということも非常に重視しているわけですが、その多面的機能をちゃんと維持していくという観点からも、地域として、農業資源――農地なり水、まさには農村環境、そういうものを守っていく活動をいかに支えていくか。ですから、先ほどの担い手というものは人なり経営に対する政策ですが、こちらの方は地域に対する政策といってもいいかもしれませんけれど、そういう2つの政策をバランスをとって打ち出したいと。
さらに、もう1点、(2) の一番上、農地の確保及び有効利用でございます。これは先ほど来、加藤委員からもご指摘があった点にもつながるわけですが、農地にどういう人が参入をしてくるのか、参入の障壁としてどう設定するべきか。また、農地を農地として利用してもらう。それが野放図に転用されてしまうということについて、今のままの状況でいいのか。そういうさまざまな農地制度に関する議論があるわけです。
また、農地制度については、例えば株式会社の農業参入をどうするかといった、外から課題として提起されている問題がありますし、また、特区制度という形で、リース方式での株式会社の参入ということがもう既に始まっているわけですが、こういうものについてどう評価して、農業として多様な担い手の確保という観点でそういったものについてどう対処するのか。そういうことについてもあわせて議論をしていきたいということで、1つ前のページに戻っていただきまして、そういった施策の抜本的改革ということで、品目横断的な政策――特に土地利用型農業の担い手に対する経営を直接みた政策というものをどう打ち立てていくか。
また、そういった農業が展開される農地というものをどのようにしっかり管理するのか。また、農業への参入をだれに対してどのように認めていくのか。さらには、最後にあります経営の集約ということとあわせて、一方で地域全体で守られてきたという部分について、経営支援ということとは別個の観点から、地域としての施策というものを打ち立てていく。
こういった3つの政策について新しい方向性を立てるというのが、年前半の課題であるわけです。
そして、それ以外のさまざまな課題及び政策評価の結果出てくる目標の設定のあり方――まさに自給率というものをどう定めていくべきか、また、どうそれを国民に表現していくべきか、そういったことについての議論が年の後半に控えているわけです。そのために、総合評価として、先ほど申しました自給率自体の検証もございますし、耕地利用率なり農業構造といったものについての検証結果を政策審議会における新しい基本計画の策定のプロセスの中に、年後半の議論に反映をさせていただくということで、各局が本日説明いたしましたが、その結果についての議論も適切な時期に、評価会でもいただいて、その結果をまた政策審議会の方にはご報告させていただく、ということで私どもとしては取り組みたいということでございます。
資料が非常に大部で、また、もう少しかみ砕きませんと、これをこのままの形でご理解いただくには、のみ込みやすい資料ではないので、きょうは時間の都合もありますので、これについてはもう少しわかりやすい形で解説したものなり、また、ご指摘を踏まえて追加的にご説明させていただく機会を設けたいと思っております。
(今村座長)
ありがとうございました。
以上、4つの報告について、どなたからでも、ご質問やご意見をいただきたいと思います。
(森本委員)
自給率の問題ですが、この前も基本計画のときに話したんですけれど、これはあくまで農業者とか国会議員の先生とか農水省が45がいいとか、民主党は50にしろとかという話の中で、結局、45に何年か前になったと思います。じゃなくて、本来、私はそこの45%にどういう意味があるのかということをちゃんと国民が理解した中で数字の設定をしなければ、あってもなくても一緒だったと思うんです。到底到達できないような目標であれば、ないのと一緒なんですよね。
だから、この45%というのは自分たちが将来にわたって食料を安定的に供給していただくために、最低どのくらい日本には食料自給率というものがなければいけないのかとか、日本の中で土地利用を 100以上に上げたとしても、日本の中で自給率というのはパーセントとして 100は絶対あり得ないわけですから、だったら、どこまではできるのか、また、どこまでやらなければ、これから将来にわたっていつ問題が出てくるかわからないよということを考えたときは、これは国民が入らなければこの問題は到底クリアできないと思います。
この前のときも、私は青年部の会長をしていてその話をしたんですが、この自給率の問題を農水省などが一生懸命やっているときに、マスコミは何をやっていたか。警察官が女の子のスカートの中を写したとか、毎日そんなことばかりですよ。片一方では、国の将来の食料という根幹を決めるような話をしているのに、それよりも国民に伝えられる情報というのは、警察官のそういった不祥事とか、そういう問題ばっかりですよ。
ですから、もう1回思い切って、国民を巻き込んだ中で基本法をつくっていくということのスタンスをちゃんとしていかないと、どういうものをつくっても、結果的にはまた何年後かには見直しをしなければならない。それの繰り返しにしかならないのだと思います。食料自給率に関しても、42でも43でも40でも現状維持でも結構です。私たち生産者は自分の分は自分でつくれるから構わないんですよ。本来、一番困るのは国民なんですから、国民がその問題意識をもって、今度の基本法の見直しに関しても、積極的に、消費者代表みたいな形で大木先生あたりもおられますし、世論を巻き込みながらやっていかないと、この自給率の数字の設定なんていうのは机上の空論でしかない。
ですから、数字の何%が正しいとか正しくないとかというよりも、そこに至るプロセスを、足が地についたような状態で国民議論の中でそこに到達するということが大事なことだという気がいたしますので、基本計画の中でもそういう話もいろいろしていきたいとは思っております。
(加藤委員)
先ほども申しましたように、自給率、耕地利用率、望ましい農業構造というこの3つはとてもいい選択だなと私は思っていまして、私自身もこの議論に参加することに、また、専門の皆様方からいろいろなデータをみせていただいたり教えていただくことに非常にわくわくしています。まず、それが第1点です。
第2点は、今、森本さんがおっしゃった国民を巻き込むということは非常に大事なことだと思います。国民といっても、農業も非農業の人も含めて巻き込んでいく。しばらく前までの農水省というのはサプライサイドが中心で行政をやっていたんじゃないかなという印象を外からみてもっていたんですが、最近の農林水産省の行政というのは、サプライサイドだけではなく、ディマンドサイド、消費者サイド、さらにもうちょっと広げて私のような環境問題をやっているような人間も呼び込むということで、広がってきたというのはとてもいいと思います。そういう意味で、幅広くやっていくべきだと思います。
私のように環境問題をやっている人間からみると、今の状況だけを前提にすれば45%というのはほとんど達成不可能だと思うのですが、ただ、地球環境の悪化とか、地球全体の耕地の減少――それは日本だけでなく、世界全体も耕地が減少している。それから、気候変動の悪化に伴う水資源の問題とか、さまざまなことを考えますと、いつごろそうなるかはわからないですが、私の個人的な感じだと、多分10年から、どんなに長くても20年以内に、非常に激しく地球全体の食料生産の基盤がおかしくなる。簡単にいうと、食料危機みたいなものが地球規模で起こってくるだろうと。そうすると、もう45%だとか何とかいっちゃいられないということになるわけですね。
今は食料が周りにあふれていて、一応、金を出せばどこからでも買ってこられるような状況だと、自給率は40%を維持するのが精いっぱいというのが農水省の感覚だと思うのですが、おそらく10年、もしかすると10年よりもっと早いかもしれませんが、非常な事態になると。
最近、非常にいい例があるわけです。アメリカでBSEが起こったら、吉野家が、つぶれはしませんけれど、牛丼がパーになるというわけですね。非常に簡単です。ああいう問題が起こる。それが穀物の生産が地球環境の悪化によって至るところで分断されて不安定になっていくということが起これば、牛丼どころの騒ぎじゃないわけですね。
繰り返して恐縮ですが、それは現状でみると非現実的な話に聞こえるかもしれませんが、私は、十分に起こり得ると思っています。したがって、45%どころか、やらなければいけない。そのときに、食料の自給率とか耕地面積とかというときに、これは農水省の委員会だから農水省所管のということになるのでしょうけれど、都市にある農地というのは一体どうなるのでしょうかと。農地というか、各家庭がもっている小さな庭ですね。
ここでまた2つのエピソードを申し上げたいのですが、環境関係者はよくドイツにクラインガルテンというのをみにいくんですね。これは環境のビオトープとかと並んで、ドイツは環境政策をよくやってますよと、そういう例でみにいくんです。私ももちろん幾つもみています。日本人の人を連れていくと、みんな一様に、「大きいじゃないの、広いじゃないの」というわけです。クラインガルテンという言葉からすると、1坪か2坪ぐらいの小さな花壇のようなものを多くの日本の都市の環境関係者は思ってドイツのクラインガルテンというのをみにいくのですが、広い。
これはなぜ広いかというと、いざというときの食料不足に対処するためにというドイツ人の知恵なんですね。何かのときにとにかく食いつないでいく。イモをつくっても、一家が飢えないで食いつないでいくためにはどのくらいの農地が必要かと。ふだんは花か何かをつくっていてクラインガルテンとかいっていますけれど、いざというときには、これは農地にしようというわけです。
もう1つ、ロシアがゴルバチョフの政権崩壊後、5~6年、経済が非常に悪くなったときに、なぜモスクワの人たちはみんな食いつないだかというと、ロシア語でダーシャとか何とかというのだそうですが、正確ではありませんけれど、ドイツのクラインガルテンのようなものがあって、そこでイモをつくったりして食いつないだというわけです。そのロシアの話というのはつい最近の話なわけです。
この食料自給率とか耕地面積とかというのを、農水省所管の土地のことだけ考えていていいのかなと。都市の人たちが、小さな庭ですが、ジャガイモを植えたりキュウリやカボチャをつくってとったのは、自給率に入るんですかね――とつまらない質問はやめますが、要は、農水省所管のことだけで考えていいのかなと、そういうことも問題提起としておきたいと思います。
今すぐどうこうしろという建設的な意見のようには聞こえないかもしれませんが、あと20年後ぐらいに、東京の駐車場をつぶしてイモをつくっている姿というのは、私にとってはそうおかしくなくみえるんです。そのときの自給率というのはどう計算するんですかと、そんな質問だけしておきます。
(大山委員)
最初に森本さんがおっしゃったことは非常に大事だと思います。平成22年で自給率45%というのはいいんですが、やはりピンとこないというのがだれでもあると思うのです。どうしてかというと、こういう目標というものがどうしてもわからないんです。カロリー計算の自給率というのはそれぞれの品目別に計算されて、供給がどうで、輸入がどうでと、それで45%というのはどうしてもピンとこないわけです。
それで、先ほどの農水省的なということに戻るかとも思いますが、ここでいう食料自給率はいいんですが、これは何によっているかというと、需要によるわけです。国民の消費パターンによるわけです。それから、国内での供給可能量によるわけです。それから、輸入の状況によるわけです。ですから、そこを明らかにした方がいいと思います。22年に45%はいいんですが、我々の消費生活のパターンを変えることによって、例えばこういう変え方をすると結果的にはカロリー自給率がこうなりますと。それと同時に、供給量を変えればこういうことになります、あるいはこういう品目の輸入量がこう減れば――というのをできるだけわかりやすく説明する。難しいかとは思いますが、そういう形でないと国民にはわからないんじゃないかと思います。
ですから、そこで議論して、40%にする、43%にするというのは余り意味がなくて、むしろ需要でそれを達成しようとするのか、供給で達成しようとするのか、あるいは輸入で達成しようとするのか、そういう戦略目標みたいなものを幾つか立てれば、聞いている方としてはわかりやすいし、その方がピンとくるわけです。
そうすると、国民にとっては、「そんなのは無理だ」ということもあるかもしれませんし、「それはやるべきだ」という国民的な合意が得られるかもしれないわけです。ですから、できるだけ説得力のある情報といいますか、これは一種の説明責任みたいな、情報公開とリンクしたものになるかとも思いますが、農水省がもっているそういう有利さというものを使うことがむしろ必要なのではないかということで、そういう意味で、このH22の45というのは余り意味がないといいますか、説得力がないと思います。
もう1つ、最初に皆川課長がいわれたことと関連しますが、この3つの目標というのは全部関連しているわけですね。自給率を上げるためには、作付がどうであって、それの供給がどうであって、輸入がどういう形になって、それを供給するための経営形態がこうでなければいけないと、お互いが全部リンクしているわけです。ですから、それをリンクさせた形で我々は目標をつくる、そして評価をする。それは生産局、経営局、総合食料局でいいんですけれど、メインに貢献するところはそれでいいと思うのですが、つないだような形の目標が国民にもわかりやすいし、それを達成した、あるいはこういうことによって達成できる、そういう情報を提供していただくのがいいのではないかなと思います。
(今村座長)
いろいろ答えてもらいたいこともあるようですが、それは最後にまとめてしていただくとして、次に、大木さん、いかがでしょうか。
(大木委員)
私たちの会でもよく自給率を高めようという運動をしているんですけれど、自給率を私たちが高めようといっているのは、自分の国でつくったものを食べたいということからやっているんです。そうすると、野菜は国のものを食べたいというと、野菜はカロリーベースで計算するとカロリーはないじゃないのという感じで、これは協力できるものじゃないねと。コンニャクもそうだわねと、こうなってくるんですね。
そうすると、お米とかイモなどばっかりをつくらなければならないのでしょうかということで、カロリーベースでやるという計算の仕方の意味が私たちはよくわからないというところに来ているんです。その辺のところもよく説明をしていただかないと、森本さんのおっしゃるのは全くそのとおりなんですが、高めよう、高めようとやっているんですけれど、輸入に頼らないで日本の国の中のものを食べたいということから、自給率ということで今やっているわけです。
ですから、非常の際のときに全部そういうカロリーの高いものでやっていけるような対策に急にしようとしているのか、野菜をつくってカロリーの高いものにして45%にしようといっているのか、本当にそういう初歩的なところがみんなわからないんです。それは私たちがわからないだけなのかもしれませんけれど、一般の人はそういう感じで受けとめていますので、その辺のところをもう少しわかりやすくやっていただきたいなと思っています。
(秋岡委員)
食料自給率の問題って大事だというのはよくわかっているんですけれど、ずっといわれているので、みんな慣れてきたというところがあって、これは法律で決まっていることなので、今の大木さんのご意見はとてもいいと思うのですが、カロリーベースでなく何とかするとしても、食料自給率は食料自給率という概念だと思うのですが、それ以外に、一人一人が身近なところですごくインパクトを感じるような指標とかデータとか、そういうものがつくれたらすごくいいなと思って、ご担当の課で出されていますよね、きょう食べた朝定食が自給率何%とか、スパゲッティが幾らとか、個人的にはあれとかが結構好きで、いろんな人にクイズで出したりしていて、ああいうものが一緒についていると、食料自給率という数字だけだと本当にわかりづらいので、その辺もいいものができたらいいかなと思っています。
(田中委員)
皆さんのおっしゃるのももっともだと思って感心していたんですが、私はこの食料自給率という言葉をずっと聞いているときに、昔のソ連を思い出したんです。ソ連のものというのは、机でも何でもとにかく重たいですね。つまり、生産性を計算する前に、この組織は一生懸命働いたか働かなかったかを大体重さを計算したんです。だから、何でも重たい。重たいものをつくると一生懸命働いたということになるわけです。今ずっと聞きながら、そういう変なことを感じていたんです。
そういうことであってはいけないんですね。ですから、大木さんがいわれたように、コンニャクとか野菜とか、カロリーで計算するとそういうことになると。ですから、もう少し柔軟に考えてみたらいいと思うし、国民にわかりやすいものにするということには非常に賛成なんですが、今はある面からいうとチャンスなんです。食料に対して、鳥のインフルエンザだ、BSEだと、アメリカで全頭検査がどうのこうのと、それでアメリカの農家はまいっちゃっていると思うんです。だって、食品産業は吉野家自体がまいっちゃっているじゃないですか。そういう中で、きょうの資料のどこかにもありましたけれど、主婦たちにアンケートして、少々高くても国内のものがいいと思うかどうかとか、そういうことを調べるのもいいんだけれど、それと実際の45%とかがなかなかつながっていないんですよね。
だから、何をどう押さえたらいいのか、この際、国民運動でもやったほうがいいと思うんですけれど、単に言葉が一人歩きするのじゃなくて、どうするのかなと。野菜などについては、私は、5割高くても日本のものがいいというんです。それはただ日本のものがいいというだけでなくて、日本の農家で顔の見える農家のつくったものがいいというんですね。ですから、森本さんがしょっちゅういうように、私たち農民は自分でつくったものを自分で食べるから、安全なものを食べているからいいという。ほかの人たちはわからない。
現代というのは、生産する場と消費する場がますます広がっている。そこに問題があるんですよ。ですから、意識の上でも、どこから来ようと安くておいしければいいじゃないかという感覚になってしまう。一方では、食の安全というものに非常に神経質でありながら、また、極端に神経質なんですね。BSEだって、日本は安全なのに、私は日本人の怖さをあそこにみるんです。もう極端から極端に走るでしょう。そういうことに対して農政の果たす役割というのはものすごく大事だと思うのです。この際、非常にチャンスだと私は思っているんですが、それを生かすか生かさないかは農水省の皆さんにかかっていると私は思っていますので、請うご期待で。私はどういう知恵があるかわかりません。私は少々高くても国産のものをと、近所の人もみんなそういっていますよ。けれど、それをどう実現するか。
(皆川企画評価課長)
自給率に関しては、現行計画を立てる際もかなり幅広い議論があって、市場ニーズに即した高付加価値型に向かうと、重量のあるカロリー供給の熱量の高いものからだんだんに、重たい大根をつくっているよりも、軽い菜っ葉をつくっていると、そういう方向に軽薄短小化している部分はあるわけですよね。そうなると、それが反映されないじゃないかとか、さまざまな議論があったわけです。
今回もそれを再設定して新しい指標として立てるということですから、そこのところをよりわかりやすく、また国民のご意見も非常に多様に出てきているので、そういったものを踏まえた形で、あのときの議論もそうだったねと、それで提示してその後どうなって、それを今回提示する際に参考となることがどういうことなのかと。そういうあたりまで含めて、ここは各局ごとというのではなく、当然、総合食料局の方にその部分は行きますし、それぞれ担当はあるわけですが、そういった全体が結びついた形でおわかりいただけやすい形で、今やっている総合評価の3つの分野をちゃんとリンケージさせて、各局の検討の成果というものを出して、そこでご議論いただけるように努力したいと思っています。
あとは、まさに基本計画自体をどうするかという議論にもつながるので、これは私どもに今明確な方向性が決まっているというものはないわけですが、ただ、この横長の紙にもいろいろ書かせていただきましたが、田中委員がおっしゃるように、今の食の安全・安心ということでの食に関する関心が高まっているこの状況、さまざまな国民の関心というものが高くなっているということを奇貨として、新しい政策を出す、さらには国民にその正確なところをご理解いただくということに努力していきたいと思っています。
(今村座長)
ありがとうございました。
私は、座長として、2~3分いただきたいと思います。
私は自給率目標45%を立てたときの責任者、首謀者でありまして、実行責任については痛切に感じておりまして、ですから、これはだいぶちゃんとやらなきゃならんと思っております。それに関連して、効率的担い手とか何とかというところも含めて、きょうあった3課題は全部かかわるし、ということは思っております。
ただ、前回のときに、バナナのたたき売りじゃあるまいし、最後は会長が決断しろといった話もありましたし、それは仕方ない状況ですが、きょう、中村食料企画課長がご説明されましたが、これはいずれやるのでしょうけれど、需要の姿、あるいは消費の姿、これについて農水省はどこまでやるのかというのはなかなか難しいわけですね。先ほどいったように、消費の姿が非常に変わってきておりますし、また、森本さんのご提言の食と農について国民に大いにやれということですが、その食の中身、あるいは姿――外食がふえたり、中食がふえたりと、こういう姿の中で、食と農の距離を縮めるということはしきりに私もいっているんですが、容易なことじゃないんですね。
それから、食生活指針なんて、食について国がこうやれああやれなんてできっこない。指針の弱さみたいなものがあります。アメリカと比較すると、日本ははるかに弱いですよね。「野菜をもっと食え」とか「果物をもっと食え」とかということは日本はいいませんし、それは全くご自由に、お好きなようにということなのですが、それは「ああやれ、こうやれ」とやれという意味ではなく、どのように考えるか。自給率というのは、結局、消費の方と生産供給の方との関係ですから、その辺はこれからの課題として議論をだんだん深めていったらいかがかなと思っております。
政策体系全体を大きく変えるということは必要でありますが、ただ、どういう姿で変えるかということですね。この3つの大きな課題はすべてこれから大事ですから。
きょうはもう時間が来てしまいましたので、改めて4月20日にまた時間をとってやりたいと思いますし、第3回以降で当然このことはやらなければなりませんので、スケジュールなどについて横山調査官からお願したいと思います。
(企画評価課横山調査官)
一番最後の資料8に今後のスケジュールがございます。次回は、4月20日の午後ということでございまして、いよいよ実績評価の結果についてのご意見を承りたいと思います。その後、5月、6月、7月とそれぞれ1回ずつ開催させていただきまして、7月の頭には実績評価の部分を固めてまいりたいと考えております。9月以降につきましては、9月に、次の16年度の政策評価シート等についてご議論をいただければと思っております。
以上が、事務局で考えております当面の日程でございます。
3.閉会
(今村座長)
ありがとうございました。それでは、第3回以降につきましては、この後、若干時間をとって日程調整いたしますが、きょうはこれで終わりたいと思います。長時間にわたり大変活発なご意見をどうもありがとうございました。
了