ホーム > 組織・政策 > 審議会 > その他の旧審議会 > 農林水産省政策評価会 > 平成17年開催第1回農林水産省政策評価会・議事録
開催日時:平成17年3月14日(月曜日) 午後2時00分~4時20分
開催場所:水産庁中央会議室
出席者:(委員)今村委員(座長)、秋岡委員、大木委員、大山委員、加藤委員、田中委員、森本委員
(当省)大臣官房政策評価審議官、企画評価課長、農村振興局農村政策課長、事業計画課長、技術会議事務局研究開発企画官ほか
1.開会
内畠調査官
定刻より早いですけれども、皆さんおそろいですので、ただいまから第1回農林水産省政策評価会を開催いたします。
今回は、新たに政策評価委員が委嘱されてから初めての会合となりますので、座長選任までの間は私が司会進行を担当させていただいます。
なお、本日の会議は16時ごろまでを予定しておりますのでよろしくお願いします。
それでは、委員は皆様留任でありますので委員のご紹介は割愛いたしまして、早速座長の選任に移りたいと存じます。
座長は委員の互選により選任することとなっておりますが、事務局としましては引き続き今村委員に座長をお願いしてはどうかと思いますが。
皆様にお諮りいたします。
(拍 手)
内畠調査官
ご異議ないようでございますので、今村委員に座長をお願いいたします。
それでは、ここからは席をご移動いただきまして、座長に議事をお進めいただきたいと思います。
今村座長
それでは、去年から引き続き、余り才がないのですけれども、よろしくご協力お願いいたします。
先週、鬼の霍乱で珍しく何年ぶりかに風邪で寝込んでしまいまして、インフルエンザで今はやっているのはB型なんですね。それだったら特効薬があると言われましたのですが、それではないらしいので。もう大体大丈夫ですが、ちょっと鼻声でお聞き苦しいところもあるかと思いますがご勘弁をお願いします。
それでは、これから座長を務めさせていただきますけれども、この会議に当たっては座長代理を選任しなくてはならないということでございますが、これまで私からお願いしてまいりましたけれども、田中委員に再度お願いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
今村座長
では、田中委員、どうぞよろしくお願いいたします。
田中委員
至りませんけれども、よろしくお願いします。
2.議事
今村座長
それでは、議事に入りたいと思います。
本日は、昨年度から2カ年の計画で実施されました「土地改良事業の効果」、「技術開発の経済効果」の2課題についての総合評価結果(案)についてご意見をいただきたいと存じます。
それでは、まず担当より、評価結果について順次説明いただきたいと思います。
資料1に基づきまして、総合評価結果についていただきたいと思いますが、調査官、資料について説明してください。
内畠調査官
資料につきましては、土地改良の方で若干変更がございまして、その部分については波線なり下線なりを引いてお示しいたしております。
今村座長
それでは、少し違ったところがもしありましたら、それを含めてお願いいたします。 では、農村振興局の角田事業計画課長、よろしくお願いします。
角田事業計画課長
農村振興局事業計画課長の角田でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、お手元にございます総合評価書(案)と、これに関する参考資料もございますが、基本的にはこの総合評価書に沿って説明をさせていただきます。
土地改良事業は多種多様な事業があるわけでございますけれども、今回はその代表として「ほ場整備事業」を対象として政策評価を行ったということでございます。
5番目のところに、「政策評価対象期間」と書いてございますけれども、平成5年度から14年度の10カ年において実施されたほ場整備事業を対象にするということでございます。もちろんほ場整備事業は昭和38年からやっているわけですけれども、今回の対象期間としてはこの10カ年ということでございます。
そして、この間につきましては、それより以前のハード整備事業を中心のほ場整備事業ではなくて、もちろんそのハードの部分もございますけれども、担い手に農地利用を集積していくというソフト施策もあわせて実施するというような仕組みになっておりまして、したがって今回はほ場整備事業の担い手育成型ということですけれども、そういうソフト施策も一緒になった形の事業を対象として評価をすると、こういうことでございます。
それで、「政策の目的、目標」でございます。ほ場整備事業は、基本的には土地改良法に基づいて実施される公共事業でございまして、農家の申請と同意があって実施される事業でございます。
昭和38年に、ほ場整備事業が創設されましたが、昭和36年の農業基本法制定を踏まえ、農業生産性の向上を目指す方向に沿って、そのための具体的な手段としてこの事業が創設されたという経緯がございます。
したがいまして、事業の目的とするところは、まずは農地の区画の整形、拡大、あるいは用排水路、農道を総合的に整備するということで生産性の向上を図っていくということが1点目、それから、水田の排水条件をよくして、米のみならず、麦、大豆等のいろいろな作物がつくれるようにする、耕地利用率の向上を図るということが2点目でございます。
そして、3点目として、換地の手法を通じて農地の権利等々を移動するということでございまして、用排水路の整備等を行うのと同時に、非農用地の創設を換地の手法を使って行うことにより、農村地域の土地利用の秩序化でありますとか、生活環境の改善といったこともあわせて、実施しているところでございます。
そして、平成5年から、これは今回の評価の対象期間でございますけれども、経営感覚にすぐれた農業経営者を育成していく、担い手を育成していく、こういう政策方向によりまして、基盤整備の実施を契機として、担い手への農地利用集積を促進するという手段もあわせて講じることになりました。
そういったことによって、現在の基本法の理念である「農業の持続的発展」、それから「食料の安定供給の確保」、「多面的機能の発揮」、そして「農村の振興」といったことを実現するという目標のもとに進めているところでございます。
具体的な事業の内容でございます。今申し上げましたように、基本的には区画整理、用排水路、農道等のハードの整備とあわせて、担い手への農地流動化の施策、その施策もあわせて行うという形になっております。
ハードの整備につきましては、大区画化等の区画の整形、暗渠排水等による地下水の制御、それから用排水路等の整備といったものを行っております。この暗渠排水なり用排水路の整備ということが、水田のかんがいと、地下水をコントロールして多様な作物をつくれる水田の汎用化につながっているということでございます。そして、農道の整備や土地利用としての秩序形成といったような内容になっています。
担い手への農地の集積につきましては、利用集積を支援するさまざまな調整活動、支援するための経費でありますとか、それから利用集積が一定程度以上になるのであれば、農家負担金の一部に対して無利子資金を融資するといったような、負担軽減につながるような施策もあわせて講じているところでございます。そして、大区画化の推進に資するような支援も講じています。
次に本事業の達成時期なり目標でございます。
ちょうど評価の対象期間である平成5年以降は、第4次の土地改良長期計画に沿って行われております。平成5年から平成18年度の13年にわたる長期計画でございまして、18年度に水田整備率75%という目標で進められてきております。それで、14年度における整備率は60%ということになっております。
この長期計画は18年度まで続くということではなくて、15年度において新しい長期計画に移行をしております。その計画は、事業の事業量の目標達成ということから、成果指標の達成という方向に内容を変えてきておりまして、大区画化の整備でありますとか、水田の汎用化を進めることによって、3ページの上にありますような「意欲と能力のある経営体の育成」なり、「食料供給基盤の強化」という政策目標に沿って、そのための指標として、農地の利用集積率を事業実施前よりも20ポイント向上させることとか、耕地利用率を105%以上に上げるというようなところを目標として、進めているところでございます。 今回の政策評価の観点でございますが、3点ございまして、必要性、有効性、効率性という3つの観点から評価を行ったところでございます。
まずは、必要性の評価でございます。2点ございます。
1つは、優良農地の確保の必要性ということでございます。基本法において、良好な営農条件を備えた農地、農業用水を確保することがうたわれております。そのための手段として、区画の拡大、水田の汎用化といった基盤整備を行うということになっておりまして、まさにこのほ場整備事業はその施策に必要な手段という位置づけになっています。
次に、農業構造の改革の必要性であります。事業とあわせて、担い手への農地の集積を要件化することにより、構造改革の加速化に資していくことでございます。
次に、有効性の観点でございます。
まずは、食料供給力の確保・強化です。今般の基本計画の見直しにおいても、食料供給力の確保が大きな論点になっております。良好な農地・農業用水等の資源を確保していくといくことでございますが、このほ場整備事業において、そういった優良な農地が確保されるということでございます。
4ページの上の方に、これまでの実績といたしまして157万ヘクタールの農地が整備され、これが整備率60%に相当するということでございます。そのうち生産転換が可能な汎用化された水田が、123万ヘクタールということでございます。
さらには、ほ場整備された農地には、耕作放棄が防止されるという効果が認められているところでございまして、今般、この評価のために、ほ場整備が完了して10カ年を経過した地区について、整備後、耕作放棄がどれくらい出ているのかということを全国で調査いたしました。2万3千953ヘクタールを調査いたしまして、そのうちの45ヘクタールに耕作放棄が認められたということでございますけれども、発生率は0.5%ということでございました。全国の平均と比べれば極めて少ないということでございます。また、その理由はここに書いてあるようなことでございます。
それから、次に農業生産性の向上、労働生産性の向上でございます。これは、昭和40年からこの40年間の基盤整備の実績といたしまして、稲作の労働時間は4分の1、麦作の労働時間は10分の1ということで、生産性を向上しているということが認められたところでございます。
5ページにまいりまして、土地生産性の向上でございます。事業の実施前後において、耕地利用率は約5ポイント向上しています。麦と大豆の作付け率は、やはり事業実施前後で9ポイント増加ということで、農地の有効利用という意味でも効果が出ているということでございます。
さらには、冷害被害の軽減でございますが、特にほ場整備を実施いたしますと畦畔が高くなりますので、深水灌漑を実施いたしております。それによって、北海道・東北地方における冷害の軽減にも役立ったということがございます。
そして、作物の品質向上、6ページになります。麦の千粒当たりの重量を測定したところによりますと、整備済みの水田で約2割増加しており、品質の向上効果もございます。
次に農業構造の改善ですが、ここでは担い手の育成ということでございます。
担い手の定義といたしましては、表の下の注2のところにあるように認定農業者、耕地面積3ヘクタール以上の農家、常時従事者1人当たり3ヘクタール以上の農業生産法人、作業受託を実施している生産組織、そして集落営農組織といった個別、組織経営で担い手を育成していこうという考え方でございます。
こうした担い手に対する事業の成果といたしまして、労働時間は約6割短縮したとか、それから経営規模は2.2倍に拡大、生産コストは約3割低減といったような効果が出ているところでございます。
農地利用集積の進展でございますけれども、これにつきましては、7ページの右上にありますとおり、基盤整備を契機として農地利用集積を図っているシェアが非常に高くなっているということがおわかりいただけるかと思います。
そして、こうした農地利用集積の効果の持続性でございます。事業完了後概ね6年経過してどうなったのかということを今回フォローして調査いたしました。
当然、事業実施前後で大きく集積の度合いは高まっているわけですけれども、その状況は概ね6年経過しても持続されているということと、集積の形態が作業受委託から所有権なり賃借権に、より安定的な形態に移行しているということが認められたところでございます。
次に、8ページに進ませていただきます。これは、国民経済的な効果ということで、昨年の評価会で、こうした基盤整備の効果が農業者のみならず、消費者全般にどのような効果があるのかというご指摘があったことを踏まえたものでございます。もちろんほ場整備事業は、まずは農家の方の安定的な生産構造、農業経営構造を確立するということが第一でございますけれども、それによって生産コストが低下し、、農産物価格が下がって、その利益が消費者にも及ぶということでございます。今回、一定の前提を置いて分析をしたところでございます。
前提条件をいろいろ書いてございますけれども、1つは米価を決める要因のうち、生産コストの低下、これが米価の変動にどう及ぶかというところをまず着目するということと、もう一つは消費者余剰を本来需要曲線と供給曲線で分析するところを、本来の経済学的な考え方かと思いますけれども、今回は供給曲線を用いない簡易な手法をとりました。て、具体的には重回帰分析の手法を用いて米価モデルをつくりまして、ほ場整備がなかった場合の米価を試算いたしまして、それと需要曲線から消費者余剰を求めるという手法をとったところでございます。
その結果、平成12年の米価におきましては、年間約3,300億円という消費者余剰の増加があるということが試算されたところでございます。9ページに、そのあたりの手順を書いてございます。
その3,300億円という数字、これは余りピンと来ないということもあろうかと思いますので、人口1人当たりに直しますと、約2,600円、1世帯当たりにいたしますと7,000円という効果が出ているというような試算でございます。
次に、9ぺージの下にまいりまして、農業外の効果でございます。
これは、プラス、マイナス、いろいろな影響があるわけでございますが、まず生態系への影響ということで見ますと、ほ場整備事業によって、農業生産性の向上が図られることはもちろんでございますけれども、逆に生態系に影響を与える部分もございます。
次の10ページにありますように、整備済み地区と、それから未整備の地区、ここにおいて生物の種類はどうなっているのかということを今回、事例調査ということで整理いたしました。
そうしますと、やはり整備済みの地区では、未整備の地区に比べて生物の種類が少ないという傾向が確認されたところでございます。この理由としては、水田と、排水路なり河川との水の連続性というものが一部分断されるということによって、生物の移動に影響を与えたということも、その一因ではないかなと考えております。
ただ、平成13年度に土地改良法の改正を行いまして、環境への事前の配慮というものをそれ以降は取り組んできております。環境との調和への配慮を実施した事業地区において同じような調査をした結果をみますと、整備の実施による大きな変化はなくなったということでございます。
それから、「非農用地の創出による土地利用の秩序化」というところであります。
事業の実施にあわせて、換地の手法を使いまして、用水路、農道の再編整備がなされるほか、農家の住宅用地、あるいは高速道路の用地の創出というようなさまざまなその地域の土地需要に応えていくことができるということでございます。これは副次的な効果ということになろうかと思います。これによって、無秩序な土地利用を防止して、合理的な秩序の実現ということにも効果があったと考えているところでございます。
以上のような有効性の評価に続きまして、次に3点目の視点として効率性の評価ということに話を進めさせていただきたいと思います。
事業の実施前には、事前評価ということで、事業の効率性、費用対効果分析を行っているわけですけれども、今回はこの10カ年で投入された事業がどの程度効果を上げているのかという、言ってみればマクロの分析をすることによって、その効率性の評価を試みました。
この10カ年に実施された事業の実数は総計2,800地区ございます。この2,800地区に投入された事業費を費用として扱いまして、それに対して全体として効果がどう出ているのかという費用対効果分析を行ったということでございます。
参考資料の方の35ページに概念的に模式図を示させていただいておりますけれども、個々の地区の積上げというのは物理的に困難でございますので、この10カ年の間に実施された事業を1つの地区と見立てて、その効果が耐用年数期間中継続するという前提条件で、費用対効果分析を行ったということでございます。
その結果、11ページの表に整理されておりますとおり、費用対効果分析の結果は1.10ということになっております。
ちょっと表で説明させていただきますと、農業生産向上効果なり、営農経費節減効果といった部分が数字的に農業効果として出てくる点でございますけれども、それ以外にも、維持管理費節減効果なり、更新効果といったさまざまな計測できる効果がございまして、この合計が年間1,713億円となっております。
それと、今回参考値といたしまして、多面的な機能ということで、水田の貯留効果とか、地下水のかん養効果とか、土砂流出防止効果といったことも一定の条件において試算をしたところでございます。
ただ、これは直接的に費用対効果分析の中には今回は入れておりません。この参考値も入れて、多面的な機能も考慮した場合の数値としては1.66ということで、もう少し大きな値が出てくるということでございます。
なお、土地利用の秩序化とか、生態系への影響といったことについては今回カウントはできておりませんので、算定の数値には含めていないということでございます。
次の12ページにまいりまして、こういった総合評価の分析にあたっては、政策審議会の農村振興分科会の中に農業農村整備部会を設けてございますが、そこの企画小委員会におきまして、こういった方法論についてはいろいろご議論をいただきながら、この政策評価書をまとめてきたところでございます。特にいろいろな経済分析等につきましては、東京大学の生源寺先生からのご指導も得ながらまとめてきたというような経緯がございます。
それで、13番のところに、こうした政策評価の総括といたしましてまとめさせていただいておりますが、まず、ほ場整備事業の果たした役割につきましては、これまで述べましたとおり、優良農地の確保に非常に大きな貢献をしてきたと思っております。結果として、国の責務として、国民への食料の安定供給、あるいは望ましい農業構造の確立といったところに、役割を果たしてきたと考えているところでございます。
そして、「今後の基盤整備のあり方」でございます。
ちょうど基本計画の見直しを議論しておりまして、先般の答申がなされたところでございますけれども、今後のこういったほ場整備に関しましては、まず、農業の構造改革の加速化に資する整備を今後とも実施していくことであると考えています。
特に、これまでは農地利用の集積ということで一定の成果を上げておりますけれども、そういう量的な拡大のみならず、連担化とか集団化とか、質的な拡大をも目指していくということと、それから、集落営農の組織化なり、あるいは農業参入を志向する企業の農業参入の促進というような、より幅広い担い手の確保というようなところにも連携を強めていきたいと考えているところでございます。
そして、2番目には、需要に即した農業生産が可能になるような整備をするということで、地域の農業ビジョンに即して、地域からの要望に応える整備をさらに目指していくということでございます。
3点目に、整備済みの優良農地ストックの有効活用でございます。ほ場整備を実施して既に30年あるいは40年近くたって、末端の水路や農道に不都合が生じているというようなこともございます。そういったところは、部分的にそういう悪いところを保全、修繕してストックの維持保全にも心を配っていかなければならないと考えているところでございます。
4点目に、農村振興に資するということでございます。ほ場整備を実施することによって、地域のさまざまな土地の利用にも応え、また農村として地域において策定された適切な事業計画にを具現化することにも貢献している面がございます。そういったところを気を配っていくということでございます。
5点目は、環境保全を一層重視する事業の展開でございます。先ほど申し上げました平成13年の土地改良法の改正以降、環境との調和への配慮を心がけて事業を実施しておりますけれども、今後さらに、そのためのさまざまな取り組みを強化していきたいと考えているところでございます。
6点目に、効率性に配慮した事業の実施でございまして、コスト縮減にも、この間相当取り組んでまいりました。事業評価につきましても、例えば採択に当たって政策評価的な視点からの事業の有効性を的確に判断するような、評価制度を今導入しようとしているところでございます。
さらには直営施工の導入といったことも行いまして、より一層のコスト縮減にも資していきたいと、そのように考えているところでございます。
以上が、ほ場整備事業の評価の部分でございます。よろしくご審議をお願いいたします。
今村座長
ありがとうございました。
それでは、質疑等、質問は後に回しまして、その前に技術会議事務局の方から、氣多研究開発企画官、よろしく説明をお願いします。
氣多研究開発企画官
それでは、私、氣多と申しますが、資料1-2「技術開発の経済的効果」の総合評価書の(案)に基づきまして、ご説明をさせていただきます。
技術開発の経済的効果ということで、技術開発にどのような投資をして、それがどのような経済的効果をもたらしたか、一義的にはそういう評価でございますが、必ずしも経済的面のみならず、その研究開発がいかなる効果を及ぼしてきたかということで、幅広い評価を実施したところでございます。
3番目の欄の評価実施主体、「農林水産技術会議」というふうに記載してございます。ご存じかと思いますが、私、技術会議事務局に所属しておりますけれども、農林水産省の研究開発に関しましては、この技術会議という会長以下数名の委員で構成される会議体が意思決定の機関になってございまして、このもとに、外部有識者等で構成される評価専門委員会というのがございまして、具体的にはこの技術会議の評価専門委員会でご検討をいただきながらこの評価書の案がつくられてきたということでございます。
評価対象期間が平成3年度から14年度というふうになってございます。後でご説明しますけれども、2つのプロジェクト研究をこの評価対象にしてございますけれども、それの始まった時期から平成14年度まで、プロジェクトが終わった後、どういうふうに普及をしてきたのかということまであわせて評価の対象としてございます。
「評価の目的」というところでございますけれども、研究開発につきましては、当然ながらプロジェクトが終わったときのみならず、そこで生み出された成果が、一定期間経過して、どういうふうに農業等の現場に普及していくのかということが重要な効果ということでございまして、副次的効果を含めましてその効果の確認をして、それを後発の研究開発の企画なり進行管理の見直しに的確に反映していくことが有益というふうに考えられるので、既に終了した2つのプロジェクトを事例として分析をしたということでございます。
7番の、検証を分析した研究開発の内容ということでございますが、実用的な研究、成果がすぐ割合に現場に普及する研究と、それから、どちらかというと科学的と申しましょうか、基盤的研究、その研究が将来の技術に役立っていくというような2つの例を取り上げて対象としてございます。
1番が、小度から7年度までに19億円を投じて実施された研究でございますけれども、当時、現在もでございますけれども、水田でこういった作物をつくるにあたって、特に外国産小麦、具体的に言うとASWが一番念頭にあるのですけれども、これ並みの品種の育成であるとか、あるいは大豆等の作物の技術開発を麦を主体とする水田畑作物の高品質化云々というプロジェクトでございます。これは平成3年やっていくというものでございます。
それから、2番目が昆虫の機能利用と資源化に関する云々というものでございまして、これは、昆虫、なかんずく特に技術会議傘下の研究機関では、カイコについての研究実績がかなりあるんですけれども、その研究実績を生かして、当時こういった昆虫のいわばシーズ研究を行って新産業の創出につなげていこうということで、平成5年から7億円を投じて実施された研究でございます。
8番目、「評価の観点」ということでございますけれども、これは有効性なり効率性の観点から評価を実施したということでございます。
9番の「把握の手法及びその結果」ということでございますが、一義的にはこの2つの研究それぞれを実施した機関に問い合わせというか、資料を提出していただきまして、成果の普及状況等を追跡評価したというのが主体でございます。かなり詳細な資料を提出してもらって、1つ1つ検証をしてございます。
一方では、生産者や技術者のアンケート調査、それから研究担当者のインタビュー調査、さらに、当該分野の幅広い有識者の意見聴取をも行いまして、評価を充実させたということでございます。
「概括的な成果の把握状況」というところでございますが、まず小麦の方でございます。
下の四角のところに研究成果の取りまとめで、合計で90あって、経済的効果が推計できた成果は15というふうになってございます。この90というのはどういう数字かと申しますと、このプロジェクトの結果、どういう研究成果が出てきたか。というのは、必ずしもこのプロジェクトごとにやっているわけではないのですけれども、毎年各研究機関、現在で言うと独立行政法人、当時の国立研究機関ですけれども、そこで、成果情報という格好で、今年はこういう成果が出ましたよというのを課題ごとというか、単位ごとに取りまとめてございます。
それで、例えばその成果の中で普及に移せるものはこういうのがありますよ、それから、科学的に意義があるものはこういうものがありますよ、というようなことでまとめておりまして、これについて、そのプロジェクトから生み出されてきたものをピックアップしたということでございます。
それが90ございまして、そのうち、直接経済的効果が推計できたものとして15、それから、直接計算はできなかったけれども、社会的効果が認められたものが24というふうに分類をしてございます。
経済的効果は、例えば小麦の「ホクシン」という品種が育成されてございます。これは、今北海道でかなり中心的な作付けをされている小麦になってございまして、約10万ヘクタール北海道で作付けされておりますけれども、既存品種にかなり置きかわったいうことでして、その他、例えば麦で言うと「チクゴイズミ」であるとか、大豆であると「リュウホウ」であるとか、幾つかの品種の育成、あるいはその栽培技術等の研究が実施さおりまして、その経済効果は約1,700億、これは単年ではなくて、開発された以降、平成14年までの累計ということでございますけれども、かなり大きな金額が算定されてございます。
これはどういうふうに算定したかと申しますと、「総合評価資料」となっておりますものの33ページをお開きいただきたいのですけれども、小麦の計算式が出ておりますけれども、その新しく開発されたものの毎年の出回り数量に買い入れ価格を掛けて、その品種の総生産額を計算するということをしてございます。それに品種の栽培面積で割りますと、単位面積当たりの総生産額が出てくる。それに対して、既存の品種が新しく開発された品種に置きかわってございますので、既存の品種でどれぐらいの総生産額があったかというのを計算してございます。そうすると、買い入れ価格が上がって、つまり品質が上がって単価が上がった分と、それから収量増という両面が効いてきて、場合によってはマイナスが出ることもあるわけですけれどもも、それを累積して面積を掛けると、この1,700億というような数字が出てきてございます。
もとの資料の3ページの方に戻っていただきまして、新しい農業機械の開発による経済的効果ということで、約15億円という計算をしてございます。これは、主としてこのところにございますカッティング・ロールベールの開発と利用というものの経済効果なんですけれども、カッティング・ロールベールというのは、「ロールベーラー」というのはご存じかと思いますが、牧草を円筒状にまとめていくような機械でございます。従来は牧草を特に切断したりはしなかったのですけれども、細かく切り刻んで充填率を上げて、牧草の品質を上げるというような新しい機構の機械をこのプロジェクトで開発してございます。それの既存の機械との価格差を、これも累計をいたしまして15億円ということでございます。
それで、イ.のところ、「経済的効果の推計は困難であるが社会的効果が認められた成果」ということで、事例としてここに3つほど挙げてございます。これは、今言ったように直接現場に品種が普及した等ではないもので、ここにちょっと舌をかみそう検出法の開発などというのが書いてございますけれども、研究機関なり指導機関なり等で、例えば計測法であるとか、制御法であるとか、このプロジェクトの成果が用いられているものについて社会的効果が認められたという整理をしてございます。
それから、研究でございますので、今言ったような直接その成果が現場で使われていなくても次の後継の研究につながったと、小麦の半数体育種法のための温湯除雄法であるとか、37ほどの事例が次の研究に発展したということでございます。
それから、「昆虫の機能利用と資源化」でございます。これは、先ほど申したように基礎的研究なものですから、一番最初に、特許であるとか論文であるとか、これは次の研究にいかにつながったかということが重要な点でございますので、この16件なり558件なりの数字を掲げさせていただいてございます。
それから、4ページにまいりまして、「研究成果の取りまとめ」のところですけれども、これも先ほどと同じようなやり方で、41件の研究成果が挙がっております。そのうち、これはさっき言ったような理由で、次の研究にいかにつながったかということが一番重要ですので、21の成果がつながったということでございます。社会的効果が認められたものとして2つございまして、直接的な経済効果が推計できたものとしても2つございます。
それで、後継の研究開発への貢献ということですけれども、ここで4つほど事例を出させていただいております。
一番上の昆虫細胞への外来遺伝子導入云々ということでございますけれども、これは昆虫に遺伝子を導入をしていくための研究ということなんですが、後継の研究で、この括弧の中に書いてございますけれども、カイコの遺伝子を組み換えて、具体的にはネコのインターフェロンなんですけれども、そういったものをカイコでつくらせるというような技術が既にでき上がっております。
以前は、カイコでそういう有用物質をつくらせても、カイコをすりつぶしてインターフェロンを取り出すというようなことだったのですけれども、これは糸から取り出せるということで、カイコを殺さなくてもどんどん糸から取れるというような技術できております。
それから、イ.の「社会的効果が認められた成果」ということでございまして、これはここにございますとおり、例えばデータベースであるとか、あるいは世間に配布をするような細胞、これは研究機関でこういう細胞を持っておりまして、要望に応じて配布をするということでございますけれども、そういう成果があるという例です。
それから、直接的な経済効果ということでございまして、基礎的研究ですから、必ずしも直接商品になることを目的に研究していたわけではないんですけれども、この2つの研究で防虫剤であるとか生物農薬の技術として直接使われた成果もあって、それらの売上が1.5億円というような推計もできています。
なお、そのあと、参考として、民間の社団法人で推計を過去に実施しているんですけれども、この昆虫による新産業の創出が、将来的には、医療分野では400億円ぐらいになるのではないかとか、医薬品では90億円ぐらいになるのではないかというような、将来的にはこれぐらいの効果を及ぼすのではないかというような予測もされてございますので記載しています。
それから、10番の「学識経験を有する者の知見の活用]ということでございますが、これは事務局できちっとこの政策評価会のことも書かせていただくつもりでございますけれども、先ほど申し上げましたような技術会議のもとの評価専門委員会で検討してきたということでございます。
それから、11番は省略いたしまして、次のページにまいりまして、12番の「政策評価結果」というところでございます。
2つの例示のプロジェクト研究の検証結果ということでございますけれども、まず小麦の方の有効性でございます。当初、このプロジェクトがどういうことを目的としていて、それがどれぐらい達成されていたかということでございますが、これは平成3年というかなり昔の研究でございまして、当時、もちろんその研究の目的そのものはあったんですけれども、数字で測れるような定量的な目標は設定されていなかったので、定量的手法のみで検証することは困難だったのですけれども、1,700億というかなり大きな数値を定量的に把握できたということで、当初目的に達して、かなりの成果が認められたという判断をしてございます。
それから、「成果の発展性・波及性」ということでございますが、直接経済的・社会的効果を及ぼしたもの以外も、次の研究開発への貢献が認められたものがかなりあるということで、発展性が認められたというふうにしてございます。
それから、「国が実施したことの妥当性」ということでございますが、これはまさに麦、大豆等を水田でつくる、その政策目的をもとに研究をしたということでございまして、しかもこういった研究は、民間の直接投資が期待されないので、妥当性は高いというふうにしてございます。
それから、「効率性」というところでございます。研究投資の妥当性ですけれども、これにつきましては、直接このプロジェクトに投じた予算というのは当然把握できましたけれども、先ほどの成果というのは、必ずしも直接プロジェクトだけで生み出されたわけではなくて、研究というのは以前のものから継続するというふうに申し上げましたけれども、以前の研究からの成果というのももちろん使って「ホクシン」等ができてきているわけですし、あるいはそれに投じている人件費等もあるわけなんですけれども、そこまではちょっと把握することが難しかったのではありますが、さらに、投資の効果の方ですけれども、直接農家が栽培で収入を得るという金額は推定できましたけれども、実需者とか消費者の副次的な効果までは算定できなかったということではありますが、これらを勘案しましても経済効果はかなり大きな金額ということでございまして、研究投資は妥当であったという判断がされてございます。
それから、「普及方法の妥当性」ということでございます。現在の普及方法をご存じかと思いますが、独法が開発した成果につきましては、普及センターとか農協が生産者に成果を伝えるという仕組みでございまして、これは普及したことから見ても概ね妥当ということでございます。ただし、アンケート調査などの結果では、必ずしも周知されていないような研究成果がある。あるいは、その生産者等は研究機関から直接情報をほしいと、アンケートをとってみるとそういう声もありましたので、その点に留意する必要があるというまとめになってございます。
それから、昆虫の方でございます。これも、同じように定量的な目的は設定されてないものですから定量的な検証は困難なんですけれども、こういった基礎的研究につきましては、国際水準に照らした独創性であるとか、先導性であるとか、そういった科学的新規性の観点から達成度を判断することが必要というふうにしてございます。そういったことを定性的に見たところ、かなりの成果が認められるという判断をしてございます。
それから、「成果の発展性・波及性」ということでございますけれども、これも次の研究にもかなりつながったということで、発展性が認められたということでございます。
ただし、特許については、残念ながら今のところ目立った実績はないということで、活用をしていくことが望まれたということでございます。
それから、「国が実施したことの妥当性」でございます。これも、こういった基礎的研究は長期的な視野に立った取り組みが必要ということで、あるいは時間と費用がかかるということで妥当性は高い。
それから、「効率性」のところでございますが、これは、何度も申し上げていますけれども、主として後継の研究に開発されるので、なかなか投資の妥当性を判断するのは難しいのですけれども、したがってその1.5億という、直接出てきたものは少ないのですが、こういった推計方法をとると、低く試算されたという事実を書いてございます。
それから、「研究成果の普及方法の妥当性」のところでございます。これも、研究者はこういった基礎的研究については学会論文を書くということが適当と考えているのだけれども、アンケート調査の結果からは、インターネットによる情報の発信が望まれているということで、そういう点に力を入れていかなければならないということでございます。 それから、その次の(2)の今後の対応方向ということでございまして、ここが取りまとめというような格好になってございます。
研究企画のところですけれども、これはもう今までに申し上げてきたとおりでございまして、当時は定量的な目的が達成されていなかったので、なかなかその達成度を数字で判断すること困難なのですが、今後は具体的で、かつ達成の可否を定量的に判断できる目的を明示するということでございます。
ただ、一方、基礎的研究では、無理に数字で目標をつくるとかえってその弊害が生じるという場合もありますけれども、それであっても、解明しようとする内容を明確にしていくべきであるというようなことでまとめてございます。
それから、実用化を目指した研究につきましては、研究課題の選定にあたっては、ニーズの把握を十分にするべきと。それから、十分な企画期間を設ける。さらに、実施する機関も幅広いところから選定をするということでございます。
それから、「進行管理」のところでございますけれども、当時の研究は、国立研究機関の長がプロジェクトのリーダーになるということで、いわば国立研究機関にかなり任されており、農林水産技術会議というか、中央が管理をするというようなことは余りなかったんですけれども、これに対する評価、中間評価なり事後評価なりをきちっとやっていくためには、あるいはその進行管理をきちっとやっていくためには、ある程度中央で管理して、工程表を整えるとか、中間評価結果が悪い場合には、きちんと途中でやめるであるとか、そういった評価結果の厳格な反映、あるいはその進行管理を担当する者の設置ということが重要というようにまとめてございます。
それから、「普及・実用化への対応」ということでございまして、これも今までに述べてきましたけれども、特に企画段階で、実際にその成果を使う者、農業者であるとか、あるいは実需者、麦であったら麦の製粉業者であるとか、そういう者に、企画段階で参画してもらうということが重要だということでございます。
それから、成果が直接事業に結びつかないという事例も見られたことから、成果の普及時点の仕組みを充実させる。特に特許の移転なんかについては力を入れていく必要があるということでございます。
それから、基礎的研究は成果が次の研究に使われると申しましたけれども、余りそうでもないのも中にはあったものですから、情報発信が弱かったかなというようなことです。
それから産学官連携を図っていくことが重要だというようなことで取りまとめになってございます。
また、最初にも申し上げましたけれども、ある程度、研究が終わってから年限がたってからの追跡評価が重要だということでございます。 最後、その他ということでございますが、ここで最終的に取りまとめをしてございます。
特に今回、追跡評価というような形でやったのですけれども、当時研究を実施した機関に資料提出を依頼したと言いましたけれども、成果の取りまとめ状況にばらつきが見られたというようなこともございまして、幾つか課題点を残しております。経済効果の推計に関しては、農業者だけで、実需者、消費者の経済効果が推計ができなかったとかが、問題点として残ってございます。
こういったことをきちんとやっていくためには、今後、追跡評価を継続的にやっていく必要がある、あるいは研究コストの管理をやっていく必要があるというようなことでございまして、2点ほどの取りまとめをしてございます。
実用化を目指した研究では、経済効果を評価指標の1つとすることは有効で、副次的な効果の把握もしていくということが重要なんですけれども、それは現実的には困難なので、当面は直接的な経済効果で推計することが適切というふうにしてございます。
それから、基礎的研究については、直接的な経済効果とかいうよりも、後継の研究開発への発展性ということを指標とすべきだと。その場合は、短期的には科学的新規性とか、長期的には特許の利用状況とか、実用化を目指した研究への活用状況で評価することが適当としてございます。
ご説明は以上でございます。
今村座長
ありがとうございました。
きょうは、土地改良と新しい新技術開発の2つについて、総合的な評価を少し全体像として行ってみようということであります。
以上2つにつきまして、ちょっと前半と後半を分けた方がいいかと思いますけれども、初め土地改良を中心に、皆さんからご質問、ご意見、ご提言をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
どうぞ、加藤さん。
加藤委員
きょうのテーマは非常に難しくて、私のような人間にはフォローするのが非常に難しいのですが、森本さんから「加藤さんは最初に質問しろ」というご下命を受けていますので、やはり最初に質問せざるを得ないということで質問をさせていただきたいと思います。
土地改良事業というのは、恐らく農林水産省にとっても非常に最も重要な事業で、お金もたくさん使ってきた。だから、一体これだけ膨大なお金を使ってきてどういう効果があったのかと、これは非常に、最も農水省にとって今重要なことだと思うんですね
私が理解する限り、理解が間違っていたらお教えいただきたいのですが、一番の費用が一体なぜこのあれがよかったかというと、11ページの表に非常に集約されていると思って私は理解しているのですが、要は平成5年から平成14年までの10年間で費用としていわゆる土地改良事業といいますか、正確に言うと「ほ場整備事業」というものに2兆9,000億円ほどかけました、仮にこれを1年に平均してみると、約2,900億円ぐらいかけてほ場整備をしてきましたと。
それに対して一体どういう効果があったかというと、1,700億円ほどの効果がありましたといって年効果表の算定というのが出てくるわけです。農業の生産性が向上したのが約400億、それから営農の経費削減で約1,000億等々が並んでいて、全部で1,713億の効果がありましたというわけなんですが、この中に、ちょっと私なんかには疑問に思うものが幾つかありますが。例えば非農用地等創設効果、年間26億円、文化財発見効果、12億円、それから地域経済波及効果42億円と、これ、反射的な効果としていろいろなものがあると思うのですが、そういうものが一応挙がっていて1,700億円。
この数字は、農水省として非常にきちっと算定されたのでしょうから、まあいいとして、私の疑問は、毎年平均すると2,900億円ほどお金をかけて、効果は1,700億円でしたというと、ただそれだけ見ると非常に「なんだ、効果が出ていないじゃないか」と、こういうことになるんですが、総便益なるものが[ 6 ]で計算されておりまして、結局3兆2,000億円ほど効果がありました、便益がありましたということになっているわけですね。
2兆9,000億円をかけて、3兆2,000億円の便益がありました、しがたって、これはジャスティファイされる事業ですとこうなるのですが、なぜこの3兆2,000億円が計算されたかというのがちょっと私にはわかりにくくて、ご説明いただきたいなと思うわけです。
単純に考えると、先ほど言いましたように、毎年2,900億円かけて1,700億円しか利益がないんだ、利益といいますか、年効果がないのだから、やはり「相当お金、使ったんじゃないの」というふうに思うのが普通だと思うのですが、どういうふうにこういうことになるのかというのを教えていただきたいと思います。
ただ、私自身、農水省のこの仕事自体に、総体的には非常に頑張っておられるというそういうポジティブな評価をした上での話ということでご理解いただければと思います。
それから、これは多少冷やかし的な意見ですけれども、耕作放棄地がちゃんとほ場整備をやったところは非常に少ないですよと、やっていないところは3.6%もあって耕作放棄地が多いですよ、やはりやった方がよかったということなんですが、ほ場整備をやったところはいいところしかできないわけで、余り悪いところはできないから、耕作放棄地が少ないというのは当たり前じゃないかと、こういう感じも持てて、全国が3.6%の放棄地であったのだけれども、こちらは少なかったと余り強調されてもどうかなというふうには思います。
ただ、一番の本質は、やはりお金の面でどうなったかという、実はお金だけの問題ではなくて、環境効果とかいろいろなものがあって、この表に算定されない部分がもちろんあると思うのですが、それにしても、一応金額ベースで政策のジャスティフィケーションをしようという試みだと思いますので、ちょっとそこのところ、なぜ3兆2,000億円になるのかですね。計算式はそこに書いてあるわけですが、[ 2 ]割る[ 5 ]ということになっているのですけれども、ここがよく飲み込めないものですので、教えていただければというふうに考えます。
今村座長
一問一答はやめまして、包括的に、皆さんからご意見、質問をいただいた上で、折を見て応えていただきます。
どうぞ、そのほか。大山さん、どうぞ。
大山委員
気がついたところだけ、ちょっとコメントさせていただきます。
ほ場整備事業ということなんですけれども、大きな目的が4つあって、労働生産性のアップと、それから耕地利用率の向上、環境改善とか担い手育成とあるわけですけれども、特にまず一番最初の労働生産性の話ですけれども、水田整備率というその話がたしか出るのではないかと思うのですけれども、60%で、それから75%を目標というあの話ですね。
それで、ここで出ているのは、稲作の労働時間がかなり短縮になったという話が強調されていて、これはいいと思うんですけれども、やはりそれは、後で参考資料の方、こちらから見ますと水田整備率ということで、水田整備率と労働時間だけ見るといかにもこうなっているのですけれども、やはり一戸当たりの水田経営面積というのがありますね。そういうおもしろいグラフが出ているんですけれども、後の方でも、かなり米価の生産コスト、ああいうのも推計資料をつくってあったのですけれども、この辺はやはり労働時間が短縮したというのは水田の整備率の貢献度がこのぐらいで、それから戸当たり水田経営というのがこのあたりで、定量的に、割とこれ、推計式をつくればできると思うんですよね。
ですから、そういうところもちゃんと把握しておいていただければ、水田整備率はこのぐらい労働生産、稲作労働時間の減少には貢献するし、一戸当たりの水田経営面積というのはこれぐらい貢献するということが主張できるはずなんですね。
つまり、稲作労働時間を、水田整備率と戸当たり水田経営面積ということで説明するような式と言いますか、そういう定量的な相互の関係を把握してあれば、どのぐらいそれぞれの効果があるから、だから水田整備率のアップというのはこれぐらい重要なんです、あるいは、一戸当たりの水田経営面積を上げることはこれぐらい重要なんですという主張ができると思うんですよね。後の利用集積の話にも絡むと思うのですけれどもね。ですから、そういうことをも出していただければ、もうちょっと説得力があるのではないかなというのが第1番目です。
それから、2番目が耕地利用率の話なんですけれども、そこでは、利用率で105%という目標があるのですけれども、だとしたら、それの向上戦略といいますか、そういうのにつながるような話をちょっと入れていただいた方がいいのではないかなと。
もちろん我々が想像すると、予想するとおり北海道というのがかなり例外的に高くなっているわけなんですね。データとしてはもちろんあるわけですけれども、やはりそれは関東と余りにもばらつきが非常に大きいわけですね、地域ごとのばらつきというのが。だから、こういうことをやはりちょっとリファーしていただいてくると。
もうちょっと別な言い方をすると、北海道を挙げるのが戦略的に一番いいのか、あるいは北関東、関東地区を上げればいいのか、どっちが戦略的にいいのかとかいうような情報もある程度は欲しいわけですよ。全体として105%というもの。でないと、105%というのが本当に、フィージビリティといいますか、実現可能性がどのぐらいかというのがどうしても、ちょっとわからないわけですね。
ですから、せっかくそういう地域ごとのあれも出しておられるわけですから、そこのところをやはりちょっと戦略としてつながるような話を。参考資料で言いますと18ページですね。そこにかなり出ているわけですから、それをリファーしていただきたいというのが、耕地利用率。
利用率に関してもう1つあるんですけれども、この利用率のデータですけれども、やはりわからないのは、全国平均93%で105%が目標だというのはいいのですけれども、これ、単作自体での利用率というのと、それから繰り返しというのですか、水稲と何か畑作というのですか、それとの選択的作付けというのですかね、そこで出てくる、アップする分と、両方あるわけですよね。ですから、そこのところはどっちが大事なのか。
つまり、土地を整備して広げるのが大事なのか、あるいは作付けのそういう、選択的畑作もつくることによって上げるのがいいのか、あるいはどっちが効果的なのかとかいう、そういう話が何かわかるように。一本でなくてですね。つまり、我々の関心があるのはやはりどっちが、推進したいのは、できるだけいろいろな高度に利用するのがいいのか、絶対量を広げるのがいいのかというそういう話で。
それから、利用集積の話でちょっと言い忘れたところがあるんですね。担い手育成の話ですけれども、294地区でされたという話を聞いたのですけれども、やはりこれ、一体、全体で見るとどのぐらいの話なのかというのがやはりちょっと。ほとんどもう、これで担い手育成の対象になっているのかどうか、あるいはほんの一部なのかというあたりがよくわからないところがあったですから、その辺もちょっと追加しておいていただければと思います。
それで、事業前が17%で、事業後が42%と非常に集積率が上がっています。これも、これ、区の方のあれで、294地区でのうちのこれぐらいで上がっていると言っているのか、あるいは面積の方でそれぐらいになっているかというのか、その辺をちょっとやはり明らかにしておくことが必要ではないかと感じます。
それから、やはりここでは担い手育成がどの程度有効かということを強調したいわけですから、強調する必要があると思うんですね、ですから、そのためにはやはり、もしかしたらちゃんと書いてあるのかもしれないですけれども、もうちょっと一般型の整備事業との比較をはっきり出して、つまり、それがない場合、まるきりない場合、本当の一般ほ場整備だけの場合と、担い手育成がやっている場合とでどう違うかというのが、もしかしたらあるのかもしれないですけれども、そこをちょっと明確にしていただきたいというのがある。
それから、最後は利用、権利の話があったんですけれども、分析として所有権が…… こういう話が書いてあったんですけれども、集積方法の内訳として、集積形態が安定的なものへ移行する傾向が見られるというのが主張といいますか分析なんですけれども、これは何かというと、所有権の方が、増加率でアップしていますというところが、恐らく背景に所有権、あるいはせいぜい賃借権ですね、それがアップしているというのが話だと思うのですけれども、これは見方によりますと、事業実施前と完了時、あるいは収量時点を比較した場合に、むしろ作業を委託するというのと賃借のスタイルというのがかなりふえているということなわけですね。所有権の割合というのは、もうかなり減ってきてしまっている。所有権をトランスファーするというのはかなり減っているというのが、むしろこれ、現象ではないかと思うんですね。
ですから、集積形態がより安定的なものへ移行するというふうに傾向が見られるというよりも、むしろ作業受委託、あるいは賃借権の部分をどうするかということの方が、むしろ大事なのではないかなというのが私の意見なんですけれども。
つまり、事業実施前と比べると、そちらの割合が非常に大きくなっているわけですね。ですから、割合、つまり対策、あるいは政策として考えなければならないのは、むしろ作業を受委託する場合、あるいは賃借権の場合はどうするかということがむしろ、対策としては重要なのではないかなというのが、ここでのちょっと印象です。
一応、大体これで。
今村座長
ありがとうございました。
それでは、どうぞ。
田中委員
非常に豊富な資料をあらかじめ送っていただいて、いろいろ勉強させていただいて、ありがとうございました。素人のために、ちょっとなおかつわからないのがあるのが残念なんですが、それはそれとして、絵の見方などは後でまた教えていただくかして、とりあえずきょうご説明いただいた中で幾つか、もう大山先生や加藤先生がおっしゃったこと以外でいろいろ申し上げたいと思います。思いついたものから申し上げます。
耐用年数が38年と書いてありますよね。そうすると、効果というのを考える、今の時点で38年間の効果を考えるというのかなと私は思っていたのですが、そうではなくて、この10年間ぐらいの効果なんですね。それで、この耐用年数との関係はどうなっておるのかという。
それから、耐用年数は一体どうやって計算、どこかに書いてあったかもわかりませんけれども、その点、効果との関係を含めてご説明いただきたいと思います。
それから、これいつも私、もともと行政官なものですからすぐ現実の問題として考ええたいのですけれども、放棄された場合、せっかく改良して、しかも0.2%にしろ放棄される。それは一体、他の人に借金とともに移転するのかですね。それなら問題ないですね。例えば私が、もうやめました、Aさんに、Bさんに、自分のものは渡したというのは放棄ではないと思うんですよね。それがそのまま耕地が残るわけですから。
だから、放棄されるというのは結局、せっかく改良したところが、たとえ0.2%であっても農地でなくなるということであろうと思いますから、その人の持ち物がまん中の方であったりするとえらい話になると思うのですが、それは一体、放棄の形態というのはどういう形になっているか。当初の目的、改良の目的を損なうような放棄の仕方なら困るなと。
私は土地改良というのはある面でこれは非常に、日本では38年から始まったのだけれども、大昔外国で、オランダでもフランスでも言えますけれども、空から見るときれいに耕地整理がしてあるんですよね。あんなふうに日本、ならないのかなと常々思っておったのですが、環境面からも、あるいは景観からも、本当に私は土地改良というのはすばらしいと思うのですけれども、さて、その放棄されたものというのは一体、具体的にはどういう形をとり、どういう後始末がされるのかなということと、それから、借金の話ですね。農村の人たちはいろいろ、本当に相当の金をそれぞれ改良区に個人的に負担していると思うのですけれども、それはどういう話になるのかなと、そういうあたりがまず心配になりました。
それから、先ほども大山先生がおっしゃった利用率なんですが、どこかにこれ、書いてあればそのページを教えていただきたいのですけれども、改良前、改良後、同じ土地で、改良前には利用率が幾らだった、その改良後は幾らだったと、それが年をへるにしたがって非常に利用がふえてきた、というのが非常に目的だと思うんですけれどもね。
そういうとらえ方をした方が効果としてはよくわかると思うんですが、ただ、改良していないところと、あるいは全国平均と比較してみるというのではなくて、同じところ、改良したところについて、改良前と改良後の利用率がどういうふうになっているかというのはいかがでしょうかという話ですね。
それから、これも大山先生がおっしゃったように、利用集積の話ですね。これはもうばかの一つ覚えみたいにいつも言っているので、角田さんには悪いのだけれども、要するに、今度の全体の「食料・農業・農村」の企画部会の資料もいろいろ読んでみると、ようやっと株式会社について土地のリースというもので言っているのですが、この際、担い手のところを見るといろいろ書いてありますが、集落営農の法人化だとか、個人の担い手から始まっているのですけれども、「担い手」というとどうしてもあくまでも個人に着目したようなニュアンスですよね。農水省で、ここまで農業を持ってきた、そこに1つ責任があるという、あるとすればね。私は、ずっと農家、個人に着目したところが間違っているのではないかと思っているんですね。
ばかの1つ覚えというのは、やはりゴーイング・コンサーンでないと、私は日本の農業も守れないし、展開できないというふうに思っております。それはいろいろな面で。
というのは、人の活用、いろいろな能力を人は持っています。農家だからといって、すべての能力を身につけているわけではない。いろいろな人がおって初めて、ということは、それをゴーイング・コンサーンに改善すれば、そこのところはいろいろな人が集められる。
しかも、人を集めれば、遊ばせておくわけにいきませんから、年がら年じゅう仕事をさせたいということになると、冬であろうと夏であろうと、土地も改良してあったらなおさら、しかも簡便化されているわけですから、より活用しようとするインセンティブがわいてくるんですね。
それを、ようやく集落営農の法人化だとか、農業生産法人も少しずつ、注のところに書いてご説明になっている「担い手とはこういうものだよ」とあるのですけれども、どうしてそこまで、もうリースまで持っていくか。株式会社をメインに据えたいんだというふうなことを、これはこの総合調査ではなくて、もちろん本来の審議会、見直しの審議会といったことでの話かもわからないのだけれども、そういう見方も、担い手で必要ではないのかなと。また、見直しされるときにね。
という、その辺はちょっともう意見になりますので申し上げませんが、そこのところが、土地改良の場合は非常に重要になってくるのではないのかなという気がします。これは意見でありますからお答えはいいんですけれども、もしお考えがあればどうぞお願いします。以上です。
今村座長
ありがとうございました。
そのほか。時間が気になっているので、簡潔に箇条書き的にやってください。
秋岡委員
2つ伺いたいのですが、ちょっとご説明いただいたのを聞き漏らしているかもしれないんですけれども、1つ目は、費用が幾らとかとかありましたよね、2兆9,000億円、これって、例えばざっくりどんなことにお金がかかるのかというのがよくわからなくて、例えばこの資料の2枚目のところの事業の具体的内容に[ 1 ]と[ 2 ]ってありますよね。多分、[ 1 ]の方が具体的に何か工事をしたというので、[ 2 ]の方が、人間関係を調整したり、励ましたりするのに幾らというふうになっていると思うのですけれども、この2兆何がしというのをざっくり[ 1 ]と[ 2 ]で分けると、どっちに一体お金がかかっているか。ざっくりで結構です。
2つ目は、すみません、何か変てこなことで申しわけないのですけれども、やはり2ページ目の8ところに「土地改良長期計画を立てました」とあるんですけれども、こういう計画って、そもそもどうやってつくるんですかっていう。
何をお聞きしたいかというと、次ページのところに「事業の実施にあたっては、農家の申請と同意が基本である」と書いてあって、すると、計画を立てるときには、同意と申請が得られそうなところを見て、それをベースにして計画ってつくるんですか。それとも関係なく、これが必要だというところを何か何らかの方法でピックアップしてやっていって、この進捗率になる。それによって、この進捗率の見方が、さっき加藤先生もおっしゃったと思うんですけれども、その辺がちょっとよくわからないので教えてください。
以上です。
今村座長
ありがとうございました。
では、大木さん。
大木委員
質問は1つなんですが、まず、この参考資料1-1、これはとてもいい資料だというように褒めさせてもらいたいと思うのですけれども、この資料は、農業を知らない納税者にも、説明するときにとても理解しやすい資料だ、よくできている資料だなというふうに思いました。これが1つです。
それから、資料の今度は1-1の方の11ページのところですけれども、ここのところの上のところに、マイナス効果として、生態系への影響が書いてありますよね。これには、具体的にどんなものがあるのかなということです。
例えば、絶滅の危惧種に大きな影響があったのかなというか、あったとか、ありますとか、そういうところがあったら教えていただきたい。
以上です。
今村座長
森本さん、よろしいですか。では、簡潔にお願いします。
森本委員
最後で、何か損をしておるような気もしますが。
事前説明のときにも言ったんですけれども、私個人的にはよくできた総合評価書だと思います。
ただ、若干個人的に気になる部分は、4ページの、それこそ事前説明のときにも申したわけでございますが、この耕作放棄地がやはりあるということですね。その耕作放棄地の中で、やはり問題として、高齢化、労働力不足、その中の「農地の条件不利」という言葉がやはりあるわけですよね。なぜ、土地改良事業をやっているのに農地の条件不利というものが発生しているのかということですね。
これは、当然私たちが考えるには、恐らくやはり乾田化対策の部分なのだろうなと。恐らく水はけが悪いとかいうそういう部分なのだろうとは想定できるのですけれども、やはりそういうものを考えた土地基盤整備、ほ場整備というものをやっていかないと、後かこういったことで耕作放棄地になるような、わかっている要件が、わかっていてやらないというのはちょっと問題。
それと、鳥獣害被害も、これは当然昔からそこには鳥獣害はいたはずなんですよ。ほ場整備をする前から鳥獣害は当然いたはずなんですよね。その中で、そういうものが理由として耕作放棄が行われるということ自体が、これは事前着工の時点でその辺に若干問題があるのではないかと、そういった気もいたします。
ただ、私は個人的に、ほ場整備というのは、土地基盤と言いますと、やはり悪しき農業土木みたいなイメージがどうしても皆さんにあると思うんですけれども、私は、生産者として、やはりこのほ場整備というのはやっていってもらわなくてはいけないと思いますし、全国の農業者の中にも、ほ場整備をまだやってくれという人も多数います。
やはりその辺のところを踏まえて、改善の中で、経費の削減とか、いろいろなものも書いてありましたので、こういうことをただ単に書いて絵に掻いた餅にならないように、それを実行して初めて評価というものが成り立つわけでございますので、やはりその点まで真摯に書いたと思いますので、あとは実行をちゃんとやっていただくようにお願いしておきます。
でも、これは僕も、加藤先生の話と一緒なのかな、この1.66にする、数字だよな、これ4兆8,000億にするわけでしょう、6番の数字の3兆2,000億を。この4兆8,000億にする1兆6,000億をどこから。もうちょっと詳しく教えてほしい。
こっちの水田貯留何とかかんとかは、これは10掛けなの。そういうことかな。足したのを10掛けて足すのかな。
今村座長
ちょっと、ではそこは一緒にお聞きします。
加藤委員
2兆9,000億円のうち、国費がどのくらいかもちょっと教えてください。先ほどのざっくりという、そのざっくりの中に、国費がどのくらいか
今村座長
では、角田課長、簡潔に。解説は要りませんから。
角田事業計画課長
わかりました。
今村座長
大体読んでいますからね。
角田事業計画課長
ご質問の中で、ページ11の効果算定の手法に関する部分、いろいろご質問がございました。最初に加藤委員の方からございましたけれども、この費用は、10年間にかかった費用でございますけれども、効果の方は、38年間にわたって継続いたしますので、ですから1対1ではないということで、還元率等、考慮いたしましたけれども、こういうような今回の算定になるということでございます。
加藤委員
待ってください。1対1ではないというのは、年効果だから、38年間の年効果を38年で割るという、そういう意味ですか。38年でいくと、約1,700億円ぐらいになると。
角田事業計画課長
いや、単年度の効果額というのがそれです。
加藤委員
単年度でね、単年度で。38年度分のそれをいわば38で割ると、非常に単純に言ってしまえば。
角田事業計画課長
そうですね。
加藤委員
ということですか。
角田事業計画課長
はい。
加藤委員
だけれども、2兆9,000億は、もちろん10年間の。
角田事業計画課長
10年間。便益の方が38年間ということなんですけれども、これは単純に38を掛けるのではなくて、利子率の問題がありますので、それを考慮して算定したものが3兆2,000億ということになっております。ここは、参考資料の方に計算式もお示ししておりますけれども。
加藤委員
何ページですか。
角田事業計画課長
35ページでございます。
加藤委員
はい、後でこれはしっかり見る。もう1回。
角田事業計画課長
年総効果額を還元率等で割って、廃用損失額を差し引いて総便益が出ます。その総便益と総費用の比でもって評価してございます。
加藤委員
国費はどのくらい使われますか。2兆9,000億円のうち。
角田事業計画課長
国費は基本的に50%でございます。
加藤委員
50%。と、その残りは田んぼを持っている人。
角田事業計画課長
残りは、県と、それから市町村、農家の負担になっております。
加藤委員
国費が50%で、それぞれ3分の1ぐらいずつですか、残りの。
角田事業計画課長
これは地域によっていろいろでございますが、最近の事例で言いますと、国が50、それから県が30、市町村が10ぐらいでございます。11か12というのもございます。
加藤委員
と、農家が10でいいんですか。
角田事業計画課長
農家が大体9%ぐらいです。
加藤委員
9から10、そのぐらい。はい。
角田事業計画課長
それから、次に、大山委員の方からいただきましたご質問でございます。労働生産性の向上についての話で、効果を、水田整備率と1戸当たり経営面積に分けて説明できないかということでございますけれども、この整備をすることによって経営面積がふえるという効果もございますので、ちょっとこれはすぐに今、分けてということにはなりませんけれども、ご指摘の点を踏まえて考えていきたいと思います。
それから、耕地利用率でございますけれども、105%向上の戦略につながるお話が欲しいとの指摘をいただきました。これにつきましては、ほ場整備によりまして地下水位を下げる。したがって、作物生産の自由度を高めていくということでございますので、これはまさに地域によっていろいろな畑作物を作りたいとか、あるいは麦、大豆を生産したいとそういったニーズに的確に応えていくというような形でもって、耕地利用率の向上に資していきたいということでございます。
もちろん地域によって、西日本のように気候のいいところにおいては、さまざまな高付加価値なものがつくれるという条件もございますし、他方、北日本の方ではなかなかそういうところの自由度は低いというような問題もございますけれども、いずれにしてもその辺は、地域の創意工夫によって利用率を上げていっていただきたいというふうに思っているところでございます。
それから、担い手育成の294地区ですね、これが全体の中でどういうウエイトなのかということでございますけれども、今回対象といたしました2,800地区すべてに実績を調査するには、量も非常に多いということもございまして、今回294地区、平成8年から13年に完了した地区をピックアップして、抽出調査ということでまとめさせていただいたということでご理解いただきたいと思っております。
それから、農地利用集積の後、その持続性について、所有権、それから賃借権、それから作業受委託とあるわけですが、それについて政策としてどう考えるのかというご指摘だったと思いますが、私どもとしては、必ずしも所有しなくても、効率的な経営を目指す担い手なり、集落営農といったことで、効率的な農業が実施できればいいと考えておりますので、基本的には利用権、賃借権が一番望ましいと思っておりますけれども、作業受委託についても、そういった効率的な農業が実現できるということで、このほ場整備事業の中では利用集積の対象に含めてやっているということでございます。
大山委員
事業展開が、これはべつに不安定というわけではないわけですね。ここで、「安定的な傾向へ移行する傾向がある」というのがちょっと引っかかったのですが、これはむしろ安定、所有権の安定さを強調しているのかなというふうに、むしろ印象としてはとったのだけれども。
角田事業計画課長
では、ちょっと表現の方を工夫いたします。
それから、田中委員の方からの最初のご指摘につきましては、先ほどの38年ということでございます。あの算式のとおりでございます。
それから、耕作放棄の観点でございますけれども、これは私どももいろいろ調査したところ、ほ場整備をしたど真ん中で耕作放棄が出ているという事例はほとんどございませんで、その地区の周辺部ですね。森本委員の方からも、「条件不利」ということは何だというご指摘があったのですけれども、地区全体のやはり隅っこの方とか、ちょっと水の条件が悪いとか、そういうところで出ているということでございました。
しかし、やはり耕作放棄は基本的にはなくすべきものでございますし、今後の基盤整備の進め方においても、ここはさらに留意して、耕作放棄が出ないように心がけていきたいというふうに思っております。
森本委員
ポスト効果というのは、逆に言えばそこは本来は生産者自らが本当はやらなくてはいけないところなんだけれども。だから、そういう耕作放棄地を出せば、結局償還金に若干の、逆に言えば罰則みたいなものはできないのかということでしょうな。
加藤委員
あるいは返還させるとか、そういう。
森本委員
余り「返還」という言葉を使っては。
田中委員
だから、金を払いさえすればいいわけでしょう。
角田事業計画課長
ええ、まあ、負担金を払えばいいわけですけれども。
田中委員
大体払っていますか。
角田事業計画課長
今、その償還の状況は、ほぼもう100%に近い状況でございます。二、三年、仮に耕作していないという状況であっても、基本的には負担金は納入されていると。
森本委員
いや、それは違う。
角田事業計画課長
違いますか。
森本委員
耕作をしていても、今は償還金を払えない農家が相当数います。
私自身も、土地改良の相談をやっていますけれども、やはりうちの公庫あたりでも、もう何千万という金額でやはり、耕作はやっているんだけれども償還金を払えないって、払わない人がいる。相当いますね。ただ、それとこれとはもう、ちょっと切り離して物事を考えないといけない問題ですから。
田中委員
いや、やはり放棄した人はどうなっていますかということで。
森本委員
それは 恐らくだれも払う人がいないんじゃないかなと。
田中委員
そうですか。
森本委員
払っているというのも。
角田事業計画課長
全国的な償還金の数字で見ると、森本委員が言われるほど。
森本委員
そこまではない。
角田事業計画課長
ええ、出てないですね、ええ。
森本委員
金額からすれば、大したことはないのか。
角田事業計画課長
それから、耕地利用率の問題につきましては、これは資料の5ページをごらんいただきますと、事業の実施前後において97から102ということで、一応これは実際にほ場整備の事業を実施する前は97%だったところが102%ということで、そういう向上効果は確認されたということでございます。
今後、担い手の定義といいますか、ほ場整備を行ったときの利用集積の対象をもっと、組織経営でありますとか、あるいは、株式会社等を含めてというようなご指摘もございましたけれども、これはまさに今度の企画部会での議論の中でも、私どもとしては、より幅の広い担い手に農地集積をしていくという、全体の施策の方向に沿った形で、その対象をまた考えていきたいと思っております。場合によっては、事業制度についてもいろいろ工夫をしていきたいというふうに思っているところでございます。
それから、秋岡委員のご指摘にございました2兆9,000億円のハードとソフトの比率でございますけれども、97.1%でございました。ソフト施策の方は2.8%ということになっております。
やはり物理的に、区画を整理したり、それから水路を整備したり、農道といった整備をするというハードの部分に相当のお金がかかっているという状況でございます。
農村振興局担当官
16年度の予算で申しますと、ほ場整備関連だけで国費約900億円。対応するソフト施策で約30億となっております。その比率で3%程度となります。
秋岡委員
でも、絶対的な金額にすると結構大きいという。そうでもないんですか。国がやることが大したことなのか。
農村振興局担当官
ええ、そうですね。900億を投じると。
角田事業計画課長
例えば無利子資金ですね、一定の担い手の集積をする場合は、農家負担に対する利息分を軽減するためのそういう無利子資金の供給というのもございますので、そういったところでその一定の金額が出ているのかなというふうに思っております。
よろしいですか。それから、土地改良長期計画でございますけれども、これは土地改良法に定められた手続でございまして、基本的にこういう長期計画を立てて、それに基づいて実施をしていくのでございますけれども、個々の農家からの意向調査というか、積み上げをして計画を立てるということではなくて、やはり基本的な農業政策なり、これまでの整備の実情、そういったマクロな視点から、一定の長期計画をつくっているという状況でございます。
ただ、この長期計画については、審議過程において、農家の方々のご意見等もいろいろ聞きますし、有識者の方々をはじめ各界の方々の意見を反映するというような形で作成されているということでございます。
それから、大木委員の方からご指摘のありました、マイナス効果は具体的に何なのかということでございますけれども、これは補足説明資料でも書いておりますけれども、生態系の生物種が、27ページでございますが、特に水田と、それから水路との分断ということが実際に起こっておりまして、そういうことで、水に関する生物種の減少というところがマイナスの効果としてございます。
定量的にどれぐらいのマイナスなのかというところまでは、ちょっと把握できませんので、定性的に記述をさせていただいたわけでございます。
それから、最後に、森本委員のご指摘でございます。農地の条件不利につきましては、先ほどもお話ししたようなことで、地区のの端の方にあるというような状況でございます。
それから、鳥獣害の話でありますとか、あるいは、そもそもそういうところを実施の計画段階で押さえるべきではないかというご指摘につきましては、そういうことをきちんと踏まえて事業を推進していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
今村座長
ありがとうございました。
大分時間が予定より過ぎてしまったのですが、座長も一言、提案させてください。これは質問ではなく。私は、去年からずっといろいろ全国を歩き回っていて、このほ場整備をやったところ、これは確実に、保護勘定になったら耕地図があるわけです、詳細耕地図がね。これを活用しているところと全然してないところ、土地改良区によってあります。
結論から言えば、ほ場整備図に、もちろん若干縮尺したりいろいろあります。それね、色分けして、Aさんはここをずっと50枚、50ヘクタール、Bさんはこっちに30ヘクタールで30枚、きちっと整理してやって、何々法人はどこというところもあるかと思うと、全く関係ないところもある。
つまり、市町村の行政で、産業課ですね、それから農業委員会、普及センター、土地改良区、農協の営農企画、これをワンフロア化しろと言っているんです、もう徹底して。それがみんなばらばらなんです。農林省はたしかにばらばらでいいです、もうしょうがない。だけれども、県庁に行くと少しはこう。また、ばらばらだとどうにもならない。それで、市町村でから行くと、現場に行くとこれは必要なんですよ。これ、やっていないところはだめですね。土地が生きてこない。
そういうことをきちっとやっていると、さっきの不作付け地がどうのというようなこともみんなわかってくるわけです。それはあるんです。我々、ほかのところで、転用決済金いっぱい持っているから、役に立てられんでもいいっていう人もいるんです。現実にはね。付託金を懲戒分だけ払えばいいんだろう、そういう発想でね。図面をやれば100人のうち1人ぐらいいます。けれども、しかし全体としてどうするかというのは、これは下から申すんだから一番大事なので、そういうふうにやってください。時間がないので急ぎます。
それでは、申しわけなかったですが、次に技術開発について、氣多企画官がお話をしたのですが、どうぞ委員の皆さんから技術開発についての質問を、これも時間をさっきから気にしているのですが、箇条書き的に質問してください。お願いします。申しわけございません。
どうぞ、森本さん。
森本委員
事前に説明していただいましたので、大体、余り質問することはないのですけれども、その中で1つだけお願いしたいのは、結局政策評価をもうずっと何年もやってきて、ほかの局が早くから取り組んでいるような当たり前のことを技術会議は今ごろになってやっと、次につながる施策とか、そういうことを出してきていること自体が、やはり今まで閉鎖的だったということがよくわかるわけですね。
だから、やはり私たちも生産者でございますので、農水省がやっていただくことというのは、国、それなりに生産者あたりに、やはりつながるような研究開発をやっていただくということがもう大一番でございますので、今度の、評価書みたいに、考え方をちゃんとやって、そしてこれから先やっていって、本当に見えるような形の成果が出せるような技術会議に変えていただきたいと、そういうふうに、これはもうお願いでよろしいです。
今村座長
そういう希望がありました。
では、大山委員。
大山委員
私も前にちょっと説明いただきましたから大体はわかっていたのですけれども、ちょっと印象だけ言わせていただきますと、私も大学にいますから、研究開発とかまさにそういうものに関係しているのですけれども、これを読ませていただいての印象なんですけれども、そのときもちょっとお話はしたのですけれども、やはり研究開発、結論としてだめだということを言わないのだとしたら、何がよかったのか、何が評価できたのかというところをむしろ先に出していただきたいというのが全体のトーンです。
読むとちょっと何か、まさにディスアポインティングなところがあって、つまり定量化が難しいという話が必ず一番先に来るんですよね。僕は、これはむしろ後にやっていただきたくて、むしろ何がこれこれの、トータルとして評価する場合ですよね。何のあれも評価ができないというのがむしろまずいのであって、どこで評価ができたかということをできるだけ明らかにするというところに主眼を置いていただきたいというのが希望なんです。
そのために、どういうことかといいますと、ここでは経済的効果と、それから社会的効果と、後の研究開発に影響を及ぼしたかどうか、そういう話があるのですけれども、ここはやはりもうちょっと細かくといいますか、ちょっとこう。
だから、何が評価できるのかというのはむしろ、インタビューされているのでしょうから、研究者の方に言わせないといけないと思うんですね。後の研究というか、実際の担当者に何がアピールするところなのかというのを、例えば経済的な貢献度が大きいのか。
ここでは社会的貢献度というのを「普及した」という言い方をしていますけれども、それはちょっと語弊があるのではないかと思うのですけれども、むしろ技術的な側面で貢献があったのか、あるいは学術的な側面で貢献があったのか、あるいは学術的な側面だとしたら、1つの分野の狭いところを深めた点で貢献があったのか、あるいは広げる点で貢献があったのかとかそういう、いっぱい出す必要はないとは思うのですけれども、幾つかの側面をとっておいて、それで90のプロジェクトというかテーマが、その中のどういう形で貢献したところが認められるか。
そうすれば、経済、あれだけで認められたのはこれぐらいです、あるいは、経済的と技術的貢献度で認められたのはこのぐらいです、あるいは、そういうところはだめですけれども、学術的なことで貢献したところがこれぐらいありますと、何か取り柄があるといいますか、そういうところをむしろ強調していただく。
つまり、結論としてそれ、認められたということが結論に、全体のトーンとしてなっているわけですから、そのためには、どこがあれだったのかということをむしろ先に言っていただきたいというのが私の印象です。
ですから、難しい点がいっぱいあるというのはもう十分わかっていて。それはもうどこでも議論になっていて、みんながもう長い間議論をしていて結論は出てこないし、これからも恐らく出てこないでしょうから、これは一応研究プロジェクトとして何年間、10年間ですか、何年かを経て事後的に見るわけですから、そういう点ではどこで何をしたかというのが、研究者の方にむしろ言わせるといいますか、形で評価をして、それでこちらが、切り口といいますかそれをつくってあげて、それで、ここで評価ができますと。
それで、研究者がもう本当に自信がなくて心配だったら、
いや、すみませんけれども何もないというような形になるかもしれないですから、そのときはやはりだめですと。あるいは、研究者が言ったにもかかわらず評価ができない場合は、やはりちょっとは考え直した方がいいというか、そういうことをちょっと考えていただけたらと思います。
今村座長
ありがとうございます。では、ご意見として承ります。
そのほか。大木さん。
大木委員
すみません、わからなくてなんですが、いや、私もある研究機関の評価をしているのですが、そこでは、それぞれどんな効果があって、どういうふうになっているかというのが、そこできちんと出てきますよね。
ここの場合、この評価というもの、それぞれが恐らくやっているのだろうと思うんですよね、評価を。そして、さらに、先ほど中央でやはり把握してこうしなければというお話がありましたけれども、それ、する必要があるのでしょうか、そんなに膨大に。こんなに評価をしなければならないものなのだろうかというところにちょっと疑問を持っていまして、評価というもの、研究のこういうものをここに持ってきて、重複と言ったら重複しているのではないかと思ったりも。人さまのやっているものをどうしてここに持ってきてやらなければいけないのかなと。
もうちょっと効率的に、そうではないうまい方法がないのかな、こんな大変な思いをして、やっているのはみんなどこでもやっていることですよね、この書いてあるものすべて。書いてあるのは、どこでもやっていることなので、それをここに持ってくるというのがちょっと疑問に思ったんです。
今村座長
はい。田中委員、どうぞ。
田中委員
私、長いこと、現職のときに通産省の研究機関を随分触ったことが長年あるんです。その後のことを今思い出しながら、この間の事前説明でちょっと話しておいたのですけれども、何を言いたいかというのは、森本さんなんか言ってくれましたけれども、やはり研究者というのは、大学で言ってもそうなんですけれども、本人が一番よくわかっているんですよ。何のためにやるか、どこまで進んでいるのか、だめなのかね、それから、思いもよらないことが、田中耕一さんではないけれども、とんでもない話が出てくるとかね。研究というのは、そういうものかもわからない。
それにしても、昔の工技院、工業技術院なんかと、農業の場合は違うかもわかりませんけれども、いずれにしても個人というのが非常に個々の、少なくとも研究室ですね、そういうところが一番よくわかっていると思うので、そこが毎年自分で評価して、それをオープンにするようなシステムなんかがいいのではないか。
こうやって大げさにおやりになるのは、それはこれはこれでご苦労さんでしたとこう言うんだけれども、やはり評価というのは、まず自らが一番わかっているので、あるいはその部ですね。そこでやって、それを公開するような仕掛けにされたらいかがかなという気がしております。しておられたら、ごめんなさい。
今村座長
ありがとうございます。
秋岡さん、ございませんですか。よろしいですか。加藤さん。
それでは、ちょっと、では。
氣多研究開発企画官
それでは、お答えさせていただきますけれども、まず森本委員からのご指摘は、肝に銘じてやっていきたいと思いますので、それでよろしゅうございましょうか。
それで、大山委員から、何か否定的な書き方だというふうにご指摘をいただきました。実は私ども、これは工夫をしたところでございまして、先ほどもご説明しましたけれども、これは事務局が書いたというよりは評価専門委員会の場でかなりもんで、実は大山委員と同様のご指摘をいただいたということもありまして、かなり工夫をして今の形になったと。正直申しまして、先の方に、この点はだめだったけれども、結果として全体的にはよかったではないかというふうな書きぶりにしたつもりなんですけれども、御指摘を踏まえましてこういう記述になったのですが。
その中で、特に研究者にその評価というか、結果が出たかどうかを問い合わせることが重要ではないかというご指摘もいただいているかと思うのですが、そういったインタビューなんかも参考資料には載せておりまして、そもそもこの評価についてはかなりそういう手間は取ったつもりでございます。
書きぶりが一部、その気持ちが伝わっていなかったことがあれば、それは事務局の責任だというふうに思っておりますが、またそういうことも肝に銘じて今後、評価の仕事をやっていきたいと思います。
それから、大木委員からは、こういう評価結果なんかどこでもやっているのではないか
というようなご指摘がございました。たしかに、このプロジェクトをやっている当時は、必ずしもそういうことはできていなかったのですけれども、ここに指摘されているようなことはもう現在既に評価の世界でも実現していることがままございます。
それで、一方では「評価疲れ」みたいなことも言われていることは事実でございます。田中委員からもご指摘をいただいた点も、同様の点かなと思うのですけれども。
それで、実は私ども、これから「食料・農業・農村基本計画」のご説明がございますけれども、それと時期を合わせまして、研究に関しても基本計画を、ほぼ「食料・農業・農村基本計画」と同時期につくるべく、今検討中でございます。
その中で、評価についても、おっしゃられるような、ご指摘のような点を踏まえて、簡素化すべきは簡素化しつつ、効率的な評価にしていく。特に、研究者の自己評価というものも活用していく。今でももちろんやっているつもりですけれども、ご指摘を踏まえて、さらに充実させていきたいと、このように思っております。
以上でございます。
今村座長
ありがとうございました。
こんな時間になって急ぎますが、1つだけ言わせてください。私これ、事前の説明を受けまして、また読んでみまして、これ、新方針など、例えばいろいろ新しい新技術の開発にあたってのテーマの選択、選定、それから決定、開発、いろいろな手法で開発し、その成果をどう考えるかと、やはりこれは常に予測し、一連の経過が必要だと考えております。
それで、その場合に、生産者、農民ですね、それからユーザー、実需者、それから消費者、この意見がどれだけ聞かれているかということを常に考えないと、現実的には、農畜産物の開発ですから。これはやはり非常に大事だと思うのです。
私の経験に照らして、2例だけ申し上げます。
きょうの評価書で、新しい小麦品種、北海道の「ホクシン」というのが出ておりましたけれども、この前が「チホク」というものでした。私、二十数年前に、小麦の研究なんてもう、輸入すれば十分だ、日本ではやらなくていいという時代に、北見農試へ行きまして、本当に2人か3人だったです。これに対し、農民が、1俵50円カンパしていたんです。それで何とか、いい、この種にかわる、病気の出ない、穂発芽にならないのをつくってくれとカンパしていたんです。これは感激しまして。二十数年前です。それで、そこの北見農試へ私泊まって、いろいろ話を聞きました。それで「チホク」というのが出たわけです。
それで、一時期一世を風靡しました。これは、日清製粉を初め、北見製粉所の皆さんも、なかなかよろしいということを言っていたのですが、これもまた劣化してだめになった。それで「ホクシン」になったのだろうと思いますが、これはやはり生産者なり、ユーザーの意見を聞いているのだろうなと、その辺、わからないんです、ちょっと、書き方で。
今1つの例は、「いいちこ」という酒が大分にあります。それで今、焼酎の銘柄で「西の星」、
あれは「ニシノホシ」という大麦で、九州農試が開発したやつなんですが、これは「いいちこ」と共同開発したんですね。西太一郎という社長を私、昔から知っているものですから、もう随分前の話ですが、「おまえのところ、下町のナポレオンで、日本一の麦焼酎なんて言いながら、なんだ、輸入の麦でつくって、だめじゃないか」という話を飲んでやっていたんです。
そしたら、「たしかにそうだ。だけど、今村先生ね、日本の大麦でそれに耐え得るのがないんだ」、「それはおまえ、つくらせろ」という話でね。そうなったかどうか、細かいことはもう私もその後トレースしていませんけれども、それで、「ニシノホシ」というのを九州農試が開発しました。
その大麦の名前と同じ名前の焼酎の名前が「西の星」、紫色っぽいびんで、これは本当に好評なんです。売れに売れて、足りないぐらいなんですね。しかし、それをつくらせるのに、私は郷里が大分だものですから、宇佐平野へ行って、「米なんかつくらんで、ろくな米はできないから、麦つくれ、麦つくれ」って、県庁から言って回って、私もそこら辺は、いざとなると好きだものですから、やっていたんです。
そういうことを含めて、やはり新しい「ニシノホシ」という銘柄でつくって、安心院に工場まで建てたんですね。そこまでやはりやる精神はそれぞれ持っているわけです、ユーザーも、それから生産者も、それから開発者、これはやはりお互いにやらないとだめかもしれないといつも思っているのですがね。そういう関係をもう少し何かの機会に明らかにして、これからの課題にしていただきたいというふうに思います。
どうもすみません、ちょっとここで5分もとって。
それでは早速、言いっぱなしで申しわけないが、次のテーマに入ります。
それでは、続きまして、一般政策評価に関する17年度実施方針について、内畠調査官よりちょっと説明していただきます。
内畠調査官
それでは、資料2に基づきまして、政策評価に関する17年度実施方針を説明申し上げます。
これは、そこにも書いてありますとおり、先月の省内の新基本法農政推進本部で決定をしたものでございますので、その報告をさせていただきます。
まず、実施方針の基本的な考え方を1番に書いてございますが、我が省では、他省庁に先がけて実績評価に取り組んできたということ、あるいは、評価結果の予算への反映を図る観点から、政策手段別評価、つまり予算の事務事業の評価を実施してきたという経過、あるいは政策ツリーを構築する等々の政策評価手法の改善、見直しによって、評価のための評価ではなくて、政策への反映を図っていくという、そういう評価の方針で臨んできたところでありますけれども、まず17年度においては、そういう評価結果の政策への反映をさらに徹底するということを旨としたいというのが1つの基本的な考え方でございます。
さらに、「業務改革の視点も踏まえる」と書いてございます。これは、業務の負担を減らしながら、有効に評価が機能するようにするということも基本的な考え方として掲げる。
この2つの基本的な考え方によって評価を実施していきたいということでございます。
具体的な進め方が2に書いてございますが、まず第1に実績評価でございます。これは、16年度の政策評価シートを去年の9月に見ていただきましたけれども、農林水産省が行う政策分野全般にわたる主要政策分野、57分野を対象に実施いたします。これは、予算の担当部局などと連携をいたしまして、政策への反映を図っていきたいと考えております。
ただし、その際に、近く新たな「食料・農業・農村基本計画」が策定されますので、それを踏まえて、政策評価の反映というのが新たな政策展開に対応した施策の改善方法の提示となるように、評価の実施にあたってきちんと分析をしていきたいと思ってございます。
それから、業務改革の視点から、2つのことをやりたいと思っております。
1つは、効率的な評価を行う観点から、実績値を把握した上で政策評価会の意見を聴取するということでございます。これは、今まで、4月に1回、実績値が入っていないままに意見をお伺いして、それから実績値を入れて6月にもう一度意見をお聞きしていたという経緯がございますけれども、4月の第1回目のときの資料というのが、実績値が入っていないものですから、十分な分析が行われていないと、こういう経緯がございました。
そこで、回数を1回減らしまして、きちんと実績値を入れて、分析もきちんとした上で評価会の意見を伺うということにしたいというのが1点でございます。
2点目が、自己評価の原則に則りまして、政策評価会で重点的に意見を聴取する分野、この15分野は9月の評価会で示しておりますけれども、それ以外は局庁レベルで評価を完結させることを基本とするということでございます。
これはどういうことかといいますと、従来は3段階で評価をしてまいりました。つまり、原局原課、それから原局の評価担当課、それから我々企画評価課の3段階で評価をしておったところでございますけれども、政策評価というのは政策評価法にも書いてありますとおり、自らが評価するというのが基本でございますので、この15分野以外については、原局止まりにする。つまり、2段階の評価にするということで業務の効率化を図りたいということでございます。
3段階の評価をした場合には、各段階で意見の相違があった場合にはそれが明らかになるというメリットもあったところですけれども、業務改革の視点の方を重視いたしまして2段階で完結させるということでございます。これが第2点目です。
それから、2番目に政策手段別評価でございます。これは、予算の事務事業の評価でございますけれども、これは実績評価を深掘りし、補完するという観点から、過去3年間やってまいった評価でございますけれども、これは去年からの方針で、政策評価基本計画の対象期間であります18年度までに、計画的に既存の政策手段のすべてを評価するという方針でやってございますので、今年もその計画に則って計画的に行うということでございます。
2ページにお移りいただきまして、ということですので、評価の対象とする政策手段というのは、原則として各局長の責任により選定することとしておりますけれども、そもそもこの政策手段別評価の趣旨というのが、実績評価でCランクになった目標に係るものについては、政策手段に原因があったであろうということで始まったものですから、そこのアに書いてありますけれども、実績評価の達成ランクが2年連続して「C」になったようなものもあわせて実施するということでございます。
それから、3番目です。事業評価でございますが、事業評価はこの評価会というよりも専門部会の方で主に議論を賜っておるものでございます。これは、研究開発、それから公共事業について、法律を越えてすべての事業を対象に実施しておるものでございますが、これについては、引き続き事前評価・期中評価・完了後評価の結果を比較検証した上で、予算要求や計画の見直しに活用するということを徹底するということを図ってまいりたいと考えております。
中でも、アに書いてございますけれども、公共事業の事前評価における多段階評価方式の導入ということを図りたいと思っております。
これは、事前評価における評価項目において、今まではか×か、つまりその評価項目を満たすか満たさないかという2段階での評価にしていたものを、例えばA・B・Cのランクづけをして評価するということによって、評価の客観性、あるいは透明性を高める。あるいは、そのことによって地区間の比較を容易にするといったような工夫をしたいと考えております。
そのほか、イ、ウに掲げましたように、期中評価、完了後評価における費用対効果分析を実施する。あるいは、データの活用、学識経験者の知見の活用を一層充実するということも引き続きやっていきたいと考えております。
3ページにお移りいただきまして総合評価でございます。
総合評価につきましては、16年は「食料・農業・農村基本計画」に係わります3課題、つまり食料自給率、農業構造展望、耕地利用率について10月にお諮りし、それからきょうお示しした2課題を実施したわけでございますが、今年は、「森林・林業基本計画」、これは13年の10月に策定されておりますけれども、これが概ね5年ごとの定期的な見直しの時期に当たりますので、仮称でございますけれども、「森林整備目標の達成状況について」ということで、「森林・林業基本計画」の見直しに係る課題をテーマとして実施したいと考えております。
それから、5番目です。5番目は試行的に実施する評価ということで、これは事前評価と、それから規制影響分析を現在試行実施しております。そのうち、まず事前評価ですが、これは引き続き質的な向上を図るために、その対象を重点化しつつ実施したいと考えております。
特に、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」、いわゆる「骨太方針」でありますけれども、この中で、成果目標の明示、あるいは事後評価の徹底を通じて、予算の質を高めるというふうなことが言われておりますので、事後評価を十分に行えるような目標値の設定等についても、厳密な審査を実施するなどして、さらに質の向上を図っていきたいと考えております。
それから、[ 2 ]の規制影響分析、いわゆる「RIA」と言われるものですけれども、これは、実はまだ評価実績がほとんどございません。といいますのも、去年の10月1日から、法律あるいは政令に係るものとして試行的に実施しておるところでございますけれども、今、本国会にかかっております法律の分析ができておりませんので、ここに報告するようなものがいまだありません。
ということで、評価実績を積み重ねながら、その手法の開発を進めまして、今国会にかかっている法律の中で、RIAに係るものについては、その公布時を目途としてこの評価会にお諮りをしたいと思っております。
4ページにお移りいただきます。
「政策評価業務の効率化等」ということでございます。これは、先ほども言いましたけれども、業務が過剰な割にはなかなかその成果が見えにくいという批判もございますので、思い切ってその政策評価業務を効率化していきたいということで考えておる手法でございます。
これは、18年度以降に実施する評価に向けて考えていこうというものでございますが、まず1つは、政策目標というのを当該政策が目指す姿として明確にするということにしたいと思っております。目標と政策手法とのつながりをよりわかりやすくするために、政策目標というのを抜本的に見直す。そのことによって目標数を縮減するということでございます。
つまり、今、百四十幾つの数の目標値を示して実績評価をやっておりますけれども、これを思い切って骨太の目標にして、その政策分野が何を目指すのかという目標に置きかえるという作業をしようと思っております。
それとリンクしますが、2番目として、政策分野の数も大括り化する。そのことによって、政策のつながりがわかりやすくなるように分析をするということも考えてございます。
それから、3番目に、評価形式の軽量化を図りつつ、施策の効果の点検や講ずべき方向の導き出しがより効率的に行えるように、評価書の様式を簡明化するということでございます。
今、評価書はこんな分厚い電話帳みたいなものを評価会になるとお配りしておりますけれども、分厚い割には何が問題なのか、どういう分析をしたのかが見えにくいという問題もありますので、思い切って評価書を簡明化して、何が問題か、どういう分析をしたのかというのがきちんと見えるようにしたいというふうに考えてございます。
それから、4つ目に、実績評価になじみにくい政策分野というのがございます。これは、実績評価の成果として、A・B・Cではなくて、「-」が出るような定性的な目標を設定していた分野がありましたけれども、そういう分野等を中心に、総合評価方式を活用することによって、的確な評価をやっていきたいというふうに考えているところでございます。
概ねこの4つの方向で、18年度以降に実施する評価については、その改善を図りたいと思っておりまして、その姿は、18年度以降の評価でございますから、今年の9月に開催する評価会にお示しをしたいと思ってございます。
以上でございますが、17年度政策評価に当たっての改善事項は、政策評価実施計画に盛り込むなり、あるいは政策評価基本計画を改定するなりするということでございます。よろしくお願いいたします。
今村座長
ありがとうございました。
今の調査官の説明、何か疑問点、質問点、ございますか。どうぞ。
田中委員
政策ツリーを見直すということなんですか。
内畠調査官
そうです。
加藤委員
この文章も事前にお送りいただいて、私も一生懸命に読んではきました。読んできて、内畠さんが最初に冒頭におっしゃったように、これは農水省としてもう2月4日に決めたものということですから、この文章をどう変えてくれとか何とかという問題ではないというのはもちろん理解した上なのですが、ただ、何人かの委員の先生も、先ほどのことに関連して申し上げましたし、内畠さん自身もおっしゃいましたけれども、やはり評価のための評価といいますか、その手間を少し軽くする、これは軽くするというか、効率的にするというのは非常に大事だなと私は思っております。
私も実はもう1つ、国立環境研究所の評価委員というのをやっていまして、これまたなかなか大変なんですね、そのための資料とかですね。この資料づくりのために随分時間が失われていって、この時間をもっとほかのことにやったら本当にいいだろうなと思うことがある。
たしかに今までは、私もかつてはそうだったわけですけれども、政府行政というのは、特になかんずく霞ヶ関は、とにかくこういう評価ということを余りしてこなかったのが、ここで始めた。だから試行錯誤という点でいいのですが、そういういい意味で簡素化していくのはもう大賛成であります。ぜひお願いしたいと思います。
それからもう1つ、私自身がこの平成17年度実施方針を読んで非常に奇異に思ったのは、今までの農水省が長いことやってきた補助金行政というものが交付金化されて、相当大きな変化があったと思うのですが、したがって、評価の仕方も少しずつ変わってくる。
というのは、地方公共団体にかなり裁量権を持たせるというのが交付金化の意味だとすれば、農水省で考えた施策が地方に行ったときには、少しずつ微妙に違った使われ方をする。またそのことが、国民全体から見たらむしろ効率的なのだと、霞ヶ関で考えたことを押しつけるのではなくて、一番地元でやれと。そうすると、お金の使い方について、霞ヶ関で当初考えたことと、実際に地元で使われたことというのに、当然ながら、いい意味の差が出てくる。
そういうことに対する言及というかそういうものが、この文章の中に余りない。霞ヶ関の皆様方の、交付金化という手法で逃れたと、言い逃れなんですが、相変わらず補助金行政の頭の中でいるのかなという、そういう変な感じを持ったのですけれども、その辺はどういうふうになっているのか、お聞かせいただければというふうに思います。
つまり、簡素化するということはまことに結構なことで、それから、交付金化という新しい手法が、平成17年度から導入される。それが、評価の仕方にどう係わってくるのかという、その点です。
今村座長
そのほかございますか。
では、特段なかったら。
内畠調査官
お答えしにくい質問ですけれども、補助金ですから、評価として言えば政策手段別評価の中でやることになります。
交付金の意図、目的からみて、実際行われる事業の成果が想定の範囲内で収まっていれば、それは目的は果たされたものとして評価するのだと思います。
この範囲内で収まっていないというものであれば、それは想定外の使われ方として、交付金の有効性の改善に努めるとか、効率性の改善に努めるとか、そういう評価になるのだろうと思っています。
今井企画評価課長
要は新しい基本計画ができて、先ほど田中先生から、「要は政策ツリーをつくり直すんだね」と言われましたけれども、そういう作業を、この後今年のスケジュールについてお話ししようと思っていたのですが、秋以降はそういう作業を先生方にしていただこうと思っているわけです。
その政策ツリーの見直しというのもそうですし、交付金化というのも、17年度予算から交付金化しているものですから、全体の政策目的の括り方だとか、括り方も基本計画で変わりますし、やり方も、今までの補助金の流し方から交付金化になりますので変わってきますし、だから、実績のとらえ方というのも、交付金の流し方というのもこれからきっちり決めないといけないのですけれども、それに応じて実績の把握の仕方というのも変わってきますので、それをともに、存分に我々としては考えているんですというのを説明した上で、先生方の意見を聞いた上で、17年度実績の評価の仕方というのを、17年度実績評価というやつは、18年度の政策評価でやってもらうものですから、それは今年の秋以降、重点的に、一緒にご議論いただきたいということです。
加藤委員
わかりました。
今村座長
よろしいですか。
それでは、そういうことでこの秋以降の検討にご参加いただくことにしまして、時間の関係で、そのほか、基本計画についての参考資料をつけてありますが、これは今井企画評価課長からご説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。
今井企画評価課長
もう大分時間が経過していますので、その割には分厚い資料をお配りしていますので、簡単にご説明したいと思いますけれども、ただいま説明した話に尽きるわけですけれども、まず概要につきましては、分厚い資料の一番上の2枚紙を見ていただきたいと思いますけれども、その前に、今後の策定のスケジュールですけれども、今月9日に、「食料・農業・農村政策審議会」から答申をいただきましたので、月末、25日の金曜日に閣議決定をしたいということで、今諸手続を進めております。
閣議決定後は、基本法の規定に基づきましてこれは国会に報告されるということになっておりますので、多分同日付で国会に報告するということになろうかと思います。
一方で、それで策定する方は一応終わるわけですけれども、「農業・農村」の現場にその内容を正確に伝えなければいけないと思っておりますので、国会の状況等を見ながら、なるべく4月の早いうちに、地方農政局単位くらいで、ブロック別の、まず基本計画自体の説明をするということと、基本計画に基づいて、例えば自給率向上の取り組みというのをこれから具体的にどういうふうにやっていくんだとか、品目横断対策ですとか、環境対策ですとか、地域資源対策ですとか、重点3課題と言われていたような政策課題が、どんなスケジュールで煮詰まって具体化されていくのかというような、そういうスケジュールですとかそういうことを説明するのを、なるべく4月の頭のうちにやりたい。
そのためには、きょうお配りしていますのは、基本計画本体の分厚い資料ですとか、あとは構造展望ですとか、経営展望の本体の資料ですけれども、これとはまた別に、わかりやすい、もう少し字が少ないパンフレットみたいなものもつくって説明をしていこうということで、今ブロック別の説明会ですとか、その際に使うパンフレットだとか、そんなところを今、事務的には用意しているところでございます。
中身としては、この2枚紙の1ページ目の2のところに書いてありますけれども、今回の基本計画では、食料自給率の目標につきまして、[ 1 ]にあります、これは前回と同じですけれども、5割以上を国内生産で賄うことを目指すということを基本にする。
自給率の目標については、27年度までの計画期間で45%、数値の水準としては今と同じだということ、22年目標と同じ数値ということですけれども、新しい点といたしましては、生産額ベースの食料自給率というのを、今も参考値としては定めてあるのですけれども、目標値に引き上げて、あわせて設定していくということ。
下から4行目の「その際」というところが1つのポイントでして、昨年この政策評価会で、先ほども紹介がありましたように、食料自給率についての総合評価をしていただきましたけれども、その評価も踏まえまして、今回の基本計画におきましては、自給率目標について、ただ数値を掲げるだけではなくて、あわせて、重点的に取り組むべき事項というのを明確化するのだということと、もう1つは、政府だけではなくて、関係者一体となって取り組まなければいけない問題なので、関係者の役割分担を明確化した上で、それぞれの行動計画みたいなものをつくっていきましょうというようなことにしているということがポイントでして、そういったものを早く立ち上げてつくるというのが、当面の大きな課題になっているということです。
2ページ目の「総合的かつ計画的に講ずべき施策」のところにつきましても、先ほども口頭で申し上げましたけれども、幾つか重点課題がありまして、それは、すぐできるものと、ある程度時間をかけなければいけないものがありますので、一番下のところに書いてありますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、今回の基本計画におきましては、施策の推進に関する手順、時期、目標を示した上で、的確に工程管理を行うということで、工程表というのをつくることにしております。
きょう、参考資料1で、工程評の案を示しておりますけれども、例えばその5ページを見ていただきますと、これが今回の農政改革の1つの目玉になっていました経営安定対策のところですけれども、下の方に「経営安定対策の確立」というのが5ページ、あると思いますが、これで行きますと、この対策というのは、要は19年度から導入するのだと。そのための法改正を18年度、来年の通常国会に出すのだと。出すために、今年の、真ん中辺に四角が囲ってありますけれども、夏から秋ぐらいにかけて、制度の詳細を具体化していくのだというような、そういう手順。
その上のところに、「望ましい農業構造の確立に向けた担い手の育成確保」という項目がありますけれども、既に着手はしておりますけれども、この新しい経営安定対策をにらんで、担い手の育成というのを認定農業者の認定の加速ですとか、集落営農の組織化ですとか、そういった担い手育成運動というやつを19年度経営安定対策の導入の条件整備として重点的に進めていくのだという、施策同士の関係はそういうふうになるのだとか、あとは、7ページに、少し離れてしまいますけれども、一方で、「米改革」というのが今進められていて、米改革というのは、16年度から始まって18年度までのまず3カ年で始まっていて、早ければ19年産から、遅くとも20年度に、農業者、農業諸団体が主役となる需給有システムに移行すると、こういうものとの関係もにらみながら、経営安定対策の確立というのが検討されていくのだというような、こういう相互の関係がわかるような工程表をつくって、余り詳細なものをつくると、かえってわからなくなってしまうものですから、こういうので、全体の手順ですとか、政策相互の関係を説明するというのと、もう1つは、自給率のやつに関係しては、この一番後ろのページに「参考」というのが書いてありますけれども、今回は自給率の向上の取り組みについては、政府だけではなくて、関係者一緒になって行動計画をつくっていく。
行動計画をつくるために、17年度のところに「協議会の設立」というのが四角でくくってありますけれども、協議会を設立して、そこで、毎年毎年の行動計画というのを策定しようではないかと。
行動計画のイメージとしては、国はこういう項目について、なるべく数値目標で、どこまでやるのだと、地方公共団体はこういうことをやるんだ、農業団体はこういうことをやるんだ、食品産業の皆さんにはこういうことをお願いするのだ、消費者にはこういうことをお願いするのだというような行動計画をつくって、1年たってみたところで、ちゃんと行動計画どおりにできたのか、できなかったのかというようなことを検証して、それをその次の年の行動計画に反映していくような、こんな取り組みをしていくんですということを今考えていまして、こういう進め方をしていくんですというようなことを、先ほど言いました、4月になりましたら、その早々のところでは、こういう取り組みをしていくんですよというようなことを説明する一方で、事務的には、早くその協議会を立ち上げて、その行動計画というのを、今ここに例ということで「ヘクタール」だとか「%」とかになっていますけれども、これに数字が入ったようなものをつくっていくというような作業を早く進めたいというようなことを考えているところでございます。
そういうことを今考えているところでございまして、先ほど内畠の方から説明いたしました17年度の政策評価の実施方針で行きますと、16年度実績評価につきましては、基本的には今までと同じような感じでやっていただくわけですけれども、秋以降は、18年度の政策評価では17年度実績評価になりますので、まさに基本計画を新しくつくって、交付金みたいなものも入りますので、そういうことを踏まえた、だから、いわば第2ステージ政策評価みたいになるわけですね。
この政策評価というやつは、基本法ができて、他省庁に先がけて農林省が始めた政策評価ですので、また新しい基本法がつくり直されますので、第2ステージの政策評価のやり方について、今年の秋、委員の皆さん方にいろいろな意見を聞きながら、なるべく、先ほども話がありましたように、評価をすることが目的になるのではなくて、評価の結果、施策の改善に活用がどんどんされていくような政策評価というのにより近づくような、そういうあり方というのをご議論いただきたいなと考えているわけでございます。
以上でございます。
今村座長
ありがとうございました。
加藤委員
工程表ができて、やがてこれができていって、その管理者、その工程表の管理を評価委員会でやってくれというのか、別途この工程表が、あそこはうまくいっているとか、ここは全然うまくいっていないとか、そこはどうなるんですか。
今井企画評価課長
そこは、いずれにしても、先ほど内畠が説明しました、この政策分野を大括り化するだとか、政策目標を見直して、数は縮減しながらも見直していって、それをつくり直したその政策評価というのは、ここにお願いをするということになるわけですけれども、例えば今、工程表のところの一番最後のページでお示ししました自給率の工程管理のところというやつは、例えばものすごくたくさんの協議会に参加する人も多くなるでしょうし、こういうのを一体どういうふうに管理していくのかというのは、現時点では我々も、どういう管理の仕方をしていっていいのかがまだ決まっていないので、秋までには当然決まっているでしょうから、その時点では皆さん方にもそのやり方について紹介しながら進めていきたいと思います。
3.閉会
今村座長
そのほかにございますか。
では、特別ございませんでしたら、ちょっと予定より20分オーバーしましたけれども、大変急がして申しわけございませんでした。きょうはこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
なお、日程については、予定表も事前に配られているんですね。
内畠調査官
次回は、5月24日に、実績評価の結果ということで開催いたしますので、よろしくお願いいたします。
今村座長
なお、今日の資料は農林水産省ホームページにより公開いたしますので、また後で、若干必要なところを整理していただいて、よろしくお願いいたします。
それでは終わらせていただきます。ありがとうございました。