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食料・農業・農村政策審議会 第4回企画部会 議事録

食料・農業・農村政策審議会 第4回企画部会議事録

 

平成11年11月30日

農林水産省第2特別会議室

 

開会

 

部会長 おはようございます。

ただいまから、食料・農業・農村政策審議会の第4回の企画部会を開催いたしたいと思います。

 

総括政務次官あいさつ

 

部会長 本日は総括政務次官に御出席をいただいておりますので、ここでごあいさつをいただきたいと思います。

総括政務次官 おはようございます。一言ごあいさつを申し上げます。

本部会におきましては、これまで3回にわたりまして、食料・農業及び農村について御議論をいただいてきたところでありますけれども、本日は食料自給率の目標策定の基本的考え方を中心に御審議いただくわけであります。

食料の安定供給の確保に関しましては、食料自給率の向上を目指して施策に取り組み、必要な農地の確保や有効利用、担い手の育成、技術の向上等を通じて、食料供給力のさらなる向上を図っていくことが極めて重要であります。

そして、食料自給率の目標につきましては、生産・消費両面における諸課題を明らかにした上で、それらの課題が解決された場合の姿として策定されるものであり、実現可能な範囲内で、できる限り高い水準を目指していく必要があると考えております。

大変難しく重要な課題でありますが、委員の先生方には本日、それぞれ御専門の立場から活発な御審議をいただき、忌憚のない御意見を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。

私、一言申し上げたいことがあります。今までの自給率は結果として自給率が出ておりましたが、これから、この審議会におきましては、目標としての自給率を立てなきゃならんということでありまして、全く違う意味でございますので、ぜひ先生方に御審議いただきまして、日本の食料の安定供給のために一つの方向をしっかり出していただきますように心からお願い申し上げます。

ありがとうございました。

部会長 どうもありがとうございました。

 

資料説明

 

部会長 第1回から第3回まで、食料、農業、農村につきまして一通り御論議をいただいておりますので、本日は主要な論点でございます食料自給率の目標策定の基本的な考え方を中心に御論議をちょうだいいたしたいと存じます。

事務局から資料が提出されておりますので、その説明をお願いいたします。まず、資料1の食料自給率目標策定の基本的な考え方、資料2の品目ごとの消費の姿及び生産面での課題について、事務局から御説明願います。

事務局 それでは、御説明させていただきます。資料の1番でございます。食料自給率目標策定の基本的考え方についてでございます。

1ページをご覧いただきたいと思います。まず、目標策定の意義・位置づけでございます。新しい基本法におきましては、その2条2項で、国民に対する食料の安定供給は、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行うということとされているところでございます。

そして、この自給率は国内農業生産が国民の食料消費にどの程度対応しているか評価する上で有効でありますし、また国民から見てわかりやすい指標であるということで、新基本法におきましては食料自給率の目標を定めるということに15条第2項でなっております。

右側の下のところに15条の条文が掲げられておりますが、その3項にありますけれども、食料自給率の目標はその向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として定める。そして、農業者その他の関係者、これには消費者もいらっしゃいますし、食品産業事業者の方々もいらっしゃいます、こういった関係者の方々が取り組むべき課題を明らかにして定めるということになっているところでございます。

2ページでございますが、次に食料自給率の向上と食料安全保障との関係でございます。食料自給率の目標の策定あるいはその実現に向けての取り組みにつきましては、平時を前提として行うものでございます。ですが、平素から、その基礎となる優良農地、農業用水の確保・有効利用、担い手の育成、技術の向上といったことを図ることは、食料供給力のさらなる向上につながり、輸入の減少等の不測の事態における食料安全保障の確保にも資するものであるという関係になっているところでございます。

右側に不測の事態における食料供給熱量の試算を掲げております。これは現状の農地面積、農業生産技術を前提としております。前提のところに書いてありますように、農地面積は現状程度、熱量効率優先の供給へ作付けを転換する。その上でケース1と2というふうに幅を持っております。ケース1の方は水田の全面積で米を作付けるということです。ケース2の方は、米の部分を一部減らして、その分カロリーのより高いいも類の作付けを増やすという前提に立っております。

これによりますと、平成9年度で1人1日当たりの供給熱量2,638キロカロリーですが、これがケース1の場合で1,760キロカロリー、ケース2の場合ですと1,970キロカロリーということに試算されております。これは輸入による食料の供給がないという前提に立っております。

ただし、上の2行目の括弧にありますように、これは生産転換とか流通制限等の措置がスムーズになされて熱量効率が最大化されるという仮定のものでの数字でございます。

今後、こういった不測の事態における必要な施策についても、マニュアル化して機動的に発動し得る危機管理体制を構築していく必要があるわけでございますが、考え方の方向としては、年度内に明らかにする方向で考えております。ただ、きちんとしたマニュアルにつきましては、拙速でなくやっていく必要があると考えておりまして、関係省庁とも十分連携をしてやっていくこととしております。

いずれにしましても、こうした不測の事態における食料安全保障の確保に資するという観点からも、農地の確保・有効利用、担い手の育成等を図ることによりまして、食料の供給力の確保・向上に向けて積極的に取り組んでいくことが極めて重要であるということでございます。

3ページでございますが、次に目標策定の方法でございます。目標の示し方についてでございますが、食料自給率は消費が分母で、消費分の国内生産ということで算出されるものでございますが、その分母である消費につきましては国民が個々の品目を選択した結果でありますし、分子の国内農業生産は個々の品目で輸入品との競争がなされる中で、消費者、食品加工業者による国産品選択の結果としてのものであるということでございます。

食料自給率の目標につきましては、各品目ごとに食料消費全体の動向を踏まえた消費量と実現可能な生産増大の水準を設定した上で、品目別の自給率を出すことが適当ではないかということでございます。これは重量ベースの目標になります。

関連しまして、基礎的な食料である穀物という分類に着目して、穀物自給率。まず主食用の穀物自給率がありますし、あわせて飼料用を含む全体の穀物自給率ということで、これらも重量ベースで示されることになります。

また、左側のイのところにありますが、我が国の食料全体の自給度合いを総合的に示すという観点からは、基礎的な栄養素であるエネルギーに着目しまして、カロリーベースの供給熱量自給率の目標を示すことが適当ではないかということでございます。

右側の枠に囲んである部分の参考をご覧いただきたいんですが、畜産物の場合には、例えば豚肉で言いますと、品目別の自給率としては62%になっているわけですが、供給熱量自給率という世界で言いますと、えさの自給率が11%になっておりまして、これを乗じることになりますので、カロリーで言いますと、7%になるということでございます。

その下の絵にかいてありますけれども、豚肉の自給率は、右上にありますように、国内生産分ということで62%になっているわけですけれども、豚肉を1キロつくる場合には、えさとして7キログラムが必要ということにもなっておりまして、カロリーの換算上は、黒い部分が輸入のえさでつくることになります。国内生産としては、白い部分のみが自給飼料による生産ということで、カロリー換算では、この白い部分だけが自給分としてカウントされるということになっているところでございます。

4ページでございますが、供給熱量自給率につきましては、ただいま豚肉で御説明しましたとおり、畜産物については農業生産上重要な役割を有しているわけでございますけれども、飼料自給率をストレートに乗じることになりまして、国内農業生産活動が低く評価される傾向にある。それから、カロリーが低いものの食生活上重要な役割を有する野菜・果実も低く評価される傾向があるという指摘があるわけでございます。

右側の上のところに表がありますけれども、畜産物につきましては国内農業算出額比で言いますと、24.5%ですが、国産供給熱量比で言うと6.6%、野菜は23.3%が5.9%ということになっているわけでございます。

このような観点からは、供給熱量自給率の目標に加えまして、これを補完するものとして金額ベースの自給率を示してはどうかというのが、アに書いてあるところでございます。この金額ベースの自給率について、実績とともに目標を示すべきという考え方があり得る訳でございますが、これをどのように考えるかという点について御議論をちょうだいしたいと考えております。

なお、この金額ベースの自給率につきまして、目標として示す場合には、将来の為替レート、価格等については見込むことが非常に難しいということですので、基準年次に固定せざるを得ないという点に留意する必要があるということでございます。

次に5ページです。今の金額ベースとあわせて、重量ベースの自給率、総合の自給率ですが、これについても実績とともに目標を示すべきという意見があり得るけれども、これについてどう考えるかという点について御議論をいただきたいと考えております。なお、この重量ベースの自給率については、畜産物とか野菜といった、質的に大きく異なるものを単純に総合化するという問題が存在するところでございます。

それから、(エ)にありますが、酒類、茶、コーヒーなどの嗜好品につきましては、栄養摂取を目的とせず、香味や刺激を得るために飲食するものであるということで、従来から、供給熱量自給率の算定上は除いております。酒類についてはカロリーを含むということでございますので、これについてどう取り扱うべきかという点についても御議論をいただきたいと考えております。なお、嗜好品である酒類等について、原料の米、麦等につきましては、品目別の自給率においては織り込んで算定をしているところでございます。

次、6ページでございます。食料需給表の見直しでございます。食料自給率の算定の基礎となる「食料需給表」につきましては毎年出しているところでございますが、食料供給の実態をより的確に反映し得るよう、必要に応じて見直しを行っております。左下の枠で囲んでいるところが、これまでやってきている主な見直しでございます。

平成10年度におきましても、より的確に実態を示すということで、右に掲げておりますような見直しを行うことを考えております。砂糖における加糖調製品等の取り扱いの見直しとか、油脂類、肉類の歩留りの見直し等でございます。食料自給率の目標を定めるに当たっても、これらの見直しを踏まえて策定するということでございます。

7ページでございますが、目標年次、前提条件でございます。目標年次につきましては、食料・農業・農村基本計画がおおむね10年程度先を見据えて策定するということになっておりまして、食料自給率の目標についても2010年度とすることが適当ではないかと考えております。なお、基本計画につきましては、新基本法15条7項にもありますように、おおむね5年ごとに見直すということになっておりますので、自給率の目標も同様に見直すということになります。

それから、その他の前提条件、経済成長率とか人口の見通し等につきましては現在、公表されているいろいろな見通しによるということを考えております。

8ページでございます。その他のフレームとしまして、米のミニマム・アクセスなどの国境調整措置があるわけでございますが、これにつきましては、来年3月の基本計画策定の時点では、これから行いますWTOの次期交渉等の結果ははっきりしないと見込まれますので、現行のフレームを前提とせざるを得ないのではないかと考えております。

それから、9ページでございます。次に、消費についての考え方です。第1回の企画部会でも御説明しましたけれども、食料消費をめぐっては栄養バランスの問題と食べ残し・廃棄の問題があるわけでございます。栄養バランスにつきましては、健康で充実し、かつ活動的な長寿社会の実現を図る観点から、脂質摂取過多の抑制等、適正な栄養バランスの実現、それから食料消費の有効利用・環境問題への対応の観点から、食べ残し・廃棄の抑制など、食料消費のあり方を見直すことが国民全体の課題となっているところでございます。

このため、新基本法16条2項を受けまして現在、食生活指針の策定に向けた検討が進められておりますし、厚生省においても健康日本21計画の検討が進められておりまして、栄養・食生活面、身体活動・運動面の健康づくり等の分野ごとに具体的な目標が設定されることとなっております。これは参考資料1にありまして、これらの点につきましては後ほど御報告いただくことになっております。

10ページでございますが、このような今後の食料消費のあり方についての取り組みを踏まえますと、食料自給率目標の分母となる食料消費につきましては、単に従来の食生活の動向が継続した趨勢を用いた場合には、さまざまな課題をそのまま抱えた姿となるということで、食料消費の指針として適切とは言えないのではないかということでございまして、国民の食料消費に対応した農業生産の拡大を図る上でも、食料消費の見直しに向けた消費者や食品産業事業者等の取り組みを踏まえた姿を前提とすることが必要ではないかということでございます。

食料自給率目標における食料消費については、単に趨勢のみではなくて、食生活指針等において示される適正な栄養バランスの実現などや廃棄物の減量化等を踏まえた、国民にとって望ましい食料消費の姿とすることが適当ではないかということでございます。

それから、11ページでございます。具体的には、適正な栄養バランスに関しましては、脂質摂取過多等に対応いたしまして、脂質を多く含む品目の消費の抑制。その場合、牛乳・乳製品、魚介類等についてはカルシウムの摂取の観点にも配慮するということでございます。そういった脂質を多く含む品目の消費を抑制する。一方で、その分、炭水化物の意味ですが、糖質を多く含む品目として、穀類を中心とした消費の増加により栄養バランスの観点から適正なエネルギー比率となるようにするということを見込んではどうかということでございます。

また、食べ残し・廃棄の抑制に関しましては、生産、流通、加工の段階における減耗や廃棄の抑制、外食や家庭における食生活上の食べ残し・廃棄の抑制によりまして、食料消費上のむだが一定割合抑制されるという姿を見込むこととしてはどうかということでございます。

次に12ページですが、生産面についての考え方でございます。生産努力目標ということで、コスト削減、品質の向上等を通じまして、国内で生産されたものが消費者や実需者に選択されることにより国内農業生産の増大は実現するものでございます。したがって、食料自給率の分子となる国内農業生産につきましては、望ましい消費の姿を前提に、問題が解決した場合に到達可能な最大限の国内生産水準を生産努力目標として設定するということでございます。

この場合、小麦、大豆、飼料作物につきましては、相当程度の生産拡大が期待し得る戦略作物であるということ、一方で、米の計画生産と米の作付けを行わない水田を有効に活用して、安定的な水田農業経営を確立していく必要があるということから、本格的な生産の定着・拡大に向けて各般の施策を集中して取り組む必要があるというのがポイントでございます。

13ページですが、それらの生産に必要な農地面積につきましては、品目ごとの作付け面積の積み上げを通じて明らかにすることにしております。また、単収、耕地利用率もあわせて明らかにすることにしておりまして、これらは、いずれも生産努力目標と密接に関連することになる数字でございます。

なお、今後の農業経営のあり方について望ましい姿を明らかにしていくという観点から、効率的かつ安定的な農業経営の経営部門ごとの将来展望(経営展望)を示すとともとに、これらの効率的かつ安定的な農業経営がどの程度の数になっていくかの展望(構造展望)を試算することとしております。これらにつきましては、次回、考え方をお示しすることを考えております。

それから、生産現場に直結する革新的な技術等の早急な開発等が強く求められておりまして、国全体の技術開発について、おおむね10年後を見通した目標(技術開発目標)も示すこととしております。

それから、14ページでございます。今後の進め方といたしましては、以上のような目標策定の基本的な考え方に立ちまして、今後さらに生産・消費両面における課題を具体化、数値化して、実現可能な範囲内でできる限り高い目標試算値を示し得るよう検討を進めてはどうかというふうに考えております。

15ページは、自給率の示し方についてのイメージでございます。平成9年度の数字として掲げております。

それから、18ページをごらんいただきたいと思います。参考2でございます。これは諸外国の食料自給率とPFCバランスの動向ということで、食料自給率、穀物自給率、供給熱量自給率について、欧米の数字を掲げております。1989年以降、OECDの統計データが廃止されていたためデータが連続しておりませんでしたけれども、今回、すべてFAOのデータに基づき、直近年次まで算出を行って掲げさせていただいております。

19ページですが、これは第2回の企画部会でもお示しをいたしましたけれども、他の先進国との比較での農用地面積についてでございます。我が国は人口が非常に稠密だということと、平坦な土地が少ないということで、他の先進国と比べて国民1人当たりの農用地面積が極端に小さく、国土条件のハンディキャップを有しております。これが食料自給率を規定する大きな要因となっているということでございます。

20ページにPFCバランスを掲げております。日本と欧米諸国は食生活のパターンが非常に異なりまして、日本は脂質が低く糖質が高いというのに対しまして、欧米は脂質が高く糖質が低いという特徴が右上の表にご覧いただけると思います。一方、アジアと比較しますと、逆に日本の方が脂質が高く糖質が低いということですが、アジアについても脂質部分が一貫して増加する傾向にあるということでございます。

次に、資料2をご覧いただきたいと思います。これは品目ごとの消費の姿及び生産面での主な課題を掲げております。

まず、小麦でございます。小麦は、消費の趨勢としましては微増傾向で推移しております。今後も横ばいないし微増傾向で推移すると見込まれております。このような趨勢と消費をめぐる課題解決に向けた取り組みを考慮して姿を描くということでございます。

生産面につきましては、現状は日本めん用を中心に供給されておりますが、品質面、収量にばらつき等の問題があるということでございます。課題といたしましては、品質の向上、供給の安定化、生産の低コスト化を図っていくために、(ア)から(エ)まで掲げられておりますが、品種の開発、主産地の形成等が必要だということでございます。

こうした課題を踏まえて生産努力目標としては、日本めん用についてASW、これはオーストラリア産でございますが、このASWと国産小麦との置きかえを図っていく。日本めん用以外では現在、国産小麦が使用されている用途について、国産小麦で対応していくということが可能かどうか、また、そうした前提のもとでどの程度の生産水準が可能かを検証して努力目標を設定するということでございます。

次に大豆でございます。大豆も健康志向等により豆腐・納豆用を中心に増加傾向で推移しておりまして、この傾向が継続すると見込まれております。このような消費に対しまして、生産としましては、現状は豆腐・油揚げ用等の食品用として、たんぱく質の含有率が高く味がよいという評価があるわけでございますが、これも供給価格が不安定、ロットが小さい等の問題があります。課題としましては、主産地の形成、優良品種の開発、産地と食品産業、消費者等との連携の強化といった課題があるわけでございます。

こういった課題を踏まえて、生産努力目標としては、豆腐・油揚げ用につきまして、高価格帯の輸入バラエティ大豆と国産大豆との置きかえを目指す。それから、需要の増大が見込まれる小粒・中粒・大粒の納豆用について、国産大豆での対応ということで可能かどうか、また、そうした前提のもとでどの程度の生産水準が可能かということで検証して努力目標を設定するということでございます。

次に、3番目の戦略作物である飼料作物です。これの趨勢、需要につきましては近年、横ばい、微減で推移しておりますが、今後は横ばいないし微増傾向で推移するものと見込んでおります。

この全体の飼料需要のイメージにつきましては、右側の参考の真ん中にありますが、こういったシェアになっております。粗飼料が2割、濃厚飼料が8割、それぞれ輸入、国産の割合がそういったことになっております。それから、酪農、肉用牛等の場合に、それぞれ粗飼料の割合がどの程度かというのを、その下に掲げております。

それで、生産についての現状ですが、作付け面積が減少しておりますし、単収の伸び悩みといったことがあるわけでございまして、飼料の自給率が低下してきております。これに対しまして、課題につきましては、その向上を図っていくということで、基盤の強化、品質の向上、生産、組織化・外部化――これは機械の共同利用やコントラクターの育成等でございます。それから、日本型放牧の推進、飼料増産推進計画というのを策定してやっていくということが課題でございます。

このような課題を踏まえまして、ここに掲げられておりますような生産努力目標としては、どの程度置きかえが可能かということで検証しながら生産努力目標を設定するということでございます。

以上が重要な3品目でございます。以下、品目を簡単に触れさせていただきます。

米につきましては、課題としては需要に応じた計画的生産の徹底、稲・麦・大豆体系あるいは高収益部門を組み合わせた複合経営の導入等が課題でございます。

大・はだか麦につきましては、小麦と同様の課題として(ア)から(エ)まで掲げているところでございます。

5ページでございます。いも類につきましては、甘しょについては健康志向等を背景に加工食品用の需要が増加しておりまして、全体に微増傾向でございます。そうした加工用適正品種の育成・普及と、でんぷん原料から生食用・加工用への用途転換等が課題でございます。ばれいしょにつきましても、全体として需要は増加傾向、今後も微増傾向ということでございまして、甘しょ同様、品種の育成、生食用・加工用への用途転換等が課題でございます。

6ページでございます。野菜につきましては、消費の趨勢につきましては、重量野菜の消費の減少等によりまして、全体として減少傾向で推移してきておりますが、近年、健康志向を背景として、緑黄色野菜の消費が増加しているということで、今後は全体として微増傾向で推移すると見込まれております。生産の課題といたしましては、機械化一貫体系、新技術の導入、消費者・食品産業との連携で周年供給や契約取引等ということでございます。

果実につきましても、趨勢としては今後微増傾向で推移ということで、課題につきましては園地条件整備、品質本位の生産流通体制の確立ということでございます。

7ページ、砂糖でございます。これにつきましての課題は、てん菜については持続的輪作体系の確立、さとうきびについては機械化一貫作業体系の確立に向けたハーベスター等機械・施設の導入等の課題があるわけでございます。

それから、8ページでございます。お茶につきましては、課題としては機械化体系、需要を踏まえた計画的生産、高付加価値化。花卉につきましては、多様で個性豊かな花卉の開発・普及といったことが課題でございます。

9ページでございますが、畜産物の牛乳・乳製品については、課題といたしまして、日本型畜産経営継承システムの確立、酪農ヘルパー等支援組織の普及・定着、あるいは家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進といったことが課題でございます。

10ページでございます。肉類につきましても、牛肉につきましては酪農と同様の課題、豚肉については、例えば安全性の高い高品質豚の生産等の課題があるわけでございます。

11ページ、鶏肉につきましては、鶏の改良による飼料効率の向上、鮮度面での優位性を生かした輸入品との差別化等が課題でございます。

鶏卵につきましては、需要動向に見合った計画的な生産、飼料効率等の向上といったことが課題でございます。

それから、12ページでございます。魚介類につきましては、課題といたしましては、国内生産量の大半を依存している我が国周辺水域における資源の開発、あるいは漁業外交の積極的展開や新規漁場の開発ということでございます。

海藻類につきましては、漁場環境の保全等が課題でございます。

最後に13ページのきのこ類につきましては、機械化の推進あるいは高品質高収量種菌の開発といった課題があるわけでございます。

大分端折りましたけども、今申し上げました課題を解決することについての可能性を検証しつつ、生産努力目標を設定していくということでございます。

以上でございます。

部会長 御苦労さまでした。

続きまして、食料自給率目標との関連で、参考資料1の「関連指針等の検討状況」のうち「健康日本21」につきまして、事務局から御説明をお願いします。

また、2の「食生活指針検討委員会の検討状況」につきましては、事務局から御説明をお願いし、その後、専門委員から食生活指針検討委員会の座長としてのコメントをお願いいたします。

事務局 お時間をちょうだいいたしまして、現在、厚生省で策定を進めております21世紀におきます国民の健康づくり運動、「健康日本21」という名称をつけておりますが、それの概要、特に農林水産省の施策にも関係のございます栄養食生活につきましての御説明をさせていただきます。

国民の健康づくり運動でございますが、厚生省としては、10年の計画として3回目の計画になるわけでございます。来るべき21世紀を控えまして、少子・高齢化ですとか、従来、成人病といっておりました、がん、脳卒中、心臓病などの生活習慣病が増加しておるといった背景を踏まえまして、国民一人一人が日常の生活習慣を改善していただきながら、その予防に努めていただこうという運動を展開しようと考えておるわけでございます。

参考資料1の1ページの左下にグラフを二つつけてございます。左側は、現在の総死亡に占める生活習慣病による死亡の割合ということで、がん、心臓病、脳卒中などの、いわゆる生活習慣病といわれております病気で亡くなられる方が年に6割を超える状況になってきております。

右側のグラフでございますが、一般の医療費、総額で年間約30兆円でございますが、毎年1兆円ぐらいの割合で伸びているところでございます。このうち生活習慣病の関連部分は約30%でございますが、例えば、これにはその他の方に入ってしまっておりますが、糖尿病から発生します腎臓透析患者が1位を占めておるという状況でございます。

腎臓透析をやると、1人当たり年間数百万円ぐらいかかると言われておりますが、新たに腎臓透析になられる方の原因として、糖尿病からなられるという方がその原因の第1位になっておるという状況もございまして、これから、そういった疾病を予防していくためには、単に医療施策だけではなくて、こういった予防施策が重要になるであろうという発想でございます。

右側の図では、たこ上げの漫画のような絵をかいてございますが、目標としまして、健康で活力ある社会の実現ということで、基本理念といたしましては、健康寿命という言葉を使っておりますが、日本は世界でも有数の平均寿命の長い国なりましたけれども、寝た切りですとか、痴呆といった状況の中で平均寿命が伸びていくだけでは意味はないわけでございます。健康でいられる期間をできるだけ長く伸ばそうということで健康寿命という言葉を使っております。その健康寿命の延伸ということと、壮年死亡――寿命を全うせずに壮年の世代に何らかの原因で亡くなってしまうということの原因をできるだけ減らしていこうという発想でございます。

そのためには、最終的には国民一人一人がその主役として健康づくりに取り組んでいただくわけでございますが、国が計画を立てるだけではなくて、地方自治体ですとか、保険者、学校、職域あるいは老人保健事業といった各種関係者の御努力によりまして、国民全体でその運動を盛り上げていっていただきたいということでございます。

2ページにまいりまして、左側にその理念と構成ということで図をつけております。社会背景とか基本理念は、今申し上げたようなことでございますが、健康日本21の策定に当たりましては、対象領域を定めまして、それに向かっての大目標から小目標、さらにそのための施策といったような段階的な分類を定めまして、具体的にはできるだけ数値を織り込んだ目標数値を定めまして、10年後には一定のその数値に近づけたいという目標を定めて、それに向けて取り組んでいこうという発想で、今回新たにつくろうとしているわけでございます。

全体の構成としましては、総論と各論に分かれております。総論は一般的な今申し上げましたような事柄を敷衍して述べておりますが、各論としまして1から9の、そこにありますような分類の中で、それぞれ専門家の方々に分科会として集まっていただきまして、その目標数値の設定に取り組んでいただいておるところでございます。

右側のページは、日本における健康づくり対策の変遷ということで、先ほど申しましたように、第1次、第2次ということで10年間の計画をそれぞれ立てまして、昭和53年からやってきております。特に栄養と運動と休養という三つの要素が大事だということで取り組んできておりますが、今回はそういったことを総合的に勘案し、または世代ごとの特色と言いますか、健康維持のための予防対策といったような発想も盛り込んで、総合的に推進したいと考えておるものでございます。

先ほど申しました各論の九つの分野のうち、時間の関係もございますので、3ページには、栄養食生活の分科会として現在、案として示されておりますものの目標の部分だけ抜粋をしております。大きく分けまして、1の栄養状態、栄養素、摂取レベルと、2の知識・態度・行動レベル、3の環境レベルという、三つのくくりにしております。

栄養状態、栄養素、摂取レベルとしましては、適正体重の維持、平均脂肪エネルギー比率の減少、平均食塩摂取量の減少、野菜の平均摂取量の増加、カルシウムに富む食品の増加といったようなことを目標数値として挙げております。

2の知識・態度・行動レベルということでは、自分で体重のコントロールを意識する人の割合を増加させるですとか、朝食の欠食率を減少させる、質量ともに極端に偏った食事をする人の割合を減少させるといったような目標を掲げております。

右の方にまいりまして、環境レベルでございます。職域等におきます給食施設、レストラン、食品売り場におけるヘルシーメニューの提供比率の増加、それから地域、職域で健康や栄養に関する学習の場の提供の機会の増加、三つ目はそういったところでの栄養に関する学習活動の自主グループの増加といったような、この辺はなかなか数値として挙げられるデータがないわけで、目標的なところにとどまっておる部分もございますけれども、こういったものを目標といたしまして、計画年度は2000年から2010年の10年間でございまして、10年後に、できるだけこの目標に近づけるべく各種施策を展開してまいりたいと考えております。

なお、この計画自体は来年の1月、2000年の1月中には確定をしたいということで考えておりまして、現在、その最終的な案文の調整をしておるところでございます。

農林水産省初め関係省庁との連絡会議も随時開催しておりますし、関係団体あるいは地方での公聴会ですとかシンポジウムといったようなことも行いまして、いろんな方々からの意見をくみ上げながら策定をしていきたいと考えておるところでございます。

簡単でございますが、説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。

部会長 どうもありがとうございました。

事務局から、引き続きお話をお願いいたします。

事務局 同じ資料で、次の4ページから御説明させていただきます。食生活指針検討委員会の検討状況についてということでございます。

食生活指針につきましては、左方の下の参考にございますように、食料・農業・農村基本法の中で、国は云々ということで、健全な食生活に関する指針の策定というふうに規定されております。それを受けまして検討をしておるということでございます。

この検討の趣旨、(1)から始まりまして、検討委員会を立ち上げ、中身的に、先ほど御説明がありましたように、厚生省ともかかわりがあるということで、厚生省や文部省とも連携をしつつ進めているところでございます。

これまでの検討状況ですが、9月29日、10月25日、11月26日、3回検討会を開催しております。1回目は食生活をめぐる事情、要するに栄養バランスがどのような状況になっているかとか、むだとか食品の廃棄とか、そういうことを含めての現状の検討でございます。2回目が各省庁ということで、厚生省あるいは文部省の取り組みや、その食生活をめぐる問題点と改善方策。3回目は、先週でございますが、食生活指針ということでの案を御議論いただいたところでございます。今後の予定は、来年の3月ということになりますが、11年度中に検討委員会としての報告を取りまとめる予定でございます。

右は御検討いただいている委員の名簿でございます。

食生活指針、先週、検討いただきましたそのものについて御説明したいと思います。5ページをお願いいたします。食生活指針ということで御議論いただいたものです。26日の御議論でいろんな意見が出ました。したがいまして、ここにお配りしております生活指針そのものは、かなり御議論が出たものであるということで見ていただいて、ざあっと御説明をして、その後、どういう御議論が出たかということを御紹介したいと思います。

食生活指針ということで、副題として「新しい日本型食生活の創造と定着」ということにしております。食生活指針をどのような形でつくるかというところはあるわけです。

一つは国民にわかりやすいメッセージで構成するのがいいのではないかということで、このような形で構成しております。食生活指針に盛り込む事項が一つ。それから、食生活指針に盛り込む項目だけではわかりづらいということがありまして、具体的行動例ということで、もう少しそういう項目に即して具体的にどのような行動を取るのが望ましいかということでの例を挙げてございます。現状というのは、盛り込む項目なり、具体的行動例が出てきた現状についての認識ということでございます。

食生活指針そのものにつきましては、一つは幅広く考えております。食生活ということで、食料の消費、栄養の摂取というのが大きな要素ではありますが、食生活そのものとしましては、コミュニケーションあるいは伝統の継承なり文化の継承なりという幅広い側面も持っております。今回の食生活指針の策定に当たりましては、そういう食生活そのものを幅広くとらえた観点から、項目として盛り込むことで考えております。

一つ目が、まず自分の食生活の実態を把握し、健全な食生活を実現しましょう。健全な食生活というところに、まず実態から把握ということでないと、改善しようにもしようがないということで、これを1項目目に置いております。

2項目目以下、栄養、食事の部分になります。日常の生活行動に見合った適切な食事を取り、適正な体重を維持していきましょう。具体的行動例は、定期的に体重を計りましょうとか、よくかんで腹八分目を心がけましょうとか、欠食をなくしましょうというような形での行動例を挙げてございます。

次、6ページをお願いいたします。三つ目がごはんといろいろなおかずを組み合わせ、栄養バランスを取りましょう。四つ目が脂質や食塩の取りすぎに注意しましょう。それから、7ページの上ですが、カルシウムに富む食品を幅広く摂取しましょう。2項目目から5項目目のカルシウムまでが、どちらかといえば、食事の内容に着目した、栄養バランスなり食事というものに着目した項目になっております。

6項目目は、家庭の食事の多様化を図りましょうということです。食事というのはいろんな形で摂取がされておるわけですが、家庭食に限らず、外部、外食なりというパターンでの摂取もあるわけです。ここの部分は、家庭の食事の多様化ということで、家庭における実践項目として挙げてございます。

次の項目は、食事そのものというよりは、資源の有効利用といった観点になろうかと思います。世界で8億3,000万人の栄養不足人口が存在するというもとでの健全な食生活とは何かということを考えるときには、むだ・廃棄を減らしましょうというのは抜けないんではないかということで、ここに調理や保存を上手にして、むだや廃棄を減らしましょうということで挙げてございます。

8ページ目ですが、伝統や地域の産物を生かしながら、新しい工夫を織り込んでみましょう。これは食生活自身が文化なり伝統なりという観点に着目したメッセージです。

最後の9番目になりますが、家族の団らんや交流の場をふやし食を楽しみましょうということで、食事の持つ楽しさというんですか、コミュニケーションの広がりということに着目したメッセージでございます。

都合、九つのメッセージ及び具体例及びその現状ということで御議論を先週、いただいたところです。

御議論いただいた中で、いろんな意見は出ました。一つは、全体的なことで申しますと、国民にわかりやすいメッセージとして、たまたま九つなんですが、九つ程度、こういうような形でのつくり方、あるいは盛り込む項目として、栄養とか食事だけに着目するというよりは、むしろ文化とか伝統とかコミュニケーションも含めた食生活としてのメッセージというような形で、大きなつくり方というのはおおむねこういうことではないかという御意見だったと思います。

ただ、つくる中では、国民へのメッセージということで、修身的なとか、押しつけがましいのはやめたらどうかとか、これは必ずしもわかりやすいとも言えないんじゃないかとか、もう少しわかりやすい物言いもあるんじゃないかと、こういうお話がございました。

それから、個別のところで申しますと、三つ目の項目のごはんといろいろなおかずを組み合わせ、栄養バランスを取りましょうという部分につきまして、穀類初めごはん――ごはんが食事の中心ということは、大多数の御意見だったかと思います――、穀類初め、とりわけごはんとか、そういうようなものとか、御意見もございました。

いずれにしましても、いろんな御意見をいただいたところでございます。それを踏まえ、年度内に向けての検討ということで、また検討していきたいと考えております。

最後に、9ページがございますが、諸外国の生活指針ということで、御参考につけてございます。どちらかといえば、諸外国の生活指針は食事指針ということで、項目の数的には10個以内的な感じでつくっているんですが、どちらかというと、栄養摂取、栄養バランスという感じでのウェートが割と強いのかなという感じはしております。また後でごらんいただければと思います。

以上でございます。

部会長 ありがとうございました。

専門委員 食生活指針の策定に当たりまして、諸外国の様子あるいは今後の活用のあり方等について、少し補足させていただきたいと思います。

1992年にFAO/WHOの世界栄養会議がございまして、そこでフードベースト、つまり食品をベースにしたDietary Guidelineの策定に関する世界宣言と、その行動計画が発表されました。その中には、フードベースにした食生活指針の場合には、栄養食品の選択から、国の産物の活用及びその国の食文化の継承というところまで非常に幅広く含まれておりまして提唱がなされています。各国は、その提唱に従いまして、それぞれに新しいガイドラインを作成しているところのようです。

食生活指針というのは本来、食料・栄養の確保、食料生産計画あるいは食品の加工・配分及び適正な利用を促すのに重要な役割を果たすというのが各国の思想でございまして、望ましい食事のあり方と健康なライフスタイルを提唱するための非常に有効なツールとして使われるものとされています。そういうことから、栄養政策と食料政策を融合した食生活指針が策定されるのが世界的な潮流となっています。

これまで、御承知のとおり、食生活指針に関しては農水省の指針と厚生省の食生活指針というのが二つございまして、私ども使う立場からしますと、大変もどかしい、こういう場合にはこちらを使う、こういう場合にはこちらを使うという使い分けなどもしておりましたが、今回、これが一本化の方向で検討を進められてまいりまして、健全な食生活の実現に向けて、両省で一本になって国民へ普及活動していただくという面では、大変意義深いことであろうと私は考えております。

実際にこの指針を具体的に活用する場合に、これから、さらに二つのステップがあろうかと考えるわけです。一つは、食生活指針をつくりましたというだけでは、なかなか自給率も上がらないわけですから、いかに国民にあるいは消費者にその内容をよく理解していただくかという方法が大事であろうかと思います。

具体的にこれを活用するための食べ方の指針と申しますか、御承知の方もいらっしゃるかもしれませんが、アメリカではピラミッドをつくりまして、多く食べたい食品を一番下に大きい面積で、少なくしてほしい脂肪や、お砂糖というか、純粋な精糖ですが、それを上の方に置かれた三角形のピラミッドで、量と食品の種類を表示してあります。一番下の面積の広いところは穀類。小麦、米というようなものが位置づけされているわけです。

こういった視覚的な食事指針を作成する場合に、量的には、今御説明ございました健康日本21の中には、一部の栄養素と食品について目標がつくられていますが、穀類を初めとしてすべての食品について、どういうような量が望ましいかというような表示を入れた視覚的な食事の指針と申しますか、そういうものをつくっていただいて教育現場等で活用させていただく。これが一つの量的な指標のものになると思います。今すべての国で新しいガイドラインをつくると、それをピラミッドあるいはパゴダと称しまして、非常にわかりやすい形で表現する。これが一つの方法かと思います。

もう一つは、教育現場あるいは学校教育、社会教育、消費者教育といったところで、これの普及・啓発に向けた行政の支援をぜひお願いしたいと思っております。現代は情報化時代でございますので、インターネット等によるわかりやすい情報提供なども必要かと思います。

この食生活指針と、それを具現するためのフードガイドの作成及び、この普及・啓発というのは、食料自給率を目標とした食料消費の方向づけの指針として大変適切であろうかと考えます。

少々時間を取りまして、失礼いたしました。

部会長 ありがとうございました。

これまでの企画部会で御要請のありました資料が参考資料2として事務局から提出されておりますが、後ほどごらんいただくということにいたしまして、説明は省略をして、本日の議論を進めさせていただきたいと思います。

 

質疑

 

部会長 今までの御説明を踏まえまして、食料自給率目標の考え方について御議論をいただきたいと思います。

よろしければ、議論を三つに分けまして、一つ目といたしまして、今まで御説明ありました品目ベースか、カロリーベースか、金額ベースか等々の目標策定の位置づけと、その示し方につきまして御議論をいただきたいと思います。二つ目の議論として消費の考え方、三つ目といたしまして、生産面における課題等についてという形で、順に進めてはどうかと存じます。できるだけ、そのような形で御協力いただければと存じます。

最初に、目標設定の位置づけ及び示し方につきまして、いろいろ御議論いただきたいと思います。資料といたしましては、資料1の1ページから8ページになるわけであります。それぞれ御意見ございましたら、どうぞお願いをいたします。

専門委員 意義、位置づけにつきましては、この基本法に即してということでございますので、特に異論はございません。むしろ方法のところの目標の示した方でございますけれども、若干意見を申し上げたいと思います。3ページからのところでございます。

幾つかのタイプの自給率が出ておりまして、なるべく簡素化した方がいいとは思いますけれども、品目別の自給率、あるいは穀物自給率、あるいは供給熱量自給率については、ほぼこのまま使うということで問題はないんではないかと思います。食料の安定供給という自給率の問題の意味から言っても、特段の問題はないのではないかと思います。

それから、自給率全体につきまして、私、第1回目のときに多少発言したかと思いますけれども、これはオールマイティではないわけで、いろいろな問題はあるわけでございます。畜産物の扱いがどうかという問題が、あるいは野菜なんかについて、カロリーで言いますと、いろいろ問題があるということでございますので、この問題は国民の食料の問題であると同時に、経済活動としての農業なり、食品産業の振興という両面を持っておりますので、その意味では、金額ベースの自給率という形を補う形でお使いになるということも結構ではないかと私は思います。

以前は、こういうものも出していたと思いますので、全く同じであるかどうかは別といたしまして、考え方としては、その復活ということになるのかと思います。

その次に、重量ベース。これは全く意味がないとは言えないと思うんですが、そういうことを申しますと、例えば水分含量で計ればどうかとか、窒素がどうかとか、それなりに意味が全くないわけではございませんけれども、今申し上げましたように、自給率の目標を示すというのは国民に対する食料の安定供給の問題と経済活動としての農業あるいは食品産業の活性化と言いますか、振興ということでございますので、その観点から言いますと、重量ベースで、しかもこれを全部足し合わせるということについてはほとんど意味がないのではないか。どのように考えるかという設問であれば、これは必要ないと私はお答えいたしたいと思います。

それから、その次のお酒ですけれども、これは非常に微妙でございます。この説明では、栄養摂取を目的とせず云々とございますけれども、結果的に栄養を摂取しているということがありますので、自給率なり国民の栄養状態を正しく表示するという意味では、アルコールについて、これを含めた数字を出すということには意味があると思います。

ただ、これは個人差が非常にありますし、未成年は飲まないと言いますか、飲めないということがございますので、目標を設定するというような議論になりますと、私、その専門でないのでわかりませんけれども、非常に個人差のあるものについて、平均あるいはトータルで目標を示すということは非常に難しいような気がいたします。

ですから、目標としての自給率の中にアルコールも、ほかのものと同列の形で織り込むということについては、多少問題かなという印象を持っております。

そういう意味では、何を使うかということについては、私の考えは申し上げたわけでありますけれども、この自給率の数値につきましては、今のレベルがどうであるかということよりも、これからどう変化していくのか、あるいは変化させていくのかという、ここに眼目があるわけでございます。特に新しく出てくるかもしれない金額ベースのものなんかについては、できるだけ現状については自然体で評価するということをお願いしたいと思っております。なるべく低くしたい、あるいは高くしたいということは余り考える必要はないだろうと思います、妙な言い方でございますけれども。

それから、大事なのは変化についてどう見るかということでございます。これは少なくとも5年後にはきちんとした見直しを行うということでございますけれども、あらかじめ変化についての検証の方法を頭に置いておく必要があるかなという気がしております。例えば、先ほど金額ベースの場合に為替の問題ですとか、こういった問題があって、これは目標としては一定と設定せざるを得ないという。これはそのとおりだと思いますけれども、同時に、何らかの変化が生じて、あるいは目標を達成した、あるいは達成しない、そのときに、どういう要因によって達成したのか、あるいは達成できなかったのかという要因をきちんと分析することが非常に大事でありまして、今の時点からある程度練っておくということが必要ではないかというふうに思います。

第1番目の課題につきましては、以上で終わらせていただきます。

部会長 ありがとうございました。

続きまして、いかがでございましょうか。

委員 第1番目の課題ということで申し上げていいのかどうかわからないので、多少は踏み込んで2、3の話題にまで話を進めてしまうかもしれませんが、御了解いただきたいと思います。

私、この食料自給率という問題は、ただ単に食べ方だけの問題ではなくて、かなり地球環境問題的な側面を含んでいるんではないかと思っているわけです。とりわけ、21世紀に循環型社会の形成という話を考えたときに、食料というものが非循環的な形で世界を駆けめぐっているということがいかがなものかというふうなことを気にしているわけですが、そういう観点から申し上げます。

非常に重要なのは、例えばさっき話がありましたけれども、窒素みたいなものを見ますと、特に飼料作物については、日本に一方的に入り込んでいて、そういうものが国土に蓄積されている。農水省の方でも経年的にその実態を明らかにされておりますし、それがますます顕著になっているということも御指摘されているわけです。

そういうふうなことの中で、いわゆる植物資源として、主食として食べているものと、動物資源の基礎になる植物資源としての飼料作物と、これを一緒に例えば穀物自給率という形で表現して議論するのはやや問題なのではないかなと思っております。

もちろん、いろんな指標の中にはその辺の区別があるわけですが、私が申し上げたいのは、例えば穀物自給率という、より広い概念の中に、主食用の穀物の自給率を置くのではなくて、基本的には主食用の穀物の自給率と飼料作物の自給率と、これを対峙的に置いて、それぞれの問題を考える方がいいのではないかということなんです。

今のような考え方で見てみますと、どの辺で問題になってくるかというと、これから先が踏み込んでしまうのですけれども、例えば12ページになります。生産努力目標の考え方、「この場合、特に、小麦、大豆、飼料作物については、他の品目と比べて自給率が著しく低い中」云々とあります。

この辺の議論がかなり大きく二つに分かれてきて、主食用穀物についての努力の仕方というのと、食べるものについての努力の仕方というのと、飼料用についての努力の仕方というのは、かなり違うんじゃないか。

それから、問題も、飼料というのは、要するに畜産の基礎になったりしているわけですけれども、この大量の安い飼料をつくるということがあるという世界的な経済的、土地環境的条件の中で、日本が非常に不利な条件になっていて、こういうものがあるということですから、これは大豆や小麦を議論するのとはちょっと違うんではないかという気がいたしております。その辺について、どういうふうに考えるか。

さらに、もう少しいきますと、それを支える基盤整備みたいなことの議論になりますと、ここでは具体的に草地開発みたいなことを書いておりますけれども、これもやや非現実的な話になってきて、この部分だけがほかのものに比べると、目標達成の現実性という観点から言うと、非常に現実性が薄いという印象を持っています。

等々のこともありますし、参考資料や何か見ましても、欧米の数字や何かで、これは18ページでございますけれども、「主要先進国の穀物自給率(主食用+飼料用等)の推移」と書いておりまして、我が国は低いというのが出ているわけですが、その下に参考資料として、日本の主食用の穀物自給率が比較的高いというふうに、日本については比較数字がありますけれども、こういう分析に関しても、海外のものについても、その両方を分けるという形で、もう一回、全体として見直してみる必要があるのではないかなと思いましたので、一言申し上げました。

以上でございます。

部会長 ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

委員 私、まだ理解が十分じゃないのかもわかりませんが、素朴な疑問を申し上げたいと思います。

目標設定の目的は安定供給だと、不安定では困るから、外国は不安定、将来の食料のひっ迫だとか不測の事態。そういって自給率を設定すると、それとの関連がこれで全く理解ができないものですから。

具体的に言いますと、不測の事態というのはどういう状況を考慮しているのかということがなくて、もちろん、この国はタブーの非常に多い国ですから、当然のことながら、そうギラギラした話はなかなか出せないのかもわかりませんが、少なくとも事務局はそういうのをお持ちだということを前提に理解しようとしているんですが、それがよくわからない。つまり、何を不測の事態と言っているのか。それに対して、自給率を上げることによって、それに対するリスクティキングがしやすくなるのは一体どういう状況を言っているのか、その構造がよくわかりません。

2点目の疑問は、リスクティキングのための自給率上昇だとすると、為替レートだとか、価格だとか、こういうものを一定にしますという話は、論理矛盾を起こしているように素朴に思うんです。そういうことが動くからリスクなんであって、そこを安定にしちゃったら、何のためにやっているのかがよく理解できません。

それから、当然のことながら、冒頭のリスクについては、全面的にとまってしまうようなたぐいのことを前提にして言っておられるように見えんです、カロリーをこれだけ確保しなきゃいけないとかですね。

そういうことを言っているとすると、後ろは、何は何に転作できるのかとか、何年で対応できるのか、そういう話がつながってきて、だから、この作物はこういう格好で持ってなきゃいけませんと、こんな論理を期待するんですけど、間違っているんでしょうか。

部会長 今の委員のお話の中には御意見のほかに御質問もあったわけですけれども、特に最初の不測の事態についての農林省の認識をお聞かせいただけますか。

事務局 私どもの考えております不測の事態につきましては、たしか第1回の企画部会で御説明いたしたかと思いますけれども、一応三つのレベルを前提に作業を進めております。

一つ目のレベルと申しますのは、我が国あるいは諸外国の不作等によりまして、短期的な話として、一定量のものが入ってこないと。それが第1のレベル。

第2のレベルにつきましては、構造的な問題ではなくて、短期間、一定期間内にもとに復しますが、その間におきましては一定の食料供給に影響が出る。具体的に言えば、主要輸出国における連続した不作が続くと、そのような事態を考えております。あるいは主要輸出国の幾つかの国々が同時不作という事態を考えております。

レベル3の問題につきましては、長期的、構造的な事態を想定いたしておりまして、需要の大幅な増大に見合った生産拡大が行われないということで、世界の食料需給が今と異なりまして、ひっ迫した事態が相当期間推移すると。

そういう事態、三つのレベルを検討いたしております。

それで、本日お出しいたしました資料は、そういう状況下の中におきまして、作物転換まで行うべきものということでございまして、レベル2ないしレベル3の事態が起きた場合におきまして、我が国の現在の農地面積を前提に作物の転換等を行った場合に、どの程度の供給が可能かという試算を行ったものであります。

委員 もしそうだとすると、どういう転換は……。今の目標は、来年からこういう格好で、10年後ですか、10年後にこういうものはこれぐらいつくりましょうって、消費の方もこういうふうにしましょう、自給率はこうなりますと、これは目標なわけです。それはリスクから言うと、何かあったときには転換するということを想定したものなんですか。

事務局 今回お願いいたしておりますのは、2ページにございましたが、平時の場合を想定いたしまして、現在考えられる食料需給動向、食料消費の需給動向を前提にいたしまして、国内生産での対応可能性等を勘案した国内生産努力目標を設定するということであります。

そういうことを設定していく中におきまして、先ほど申し上げました不測の事態が起きた場合に、作物の生産転換、今回、お願いいたしております個々の品目の生産努力目標とは別個に、ものが入ってこないということを前提にした場合の作物転換を行った場合の試算ということで御参考にお示ししたということであります。

なお、今回の基本計画自体につきましては、先ほど事務局から御説明申し上げましたように、不測の事態が起きた場合に、どのように対応するかという基本的な考え方等については、あわせ載せることが適当ではないかと、このように事務方としては思っております。

委員 素人ですからよくわかりませんが、もし変ることを前提にしているなら、これはこういうふうに変りやすいんだから、こういうものをつくっておくとかって、そういう論理が中にあるのかなと思っていたんですけど、必要ないわけですね、それは。わかりました。

あと一つは、目標について何を示すべきかというお話がありましたが、目標は何のために出すのかという話から見れば、国民全体が消費だとかこういうことに興味を持つとかという目的だとか、行政上の目標だとか、生産する人自身がわかりやすいとか、それぞれその目標を受ける主体が想定できて、その人にとってどれが一番わかりやすく役に立つかという、こういうことが当然の論点であって、マクロに全部重量で示すのが意味があるかどうかなんていう議論は、私から見ると、どうでもいいような議論に聞こえます。感想でございます。

部会長 ありがとうございました。

いかがでございましょうか。

それでは、後で必要があれば振り返るということにいたしまして、2番目のテーマの消費の考え方を含めまして御議論を続けていただきたいと存じます。資料で言いますと、資料1の9ページから11ページと参考資料1、2になります。御意見ございましたら、お願いいたします。

専門委員 自給率を考えるためには、当然のことながら、マーケットの動向を考えなければいけないだろうと思うんですが、現在、消費者は価格とか品質等には不満なところがあったとしても、自給はバランスしているわけですね。要するに、カロリーベースで言えば、やや過剰なほどの農産物を我々は摂取しているわけです。これで、また食料残滓とか何かの問題になってくると、農産物の消費は減っていく可能性があります。

しかし、自給率を上げるためには、アップした分の消費を上げるか、今充足しているアイテムを削ってアップした自給のもので当てていくか、極端な話はアップした部分を他国に輸出するかというようなことをしない限り、今バランスしている需給関係を踏まえて自給率をアップすることはできないわけですね。

そのためには、自給していくものの産物のクォリティというか、競争力を相当持たせていかなければ、その自給したものについては余ってしまう、あるいははけ口がないという結果になるんでしょう。あるいは、国はアップした部分、例えば戦略産品ですね、大豆、小麦、飼料作物については、今後も、かつて米の政策の中で置いていたような保護政策をして、アップした自給率を維持するための施策を取っていくような見通しがあるのでしょうか。

やみくもに自給率をアップするということは、市場経済の理論から言っても受け入れられるものではないと私は思いますし、我々消費者側としても、自給で10%アップしたから、それを買ってくれと言っても、なかなかマーケットのニーズにあわないだろう。

極端な話、飼料作物などの話をしますと、肉肥育では粗飼料が不可欠なものになっておりまして、そのうち、例えば稲わらのようなものは肉牛が相当消費するわけですけれども、これも今、国内ではなかなか手当できなくなっていて、多分これも相当量、海外から輸入しているだろうと思います。

稲わらというのは、御存じのように、稲作の副産物でして、稲という、日本では100%以上自給しているものの副産物がもはやない。それはなぜかというと、農家は脱穀機で長いまま米を脱穀しないで、コンバインを入れて、農場で、畑地で、圃場でもう既に細かく切ってしまうために、稲わらとして使えない。

そういうようなことだと言いますと、ただ単に今の現状の農業のあり方を考えつつ、あるいは需給マーケットを無視しつつアップして、果たしてその部分が処理できるのかどうかということをお聞きしたいと思います。

部会長 どうでしょうか。

事務局 今のお話ですけれども、資料の生産の12ページでも御説明しましたけれども、委員おっしゃったとおり、国内農業生産の増大は、コストの削減だけではなくて品質が向上しないと消費者とか実需者に選択されずに、結局、それは余ってしまうということになりますので、まさにそこのところが非常に重要だということでございます。

作物ごとの細かい資料の方で、ごちゃごちゃしていましたけれども、その中でも品質を高めるという意味での優良品種の開発・普及、それから技術の向上といったことを通じて、きちんと生産の質が高まるようにするということで施策を重点的に講じると同時に、それを維持していく。

同時に、マーケットの動向という点で言いますと、例えば麦で言いますと、民間流通への移行ということで平成12年産からやることにしておりますけれども、こういったことでマーケットの品質評価といったものが十分、生産の方に……。これは麦だけではございませんで、いろんな品目、そういうことで制度を変えていこうということにしておりますが、そういったマーケットのニーズが反映されるようなシステムにしていくということでございます。

それから、稲わらにつきましても、同じく品目のところに書いてありますが、確かに、委員おっしゃるとおり、コンバインのシステムから稲わらが使われなくなっているという実態にあるかもしれません。稲わら、それから野草等も含めて、自給飼料基盤の整備ということで、その未利用資源を極力活用していく方向でいろんなシステムを考えてやっていこうということをこの課題に入れておりまして、そういった方向で努力していこうということで考えております。

専門委員 それでは、買ってもらえる農産物の検討とか、買ってもらうにはどうしたらいいのかというマーケティングのような部分については、この委員会では触れなくていいんでしょうか。

事務局 問題提起としては出していただいて結構だと思いますが、それにつきましては、今申し上げましたとおり、まさしくそういった議論を踏まえて、私どもとしては、麦、大豆、牛乳・乳製品といったものについて、マーケットのニーズが反映されるようなシステムに変えつつあるということでございます。

委員 ちょっと前に戻りまして、目標の示し方のところから申し上げます。

委員が全体的におっしゃったので、あと何も言うことがなくなってしまったという状況ではあるんですけれども、食料自給率が今までカロリーベースでしか……、しかというわけではないです、カロリーベースを中心にして言われてきました矛盾というのを消費者は非常に感じておりまして、これが3ページにありますように、品目別、穀物自給率、この三つの数値で総合的に考えられるように説明していくということは非常に大事なことだと思います。

なおかつ、カロリーベースの考え方と言いますか、熱量自給率がどういう形で出されてきているのかという、この中身についてよく知られていない部分が確かにあるんですね。畜産物等は飼料が輸入なので、ここには自給率の数値に入ってこないという、そういうことがよく知られていませんので、どういうことを意味しているのかという、持っている意味合いも含めて、よく……。

要するに、何でこんなことを言っているかと言いますと、食料自給率を上げていくんだということでは、消費者の食べ方がかなりの部分、影響していることでもありますから、自給率はこういうふうになっているんですということの実態を、まずよくわかってもらわなければいけないという意味合いで、こんなことを申し上げているわけです。

したがって、先ほどありました金額ベースは必要だと思います。これもさまざまな指標で総合的に自給率を考えていくという意味合いで金額ベースは必要だと思います。為替レートは、例えば105円なら105円の時点で計算せざるを得ないわけですね。レートが変動すれば、その変動に従って数値は幾らでも勘案できるわけですから、それは可能だと思います。

5ページの重量ベースなんですが、参考的な数値としては見てみたいなという興味が非常にありますので、そのような扱いで出してみてはいかがでしょうか。これを自給率の数値の中に入れ込むというのは無理だなとは思います。

あとのアルコールなんですけれども、確かにカロリーにはなるわけですから、これも考慮する方がいいと思います。お酒を飲んでご飯を食べないという人もいますので。

ずうっといきまして、9ページからなんですが、言葉にこだわって申しわけないんですが、望ましい消費の姿の考え方と言われると、こういうことをしなければいけないんですよというような、かなり指導的なニュアンスがありまして、かなり抵抗があります。例えば期待するとか、期待される消費の姿という表現がいいのではないかななどと思っております。

確かに、飼料と大豆と小麦が極端に自給率が低いわけですけれども、そこの自給率を引き上げるというのは非常に至難のわざですよね。要するに、日本の国内での農産物として適していないんですね。適していないという変ですけど、まさに適していない。うどんをたくさん食べようというのもなかなか無理がいくわけです。したがって、輸入物の方が価格も安いしということで、ある程度放ったらかされていたというか、農業政策の対象にされていなかったという、今までの現状もあると思うんです。

そうは言っても、そこに全く手をつけないということにはいきませんので、少し長期的な政策が必要だとは思っています。

そのことは後で申し上げることにいたしまして、したがって、本当に簡単なのは、正直なところ、本当に言ってしまうと、ご飯をたくさん食べる、米の消費をふやすということが一番、自給率を上げるという意味合いでは即戦的な数値、即戦効果、速効力があるわけですね。

そのことをやっぱりみんなで……。残念と言うか、何と言うか、ではありますけれども、そのあたりは覚悟を決めざるを得ない。私、非常にここのところは抵抗があったんですけれども、いろいろ考えてみても、適地適作ということもあって、100%自給できるわけですからね、現実に。そこの消費が減っているという一方での問題もあるわけで、そこは開き直って言うよりほかないのかなと、だんだん開き直りの感じになってきております。

したがって、食生活指針のところも矛盾のないように、厚生省が事細かに健康日本21計画ですか、非常に事細かすぎて、すごいなという感じも実はしているわけですけれども、そこと連携し合いながら、消費者にわかってもらう、わかってもらって選択をしてもらうというのが最大の眼目になってくると思っています。

ですから、先ほども言いましたけれども、自給率というのがいろいろな指標でわかりやすく、納得してもらえるような形で示すことが必要なことと、そういう関係の中での米という問題が最大の要因と言いますか、ポイントになってくるのではないかというふうに受けとめております。

それで、あと発言しませんので、ついでに申し上げておきます。大豆と小麦なんですが、これは非常に難しいことで、まず栽培技術だとか品種改良等の技術的な開発に力を入れるべきではないでしょうか。転作をやっているところに行ったんですが、あれは湿度に弱く、連作を嫌うわけです。お米との輪作ということも考えてやっていると、完全に畔を取ってしまえないんですね。したがって、効率が結構悪くなってしまうということもあって、かなり努力している産地でしたけれども、輸入大豆の倍になってしまう。それをどこまで買い支えてもらえるかということになってくるわけですね。

ですから、生産者も大変ではありますけれども、そのあたりをどうクリアしていくか。品種改良の問題がものすごくあると思いますし、栽培技術の問題もあると思いますし、非常に問題は大きいなというふうに感じていまして、一方では、全体的に食品産業のことについて余り触れられていないんですね。

消費者が買う場合には、提供されたものを買わざるを得ないわけですから、生産と消費との中間にある食品加工、流通の役割は物すごく重要だと思うんです。生産地と食品加工業との連携ももっと積極的に進めていかなければ、作ったは作ったんだけれども、どこも買い上げてくれないということになりかねない。そのあたりをもう少し丁寧に書き込む必要があるのではないかと思います。

部会長 ありがとうございました。

専門委員 国の重要な審議だということなので、ベーシックなというか、基本的なことを考えなきゃいけないんじゃないかと思うんです。

実は、2ページの不測の事態における食料供給熱量というのを拝見して非常に驚いたし、安心もしたんですが、要するに、これは自給率100%になった状態ということになるんじゃないかと思うんですが、昭和23年の1,852、あるいは22年の1,695というのは、私自身が体験をしたカロリーなんですけど、これで見ますと、試算1、2の中間ぐらいで、昭和23年並みのカロリーが日本国で自給できるということになる。

どうしたらいいかと言うと、ご飯を余分に食べて、肉をやめて、いもを食えということになってくる。ちょうどそういう生活を我々はしたわけです。

実は、日本の食料の供給量というのは、江戸時代の人口から考えて、あれがちょうど適正であると、その時代の技術を前提にしているわけですが。そうすると、3分の1か4分の1しか生きていけないよということを考え、そういうイメージを持っていたんです。

もし努力をして、このようなカロリーが供給できるなら、基本的な問題として、今、どうして食料自給率を上げなければならないかということ、どうしてそれがそんな問題になるんだろうかと、本当に困ったときにこういう状態がつくれるなら、比較生産費説ということではありませんが、海外のいい商品をどんどん輸入して、安い食料を消費者に提供する方がいいのであって、具体的に言うと、小麦は、今の委員のお話もありましたけど、いざというときには減らさなきゃならないものですね、今よりも。ところが、それを大いに増産するというのはどういうことなのか。特に大豆についても同じようなことが言えるので、話が少し矛盾しているような感じを受けるわけです。

本当に食料自給のことを考えならば、むしろ不測の事態における食料供給熱量に近い形に国のバランスを持っていった方がいい。ただ、それでは日常の消費者の嗜好や何かが満足されない、栄養のバランスも極めて悪くなるということなので、話はそう単純ではないんですけれども、お米が余っている中で、小麦を増産するということは、小麦とお米はほとんど代替できるものですから、ということは、食料自給率を本当に上げようという視点に立っているのか、何か別の考えがあって、全部総花的にすべての産業はワンセット主義でやらなきゃならないというような考え方があるのか、その辺がよくわからない。どういうふうなお考えかということを伺いたいというのが第1です。

第2は、えらい細かいことになるんですが、品目ごとの消費の姿というところの12ページ、魚介類というのがあるんですが、魚介類の1人当たりの純食料36キロというのが平成9年で、相当大きなボリュームなんですね。小麦以上でありますし、大豆よりもはるかに多いということで、魚介類というのは当然、日本人の食生活の中で極めて大きな項目なんですが、牛が1.9ですか、その意味があれかもしれませんが、牛・豚・鳥よりも魚介類の方が大きいと思うんですが、魚介類が全部1項目でなっている。これはマグロとかタラとかいうふうに分けないといけないのではないか。そうでないと、それによって内容が自給の問題と関係してきますから。つまり、水産資源を一発でここで入れて、海藻は小さな分類ですから、魚介類がどうして全体として一つになっちゃうのかというのが、これはえらい細かいことですが、よくわからないんです。

この2点をぜひ教えていただきたいと思います。

部会長 今の専門委員の御質問に答えてもらいますか。

事務局 御指摘ありました前段で食料自給力の問題でございますが、2ページのケース1、ケース2の問題で、不測の事態について計算いたしましたが、ここには当然のことながら、前提に書いてございますように、農地面積は現状維持、農地は現状を維持できると、次に作付け転換するということでございますので、作付けを転換し得るに足る担い手が存在し、作付けし得る技術があると、そういうさまざまなことを前提といたしておるわけであります。

したがいまして、私どもが申し上げておりますのは、現在の食料消費、今後の食生活指針等で現在検討いただいておりますが、そういう前提の中におきまして、我が国の現在持ち得る食料の供給力を活用して、どのようなものをつくるかというのが今回の食料基本法の目標でございますが、そういう食料の供給力--担い手なり、土地なり、技術なり、さまざまな基盤を向上させていくということが、維持していくということが不測の事態におきましても食料供給に結びつくという考え方で話を進めておるところでございます。

したがって、直接のお答えになるのかどうかわかりませんが、日ごろから食料自給の力、自給力を維持、向上させていく努力を行っていくと、そういうことが今回の食料につきましての自給力目標を設定して、その実現に向けて努力していくということとつながっていると、そのように考えております。

事務局 それから、後段の魚介類のお話でございます。魚介類につきましては、くくって魚介類とやっておりますけれども、いろいろな試算、課題を踏まえた算定をやっていくに当たりましては、根っこの方では魚種別の検討をいたしまして、プレゼンテーションを魚介類ということでやることにしておりますので、そういうふうに御理解いただきたいと思います。

それから、不測の事態の関係ですけれども、2ページの数字でございますが、ケース1、2ということで、これは机上で計算したものでございまして、さっきも説明のときに申し上げましたけれども、2行目にありますように、生産転換や流通制限等の措置がスムーズになされという前提に立っておりますので、例えばいも類を一口につくると言いましても、いもの場合は種ですね、いもをつくる場合の種の確保を、どうやって増殖して一気につくるかというようなこと、非常に難しい問題があるやにも聞いておりますので、そういった研究もしているわけでございますけれども、ですから、そういったスムーズになされれば、こういったカロリーは確保する可能性があるという試算だということで御理解いただきたいと思います。

専門委員 そうだろうと思うんですが、にもかかわらず、先ほどレベル1、2、3というお話がありましたが、レベル3というのは長期構造的ですよね。それが起こってくるということは、突然起こるかもしれないけど、長期構造的に対応しなければならない。レベル1と2は短期不作あるいは短期に復旧するけども、とりあえず入ってこないという状態だというようなことを前提にして考えると、今のお話にはちょっと矛盾しているんじゃないか。

つまり、非常に長期な問題のときには、いも中心に変えて対応しなければならない、そんなものでないものは備蓄だとか、そもそもそういうことをやる必要がないという状況で、供給力ぎりぎりまでいって、ここまでの計算ができる、今の技術でできるなら、今の食料自給率をそんなに上げる、上げると言って気にしなくていいのかなという気がどうしても抜けない。

もちろん、上げていった方が望ましいということはよくわかりますけど、特にそれを小麦だとか大豆だとか、日本があまり得意でないものについてまで一生懸命上げなきゃならないというのは、それだけのロジックからは出てこないような感じがします。

もう一つ、ついでに伺います。マグロの消費と鶏肉、豚肉、牛肉の消費はどのくらいのあれでしょうか、実数でいきまして。つまり、魚介類をまとめて表示しているだけだということなんですが、できるなら、次回からというか、魚介類は三つぐらいに分けなきゃいけないんじゃないかなという感じもするんです、その参考として。

専門委員 一足先に失礼いたしますので、望ましい消費の姿というあたりのところにつきましては、感想めいたことを一言だけ申し上げたいと思います。

きょう厚生省の資料を興味深く拝見いたしました。全体としては、情報提供を的確にするということに尽きるような気がしております。

先ほど委員から、望ましいという言葉に多少抵抗があるという御発言がございましたけれども、私もここは非常に大事で、選択は消費者一人一人にあるという原則を外すべきではないと思っております。

情報提供は非常に微妙でございまして、やり方によっては強制感が伴ったり、メニューを選択して何となく後ろめたさを感じるということも考えられないではないんですね。私、この社会がいい社会だとは思いません。ですから、ある意味では自立した消費者の、よく考えた上での選択のための情報提供という線をきちんと守るべきだろうと思います。

それから、最初の問題に戻りまして、今、議論が何人かの委員の皆さんからあった点にも絡むんでございますけれども、資料の1ページを見て発言したいわけですが、ここに食料の安定供給の確保という基本法の章がございまして、もともと国内の農業生産、輸入、備蓄を適切に組み合わせるんだという形できているわけでございます。

ただし、認識としては、今後のことを考えますと、このうちの国内の農業生産がややウィークであるという認識があって、あえて増大を図ることという、やや調子の強い形になっているんだろうと思うわけであります。

したがいまして、自給率と言いますか、それを通じて農業の基礎資源をきちんと守るという政策が強調されていると思うわけでありますけれども、次のページの右側の囲みの不測の事態における食料供給熱量というあたりになりますと、私の印象としましては、不測の事態の想定がやや偏っているのかなという気がしないでもないわけでございます。

もちろん、不測の事態というのは万が一ということを考えればあり得るわけでありますけれども、これはあくまでも外国から日本に入ってこないという想定でございます。しかし、日本の農業生産について、やや異常な事態が生じるということも考えられないではないと思います。災害ですとか、核燃料施設の云々と、いろんなケースがあると思いますけれども、食料の安定供給あるいは食料の安全保障というからには、そういった点にも目配りをした、いわば危機管理という形に整えるべきだと思います。マニュアルは少し時間をかけておつくりになるという話だったと思いますので、その辺もぜひ考慮していただきたいと思います。

部会長 ありがとうございました。

私から申し上げるのも何でございますけれども、今度の新しい基本法に自給率を上げるということが書かれているわけであります。その自給率は今までの農林省の政策にはなかったわけですが、新しい基本法の中に、その位置づけについて、その前に、1年半ばかり調査会がございまして、各種の議論がございまして、両極端の議論があったのは自給率の問題ではないかと思います。

一つの意見は、その前提としまして、今、世界の人口は60億人弱ですが、あと20年、30年たつと70億か80億になっちゃうだろうと、そうなることはまず間違いない。そうしますと、世界じゅう、新しく耕地をつくるといってもなかなかつくれないじゃないか。だとすれば、長期的には食料が不足することは間違いないというふうに……、そうじゃないという御意見の方もおられましたけども、そういうことが大勢を占めた。だとすれば、今の自給率、カロリーベースが一般的に使われておるものですから、41というのは余りにも低すぎる、これを何とかしなければいけないじゃないかというふうに、一応そうなるわけであります。

ところが、そんなことを言ったって、自給率を上げるために、具体的にあるいは効果的な行政手法というのはないじゃないか。パンを食うのをやめろ、米を食えと言ったって、消費者はついてこないじゃないかとか、先ほど来、市場原則とか消費者の需要の実態というものを無視して押しつけたって無理ではないかという御意見もたくさんありました。

一方、それに対しまして、余りにも低すぎるし、食料が本当に不足するということがわかっているなら、それぞれの国が自国の食料資源というものを最大限に活用して、できるだけ国内で自給率を高めることによって世界の食料不足に対して少しでもいい意味での貢献をすべきではないかという議論もたくさんございました。

そういう中で、消費者も生産者も行政もすべて、共同責任と言うと変ですが、そういうことをわかった上でお互いに協力し合って、特に生産者は消費者が好むものを安く安定的に供給するように努力する義務が生産者にもあるんだというようなことが強調されながら、国の政策として自給率を設けて、それに向かって全部で努力していこうという形で法律ができたんだと私は理解をしております。そういうことですね、農林省さん。

ですから、御指摘になる問題はそのとおりだと思います。それを踏まえて、かつ一歩でも二歩でも前進させるためには、どういうことをすべきかというふうなことで、いろいろと御議論をいただければありがたいなと思います。

委員 今のは非常に大事な点なので、私も一言だけ意見を申し上げます。

私は、年間70日ぐらい、世界各国ほとんどの国を歩いております。私ども海外に工場を44持っておりまして、出先が93ありますので、海外をよく歩いております。

そういうポイントで海外に出かけながら日本という国を見たときに、食料の41%の熱カロリーの問題は、やはり気になります。日本に不測の事態がすぐ起こるとは思いませんが、基本的に国力として、日本は自分で守っていけるという、食料でも守れるという最低限のものは何なのかという議論をしておく必要があるんではないかというふうにやっぱり思うんです。

そういう意味で私は、食料自給率というものを今回掲げられて、これについて議論をすることは非常に大事だと思っておりますし、それについての合意をできるだけつくって、それで日本の目標の自給率、私は熱カロリーで出して金額で補助的なものをやるというのがいいと思いますが、もう一つ大事なことは、こういう議論をするというレベルは国民的理解が要るというところが私はポイントだろうと思います。

そこのところなしに、ここで突然、自給率出すと、今のような議論をもう一度、根底からやらなきゃいかんということになりますので、国民的理解を得るためのPRとかそういうものをこれから、この議論の過程でも私は要るような気がしております。つまり、今すぐにスタートすべきじゃないか。こういうことをやろうとしているのはどういう意味なんだということを早目にPRなり広報をしながら、国民的議論もしてコンセンサスに持っていくというふうにしないと、みんなが代表だからといって、この委員会で結論を出したということでは済まないような大きな問題を含んでいるように思います。

したがいまして、私はぜひ自給率をつくっていきたい、つくるべきだと思う前提でこういうお話をしたいと思います。

専門委員 自給率の向上というテーマをここで議論することは、座長が今までの経過も含めて御説明したとおりだと思っていますし、私たち農業生産者の団体としても、国の法律としてこういう方向が定まったことに一つの農業生産意欲と言いますか、これからの将来へ向かって、大変厳しい中で目標ができるという、そういう意味で非常に重要だというふうに理解をしているわけであります。

ただ、生産者は生産者側からの努力をするというテーマが一つありますが、消費の問題についても、これは消費者側だけの問題であるというふうには理解をしておりません。当然、農業生産者自体も消費者でありますし、私どもはつくった農産物を国民の皆さんに使ってもらえるように、さまざまなPRなり理解を求める活動というのは重要であると思っております。今までもある程度やっているんですが、これからも引き続きあるいは新たに、新たな取り組みを検討しているところであります。

一つ、先ほど来議論されている中で、小麦とか大豆とか飼料作物とか、そういうものを日本でつくるのは不利であると、これはできないんだというような感じがあるかと思うんですが、実際問題としては、かつてこれらはつくられてきたわけであります。私たちの目、視覚的に見ても、昔は関東平野は麦畑が非常に多かったということがありますし、大豆もあっちこっちでつくられていた。昭和60年の数字を見ても、品目別に見て、現在の倍ぐらいは自給率があったと言える、そういう状況があるわけであります。

片一方で、米の消費が減ったということも非常に大きな原因になって、今日の41%という供給熱量で言う自給率がこういう状態で、ここに非常に危機感があるわけであります。

問題は、麦、大豆、飼料作物について、一般的に今まで水田の転作として位置づけて、ふえたり減ったりという状況の中では、本当の本作としてつくっていくという、そのためのコストダウンや、そのための農地の集積であるとか、ブロックローテーションとか、いろんなことは定着していかなかったという、そういうことだろうと思っております。

例えば8年度の大豆の生産奨励の共励会に出品された大豆作の個人とか集団といったところのものを見ますと、かなりの単収を上げ、コストを下げて、品質のいい大豆をつくっているという事例がたくさんあるわけなんであります。そういうところでは当然、経営的には土地の集積とかブロックローテーションを組むとか、さまざまな努力がされていると同時に、技術的にも品種の選定から栽培方法まで含めて、すぐれたものを持ってきていると思っております。

私たちは、今度、政策的にも12年度以降の水田営農対策というのが確立されて出されてきておりますので、その方向の中で大豆もそういう形でもっと広くつくっていくことができる。いわゆる本作としてコストをさらに下げ、品質のいいものを供給して、国民の皆さんに使ってもらえるという、そういうことの方向が出てくるというふうに思っております。そのために努力しなきゃいかんと思っております。

これは一例ですけれども、御承知の方もいると思いますが、先ほど肉牛のためにわらが要るというお話がございました。確かにコンバインで切られちゃってという問題あるんですが、今年の宮崎県の例などを見ますと、400数十ヘクタールつくったと思いますが、いわゆる国産の短粒種でない、長粒種の米かもしれませんが、草たけの伸びるのを植えて、畜産のために自分で稲わらを供給するという宮崎県内の取り組みがありまして、相当数の面積ができております。

確かに輸入する稲わらよりはちょっと高いという問題は若干あるようですが、自治体の若干の援助はいただいたりして、それを広めているというのがあります。この背景には、台湾の口蹄疫の影響などがあって、稲わらの輸入ということ自体にも慎重にならざるを得ないという問題もあるわけであります。

飼料作にしても、そういった問題は、これから十分に検討されていくべき方向だろうと思いますし、私どもは、そういう意味で困難な面もありますが、やればできる面とか、実践的にやっているという事例があるということを踏まえていきたいと思います。

それから、何よりも国産品の安心、安全と言いますか、そういう点が私ども、生協さんや量販店の皆さんと取引でいろいろやりますと、その辺のニーズが非常に強いということですね。それにこたえるようなものが求められていると思っておりまして、そのためのさまざまな努力を重ねていきたい。生産者側としては、生産面での品目別の自給率を高めるという、そういう展望を少しでも開いていきたい。

ただ、消費の面の改革と言いますか、そういうものがあって、両方相まって全体の危機的な自給率が一定の目標に達するだろうと。どういう目標を決めるかはこれからの議論だと思いますけれども、そんなふうに考えております。

専門委員 私は日本の農業を守っていく、それから日本の国民のために日本農業を育成していくという考えには両手を挙げて賛成したいと思います。

ただ、皆さん方から自給率に対しての疑問が出るというのは、需要があっての供給だということは、我々商売をしているものは真っ先に考えるわけでして、お客様が買わないものを幾ら供給したって、それは商売にはならない。そういうために私たちは、日本の農業から出てくる産物を買いたいと思っていますし、理想的には1億2,000万人の国民が全部日本の農産物を喜んで食べるという環境をつくるべきだというふうに思います。

一面、農業人口が減っていく、そして農家はもうからない。しかし、我々の認識では、日本の農産物は外国品種のものに比べて高い。ここは何でこんななんだろう、どうして我々が高いのを買ったにもかかわらず農家はもうからないんだろう。

そういうような諸々の観点から日本を保護していくためには、我々はただ単に農業だけのことを考えるのではなくて、流通あるいは農業を取り巻く周辺の産業ですね。果たして、日本の農産関係の産業が世界に耐えて競争していけるのだろうかどうかというようなことも総合的に考え、そして、それだからこそ自給率は達成できるというような方向になるのが望ましいんではないか。

ただ単に、農業者のお尻をひっぱたいて増産せよ、生産せよと言っても、マーケット、いわゆる需要を無視したことだろうと思いますので、日本の農業を取り巻く施策ですね、政策、その他についてもっともっと諸機関が研究していただければと思っています。

部会長 ありがとうございました。

専門委員 いろんな御意見が出ましたので、あえて申し上げてないことですが、私も今、委員のお話を聞きまして、なるほど重要なことだなと思いましたのは、この基本法ができて以来、いろんな場所で、農業と関係ない方と話し合いを続けております。

この中で、今度の基本法の理念、四つあります前二つの食料の問題あるいは農業・農村あるいは林地の多面的機能の問題、これは国民の方々の皆さんの農村、農業に対する、農民に対する要求であるというふうに理解している。それを受けて私どもは、環境に適した、コストが若干かかっても、あるいはコストダウンに努力しながら、持続的な農業を追い続けていきたい。そのための農村開発もしなきゃいかんというふうなことで話し合いが進んでまいりました。

そのときに、非常に具体的にわかりやすいのが、先ほども出ておりましたけども、日本の国民1人当たりの農地面積は0.4アール、120坪しかないという話、それから担い手もかなり減ってきて、なかなかつき手がないという話。そうしますと、学生さんなんかは、今までは東南アジアの農業開発だとか外国の開発なんか考えて行こうと思っていたけども、とてもそうじゃないなと、日本国に残って自分がやんなきゃいかんなと、こういう発言も出てきます。

したがって、そういう具体的な理解を求める、こういう議論をここでされておりまして、確かに高い問題もありますし、品質の問題もあると思いますが、そこでわかりましたのは、日本国の全体の体力としての農業と言いますか、食料面から見た体力があるのかどうなのかという、そこに疑問を皆さんは持っているんじゃないかなと、もう一回そういう見方をしなきゃいかんのかなという意識が持たれてきているということも確かだと思いますので、そういうことでは、委員おっしゃられましたように、もう少し議論を外に向けてやってもらうということが非常に必要じゃないのかな。

最後のページにありますように、私どももできる限り実現可能な範囲内で高い目標をつくるようなことで検討をしていくと、こういうことでありますので、大賛成であります。

特に3作物の問題出ましたけれども、これは多面的機能の問題含め、あるいは農業経営形態、農業経営のあり方含めて、限られた農地の中で、いかに耕地利用率を上げながら面積の拡大をしていくかという問題もありますので、単品ではなくて、水田、米、大豆、小麦という、昔はレンゲソウがありまして、春の風景というのがあったわけですが、そこまでいかなくても、そういう耕地利用率も含めた経営形態のあり方、農業所得のあり方という面からも考えていただきまして、特に少ない3作物の振興、自給率の向上をお考えいただきたいなという気持ちでございます。

部会長 ありがとうございました。

もう既にお話し出ているわけですが、生産面における課題も含めまして、御議論を続けていただければと思います。資料といたしましては12ページから14ページと、資料2がその関連でございます。また御意見ございましたら、お願いいたします。

専門委員 三つに分けるとしゃべりにくいんですけれども、全体としては、先ほど専門委員がおっしゃったような形で、エネルギーだけではなくて、価格というようなもので大変大事だろうと思っております。

もう一つは、麦、大豆、飼料作物という大物はカロリーベースを引き上げるときに非常に大事なので、これはこれで国が大変力強くお取り組みになるというのは結構なことだと思うんですが、そのほかに、今度発表になりました国内の算出額で言うと、野菜は米より大きいくらいのウェートになっているんですね。野菜とか果物とか生鮮ものについてもかなり輸入品が多くなって、だんだん侵食……

部会長 ちょっとお待ちください。政務次官が御退席になります。公務の関係で御退席になります。どうもありがとうございました。

引き続き、どうぞ。

専門委員 これから挽回していく部分と、侵食されていく部分があると思うんですけれども、日本が得意とした生鮮ものもだんだん自給率が落ちているという感じがございますので、そういうものもきちんと目配りをしてやっていくということから言えば、算出額も含めて、金額ベースでも出していただくのがいいんではないかなというふうに思います。

また、全体の自給率そのものということも大事なんですけれども、個々のものがどういう形で生産が上がっていくかという、その過程が、専門委員もおっしゃってましたけど、非常に大切なことだと思いますので、この狭い国土をいかに利用していくかという観点で、何か数字だけが一人歩きするということのないような格好でやっていただければありがたいなと思います。

それから、前に戻って恐縮なんですけれども、欧米のいろんな食生活を見ますと、まさに自国産の特徴を踏まえた食生活になっているわけでございます。日本の場合には戦後、非常に混乱をしたと言いますか、こういうふうに何でも食べる多様性のあると言いますか、そういう国民になったわけです。

基本法の第2条第3項に、高度化しかつ多様化する国民の需要というのをどういうふうに考えていいのかわからないんですけれども、まだまだ若い人たちの利便性中心のお祭り的な食生活がこのまま進んで、それに、いわゆる生産側が対応していくのかという感じがするわけです。基本的な部分は、先ほどからいろいろお話がありましたように、そろそろ健康に配慮したものに戻ってきちんとしたところを踏まえた上で自給率を考えていくという必要があるのではないかなというふうに思います。

そういう意味では、厚生省と農林省が一緒にやるという。農林だけでやりますと、また米を食べろというのかという話になって大変非難を受けるわけでございますけれども、そういう意味から言えば、先ほど委員がおっしゃっていたように、国民的理解って、みんながそう思うと、そう思って商品を選択すると、そうすれば食品産業も、例えば朝飯のかわりにジュースを一杯飲むとか、ゲルのようなジュルジュルのやつを一つ食べるとか、そういう方向に食品産業が向かわないで、もうちょっと基本的なところで食べやすい、選択のしやすい形の商品をつくっていただけるんではないかというふうに思います。みんながそう思わないと、御商売やっている人はそうふうに動かないと思いますので、ぜひ国民的理解というところが非常に大切かなと。

それから、さっき、これだけ不測の事態でも自給できればいいじゃないかというお話がございましたけれども、ちょうど21年、23年ぐらいは私、中学生でございまして、とてもあの世代に戻って、もう一遍あの食生活をやるというのは耐えられないものですから、せめて何とか30年代の初めぐらいのものは、どんなに不測の事態でも確保できるようにしたいなというふうに思います。

あの辺のいきさつで私は、何とかあそこまでは行きたくないなという感じがいたします。

これから、かなり大変だと思いますけれども、せっかくみんな盛り上がってこういう基本法ができたわけでございますので、実現に向けて、二、三年の助走期間を置いてだんだんに上がっていくようにしていただきたい。そのために、こちら側に農業サイドの方が座っておられますけども、おっしゃるだけではなくて、頑張っていただきたいなというふうに思います。

部会長 ありがとうございました。

委員 さっき委員がおっしゃったのに全く同感なんですが、私自身いろんな政府のところへ行きますが、少なくとも、知らないことも、そこへ行って詳しく聞くと、なるほどなと思うことが多いんです。

ただし、残念ながら、きょうの資料を見ていても、ここに座っていてすら、何か納得がいかない。それで国民にどうやって説明するのかって、こういうことが本心でございます。そういう意味で、また聞いていただきたいんです。

例えば資料2の1ページで、日本めん用について国内生産72が22で、ここを重点的にやりましょうと。これはよくわかりますし、そういう戦略を取られるなら、よくお考えになってこうなっているんだろうと思います。

しかしながら、その上の課題を見ますと、臨場感が出てこないんですね。つまり、日本めん用は一体どこでどういうふうに使われていて、どの地域の小麦をつくればコストがダウンして、着実に国内産が使われると、こういうことがちっとも伝わってこないんですね。上を見て、生産基盤の推進といって何をするのか、あるいは民間流通への移行って、そんなことをやっていればいいこと、今さら何言っているのかとか、こういうふうに見ちゃうんですね。

したがって、これは多分バックに膨大な資料があって要約をしておられるんだろうと思いますので、お願いは、バックの資料のまとめ方を、なるほど、これをこうやったらこういくんだなという格好でおつくりになって、それを国民に見せないと……。

これだと、さっき申し上げたことの繰り返しになりますが、リスクティキングだと言っておいて、それを自給率の上昇だと言って、自給率の上昇が目的化しちゃって、それがまた突然、日本めん用になって、ここにあるような話が抽象的なというか、当たり前の話が並んできて、また小麦と大豆とそれぞれ書きぶりが違っているんですね。なぜ書きぶりが違っているのかということも、これを見ている限りじゃわかんないですね。そんなことを思います。

お願いは、書いていることを疑っているわけでも、反対だと言っているわけでもないんで、もう少しうまく納得いくような格好で資料がつくれないのかというのが印象でございます。

部会長 ありがとうございました。

委員 委員の印象は私も全く同じでございまして、これはよくわかっているから非常にいろんなことを盛り込もうとして平板的になっていると思うんですね。

さっきから出ている話の中で、日本の国内の自給率が向上するというふうなことと、それを消費者が望むということの中には、幾つかの主要なファクターがあるわけですね。例えば高品質化によって海外のものと差別化するという一つの明確な方法と、効率性とか流通に関して工夫をして、価格的に海外のものと同じくする方法、それから、現状では海外との間で競争力がちょっとついていないということで、この辺については少し無理なもの、だけれども、無理だけども、何となく、あえて書くとすれば、こんなことが考えられるというふうなもので書いてあるものというのが、今は同じ色調で書かれてしまっているので非常にわかりにくい。

我々学者の世界で言うと、多元的なものから幾つかの軸を選び出して、それで論点を整理するというやり方があります。そういうふうな格好で、品目でもいいし、その辺のグループでもいいんですけれども、それに対して、今のような幾つかの論点、私は幾つもあると思いますけれども、必ずしも平板的にやるんではなくて、そういうふうなもので特化されるものとしての代表としてこういうものがあって、そういうものが例えば高品質化したときには消費者はどういうふうな選び方をして、あるいはそこに介在するさまざまなフード産業がどういうふうにそれを受けとめるかというふうな、一種のストーリーづくりみたいなのができるような類型というんですかね、そういうふうなことの抽出作業をしないと、答えが余りにも抽象的な食料自給の目標というものに対して、これ自身が具体的すぎると思うんですね。

その真ん中の分析の過程の抽象化する過程というのが非常に抜けているという同じ印象を私も持っておりますので、そこは大変難しいかもしれませんけれども、努力していただきたいと思います。

部会長 ありがとうございました。

委員、何か御意見ございませんか。――よろしいですか。委員は何か……。よろしゅうございますか。

あと何かございませんでしょうか。

事務局 1点だけ。

先ほど委員から、望ましい消費の姿について若干の抵抗があるという御意見がありました。もし時間があれば、その他の委員の感じもお聞きしたいと思うんですが、念のため、例えば農林省でこれまでつくってきた食生活指針あるいは厚生省の指針でどんな書きぶりでその辺のことを表現されているかということを申し上げます。

農水省で、これまで昭和58年と平成2年に食生活指針をつくってきていますが、この中で、望ましい食生活という表現を現実にしております。それから、厚生省で昭和60年につくった食生活指針の中には、食生活の改善ということで、その目安という書き方がされております。

それから、今回、先ほど事務局と座長の専門委員からも御紹介がありましたけれども、現在検討中の食生活指針では、健全な食生活の実現ということになっております。それから、食生活の見直し・改善という書き方がされている。厚生省の方で申し上げますと、健康日本21の中の表現としては、良好な食生活の実現ということ、あるいは食生活を改善するのにわかりやすい具体的な目標と、こういうような書き方がされているということを御紹介させていただきたいと思います。

部会長 専門委員、何か。

専門委員 生産者の立場という議論のあり方の問題ですので、少しお話しておかないかんかなと思っています。

きのうも認定農業者の集まりで、プロと言いますか、専業農家の集まりで議論したとき、こういう場の意見と現場は随分格差があります。兼業農家の人と違う集まりだったので、認定農業者の皆さんは、自給率についても厳しい。別に難しい話をするんじゃないですが、私は現場におるわけですから、担い手がどんどん、救急車が走るたびに、「おじいちゃんが亡くなって、あの土地が耕作放棄地になるのかな」とか、これから大いに耕作の放棄地はふえていくだろうという、現場ではそういう感じになっているんですね、認定農業者自身も。

自給率というのは、我々農業者の立場にとっちゃ、もちろん食料安全保障問題で、座長がお話しになったとおりでありますけれども、自給率が下がるということは地域農業では農業の耕作放棄地がふえることであり、担い手が減っていくことであります。

しかし、市場原理という大きな国際社会の流れの中で、我々が何をすべきかという議論をしますと、いいものを、できるだけ国際社会に近づけるようなコストダウンを図るということですね。こうすれば自給率は上がる。わかりやすいのはわかりやすいんです。

それから、消費者にその価値に対する価格というものが、これからの時代にあるとするならば、そうした流通をどう改善していくかということであって、日本のお米では国際社会にお米で売ろうたって売れないわけですから、私のお米ということによって消費者が、外国から同じ土俵で、平等な土俵で我々農業者がつくったものを選んでいただければ自給率は上がるということだろうということも今、意識して議論しているわけです。

そうした意味で、これから、認定農業者というか、専業農家という立場の中で、生産の場を持つ私たちとすれば、現場というものにもう少し踏み込んだ現実……。

きのうも、我々認定農業者ですら、ほとんどのものが30%にいくだろうという意識を持っているんですね。これが上がる理由があるの、コストが下げられるのとなると難しいという、努力は足らんとずうっと言われているんですが、その辺も含めて政策で、成長市場なら政策を少し動かせばダアーッと農家が動いたんですけれども、今は職業の自由という時代ですから、そこら辺をしっかり行政の方もお考えいただいてやってもらわないと、基本法ができて、計画目標、自給率目標が立ったけれども、結果としては、果たして力で押し切れるのかという、さっきからの御意見どおりではないか。この辺をもう一度、よく意識していただきたいなというのが現場の声としての意見であります。

部会長 ありがとうございました。

ほかにいかがでございましょうか。――そろそろ時間でございますので、本日はこれをもちまして議論を終息させていただきたいと存じます。

事務局におかれましては、きょうは大変厳しい御意見がたくさん出たわけでございます。本日の論議を十分に踏まえた上で、自給率目標の策定に向けての具体的な作業を進めていただきたいと存じます。

 

その他

 

部会長 次回、第5回の会議の予定でございますが、12月9日木曜日の午後2時から4時半、場所は本日と同じ、この第2特別会議室となっております。次回は年内最後の部会となるわけでありますが、これまでの論議の内容につきまして御確認をいただきますとともに、基本計画をどう構成していくなどについての御論議をちょうだいいたしたいと存じます。

それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

 

閉会