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食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第67回家きん疾病小委員会議事録

1. 日時及び場所

平成30年7月9日(月曜日) 10時30分~12時18分
農林水産省本省   第2特別会議室

2. 議事次第

  1. 開会
  2. あいさつ
  3. 議事
    (1) 米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニング適用について
    (2) その他
    報告事項
     ア 香川県における高病原性鳥インフルエンザへの対応及び疫学調査報告書
     イ 越境性動物疾病に関する日中韓の協力覚書に基づく第2回ワーキンググループ等の概要
     ウ 国際獣疫事務局(ОIE)総会及びOIE連絡協議会の概要
     エ 携帯品として持ち込まれた畜産物からの高病原性鳥インフルエンザウイルスの分離
    その他
  4. 閉会

3. 概要

午前10時30分   開会

  • 熊谷動物衛生課長
    皆さん、おはようございます。
    定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会第67回家きん疾病小委員会を開催いたします。
    委員の皆様方におかれましては、台風あるいは大雨の中、大変お忙しい中、本日はご多忙中にもかかわらずお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
    本日の進行を担当いたします動物衛生課長の熊谷でございます。よろしくお願いいたします。
    それでは、開会に当たりまして、大臣官房審議官の小川よりご挨拶申し上げます。
  • 小川消費・安全局審議官
    おはようございます。
    お手元にございますとおり、本日第67回家きん疾病小委員会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げたいと思います。
    まず、熊谷課長からもございましたけれども、今般の台風7号あるいはそれに伴う、前線に伴う大雨被害で被災された方々にお見舞いを、まず、申し上げたいと思います。
    また、委員の皆様におかれましては、日頃から農林水産行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げたいと思います。本日もご多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございました。
    本日は、ちょっと思い出しますと、メーンの議事(1)にございます、米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニングの適用についてということでございますが、昨年12月26日に、これも年末の慌ただしい中でございましたが、皆様、お集まりいただきまして、ご議論をいただいたところでございます。
    本日は、前回いただきましたご意見あるいはご質問を踏まえまして、事務方において、再度情報収集し、それを検討した結果を説明させていただき、さらにご議論をいただければと思っております。
    この本日のメーンの議題になっておりますところでございますが、大もとはもう皆さんご存じかと思いますけれども、WTOのSPS協定、この第6条に、地域主義と通称言われている条文がございます。これをどのように実践していくかということでございます。20年以上、もうWTO協定の条文は有効になっておりますけれども、各国ともこの協定に関しては、いまだ発展途上の段階になっておるわけでございます。
    これ、SPS協定上は、地域主義というものは、一言で申し上げますと、Members shall recognize the concepts of disease-free areas. というふうになってあるわけですね。したがって、受け入れなければならないと。そのファクターはというと、実は、非常にあっさりした書かれ方をしておりまして、地理、生態系、疫学的な監視、衛生植物検疫上の防除の有効性に基づいて判断せいということしか書いていないと。したがって、これをどのように適用していくかということは、各国に任されているわけでございます。
    皆さんもご存じのとおり、国内で発生いたしますと、例えば、今回テーマになっている高病原性鳥インフルエンザで考えてみますと、発生すると、国内的に鳥が全部移動が禁止されるわけでもない。取引が禁止されるわけでもない。これは、単位としては10キロというエリアを決めて、コントロールをしていくということです。これも、もともと平成15年から16年に、最初に久しぶりに発生したときには、30キロという枠を設定したわけですね。その後、知見が重なっていって、10キロということでございます。そういう意味では、県単位でもなければ、地方単位でもないといったような運用をしていると。これ、国内的には地域主義というのは、そういった意味では、自然にスムーズに導入され、なおかつ、発展を遂げているといった分野でございます。
    これが、今度は国際防疫になったときにどうなるかということでございます。これは、いろんな国でも議論をされておりますけれども、相手国の制度をどこまでミューチュアルにトラストできるかという議論になるわけでございます。そういう意味では、国際的にもさまざまな議論が行われている分野でございます。
    そういったことも踏まえますと、本日我々のほうから再度の説明をさせていただきますが、委員の皆様におかれましては、まさにそれぞれのお立場で忌憚のないご意見を賜ることをお願い申し上げまして、私の挨拶とかえさせていただきます。
    今日はよろしくお願いいたします。
  • 熊谷動物衛生課長
    ありがとうございました。
    さて、現在、家きん疾病小委員会の委員数は9名でございます。本日は、眞鍋昇委員、米田久美子委員におかれましては、所用によりご欠席となっております。7名の委員の出席で、会は成立しております。
    続きまして、本日出席しております、挨拶された審議官と私以外の事務局を紹介させていただきます。
    国際衛生対策室長の沖田でございます。
  • 沖田国際衛生対策室長
    沖田です。よろしくお願いいたします。
  • 熊谷動物衛生課長
    国内担当の課長補佐の伴でございます。
  • 伴課長補佐
    伴です。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 熊谷動物衛生課長
    国際担当の菊池でございます。
  • 菊池課長補佐
    菊池でございます。よろしくお願いします。
  • 熊谷動物衛生課長
    国際担当の近藤でございます。
  • 近藤課長補佐
    近藤です。よろしくお願いいたします。
  • 熊谷動物衛生課長
    本日のテーマの米国のゾーニング関係を担当しています、井川でございます。
  • 井川課長補佐
    井川と申します。よろしくお願いします。
  • 熊谷動物衛生課長
    よろしくお願いします。 予定では、本日12時までの会議ということで計画してございます。
    恐れ入りますが、ここでカメラはご退室お願いいたします。
    農林水産省の会議におけるペーパーレスということがちょっと進んでおりまして、本日からタブレットを使った委員会の進め方になります。お手元にタブレット端末の使い方という資料を2枚ほど配付してございます。タブレットの端末は、マウスを使って、通常のノートパソコンと同様に使えますので、ご確認いただければと思います。
    また、資料の切りかえについては、タブレットの上段にありますページ、例えば、今、各委員の皆様方のところでは、参考資料の2というところが表示されておると思います。これは、順次、参考資料ということで、上段をクリックしていただくと、資料が切りかわるということでございます。
    本日使用する資料は、資料の1、資料の2-1から3まで、また資料の3、資料の4から1と2と、資料の5ということでございます。また、参考資料としまして、参考資料の1から4までを用意させていただいております。
    不都合等ございましたら、審議の途中でも、お近くの事務局員にお声かけいただければと思っております。
    それでは、早速ですけれども、これより議事に入りたいと思います。
    ここからの議事進行につきましては、伊藤委員長にお願いしたいと思います。
    伊藤委員長、よろしくお願いいたします。
  • 伊藤委員長
    それでは、これより議事に入りたいと思います。
    まずは、議事の(1)ですね。米国における高病原性鳥インフルエンザ発生時の郡単位のゾーニング適用について、まずは、事務局から説明をお願いいたします。
  • 井川課長補佐
    事務局の動物衛生課課長補佐をやっています井川から、本件について、ご説明差し上げたいと思います。
    本件、冒頭、審議官からのご説明にもあったとおり、この件については、昨年の12月の家きん疾病小委員会で一度ご議論をいただいた件でございます。アメリカで高病原性鳥インフルエンザが発生した際に、輸入停止措置の単位を、現在は州単位でありますが、それを郡単位にまで縮めてもよいかどうかという点でございます。
    前回、ご議論いただいたときに、各委員からさまざまなご意見を頂戴しました。中でも多かった意見として、主に中島委員からいただいた意見として、2014年、15年にアメリカで大発生した際の一連の発生を受けて、アメリカのいろいろな防疫対策が強化されたという説明だったんだけれども、それも少しわかりにくいので、その詳細を教えていただけないかという点が1点。
    もう一点は、西藤委員からいただきました、米国における低病原性の鳥インフルエンザのアクティブサーベイランスは実態がどうなっているのか、もう少し詳しく教えてほしいということで、この主に2点を受けまして、今回のこの資料1にございます補足的資料というものをつくらせていただきました。
    前回、ご議論いただいたときに使わせていただきました、この今回のリスク評価の概要は、今あります資料1の隣の参考2として。そして、そのリスク評価報告書の本体であります詳細版については、参考資料3として、その隣に置いてございます。こちらのほうも、随時ご参考いただきながら、説明させていただければと思います。
    ということで、資料1に沿って、基本的にはご説明差し上げますが、よりわかりやすい説明をさせていただきたいと考えるため、スクリーン上にも別途、さらに補足資料をスクリーンに映しながら、説明させていただければと思います。
    資料1をご覧いただければと、まずは思います。
    ここに、ローマ数字の1として、2014年、15年の一連の発生を受けた後、アメリカがどのように強化策を講じてきたのというところの時系列を少しまとめました。
    まず、丸囲み数字1として、2014年から翌年の6月にかけて、前回も説明させていただきましたとおり、アメリカ15州で商用家きん農場(211戸)、裏庭家きん農場(21戸)において、高病原性鳥インフルエンザの発生が確認され、合計で4,300万羽の鶏、740万羽の七面鳥、鶏のほうは採卵鶏が中心だったと思います。という未曾有の大発生があって、アメリカの歴史上でも史上最大の動物衛生の事案だったというふうに表現されるほどの大発生でございました。
    いわゆる日本におきましては、もう10年前になりますが、口蹄疫が宮崎県で発生したと同時に、その同じ年にも鳥インフルエンザがたくさん発生したというような状況が、まさに米国でも起こったわけでございます。
    その翌年、2016年の1月に、それもいわゆる日本におけます防疫指針、発生があった際にどう対応するのかというものは、もう当然あったわけですが、それをさらに強化すべく、2016 HPAI 準備・対応計画というのが公表されました。
    その後の発生としましては、この公表した同月に、米国のインディアナ州でHPAIが1件確認されております。
    さらに、翌月連邦規則集というアメリカの法律、日本でいう省令に近いでしょうが、連邦規則集というところに、このHPAIの発生がアメリカであった際に、いわゆる発生農家で適切なバイオセキュリティー措置が講じられていないと、後に詳細に説明しますが、アメリカでも日本と同じように、発生した農場の殺処分してしまった鳥に対する補償という仕組みがあるんですが、その補償について、発生時にバイオセキュリティー措置が講じられていないと、その補償の対象にはしないですよということを法に明確化したというところが、2016年の2月に起こったことでございます。
    その翌年、2017年の3月に、テネシー州の2農場について、HPAIが確認されたという事実がある中で、さらに、その2017年の7月に、商用の家きん農場、いわゆる業として鶏肉や卵を生産している農場が100%参加している全米家きん改良計画、通称NPIPというプログラムにおいて、これまでもふわっとしたバイオセキュリティーに関する項目はあったんですが、14項目にわたるバイオセキュリティーに関する規定を明記した、新設したというところになります。
    これが、アメリカで2014年から15年にかけて大発生があった後に、アメリカが講じてきた強化措置の簡単な時系列経緯及びその間に起こった発生の経緯を、簡単にご説明しました。
    そして、この具体的な強化策の内容についてですが、2016 HPAI 準備・対応計画と呼ばれるものでは何が強化されたのかと申しますと、これも前回ご説明させていただきましたが改めて説明させていただきますと、ここの点については、バイオセキュリティーの強化もさることながら、どちらかというと、発生時にどうやってその準備・対応を強化するのかということについて、中心に書かれました。
    1項目目にバイオセキュリティーの強化とありますが、これは当然疫学調査によって、前回も説明したとおり、水平感染というような事例も生じたということで、発生の予防に加えて、横に広がるのを防ぐためには農場のバイオセキュリティーが肝要だろうというような疫学調査報告結果も受けて、バイオセキュリティーは強化すべきだろうということがここでも触れられておりましたし、その翌年の冬に、すぐに備えなきゃいけないということで、各農場に対するバイオセキュリティーの強化、こういうのをやってくださいねというようなパンフレットだったり、各地でも実際に説明会というようなものが行われたり、今現在インターネットのような世界がはびこっている世の中で、ウェビナーというインターネット上でやるようなセミナーについても、多数開催されたというふうにされております。
    加えて、検査と防疫対応の迅速化という点では、以前ではアメリカに1カ所ある、アイオワのエイムズというところにあるNVSL、国立獣医研究所というところの確定検査をもって、農場の殺処分を開始するという、トリガーにしていたんですが、それを全米約50カ所ある全米動物衛生研究所ネットワークという検査所での検査、日本に相当すると、県段階での検査に相当するのかもしれないですが、そこで陽性と判断された時点で処分を開始するというように、防疫措置のスタートのタイミングも、日本が以前に強化したような内容と似たような形で、より前倒しで対応するというような措置を講じることになったということです。
    さらには、現場でも、いわゆる簡易キット、これも使えるように、これまで使えなかったんですが、ここ以降は使えるようにして、最寄り現場での陽性の判断をもって、殺処分も開始できる、これは州に委ねられていますが、州がやりたいということであれば、その時点でもう開始できるというふうな形にしました。
    さらに、24時間以内に殺処分を目指すというのは、これは我が国の防疫指針にも書いてあるのと同じなんですが、アメリカは1鶏舎の規模が日本とは比べて異常に大きいです。1鶏舎何十万羽というような鶏舎があったりもするような国でございますので、そういった大きな農場でできなくなった場合には、多少のアニマルウェルフェア上の問題があるかもしれないですが、ベンチレーションで空気の循環をとめて殺処分をするというような強行的な処分方法も認められるというようになったということです。
    さらには、発生時の人的対応能力の強化というところですが、これは我が国の口蹄疫の発生時もあったとおり、いわゆる発生の規模、数が想定を超えて当時発生したため、やっぱり防疫措置が追っつかないというようなことがあったというふうに報告を受けています。ということで、そういったときには、今、日本でも実際にやっているような、日本でも自衛隊に応援を要請したりしてマンパワーを補充する、他の発生していない県から応援を要請するというようなことが、今は当たり前のように行われていますが、こういったような同じようなことが、アメリカでも省庁間で連携をとり、別の州からも応援を呼ぶ、緊急対応チームをふやすというようなことで、2014年のような発生があったとしても対応できるというような対応がとられたというふうに報告を受けています。
    ここでも、いわゆる2016年当時、発生した直後ではありましたが、次の冬に備えるということで、相当なトレーニングセミナーやオンライン講座が開催されたというところです。
    次につきましては、2016年の2月に連邦規則集を改正して、発生時にバイオセキュリティーが講じられていないと補償金を支払わないよという制度を定めたというところであります。(2)ですね、補償金支払いの規則変更というところです。
    ここ、アメリカでは、日本と少し違うのかもしれないですが、発生時に農場で生き残っている家きんに対して、政府による100%市場価格での補償が実施されることになっています。これの補償を受けるに当たって、以前は特段の要件というのはなかったわけでございますが、この2016年2月以降、発生時にちゃんとした農場バイオセキュリティーが講じられていないとお金は払わないよと、申請を受け付けないという表現になっているので、日本では、そういうときに措置が講じられていないと、例えば、減額といった措置が講じられますが、100%払わないといった選択ができる。これはなかなか、農家にとっては厳しい、罰則ではないですが、そういったバイオセキュリティーを講じるためのインセンティブになっているんじゃないかなと思います。
    これは後に話しますNPIPのバイオセキュリティーの14項目とは少し違いますが、少しふわっとしたものになっていますが、これはもうそういう商業家きん農場のみならず、バックヤードなども含めた全ての農家に対して適用されているものでございます。
    そして、その(3)のNPIP、いわゆる業として、家きん肉、家きん卵を生産している農場が加入しているNPIPという計画に、新しくバイオセキュリティー項目の14項目が定められたというところについてのご説明を差し上げたいと思います。
    14項目、ここに書いてあるとおりなんですが、少しわかりやすく説明するために、スクリーンに簡単にプレゼン資料のようなものをご用意しました。
    ここにあるとおり、1つ目としましては、バイオセキュリティーに関する責務。
    総論的なものになるのかもしれないですが、各農場独自には、バイオセキュリティー計画を計画すること、それを実行すること、それをメンテナンスすること、それを継続的な実効性を確保するという目的を果たすための担当者を各農場、必ず一人設置しなさいよ。
    そして、計画は毎年見直して、必要に応じて改善しなさいよ。
    そして、それ、いわゆる実行のところになるのかもしれないですけれども、毎年みずから評価を実施して、その結果、どこがだめだったのか、全てよかったのかというようなことを記録に残しなさいよということを定めています。
    そして、このバイオセキュリティーの担当者は、必ずバイオセキュリティーの知識を持った者がやらなければいけないということで、これは獣医師であることが望ましいということも書かれていたりします。
    または、一方で、獣医師ではない者が当然担当することもあるので、USDAはバイオセキュリティーの担当者が勉強できるというか、どういうふうにマネジメントすればいいのかというようなマニュアルみたいなものも作成して、こういった担当者を適宜置いて、実際ワークされるような形を促しているということになります。
    アメリカでは、皆さんご承知のとおり、アメリカ人が当然マネージャーをやっていることもありますが、スペイン語圏からの労働者を多分に雇用しています。ということで、英語だけじゃなくて、スペイン語も当然こういったものは用意しているという実情もございます。
    2項目目としまして、当然そういう計画をつくるだけじゃだめなので、農場従事者へちゃんと教育しなさいねということが定められています。
    各農場従事者に、年1回こういうセミナーを必ず受けることになっていまして、新入社員は、当然働き始める前に1回受けることとなっています。
    こういった教育についても、一体全体どんな教材を使ってやればいいんだというふうな農場側の思いもあるということも踏まえて、USDA並びに生産者団体などが協力して、こういった教材なんかも、そういったバイオセキュリティーの強化のためのウエブサイトに行けば、容易に手に入るようになっています。
    3つ目でございますが、これは家きん飼育エリア、3つ目と4つ目ですね、と周辺バッファーエリアを定めなさいという項目です。
    これは日本にも既にあるとおり、飼養衛生管理区域というところに似たようなところがあって、1つ目の家きん飼育エリア、line of separationというのは、いわゆる家きんがいるエリアをこうやって囲みなさいよ、これが赤枠。
    そして、もう一つは周辺バッファーエリア、いわゆる農場として、そういう衛生を管理する区域を、こういうふうに青枠として定めてくださいと。
    そして、この青をまたぐときには、従業員にこういうのをやってくださいねというルールを必ず定めて守らせる。
    さらに、赤いエリア、ここをまたぐときには、こういったルールがあるので、守ってくださいねという、その、いわゆるバイオセキュリティーに関するルールを必ず定めて、それを関係者に順守させなさいというのが、この丸囲み数字3と4の規定でございます。
    その次の丸囲み数字5番、農場訪問者への措置については、これはいわゆる農場の中に入る者が、必ずしも従業員だけは当然ないので、餌会社だったり、死亡鳥を回収しに来る人だったりという、いろいろな関係者が農場にかかわるわけであって、彼らに対しても、当然バイオセキュリティーを守っていただかなければいけないということで、このように専用のブーツを使いましょうだったり、農場内に侵入するときには必ず動力噴霧器で車両を洗浄してくださいというような、こんなサインについても、こういった関係ウエブサイトに行けば、容易にこのようなサインも手に入って、関係各者が印刷して張りつければいいだけというような支援措置も、USDA並びに生産者団体がやっているという事実がございます。
    次の野鳥、ネズミ、昆虫対策、6番目でございますが、これは野鳥の接触防止、当然LPAIやHPAIを運んでくると考えられている野鳥の接触防止のために、防鳥ネットなどを張ってくださいね。
    さらには、日本でも言われています、農場の鶏舎内に入る最後のところでは、ネズミとかイタチとかの小動物が関与しているということが言われており、これはアメリカでも十分に認識されています。なので、こういったネズミなどのペストコントロール対策もやってくださいねと。
    そして、やったことをちゃんと記録してくださいねというところが規定されています。
    7番目としては、農場に出入りする車両や物品の措置。
    これは当然ながら、入ってくる車両は入り口で動力噴霧器で消毒されるなり、消毒ゲートを通るなどを規定するというのは、もうこれは業として家きんを飼っていらっしゃる方には常識的なことなのかもしれませんが、改めて規定されているというところ。
    8番目については、死亡家きんの取り扱い。
    先ほど申しましたように、死亡家きんを回収する専門の業者などがいて、これは各農場などを、いわゆる五月雨的に毎日回るような業者がいるわけです。そういうどこかの1つの農場で発生があって、その死亡家きん業者とのつながりのところのバイオセキュリティーがおろそかであると、そういう死亡鶏を扱う業者を介して水平感染が起こってしまうというおそれがあるので、死亡家きんを扱うときには、例えば、家きん舎から離れた農場の端っこのほうで、そういう受け渡し場所なんかを定めて受け渡すであったり、回収してくるまでの間、例えば、野鳥とかネズミが容易に触れられるような、最悪のやつはいわゆる野積みみたいな形ですけれども、そういったのは決して行わないというようなことをすることが規定されています。
    次の糞尿及び敷料についても、同じような考え方ですね。使い終わった、使用済みの敷料や糞尿が混ざったものについては、オールアウトした際に基本的に堆肥化するなりして、処置することになるんですが、これらについても、野鳥とかネズミが接触できないような措置を講じてくださいねというところでございます。
    10番目は、家きんの導入。
    これはブロイラーであればブロイラー、採卵鶏、七面鳥農場いずれであっても、外部から家きんを、どこかのタイミングで導入する場合があるわけです。こういったときには、後ほど、NPIPのサーベイランスのところでもお話ししますが、ちゃんとアクティブなサーベイランスをして、きれいな群だということが確認された家きん群から、そういったものを導入してくださいね。
    運ぶとき、入れるかごなんかについては、当然ながら清潔なもの、そういった汚いものを使わないようにしましょうというところが規定されているわけです。
    11番目は、家きん舎における水の供給。
    これは家きん舎の中で使う、主には飲用水でありますが、そのほか、家きん舎の中の温度を調整するための蒸発冷却装置なんかを使っている農場、アメリカにはたくさんあります。そういったところで使う水については、直接家きんに接触するなり、飲まれるといったところの水でありますので、当然ながら閉鎖系の井戸水とか水道水というのを使うのが望ましくて、池の水などの表面水を使うときには、当然ながらそれなりの措置を講じてくださいねというところでございます。
    12番、飼料や敷料の導入。
    これも、水に近い考え方と同じです。導入する際には、導入する、そして餌を与えるラインについては、野鳥やネズミなどに触れないようなラインづくりをちゃんとするというところ。
    それと、農場の周辺に、そういった餌の宅配業者が運んできたもののうち、ぼろぼろとこぼれたようなものについては、野鳥とかネズミを誘引する原因になってしまうので、そういったものは見つけ次第、直ちに廃棄するようにしましょうというようなことが定められています。
    13番目、これは罹患率や死亡率の上昇の報告のことについてです。
    日本でも、当然ながら異常鶏が見つかったとき、産卵率が落ちたとき、餌の食いが落ちたときは報告するような義務になっています。アメリカでも、管理獣医師が州の獣医官に、そういったときには通報することが定められていますので、ここはそういった異常な鶏が見つかれば、直ちに通報しましょうというところです。
    そして、最後、14番目に査察という項目があります。
    少しスクリーンのほうを見ていただければと思いますが、これについては、ここにも文字で書いてありますとおり、あと、最初のほうに少し述べたとおり、まずは農場バイオセキュリティーの担当者が年に1度みずから評価をして、それを記録に残します。
    そして、そのさらなる上で、この査察という項目は、実際に始まったのがまだ昨年の7月だと聞いております。今後、少なくとも2年に1度、全ての農場において、州の公的調査官による査察を受けます。
    これは、ペーパーベースの書類外部監査ということになりますが、そこで全てマルであれば、これは問題なく、発生時に補償が受けられるようなことになっていますが、それがだめだった場合、改善措置が指示され、それでも改善されない場合は、州と連邦の合同チームによる実地の外部査察が行われて、より強力な改善指導が行われます。それでも、もう実行しないという者については、いわゆる発生時の補償が受けられないというような、恐らく結果になってしまうだろうというようなことで、PDCAを今後これは回していって、より強固な実行性を担保していくんだろうということで、アメリカ側からは報告を受けております。
    ということで、ここまでは強化策についてご説明してきましたが、続きまして、もう一点の資料の構成要素であります、低病原性のアメリカにおけるサーベイランス体制ということで、続いての資料のローマ数字の2番のところを見ていただければと思います。
    LPAI、低病原性インフルエンザでありますので、当然ながら、いわゆる症状では、当然産卵率の低下とか餌食いの低下といったことが生じることもありますが、基本的にはやっぱりアクティブサーベイでサンプリングして捕まえに行かないと、やっぱり見つけにくい病気だというのは、これは日本でもアメリカでも同じ認識であります。
    ということで、このNPIPといいますのは、連邦政府、州政府、民間の三者が協力して、全米家きん改良計画というプログラムがアメリカにはございます。これはもともとは何かと申しますと、Salmonella Pullorumという、ひな白痢の病原体の清浄化を目的として、本来は1930年代に設立されました。その後、いろいろ対象疾病を拡大していって、いわゆる鳥インフルエンザというのが全世界的にも認知され、問題になってきた後に、いわゆる鳥インフルエンザ清浄性プログラムというのを1998年以降に追加されまして、今では主としてLPAI、低病原性の鳥インフルエンザを摘発・清浄化することを目的としたアクティブサーベイランスという認識のもと、実施されているプログラムであります。
    このLPAIのサーベイランスでありますが、このやり方、検査方法などについては、民間と一緒にやっているものとはいえ、連邦規則CFRの9番目、9CFRにちゃんと規定されておりまして、検査が実施されております。実際やられているのは、ブロイラー生産だけではなくて、卵生産、七面鳥生産、種鶏のグループ全てにおいて、基本的に行われていますが、ここでは一例としてブロイラーの流れのところを説明したいと思います。
    皆さんご承知のとおり、ブロイラーの種鶏の世界では、エリートだったり、グランドペアレンツだったりという原種鶏の世界があって、そこから実際にお肉にするひよこを育てる繁殖種鶏、最後お肉にするところのブロイラー農場というような形で上流から飼養形態があるんだと思うんですが、その上での、まず原種鶏のところでは、このように、まず30羽以上の検査があって、90日ごとないしそれ以下の期間で繰り返し検査が行われているという、厳しいサーベイランスの実態がございます。
    また、最後、廃鶏になる前には、食鳥処理場に送られる21日以内に検査が実施されていたりという実情もございますし、その最後、お肉にするひよこを育てる繁殖種鶏の農場でも、基本的にほぼ同じような、このように頻繁に実施するサーベイランスが行われております。
    そして、最後のブロイラー農場のところでは、皆さんもご承知のとおり、もうひよこから出荷されるまで約40日ほどしかないので、そのブロイラー農場で実際にサーベイランスをやるというのは、なかなか効率がよろしいものではないので、アメリカでは、いわゆる食鳥処理場ですね、と殺されるタイミングで、シフトごとという形ではありますが、このような形で、実際にいろいろとLPAIに対するアクティブサーベイが行われているという実態があるという世界です。
    卵についても、ほぼ同じような上流から下流に対する流れ、それと同じような形で七面鳥農場においても、実施されております。
    補足的資料の説明は以上になるんですが、改めまして、委員の方にあまりご説明したことがなかったのかもしれないんですが、アメリカで今現在鳥インフルエンザが発生した場合に、どのようにお肉とか卵、初生ひなをとめているのかということについて、簡単にご説明さしあげたいと思います。
    今、そもそもの原則論として、アメリカから家きんの肉、卵、初生ひな、この3つが輸入されている主な3つのプロダクトになると思うんですが、家きん肉や卵については、高病原性鳥インフルエンザが出た場合、今、郡単位にしようという議論をしていますが、今現在は州単位で停止にします。
    LPAIが出たとき、これはもういろいろと専門家の方にも議論していただいた背景もあるんですが、発生農場から半径10キロというエリアだけ、輸入停止措置を講じています。
    初生ひなについては、HPAI、LPAIいずれが出たときも、州単位でとめているという、原理原則論があります。
    そして、具体的にどうやってとめているのかと申しますと、この輸入停止のところから時間をさかのぼることになるんですが、ご説明しますと、アメリカ側で確定検査で陽性が確定された場合、今現在もうアメリカからは、OIE通報される前ぐらいのすごく早い段階で、アメリカから日本側に直ちに連絡が来ます。
    我々は、それを受けて、輸入停止措置を講じるわけですが、この日以降、日本に入ってくるものを単にとめているわけじゃなくて、いわゆる高病原性鳥インフルエンザであれば、症状が見つかった段階、LPAIであれば、往々にしてサンプリングというのが基点になりますので、サンプリングされた日から、いわゆるOIEが定めるインキュベーションピリオド、潜伏期間の21日間をさかのぼって、この日にウイルスが入ったんじゃないかというウイルス侵入推定日を我々のほうで定めます。そして、この日以降に製造したものを、輸入を禁止しているんですね。
    なので、何か輸入をとめるタイミングはここではなくて、我々、こういった実際の症状が、サンプリングが見つかった日から、さらに潜伏期間の21日間をさかのぼって、ここ以降に製造したもの輸入禁止にしているという実態があります。ただし、この日以前に製造されたもの、これは本当にきれいだったときにつくられたものだったんで、我々のところに入ってくるリスクなんてないだろうということで、ここは禁止の対象外としているという実態があります。
    初生ひなについても、初生ひなはday-old chickという名のとおり、いわゆる生まれたばかりのひなが、これはアメリカから飛行機で送られてきますので、実際には生後2日後とか3日後のひなが日本に到着するわけですが、日本で、入った後も、14日間指定施設というところで係留されて、異常がないかということを見て、その後に開放されることになりますので、似たような措置が講じられているという状況ですね。
    また、家きん肉、卵については、アメリカから入っているものの多くは、基本的に船で運ばれてきますので、実際には、日本に届くまで約1カ月、数週間から1カ月というふうな形の輸送期間を経て、日本に入ってくるという実態があります。
    そして、先ほど、既に低病原性のほうについては、発生農場から半径10キロのみを輸入停止にしているという実態があって、それは2014年の8月以降、その措置を講じさせていただいたんですが、これだけのアメリカでは発生があって、実際、そういう10キロだけをとめて、輸入制限をしているという実態があります。
    こういった状況下においても、日本でアメリカから輸入された鳥、卵、初生ひなを通じて日本に入ってきたという事実は、これまでのところ幸いにも一例もないという、これまでにそういう、今ご議論いただいている郡よりも小さい10キロという形で運用した場合であっても、そういったものは入ってきていないという、歴史的な、そういった事実もあります。
    また、先ほど説明させていただいたLPAI、低病原性鳥インフルエンザのサーベイランスという実態が、今うまくワークしているからこそ、アメリカでこれだけのLPAIが見つかっているんじゃないかなという証左にもなっているんじゃないかなとは思うところであります。
    そして、今回郡単位に縮小する場合の、そのリスク管理措置なんですが、今やっているものとは全く同じではないということは、前回も説明させていただいたんですが、少しわかりやすく説明します。
    今、現行では、アメリカから連絡があった場合、同時にゾーニングをしますよとか、もう防疫措置、殺処分を始めましたよというような連絡が同時に来るというのもあって、直ちに発生州のみが輸入停止措置となります。そして、防疫措置が終了後、90日後、OIEでも清浄性ステータスを回復するという関係もあって、輸入一時停止措置が解除されるということになります。
    今回、万が一、郡に縮小した場合の新たなリスク管理措置としては、まず、発生があった連絡があれば、直ちに群にするというわけではなくて、これは前回も説明したんですが、とりあえずは、一旦発生州の停止とします。そして、その発生がいわゆる10キロの制限内で封じ込められて、そして、日本でも、今般発生しているような、いわゆる野鳥による発生だと思われて、横には広がっていないというようなことが確認された場合、郡単位に縮小しようというのが、今回講じようとしている措置でございます。
    こういった郡単位に縮小した後であっても、この群から、やっぱり外にじわじわと広がっているような事実が確認された場合とか、発生州で周辺、すごい野鳥が来ていて、もうぼんぼん出てしまうというような状況があった場合には、また州単位に戻すというような措置を講じることを考えております。
    このように、今やっていることとは少し違うリスク管理措置をとるんだということも踏まえて、ご理解いただければなと思います。
    そして、これは前回お示しした、いわゆる評価書の最後の総合評価の部分になるんですが、1番については、収集した情報によって、予防とか蔓延措置を講じるための計画が整備されていて、サーベイランスも適切に講じられている、早期摘発できる、封じ込めできる、こういった実態があることを確認した。このあたりは、皆さん、前回ご納得いただいているんじゃないかなという部分。
    また、14年、15年の大発生を踏まえて、バイオセキュリティーが強化され、人的には足りなかった部分の能力も改善され、殺処分のタイミングも早めたり、封じ込める計画が新たにつくられて、その強化された後に、2つ、3つほど発生がありますが、その場合の発生については、2014年、15年に見られたひどい横展開のような発生の広がりはなかったというようなことは言えるのではないかなと思います。
    それで、3つ目、以上のことから、アメリカで発生した場合にあっても、今お話ししたように、アメリカの当局から、もう直ちに情報が提供されますし、そういったところの情報をもって、防疫措置が講じられていれば、いわゆる10キロの中で基本的に発生は封じ込められるんではないかなということが考えられたというところであります。
    そして、4点目なんですが、そのために発生時に、いわゆるアメリカ当局から提供される情報によって、今お話しした、広がっていないということとか野鳥によるものなんじゃないかというような情報が確認されれば、郡単位に縮小したとしても、リスクは無視できるんじゃないかなということで、前回お話しさせていただいたところではあったんですが、ここでもう一点、筒井委員のほうからお話があって、今、州でとめているのに、それを郡単位にするんだろうということは、郡単位にした際の、その郡以外の郡でのリスク、いわゆるドーナツ型の部分ということになるんでしょうか。そこの発生リスクというのは、今講じている措置以上にリスクはあるんじゃないかというところで、このように同じようにリスクは無視できると書けないんじゃないかというようなご指摘をいただいたように伺っております。
    ということは、ちょっと表現がわかりにくかったのかもしれないので、改めてこの4番のところは、今説明させていただいたとおり、ちゃんと防疫措置が講じられて、発生がいわゆる10キロを越えて蔓延していないことを確認できた場合、そして、さらに適切なリスク管理措置、その当初は州全体をとめて、その後に郡単位に縮小するということを講じることで、その停止措置の範囲を州単位から郡に縮小しても、それは適当なんじゃないかというような、ちょっと表現に変えることでいかがかというような形で、今回ご提案させていただければなと思います。
    すみません、長々と私ばかりがしゃべりましたが、事務局からの説明は以上でございます。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    それでは、本件につきまして、委員の皆様からご意見あるいはご質問等ございましたら、お願いいたします。
    ございませんか。
    よろしいでしょうか。
    どうぞ。
  • 筒井委員
    前回ちょっと、私のほうで、今エリアを狭めることによって、その狭めたところのエリアというもののリスクをどう考えるかというお話を相当させていただいたんですが、それについては、今お話がありましたように、リスク管理措置ということで、そこを確認した上での措置ということですので、そういった意味では妥当ではないかというふうに考えます。これは、1つのコメントです。
    もう一点、ちょっとこれは質問なんですけれども、ローパソ、LPAIが見つかった場合、何かアメリカは措置をとるんですか。
  • 井川課長補佐
    措置をとるというのは、防疫措置全体というところですかね。
  • 筒井委員
    先ほど、アクティブサーベイランスをやるというふうにおっしゃっていて、陰性を確認するという話は伺ったんですけれども。
  • 井川課長補佐
    見つかったときの。
  • 筒井委員
    見つかったときはどうするんだというところはちょっと。
  • 井川課長補佐
    それにつきましても、日本と全く同じではないですが、基本的に10キロのサーベイランスゾーンみたいなものをつくりまして、まず、大前提として、発生農場の家きんは殺処分、日本と同じように全羽殺処分します。それに対する補償も、政府から当然あります。そして、10キロの制限円を引いて、その中でほかの発生がないのかというのを、立ち入りプラス、いわゆる血清学的な検査をやることによって、当然周辺にあるかどうかの検査もします。それと、疫学的につながっている農場については、当然同じような疫学調査とともに、サンプリングを伴う検査もされますので、基本的に日本がやっていることと、そう差異はないのかなと思います。
  • 伊藤委員長
    よろしいですか。
    ほかにございませんか。
    どうぞ、森口委員。
  • 森口委員
    先ほどから野鳥が持ってくるというリスクは単発であるから大丈夫だろうというような判断をされるということでしたが、野鳥由来で単発で起きるということは、その野鳥がいる外の環境には、恐らくかなりのウイルスがあるということが想定されると思うんですけれども、その範囲が郡単位で抑えられるものなのかというのは、少し疑問があるんですが、このあたりはどう考えておられますか。
  • 井川課長補佐
    確かに、おっしゃるように野鳥でウイルスが見つかったエリアというのは、農場でも発生する可能性は高いという可能性は当然あるとは思います。ただ、その野鳥だけの発生をもって、そういった今の肉とか卵の輸入停止措置を講じないというのは、もうこれは世界的な共通ルールになっていますし、それをいかに、いわゆる人が飼っている家きんの世界に入れないで発生を生じさせないかというところは、これは日本も同じだと思うんですけれども、同じ対策の世界であって。それが家きんの世界に入ってしまったら、輸入を停止するというのが、我々がとっているリスク管理措置であります。
    なので、その周辺でのリスクは高いというのは理解しますが、それを封じるために農場がバイオセキュリティーを講じて、入らない措置をしますし、入れば、そこはとめるという世界なので、いわゆる日本にはそういうものを通じて入ってこないだろうというリスク管理措置を講じるということになりますね。
  • 森口委員
    それはそうなんですけれども、日本ですら、これだけ頑張っていらっしゃるのに、野鳥が持ってきたもの由来の高病原性鳥インフルエンザが発生しているわけですよね。それをアメリカの場合は大丈夫だというのは、大丈夫だから郡単位でやろうというのは、ちょっとまだ納得できないところがあるんですけれども。
  • 井川課長補佐
    野鳥の発生をどう見るかというところの、ちょっと認識の……。
  • 森口委員 野鳥が発生するかどうかではなくて、野鳥由来のものが家きんのほうで発生していることが、今の日本でもまだ起きている状態なのに。
  • 井川課長補佐
    そうですね。
  • 森口委員
    それを、まだ、あまり家きんも野鳥も、鳥インフルエンザがあまり、高病原性のものについては、起きてからそれほど年月のたっていないアメリカのほうで、もうそれを施行してしまうというのはどうなのだろうかと。ちゃんと評価ができていないんではないか、まだ、時間が足りないんではないかというのが、ちょっと気になるんですけれども。
  • 井川課長補佐
    野鳥での発生を家きん農場に入れないように措置を講じているというのは、アメリカも日本も同じだと思います。ちょっと、何とお答えしたらいいのか、なかなか回答が思いつかないんですが。
  • 熊谷動物衛生課長
    あのね、自然界というかね、野鳥が持ってくるリスクの部分と、あとは生産活動をやっているところ、まさに今回14項目を詳しく説明してもらいましたけれども、やはりバイオセキュリティーをまず農家の段階でどうするか。あと、従業員の教育であったり、また、餌のトラックとかですね。あと、外部から入る方々についてもやって、恐らく、正直日本以上に生産活動をされている方々の取り組みというのは、ここに表現されているのかなと思います。
    それと、日本もそうなんですけれども、わかりやすい、これらで例えていいのかどうかというのはありますけれども、鹿児島の出水なんか非常にリスクが高いですよね。実際に野鳥でも確認されていますけれども、あそこもなぜ実際に養鶏農家の中での発生がないかというと、非常に早い段階から、地域ぐるみでもバイオセキュリティー、これは生産活動をやっている方だけじゃないんですけれども、やっぱりそういうバイオセキュリティーで侵入を防止する取り組み、あともう一つ大事なのは、横に広げない取り組み。あと、アメリカの取り組みで評価できるのは、恐らく事前のサーベイランスが、例えば、肉用鶏のケースですけれども、食鳥処理の段階でシフトごとに確認しているということは、これはローパソを見つける上でも、非常にすぐれた方法だと思います。
    いずれにしても、やっぱりバイオセキュリティーのところで、カバーする内容については、日本と同等あるいは部分においては日本以上のことがなされているんではないかなということで、評価しております。
  • 伊藤委員長
    どうぞ。
  • 中島委員
    詳しいご説明、ありがとうございます。2点ほど、質問させていただきます。
    まず、最初にコメントですが、かなり事前、前の発生を受けて、対策を強化されているということがよくわかりました。その対策が進んで、よりその地域の安全性が担保されているときには郡単位、地域主義の考え方を適用して、よりリスクが小さいというところの郡単位の対応にしていくという、それの部分は妥当ではないかなというふうに考えます。
    質問は、実際のプロセスの話になるんですが、恐らく前回の小委のときにもご発言させていただいたと思いますけれども、恐らく取り組みとか進み方は、ステートごとに随分異なってくると思うんですね。なので、実際にこの地域主義を適用していく場合には、ステートごとに、このステートはいいだろう、このステートはちょっと待ちだろう、というステートごとに判断していくことになるのか、これが1点です。
    もう一つは、今回のNPIPが、どういうふうに行われているかという、その評価に関する何か大枠のところなんですけれども、ご説明のところで、NPIPは基本ボランタリーな参加であるけれども、補償というインセンティブが働くので、恐らくみんな進んで参加することになるだろうというご説明であったかと思いますが、サーティフィケーションに関して、ちょっとよくわからない部分があります。
    2年に1回は、査察を受けるということにはなっていますけれども、それによって農場ごとのサーティフィケートが行われるのかということと、そのステートの中で、例えば、サーティフィケーション率が高いところを、例えば、地域主義に適用するかしないかとか、そのあたり、日本が判断するときの基準に使うかどうか。ボランタリーなので、うちのところは参加しないよというところが多かった場合には、じゃあ、どういうふうに考えるのか。そのあたりについて、ちょっとサーティフィケーションと、それを日本が判断するときにどう使うに関して、ちょっと教えていただければと思います。
  • 井川課長補佐
    サーティフィケートの部分についてなんですが、それは補償金を支払う、支払われないの部分の、という部分になるんでしょうか。
  • 中島委員
    それは、それも判断の1つかもしれませんが、どういうサーティフィケーションの仕組みにしているのか。全額払う、8割払うとか、いろいろあるのかもしれませんけれども、十分やっているかどうかというのを公的なところとして判断、サーティフィケーションするような仕組みがあるのか、あくまでもボランタリーな参加で、ボランタリーな仕組みなので、そのあたりは少し曖昧なのか、このあたりがよくわからないんですけれども。
  • 井川課長補佐
    バイオセキュリティーのところのサーティフィケートについては、どういうふうなことになるかは、ちょっと現在では承知していないです。ただし、補償金を支払う、支払われないの部分については、発生時に直ちに州の調査官が現場を当然見ますので、我々がやっている疫学調査と同じで、多分恐らく発生翌日、当日ぐらいには農場に行くと思います。その時点で、バイオセキュリティーやっている、やっていないの判断がなされて、支払う、支払われないの判断がされるかと思います。そこは、今、おっしゃった20%の減額とかではなくて、申請できないということになっていますので、ゼロか10かのゼロサムだと思います。
  • 中島委員
    すみません、何か続けて確認ですけれども。今、発生時の状況になるということですよね。
    私が質問しているのは、事前の地域主義を適用するかどうかの判断で使う認証、サーティフィケーションという意味なので、例えば、日本でいうと農場HACCPの仕組みだとか、その中でHACCP認証するかどうかという仕組み、それを協会の中でやるのか、第三者機関がやるのか、そういう、このNPIPの取り組みが行われていると認証されるような仕組みがあるかどうかという意味です。
  • 井川課長補佐
    NPIPは、先ほど、冒頭にも申しましたとおり、業としてお肉、卵を生産している農家は100%加盟しているということになっています。
    このバイオセキュリティーの部分ではないんですが、さっきお話しした、いわゆるサーベイランスの取り組みについては、そういうのをちゃんとやっているところは、例えば、AIモニタードとかAIクリーンとかという証明がされるというふうな形に聞いていますが、バイオセキュリティーのところで、そういう同じようなところ、仕組みをつくっていくかどうかについては、まだちょっとわからないです。
    というのも、先ほど説明したとおり、エフェクティブになったのが、昨年のまだ7月であって、中島委員がおっしゃるとおり、基本的にはボランタリーのシステムですけれども、いわゆる法的に、金を払わないという、それなりの罰則的な規定が設けられていますので、農場は当然やるだろうと。発生時に払われなくなるわけですから、そこはそれなりの強力なインセンティブが働いているんじゃないかなと思います。
    そして、あと、州ごとにやるのかというようなお話ですが、基本的に、この郡単位でやることが認められた場合、何か州ごとに色をつけてやろうというふうなことには考えておりません、基本的にはですね。
  • 熊谷動物衛生課長
    補足ですけれども、このNPIPってかなり歴史だけじゃなくて、実行上も機能しておりまして、あと、州単位でいいますと、もちろんアラスカとハワイは生産活動自体が少ないので、その州を除いては、全ての州政府と実業界が連携をとった、いわゆる合意文書をつくった形で取り組んでいますので、今のご懸念の点は確認した上でですけれども、50引く2州以外はしっかり対応できていることを確認させていただきたいと思います。
  • 伊藤委員長
    よろしいですか。
    どうぞ、白田委員。
  • 白田委員
    私からは、意見なんですけれども。実際にアメリカの養鶏場に何度も訪問したことがあるんですけれども、やっぱり日本の養鶏場のイメージと違いまして、広大な土地にぽつんと集中してあるというようなことで、先ほどのバッファーゾーンだとか、ああいうのをきちんとやっていれば、かなり防げるのかなというふうな印象を持っています。ですから、今回のような案で大体かなりの部分は対応できるんじゃないかなという意見を持っています。
    実際には、杓子定規に郡単位に決めたからといって、状況に応じて、また元に戻すということも含んでの変更だというふうな理解ですので、経済的な生産活動を考えた上では、かなり合理的なのかなというふうに、お聞きした範囲では判断しております。
    以上です。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございます。
    ほかに、ございませんか。
  • 筒井委員
    1ついいですか。
  • 伊藤委員長
    どうぞ、筒井委員。
  • 筒井委員
    先ほどの森口委員の発言に関して、私も、前回まさにその点についての質問だったんですけれども、この地域的なリスクというのは、当然同じ野鳥が、もし侵入、ウイルスを持ち込んだとすると、否定はできないだろうというふうには思います。ただ、それがこの措置によって臨機応変に、必要に応じて、日本の場合でも必ず隣にうつっているという状況ではありませんし、ほとんど起こっていないという状況ですので、バイオセキュリティーであったり、横に広げないような対策であったり、そういったものがきっちりしているということが確認されるということが、この措置の前提になっているだろうと思います。その点はぜひよくアメリカの情報をとっていただいて、適切に運用をされるということをお願いしたいというふうに思います。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございます。
    森口委員、いかがですか。
  • 森口委員
    1つは、野鳥がどれぐらい持ってくるかという情報が、恐らく野鳥側のアクティブサーベイランスだけでも、できることに限りがありますので、それぞれの養鶏場などの舎の周りに、どれぐらいの量が実際入っているのかというのを、恐らく知るすべがないんですよね。その中で、水平感染に関しては、かなり家きん側のコントロールできる部分については、それだけの措置をとられているとは思うんですけれども、野鳥側の視点からすれば、それ以外のところから、想定外のところから入ってくるというのが考えられると思うんですけれども、その分を考慮するには、やっぱり不確実な情報、野鳥側の情報に対して、それを含めて安全な範囲というのを決めるべきだと思うんですけれども、それがこの郡単位で果たして大丈夫なのかというのは、まだちょっと疑問に残るところが多いです。
    それが、先ほどおっしゃっていた州のレベルから、最終考えて、郡に落とすというような考え方でできるのであればいいんですけれども、そこがちゃんとしっかり想定できるのかというのが、野鳥の行動圏からしても、越冬期間中に数百キロ移動してしまうというのが追跡の結果などでも明らかになっていますので、その範囲を考慮すると、ちょっと郡の単位というのが小さいのではないかというのは懸念しているところです。
  • 井川課長補佐
    ご指摘いただいた部分……。あ、どうぞ。
  • 小川消費・安全局審議官
    ちょっとよろしいですか。
    ご指摘、ごもっともで、野鳥で確認される、あるいは野鳥で侵入が確認されるということについては、リスクであることはもう間違いないわけですよね。それを、今議論しておりますのは、およそ取引の対象から外してしまえという議論をしているんですね。したがって、そこのリスクと、それに対応するコントロールの強化措置と、それがどういう関連があるかという観点での議論なわけです。現在、州単位でやっているものについても、例えば、野鳥が発生したら、州単位でとめてしまえという議論にはなっていないわけですよね。
  • 森口委員
    野鳥というよりは、家きんで発生したときというのは、それはそれでいいんですけれども、野鳥由来で家きんで発生するというリスクはどこも変わらないので。
  • 小川消費・安全局審議官
    変わりません。それは州単位であろうと、郡単位であろうと、全く変わらないですし、例えば、国内を見ていただきますと、前の前のシーズンでしたか、野鳥でたくさん発生しておりますけれども、およそ取引という観点からのコントロール措置というのは、何ら強化をしないわけですよね。むしろ、我々が防疫措置としてのコントロール強化は、野鳥との接触、あるいは野鳥からさらにネズミ等を通じた接触、そこを先ほど熊谷課長からも、バイオセキュリティーと申しておりましたけれども、そこを強化しようということであって、例えば、今、家きん農場で出てきている肉の取引について、それを強化しようという形にはなっていないわけです。
    これがもし、アメリカから野鳥のお肉を輸入していますということになれば、そこのリスクファクターと公的コントロール措置というものをもっと関連づけなきゃいけないと。今、我々がやっておりますのは、いわゆる家きん農場で生産されているお肉をどうするかと。そのきっかけとして、リスクファクターとして、野鳥というのがあるんだけれども、そこは1つの発動、トリガーとしては、農場で発生しているかどうかということをもとに議論をしようやと。今度は、その農場で発生しているということをトリガーで議論した後、エリアをどうするかという議論をしているということで、現状、その農場で発生したものについて、州単位でコントロールしているものをどこまで抑え込むべきであるかということなんだと思います。
    したがいまして、先生がご指摘しているやつは、例えば、ゲームミート、野鳥のお肉を、例えば取引していると、なかなか郡単位ではいかないんじゃないのと。野鳥で見て、さらにこの上でコントロール措置を考えるべきなんじゃないかというような議論に進んでいくものなんではないかなと思っています。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございます。
    よろしいでしょうか。
    ほかに、ございますか。
  • 森口委員
    すみません、先ほど出水の話などが出てきて、バイオセキュリティーが高いからあそこは大丈夫だという話をする上でも、仕組みをつくって、それを維持されてきたという歴史があると思うんですけれども、そこの部分については、まだアメリカでは同じような状態にはなっていないと思うんですけれども、それも既に評価できるというお考えなんでしょうか。また、野鳥などの野生生物がウイルスを運ぶというような不確実なリスクが大きい場合は、安全側をとって、リスクのある範囲を最大限広げることが原則かと思います。
  • 熊谷動物衛生課長
    少なくとも日本と同じレベルの、先ほどのバイオセキュリティーの農家指導の話、それから関連するステークホルダーの対策の話、また、従業員の教育など、これは日本と同等レベルだと思っています。
    あと、歴史というよりはむしろ2シーズン、1シーズン半ぐらい経験していますので、これが順守、執行できることを確認しながら、我々は、先ほど申しましたように、郡単位の制限にしますけれども、それが多発的に出たりしたような状況のもとでは、州に戻しますので、そういうツールを持ちながら、相手当局のいわゆる活動、当局というよりは州政府あるいは郡で行っている防疫措置、これを逐一確認しながら、我々は条件に落とし込んで、実際のトレードというか貿易についても、対応できる要件を残しておきたいというふうに思っておりますので、その点はご心配いただかなくても大丈夫だと思いますし、その意見を踏まえて、条件の中に組み込みたいと思っております。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございます。
    よろしいでしょうか。
    それでは、ほかにございますか。
    では、ないようでしたら、委員の方々から、いくつかご指摘あるいはご質問等ありましたけれども、大筋としましては、郡単位のゾーニングの適用については、おおむね賛成という形でまとめさせていただいてよろしいでしょうか。

(異議なし)

  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    それでは、この本件については、このような形でまとめさせていただきます。
    続きまして、そのほかは報告事項が残っておりますけれども、まず、本年1月に発生した香川県における高病原性鳥インフルエンザへの対応及び疫学調査報告書について、事務局のほうからご報告お願いいたします。
  • 伴課長補佐
    それでは、防疫企画班の伴ですけれども、私のほうから、本年1月に発生しました高病原性鳥インフルエンザの防疫対応について、簡単にご報告いたします。
    資料は、資料番号2-1をご覧ください。
    上のほうをクリックしていただきまして、まず、発生状況の経緯についてですが、左上をご覧ください。資料2-1でございます。
    1月10日、香川県さぬき市の肉用鶏農場において、管轄する家畜保健衛生所のほうに通報がありまして、家畜防疫員が簡易検査を実施したところ、陽性と判明しました。しかし、この後、再度実施した簡易検査で陰性となったり、また、遺伝子検査の結果と整合性がとれなかったということで、10日中に疑似患畜と判定できませんでした。
    ただし、農林水産省としましては、疑似患畜と判定された場合を想定しまして、10日のうちに防疫対策本部を開催し、殺処分、埋却等の貿易方針を決定しております。
    翌11日ですけれども、動物衛生課の職員と動物衛生研究部門の研究者の方に現地に行っていただきまして、再度県とともに検査を実施したところ、遺伝子解析によって、H5亜型陽性となりまして、疑似患畜と判明しました。
    この結果によりまして、前日の10日に決定済みの対応方針に基づきまして、香川県で防疫対応を開始しました。
    翌12日ですけれども、関係閣僚会議等を開催しまして、政府を挙げて対応することを確認しました。
    同日12日ですけれども、遺伝子検査の結果、N6亜型であること及び高病原性であることが判明しまして、高病原性鳥インフルエンザの患畜と判定しております。
    発生農場の概要につきましては、左下の表にあるとおりですけれども、今回は、飼養管理者の行き来があったということで、疫学関連農場も1戸ありまして、その農場の飼養鶏につきましても、殺処分などの防疫措置の対象となっております。
    次に、右側のほうで、防疫対応の推移についてですけれども、11日に開始しました防疫作業は、翌12日に疫学関連農場を含めて殺処分が終了しまして、14日には消毒などの防疫措置も完了しております。
    なお、焼却処分につきましては、1月22日に終了しております。
    周辺農場の状況についてでございますけれども、12日に移動制限区域、搬出制限区域内の13戸の採卵鶏農家につきまして、消毒の徹底、また、移動制限区域内につきましては、農場の臨床検査、抗体検査、遺伝子検査を実施した上で、卵の出荷を開始しております。
    また、移動制限区域内の7戸の農場につきましては、12日から発生状況確認検査を実施しておりまして、臨床検査、抗体検査とウイルス分離検査を実施しまして、16日に陰性を確認しております。
    25日には、同様の農場に対しまして、清浄性確認検査、同様の検査ですけれども、実施しまして、29日に全戸陰性を確認して、30日の深夜0時をもって、搬出制限区域が解除されました。
    その後、防疫措置が完了した14日から21日たった2月4日に、今回の発生に係る移動制限区域が解除されております。
    その後、発生農場につきましては、環境検査やモニター家きんの検査を導入しまして、問題がないことを確認しまして、5月25日に家きんの再導入をしまして、経営を再開している状況です。
    なお、国際的には、防疫措置終了から90日たった4月15日に、我が国は清浄国に復帰しております。
    防疫対応の状況は、以下のとおりですけれども、続きまして、資料の2-2のほうをご確認ください。
    委員の皆様には、既にメール・電話等で報告させていただいておりますけれども、伊藤委員長にチーム長を兼任いただいて、取りまとめいただきました本事例に係る疫学報告書が4月24日付で公表されております。その概要につきまして、簡単でございますけれども、報告させていただきます。
    まず、1の発生農場の特徴ですけれども、今回、四国で初めての発生となりましたが、発生農場付近には雑木林などがありまして、小動物の生息に適した環境にありました。また、ため池が農場のほぼ中央に存在しまして、発生鶏舎はため池に最も近い場所にあった状況でございます。
    このように、ため池に接するような形で発生鶏舎が位置しておりますので、ウイルスに感染した野鳥が農場周辺に飛来しまして、その結果、農場周辺の環境中にはウイルスが存在しておって、小型野生動物などの手段によって、ウイルスが鶏舎に侵入しただろうというふうに考えられました。
    次に、2番の分離ウイルスの特徴でございますけれども、遺伝子解析の結果から、昨年度29年度の冬に欧州で流行したH5N8亜型と、ユーラシア大陸の野鳥で循環しているN6亜型が再集合したものだと推察されております。
    また、発生に先立って、島根、東京で見つかった死亡野鳥から検出されたウイルスとは明確に区別されております。
    (2)のウイルスの感染性につきましては、感染試験の結果から、過去の発生事例のように、鶏に対して高い致死性を示すものの、感染の成立には比較的多くのウイルス量が必要であることが示唆されております。
    また、排せつされるウイルス量につきましては、過去に分離されたウイルスに比べまして、10倍から100倍程度少ないことが示唆されております。
    駆け足ですけれども、3番、国内への侵入時期・経路についてですけれども、まず、感染時期としましては、死亡羽数の増加が確認された時点より4日から6日程度前だと考えられております。
    侵入経路につきましては、丸囲み数字1 ネズミ等の野生動物が家きん舎周辺にあったウイルスを家きん舎内に持ち込んだ可能性、丸囲み数字2 家きん舎周辺にあったウイルスを家きん舎に出入りする人が、手指、衣服などに付着して持ち込んだ可能性の2つが考えられておりますけれども、その特定は困難でした。
    次に、5番の初動対応の検証でございます。 今回の事例につきましては、簡易検査の結果が一致しなかったり、また、遺伝子検査と簡易検査の結果がずれたりしたということを踏まえまして、死亡家きんの検査羽数を5羽から11羽へ増加する、また、採材は解剖して確実に実施するという、一時的な検査体制の強化を行いましたけれども、これにつきましては、引き続き実施していくことが適当であるとされております。
    これを踏まえまして、今後、当省としましては、防疫指針に明記する予定として、対応を続けることを考えております。
    また、2パラ目のところですけれども、診断体制の信頼性を確保するために、引き続き家保における精度管理体制の整備を進める必要があるとされております。
    これにつきましては、家畜保健衛生所法の施行令を改正して、家保における精度管理の実施を位置づけることとしております。
    また、3パラ目のところですけれども、今回の事例では、大腸菌などの複合感染が検査結果に影響した可能性が否定できないとされておりますので、その影響を確認する必要があるだろうとされております。これにつきましては、今年度レギュラトリーサイエンス研究委託事業の中で検証する予定でございます。
    最後に、6番の提言です。
    現在の世界の発生状況を見ますと、今後も本病の発生リスクは非常に高い状況です。
    このため、丸囲み数字1 水辺があるなど、発生リスクの高い農場における発生予防対策、丸囲み数字2 水際検疫における携帯品などを介したウイルスの侵入防止、丸囲み数字3 国内の研究・診断体制及び国際連携の強化、丸囲み数字4 防疫演習及び防疫資材の備蓄・管理、丸囲み数字5 生産者、都道府県、国を初めとする全ての関係者での意識の共有が重要であるという提言を受けております。
    駆け足になりましたけれども、私からの報告は以上でございます。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    本疫学調査報告書に関しましては、今回のウイルス、先ほど事務局のほうからもご説明ありましたとおり、排せつ量が少なかったり、あるいは最小感染量が高めだったりといったように、これまでとは違った性状のウイルスであったということで、それに対しては、検査体制を強化するということで対応させていただいたところであります、先ほど、ご説明ありましたとおりですね。
    ただ、こういった新たな性質のウイルスというのは、今後も日本国内に入ってくる可能性は十分にあるということで、もし、入ってきた場合には、その性状解析というものを、いち早く進めて、診断体制の信頼性を確保するということを第一に考えていくべきであろうというふうに考えております。
    いずれにしましても、この報告書を取りまとめるに当たって、事務局である動物衛生課はもとより、疫学チームの委員の先生方には、深く感謝申し上げたいというふうに思います。
    それでは、続きまして……。すみません。越境性の動物疾病に関する日中韓の協力覚書に基づく第2回ワーキンググループ等の概要について、事務局から報告をお願いいたします。
  • 菊池課長補佐
    動物衛生課、国際衛生企画班の菊池でございます。
    資料3に沿って、ご説明させていただきます。
    先月、6月21及び22日、すみません、資料が誤植になっています、21が2つ並んでおり、21と22に訂正させていただきます。韓国・ソウルにおいて、日本、中国そして韓国の動物疾病に対する協力の枠組み、詳細については、アスタリスク1及び2に記載させていただいております、本枠組みのもとに開催された会合に参加させていただきましたので、簡単にご報告をさせていただきます。
    日本側からは、本日ご出席いただいている動物衛生研究部門の西藤先生、それから口蹄疫等の専門家の山川先生、それから動物医薬品検査所の木島領域長、そして、動物衛生課から熊谷課長と自分が出席させていただきました。
    今回は、OIE事務局長や中国の獣医研究所の所長や、韓国当局からは副大臣及び主席獣医官等、それから豪州からも参加いたしました。
    具体的に議論した内容でございますけれども、概要のところをご覧いただければと思います。
    まず、21日、口蹄疫と鳥インフルエンザ防疫に関する日中韓等の東アジア地域シンポジウムにつきましては、基調講演として、OIE事務局長から「動物衛生のための挑戦とOIEの活動」に関してご説明いただいた後、各国から口蹄疫と鳥インフルエンザの最新の発生状況、それからサーベイランス、検査の手法、リスク管理措置として、予防・防疫対策等について説明があり、質疑応答を行いました。
    それから、2枚目でございます。
    越境性の動物疾病への対応に関する日中韓の協力覚書に基づく第2回のワーキンググループ、それから、このワーキンググループから報告を受けます第4回の運営委員会に参加させていただきました。
    昨年、第1回のワーキンググループにおきまして、口蹄疫、鳥インフルエンザ、それから薬剤耐性菌AMRに関して作業計画案を作成し、その内容に関して、進捗を確認するとともに、課題を抽出して、今後の対処すべき方針、そして協力の内容について議論をし、資料を作成いたしました。
    特に、疾病情報及び管理措置の共有のさらなる推進、鳥インフルエンザにつきましては水際の対策、渡り鳥の調査・疫学調査に関して、それから口蹄疫につきましてはサーベイランス、検査手法の信頼性の確保に関して、主に議論がなされました。
    次は、3ページ目をご覧ください。
    22日には獣医疫学の国際ワークショップが開催されまして、こちらは都道府県、具体的には長崎県と香川県の防疫の担当者にもご出席いただき、我が国の鳥インフルエンザの疫学調査及び防疫対応に関して、発表していただき、各国の担当者と行政、それから研究面に関して、活発な意見交換を実施させていただきました。
    簡単ではございますが、以上でございます。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    西藤委員におかれましては、第2回ワーキンググループに、西藤委員も出席されたということでしたので、ご報告いただいてもよろしいでしょうか。
  • 西藤委員
    ワーキンググループに関しましては、鳥インフルエンザということで、中国、韓国、日本と、とりあえずそれぞれの国の診断のリファレンスラボラトリーの代表者、中国はフアラン・チェン、韓国はヨンジュン・リー、日本は私ということで出席しましたので、いくつかいろんな話をしてきました。
    その中で、やはり情報交換については、それぞれの国の間でやっていこうと。日本と韓国は比較的よくできているということで、中国からも情報交換をというような話があった中で、逆に、中国のほうから、日本で、検疫所でイリーガルに輸入された生肉から高病原性鳥インフルエンザ等が分離されているという情報が、OFFLUのほうには、どうもOIEのリファレンスラボを通じて、共有されているようなんですが、それが直接我々は聞いたことがないということを、中国のほうから指摘があって、やはりこちらから要求するばかりではなく、こちらからの情報提供のやり方についても、考えていかなければいけないのかなというふうなところは、少し感じたところであります。
    特に、ハルビンの研究者ですので、イリーガルに生肉を持っていっているという状況自体がよく理解できないと。何で中国の人間はそういうことをやるんだということを、中国人自体が感じているというようなこともありまして、やはりそういった現状、現場での情報交換というのは、非常に重要なのかなということを感じてきたのが、やはりワーキンググループでの印象でありました。
    なので、今後、何かそういうことについては少し、直接中国とも情報交換をしていく中で、逆に向こうからの情報も取り込んでいけるんではないかなというふうに考えました。
    短いですが、以上です。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    続きまして、OIE総会及びOIE連絡協議会の概要について、事務局から報告をお願いいたします。
  • 沖田国際衛生対策室長
    では、OIEの総会並びに、OIEに関連しまして連絡協議会というのを開催しておりますので、それらについて、概要を私のほうからご報告をさせていただきます。
    資料4-1と4-2になります。
    まず、資料の4-1が総会の概要でございます。
    毎年5月の末にパリにおいて行われます。今年は、3年に1回の選挙の年になってございます。選挙では、各専門委員会の委員、それから総会の議長、それから理事会の委員、地域委員会の役員等の選挙が行われます。その3年に1回の選挙の年に当たっております。
    20日から24日までは化学会館というところで、5月25日、最後の日はOIE本部で開催をしております。
    我がほうからは、熊谷課長以下が出席をしてございます。
    今回の主な内容ですけれども、総会のたびに、新しい国が加わるときには、それを決議でもって決めますので、今回セントルシアが加わって、OIEの全加盟国数は182となったという状況でございます。
    選挙の関係でいいますと、熊谷課長がアジアの地域委員会の事務局長に選任をされたということ。それから、コード委員会という陸生動物のコードをつくっている委員会に、私が副議長として当選をしたというところでございます。
    また、2年に1回、地域委員会は総会を行っております。アジア太平洋地域総会ということで、2年に1回。2017年には、昨年の秋にはマレーシアで行われましたが、来年2019年には日本が仙台において、地域総会をホストするということを決めておりまして、これを総会において宣言をしてきました。
    その他、総会の決議事項では、口蹄疫の清浄ステータスなどがいろいろ決議されるわけですけれども、口蹄疫の清浄ステータスでいいますと、新たな国が加わったこと。それから、ワクチン接種の清浄地域として、ブラジルが全域でワクチン接種並びにワクチン非接種の清浄地域も一部ありますが、全土で清浄ステータスを獲得したということ。それから、台湾においても、ワクチン接種の清浄ということで、獲得をしたという状況です。
    また、各動物疾病の発生状況においては、アフリカ豚コレラにフォーカスを当てまして、報告をされております。世界の18%に相当する33カ国、ヨーロッパとアフリカになりますけれども、で、発生をしておりまして、特に東ヨーロッパにおいては、徐々に西に寄ってきているという、拡大をしているという状況でございます。
    モンゴルに近いロシア中心部でもあるので、引き続き、アジアの、アジア今のところありませんけれども、侵入が引き続き懸念される状況にあるというところでございます。
    総会については以上になりますが、OIE連絡協議会、一部本日ご出席いただいた委員の皆様の中にも、連絡協議会のメンバーになっていただいている方がいらっしゃいますが、総会で採択されるコード等を、国際基準に対し、これは各国からコメントを受け付けて、そのコメントを受けて修正をし、採択をするという形になっているんです。そのコメントを出すに当たって、日本の国内でどのような考え方で進めたらいいかということを、意見を聞くというのが、この協議会の主たる目的でございます。
    これを、6月29日に開催をいたしまして、コード改正の内容についてご説明をし、それらについてのご意見をいただいたところです。
    各いただいたコメントは、整理をいたしまして、OIEに提出するのが7月12日が締め切りとなっておりますので、現在手続を進めているところでございます。
    そこにありますような、主な改正について、進めております。
    2の情報提供のところで、これはまだコードの改正までには至ってございせんが、鳥インフルエンザのコードが2005年に大幅な改正をした後、その後、しばらく改正がなかったということで、これを改正をすると。その改正に先立って、どのような方向性にしようかというのを、事務局の案をOIEが各加盟国に提示をし、それに対して各国の意見を聞くという形で考え方を整理するということを進めております。
    その鳥インフルエンザコードの改正の方針について、これも協議会のメンバーでご議論をいただいたところです。
    主な変更点は、鳥インフルエンザの定義で、高病原性だけを緊急通報、OIEに発生したら、直ちに通報しなきゃいけない、緊急通報については、高病原性だけを対象とするという方向にしたいと。LPAIについては、6カ月ごとの定期報告等、そういった形で報告をするということに変えたいという方向性。
    それから、家きんの定義については、いわゆる裏庭というか、庭先養鶏、バックヤードポールトリーについて、これを家きんというもの対象から外すということを提案する。
    そして、安全物品については、LP、低病原性の発生にかかわらず、高病原性が清浄であれば、安全物品、すなわちその他の条件は課さないという安全物品とするというような提案。
    あるいは、ワクチンについては、ワクチン接種清浄、口蹄疫と同じ考え方ですけれども、ワクチン接種清浄というカテゴリーをつくること等について提案がありまして、これについて、協議会メンバーのご議論をいただいたところです。
    協議会のメンバーからは、これは言ってみれば、鳥インフルエンザの国際基準の緩和の方向性でございますので、この緩和の全体の方向性については、協議会のメンバーの意見としては、非常に慎重な意見であったというふうに整理をさせていただきました。
    例えば、家きんの定義からバックヤードポールトリーを外すということについては、もともとアジアでは、バックヤードポールトリーから始まって、人に感染をして、人の被害が出たということもあるので、これを外すことについては慎重であるべきである。
    あるいは、ワクチンの接種清浄というものについても、そういうものをつくって大丈夫なのかという話。
    あるいは、安全物品についても、LPについて、LPというのはそれが高病原性に変異するということを考えれば、必ずしも安全物品ということで、大丈夫だろうかというような意見。
    その他、意見がございまして、このコード改正の方向性については、慎重なご議論をいただきました。
    こういったコメントを整理をいたしまして、7月12日締め切りですが、OIEのほうにコメントとして提出をさせていただきたいというふうに考えております。
    OIE関連の報告は以上になります。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    続きまして、携帯品として持ち込まれた畜産物からの高病原性鳥インフルエンザウイルスの分離について、事務局からお願いいたします。
  • 沖田国際衛生対策室長
    資料の5になります。資料の5の中の、ページ数でいいますと、13ページになります。
    携帯品として持ち込まれる畜産物に対する検疫対応の強化。
    中国を初め、アジアでは、まだまだこういう鳥インフルエンザが発生している中、携帯品として持ち込まれる鶏肉等については、やはりしっかりとした検疫をしないとだめだという例でございます。
    携帯品として持ち込まれ、動物検疫所において収去したものから鳥インフルエンザが分離をされている状況でございます。中国だけではございません。フィリピンやベトナム、そういったところで。これは、旅行者、特に研修生とか、日本に滞在をする人がお土産で地元の肉を持ってきて、家族や知人に振る舞おうということだろうと思うんですけれども、そういった形で持ち込まれるものについて、鳥インフルエンザが分離される。しかも、本来肉にはあまりないだろうと思われている低病原性も分離をされているところ。
    あるいは、特に、そこにありますとおり、あひる肉からはH7N9という、人間への影響が懸念されるインフルエンザウイルスが分離をされているという状況にあるということを、これもしっかりとした検疫の対応をする根拠になるということで、先ほど、西藤先生からお話のありましたとおり、こういったものをしっかりと情報提供していくことは非常に重要だと思います。
    ご意見に対しては、きちんとした対応をしていきたいと思いますが、既にこういったものを持ち込まないように、研修生等に対しては、受け入れ団体に事前対応型の周知活動を強化しているというところ。あるいは、旅行者が国を出る前に、そういうことに周知を、を知ってもらおうということで、例えば、機内アナウンスであるとか、出国のカウンターでの広報を行う等して、持ち込むよりも前の出る段階で、しっかりと気づいてもらおうということを徹底をしているところでございます。
    以上でございます。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    分離されたウイルスの解析結果等について、もし、西藤委員のほうから、何か補足等ございましたら、あるいはご意見等ございましたら、いただけますでしょうか。
  • 西藤委員
    ここにあるやつに関しては、ちょっとうちでは解析を直接やっていないので、わからないんですが、特に、今お話がありました、肉からはあまり出ないだろうというH9N2に関しては、これは恐らく分離するときに呼吸器と肉をホモジネートにして使っていたりして、つくっているという話を検疫所の方から伺っていますんで、その辺も情報提供する際に当たって、うまく区別していかないと、ちょっと話がこんがらがってしまう部分がありがち、出てきそうなところは、若干H9N2に関しては懸念するところではあります。
  • 伊藤委員長
    今のお話はあれですかね、輸入される鶏肉と書いてあるのも、呼吸器も一緒に。
  • 西藤委員
    これ、写真にあるように、本当にその分丸ごとみたいな形で。
  • 伊藤委員長
    丸と体なんですね。
  • 西藤委員
    どうも呼吸器も含めて、ホモジネートをつくっているというところが少しあるようなので、呼吸器からとれたのか、呼吸器であれば当然H9N2とれるのはわかるんですが、肉なのか呼吸器なのかというのは、そのもの、考え方に影響を及ぼすところがあると思うので、少し注意が必要かなというふうには。
  • 伊藤委員長
    そうですね。
    ありがとうございました。
    それでは、以上で報告事項は終わりですので、全体を通して、委員の皆様からご意見、ご質問等ございますでしょうか。
    どうぞ。
  • 矢野委員
    京都府の矢野です。
    香川県での鳥インフルエンザの疫学的な調査についてご報告いただいた中で、皆さんかなり精力的にお仕事をしていただいて、短期間で取りまとめと共有もしていただいて非常にありがたいと思っています。今回の香川のウイルスは、国内でとれた野鳥のタイプとは違うということですし、遺伝子解析もしていただいているんですけれども、どのように鶏舎に入ってきたか、なかなか解明が難しいと思っております。
    また、冬シーズンになると、どのようなタイプがどのように入ってくるか、非常に心配されるところですので、侵入経路の解明について、さらに研究などを進めていただきますように、よろしくお願いします。
    もう一点なんですけれども、それに付随しまして、5検体から11検体に採材が増えて指針にも盛り込んでいただくということです。今回のタイプは非常に検出しにくいということでしたので、理解できるんですけれども、今後また、どのようなタイプが入ってくるかわかりませんので、動衛研の先生や農水省の先生方にもご助言いただいて、早期に診断ができるようにご協力をよろしくお願いしたいと思います。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    ほかにございませんか。
    どうぞ。
  • 白田委員
    すみません、香川県の件なんですけれども。この発生農場はモニター鶏を入れまして、家きんを再導入したと思いますが、ブロイラーですから、そろそろ、また出荷が始まっているかと思うんですけれども、風評被害とか、そういったものについての状況と、それのサポートというのをお願いしたい。質問とお願いなんですけれども。
  • 熊谷動物衛生課長
    ありがとうございます。
    まさに鳥インフルエンザが出たときに、最近実施しているのは、清浄性確認検査を周辺で行い、まずは周辺の何の問題もないところから卵とか鶏肉を出せるようにしております。そうするとやはり実際の市民の方にも、安全性に問題ない、あるいは人への影響がないということをできるだけ早くわかっていただけますので、我々、発信できるように、そのためのサーベイランスなども県にやっていただいております。
    これまでのところ、直接的な風評被害というのはないというふうに聞いております。ただ、事業者が隣の県の事業者だったということでありますので、現在、事業者自体、割と体力のある大きいところですけれども、幸い当初からそういった意味での風評被害がなかったというケースですので、これからも、よかった点あるいは課題があった部分があれば、その点を共有して、さらに指針なりに反映させていければというふうに思っております。
    ご質問、また、ご指摘ありがとうございます。
  • 白田委員
    ありがとうございました。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございます。
    どうぞ。
  • 森口委員
    先ほど、検疫の体制についてお話いただいたと思うんですけれども、前回の、先ほどのアメリカのほうの話にも通じるんですが、水際での対策で、国内に入るのを防ぐというのも、郡単位に縮めてしまうとそこが重要になってくるところもあると思うんですが、その検疫の強化などに関しては、何か対策を考えておられるんでしょうか。
  • 沖田国際衛生対策室長
    検疫の強化というか、この資料の13ページ、先ほど説明したような、持ち込むものについてはしっかりとした周知をするということがあります。
    それから、次のページに、持ち込まれるものに関して、水際で検出するために、検疫探知犬を使った検疫、こういったものは行っていく。
    それから、次のページにございますように、多言語での情報提供をすると同時に、旅行者等に関しては、消毒マットにおいて、しっかりとした対応をする。
    それから、旅行客をターゲットとした対策としては、いろいろなことをやっていくのと同時に、畜産物に関する検疫についても、これは現在も検疫所において対応しているところですけれども、これは引き続き、しっかりとした対応をしていきたいというふうに考えています。
  • 伊藤委員長
    ありがとうございました。
    ほかにございますか。
    よろしいでしょうか。
    先ほど、私のほうから、ちょっと申し上げるのを忘れていたんですけれども、前半の米国における高病原性鳥インフルエンザの郡単位のゾーニング適用に関しましては、本委員会として、了承したということで、その旨を家畜衛生部会に報告をしたいというふうに思います。
    もし、ほかに何かご質問、ご意見等ないようでしたら、これで本日の議題は全て終了ということで、事務局のほうから何かございますでしょうか。
  • 熊谷動物衛生課長
    本日は、大変熱心なご議論をありがとうございます。
    ゾーニングの適用、非常に大事な案件でございます。また、鳥インフルエンザ、国内外問わず、いつどこで発生してもおかしくない状況になっておりますので、まず、大事なのは、やはり生産者の方からの早期通報であったり、あと、平時のサーベイランスの体制、また、信用できる診断方法の適用、こういったものが非常に大事になっております。
    また、防疫措置についても、日本と同等の対応ができている国、こういったところに限って、リスク評価した上でゾーニングの適用ということで進めていきたいと思いますし、一方で、日本からも家きんあるいは卵の製品の輸出ということで取り組んでおります。
    香川のケースでも、当初から香港、シンガポールなどはゾーニングの適用ということで、香川県以外は全て輸入を認める。あと、カンボジアなどにおいては、日本国内で流通しているもの全て輸入を認めるというようなケースも出ております。
    いずれにしても、相手国の体制などをしっかり評価した上で、ゾーニングの適用、双方向で評価したり、あるいは評価してもらえるように取り組んでいきたいと思います。
    また、日中韓の報告がありましたように、周辺国の中では、同じリスクに対峙しているわけですので、そういった意味ではウイルスの性状であったり、あるいは流行株の情報交換、こういったものも含めて、さらに一層強化していきたいと思っております。
    委員の皆様方におかれましては、今後とも鳥インフルエンザあるいは家きんの疾病関係につきまして、引き続きのご助言、ご指導をいただければと思っております。
    今日は大変ありがとうございました。

午後12時18分   閉会

お問合せ先

消費・安全局動物衛生課

担当者:石川、永田
代表:03-3502-8111(内線4582)
ダイヤルイン:03-3502-8292

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