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農林水産省

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平成25年度 第1回(平成25年9月6日)議事録

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1.日時及び場所

平成25年9月6日(金曜日)10時10分~12時15分
農林水産省 農林水産省第2特別会議室

2.議事

平成25砂糖年度に係る砂糖調整基準価格及び平成25でん粉年度に係るでん粉調整基準価格について

3.概要

冒頭、生産局長から挨拶が行われた後、部会長の選任が行われ、委員の互選により、中嶋委員が部会長に選任された。
引き続き、中嶋部会長の議事進行の下、森地域作物課長から砂糖及びでん粉政策をめぐる現状と課題及び平成25砂糖・でん粉年度の調整基準価格の事務局案について、それぞれ説明があった。
その後、委員による意見交換が行われた。その意見交換の概要は以下のとおり。

 

市川委員:現代の消費者は、一人一人が多様な価値観を持っており、30~40年前の消費者という言葉から連想されるものとは異なっているため、誰が発言しても消費者全体を代表することはできないということをまずは前置きさせていただく。
個人に戻れば、誰もが消費者であり、本日は家計を預かる消費者の視点から、意見を2つ、質問を1つさせていただく。意見の1点目であるが、この制度は複雑で、消費者にはほとんど認知されていない。
認知されていないまま、消費者に負担を転嫁するようにも見え、これは問題であると思う。
(独)農畜産業振興機構によるアンケート結果をHPで見たが、回答者の半数以上がこの制度を知らないと答えていた。
日本にとって必要な制度であれば、制度の必要性を消費者に丁寧に説明していくしかないと思う。そのため、消費者の負担を見える形にして理解を求めてほしい。現状では、スーパーなどで砂糖を買う際に、どういう仕組みで価格が形成されているか分からず、砂糖を購入することで生産者の支援になっているかどうか分からない。過去の議事録を見たが、制度の矛盾や複雑さを解消するよう求める意見が継続して出されているが、それに向けた取組やどこまで問題が解消されてきているのかが具体的にわかるようにしてほしい。
続いて、意見の2点目は、生産コストを低減していくことについてである。今日ご説明の中でも、コスト低減のための努力がなされているとのことであったが、社会がグローバル化する中で、海外との競争、共存についての議論が本日行われないのは不十分でないか。コストを下げなくてはならないのであれば、具体的なアプローチについて具体的に踏み込んで議論していくべき。本日の資料を見て、たくさんの補助金が利用されていると感じた。
これらが本当に必要なものなのかどうか、効果やどのようにチェックされているのか、分かりやすく示してほしい。そうでなければ消費者の理解が得られにくくなるのではないか。
最後に質問である。原料作物の生産について、新しい技術や品種について、専門家の意見などを取り入れて、実現可能な対策をオープンに議論していく必要があるのではないか。害虫被害の話があったが、本当に必要なものであれば、さとうきびに対しても(遺伝子)組換えを利用することも考えて良いのではないか。専門的なことをこの場で詳細に議論するのは難しいと思うが、我々一般消費者がそういったことにも意識を持っているという思いも受け止めてほしい。この部会として、価格だけでなく、将来の見通しなどについてもきちんと議論したほうが良いのではないか。

三石委員:調整基準価格については異論はない。この制度そもそもの目的は何であるか、定期的に関係者が改めて理解すべき。制度というものは、長く続くと同じことを遂行していくことが目的となって本来の目的を見失ってしまう。
甘味資源は、国の食料供給の中で非常に重要な要素を占めており、さらに主要産地は南北にあり、単なる甘味資源だけでなく国策上も重要な位置付けとなっている。
さとうきび生産農家の年齢構成の割合を見ると、65歳以上が45%を占めている。これから10~20年先を考えた場合、制度が今と同じ仕組みでやっていけるのか考えないといけない。
制度、さとうきび生産者、業界、国民の食生活全てを守れるような持続可能なものが必要。単年度の議論だけでなく、中長期的な展望を議論し、定期的にレビューすべきである。
甘味資源は国家にとって、戦略的な物資と考えられ、将来の食生活を考える上で重要である。歴史を振り返れば、米国、英国をはじめとして、各国色々と考えている。わが国の甘味資源をどうしていくのか、しっかり考えて農水省には対応いただきたい。

大木委員:調整基準価格については異論はない。毎年この部会では、この制度が何のために行われているのか、消費者に理解してもらうことが重要と言われてきた。消費者にとって分かりにくい制度であるが、消費者の方も理解しようとする努力をしていないことも確かであるが、市川委員の言われたように、消費者の理解は重要なことなので、しっかりやっていただきたい。
砂糖は本来、家庭の調味料として欠かせないものであるが、その消費量は年々減少傾向にある。需要減少の要因として、消費者の低甘味嗜好と説明があったが、砂糖は、太る、糖尿病の原因、虫歯になりやすいと思っている方や、中には漂白されていると誤解している方も結構いる。
国も業界も砂糖の基礎知識をPRしているものの、こういった風評に引っ張られてしまっている。継続は力なりで、今後も砂糖の効用をPRしていってほしい。砂糖消費減少の要因の一つには、加糖調製品の輸入の増加もあるかもしれないが、少しでも砂糖消費量が増加するように引き続きPRが必要。後継者不足、高齢化の中で、生産者は地域を支えるために頑張られており、生産性向上という点では、製糖企業の方も合理化に努められている。ただ、策を練ってもまだまだという部分については、消費者として理解し、応援していきたい。

三浦委員:調整基準価格については依存はない。私がこの会に参加してから、砂糖の消費量は増えていないが、それはフードファディズムに原因がある。砂糖は単なる調味料ではなく、科学的に様々な良い面を持っており、醤油と共に、日本のうまみ文化を作っていくに当たり非常に重要なものである。砂糖は和食には欠かせない調味料であるので、日本の食生活を原点に持っていけば砂糖の消費量は増えていくと考える。砂糖の消費量については、肉や脂を摂る洋食だと減り、和食にすると増えるというデータがある。世界遺産に日本食を登録する動きもあるので、これを追い風にして砂糖の消費量も増えればいいと思っている。砂糖の啓蒙活動で食育を推進するのも大切だが、もっと大切なのは、日本の伝統食である和食を広めていくことによって砂糖の消費が増えていくことである。

矢野委員:調整基準価格については異存はない。別の仕事で、(独)農畜産業振興機構の評価に関わっているが、先ほど市川委員のお話にあったような情報提供については、関係者はかつてに比べれば努力をしていると思う。
また、新聞報道でも、食料自給率や離島の地域経済の基盤を支えるという対外的な安全保障の面からも、甘味資源作物の重要性については広く報道されているのではないかと認識している。
制度の必要性については十分理解しているが、制度を揺るがす脅威について2点質問をしたい。
まず、加糖調製品の増加により調整金が減って、この制度が成り立たなくなる可能性があるが、将来的な加糖調製品対策について教えてもらいたい。
また、TPPに参加した場合、農水省の試算では、甘味資源作物及びでん粉原料作物は100%減産とされているが、その影響について、担当部局としてどのように考えているのか教えてもらいたい。

久野委員:今、諸先生方から、制度の問題点や砂糖に対する誤解、消費量の減少について指摘があったが、もっともなものだと思っており、私もこれまで一貫して申し上げてきたことである。
私がこの業界に来てもう24年になるが、その間に砂糖の消費は260万tから200万tを切るところにまでなっている。それはなぜかというと、加糖調製品が不平等な扱いによって大量に入ってきたため。これは何回も、行政に対して問題提起しているが、外国との調整があるから難しいと言われてきた。
私はこの業界のあらゆる面にメスを入れてきた。砂糖には、明治28年から消費税がかかっている。明治18年に、醤油と菓子に消費税がはじめて課せられたが、菓子屋が10年間かけて運動してやっと菓子の消費税が廃止され、そのあとに砂糖に消費税が課せられた。明治18年から10年間で、一番消費税を払った会社は栄太楼だった。その後、砂糖消費税が明治28年から課せられ、そこからずっと砂糖という食品は、国家に貢献している。
その反面として、消費者に負担を強いている問題もある。砂糖にかかる調整金は保護関税であり、そして財政関税でもある。これが昭和30年に立法化されたわけであるが、何で砂糖に財政関税がかけられているんだと、私は問題にした。当時私が財務省と話をしたときも、財務省の主計局の幹部が、「あなたが言っていることは間違いない。これは財政関税なんです。保護関税じゃないんです。日本のさとうきび業界を保護するための財源じゃないんです。」と言っていた。
それならば、財務省はもっと早く廃止しなければならなかったと申し上げた。砂糖に関する財政関税というのは昭和30年から始まっているが、当時、所得税が年間で150億円減収になった時に、どこか儲かっているところはないかと国会で議論され、財務省が、砂糖屋が儲かっているから、その150億円の減収分を砂糖から取ったらどうかと言った。
そうして出発したものを砂糖業界は30年間背負っていかなければならなかった。砂糖屋も人がいいものだから、消費者にお願いをした。これを廃止するのに5、6年かかった。財務省には、所得税の減収分の150億円が解消されたら、3年後には砂糖の消費税を解消しなければならないと申し上げてきた。
砂糖の内外価格差は大きく、その分消費者の負担も大きかった。砂糖は1キロ100~200円くらいであるべきだが、調整金が35円くらいかけられており、それ以外にも42円50銭の財政関税がけられてきたわけである。
その矛盾を誰も追及しなかったが、私はそれを改革してきた。調べてみると、当時の財政収入における関税収入は、9800億円くらいで、その内の850億円を砂糖屋が負担していた。そういうことを踏まえながら制度の維持をどうするか考えてきた。私たち砂糖メーカーとしても、何回も制度のあり方を問題提起してきた。
いずれにしても、さとうきび、てん菜は北海道、離島等においては、地域産業を維持するために極めて重要な作物である。それを放棄するかどうかという問題は、国家的な議論を要する問題である。日米繊維交渉でアメリカに負けた際に、北陸3県の繊維産業は、それから低迷をし、回復するのに20数年かかってしまい、福井県には原子力発電所が14基もできてしまった。
いかに地域の産業を守っていくか、国家的な助成はどうあるべきか、根本的な議論をすべき時が来た。TPPの問題で砂糖が除外されるだろうとか、そういう次元の話ではない。除外されるとか、されないとかではなく、砂糖あるいはさとうきびをどういう形で国家的に育てていくのか、守るのか、あるいは守らないのか、そしてその中における制度のあり方というものを明確にしないといけない。
我々砂糖メーカーからすると、制度がなくなれば60円/kgくらいでできると予想している。そうすれば、砂糖の消費は調製品があっても大幅に伸びると私は自信を持っている。
しかし、今の制度の中においては国家的な産業の維持に協力しなければならない。砂糖業界も商社の方々が関係しているが、商社の論理ではなく、安定的な仕組みを確立することに全力をあげていきたい。いよいよTPPに参加することによって国家がこの国としてさとうきびをどうやって維持していくのか、維持していかないのか、そしてその中における制度のあり方、国と砂糖メーカーの負担の割合はどれくらいか、そして消費者の負担とのバランスをどこに求めるか、それらを議論すべき時が来た。そのことを提言しておきたいと思う。
砂糖の基準価格とかその問題については、場当たり的に判断する時代は終わった。沖縄、鹿児島、北海道のために9割程我々が消費者に負担をお願いして調整金を調達しており、国が負担しているのは1割程度であるが、それが妥当であるかどうかも含めて今後5年間で、砂糖の基準価格あるいは国庫補助はどうあるべきか、明確にしないといけない。このまま続けていては全てがだめになる。
砂糖基準価格については農水省も財務省もご理解願って据え置いたと思うが、いずれにしても、根本的な問題の解決が今こそ必要であり、消費者の理解を得られるような対応をしていかなければならない。TPPで砂糖は除外されるんだというような、甘い、依存症的な体質からは脱皮しなければならない。

本坊委員:ご提案された調整基準価格については、例年どおりの算定によって出されたということ、今の大変な環境の中でご苦労をされて算出されたものと理解しており、異存はない。
ただ、25年度における制度運営に当たり、価格調整制度を健全に継続する観点から、でん粉の調整金収支バランスが極めて重要と考えている。近年、国内産いもでん粉の生産量が非常に減少していることから、引き続きでん粉勘定の収支バランスも注視願いたい。
また、異性化糖について砂糖との価格調整にあたりまして、異性化糖は需要量や用途面で既に確立しており、砂糖との代替に大きな変化がここ15年程ないので、品質係数等の運用面でご配慮いただきたい。先日、大手製パンメーカーの開発担当から、異性化糖と砂糖の甘味は全く違う、砂糖の代わりはできないよと言われた。先程、三浦委員から和食を広めて砂糖消費を、という意見があったように、異性化糖と砂糖の棲み分けはできている。
私自身、全国澱粉協同組合連合会の会長も務めているが、かんしょでん粉のそれぞれの事業者が、現地で非常にがんばって取り組んでいることを申し上げておく。
かんしょでん粉については、ここ数年の焼酎ブームで焼酎原料用との原料の取り合いにより、操業率の低下、コストの上昇など色々と我々の想定できないことが起こった。ここ3年の異常気象も想定ができず、大変苦労しているが、事業者が世代交代し、若い経営者が意欲的にコスト削減等に取り組んでおり、そのことについてはご理解いただきたい。
最後に、TPPについて、交渉の内容について情報をできるだけ公開してほしい。
でん粉・砂糖は農業政策上重要な作物。さとうきび・かんしょは国土防衛上重要な作物であるので、色々な形で支援して頂きたい。

有田委員:糖価調整制度の中で定められた方式で算出されており、提案については異論はない。
当業界は、でん粉の消費者とも言える業界である。
現在の制度については、開始から5年を経過しており、見直しの時期に来ている。糖化業界からすると不満のある制度となっており、見直しをしていただきたい。
異性化糖全体から見ると、全日本糖化工業会はわずか5%程度で非常にわずか。わずかではあるが、制度の中ででん粉から異性化糖を製造し、販売をしている中で、制度の問題点を明確に掴んでいる。
輸入でん粉から異性化糖を製造する立場から制度を見ると、原料であるでん粉の価格を固定化する仕組みであり、原料価格は固定して異性化糖は安く販売せよという仕組みの中で、でん粉を製造しない業者は生き残れない制度になっている。このため、制度を補完するためには、外国のタピオカでん粉を輸入せざるを得ないにもかかわらず、輸入タピオカでん粉の数量は規制することになっており、非常に曖昧模糊としている。この点見直していただきたい。
ビジネスは厳しい状況だが、制度を補完していくために提案をしていくのは非常に重要なこと。小さい業界であるがゆえに、制度の課題も把握しやすいので、今回も例年同様のお願いをさせていただく。

松谷委員:ご説明いただいた平成25年度調整基準価格については異存なし。
私どもは、タピオカ・ばれいしょ・かんしょでん粉等を原料として、加工でん粉とでん粉の分解物を製造・販売している。創業時には繊維用途等の工業用途が主流であったが、時代の流れとともに食文化の変化、レトルト食品、冷凍食品の登場に加え、高齢者の嚥下剤、流動食等のニーズが増え、現在では食品用途が95%を占めている。
でん粉を原料として、機能性食品である難消化性デキストリンを開発し、特保素材として販売に注力している。
最近の取組では、香川県が産学官で推進してきた希少糖の開発及び事業化に県外の企業として参画し、今年7月に香川県に新工場を建設。異性化糖を原料とした希少糖含有シロップとして本格的な販売を目指している。
加工でん粉、糖化製品の製造業者の立場から、砂糖・でん粉政策に参画させていただいており、今後も、でん粉関連産業の立場から、でん粉関連商品の安定供給に努めて行きたい。

上江洲委員:本日の調整基準価格については異存なし。
平成23年~24年においては、台風や害虫の被害によってさとうきびは2年連続の不作となり、過去のワースト1とワースト2を記録した。平成25年産については、沖縄県全域で干ばつ被害が報告されている。関係機関一体となってかん水に努め、その後9月の台風17号がまとまった降雨をもたらし、干ばつは緩和の傾向にあるが、生育旺盛期における生長停滞が大きく、今後の天候次第では生産量の減少が懸念されている。
先ほど、市川委員から新技術を活用した防除について発言があった。資料の9ページに久米島での防除の取組に関する記述があるが、これは交信かく乱というメスのフェロモンを利用して害虫の交尾・繁殖を阻害する新技術であり、人体への害もないもの。こういった技術が活用されていることをご紹介したい。
私ども製糖企業においては製造コストの削減に鋭意努力しているが、コストの削減については合理化を進めることのほかに、原料生産量を安定的に確保することが重要。そのためには生産の基盤となる収穫面積の確保が重要な課題だと認識している。沖縄県では小規模農家が島しょ地域の農業を支えているという実情にもご配慮いただき、島しょ地域においてさらなる過疎化を招かぬよう、担い手への農地集積・大規模農家の育成と併せて小規模農家に対する施策の充実強化も重要と考える。
TPP問題については、農産物重要5品目を関税撤廃の対象から除外し、甘味資源作物を守っていただくとともに糖価調整制度の枠組みが維持できるようご配慮いただきたい。糖価調整制度の崩壊は沖縄県の地域経済の基盤であるさとうきび産業の崩壊を招き、離島においては地域社会が崩壊し、国防安全保障機能に悪影響を及ぼし国益を損なう恐れがある。

小笠原委員:本日の調整基準価格については異存はない。
てん菜については北海道畑作の輪作体系の基本をなす作物であり、地域経済にも大きく影響している。このように重要な作物であるが、作付面積の減少が深刻な問題となっている。減少の主な要因は生産者の手取りの減少、高齢化、制度面による生産意欲の減退、TPPによる将来への不安のほか、労働時間が多いということがあげられる。
ここ2~3年異常気象が続いており、それぞれが違う内容の異常気象となっている。これまで北海道では冷害に強い作物としてビートを生産してきたが、これまでと状況が変わってきており、夏場の異常気象の影響の方が強くなってきた。今後、異常気象に強い品種の育成が課題であるが、種子は海外に依存せざるを得ず、品種開発に係るコストは糖業が負担している状況にある。
TPPの問題については、北海道でてん菜がなくなるということは輪作体系の崩壊につながることとなる。水田のような単作とは状況が異なる。
今後の課題として、作付面積の減少をどうするか、異常気象への対応をどうするか、甘味資源政策及び生産者対策をどうするかという、大きく分けて3つの問題を解決していくことが必要である。

仲田委員:沖縄は離島県であり、北は伊平屋島から南は台湾国境近くの与那国島まで約610km、東は南北大東島から西は久米島まで約460kmという非常に広範な島々の中でさとうきびは作られている。当然、価格競争力は弱く、都市部の消費者からは「そんな価格競争力の弱いものは止めてしまえ」と思われるかもしれないが、離島の厳しい条件下で代替作物がない中、延々と作ってきた。それを支えてきたのはこの制度だと思っている。今後もこの制度をしっかりと堅持してもらいたい。
TPPが導入されると、さとうきびもなくなり、島々に人が住めなくなることになるので十分に配慮願いたい。さとうきびは砂糖の原料というだけではなく、離島の島々の人口扶養という観点から、国土・領土保全上重要な作物だということを広く国民に知らせていく必要がある。

片平委員:甘味資源作物は国策上、国防上はもちろん、農家だけでなく地域経済、雇用確保にまで関係する重要な作物であるということを委員の方々には共有していただきたい。農業者もまだまだ努力をする必要があるが、生産者の努力ではどうしようもない台風、干ばつに大きく左右される厳しい環境の中で生産に取り組んでいることをご認識いただきたい。
甘しょ、さとうきびは品目別の経営安定対策の中で、糖価調整制度を国の支援、消費者の御理解をいただきながら、バランスの取れた仕組みとして維持してきたと考えている。鹿児島県でも18年度からさとうきびの増産プロジェクト長期目標を作り、27年度までの数値目標を作成し、生産性の向上、収穫面積の拡大に取り組んでいる。でん粉についても当時20近くあったでん粉工場を3つの工場に再編し、高品質なでん粉の生産、コスト削減に取り組んでいる。鹿児島県は耕作放棄地が多く、高齢化も進んでいる中で、今後はさとうきび、甘しょを含めて担い手に集約していくビジョンを作ってやっていかなければならないと考えている。
今年の生育状況は、さとうきびは干ばつと高温に悩まされている。去年・一昨年よりは良いが、平年よりは収量が少なくなる見込み。昨年措置していただいたさとうきびの増産基金事業を有効に活用し、生産回復に一定の効果が出ているところ。でん粉原料用甘しょについては、干ばつの影響があり若干生育が遅れているが、さとうきびほどの影響はなく今後の天候次第という状況。
甘しょ、さとうきびは、JA、行政、製糖会社が一体となって、生産性、品質の向上に努めているが、全体的には脆弱な生産構造であり、引き続き、糖価調整制度を堅持していただくとともに、増産基金のように農家が意欲を持って生産に取り組めるような事業の継続をお願いしたい。
TPPについて、鹿児島は北海道、沖縄と同様、重要5品目の中の相当な品目を抱えている。鹿児島県の農業生産額は4,000億円程度だが、畜産、甘しょ、さとうきびで約7割を占めている。関税の撤廃や極端な引下げということがあれば、関連産業、地域経済まで含めて4,400億円程度の大きな影響が出ると県が試算している。TPPの影響がないようによろしくお願いしたい。

村上委員:調整基準価格については、異存はない。
生産者団体としては糖価調整制度を堅持していただきたいという立場。
内外価格差そのものを単純な数字で議論するのはどうかと思っている。資料には2倍弱という記載があったが、原料代を考慮すると、原料代を無料にしても内外価格差は存在するということになる。北海道の土地、気象条件等農家の方々の努力の及ばないコストが掛かっている。北海道畑作は30~40ha程度の平均規模で、一定程度の生産性の向上は図られておりこれから急激にコスト削減できるかは難しい状況。近年は気象の変動が大きいため物財費が高くなり、コストが一部上昇している。作物の位置付けと制度そのものを消費者の方に理解していただけるよう、私どもも私どもの立場で進めていきたいと考えているので御理解賜りたい。
てん菜の作付面積は下げ止まらず、前年対比で1,000町歩あまり減少し、58,200ha程度。ばれいしょはトータルでは若干減少傾向にあるが、でん粉原料用のばれいしょは数百ha程度増加。
生育状況は気象変動が大きく、全道的に地域、ほ場間の格差が非常に大きい。7月中旬以降は晴れの日が続き雨が降らなかったが、8月以降は雨が続き、局地的な豪雨による冠水の被害もあった。ばれいしょは収穫期に入っているが、十勝管内は雨で圃場に入れない状況。オホーツクは生育を非常に心配しているが、来週から雨がやむという予報もあり、生育に功を奏するかと期待しているところ。てん菜はここ3年は夏から秋にかけて異常な高温が続き、糖度が非常に低い。雨が続いているので病虫害の発生に対して防除の徹底を呼びかけている。てん菜もばれいしょも全道的には1日程度の遅れだが、てん菜はオホーツクで1週間、上川で5日間程度遅れている。ばれいしょはオホーツクで4日間、上川で2日間ほど遅れている。
てん菜は16年以降、面積減少に歯止めが掛からない。投下労働時間が多いという説明があったが、手取りが上昇しないこと、不作が続いていることも大きな要因となっている。でん粉原料用ばれいしょは作付が久方ぶりに増加に転じたが、不作が続いていたため、安定供給に向けたプロジェクトを作り、種子の安定確保、シストセンチュウの蔓延防止対策、新しい栽培技術体系の確立、労働支援体制の構築という4つの課題を掲げ、24補正事業を活用しながら取り組んでいる。
てん菜、ばれいしょは輪作体系の確立、地域経済を担う上で必要不可欠な作物であり、私どもも昭和61年から作付指標面積、でん粉の計画生産を数値を示しながら現場でしっかりと取り組んでいただいている。良質な作物の安定生産に向けて努力していくので、今後とも農業者の経営が安定し、持続的な畑作農業が展開できるよう、安定的な施策を展開していただきたい。
TPP交渉については基本的に反対の立場を貫いている。重要5品目には北海道の農作物が全て網羅されているので、将来に向けて国会決議の内容を守って交渉に取り組んでいただくようよろしくお願いしたい。

森課長 :多岐にわたるご意見をいただき感謝。
まず、TPPについてお答えする。多くの委員からご質問をいただいたところだが、我が国は本年の7月から交渉参加しており、その具体的な内容については、各国保秘義務があるため内閣官房から一括して情報提供をすることとなっていることをご理解いただきたい。これから本年10月APECでの交渉会合も予定されているところであるが、なお、年内の合意の旗は下ろされていないところであり、砂糖・でん粉を含め、重要5品目等、守るべきものは守るというスタンスのもと、国益を最大限に実現することに全力を尽くしている状況である。
加糖調製品については、過去の経緯として、ガット提訴を受けて、輸入数量制限を見直し、調製品の中でも砂糖の含有量が高いものの関税率を引き上げ、その代償として、その他の調製品の関税を引き下げた。関税を引き上げようとすると、ルール上、その代償を求められるため、輸入糖と同等の調整金を徴収することはなかなか難しいところではあるが、加糖調製品のうち、輸入量や砂糖含有量が高いものについてはセーフガードの発動に係る監視対象品目となっており、引き続き、輸入状況を注視してまいりたい。
北海道、沖縄、鹿児島の生産状況、あるいは生産者の方々の努力の状況については、専門委員の皆様からお話をいただいたところ。さとうきびの遺伝子組換えについては、現実を申し上げると、国内ではさとうきびの組替えの研究は行われていないところ。国際的にみても、ブラジルで一部研究がなされているところであるが、アメリカなどでもあまりされていないところ。このような状況の要因としては、一つは一般的に組換えが進んでいる作物は、毎年種子を更新する必要があるものであり、さとうきびについては、栄養繁殖していく作物であり、ビジネスの観点から難しい面もあるようである。当省の試験研究部局は、遺伝子組換え以外の技術で対応可能との立場であり、実際に、新品種が年々送り出されている。品種の研究については、てん菜については小笠原委員から、でん粉の機能性については松谷委員から紹介をいただいたが、新品種・新技術の研究・開発の促進は、非常に重要である中、来年度の農林水産省の予算要求で、企業、研究機関、生産者、行政でコンソーシアムをつくり、さとうきびについては、病害虫抵抗性のあるものや、てん菜については、直播栽培対応など、現場のニーズを踏まえた新品種・新技術を開発するための予算を要求している。
また、当省の試験研究部局でも、民間での試験研究を支援する予算を要求しているところであり、不成功となった場合の負担を減らすことで、研究開発リスクを応援しようとしている。
砂糖の健康面・機能性の認識については、和食・日本食をアピールすることが重要との指摘があったが、今年度より日本の食を広げるプロジェクトという予算があり、和食の海外へのアピールはもちろん、日本国内での地域の食品開発も支援している。今年は、北海道では、地元のてん菜糖や麦を活用したお菓子をつくるといった活動を応援している。
でん粉勘定についてもご指摘をいただいたが、現在、関係業界のご負担もいただいた上で黒字で運営しているところであり、引き続き、適切な運営に努めていく。
輸入でん粉については、基本的に国内産でん粉の生産をベースとして、需給を見通しながら制度運営をしているところであり、タピオカでん粉も、需要に応じて増枠するなど過去にも対応してきており、引き続き、適切に制度を運営していく。
最後、制度そのものについては、制度の意義やコスト削減努力が消費者に見えないとの点や、中長期的に本制度をどう持続的に維持していくのかレビューをしていく必要があるのではないかという点、制度の過去からの経緯も含めて、制度全体の議論をするべき、反対に、制度を堅持していくべきとのご意見など様々なご意見をいただいたところであるが、糖価調整制度は多くの関係者の負担のバランスの中で成り立っているところ、行政としてはこのバランスという言葉にある意味甘えてきた部分もあるかもしれず、このバランスが現時点でどうなっているのか、どうあるべきか、不断にレビューをしていくべきというのはご指摘のとおりである。制度の持続性の検討や、より効率的な制度はどうあるべきか、また、より多くの方に納得していただくためにはどうしたらいいのか、改めて宿題をいただいたと感じている。

市川委員:ご回答に感謝。この会自体、年1回程度の限られた開催であるが、意見を述べて終わりという印象がぬぐえない。先ほど森課長の方から宿題として受け止めるとの発言があったが、次回にその進捗について聞かせていただきたい。私も消費者として参画しているので、その結果を消費者に伝えていきたい。

森課長 :わかりました。

中嶋部会長:調整基準価格については、委員の皆様異論がないということで、農林水産省において、決定・公表していただきたい。
糖価調整制度については、課長のほうから整理していただいたが、グローバル化や地域生産者・関連事業者の内在的・構造的課題、異常気象によるリスクの増加等、様々な問題を各委員に指摘していただいたところであり、制度自体の適切なあり方について、検討する時期に来ているとの印象を受けている。制度のあり方について、検討を進めていっていただきたい。

 

- 以上 - 

 

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