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配布資料一覧  第1回食料・農業・農村政策審議会

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生産分科会果樹部会平成19年5月30日午前10時30分  開会

  • 福田課長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから平成19年度第1回目の食料・農業・農村政策審議会生産分科会果樹部会を開催させていただきます。
    本日は、ご多忙中にもかかわらず、ご出席いただきまして大変ありがとうございます。
    最初に、農林水産省生産局担当の吉田大臣官房審議官からご挨拶させていただきます。

 

  • 吉田審議官 おはようございます。生産分科会の果樹部会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
    まず、本日ご出席の委員におかれましては、日頃から農政の推進に一方ならぬご理解、ご協力を賜っていますことを厚くお礼申し上げたいと思います。
    ご存じのように、今、農政は非常に大きな局面を迎えております。外に向かいましてはWTO農業交渉、あるいは日豪を初めとしたEPAの交渉がございまして、特にWTOにつきましては、今、非常に重要な局面に差しかかってきておるという認識をしておるところでございます。一方、国内に対しましては、引き続き農業の体質強化という大きな課題がございますし、それから、消費者に選んでいただけるような、食料政策の展開、それから、近年特に大きな関心事になってきております、バイオマスを初めとした資源あるいは環境対策の推進、そして地域の活性化と、非常に大きな多方面にわたった課題を抱えておりまして、これをこなしていくために、総理を本部長とします食料・農業・農村推進本部で21世紀新農政2007というものを先ほど策定したところでございます。これに基づいて農政を進めていきたいと思っておりますので、先生方におかれましては、引き続きご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
    そういった状況の中で果樹でございますけれども、ご存じのように、果実につきましては、ビタミンですとか、あるいはミネラルといった機能性成分をふんだんに含んでおりまして、私どもの食生活上欠かすことのできない食べ物でございます。また一方、農業振興上も非常に重要な地位を占めておるわけでございますが、片方で供給面を見ますと、高齢化、あるいは基盤整備等の遅れ等ありまして、供給体制が脆弱化してきておるというふうに認識をしておるところでございます。このような認識のもとで、今年度から新しい果樹対策を進めることといたしております。
    1つは、果実の需給安定対策といたしまして、計画生産出荷と併せまして、一時的に生産出荷が集中する場合には、生果を加工原料に仕向けるなどによりまして、需給調整を的確にやっていく。それから、果樹経営支援対策といたしまして、優良品目や品種へ転換をする、あるいは基盤整備をするなど、産地計画に基づいた積極的な取り組みを行う担い手等に支援をしっかりやっていく。それから、さらには共済の充実を図るということを柱の1つにした、新たな果樹対策を実施をしていこうと考えております。これにつきましても、引き続きまたご理解、ご協力を賜りたいと思っております。
    本日の課題でございますが、果実需給安定対策に基づきまして、平成19年産うんしゅうみかん及びりんごの適正生産出荷見通し、これについてご審議をいただきたいと考えております。うんしゅうみかんについては、ご存じのように、今年はおもて年でございまして、これまでの生育状況を見ますと、予想生産量が需要量を上回ることが見込まれております。それから、りんごにつきましては、予想収穫量と需要量がほぼ同程度かなというふうに見込んでおるところでございます。こういったことを踏まえまして、近年の果実価格の生産動向も踏まえながら、適正な生産量、出荷量を設定いたしまして、産地、生産者の皆さんに計画的な生産出荷に努めていただく。そのための重要な審議でございますので、よろしくお願いしたいと思っております。
    当然、消費拡大ということも重要でございまして、引き続き、お手元に配っておりますが、「毎日くだもの200グラム」、こういった運動を通じまして需要拡大にも引き続き努めていきたい、消費拡大を進めていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
    限られた時間でございますが、忌憚のないご意見を賜りますことを最後にお願い申し上げまして、冒頭のごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

  • 福田課長 申し遅れましたが、私、三野部会長に議事をお願いするまで事務的なご連絡をさせていただきます、果樹花き課長の福田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
    部会開催に当たりまして、本日の出席状況でございますが、本日は委員全員にご出席をいただいております。それから、任期途中で畑江委員がご退任になりましたので、その後任といたしまして、新たにお茶の水女子大学大学院人間文化創生科学研究科の冨永教授に臨時委員へご就任をいただきましたので、ご紹介をさせていただきます。
    それでは、議事に入ります前に、事務局から本日の配付資料につきまして確認をさせていただきます。

 

  • 事務局 まず、お手元の資料の配付資料一覧をご覧いただければと存じます。
    資料1から6、資料1が議事次第、資料2といたしまして果樹部会の委員一覧、資料3といたしまして、果樹をめぐる情勢と新たな果樹対策について、資料4といたしまして、需給安定対策に関する資料、資料5といたしまして、平成19年産うんしゅうみかん適正生産・出荷見通し案、資料6といたしまして、平成19年産りんご適正生産出荷見通し案でございます。
    それから、参考資料といたしまして1から6をつけさせていただきます他、お手元に「毎日くだもの200グラム」運動の資料を用意させていただきました。
    資料の抜け等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じますが、いかがでしょうか。

 

  • 福田課長 それでは、この後の議事進行は三野部会長にお願いをしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 

  • 三野部会長 それでは、議事次第に基づきまして議事を進行いたします。
    本日は、先ほども審議官からご説明がありました、平成19年産うんしゅうみかん及びりんごの適正出荷見通し案について審議することになっております。
    後ほど事務局より説明いたしますが、うんしゅうみかん及びりんごについては、毎年の需給動向及び本部会における委員の皆様方のご意見を踏まえた上で、国において適正出荷見通しを定めることとなっております。また、予想生産量が適正生産量を大きく上回り、著しく需給の均衡を失すると見られるときには、この見通しに代えまして果樹農業振興特別措置法に基づく生産出荷安定指針等を定めることになっております。本年はうんしゅうみかんについてはおもて年に当たりますが、うんしゅうみかん及びりんごとも予想生産量が適正生産量を大きく上回ることはないと見込まれておりますので、適正生産出荷見通しを策定する予定となっているようでございます。本日は、特に適正生産出荷見通しを策定するに当たり、委員の皆様方から生産から消費まで幅広くご意見をいただきますようお願い申し上げます。
    それでは、事務局より、果樹をめぐる情勢と新たな果樹対策について及び需給安定対策に関する資料について、資料3、4に基づきまして説明を受けた後、ご質問等をいただきたいと思います。それではよろしくお願いいたします。

 

  • 福田課長 それでは、お手元の資料3、果樹をめぐる情勢と新たな果樹対策について、それから資料4、需給安定対策に関する資料をご覧いただきながらご説明をさせていただきます。
    恐縮ですが、座ってご説明をさせていただきます。
    まず資料3、お開きいただきまして、目次をさらに開いていただきますと、果樹をめぐる現状と課題でございます。1ページ目でございます。これも委員の先生方、十分これまでもお聞き及びだと思いますが、果樹農業につきましては、みかんを始め多くが中山間傾斜地に立地しておりまして、収穫を始めとしていろいろな作業の機械化が困難であるという状況でございます。一方で生産基盤の整備もおくれておりまして、生産量もだんだん減っているというような状況でございます。産地の脆弱化というのが今の果樹生産の課題ということでございます。
    次の2ページ目に農家の状況を挙げております。果樹生産につきましては、園芸作物ということで、野菜と類似点があるわけでございますが、主に農業所得で生計を立てておられる主業農家によって担われている割合というのが、左の上のグラフになりますけれども、野菜に次いで果樹では67%、7割ぐらいがそういう主業農家に担われているわけでございます。ただ、60歳以上の経営者が6割を超えているという高齢化の進行、それから、経営規模がなかなか大きくならない、1ヘクタール未満の小規模な農家が多いという状況でございます。
    それから、所得につきましても、果樹単一主業農家の所得600万円、そのうち農業所得が400万円弱ということで、農家当たりで見ますと、なかなかほかの品目に比べても水準としては低い状況にございます。
    それから、果樹の特徴といいますか、比較的いい話と申しましょうか、経営規模は先ほど申し上げましたように小さいわけでございます。小規模な農家が多いわけですが、努力の仕方によっては、品質のいいものを出して高く売っておられる方ももちろんいらっしゃるわけでございますし、単位面積当たりの農業所得ということで言えば、ほかの品目に比べて非常に高いということでございます。右の一番下の表でございますが、経営耕地面積当たりの農業所得で水田の5倍ぐらいの単位面積当たりの所得を上げておられるということでございます。
    それから、次の3ページでございますが、果樹農業経営者の動向の推計ということでございます。これも、これまでもいろいろ議論する際にご説明しておりますけれども、現状の販売主業農家7万7,000人、栽培面積8万1,000ヘクタール。これは2005年の農林業センサスに基づきまして、こういう数字を挙げさせていただいております。この販売主業農家の平成27年の60代までの農業経営者数というもの、このセンサスから年齢が加齢で進んでいくということで推計をさせていただきますと、経営者数が約4万6,000人、リタイヤをされるという減少を見込んでということでございます。栽培面積が約5万4,000ヘクタールということで、農業者、栽培面積とも非常に減少してしまって、現状の生産規模が維持できないという心配がされるわけでございます。2000年のセンサスで前にお示ししていた数字よりは多少改善をされている部分もあるんですが、比較的中年層といいますか、50代、60代のところで農業者の数がふえておりまして、そういう部分はあるんですが、依然として現状のまま加齢が進んでいけば、果樹農業について今の生産規模は全然維持できない。
    この3ページの右下のところに書いておりますが、現状規模の1.5倍の規模拡大をしても、現状の生産規模に及ばない。現状規模の2倍ぐらいの規模拡大をしていただく必要があるんだということでございます。この点は、今までの2000年のセンサスに基づいた状況と変わっておりません。
    それから4ページ、次でございますが、果実の流通でございます。果実は青果物の一つでございますので、基本的に卸売市場を経由して流通している割合が多いということでございます。4ページの左の下の表を見ていただきますと、市場経由率、青果物が7割前後ということでございますけれども、その中でも生食用の果実の割合は現状でも、16年度で73%と比較的高い状況にございます。
    ただ、これも委員の皆様方ご承知のとおり、最近はいろいろな形で市場を通さない流通が増えてきております。これは大規模の量販店とか、そういうところが直接仕入れられるケースもございます。4ページの右上の図のところにございますように、全農で首都圏青果センター東京というところで扱っておられる、直接生協向けとかスーパー向けとか、そういう取り組みを市場を介さないでやられているケースもございますし、ふるさと小包ですとか、いろいろインターネットで直販をされるといった人も最近増えて、多様化が進んでいるという状況でございます。
    それから、5ページが果実の輸出でございます。果実の輸出につきましては、最近で言えば増加をしております。過去にも果実の輸出というのはかなりやられた経緯がございまして、これは参考資料の4に果実輸出の現状についてという資料をまとめております。これは詳しくご説明しませんが、過去の経緯をグラフ等で示しておりますので、後ほどまたご覧いただければと思いますが、近年増えてきております。それで、ご承知のとおり、平成25年までに輸出額1兆円の規模にしようという政府の目標がございます。18年度から生産者団体等で意欲的な目標を設定していただきまして、いろいろ輸出拡大のプロジェクトも取り組んでいただいております。これに対して国も支援をしていくということで、果実の輸出を強力に推進をしていこうということでございます。ここに輸出額の推移、特にりんごが今のところは稼ぎ頭というような状況でございます。それから輸出事例、それぞれみかん、りんご、なし、取り上げさせていただいております。
    それから、実際の支援の状況ですが、右側の図にありますように、販路の創出拡大のためのマーケティング支援ということで、輸出を始める、あるいは本格的にやる、それぞれのレベルに応じて対応させていただいております。
    それから、次の6ページ、果実の消費でございます。これもこれまでもいろいろ申し上げておりますが、ビタミン類、あるいはβ-クリプトキサンチンに代表される機能性成分、こういったものが果物に含まれているということで、国民生活上も重要な食品というPRをさせていただいてきております。いろいろPRをしておりますが、なかなか消費拡大の実績が上がらないことが大変苦しいところでございますけれども、1日当たりの摂取量がなかなか増えないということでございます。特に世代間で、左の下の横の棒グラフがございますが、20代、30代、40代と、この辺が一番落ち込んでいる。逆に、こういうところをターゲットにして消費拡大を進めていかなければいけないということもやっております。それから、右側にありますように、国際的な比較でも日本の水準は非常に低いということで、何とか増やしていきたいということで、先ほど挨拶の中でもございましたように、200グラム運動のPRも進めさせていただいているところでございます。
    この取り組みは、次の7ページを見ていただきますと、今、政府全体で食育の取り組みを進めております。この中で、食育のこまの中にも、一番下の右側の方に果物がきちんと入っておりますし、健康に着目をしつつ、こういった食育の取り組みの中で果物に対する認識も浸透しつつあるんではないかと思っております。たしか最近の家計調査で、りんごの購入量が多少増えたりとか、多少プラスの面も見られてくるようになっておりますので、引き続き、PRに努めていきたいと思っております。
    それから、8ページ以降が新しい果樹対策についての説明でございます。これは、一昨年、平成17年3月に果樹農業振興基本方針を定めておりますが、このときの議論の中で、こういう流れでやってきたという資料でございます。左側に果樹農業の現状と課題、先ほど申し上げましたような生産基盤の脆弱化とか、農家の高齢化とか、規模拡大や基盤整備の遅れとか、そういった問題を挙げております。これに対応して、17年3月の果樹農業振興基本方針で出された方向としては、各産地自ら果樹産地構造改革計画を作っていただいて、先ほど申し上げましたような果樹生産の課題に対応した取り組みを進めていただき、そこに支援をしていく。新しい経営支援対策に移行していこうという方向性がこの時点で出されていたわけでございます。
    それから、次の9ページは、輸出、流通、加工、消費について現状・課題と今後の方向ということで、これも果樹農業振興基本方針の中で方向付けさせていただいたところでございます。
    それで、10ページ、11ページは、この振興基本方針の抜粋でございますが、具体的には、12ページにございますように新たな果樹対策として、既に19年度、今年度からスタートをしているところでございます。1つは果樹経営支援対策事業ということで、事業の内容にございますように、先ほど申し上げました生産基盤の遅れ等の状況に対応いたしまして、優良品目・品種への改植、高接、条件不利園地の廃園といった事業、それから、もう一つは小規模園地整備、園内道の整備とか傾斜の緩和、土層改良、かん水施設と、こういったものの整備をしていく。特に改植事業につきましては、みかんとりんごでございますが、面積当たりの定額助成をしていこうと、その他の果樹については2分の1以内ということでございます。それから、小規模園地整備は2分の1助成ということでございます。
    それから、この12ページの右側の方にございますように、そのほか産地単位で取り組まれるような事業につきましても推進事業として取り組みを進めることにしておりまして、生産構造の改革ということで、労働力調整システムの構築でありますとか、担い手支援のための園地流動化情報システムの整備、それから、未収期間をできるだけ少なくするということで、産地として大苗育苗ほを設置されるところに支援をするとか、新しい技術を導入していただく、販路開拓をしていただくというような事業をメニューとして取り上げているところでございます。
    それから、次の13ページをめくっていただきますと、果実需給安定対策事業ということでございます。こちらの事業の内容といたしましては、1つ目は果実計画生産推進事業。これはまさに今日の議題にも関わってくるわけでございますが、適正生産出荷見通しに従って、きちんと必要な量を生産していただくということで、計画的生産出荷の促進ということでございます。摘果の推進指導を始めとする取り組みを進めていく。それから、もう一つが緊急需給調整特別対策事業ということでございまして、先ほど吉田審議官のごあいさつにもございましたように、一時的な出荷集中時に緊急的に生果を加工原料用に仕向ける措置について、これは団体主導で取り組んでいただくところに国も支援をしていこうということでございまして、うんしゅうみかんとりんごの主要果実を対象に、そういう取り組みがされましたときに、補給金単価、キログラム当たり34円の2分の1を国費で助成をしていこうということでございます。
    あと、14ページ、それから15ページは、先ほど申し上げました果樹農業振興基本方針を踏まえまして、昨年のちょうど今頃の時期に新しい対策の取りまとめをしていただくときに、与党の方で整備をしていただいたペーパーでございます。特に15ページのところにございますように、需給調整、経営支援とあわせて、災害収入共済方式を始めとします果樹共済も加入要件の緩和等をしていただきまして、私どもの新しい果樹対策の一環で取り組みを進めていただいておりまして、いろいろ説明等も、私ども、担当は経営局の保険課、保険監理官になりますが、一緒に現場の方にも出向かせていただいて説明をさせていただいているところでございます。
    それから、ちょっと先を急ぎまして大変恐縮ですが、資料4の方で需給安定対策に関する資料の方をご覧いただきたいと思います。
    1ページをお開きいただきますと、需給安定対策の概要ということでございます。先ほど部会長に冒頭ご説明いただきましたように、国が毎年、需給動向を踏まえまして、この審議会、果樹部会のご意見を聴きまして適正生産出荷見通しを示すことにしているわけでございます。右側の図にあります、まず最初に出発点となるところが、この適正生産出荷見通しになるわけでございます。その際に、大幅な生産増加が見込まれる場合、適正生産出荷見通しに代えまして、うんしゅうみかんにつきましては果樹農業振興特別措置法に基づきまして生産出荷安定指針をつくる。それから、りんごは生産出荷指導指針を策定するということになるわけでございます。最近につきましては、そういう指針の発動という状況は見られておりません。
    見通しの策定を受けまして、この後、生産者団体等から成ります全国、あるいは県、産地、各段階の果実の生産出荷安定協議会におきまして、それぞれ県別、産地別、最終的には生産者、あるいは生産出荷組織別の生産出荷目標を策定していただくということでございます。一方で、生産者、生産出荷組織は、その目標に即しまして予定される生産出荷量、あるいはそのためにどういう調整をしていくかというようなことで作っていただきました生産出荷計画に基づいて取り組みを進めていただくわけでございます。もし指針が策定される、需給ギャップが非常に大きいということが予想される場合には、生産量の調整効果が高い全摘果、というような特別摘果を進めるというようなことが需給安定対策上必要になる、需給調整の強化が必要になるということになるわけでございます。
    それから、2ページでございます。最近の取り組み状況ということで、ここでは17年産、18年産を挙げております。ご承知のように、特にうんしゅうみかんでは隔年結果、1年おきにおもて年、うら年というような状況が現れております。ただ、17年産はおもて年ではあった訳でございますけれども、大幅な生産増加が見込まれないということで、先ほど申し上げました指針の発動というような状況ではございませんでしたので、それぞれ適正生産出荷見通しを策定して取り組みを進めたということでございます。うんしゅうみかんが適正生産出荷量111万トン、出荷量で98万5,000トン、これに対して実際の生産が113万トン、出荷量101万トン。目標といいますか、適正生産出荷量をちょっとオーバーしたような状況になっております。りんごの方は、適正生産出荷量、生産量87万トン、出荷量78万トンに対しまして81万9,000トン、72.4万トン、それぞれ下回った状況でございました。
    それから、18年産でございますが、みかんについてはうら年であったわけでございます。昨年産でございますけれども、特に梅雨明けの遅れとか日照不足の影響で生理落下が多かった。それから、それを受けて実際の果実自身も小玉傾向であったということでございました。台風被害等もございましたので、生産量が適正生産出荷量を生産量で107万トン、出荷量で95万トン見ておりましたけれども、生産量で84万2,000トン、出荷量74万3,000トンという大幅に下回った状況でございました。その結果としては、価格の方は非常に高い価格で推移をしたということがございました。それから、りんごの方でございますが、これも梅雨明けの遅れと日照不足と、それから小玉傾向というのはみかんと同じでございます。適正生産出荷量86万トン、出荷量77万トンに対応いたしまして、実際の実績は83万2,000トン、74万トンという状況でございます。
    それから、先ほど新しい果樹対策を始めたという説明をさせていただいたわけでございますが、新しい果樹対策の前に6年間やっておりました果樹経営安定対策の実施状況が次の3ページでございます。13年から17年の5年間につきましては補てん金が交付をされてきております。特にうんしゅうみかんにつきましては、なかなか価格が上向かなかったということでございまして、毎年この5年間は補てんが行われ、累計で225億円でございます。それから、りんごにつきましては、15年産以降は安定的に推移しておりまして、補てん金が交付されない状態でございましたけれども、17年産で1県だけ出たということで、累計しますと72億円の交付となったわけでございます。18年産は、ここに書いておりますけれども、対策加入県すべてで補てん金の基準価格を卸売価格が上回った。当該年産価格が上回ったということで、りんごはまだ最終的に終わっていないところがございますけれども、補てんが行われない見込みということで、ここでは補てん金の交付額が横棒になっておりますけれども、支払われない見込みでございます。
    それから4ページ、先ほどもみかんの価格の話を先走って申し上げてしまいましたが、価格動向でございます。17年産でございますが、先ほど申し上げましたようなことで、6月以降の高温少雨等で極早生みかんの小玉、それで10月までは前年を下回った量で推移していましたが、その後、早生みかんが非常に生育順調ということで数量がどんどん回復をして、数量は前年より増えてしまった。それから価格の方は、小玉傾向のほかに着色不良とか低糖度果実が出たということで、品質面でなかなか消費者の理解が得られないような状況になってしまった。早生みかんも同様ということで、前年に比べて78%という非常に低い数字になったということでございます。
    それから、りんごでございますが、こちらも気象の傾向なり小玉傾向という状況があったわけでございます。前年の16年産が台風被害で数量が少なかったわけでございますが、数量は104%、前年に比べて増えました。価格は、8月、9月に数量が前年を下回っておりましたので、やや高く推移していたわけでございますが、その後、一度にいろいろな夏果実が出てしまったということもありまして、果物の価格は押しなべて17年産については厳しかったわけでございますが、前年を下回った。特に16年産に比べますと85%ということで、非常に低い水準で17年産は推移したということでございます。
    それから、18年産でございますが、昨年産でございます。うんしゅうみかんにつきましてはうら年ということもございましたし、生産量が少なかったということが当然基本にあったわけでございますが、先ほどの気象要因、それから台風被害等もございまして、卸売数量は大幅に減少した状況でございました。71%で、これに対して価格は、もちろん量が少なかったこともございますが、前年に比べても非常に品質がよかった。糖度が高いことを始めといたしまして、消費者に支持をされたということだと思いますが、3月までに前年の173%という近年にない高い水準で推移をしております。
    それから、りんごの方でございますが、りんごも気象の影響で若干小玉傾向という状況はございました。ただ、数量の方は前年の106%ということで増えております。価格の方も、小玉傾向ではありましたが、品質がいいということで、その他の果実の出荷量が少なかったということもあったと思いますけれども、全般的に果実の品質はよかったわけでございまして、前年を若干上回るような状況でございます。4月までで109%の卸売価格で推移しているということでございます。
    それから、6ページ。先へ急がせていただきますが、19年産、今年産の生育状況をお示ししております。
    まずうんしゅうみかんの方でございますが、暖冬で気温が平年より高く推移をしたということもございまして、大分心配もされたところがございます。ただ、開花期、3月以降の低温によりまして、平年並みということで戻したといいましょうか、進み過ぎから戻したような状況。一部ではやや早かったところもあるようでございます。それから、おもて年ということでございまして、着花量は多いという県が多いようでございます。
    それから、一方のりんごでございます。今年は雪も少なく暖冬であったわけでございますけれども、みかん同様、最初は暖冬でありますが、3月以降にむしろ低温が来たということで戻したということでございます。発芽期、ほぼ平均並み、開花期、平年並みからやや遅れということで、着花量もほぼ平均並みという見込みでございます。
    それから、参考資料の方で、先ほど輸出の資料を申し上げましたが、参考5には初歩的な戦略ということで、果物以外も含めまして、農林水産省として、先ほど申し上げました1億円の輸出目標に取り組んでいく行程表をつくっております。これも後ほどご覧いただければと思います。
    それから、参考6ということで、1枚紙で果樹産地構造改革計画の進捗状況ということで入れております。これは、先ほど申し上げました新しい果樹対策を進めていくために、その前提となる果樹産地構造改革計画を平成17年度、18年度の2年間で策定をしていただくということで推進をしてきたわけでございます。平成18年度末時点におきまして、全国で461の産地協議会が設立、そのうち374の産地で産地計画が策定されたということでございます。みかん、りんごについて申し上げますと、全国の栽培面積に占めるシェアで73%、83%ということで、7割、8割以上の産地で策定をしていただいたということでございます。多少取り組みが遅れた産地もございます。17、18年度で作るということでやってきたわけでございますが、今後、19年度以降も、まだ策定されていない産地にも、もちろん策定を推進していくということで働きかけていきたいと思っておりますし、より産地競争力の高い産地にしていこうということで、もちろん計画に従ってやっていただく。更には計画を見直して質的向上を図っていただくというような取り組みも、産地計画の推進の中でしていきたいというふうに考えております。併せてご説明をさせていただきます。
    ちょっと長くなりましたが、以上でございます。

 

  • 三野部会長 大変ありがとうございました。本年度より始まりました新たな果樹対策や、果樹を取り巻く情勢について話題提供いただきました。
    事務局からの説明につきまして、何かご質問等がございましたらお願いいたします。何でも結構です。

 

  • 冨士委員 参考資料6で、果樹産地構造改革計画の進捗状況が載っているんですけれども、これは我々の反省も含めてなんですが、やはりうんしゅうみかんとりんごが従来経営安定対策の対象だったということで、うんしゅうみかんとりんごの産地は新しい19年からの果樹対策なんかについても非常に周知徹底されて、ここにあるような高い協議会の設置状況でありますし、計画の策定状況になっておりますが、これを見てもらいますとわかりますように、例えばぶどう、なし、かき等、みかんとりんご以外の果樹については、協議会の設置状況も計画の策定も低い状況です。そういう意味で我々も反省があるわけです。みかんとりんご以外の産地については周知徹底が十分図られていなかった。生産者からも「おれ、知らなかった」というようなことが聞かれるような、そういう実態の中で、19年度から、新しい果樹対策の初年度がスタートしたわけですが、これ、18年度末、19年3月で協議会が設置されていないと締め切りということになっているというのをお聞きするので、その辺、みかん、りんご以外のものについてはもう少し延長するとか、救済措置といいますか、新しい果樹対策は、みかん、りんご以外も乗れるわけで、その辺の延長といいますか、救済みたいなことを検討されればありがたいと。

 

  • 福田課長 お答え申し上げます。
    基本的に、りんご以外の落葉果樹について産地計画の策定が遅れたというのは、私どもも認識しております。反省事項だともちろん思っております。そうはいいましても、やはり18年度末までに何とかということで、産地協議会の設立までいっていただきたいという周知を大分後半の方でしたところもございまして、かなり意欲的な産地は取り組みを進めていただけたのかなというふうに思っております。原則そういうことで、2年間の間に少なくとも産地協議会の設立までやっていただくということでやってきておりますが、全くそこでドアを閉めてしまうということでは確かに問題が生じる可能性がありますので、そこは状況を見ながら、原則はそういうことで進めさせていただいておりますし、既に策定をしていただいたところが、まず事業に取り組んでいただくことになろうかとは思いますが、産地の実態等も聞かせていただきながら対応はしていきたいとは思っております。そこは原則2年間での策定が必要という話は相当周知をさせていただいたつもりでございますので、意欲的に取り組んでいただいている産地は、相当駆け込み的なところがございましたが、産地協議会の設立までは少なくともいっていただいているんではないかとは思っております。

 

  • 三野部会長 よろしいでしょうか。

 

  • 冨士委員 原則は原則なんだけれども、柔軟に対応したいということでしょうか。

 

  • 福田課長 何でもいいというわけにもいかないものですから、そこはやはりルールに従ってやっていただいたところが当然優先されることにもなりますし、遅れたところの事情とか、何かまたそれを見ながら、その原則以外の部分で対応できるのかどうかということで、検討はもちろんしないわけではございません。ご相談をさせていただくことになろうかと思います。

 

  • 三野部会長 そのほか、ございますでしょうか。

 

  • 小田切委員 今の冨士委員のご質問にも関わるんですが、みかん、りんご以外については冨士委員のおっしゃるとおりなんですが、むしろみかん、りんごの数字をどういうふうに見たらいいのかということで聞かせていただきたいんです。
    この新しい対策は、例えば条件不利園地の廃園、転換なども、この産地計画が立てられていることが前提ですから、そうなると、みかんの73.1%、りんごの82.8%以外の産地では、一体どういうふうな将来展望をお考えになっているのかということが大変心配になるんです。この数字をどう見たらいいのか、あるいは実態はどうなのか、もし情報がありましたらご提供いただきたいと思います。

 

  • 福田課長 お答え申し上げます。
    この産地計画を策定していないところがどうなのかというのは、非常に我々も関心を持たなければいけないことだと思っておりますし、そこの分析を今させていただいております。策定されたところの内容も、情報を集めておりますと、いろいろ程度の差があったり、内容の高度化といいますか、高度なところ、比較的そうでないところ、いろいろなものがあるようでございますが、先ほど申し上げましたように、未策定のところにつきましても理由等もよく把握しながら、どうして策定できないのかとか、そういうことも把握をした上で、さらに策定をしていただくような働きかけはしていきたいと思っておりますし、先ほど申し上げましたように、既に策定したところでも、比較的ハードルの低いといいましょうか、達成しやすい計画になっていて、もう少し高度なレベルを目指してはどうかというような例もあろうかと思います。そういうところには、さらに上を目指して取り組んでいただくような働きかけも進めていきたいと思っております。
    全体として見れば、7割、8割でございますので、そこそこやっていただけたんではないかと思っておりますが、残された産地の状況なり、策定したところの策定内容については、今分析を進めておるところでございますので、その分析結果に従って、再度また働きかけを強めていくような取り組みをしたいと思っております。

 

  • 小田切委員 そうすると、今のご発言の中には、場合によっては分析してみて、りんご、みかんについても同様に、ドアが完全に閉ざされていないというふうなニュアンスもあるというふうに受け取ってよろしいでしょうかね。

 

  • 福田課長 余りそのような強調をされてしまうと困ってしまうんですが、そういう意味で言うと、どの品目がということで、りんご、みかんは例えば2年間で策定しなければだめですよということでドアを閉ざすということもできないとは思っております。ただ、少なくとも、先ほど冨士委員からもお話がありましたように、りんご、みかんの産地について言えば、これまでも果樹経営安定対策がありましたので、それがこういう新しい対策に変わるということもよくご存じだったわけでございますので、その上で策定をされないというのは、それなりに新しい対策について取り組む意欲が低いとか、何か問題があるというようなことではないかなというのが、まず先に思い浮かぶわけでございます。それでもまだ、どうしてもこれから策定する理由があるというところを全く取り上げないということにはもちろんならないと思いますが、これまで策定されなかったそれなりの理由があるんではないかということで分析の結果、やはりなかなか新しい対策に取り組めないのかなという話になるのは、結果として出てきそうな気はしております。全くシャットアウトしてしまうということももちろんできないかとは思っております。

 

  • 川田委員 むしろ、そこの今策定しているパーセンテージ、実はそこそこいっていると思うんですよ。むしろ、先ほど言われた、今その中身を精査されておるということ、そこの方が問題なんだろうと思うんです。確かにこの2年間で産地計画をつくられたところもある。ただ、その中身が果たしてどうかという問題があって、その後、やはり新たに改良を加えるならば、その計画の一部変更または改良ということを認められるべきではなかろうかなというふうに考えております。やはり先ほどあったように、確かに余り考えていないなというようなものもあるし、非常にすばらしいなというものもあるので、やはりその辺の改良を加える必要があるのかなと。

 

  • 三野部会長 そのほか、何かございますでしょうか。

 

  • 木村委員 実際に生産者として、この産地協議会ができて、そして今の支援対策が生産者に向かって説明されたときに、はたと困ったなというのは、これは果樹だけの問題じゃないんですが、今、水田の問題もあって、非常に条件の不利なところが展開している果樹を、ずっと製造コストの低い平場へ移そうということで、ずっと我々は運動を進めてきたわけです。その平場へ行こうという形での支援対策が全部個人で、例えば傾斜地の条件の不利な場所を個人で、それに見合う分を反映して平場へ移さなければならないというような指摘をされてきたわけです。でも、そうなると、結果的にこうして担い手と認定された人たちが、果たしてその一つの目標に向かっていけるのかというような形で、私はそれも一つの矛盾じゃないのかなという感じがして見ていました。むしろ協議会の中で、もっと最近、市町村が合併して、非常に工夫がしっかりされていますかという、都道府県の中で全体的な面積をこれ以上増やせないんだよというようなことはあってもよろしいと思うんですが、全部個人でやってしまう、個人で全部終局してしまわなければならないというやり方では、なかなか生産者もそれを受け入れるのにはつらいなという感じがして、私は聞いていました。その辺のところもいろいろなことがあるんでしょうが、例えば個人対個人で1筆をとるとか、あの人のかわりに私がやりますという、そういうことも可能なのかどうなのかということも含めて、全体的な今の対策の中で、もう一度そこは内部で相談して欲しいなという感じがしております。

 

  • 三野部会長 ご意見ということですね。
    そのほか、ございますでしょうか。

 

  • 松本委員 この計画は長期的な計画で、当面は今年のみかんなどはおもて年ということで、夜温も低い、生理落下も余りないということで、多分17年度の出荷量も多い、安値というような、非常に生産者は生活にも困るというような状況もありましたけれども、やはり200グラム運動のもっと強力な推進ということができないんだろうか。国を挙げてというか、アメリカなどではファイブ・ア・デーなどの運動も国を挙げてされているけれども、なかなか生産者の中でも、国がそういう運動をされているということは浸透しておりませんし、研修会などに出てきた人だけが知るというような状況もありますし、消費者に対して、生産地の消費者は知らないというようなこともあります。そういうところをもう少し、小さいところでぼちぼちやるんじゃなくて、もっと国を挙げてやっていただけたら、果樹全般、野菜も含めて消費が伸びるんではないかという気がするんですが、特に今年はそれを強力にしていただかないと、消費が増えないんではないかという気がします。

 

  • 三野部会長 そのほか、ございますでしょうか。
    たまたま昨年は、うんしゅうみかん、特に露地うんしゅうみかんの価格がよかったですよね。あれは品質がよかったことと量が少なかったこと、その辺はどちらが、どういうような効き方になっていたか、見解がございましたら。

 

  • 福田課長 難しいご質問でございますけれども、基本的に果物というのは嗜好品的な要素もございまして、やはり品質がよくなければ、幾ら安くても買っていただけないということもございますし、逆に、品質がよければ高くても買っていただけるような要素がございまして、必ずしも量によらないところはあろうかと思います。ただ、全体で言うと、同じ品質のレベルで比べたときに量が多ければ安くなるということは当然あろうかと思います。そういうことで、品質の要素がかなり強いので、今は生産者サイドでも、相当選果場で光センサーできちんと糖度を分析した上で出していただくようなことに取り組まれておりますし、そういった取り組みの成果も、特に昨年産の場合は出てきつつあるのかなというふうには思っておりますけれども、やはり余り量がとれ過ぎたときには、品質が昨年並みで確保できるという保証も逆にございませんので、後ほどご説明いたします今年産の果実については、やはりある程度の量も絞っていかないと──ある程度といいますか、先ほど松本委員がおっしゃったように、相当絞らなければいけない部分もあろうかと思いますし、品質の面での取り組みがさらに重要だというふうに思っております。

 

  • 三野部会長 ありがとうございます。
    何か、そのほかございますでしょうか。

 

  • 川田委員 いいですか。いつも1人当たりの年間の果物の供給量の国際比較ってあるんですよね。これの見方がわかるようでわからないんですよね。例えば、同じ東南アジア圏はやはり少ないなというような感じがするわけなんですよね。オランダとかギリシャとかデンマーク、あの辺が非常に多い。表としてはどこが多いというのはわかるんだけれども、その意味付けというんですか、どういう要因で多くて、どういう要因で少ないんだというところら辺が、ちょっとぴんとこないんですよね。何となくはわかるんですけれどもね。

 

  • 福田課長 やはり国ごとの食習慣といいますか、食生活の中でどれだけ果物が浸透しているかということのあらわれじゃないかと思っておりまして、まさに食事の中、あるいはメニューといいますか、料理の中に果物が使われる。例えばジュースでいっても、朝食にまずジュースが出てくる国は相当消費量が増えるんだろうと思います。日本はなかなかそういうわけにはいかないと思いますけれども、ヨーロッパとかそういう国では、そういう朝食のジュースを始め、果物がそのまま食べられるのもそうでしょうし、乾燥したものやいろいろな形で、調理も含めて加工して食べられることで消費量、ここでは供給量になっておりますが、多いということだと思います。
    よく消費拡大の協議会などで学識経験者の先生方がおっしゃるのは、やはりヨーロッパとか何かは、日本に比べて身近なところに果物があるし、食事のメニューの中にも果物を使ったものも非常に多いということで、もっとそういう取り組みをやるべきだというご指摘もいただいておりまして、我々も、こういうパンフレットなんかでも、できるだけメニューとか、そういうものも折り込みながら、こういう食べ方もありますよというご提案もしたりしておりますけれども、なかなか食生活といいますか、食習慣に食い込んでいくのは時間もかかるんだと思います。先ほど松本委員がおっしゃったように、もっと取り組まなければいけないという気持ちももちろんあるんですけれども、なかなか成果があらわれていないというのが実態で、こういう日本の位置づけになっているのかなと思っておりますけれども。

 

  • 川田委員 先ほど松本委員からもあったように、やはり一つの果物を含めた消費拡大という、要は少ないところと多いところの要因がかなりはっきりすれば、それでは何をやればいいのかなという、消費拡大の中で消費宣伝を含めて、その辺のヒントがこの辺にどうもあるのかなと。やはりどっちかというと、生活がゆっくりしているところって結構食べていますよね。

 

  • 福田課長 ゆとりでございますか。

 

  • 川田委員 忙しいところは余り食べていないというところもあるし、確かに消費地がある、生産地があるというところ。それから、あとは所得との関係もある。日本は所得が高いのに少ないということから見れば、ちょっとほかの要素があるのかなというような感じもするので、やはりその辺を一回、先生方がおられているんだから、ひとついろいろ研究していただいて、有効的な消費拡大の方法なりをお願いしたいなと思います。

 

  • 三野部会長 じゃ、ちょっと時間的にもあれですから、お二方ぐらいで締めさせていただきます。

 

  • 梶浦委員 それに関連して、将来の適正な消費量を1人当たり増やさなければいけないんですが、それを議論するときに、人口は減ります、高齢化します、胃袋が物理的に小さくなります。そこが計算に入っていないんです。1人頭食べてもらわなければならないんですが、同時に母数としてはどんどん減っていくわけです。そこをどう読むのか、これは大変難しい問題だろうと思うんですけれども、将来の課題としてあるんじゃないかと思うんです。

 

  • 三野部会長 大変重要なご指摘だと思います。

 

  • 福田課長 そうですね。特に若年層の消費が低いわけですから、またそこがどんどん高齢に向かわれたときに、今のままいくとさらに減るというようなことになろうかと思います。

 

  • 三野部会長 そのほか、何かご指摘いただくことがございましたら。

 

  • 武井委員 ちょっと売る方からお尋ねしたいんですが、まず、このうんしゅうみかんの適正な見通し。この数字を出すに当たって、いつの時点の状況を見ておいでになっているのか。

 

  • 福田課長 これは、それこそ需要サイドで言えば、最近の推移といいますか、トレンドも見ながら、まさに現時点で議論をしますし、それから、生産の状況も最近時点、5月時点の情報に基づいて作らせていただくということでございます。

 

  • 武井委員 この数字が毎年毎年出していただいて、現実の動きというのを見ると極端な違いが生じてくる。昨年は天候の異変、いろいろありましたけれども、我々売る方はてんてこ舞いの状況でした。出荷対策がもう話にならないぐらいの例年にない乱れだったわけですけれども、要は、量が少なくて内容が良くなると、おのずと需要もある程度は出てくる、こういう状況の中にあります。この皆さんが出していただいたこの見通し数量、これが、例えば開花状況その他の中で5月か6月頃見たというならば、例えば現実に出荷が行われる9月ないし10月ごろ、もう一回現状の中で見て出していただけないかなと、こういうふうに思うんですけれどもね。そこの段階ですと、現実についているものがどのぐらいということが結構出てくるんじゃないかというふうに思うんですよ。
    我々も今、ただ八百屋さんや何かで売っているんじゃありませんので、予約的に販売をしていますので、どうしても産地を通して今大切なんです。現実、数や何かでも日園連なんかや各単協さんからの情報をいろいろとりますけれども、これは価格の中で必ずしも正確に教えてくれるとは限らないですね。昨年は随分苦慮しました。だから、もう少しあるよというところと、いよいよないよというのが後から出てくるとかね。これはカラカラ動きがあるんでしょうけれども、国として、もう一回ぐらい、年2回ぐらいは見通しをやっていただいてもいいんじゃないかなというふうに思うんですよ。

 

  • 福田課長 適正生産出荷見通しということで言えば、その年の、実際にいろいろ摘果作業等が始まる前に見通しを出して取り組みを進めていただくというふうに、まさにこの時期に出すべきものだと思っておりますが、武井委員がおっしゃっているような、実際の気候の推移等でどういう状況になっているかといった情報をきちんと提供申し上げて、それに対して、それぞれの立場で適切に対応していただけるようにすべきだということだと思っております。必ずしも国自身が出しているということではございませんけれども、農業団体等の情報提供を私どもも行政サイドにもつないだり、広くお知らせするようなこともやっておるつもりでございますけれども、これからもきちんとやっていきたいと思いますし、実際上、刻々生産量の見通し等も変わっていくわけでございますので、そういった情報提供を今までよりも広く、またできるだけ詳しくやっていくようなことで取り組みを進めていきたいと思います。
    今のような形の適正生産出荷見通しをまた秋にというのも、実際、作業等も終わってしまって出荷をされる段階になるわけでございます。出荷の調節という意味では、特に農業団体サイドで適正出荷量に合わせた形で、時期も見ながら出されるような指導をされるわけでございまして、行政の方もそれを情報をいただいて情報提供することは、もちろん行政ルートでやることは可能でございますけれども、全く同じようなものをもう一回ということはなかなか難しいかなと思います。ご意見として、できるだけ情報提供をせよということで受けとめさせていただければと思います。

 

  • 武井委員 自然を相手にしていますので、台風が1つ来れば、今まで100だったものが一気に50になることもあり得るわけですね。そういう情報を的確に早く我々はつかんで販売に結びつけていかないと、おのずと生産者に対しての価格の問題が出てくるわけですから、できるだけ正確な情報をいただきたいなと思うんですが。

 

  • 福田課長 わかりました。ご要望として受けとめさせていただきます。

 

  • 三野部会長 それでは、本日の主要な課題でございます適正生産出荷見通しと適正生産量見通しにつきまして、事務局より資料5、6によりまして説明をいただければと思います。

 

  • 福田課長 先ほどの武井委員のご意見は、まさに今年の適正生産出荷見通しの案につきまして関連する話でございましたが、うんしゅうみかんとりんご、それぞれに資料5、資料6で用意させていただきました。
    まず、うんしゅうみかんの方でございますが、資料5にございますように、平成19年産のうんしゅうみかんの適正生産出荷見通しにつきましては、予想生産量を、現時点といいますか、5月時点で行政ルート、あるいは農業団体ルートでいろいろ情報を収集いたしまして、今のところの予想ということで立てておりますのが110万トンから113万トン程度ということでございます。

    一方で、適正生産量、これはその次の適正出荷量、具体的には生食量でどのぐらい出荷をされ、加工原料としてどれだけ出荷されるのが適当かというのは、これはまさに需要量に基づいて算定をしております。次の裏を見ていただければ、参考にございますが、参考のところの2のところにございますように、適正生産出荷量の需要量ということで、1人当たりの純食料の推計値をもとにいたしまして、需要量107万トンということで見ております。この需要量に合わせる形で適正生産量は107万トンでございます。このうちの95万トンが適正出荷量というのは、この2の(3)のところにございますように、これは最近のトレンドということでございますが、用途別の出荷量比率を基にしまして出しているところでございます。
    この表に戻っていただきまして、資料5の2のところにございますように、生産出荷量が適正生産量、適正出荷量となるように調整するために必要な措置ということで、適正生産量107万トンを予想生産量が上回っておりますので、生産または出荷を行う者及びこれらの者の組織する団体の措置ということで、需要量が107万トンと見込まれる一方、おもて年で現時点で予想生産量が110ないし、113万トン程度と見込まれるということで、当該需要量を上回るという予想でございます。全国段階、府県段階、産地段階で生産出荷目標を策定していただきまして、計画的な生産出荷に取り組んでいただくということでございます。
    計画的な生産は、アのところにございますように、隔年結果の是正、あるいは生産量の調整効果の高い摘果等に取り組んでいただく。それから、高品質果実の生産に努めていただく。それから、極早生品種が特に量的にも多い状況がございまして、需要に見合った生産に努めていただくということでございますし、計画的な出荷、イのところにありますように、出荷品質基準の徹底によりまして、高品質果実の出荷に努めていただく。それから、加工用原料果実につきましては、長期取引契約による安定的な取引に努めていただくということでございまして、計画的な生産出荷の実施に資するための所要の事業を進めていただくということでございます。
    それから、りんごでございますが、資料6の方でございますけれども、19年産りんごの適正生産出荷見通し。こちらの方もみかんと同様の推計をしておりまして、予想生産量で86万トン程度、一方で、適正生産量の方は需要量から割り出しております86万トンで、適正出荷量としては77万トンを見込んでいるところでございます。こちらりんごの方も、これは適正生産量、予想生産量はほぼ同程度なわけでございますけれども、その量でいかないと逆にまた問題になるということでございますので、この見通しに基づきまして、全国段階、道県段階、産地段階で生産出荷目標を策定していただきまして、計画的な生産、それから計画的な出荷に努めていただくということでございます。
    ちょっとはしょらせていただきましたが、基本的には、みかんについても、おもて年でありました17年産と同程度ぐらいの生産予想、それから、適正生産量については昨年と同程度、それからりんごについても、これは隔年結果がございませんので、昨年と同程度の見通しということでございます。

 

  • 三野部会長 ありがとうございました。
    ただいまの事務局からの説明につきまして、ご質問なりご意見をお願いいたします。
    なお、ただいま説明を受けましたように、平成19年度産うんしゅうみかん及びりんごの適正生産出荷見通し(案)につきましては、この部会の委員の方々のご意見を踏まえ策定することとなっておりますので、ぜひ忌憚のないご意見等をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
    いずれも、特に今年度、需給のギャップが大きくないようですが。

 

  • 福田課長 極端に大きいわけではございません。みかんは多少ございますが、先ほど松本委員のお話にもありましたように、適正な摘果作業等は当然やっていただいて、高品質なものの生産に努めていただく必要はあると思いますけれども、指針の発動というような大きなギャップではないということだと思っております。

 

  • 小田切委員 特にうんしゅうみかんの需要量について確認をさせていただきたいんですが、107万トンという数字は、平成18年度も同じ数字ですね。それで、14と15、16と17年産と、それぞれ同じ数字が並んでいるわけなんですが、要因別に考えると、去年と需要量が同じだというふうに考えている決定的な要因といいましょうか、例えば輸出が少しはふえているから同じというふうに踏んでいるんだとか、その辺の説明としてはどうなるのか。つまり、トレンドといいましょうか、計算した結果が同じだというのは大変よくわかるんですが、これを外に向かって説明していくときに、なぜ昨年と同じなんだという、より積極的な説明といいましょうか、それが必要とされていると思うんですが、そこをあえて強調すればどういうところになりますでしょうか。

 

  • 福田課長 そうですね。実際の出荷量にしても、昨年で見れば適正出荷量よりも大分下回ったわけでございますので、実際のところの需要量がどこにあるのかというのは、なかなか難しい部分もございますが、いろいろ数字を突き合わせて見ていけば、特別これまでと情勢として変わっている大きな要素はないんだろうということで、基本的には需要量は同程度と見込んでいるということでございます。お話にありましたような輸出量の話につきましても6,000トンを見ておりますけれども、これが大幅に2倍、3倍にどんどん増えるというような話が言えれば、それはもちろん需要量が増えるというような話で書き込めるわけでございますが、そういう状況というわけでもございません。そういう意味では、逆に大きく変わる要素が余りないということで、消費量も本当は増えていかなければいけないんですが、それも大きく増えるということが今すぐ見込めるような要素もないし、逆に減る方も、そういう意味で言うと、極端に昨年量が少なかった部分は価格が高くなったことで、需要がそれほど減退して、品質がよくても買っていただけない状況でもないというふうに思えますので、いろいろな要素はございますけれども、これまで算定してきたような要素を使って需要量を見込んでいたのを、手法なり、あるいは数字なりを大きく見直すような部分というのは特別見当たらなかったということで、結果的に同じようなレベルの需要見込みになったということかと思っておりますけれども。

 

  • 小田切委員 確認させていただきますが、先ほど申し上げたように、同じ数量が2年間続いて4万トン下がるという、そのことが続いているわけなんですが、これは別に何か特別なシステムとして背景があるということではないですね。たまたま計算した上でそうなっているんだという、そういうことでよろしいでしょうか。

 

  • 事務局 特別そういうシステムがあるということではございません。特におもて年になりますと、結構価格の下落というものが生じたりします。ですから、やはりそういった次の年になりますと、そういったものも含まれた上で、ある程度判断せざるを得ない。そこは当然トレンドをとりながら計算をしてきておるんですけれども、そういったことも加味しながら需要量をはじいていくということですので、これまでもおもて年の次の年に4万トン下がってきているというような形になってきてございます。

 

  • 冨士委員 27年の基本方針のいわゆる目標との何か整合性みたいなものは。

 

  • 福田課長 もちろんトレンドを見れば、27年はみかんは大分減る話になっていますので、多少は減っていくようなことという意味では、トレンドにきちんと乗っかっている話だと思います。具体的な数字を、ご紹介します。

 

  • 事務局 27年の年で91万5,000トンということで、みかんについて出させていただいております。これは、策定時点からトレンドを27年に向かった引いた線上に、まさに今年の見通しがほぼあるというような状況でございます。ですから、見通しの方向とほぼ一致しているということでございますので、将来的な目標ということからの整合も、今回の需要の見通しは図られているということは言えるかと思います。

 

  • 三野部会長 いかがでしょうか。環境の変化からして、それほど積極的な変化はないというお答えだと思いますが、見通しですから大変難しい。

 

  • 松本委員 この平成17年度の生産実績が113万トンで、19年度の予想量が113万トンです。需要量は107万トンということですけれども、平成17年度は価格の暴落がすごく激しかった年ですし、いろいろな要素が絡んでくるので、需要量と価格の差というのが、もうそのときにならないと分からないというところがすごく大きいと思うんですね。ですから、需要量はこの程度というのは、もう仕方がないとしても、例えば価格が暴落したときに緊急避難的に果汁をどんどん絞るというような、そういうことの方にやはり加工仕向けで、今年は補助金が半分出て34円ぐらいになるだろうということで、そういったことを強力に進めていただきたい。そっちの方が大切なんではないかという感じがするんですね。本当に環境の要素がすごく大きいですから、そのときにならないと品質もわからないというところもある。もちろん生産者もいろいろな、例えばマルチを敷くとか糖度を上げる努力というのはもちろんしているんですけれども、それでもなかなか対応できないという、気象状況には負けるというところがありますので、そのときになったときの対策というのを、やはり出してもらいたいという気がします。

 

  • 福田課長 先ほども消費拡大の取り組みを強く進めるようにというようなご意見もいただきましたし、お話もよく理解できたわけでございますが、基本的に、国としてこういう数字をお示ししたり、あるいはいろいろな取り組みが必要だということで、団体の方とも相談をしながら全国レベルで進めさせていただきますので、これから各県なり産地段階で、まさに17年産と同じような価格の推移になっては困るという意識で取り組みが進むように、私どもも働きかけをしていきたいと思います。

 

  • 川田委員 今年のポイントは、やはりここの後から出てきているところの計画的な生産と計画的な出荷というところだろうと思っています。確かにおもて年ということで、そこそこの生産量があるだろうというのは全国的な見方だし、そのとおりだろうと思います。その中で、17年産がどうなるかという問題は、実は17年産については、やはりみかんの内容が、非常にある意味では十分でなかったというようなことがあります。そうなりますと、かえって消費が伸びない。価格は安くなるけれども消費が伸びないという現象が現実に起こってきている。
    昨年産を見ますと、生産量が少ない中で、みかんについては、どこのみかんを食っても非常にうまかったわけですよ。ということは、価格帯的には末端価格はかなり高くなったわけだけれども、かなり消費は足らないぐらいの動きをしたということなので、実は、昨年の消費者はみかんについて非常にいいイメージを持っている。要は、今年のみかんの内容が、消費者が去年と同じイメージを持って買う品質に作り上げていくかどうか、やはりここが今年の一番のポイントなのかなと。生産量はもう100万トンそこそこですから、もう360万トンから4分の1ぐらいになっているわけですから、ほかのものが増えたとはいえ、まさに果物の世界というのは、その辺がやはりポイントなのかなと。そのための、以前からやられておる糖度の上がりにくい、品質の上がりにくい品種については換えていこうということは継続してやらなければいけないけれども、当然需給バランス、ことしの単年度の調整もやるということが必要ではなかろうかと思います。

 

  • 三野部会長 そのほか、ございますでしょうか。大変難しい問題ですが。

 

  • 福田課長 今の川田委員のご意見も、先ほどの松本委員のご意見と同様かと思いますけれども、これからも取り組みの中でそういった意識を持ちながら各段階で取り組むように、私どももいろいろな形で働きかけていく、また情報提供もさせていただくようにしようと思っております。

 

  • 川田委員 それと同時に、やはり試験場の方が、毎年どんな作り方をしてもうまいみかんができるようなものを、ひとつ開発していただければ、気象で余り変化しないというようなものができればいいんじゃないかなと思います。

 

  • 平野委員 前、甘いみかんがまだそんなになかった時代には、売っているところに、甘いみかんのときには「甘い」なんていう札が立っていたりして、「ああ、じゃ、甘いなら、ちょっと高いけれどもこれを買っていこうかしら」ということがあった記憶があるんですね。今は全部が甘いというふうに消費者は思って買うので、その甘いと感じるかどうかは個々人の差があるんですけれども、思ったより甘くなかったなと思うと、「ああ、これじゃない方を買えばよかった」と後悔してしまう人が出てくると思うので、糖度というのをきちんと表示してあるところとないところとあるので、その辺、売り場に表示していただけたらありがたいなというのがあります。果物によって、かなりきちんと表示してあるものと、そうでないものとあるような気がします。
    それから、先ほど松本委員から、消費者の方へのアピールというのをもっとした方がという話がありました。この冊子なんですけれども、「毎日くだもの200グラム」これを、去年、私が今通っている武蔵野大学の学生さんに授業の中で配ったら、「わあっ」と受け取ったときに喜ばれまして、まずこれ、何かとても喜ばれる体裁になっているようです。それで、まだ中を見ないでも、うれしいという雰囲気が伝わるんですね。それで、いろいろ解説を10分ぐらいかけてしましたら、「へえ。1日200グラムとるのがちょうどいいんだ」とか、皆さん感心して聞いてくれたんです。それで、こういったものを最近大型マーケットに買いに行くご家族に──もともと家族連れで行くんですよね、お子様連れで。そういったところの果物売り場にもっと置いてもいいんじゃないかと思いました。
    それから、あるマーケットでは、果物売り場のところに歌がかかっているんです。そこはもちろん、キノコ売り場のところにキノコの歌がかかっていて、お魚売り場ではお魚の歌がかかっている。その果物の売り場の歌が、何回かやはり行っているうちに覚えてしまう歌なんですが、果物の名前ばかり列挙してあるんですよ。2コーラスか3コーラスの中に果物が何種類入っているのかわからないんですけれども、ちょっとテンポが速いので、キノコやお魚は聞き取れるんですが、ちょっと果物だけ聞き取りにくいんですが、その中に、よく聞いていると、1日200グラム食べようというせりふというか、詞が入っているんですね。できれば歌詞カードを簡単なものでいいから置いておくとか、ちょっとパネル、ポップか何かをお店に頼んで置かせてもらうとかすると、「この果物の中でまだ食べていないのはどれだろう」とか、「君はこの中で幾つの果物を食べたかな」なんていうことなどを親子で話し合いながら、まだ食べていない果物を手に取るとか、そんな果物への親しみということにつながるのではないかと、そんなふうに思いました。既に発行されているもので、割合喜ばれるものというのがあると思いますので、ぜひ活用していただきたいと思ったんです。
    それと、長くなっちゃってごめんなさい。ちょうど、私が昨日、関西に出張するということをインターネットで知ったという中国四国農政局の方が、出張先に、出張に合わせて送ってくださった漫画の本がありまして、どっさりと9冊送ってくださったんです。ご存じですか。私、知らなかったんですよ。これなんですけれども、宅急便で。それで、漫画でできているんですが、これが、よくスポーツ根性ものとか職人かたぎものとか、漫画はいろいろありますが、これはまさに職人かたぎものというか、果物をつくるときの苦労話が、鳥取ナシとか、例えばユズの話とか、9冊出ているんです。こういったものをもっと全国的にシリーズにして配るとか──これは販売しているのかしら──それこそ果物を家族で買いに行くような大型マーケットの果物売り場に置くとか、それでみかんならみかんのそういう苦労話──苦労話といっても、これはすごくさわやかなんですね。何か一つ一つ問題を克服していくという漫画で、そういったものを置いておくと、今度は子供たちも読むようになるんじゃないかなんて思ったりします。消費者との接点ということでいうと、そういったアピールなども考えてもいいのではないか。9冊で、中国四国のお話だけだと、どうしても全国的なものになっていかないので、全国通しのシリーズがあったらと思います。

 

  • 福田課長 今年度の取り組みについても、今、いろいろ今年度から来年度に向けて取り組みをどうやっていくかというような議論もしておりますので、その中で、今のご意見を参考にさせていただきたいと思っております。ありがとうございます。

 

  • 三野部会長 予想生産量と適正出荷見通しにつきましてはいかがでしょうか。

 

  • 冨士委員 もう皆さんから出ているので、私も同じですけれども、数字としてはこういう見通しでやむを得ないんじゃないかと思いますが、松本委員がおっしゃったように、やはりどういう気象変動があるか、実際に出来秋になったときに、どのぐらいの品質のものがどれぐらいできるかということが大事なので、その場合には、緊急需給調整など機動的な対応方策もしっかりやっていただきたい。その辺は非常に大事だと思います。
    将来的には、皆さんからも出ておりますように、人口が減るとか、少子・高齢化になって国内のパイは確実に小さくなっていくという中で、消費拡大や、輸出が重要だと思います。りんごなどは、数字を見ると2万6,000トンということで、かなり意欲的な輸出の数字を掲げていますけれども、この間、南九州の人から聞くと、ソウルまでの距離と大阪の距離が一緒だと。それから、南九州から東京までと上海までの距離が一緒だというんですね。そういう意味では、東アジア圏というのは、大阪、東京と同じような距離感にあるので、そういう距離感での輸出というのも十分考えられるんじゃないかと。そういう意味で、国内のパイが小さくなる中で、国内の消費拡大も大事ですし、輸出というのもやはり意欲的にやっていくような支援対策を協議していただきたいと思います。

 

  • 三野部会長 いかがでしょうか。予想と、予想が外れたときに、いろいろ緊急対応という2つの問題があって、それをあと、実際の情報をどういうふうにうまく適用するかということと、ここで適正出荷見通しをどういうふうに定めるかという、お互いに補完しないとうまく出てこないと思いますが、特に後者の、もしうまく当たらなかったときにどうするかということが非常に重要じゃないかというご指摘でございます。
    数値そのものにつきまして、何か特にご異議等がございますでしょうか。この19年度の予想生産量と適正出荷量、目標数値でございます。これについては、やはりこのような形でやむを得ないということだと思いますが、それに対して、当然いろいろな気候の問題とかがありますので、これがうまく当たらなかったときのいろいろな対応措置もこれから十分検討いただきたいというご意向と、それから、将来にわたって、やはり長期的にいろいろトレンドがあるでしょうから、その辺については、これは先の問題、前半の問題だったと思いますが、途中で打ち切ってしまいましたので大変あれですが、いろいろご意見をいただいたということになろうかと思います。
    特に、この19年産うんしゅうみかん及びりんごの予想生産量及び適正生産出荷量、この数値でご異議がございますでしょうか。もしご異議がございませんようでしたら、この見通し案につきまして、本部会の議論を踏まえまして、農水省の方で最終調整を行った上で策定、公表していただくということでよろしいでしょうか。
    〔「はい」の声あり〕

 

  • 三野部会長 ありがとうございます。
    それでは、本日の審議事項については以上でございますが、もし事務局から何かございましたら、よろしくお願いいたします。

 

  • 福田課長 本日は、いろいろありがたいご意見をいただきまして、熱心にご討論いただきましてありがとうございました。先ほど部会長からお話がございましたように、平成19年産のうんしゅうみかん及びりんごの適正生産出荷見通しにつきまして、今お出ししている案のとおりということで、本日午後を目途に公表をしたいと考えております。事務的な手続を終え次第、公表させていただきたいと思っております。
    それから、いろいろご意見をいただきましたので、今後の対応の中でご意見に十分対応できるように、私ども、関係者ともよく相談をしながら進めて参ることにしたいと思っております。
    あと、今日の部会の概要、いろいろご意見等をいただきましたが、後ほど部会長にご確認をいただいた上で、概要版を今週を目途に農林水産省のホームページに掲示をしたいというふうに思っております。
    それから、具体的なご意見を含めた詳細な議事録につきましては、前回同様でございますけれども、後日委員の皆様方にまたご確認をいただいて、その上で農林水産省のホームページにまた掲載をさせていただくという手続を進めてまいりたいと思いますので、よろしくご協力方お願いをしたいと思います。
    本日は、大変ご多忙のところご出席をいただきまして、どうもありがとうございました。これにて果樹部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


午前11時55分  閉会