このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

食料・農業・農村政策審議会果樹部会 第1回(平成26年6月30日) 議事録

  • 印刷

日時及び場所

平成26年6月30日(月曜日) 15時30分~17時25分
農林水産省本館7階 第3特別会議室

概要

菱沼課長
定刻になりましたので、平成26年度第1回食料・農業・農村政策審議会の中の果樹部会でございますが、開催させていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中、本日ご出席を賜り、誠にありがとうございます。
私、当部会の事務局を承っております園芸作物課長の菱沼でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
本日の会議ですが、蒸し暑い中でございますので、軽装ということで、ノーネクタイ、ノー上着で進めさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず初めに、生産局長の佐藤より委員の皆様へ挨拶を申し上げます。

佐藤生産局長
生産局長の佐藤でございます。
平成26年第1回食料・農業・農村政策審議会果樹部会の開催に当たりまして、一言ご挨拶申し上げます。
本日は、大変お忙しい中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。
さて、農林水産省におきましては、林農林水産大臣のもと、攻めの農林水産業ということで、新たな施策の展開に努めているところでございます。
このような中で、本日議題となっております果樹ですが、いろいろな取組がなされているところでございまして、この日本の強みを活かせる重要な品目というふうに考えているところでございます。
この果樹農業につきましては、いろいろと事務方の方からご説明がございますが、優良品種への転換、あるいは未収益期間への助成といった種々の支援措置を講じているところでございますが、今日、流通の皆さん方にもお入りいただいておりますが、いろいろな変化が出てきており、この変化にしっかりと対応していく必要があるというふうに考えているところでございます。
農政の基本方向につきましては、食料・農業・農村政策審議会の企画部会におきまして議論がなされておりまして、先週にも企画部会の先生方におきましては種々ご議論を賜ったところでございますが、果樹農業振興基本方針につきましても、同じように、5年ごとに見直すことになっておるところでございますので、どうかいろいろな忌憚のないご意見を賜りまして、しっかりと基本方針の策定に務めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いたします。
簡単ではございますが、ご挨拶にかえさせていただきます。
本日はどうもありがとうございます。

菱沼課長
それでは、本日の資料のご確認をお願いしたいと思います。
まず、皆さんのお手元にあります、事前に送付した資料を提出しておりますが、まず議事次第がございまして、次に配付資料一覧がございます。
配付資料は、資料1から資料4-3でございます。
足りないものがございましたら、係のほうにお伝えください。
資料1には、当部会の委員の皆様の名簿、資料2には、当部会開催に係る根拠法令や規定が書かれております。
随時ご参照いただければと思います。
資料3から資料4-3につきましては、これから議事において事務局のほうから説明させていただきたいと考えております。
よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。
欠落等ございませんでしょうか。
それでは、続きまして、第1回目でございますので委員の皆様のご紹介をさせていただきたいと思います。
まず、事務局左手のほうから順にご紹介させていただきたいと思います。
まず、安齋委員でございます。

安齋委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、香高委員でございます。

香高委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、松本委員でございます。

松本委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、三石委員でございます。

三石委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、山口委員でございます。

山口委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、横田委員でございます。

横田委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、大西委員でございます。

大西委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
空席になっておりますが、本日は葛西委員がやむを得ないご都合ということでご欠席でございます。
続きまして、鈴木忠委員でございます。

鈴木(忠)委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、鈴木敏行委員でございます。

鈴木(敏)委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、田中委員でございます。

田中委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、徳田委員でございます。

徳田委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、橋本委員でございます。

橋本委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、林委員でございます。

林委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、深澤委員でございます。

深澤委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、福士委員でございます。

福士委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、松田委員でございます。

松田委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
続きまして、三森委員でございます。

三森委員
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
続きまして、薮野委員でございます。

薮野委員
よろしくお願いします。

菱沼課長
どうぞ皆様よろしくお願いいたします。
続きまして、部会の成立等につきまして、事務局のほうからご説明させていただきたいと思います。
資料2の3ページをお開きいただきたいと思います。
食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項に基づけば、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上が出席しなければ会議を開き、議決することはできないとされております。
本日は、委員及び臨時委員19名の方々でございますが、そのうち18名にご出席いただいておりますので、本部会は成立していることを確認いたします。
以上でございます。
続きまして、議事3の部会長の互選でございますが、部会長を選出していただく必要がございます。
これも資料2の3ページでございますが、食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項をご参照いただきたいと思います。
本規定によりますと、当部会の部会長の選出は委員の互選によることとされております。
つきましては、部会長を務めていただきたい方についてどなたかご意見がありましたらご発言をお願いしたいと思います。
大西委員お願いいたします。

大西委員
大西でございます。
食料・農業・農村政策審議会の本委員であられ、かつ農業食品産業に幅広く精通されておられます三石先生にぜひお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

菱沼課長
ただいま、大西委員から三石委員に部会長をお願いしてはどうかとのご提案がございました。
ご承認いただけましたら拍手をお願いしたいと思います。

(拍手する者あり)

菱沼課長
拍手をいただきましたので、委員の互選により、三石委員が部会長に選出されました。
それでは、三石委員、部会長席にお移りください。
よろしくお願いいたします。

(三石委員、部会長席に着席)

菱沼課長
ここで三石部会長からご挨拶をいただきたいと思います。
ご挨拶をいただいた後、議事進行は三石部会長にお願いしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

三石部会長
座ったままで失礼させていただきます。
宮城大学の三石です。
よろしくお願いいたします。
先ほど、佐藤生産局長からご挨拶にありましたとおり、果樹については、日本農業の中でも非常に重要な分野だと認識しております。
私自身は、農家で育ったわけでもなく、仕事としての、あるいは消費者としての農業を知っているに過ぎません。
従いまして、皆様のさまざまなお知恵をいろいろ聞かせていただいて、その上で将来につながるよい基本方針をぜひ一緒に作っていきたいと思いますのでご協力をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。
それでは、これから私のほうで議事を進めさせていただきます。
まず、資料2の3ページにございますが、食料・農業・農村政策審議会令第6条5項の規定によりますと、部会長の職務を代理する委員については部会長があらかじめ指名する形となっております。
このため、私のほうから、臨時委員であります徳田委員を部会長代理として指名いたしますので、よろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。

徳田委員
はい、お願いします。

三石部会長
それでは、徳田部会長代理、よろしくお願いいたします。
では、議事のほうに入りたいと思います。
本日の議題は3つあります。
1つ目が果樹農業振興基本方針に係る諮問、それから、2つ目が果樹をめぐる情勢、それから3番目がその他の、3点となります。
まず議題の1の果樹農業振興基本方針に係る諮問については、農林水産大臣からの諮問がございますので、事務局のほうから説明をお願いいたします。

菱沼課長
それでは、果樹農業振興基本方針について、資料2の7ページにございます果樹農業振興特別措置法第2条第3項をご参照ください。
本規定に基づきまして、果樹農業の振興を図るための基本方針を定めるに当たりまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に対して諮問を受けておりますので、諮問文書を手交いたします。
この諮問につきましては、今後、果樹部会においてご審議いただき、最終的には農林水産大臣宛てに審議会会長名で答申を行うということになります。
それでは、佐藤生産局長から三石部会長への諮問文書の手交をお願いいたします。
恐縮ですが、写真撮影もさせていただきたいと思いますので、ご移動いただき、こちらで、手交をお願いしたいと思います。

佐藤生産局長
平成26年6月30日
食料・農業・農村政策審議会会長殿。
農林水産大臣林芳正。
果樹農業の振興を図るための基本方針について。
(諮問)
果樹農業振興特別措置法第2条第1項に基づき果樹農業の振興を図るための基本方針を定めるに当たり、留意すべき事項について、同条第3項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
よろしくお願いいたします。
(諮問)

菱沼課長
ただいまお渡しいたしました諮問文書の写しでございますけれども、配付資料4-1としてお配りしておりますので、ご確認ください。
事務局からは以上でございます。

三石部会長
どうもありがとうございました。
諮問事項である果樹農業の振興基本方針について、これからご審議をいただくにあたり、最初に事務局から近年の果樹をめぐる情勢について説明いただき、その後、ご質問ご意見をいただこうと思います。
それでは、事務局より説明をお願いします。

菱沼課長
本日は、第1回目ということで、果樹の分野は多岐にわたっております。
生産、流通、加工、消費、さらには輸出もございまして、さまざまな分野にわたっておりますので、まずは共通認識といいますか、最近の情勢について事務局のほうからご説明させていただきたいと思います。
資料は、横の資料3の果樹をめぐる情勢について、説明させていただきます。
まず、表紙を開いていただきますと1ページから始まりますが、私ども生産局は、さまざまな生産品目を扱っております。
米、麦、大豆から、果樹、野菜、花といったさまざまな品目がございますけれども、一般的に品目の説明をさせていただくときには、生産から話に入っていきますが、果樹については、嗜好性の高い品目でありますので、川下の消費からご説明させていただきます。
まず1ページでありますが、嗜好品ということで、お菓子やジュースと競合関係がございます。
それは、右の上のグラフでございますし、1年1人当たりの供給純食料についても、果実については横ばいであり、ほかの嗜好品との競合関係があるということでございます。
さらに、話題性が高い食品でありますので、例えば下のほうに2つ載せておりますけれども、左ではバナナであります。
右ではぶどうということで、バナナについても、ダイエットが話題になりますと急に伸びてくると、やはりぶどうについてもポリフェノールがあるという話題になりますと急に消費が伸びるといった傾向があるということでございます。
資料をめくっていただきまして、果実の需給構造ということで、この需給構造につきると言いますか、これをごらんになっていただくと果樹振興をどのように進めていくのかというのが分かるかと思います。
左の帯グラフが3つございますけれども、一番上のほうがまず国内と輸入の割合ということで、自給率は37%と、国内生産はほとんど9割が生鮮用に作っています。
その生鮮用のうち、うんしゅうみかん、りんごで5割と、あとはその他さまざまのものが作られています。
したがって、国内の場合については、生果中心で動いているということでございます。
一方、輸入はどうかと言いますと、生鮮用では約4割でありますけれども、過半の部分がフィリピン産のバナナということで、バナナは日本では作れませんので、このように輸入されています。
輸入については、6割が果汁等の加工品ということで、これも原料は安いブラジル産のオレンジ果汁であったり、中国産のりんご果汁が半分近くを占めています。
今後は、人口が減る中で、需給構造のこの帯が小さくなっていくわけでありますが、一方、簡便性とか、利便性を求める消費者の中で、果汁のような加工品のニーズが非常に高まってきて、加工品へのシフト、消費シフトというのが増えてきているということでございます。
3ページでありますが、その摂取量についてご説明させていただきますけれども、大体1人当たり1日110グラム、本当であれば200グラムというところで、200グラム運動をしておりますけれども、なかなかそこにとどかないということで、左の棒グラフでございますけれども、真ん中のところが特に少ないということで、特に30代の落ち込みというのが非常に大きい状況になっております。
若者に、実際どういうものが求められているかといいますと、左の下のほうでございます。
世代別の果実摂取形態とありますけれども、20代、30代におきましては、やはり生果よりも果汁といった加工品が中心に食べられております。
50代、60代、シニアになってくると、生鮮果実が中心になってきます。
品目別の購入量の推移として、右のほうにグラフを載せておりますけれども、品目によって人気商品の登場等により購入量に浮き沈みがあります。
最近ではグレープフルーツについては随分落ちてきて、オレンジが年々伸びてきております。
糖酸度のバランスのいいものが好まれるということで、やはり嗜好性の非常に高い品目でありますので、こういうような浮き沈みが出てきているということであります。
4ページでありますが、購入の理由ということで、やはり果実を食べる理由と言いますのは、健康に良いからという理由が多くなっておりますが、最近の果実の購入時の判断基準ということで、左の下にございますけれども、これまでは、高品質な果実という判断基準がありましたが、最近の判断基準というのは商品の値頃感です。
それに加え、どこでもすぐに買えるということで、コンビニなどでの購入も判断基準に上がってきております。
昔は袋や、りんご箱やみかん箱で多く買っていたけれども、適量を買えるということと、ごみが出ないということも判断基準となっております。
また一方、果物と健康に関する研究も進んでおりまして、うんしゅうみかんでは、β-クリプトキサンチンという機能性成分が入っていることや、りんごについても、りんごペクチンといったもののほか、さまざまなものが健康に良い、機能性成分の高含有商品の開発や販売が行われているということが紹介されてきております。
続きまして、5ページでありますけれども、流通構造の変化になります。
これは、左の上に、業態別の事業所数を載せておりますが、いわゆる町の果物屋さんが減少する中で、豊富な品揃えができるスーパーやコンビニといった小売店が増えてきております。
実際、コンビニで誰が買っているかと言いますと、やはり右の上のほうにございますように、平成元年には、簡便性、利便性ということで、若者を中心にコンビニを利用していたわけでありますけれども、ここ最近になりますと、50代以上のシニアの方々が中心に購入されています。
したがって、こういったシニア層について、どのように流通させていくのかということがテーマになっておりまして、小口化や簡便化といった安定した品質を値頃感のある価格で提供していきたいということでございます。
流通構造が変化しており、右の下に書いてありますが、同じように、小口化・簡便化といったさまざまな取組をこれからしっかりやっていく必要がございます。
6ページでありますが、今まで我々はどのようなことを行ってきたかといいますと、流通・消費に対応した消費拡大対策として、200グラム運動ということで、1日200グラムを目標に食べましょうという取組を行ってきました。
しかしながら、先ほど申し上げたように、200グラムには届かず、特に働き盛りの方々が食べてないという現状でございます。
加工品のニーズや購買形態といった情勢が変化してきており、さらには機能性成分といったものが出てきており、新しい総合的な消費拡大対策ということをしていかなければいけないと考えております。
かつてはおいしさや健康というだけで、笛や太鼓を叩きながら、食べましょう、食べましょうという運動をやってきたんですけれども、そうではなくて、実際に、流通とか消費にきちんと対応した売り方をして、皆さんで食べてもらおうという取組を進めるのが消費拡大ではないのかというご提案をさせていただきたいと思っております。
ここまでが消費でございまして、7ページ以降は生産ということになります。
7ページに2つ円グラフを載せておりますけれども、農業産出額は約8兆5,000億円の中で、果実については7,400億円程度を占めているということでございまして、全農業産出額の1割となっております。
その内訳が右のほうでございまして、うんしゅうみかん、りんご、ぶどうといったような順序になっております。
めくっていただきまして、8ページでありますが、これは栽培面積、生産量の推移を棒グラフで載せております。
ここ最近の栽培面積については、平成12年からは横ばいで推移しておりますが、生産量についても、多少の豊凶による変動がありますけれども、横ばいでの推移となっておりまして、昭和50年に比べれば半分以下に生産量は激減しており、栽培農家数については、右の棒グラフでございますけれども、やはりこれも減少傾向にあります。
9ページでありますが、果樹の場合、ほかの品目と比べて特出するところは、中山間地域で生産されているということで、山間、谷間で作られているものが多いということであります。
これは左の品目別の中山間地域の割合を示した棒グラフでございますけれども、過半の部分が、中山間地域で作られています。
そういったことも反映しまして、左の下でありますけれども、樹園地の耕作放棄地面積の推移に強く現れてきているということでございます。
右のほうに載せておりますけれども、黄色部分、中山間地域のところでありますが、やはりその農業産出額のかなりの部分が、果樹で成り立っているということでありまして、中山間地域におきましては、やはり農業の一つとしては果樹農業が非常に重要になってきています。
しかしながら、栽培農家数も減少し、耕作放棄も進んでいます。
中山間地域の果樹農業がこのままなくなってしまうというのは危機的な状況でもあります。
続いて、次のページをお開きください。
これは一番上の棒グラフが、年齢別の果樹農業経営者を示したものであります。
年齢別でございますので、平成22年になりまして、高齢化が進んできており、およそ60歳以上の方々が7割となっております。
これから中山間地域で、なかなか若手も入ってこないこともあり、60歳以上の方々が支えているということで、こういった生産力的にはいびつな産業になりつつあり、これを何とかして改善していく必要があります。
しかしながら、今後どのような経営形態で農業所得を上げてもらうのかをお示ししたのが、下の表でございます。
和歌山、青森といった各県の方々が作られている果樹農業振興計画を示しております。
具体的には、新わい化栽培であったり、スピードスプレイーヤーによる機械化を行っていたり、大体平均的には、1haもしくは2haの経営規模の中で、農業所得を500万、600万円以上にしていくといったことが望ましい経営体だと考えております。
そういった中で、実際どうなっているかと申しますと、11ページでありますが、果樹の規模別の農家数が左の上のほうに載せておりますけれども、まだまだ1ha未満の農家は約6割と、さらに2ha以上の方も15%程度出てきているということで、こういった方々を増やしていかなければいけないと思っております。
右のほうに、専業・第1種兼業農家割合を載せておりますが、これも果樹の特筆すべきことでありまして、水稲部門については、37%の専業・第1種兼業割合でありますが、果樹については5割の方々が専業・第1種兼業ということで、非常に専業の割合が高い品目になっているということであります。
そういった中で、労働時間でございます。
これが一番大変なところでございますが、下のほうにございますように、ばれいしょや稲作を載せておりますけれども、稲作は10a当たり32時間ということでございますが、ご案内のとおりの果樹については、これだけの労働時間がかかり、労働集約的であるということについて、どのようにして簡素化できるかということを考えていかなければいけないということであります。
そういったいろいろと厳しい中にありまして、12ページ、13ページは、先進的事例をご紹介させていただいております。
12ページのほうは、まず、複数品目を導入して規模拡大する香川県で行われている雇用型の家族経営ということで、3haの園地でみかんを中心に進めておられます。
技術的なことも書いてあり、下の表にございますけれども、所得が600万円程度ということであります。
静岡県のほうでは、10haの家族経営ということで、受託組織を立ち上げ、マルチ栽培やさまざまな新技術を導入して、高品質なうんしゅうみかんを作っており、所得は1,200万円ということであります。
続いて、13ページでありますけれども、これは事例3ということで載せておりますのは、生鮮用ではなくて加工用のりんごということで、非常に幅広く展開されている方でありますが、加工用りんごは6割を占めて、大規模経営をされています。
地元のジュース工場と長期契約で取り引きしながら、写真に載っていますが、加工用の果実生産にも取り組んでおられ、一斉収穫して、鉄コンテナで運び、ジュースの原料用としていくことで、所得700万円となっております。
こういうような出荷作業の簡素化を行いますので、単収も上がり、このような経営ができております。
事例4ですが、先ほど中山間地域と申し上げましたけれども、知恵と工夫でさまざまな取組が行われています。
直売や観光果樹園さらには加工品の開発に積極的に取り組まれて、下にありますように、所得が600万円程度ということで、新しい経営も行われています。
先ほど、作業が非常に大変だということをご説明させていただきました。
14ページでありますが、その労働時間を何とか少なくするために、さまざまな機械等が出てきております。
水稲については、ご案内のとおり、田植え機、コンバンイン等で省力化されていますけれども、りんごについても、非常に大変な除草、防除といった作業にスピードスプレイヤーを導入しているところであり、なかなか導入も少ない現状でございます。
あとは、最近で言われていますのは、ICTを使った新しいスマート農業といったものが必要ではないかということもいわれております。
その中でも、農業用アシストスーツといったものがあります。
ここに写真でありますように、みかん農家の方々は60歳以上が7割以上ということになっておりますので、こういった20キロの箱を積み上げるのも大変でございます。
そうしたところで新しいアシストスーツといったものができて、省力化や快適化というのが望まれて、それが実現できそうだという状況になってきたところであります。
続いて、15ページにありますが、これは省力的な栽培方法ということで、早期成園化が図れるように、樹体の仕立てを行うことであったり、りんごの新わい化栽培といって写真にもありますように、脚立で登らずに、収穫ができます。
こうなりますとご婦人でも簡単に収穫作業ができます。
こういった新技術をどんどん進めていこうじゃないかということで、長野県において、取り組まれております。
16ページでありますが、やはり果樹については永年性作物でありますので、一度植えてしまったら簡単に品目を変えることはできません。
そういった中で、最近出ておりますのは、作柄安定と異常気象対応ということで、昨日も首都圏を中心による大雨が降りましたけれども、最近の異常気象は、激しく天候が変わるということで、豪雨や豪雪もございます。
そういった中で、作柄も不安定になり、写真にあるような、さまざまな障害が出ております。
さらに、ここには詳しく書いていませんが、地球温暖化の影響を考えた場合、長野県でも標高が低いところでは作りにくくなってきたり、さらに日本列島の中でも、適地適作がうまくいかないといった話が出てきております。
作柄安定や異常気象対応、特に地球温暖化についてどのような対応をするのかということはポイントになってくると思います。
17ページにつきましては、品種の育成ということが非常に大事になってきておりますが、ここに書いてありますとおり、さまざまな品種が現れてきておりまして、最近では、右のほうにありますように、単収だけではなくて、品質や、食べやすさ、さらには高付加価値化ということで、先ほどお話ししました機能性成分が含まれていることも求められてきているということであります。
18ページにつきましては、我々は果樹経営支援対策事業、未収益期間支援事業を講じており、改植を進めております。
これは、やはり生産現場から優良品目、品種への転換が必要だということで、前向きな経営支援安定対策として進めているところであります。
改植の実施面積についても、ここにあるように、徐々に伸びてきており、特に最近では種なしの皮つきでも食べられるシャインマスカットが非常に売れ筋商品になっており、グラフにありますように、急激に伸びてきています。
19ページにつきましては、これは新品種を育成していくということで、さまざまな進め方を示しておりますが、品種登録件数についても、非常に伸びてきています。
愛媛県では、育成者権と商標登録を組み合わせた事例であったり、香川県では、さぬきゴールドというキウイでございますけれども、オリジナル品種として県内産だけで一生懸命作って売っていこうという取組でございます。
さらには、全国的な主力品種として、みずから県が育成したものを全国に広めて販売していこうという取組があります。
これは、シナノゴールドでございますが、こういった取組が出てきております。
続いて、次は、果実の加工のほうでございますけれども、やはり、先ほど申し上げたとおり、果実の消費というのは輸入がほとんどでございますが、輸入果汁については、輸送コストを削減するため全てが熱処理による濃縮果汁となっております。
そういった中で、私どものほうとしては、国産果汁のストレートジュースを伸ばしていきたいと考えております。
グラフにありますように、ストレート果汁の消費量が大きく伸びてきております。
健康に良い点であったり、風味が豊かである点といったことで消費が伸びておりますし、さらには、量販店でのプライベートブランド等の手法を取り入れることで、消費が伸びてきているということであります。
21ページのほうでありますけれども、加工用果樹をどのように進めていくかということであります。
実際、樹園地は傾斜地が多く、耕作放棄地が進んでいます。
うんしゅうみかんの加工用出荷量はすそものが利用されるために不安定であり、果汁用の出荷が難しくなってきております。
これからは、売れ筋商品を作る中で、加工専用園地も必要ではないかということを示したものであります。
今後、このような園地も何とか作っていく必要があると考えております。
22ページから25ページまでは、私どもが政策を講じているものでございますが、22ページについては、果樹対策の根幹となすところの果樹経営支援対策と未収益期間対策ということで、平成23年度から始めております。
未収益期間という果樹独特の期間がありますので、改植しましたらば、一括して農薬代、肥料代の半分程度をご支援させていただくといった事業であります。
24、25ページについては、需給調整、加工事業ということを行っているところでありますが、時間の関係で省略させていただきたいと思います。
26ページでありますが、果樹の経営支援対策として前向きに進めておりますけれども、果樹の経営の安定のために果樹共済が必要であります。
果樹共済の加入率でございますけれども、左のグラフに載せております。
青いところが果樹全体であり、およそ25%程度で横ばいで推移しております。
共済金の支払いも最近の異常気象等もあり、このような支払い状況になっております。
冒頭に申し上げましたけれども、人口が減少してきて消費のパイが小さくなるわけですが、我々としては、新規需要ということで、輸出について目標を定めて進めてきているというところであります。
左の上にございますけれども、農林水産物全体の輸出額ということで、5,500億円ということでございます。
これを1兆円まで増大するということで考えております。
生鮮果実の輸出の推移を下に載せております。
赤色がほとんどりんごでございまして、台湾産向けのりんごが主役を占めております。
24年ががくっと落ちていますが、青森県がりんごの不作でございましたので、なかなか輸出まで出荷が回らないこともありまして、国内での需給に対応したということで減っております。
25年からは回復しております。
今後は、りんごだけではなくて、みかんやなしについても、台湾だけではなく、輸出先としてシンガポールやインドネシアといった、これから需要の拡大が期待できそうなところに打って出ようと考えております。
輸出戦略も28ページに示させていただきましたけれども、それぞれ、りんご、かんきつ、ほかの品目ということで載せております。
中間層を中心として、売りやすいものを売っていくことや、東南アジア、インドネシア、ベトナムで、これから売れ筋商品になるであろう落葉果樹についても、東南アジアでは作れませんので、非常に関心が高いということでございます。
かんきつについても、うんしゅうみかんと中晩柑を合わせて売り出したり、スポットスポットでは、日本の果実は品質が良いということで売れます。
しかしながら向こうのバイヤーにいわせると、ジャパン・ブランドとして長い期間、販売してもらわなければ困るということで、輸出期間の長期化が必要だと言われておりますので、それに対応した取組を進める必要があります。
今まで、消費から始まりまして、流通、加工、さらには輸出をご説明させていただきました。
今後、どういった対応が必要になるのかを考えたものが29ページでございます。
3点ほど大きく分けてございますけれども、まず1点が、最近の消費者の嗜好をとらえた果実や加工品をどのように提供していくのかという点で、消費者ニーズに対応した優良品目、品種の転換や小口販売、カットフルーツ、さらには輸入の濃縮果汁に対抗できるような差別化したストレートジュースの生産、推進ということが必要ではないかと考えております。
2番目につきましては、高齢化ということで、中山間地域で厳しい果樹農業が行われております。
こういった中で、担い手の減少に歯止めをかけて、新しい担い手をどのように育成・確保していくかを考える必要があります。
そのためには、果樹農業経営の安定化、これをどのように進めていくのか。
改植の推進や未収益期間の助成、さらには、新しくできました農地中間管理機構を活用した果樹園地の流動化、さらには、先ほどの事例にもございましたけれども、中山間地域の6次産業化で所得を確保している例がございます。
こういった取組をどのように進めていくのか考える必要があると考えています。
輸出につきましても、新しい需要創造ということで、今までの台湾向けのりんごだけではなくて、ジャパン・ブランドとしてどういった地域に、どのような売り方で、どういう輸出体制で提供していくのかというのかポイントになります。
今までは国内の産地間競争を輸出のほうにも拡大していたという雰囲気がございますが、それでは結果的には勝つことはできません。
やはり一体となってジャパン・ブランドを主体的に輸出していく。
さらには、周年供給体制の構築や、輸出先の食習慣や消費者のニーズをしっかり捉えた上で、安定した輸出を進めていく必要があると思っております。
以上、長くなりましたけれども、果樹をめぐる最近の情勢でございます。
以上でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
消費から始まって、サプライチェーン全体について細かく話をしていただきました。
ただいまの事務局からの説明を踏まえた上で、果樹農業振興基本方針の策定に関して、ご質問やご意見をお願いしたいと思います。
委員の皆様の中でご質問ご意見等ございましたら挙手をお願いいたします。
大西委員お願いします。

大西委員
生産の課題についてはかなり詳しくお話しいただきましたので、販売の話も含めて意見を述べさせてもらいたいと思います。
加工・業務用について、野菜の場合、いろいろなコストカットや出荷時期の調整などにより、結果的に収益が得られるという絵が描けると思いますが、今、菱沼課長のほうからお話のあった、例えば、青森の加工用りんごの事例に関して、次回以降、仮想の部分があってもかまわないですが、もう少し費用を細分化して所得が700万になるという絵をお示しいただければと思います。
それから、複合経営について、これは時間の再配分を考えればそういう方法もあるとは思いますが、例えば、実際の品目別の構成など、何か指標になるものの情報提供を是非お願いしたいと思います。
それから、流通の関係について、先ほどカットフルーツのお話がありましたが、私も随分昔から着目しています。
しかし、以前よりは出回るようになりましたけれども、なかなか流通していないというところもあります。
そのあたりの課題やどういう投資が必要なのかなど、次回以降、お示しいただければと思います。
少々多くなりましたけれども、以上でございます。

三石部会長
ありがとうございます。
ほかにご質問、ご意見等ございますでしょうか。
徳田委員お願いします。

徳田委員
意見が出ないようなので、とりあえず、今ご説明いただきましたけれども、果樹農業の場合、地域や品目によって非常に多様性があるんで、なかなか技術的な政策だけでは留まれない面があるかと思います。
今回紹介いただいた改植事業、これ全体的には非常に好評なんですけれども、やはり品目によっては、なかなかそれでは対応しきれないというところがありますので、生産量もまだ流通面でもいろいろな課題があって、ここで比較的市場流通を主体としたご説明があったと思いますけれども、果樹の場合、いわゆる産地直売のようなものとか、あと、地域によっては、地産地消型で大産地じゃなくて非常に小規模な組織,それでうまくいっているものがいろいろありますので、いろいろな条件を踏まえた中で、ある意味これしかないというよりか、少しその辺広く見て、ご検討いただけたらなというふうにまず思います。

三石部会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか、最初に幾つかご意見等を伺って、それで、ある程度まとまったところで、事務局のほうからその場で答えられるもの、次回に回すものを分けて話を続けていきたいと思いますが、ほかにご意見、ご質問等ございますか。
田中委員お願いします。

田中委員
今、果実の需要構造から入って、果樹という形になっていますけれども、果実というものの捉え方と、果樹というものの捉え方、その分類というのは、消費の段階ではちょっと違うと思うんです。
その辺のところの消費の動向の色分けと言いますか、そういうところも含めた中での今後の政策というのをするようなやり方であります。

三石部会長
ご指摘ありがとうございます。
いかがでしょうか。
山口委員お願いします。

山口委員
たくさんのご専門家の中で、私はある種、門外漢でありますので、門外漢として、言えそうなことを申し上げたいと思います。
言葉というのは、世の中でいろいろな人が口にし始めると、その本当の意味が問われずに、何か表面的だけで流れることが非常に多いです。
例えば、グローバリゼーションとか、あるいは安心・安全とか、もうことあるごとに使われますが、それも中身について、深く考えるということはだんだん浸透度にあわせて、逆に減ってきてしまうという傾向がありそうです。
そういう意味で、バリューチェーンという言葉から、果樹、あるいは果樹栽培、あるいは果物マーケットとかいうのを徹底的に考えるということをしてみたらどうだろうかというのがご提案です。
バリューチェーンというのは、チェーンの各ユニットそれぞれのところで価値が作られて、それの総和が最終的に提供される商品なり、物の総合価値になるということです。
私も、メーカーなので、どちらかというと、もともとはその商品の価値というのは研究開発なり、あるいはそれを形にする生産、製造現場なり、そこで価値は作られるというのが、何十年か前でした。
多くの場合そこで価値が最も生まれるわけです。
しかしバリューチェーンという考え方に即して考えれば、そこで生まれた価値が、運ばれる地点でもって新たな価値が加わり、消費者に渡った時点、あるいは使われる時点で、また新たな価値が加わりと、そういうことを徹底的に追求してみるということを今各産業分野はやっていると思います。
そういう意味で、バリューチェーンを徹底的に具体論までおろして考えてみるということができないだろうかということです。
ここまで抽象論ですが、例えば、品種開発、これ中身の価値を作る話で、例えば果物だから、当然自然条件に左右をされるし、経時変化は当然起きるものだと、これは当然になっていると思いますが、その当然をもう一回ひっくり返してみて、当然に起きることが起きないようにするにはどういう中身にすればいいのかという発想はあると思います。
例えば、私は冷凍食品に長いこと携わりましたが、30、40年前は、冷凍食品をそのまま加熱をしないで食べるなんていうことはほとんど考えられないことでしたが、今は、技術が発達して、冷凍食品を弁当、一番安心・安全を気をつけなくてはいけないお子さまの弁当にそのまま入れて、それでお昼時に開いて食べて、非常においしく食べられるというものができているわけであります。
30年前は、恐らく非常識なことだったわけですが、そういうことがものづくりで、冷凍食品の課題になっています。
同じように、経時変化をもう徹底的に起こさないようにするためにはどういう、例えば、どのような包材であればいいのか、運び方をどうすればいいのかと、水産業界では、例えば魚は氷温輸送というようなことで、そういう新しい分野が生まれてきていますけれども、そういう考え方もあるのではないかと思うのです。
例えば、先ほど、農業分野では珍しく市場ニーズからというお話で、ここは始まりましたけれども、素晴らしいことだと思います。
しかし、市場ニーズで考えたときに、例えば、加工処理した青果の話は先ほど大分出ましたが、外食マーケットに徹底的に切り込んで行くというようなことを本気で考えたらどうなるだろうかと。
ファストフードで、フィレオフィッシュというのがあります。
魚を外食マーケットで売るということは非常に考えにくいことですが、フィレオフィッシュはそれを実現したわけであります。
あのような発想で、徹底的に、例えば、果物発の外食マーケットを攻めるということをしたら何が考えられるだろうか、というような発想もあるのではないかと思います。
そういう意味でバリューチェーンを徹底的に突っ込んで、具体的に考えていくというご提案であります。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
とりあえず今までのところ、4人の委員の皆様からいただきまして、低コストの内容をしっかり示すということ、それから一律的な対応ではなく、品目別の多様性、地域の特性、品目の特性をしっかりと活かすこと、それから何気なく使っている言葉、一般に使っている皆さんは御存じだと思いますが、一般に使っている果実・果樹の分類、こういったものをしっかり消費の面からも考えていく、あるいは、それに関連して、今山口委員のほうから、言葉の意味、特にバリューチェーンという視点から、しっかり今後考えてみるべきではないかとのご指摘、そしてさらに具体論の世界まで落としていくというようなご指摘を含め、今後の部会の検討の方向性に影響を与えるようなご提案をいただきました。
この件に関して、事務局のほうで具体的なコメントがありましたらお願いします。

菱沼課長
加工ということでお話しさせていただきましたけれども、野菜については需要の6割が加工業務用になっております。
ですから、生鮮ではなくで、加工業務用の野菜を作る必要があり、コストを下げるために、さまざまな努力がなされています。
流通の経費を下げるという考え方は野菜になかったわけです。
そういった考え方を導入して、進めてきているということで、大西委員が言われているのは、野菜は加工に向けて、どんどん進んでいるけれども、果樹の加工の場合はどうかというお話であると思います。
今まで、果樹の加工になりますと、みかんでは豊凶の変動が激しく、豊作時にはジュースに加工し、貯蔵しておくという需給調整の一つであったわけです。
一方で、消費のほうがどんどん変化していきまして、加工品のほうにシフトしてきています。
我々としても、野菜のように需要の過半を超えた状況ではないけれども、加工果実を安定的に供給していかなければいけないということであります。
そうした中で先ほどの青森の事例を示させていただきましたけれども、加工用りんごを作られて、摘果もせず、ゆすって収穫を行う。
その後、鉄のコンテナに入れて、りんごを加工用として出荷するということで、単収も上がっているという事例を紹介させていただきました。
これについても、まれなケースであり、まだまだ少ない事例ですが、次回、細かいデータ等もお示ししたいと思っております。
果樹対策では、やはり優良品目、品種への転換、未収益期間対策を根幹としておりますけれども、これは平成26年度末で終了ということで、27年度からはまた新しい対策を行っていきます。
徳田委員のご指摘にもありましたとおり、果実と言いますと様々なところで作られていて、大産地もあれば、複合で小規模経営をされている方々もおられます。
また、それはどこで売っているのかとなると、市場もあるでしょうし、贈答品として宅配便で売っている方々、直販店に流通させている方々など、さまざまな方々がいらっしゃると思います。
そういったさまざまな形態に、改植事業がどのようにうまく対応していくのかということを考えいかなければいけないと思います。
さまざまな経営体を類別した上で、どのような改植なり、未収益期間対策がこれから必要なのかといったことを、さまざまな方の要請、要望等を聞きながら、運用の改善や、新たな対策を講じていかなればいけないと思っています。
委員のお話にございましたけれども、消費の動向をどのようにして捉えていくのかということを考える必要がございます。
実際に生産されている生産者の方々や、これから担い手としてどうやっていくのかというお話を聞きながら、考えさせていただきたいと思います。
我々としては、高品質な優良品目、品種への転換で生果を生産し、しっかり安定的に供給していただく。
一方で、突然、野菜のように加工業務用を生産しましょうとは誰も思ってないことであって、ただ、需給調整の1つではなく、加工用の原材料の安定供給も、これから必要になってくると考えております。
わずかでもベクトルといいますか、今まで生果中心であったのを、羅針盤を果実加工のほうにも向けてみようという勇気であったり、知恵も必要ではないかと私どもは最近考えておりますので、この部会でお教えいただきたいと思っております。
山口委員からお話いただきましたけれども、バリューチェーンということで、農林水産省でもまさに攻めの農林水産業の中で、バリューチェーンの構築が一大テーマとなっております。
我々としては、先ほどご指摘いただきましたけれども、川下から入ってしっかりしたバリューチェーンを作っていきたいと考えております。
流通と消費構造が変化している中で、取り残されてしまうと生産構造がついていけなくなってしまいますので、どのようなものが生産者にあった生産構造として変化に対応できるのかといったことを徹底的に追求していきたいと思っています。
外食マーケットへの展開も必要だというお話がございました。
これについても、いろいろと新しい先進事例としてご紹介させていただきますと、ホテルのバイキング形式で朝食を出すときに、カットフルーツとしてりんごが置いてあります。
しかしながら、ずっと置いておくと褐変してしまいます。
褐変を防止する技術ということで、酸化しない技術が出てきていますので、朝の5時からずっと並べておいても、朝の10時まで置くことができる。
普通のサラリーマンがビジネスホテルで食べるということで、そういう新しいやり方も可能ですので、まさに新技術と消費とが合致したバリューチェーンを作っていかなければいけないと思っております。
それについては、またご指導いただきたいと思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
この部会、第1回ですので、できるだけ今後の方針を作るのに当たって、各委員の皆様から多く、そして有益な視点・知見、こういったものをいただきたいと思いますので、できましたら、今日すぐに回答が出ないものも多々あるかと思いますが、こういう視点で少し検討してほしいというのがあればご意見をお願いします。
はい、鈴木(敏)委員。

鈴木(敏)委員
私は、果実とかんきつ、20年間販売して、私は家庭を持っていまして、子供は26ぐらいですか、非常に感じたのは、果物を食べさせる習慣がベースなんだろうなということを感じています。
ちょうど、これは20代から29、30から39、減っていますよね。
高度成長が終わって共稼ぎというようなことで、非常に時間がないとか。
私は昭和31年生まれですから、母が自分の果物を買ってきて、旬のもの、今みたいなおいしい果物はなかったと思いますけれども、非常にいろいろな時期時期でおいしいものを食べて、それがやっぱり家庭の中に伝わったのという記憶がありますし、健康であったというふうに感じています。
特に、私には娘がいるので、非常に私がおいしいものをチョイスして、また見た目は悪いけれども味のいいものを選別して食べさせました。
娘ですから、友達が大勢来ます。
今食べれない、むきにくい、食べにくいという果物も、簡単に言いますとはっさくだとか、甘夏だとか、非常にむきにくい、文旦だとか、女房がちょっと手をかけて食べさせますと、もう子供はもう喜んで手を出すという現象でした。
いよかんも本当にそういう現象で、売れなくなっていますけれども、私がたまたまおいしかったんで買ってきますと、昔から食べているので、非常に自分から率先して食べるということなんです。
私の時代は給食ということで、いろいろなものも出ました。
非常においしくなかったものも出ましたけれども、それを比較してみますと、食べる環境が特に減っている、私どもも、一般消費者の方に分析して果物をただというわけじゃないですけれども、フリーで食べてくださいと言いますと、もう喜んで手を出すという現象、ところがお金を出すと、お母さんの顔を見てちょっと無理かなと。
携帯電話のほうが優先順位、上ねというようなことで、環境が変化している中で、私は本当にいろいろな形の中での給食なり、道徳の時間なり、子供たちにやっぱり親が与えられない環境なら、じゃ教育の中で作っていこうと。
これから高齢化ですから、医療費問題いろいろ出てきて、来年から、売る方がちゃんと責任を持ってということで、いろいろ分析して、そういう形で表示ができるということも聞いていますけれども、やはり健康というコンセプトでいくと、果物も、野菜も必要ということで、果物は特に今まで嗜好品、出所が難しいということで始まりましたが、どうも日本はどうも差別化で付加価値の高い、高級なものという感じで進んでいました。
何が起きたかというと、やはり金太郎飴を求めて同じグレードのものをみんな一斉に売り出したと、向きを変えて言えば、差別化で物も売っていましたけれども、非常に消費者が迷うに迷ったと。
欧米の中で見てますと、もうベースが違って、日常品ということで多分食されているのかなと、さっきバイキングが出ましたけれども、海外に行くといろいろなものが出ていますけれども、日本のホテルに行くとほとんどいいものは出ていないというのを感じます。
だから、その辺もこともいろいろなことで消費をアップする。
例えば、地域や生産地で作られているものなら、県なり、いろいろサポートして、その地域の産物だよということで、静岡に行ったらこんなメロンがあったので、茨城に行ったらこんなものがあったんだねというようなことを、やっぱりそういうのひとつ大事なのかなと。
消費地での周辺も一緒なんですけれども、いろいろなところからの面で、消費をアップさせる、おいしいものということも認知させることが必要なのかなというふうに感じます。
いろいろなことで、進めることも、目先では大事なんですけれども、これからキャッシュを戻すということになると、5年、10年だと本当に生産者の方も限界に来ていまして、そこまでどういうふうに持ちこたえるのということも必要ですけれども、10年先もちゃんと消費をするような消費者がいて、その子たちがまた継承して、日本人はもうもっともっと増えてきたねと、イタリアあたりはワインがあるんであれだけ食されています。
でも、ヨーロッパに行くと本当に食べていますし、買うときの意識が全く違うなと、日本と全く違うなと感じますし、作り方もやっぱりポジショニングを決めて、付加価値の高いものなり、さっき言った加工用のものなり、お客さん向けには完熟ということも必要なのかなというふうに思います。
私は、自分で、今から果物を残すんであれば、いろいろなポジショニングがあってしかるべきだと思うんですけれども、そこはやっぱりきっちり消費地の、消費者のルートにどういうふうに繋げるのと、どういうところに繋げるためにこうしていくのということも考える必要があるのかなと思っています。
ちょっと話が前後であれですけれども、私日々思っていることでございます。

三石部会長
どうもありがとうございました。
ほかにご意見はありますか。
松本委員お願いします。

松本委員
生産性や条件の不利、孤立している面などの特徴がありながら、経営的には専業でやっておられる形態が、特徴としてあると思いますけれども、今般、食料・農業・農村基本計画を見直すという中で、専ら中山間地帯をどうするか、これはもうなかなか簡単には案が出ないのであります。
これをどうするかということで、大変議論になってくるんだろうと思うんです。
そういう中で、果樹経営については、そういう地帯で踏ん張っておられるというのがあると思うんです。
そうであるならば、これを逆手に取って、サポートして、一番難しい日本の農村地帯を支える経営部門ということで、相当てこ入れをするなり、そういう観点で考えているくことが必要じゃないかと思います。
そのためにも人が入らないといけないということですが、若い人がチャレンジする、気持ちが前向きになるようなものを示さないといけないと思いますけれども、先ほどもお話があったように、いろいろな自治体があるし、同じかんきつの中でも、いろいろなものがあると思うんです。
規模の問題などいろいろあるにしても、今後もう少し細かく経営類型などを提示して、ああいうところでこういうふうにやれるのかなとか、この程度ぐらいの所得が入れればやってみようかなとか、そういう細かい姿を提起していくような、取組と言いますか、検討が必要なんじゃないかというような感じがします。
それから、大変な経営資源があるところでその継承に困っているというお話ですが、経営資源を一括で希望者に継承すれば、長年にわたって、時間をかけて作り上げた経営資源が活かせる。
いい経営だけれども継承者がいない、そういう経営資源を潰さないで継承するような仕組みを本腰で創る、人材育成制度に取り組むと、こういう視点も必要だという感じがいたします。

三石部会長
ありがとうございました。
三森委員どうぞ。

三森委員
山梨の有限会社ぶどう畑で、ぶどうを作っております三森でございます。
よろしくお願いいたします。
私は、生産現場のほうから、少しお話しをさせていただこうというふうに思っております。
山梨では、皆さん御存じのように、冬場凍害がございました。
それと、あとは、5月の最終週から35度を超えるちょっと熱が高くなってしまって、ぶどうの生育状態がものすごく早くなり、そして、つい最近、6月25日に三鷹、調布でひょうが降った、全てではないんですが、あまり公表するととても日本は風評被害というものが多くございますので、私も、出しませんが、実は勝沼、私たちのところでは標高が大体400、500m近くのところのほ場、それ以上のほ場のところがやはりひょう害に遭っております。
三重苦というところではございますが、こちらのほうで見させていただくと、やはり今後、私はとても大切なのは現場では若い世代とか、新しい次世代のことに関して、ここではきちんと書かれてないということが大きくとても残念だなというふうに思っております。
今、農林水産省では、人・農地プランを始め、農地集積ということが書いてございます。
私は、前回、日本農業法人協会のときも、お話をさせていただきましたが、なかなか果樹、皆様、今回来られている方は、りんご、みかんの方が中心だと思いますが、立木ではない、私たちみたいな棚栽培で、農地集積というものはとても難しいです。
こちらのほうをぜひ優良事例ですとか、今後中山間の、先ほど松本委員もおっしゃられましたが、中山間の果樹はどのように農地集積、また人・農地プランをやっていくのかと。
もう1つ、果樹は、1年1作でございます。
なかなか人を育てる場合、私たちも法人として経営して、次世代の同業者はもちろん地域だけではなく、新規参入の方たちが私たち法人で勉強していきます。
こういった方々たちは、やはり1年、2年では、とても一人前にはなりません。
最低でも3年から5年、やはり5年ぐらいはかからないと、なかなか果樹で一人前で収益を上げていくことはできません。
こういったところにもしっかり、国としても施策ですとか、対応を考えていただいて、誰にでもばらまくわけではなくて、きちんと、例えば法人またはそういった機関で勉強される方、きちんと両方ともにもちろん課せるものはあるかもしれませんが、今、現状、私たちのスタッフも独立するに当たり、なかなか人・農地プランをいただくことは難しくなってまいりました。
なので、ぜひ、こういったことにもきちんと支援をしていただかないと、新しく独立するということが難しい現状でございます。
まだ後2点お願いがあります。
果樹には、嗜好品と言われますが、効能というものがございます。
機能性ということがございます。
ぜひ、果樹を売る場合、それぞれの果物の機能性、効能、あとは嗜好だけではなく、そういったものをきちんと打ち出していっていただければ、やはりこちら、もちろん今健康志向ということもございますので、こういったものも消費者にきちんとアピールできるということも私は女性の視点から考えておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
もう1点、最後に、輸出についてですが、先日、安倍首相も、私たちの勝沼のほ場に来ていただき、お話をさせていただいた中、輸出は、私のどころでもワインもございますので、先日、6月にマニラのほうにワインを持ってまいりました。
実は、今かなり輸出とおっしゃいますが、なかなかやはりぶどうは形状的に難しいかもしれませんが、このぶどうを欲しがっている国は大変多くございます。
ぜひ国交を開けていただかない限りは、この輸出もできませんので、最後のところの輸出の状況のところで、どんな品目が、どのような国に、どういうふうにいっていて、または可能性として今後、どのような品目が、どのようなところにいけるのかということも可能性として書いていただけたら、もう少し農家の我々も、もっと、例えば、こういったところにアピールしていこうというふうな積極的な販売というふうに繋がって、すぐに繋がるわけではないんですけれども、可能性が見えてくるかと思います。
ぜひ、できたら、具体的な品目ですとか、国ですとか、そういったところにも着目を置いて書いていただきたいなというふうに思っております。
長くなって申しわけございません。

三石部会長
ありがとうございました。
他にございますでしょうか。
安齋委員。

安齋委員
福島市で、果物を作っております安齋と申します。
先ほどもお話しありましたけれども、果物を作りますと、うちのほうはりんごなんかは本当に青森の方とかと同じで、隔年結果がありまして、毎年毎年同じ量が出るわけではありません。
それから、災害も雨による洪水や雪の被害、たくさんありまして、先ほども説明がありましたが、共済の加入者が少ないということでしたが、加入できないのかという理由の一つに、農家の人たちの収入が少なくて掛けられない方もたくさんおります。
農家の人たちに対して、それから国の支援とかありますが、そういうところをもう少し詰めていっていただけたらと思います。
また、若い人たちの後継者なんですが、うちからも2人新規就農いたしました、1人の人は全然農業をやったことのない人がやっておりまして、全部自分で販売するということで、今、一生懸命さくらんぼとかを販売しております。
今も、農の雇用事業を使わせていただいて、また、新規就農させようと思っているんですが、やっぱり三森さん言ったとおり、2年ではちょっとなかなか独立して自分で経営していくというのは難しいので、もう少し雇用とか考えていただけたらと思います。
また、指導するに当たって、自分の仕事をやらないでずっとその子につきっきりで指導しておりますので、そちらのほうをもう少し指導するほうにも指導料の値上げを望みます。
また、そういう指導者も少ないですので、普及事業と言いますか、6次化のほうもそうなんですが、6次化6次化と言いますけれども、ほとんど指導者がいなくて、プロで作っている加工会社の人たちと対等に競合していかなきゃならないので、そういった方たちに負けなくおいしいもの、割と農家の人たちは自己満足で自分でおいしいからというだけで皆さんに販売しちゃいますけれども、消費者の方は、本当にそれがおいしいと思っているのか、そこのところもなかなかわからない事のほうが多いですので、もう少し勉強できる機会、そういうのを作っていただけたらと思っております。
また、耕作放棄地なんですが、新規就農者にすぐさせようと思いましても、亡くなった方なんかがいますと、ほかに迷惑がかけるからということで、すぐ木を切ってしまいますので、できなくなったらすぐにそういう情報が入るような体制を作っていただけたらと思います。
切ってしまうとまた植えると3年とか5年とか、収穫するまでに時間がかかりますので、その期間は農家の収入が入らなくなりますので。
それから、改植なんですけれども、うちのほうは果物産地で、果物を皆さん作っていますので、予算が少なく、うちなんかも手を挙げますと、もう今年の分は終わりですよということで、なかなか改植できなくて、来年度分を申し込みということでやるような状況になっておりますので、そういうところもよろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。

三石部会長
どうもありがとうございました。
ほかに横田委員お願いします。

横田委員
私のところは、山間地の農業になります。
山間地は山間地の苦労というものがありまして、鳥獣の問題、これは大変な問題なんです。
獣というものは、収穫時期になりますと、根こそぎ持っていかれる。
それを維持していくための管理、これが各農家さんが大変な思いをされております。
また、山間地の果樹は、観光農園という形に変えております。
これは、とても面積的に大量に生産ができない、その中でどう生きづいていくかということで、観光農園、いちごだったり、りんごだったり、オーナー制の農業をされている方々が大変多ございます。
ただ、果物というものは、農薬かなり散布されます。
また、手を加えていかなければいいものはなりません。
非常に大変な、生鮮野菜に比べれば、1年に1回の収穫の中で、どれだけ手を加えていかなきゃいけないかということになりますと、やはりいろいろな情報をいただいて、いいものを作り上げていくための情報として、各産地、特産になるような果物、これを各県なり、市町村なりが、情報を農政課からあったり、いろいろな分野ございますよね。
そういう中でさせていかないと難しいのかなと思います。
山間地の情報として、お話しさせていただきました。

三石部会長
ありがとうございました。
では、福士委員お願いします。

福士委員
青森県でりんごを作っております。
私も生産現場からのお話ですけれども、次世代に繋ぐこと、繋げること、そのためにはということだと思うんです。
やはり、それぞれの人たちが高齢になって、農業、そして、果樹をやめていく中で、じゃそれを担い手として学習しながら、勉強しながら、研修しながら一人前になっていくわけなんですけれども、やはりそういう方々を、育てていくばかりではだめだと思うんです。
やはり、若い方々が夢を持てるような仕組みができないかな。
そして、この方々がやはり果樹農業に取り組むということになりますと、それなりの魅力、将来的に望みの持てることがなければ、やはりだめだと思うんです。
産地に、若い方々がたくさんおりますから、よく言うんだけれども、親父から10アールでも借りて、自分でやってみなさいと。
そして、自分で栽培したものから早く金をとって、その金を見ないうちは欲が出てこないんです。
ですからここでは、さまざまなそれに取り組んでもらえるやり方、さまざまあると思うんです。
やはり、園地づくりをして、実がなるまでの期間の対策とか、さまざまな方法、あるわけなんですけれども、そういったことを構築できれば、若い方々が希望を持っていけるんじゃないかなと。
全国的に、非常に離農する方々が多いです。
我が青森県でも今まで4、5年前までは年間200ha、平成25年は300haですよ。
どんどん少なくなっていく。
その中で生産量を下げないで、頑張っていくためにはということでは取り組んではいるんですが、そこには、やはりそういう後継者が育っていける環境、国のほうでも、そこを考えていただきたい。
さまざまな事業を私もしていますから、それに沿った取組はやっておりますけれども、これから、この事業の関係もまだまだ問題が出てくる感じがしております。
そして、もう一つは、食育なんですけれども、今、小学校の子供たちに、私のところの職員が定期的にりんごの勉強を教えに行っています。
やはり、ただ食べさせよう食べさせようとしても、そんなに簡単には食べてくれない。
何かいい方法があるんじゃないかなと、そのように考えているところです。

三石部会長
ありがとうございました。
はい、林委員お願いします。

林委員
今、皆様方からいろいろなご意見、お話を聞きまして、私はどちらかというと消費者に近い立場、大学におりますので、一般の方にどういった形で果物を含めて、食生活をよりよくしていただくかと、支援をするかということを日々学生に伝えている立場です。
本日いただきました資料、あるいは皆様のお話を聞いていて、今回策定する5年間の基本方針は、消費という立場では、どこにターゲットを置いていくのか。
資料を拝見しますと、冒頭に世代別の果実では20代、30代、40代、若い世代の消費が少ない、摂取が少ないということに対して、異なるページでは、そういう販売する形態としてコンビニエンスストアが伸びているとあります。
そこを利用するのがどちらかというと50代以上の世代、そうすると、小口化、簡便化が求められるだろう。
そのような流れを拝見しますと、では、現在食べている人たちにより食べやすくするための基本方針なのか、それとも、先ほどから次世代とか若い世代の農業者を育成するという話題もありますが、これからの食べ手となる人たちをふやすような基本方針とするのか、どちらをターゲットとするかで、随分見方が変わってくるんではないかなと思っております。
ですので、単に、1つは30代と言っても、家族があるのかないのかでも、その食べている量というのは異なるでしょうし、また食べ方として、家庭なのか、それとも外食なのか、あるいは中食、あるいは職場、いろいろな場があると思いますけれども、どこの場での食べる機会を増やすのか、いろいろな考え方をしていく必要があるかなと思います。
ただ、やはり、大切なのは、食べやすさ、食べやすい環境、日常に果物がある、果実があるという環境を整えるということが一番重要だと思います。
ですので、あまりにも資料の中にもありますが、成分の効用などと言ってしまうと、今度は、食べ過ぎる不安感から、控える人たちも出てくるのではないかと思います。
もう少し戦略としては、総量を増やしていくということに視点をあてていただくほうがよいかなと思います。
私個人の経験としては、小さい子供が2人おりますが、日常的に食べやすい環境を整えたいと思っております。
果物も箱買いでして、5キロ、10キロの単位でかんきつを買い置きすることもありますが、そうすると、子どもが自分から手に取って食べたり、むきにくいものは、外側の皮と内側の皮をむく器具がありまして、そういったものを子供がすごく楽しんで使って、自分でべたべたになりながらもかんきつを食べているんです。
ただ、それは、そういう環境に育ったからそれが日常や習慣になりますが、環境がないと、そういう食べるという習慣も育たないと思いますので、そういった何が戦略として必要か、誰に伝えていくかということを視点に置きながら、ご議論いただけるといいかなと思っております。

三石部会長
どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
とりあえず、5時5分前になりましたけれども、あと15分ぐらい時間をとりたいと思います。
まだご発言のない委員の方、この機会に発言をぜひ。
田中委員お願いします。

田中委員
先ほどのちょっと果樹と果実、その分類を言ったのは、消費の中で、やっぱり果物の店舗で売っている果樹ではない果物がたくさんある。
そういったところとの競合というのがひとつあると思います。
で、やっぱり流通関係者の方いらっしゃいますけれども、自分はみかんでずっとと過ごしています。
品目別に、流通の中で、市場価格と店頭価格の差というのは、品目別全然違うんです。
品種も違い、その中の自分たちの作るほうは専作で作っているわけです。
しかしながら、売られる方は総合収支の中でやられるので、そこで利益率というのが全然違ってくる。
そこは、ストレートになれば、もう少し私たちみかんのほうの所得が向上する。
いろいろな緊特事業等々をやっていただいています。
そのときの価格暴落もありますけれども,ここまで80万トン台に行った中では、やっぱりもう平成15年だったと思いますが、廃棄処分というようなことも、平成20年代になるまでやっていません。
それだけ需要が減ったかに言われますけれども、そこそこの需要が残っているというふうに自分は思っています。
そういうところの中で、果物は、おいしくて当たり前だというのを基本理念に全国の会員の中でもやっていますけれども、今日ここに出ていますジュースにしても一緒です。
ストレートとしてありますけれども、消費者はどういったものを望んでいるか、いろいろな産地で作り方も違いますけれども、皮ながら絞っていくところと、ちゃんと皮をむいて絞っていくところ、全然食味も違いますし、次のおかわりというのも全く違っていくところが現状です。
そういうこともある中で、流通の中では、私たちは農協系統の中でやっていますけれども、明後日、初めてなんですが全国のかんきつの担い手の交流会ということで、東京で一堂に介しまして、自分たちも若いうちから役員をやっていますけれども、やっぱり今の30代の人たちは将来の構図をどう考えているかということも知りたいということがありまして、各県5人ぐらい平均で集まっていただいて、協議をするような場を作るようにしています。
そういうのをもとにして、今後の施策に反映したいなというふうに思っているわけですけれども、やっぱり先ほどから出ていますように、耕作放棄地なり、中山間地域といった問題もあります。
TPPの問題もありますし、EPAの問題、EPAの問題になりますと、今度はオーストラリアからそういった時期に色合いのちゃんとしたみかんが出てきますし、早期の出荷しています9月の極早生、10月の早生というものの生産にかなりの影響が出るんじゃないかと。
ただ、オーストラリアのキャパ自体が8万5,000トンということしかありませんから、さほどはないのかなという感じもしていますが、やっぱり一つ穴があいてしまうと、世界各国から入ってくるんじゃないかという懸念もあります。
ただ、そういうのに打ち勝つためには、いいものを作ると。
やっぱりいいものを作るためには、政策というしかないということで、流通上の構図とか、そういったものも考えていただきながら、生産局中心で進められていただいて結構だと思いますが、こういった形の中で、経営も含めながら、経営規模の中の施策も含めながら、今後の対応をしていただければなというふうに思いますし、このようにかんきつ減っています。
それだから、やっぱり後を担っていく人たちは、コストをどう下げていくかと、コストを下げるためにやっぱり新たな開園と言いますか、山を削って新たなところでやっていくと。
今まで傾斜地で本当に大変なところは、もう仕方ないと、そういった形の中の集約というのを一方では考えないと、極端な減り方をしていくんじゃないかというふうに思っていますので、そういったところも考えていかなければなと思います。

三石部会長
ありがとうございます。
まだご発言をしてない方、香髙委員お願いします。

香髙委員
多分この中では一番門外漢の最たるものだと思うんですけれども、そういう人間からの発言ということで容赦いただければと思います。
いろいろ皆さんの話を聞いていると、専門家であるがゆえに今までの議論の延長線上でどうしても考えになって,どちらかというと農業の場合は苦しいとか、難しいとかいう言葉がどうしても先行しているんじゃないかなというふうに常々感じております。
果実においては、まさに非常に将来性の高い産業の一つだというふうに個人的には考えておりますので、できれば、議論のツールとして、これまでできてこなかったこと、なぜできなかったのかというような視点でぜひご議論いただければなというふうに思います。
1つ、事例がありますが、先ほどのご説明の中からも消費から見た議論を始めたいということで、一番最初に消費者の嗜好ということを書いてくださったのはいいと思うんです。
誰が食べていないかという分析はあるんですが、次に聞いているのが、その人たちがなぜ食べなかったのかという点でははく、果物を食べる理由を聞いている需要を増やすという意味では、食べていない人たちがなぜ食べないのかというところを深く掘り下げることによって、何らかのヒントが出てくるのではないかなというふうに思いました。
例えば、コンビニに高齢者の方が行くというのも、なぜコンビニに高齢者が行くのか、こういう傾向がなぜ出てきているのかというそのバッググラウンドのところをできるだけ掘り下げることによって、6ページにも書いてありますけれども、情勢変化に対応できていないために消費が減退している、この理由が、より鮮明に見えてくるんではないかというふうに思いました。
先ほどからカットフルーツのお話も出てきていますけれども、本当にカットフルーツにするだけで消費者が実際に食べるのでしょうか。
値段が本当にあっているのか、いくらのカットフルーツなら食べるのか,どういう見せ方の、どういう鮮度だったら食べるのかというようなあたりの分析とかも、もし余裕があればこういう機会にぜひしていただければなというふうに思いました。
それから、政策的な面では、これまでやはりいろいろな皆様のご意見の中から、さまざまな支援策が講じられてきたかと思うんですけれども、逆に、こういった支援策が果樹の世界では新しい動きを阻害するような要因になっていないのか、というような見直しもぜひしていただければと思います。
素朴な疑問として感じたのは、これ施行令なので、なかなか変えるのは難しいと思いますけれども、果樹農業振興特別措置法施行令、ここに挙げられている第2条の政令で定められる果樹というのがこれだけのものに固定しているということ自体、消費者としては若干疑問に思っています。
もしこれだけのものを政策的に支援が行くのであれば、新しいチャレンジをしようとしている方とか、あるいは何かと何かをかけあわせてやろうとしているような方々の動きを阻害するということにはならないのかどうか、こういったあたりの過去からずっと続いている政策についても、5年ごとということでせっかくの機会なので検証していただければなと思いました。

三石部会長
ありがとうございました。
橋本委員お願いします。

橋本委員
東急ストアで仕入れを担当しております橋本と言います。
より消費者に近いところで販売をしているという形の立場から、特に3ページにあるように、年輩の方は比較的食べていただいていますが、30代の方は食べていないという、推移の表があります。
いろいろな理由があるとは思いますが、将来的に、この方々が年齢を重ねたときに、食べていただけるのかどうかというところを非常に疑問に思っています。
やはり、嗜好性が高く、一般的にはデザートで食べられることが多い商品ですので、競合となる、俗に言う加工品のスイーツというものも非常に増えていますし、手頃な価格のものも増えています。
いろいろな商品が今開発されている中で、これから、果実を食べていただくために、どうするかということを真剣に考えなければいけないと、いろいろな取組を進めているところです。
当然、消費を増やしていくには、供給というのも非常に大事な話ですし、ここで、私たち販売する立場から言うと、やはり何よりも安定というところが重要視されるところです。
例えば、今年は輸入のかんきつが非常に、アメリカのカリフォルニアの状況が悪く、生産量が少ないということが事前にわかっていましたので、私たち量販店各社は、今年の3月、4月は国産のかんきつを売っていこうという計画を立てて、各社ともに国産のかんきつを量販することができたと思います。
今年初めて、食べていただいた新しい品種のかんきつともあると思いますので、これが次に繋がっていけばいいなというようには考えております。
それも1年後の話になってしまいますけれども。
まずは、間口を広く、敷居を低くして、多くの方にまず食べてもらうことから始めないと、一度食べなくなったものを増やすというのは非常に難しい、簡単な話ではないということです。
それと、実際に商品を販売する立場としては、やはり、流通の形態や、販売する時期の課題があります。
一時期にいろいろな産地のものが集中してしまうと、当然市場相場は崩れていきますし、私たちが、販売する量にも限りがあるので、幾ら食べていただいきたいと思っていても、手に取ってもらえないと。
価格だけは下がっていくという、一番望ましくない形になってしまうということもありますので、それぞれ各産地の取組があるんですけれども、しっかりリレーというような形で安定供給、そういう意味での安定ということもありますので、そういうことの取組が必要というように思います。
それと、特に感じているのは、この時期りんごというと、今まで貯蔵のりんごしかなかったですが、輸入のりんごが増えてきています。
去年からニュージーランド産に対する抵抗感がなくなったということか、食味が評価、今の時期としての食味が評価されたのか、非常に稼働するようになってきています。
そういう意味でも、輸入の商品に対抗できるような、いろいろな、例えば貯蔵の方法なのか、かわりに提案する果物をどう提案するのかというところも含めて、谷間となっている時期もありますので、年間の中での提案の仕方というのを私たちは考えていかなければいけないと考えていますので、そういうところも踏まえて、その生産のほうも考えていければと考えております。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
では、松田委員、次に薮野委員、それから福田委員、順番でご提案をお願いします。

松田委員
農研機構果樹研究所の松田です。
試験研究に携わる者として一言申し上げます。
果樹研究所では、いろいろな品種ですとか、技術を各県の試験場とあわせて、連携しながら、開発しているところです。
例えば、品種開発でいえば、最近のヒットとして、この資料にもありますけれども、ぶどうのシャインマスカット、あれは今までのぶどうとはちょっと違う新規性を持っていた、また農家の方にとっても作りやすいという特徴がありました。
それを、全国の試験場で試作検討していただいて、これはいけるというのが全国の試験場の判断でしたので、今急激に伸びている。
だから果樹でも、新規性のあるものを作れば、まだまだ伸びる余地はあるだろうと思います。
ただ、そういってもいろいろな品種が出ている中で、どれを全体として押していくかというところがあります。
県のほうでも、それぞれの県のブランド品種を作っていますので、そういう品種の全国展開をどういうふうに調整するかというところもあると思います。
あと、研究機関ではいろいろな技術も開発しているんですが、それがなかなか現場のほうで実際にうまく活用する事例に結びついてないところがあります。
そこらの状況分析なんかもこの中で検討できればと思っているところです。

三石部会長
ありがとうございました。
薮野委員、お願いします。

薮野委員
和歌山県から来ました。
薮野と申します。
よろしくお願いします。
私は、和歌山県庁へ、農業の技術職員として採用されまして、現場指導ということで10年以上携わっております。
農政と生産現場の橋渡し役という立場でちょっと意見のほうを述べさせていただきますと、国の果樹経営支援対策についても、私も今地方機関ということで、有田みかんの地方機関にいるわけなんですが、果樹経営支援対策についても、改植の事業については、非常にありがたい制度ということで、特に平成23年度から未収益期間のほうが措置されまして、さらにこの改植事業の普及というのが広まったところであります。
また、燃油対策につきましても、ハウスみかんの産地でありますので、この燃油高騰の状況の中、非常に燃油も上がっておりまして、この補填事業のほうがかなり補填を大分かなり受けまして、26年度事業のほうも加入者が増えたという状況にあります。
現場と農政の橋渡しということで、事業をしている農家のほうにも現地確認ということで、現場に出るわけなんですけれども、やはり補助事業ということで、やはり国の検査というのも受ける必要がありますので、現場のほうを見に行くわけなんですけれども、やはりちょっと、国の事業を活用するに当たって要件というものがありまして、私どもは、それをしっかり見ないといけないということがありまして、確認作業に出ることがあるんですけれども、あと、ちょっと要件に見合わない農家の方、現場というのもかなり見受けられまして、この事業の補助を受けるためにあわせていくというのはおかしいことで、そういった指導もするんですけれども、やはり補助事業を活用しながら、この厳しい現状を乗り越えて、後継者につないでいくというのが、私どもの産地のほうなので、やはり補助事業の活用というのが、非常に重要な対策というような気がしております。
10年以上ということなんですけれども、10年前は、生産者の方のニーズというのも技術指導であったり、担い手の支援というような、そういうことだったんですけれども、近年は、我々に求めてくるニーズというが、非常に高度化、多様化しておりまして、ただ技術指導とか、担い手の支援ということだけでなく、次世代につないでいくには売ることをもっと指導して、所得向上ということ、そういうことを教えてほしいというようなニーズがあったりします。
橋渡しという立場で、少し感じたことです。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
深澤委員お願いします。

深澤委員
青森県りんご輸出協会の深澤と言います。
輸出のことでちょっとお話しをしたいと思います。
青森県、りんごの栽培を始めて140年になるんですけれども、りんごの輸出も100年を超える歴史があります。
その中で、今回優良事例として紹介いただいていますけれども、台湾向けの輸出が非常に好調ではありますが、これはわずか10年前にこういう好調の波に乗っただけだと、台湾がWTOに加入した時点で、輸入枠が廃止になって、それで今2万トン近くの輸出が実現するようになりました。
わずか10年間だけの話です。
今、台湾向けに輸出していて、一番感じているのは産地間競争の非常に激しくなっておるということです。
台湾は年間13万トンぐらいのりんごを輸入していますけれども、アメリカとチリが大体8割ぐらいのシェアを持っています。
その間に韓国とか、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、世界中のりんごが台湾市場でひしめいていて、その中で、やっと青森県産のりんごの数量を確保しているという状況です。
台湾は、幸いなことに、中国産のりんごは出回ってないんです。
東南アジア産地に行きますと、青森もタイとか、マレーシア、インドネシアとか出していますけれども、中国産との産地間競争の中で、何とか輸出をしていかなきゃいけないということなんですけれども、一番の問題は、同じ品種はふじなんですけれども、ふじで競争しなきゃいけないんですけれども、価格差が10倍以上あります。
ですから、そういった東南市場では、青森県からの出てくるりんごというのは世界一とか金星、むつ、中国にないような品種のものを持っていっています。
台湾でも、主力はふじなんですけれども、有袋のふじ、非常に着色がよくて、大玉で見栄えのいいりんご、これが日本のブランドということで定着していて、その中で無袋ふじとか、王林とか、そういった大衆りんごもいって、拡大をしているという状況なんですけれども。
そういう非常に産地間競争の厳しい中で、今度は、農薬のポジティブリストの問題とか、植物防疫の問題とか、関税の適用も国によって違います。
例えば、ニュージーランド産はもう関税ゼロになってしまってございます。
そういうところとの競争をしなきゃいけないんで、これは、なかなか課題が山積しているのかなという状況で、農林水産省のほうでは、もう既に輸出額を現状の100億から250億まで拡大するという方針を提示されておりますので、青森県に当てはめて、倍以上に拡大するというのは、なかなか至難の業だというふうには思っているんですけれども、やはり、どういう攻め方をしていったらいいのかということを、これは、今まで発想が及ばないような新しい知恵が必要になってくるのかなというふうに感じていましたので、一つ、そういった広い議論をこの場で期待をしたいなというふうに思っております。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、鈴木忠委員、お願いします。

鈴木(忠)委員
1番最後になったかもしれませんけれども、先ほどからお話をお聞きしていて、アプローチの問題として、消費の実態の分析から入ってくると、非常に確かにこれそういうことだろうなというふうには思うんですが、消費の実態は変化なり、数年前と大分変わってきているということを産地なり、生産者にどう繋げていくか、産地の体制をどう持っていくかというところが、要するに生産者の体制をどう持っていくかということが非常に難しいところでして、ここの議論をちょっと深めていただければなというふうに私個人的には思っております。
基本的に、今回の果樹農業振興を図るための基本方針の策定ということでございますので、果樹農業そのものが労働時間が長いとかいう中で、所得が低い、そういった実態の中で、今まで、果樹農家というのは、生鮮用の果実を、高品種のものを生産して、高い単価で販売することを目的に、今まで農業そのものを取り組んできていますので、例えば、これも加工仕向け主体に出たのであるとか、輸出ということも、これもある程度輸入は分かるんですけれども、これを主体にという状況になったときに、今までの生産体制と、おのずと農家そのものの意識を変えていかなきゃいかん部分が大分出てくるんだろうと思うんですよ。
そこのところを、どういうふうに全体の中で取り組んでいくのか、産地体制をどう作っていくのかというところを、少し議論を深めていただければというふうに、いろいろと皆さんのお話しを聞いて感じたというような状況でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
いろいろな課題、それから論点をかなりさまざまなところから出していただきましたので、この議論は、次回につなげたいと思います。
時間も迫ってまいりましたので、初回の議論は一応以上をもって終わりにしたいと思います。
最後に、次回以降の進め方について、事務局から簡単に説明をお願いします。

菱沼課長
事務局から説明させていただきますが、資料の4-2、資料4-3ということのご説明になります。
資料4-2につきましては、果樹農業振興基本方針の策定というようなことで、繰り返しになりますが、当面5年ごとに定められておりまして、本年第11次ということでございまして、平成37年度を目標年度として平成27年の3月を目途に策定していこうではないかというふうに考えているところでございます。
めくっていただきますと参考ということで、現、平成22年4月12日に策定しました基本方針というのがついておりますので、ご参考になれば後でごらんいただきたいと思っております。
あと、資料4-3でございますけれども、今日が6月30日で第1回のキックオフということでございますけれども、今後のスケジュールということでお話しておりますが、第2回目は7月下旬を目途に行いたいと思っております。
第2回、第3回とさまざまな課題をまた深掘りするようなご審議をいただきたいと思っていますし、秋には現地調査ということで2カ所程度の現地調査を行いながら、12月、2月、3月にかけまして、審議を行いまして、3月末までには、方針を答申としていただくというようなことで進めていきたいと思っております。
簡単でありますが、以上でございます。

三石部会長
ただいまの説明について、またスケジュール等について、何かご質問、ご意見等ございますでしょうか。
よろしいですか。
第1回から来年3月まで続けてありますので、今日いろいろ提示していただいた議論、論点等を、今後できるだけ深めていけたらいいかなと思います。
ご意見は、よろしいでしょうか。
それでは、事務局に今日の議論の課題論点、もう一度次回までにしっかり整理していただいたものを用意していただいて、次回の議論としたいと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、ここで議事を一応終了させていただいて、初回からかなりいろいろな論点出てきたと思いますので、皆さんご協力本当にありがとうございました。
次回以降、論点整理、しっかりやりたいと思いますので、実際の議論の本番は、これからになると思いますので、ぜひとも、よろしくお願いいたします。
それでは、議事進行を事務局にお返しします。

菱沼課長
本日は、ご多忙の中、長時間のご意見をありがとうございました。
本当に貴重なご意見を承りましたので、事務局としてどのように整理して、次回の会合でどんなようなものを提出していけるのかなということを検討していきたいと思っています。
最後、本日の部会の概要といいますのは、部会長にご確認いただいた上、今週中には農林水産省のホームページに掲載する予定にしております。
さらに詳細な議事録につきましては、後日委員の皆様にご確認いただいた上で、農林水産省のホームページに掲載したいと考えております。
よろしくお願いいたします。
次回の部会開催ということでございますが、7月下旬の開催として詳細につきましては、改めて事務局からご連絡をさせていただきたいと思います。
以上ですが、何かご質問等ございますでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、長時間にわたりましてご審議いただきましてありがとうございました。
本日は誠にありがとうございました。
次回も引き続きよろしくお願いいたします。
これで閉会とさせていただきます。