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食料・農業・農村政策審議会果樹部会 第2回(平成26年7月28日) 議事概要

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(1) 果樹農業に関する現状と課題(生産関係)

(2) その他

事務局より、資料に沿って第1回果樹部会でいただいた御意見に対する説明を行った。

「果樹農業に関する現状と課題(生産関係)」に関連して、秋竹新吾氏、鈴木敏行委員、葛西務委員、深澤守委員から話題提供いただいた後、質疑応答を行った。

主な意見は以下のとおり。

生産・経営関係

  • 果樹経営支援対策のおかげで、産地では市場評価の高い品目への移行が進んだところであり、同一品種の改植支援や新植についても、次期対策でぜひ、検討してほしい。
  • 改植支援については、代替地への集積に役立つような改植ができるよう検討して欲しい。また、園地の大胆な基盤整備を併せて行わないとコストは下がっていかない。
  • 近年は暑い気候が続き、生産量だけでなく品質がばらつくなどの影響が出ており、ドリップ方式などで水分供給するなどの対策が必要。
  • りんご経営の植栽面積規模別の部門所得のグラフに関し、3ha以上の高収益グループでは規模拡大しても収益性が高くなっている要因について、単収や所得も含めて詳細に分析することが必要。
  • みかんの加工向け生産については、生食用の果実を加工用にも利用する場合と、加工専用に特化して生産する場合の2つに分けられると認識。
    前者では選果段階や加工過程とうまく連携して取り組むことが重要。後者は、いくつかの事例も承知しているが、現実的に採算がとれるのかが課題。
  • みかんの栽培面積が減少している中で、加工用に仕向ける量も減少しており、安定的な確保が必要。
    加工専用果実を生産する場合、どの程度の価格なら採算がとれるのか、もっと詳しいデータを示すことが必要。
  • 隔年結果性があるみかんで、加工専用果実の生産にシフトしたとしても経営安定につながるかは疑問。
  • 果樹だけの問題ではないが、燃油コストや流通コストが高まっており、収益が上がらなくなっていることにどう対応するか、収入保険制度やセーフティネット対策をどう考えていくかは重要な課題。
  • 直売するか、あるいはJAに出荷するかなど、販売形態によって収入は大きく変わる。手取りも年々減少しており、収入が変わらなくても個々の農家所得が増大するような方法を考えることが必要。
  • 有田地域では1~2haの規模が多く、2haが家族経営の限界。
    果樹園地の集積が進んでいない理由としては、規模拡大しても省力化が進まないこと、品質のよい果実を生産可能な園地でないと持とうと思わないこと、園地を分散させておいた方が災害時のリスク分散ができることが挙げられる。
    現場でも、果樹では出し手、受け手のマッチングに努めているが、思い描いたようには集積が進んでおらず、果樹特有の課題を克服することが必要。
  • 三重県でも果樹の園地集積を進めようとしているが、実施段階の市町村やJAのレベルでは、土地利用型作物と違って、なかなか進まない状況。
    果実の場合は、農地中間管理機構の利用だけでなく、基盤整備、改植支援等の事業をうまく組み合わせて、園地集積を進めることが必要。
  • 傾斜地や分散した園地が多い果樹では、大規模化を進めるためには、農地中間管理機構をどのように利用して園地集積を行うかが重要。
    また、園地の基盤整備やマルドリ栽培も重要であり、その現状と今後の方向性を提示してほしい。
  • 園地集積は、果樹農業、特に落葉果樹では難しいと認識。
    園地集積を進めるだけでなく、新規就農支援や改植支援も含めて、後継者を元気づける支援策にしてほしい。
  • 新規就農については、経営として成り立つような支援が必要。単にお金を給付するだけでなく、厳しい目で就農支援を行うことが重要。
  • 和歌山県では、収穫等の季節作業の雇用者を募集するサイトを立ち上げ、「グリーンサポートシステム」として運用している。
    生産者からの問い合わせも多い状況。
  • 果樹はハンデのある環境でがんばっている品目。
    中山間地域で、果樹農業を行うことで一定の所得や雇用が生まれるといった生活基盤への貢献についても考えてはどうか。

 

消費・流通関係

  • 昔のような果物店が減っていく一方で、今の主力は量販店となっている。対面で販売する機会が少なくなっていることから、サプライヤーが消費者に対して、きちんと果実の価値や品質を伝えられているかは疑問。
    生産から消費につながるバリューチェーンの構築が必要。
  • 果実の潜在需要は大きいと認識しており、自分の職場でも箱入りみかんは大人気。
    「デスクdeみかん」キャンペーンのような働き盛り世代向けの取組は、需要の掘り起こしに効果的であり、もっと力を入れることが必要。

 

輸出関係

  • 輸出・輸入とも、国際的なマーケットを踏まえて議論することが必要。
    国際的には果実の価格水準が上昇傾向であるのに対し、国内の果実価格は横ばい。国内外の価格差が縮まり、価格面での他国との競争が始まっているようにも考えられるので、国際的な市場環境を整理することが必要。

 

以上

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