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食料・農業・農村政策審議会果樹部会 第5回(平成27年2月5日) 議事録

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日時及び場所

平成27年2月5日(木曜日) 15時29分~17時28分
農林水産省本館4階 第2特別会議室

議事

(1) 果樹農業振興基本方針(骨子)について

(2) その他

概要

菱沼課長
それでは、若干定刻前でございますが、横田委員、福士委員におかれましては、急遽ご用事のためご欠席でございまして、本日、皆様おそろいでございますので、ただいまから第5回の食料・農業・農村政策審議会果樹部会を開催させていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましてはご多忙中、さらに今日は雨から雪へということで足元の悪い中ご参集いただきまして、大変ありがとうございます。
本日、議事に入る前まで、私、菱沼から進行させていただきたいと思っております。
ます初めに、事務方の方で1月23日付で人事異動がございまして、生産振興審議官が西郷から鈴木に異動となりましたので、まずは生産振興審議官の鈴木からご挨拶申し上げたいと思います。
よろしくお願いします。

鈴木生産振興審議官
食料・農業・農村政策審議会果樹部会の開催に当たりまして一言ご挨拶を申し上げます。
今ほどありましたように、1月23日付で、前任の西郷の後、生産振興審議官を拝命いたしました鈴木と申します。
よろしくお願いいたします。
11年前に実は果樹・花き課の総括をしていましたのと、平成19年8月に、野菜課と果樹・花き課が園芸作物課になり、その時に流通加工対策室長をしていまして、それ以来久々の果樹のラインになりました。
委員の方や傍聴の方で昔お世話になったお顔が何名かおられるので思い出していただけましたら幸いでございます。
今、農林水産省では新たな食料・農業・農村基本計画の検討というものを進めております。
これと並行いたしまして、本部会においてご審議をいただいております果樹につきましては、やはり農家の所得控除はもちろんですけれども、さらに6次産業化の展開、それから輸出拡大、今後の我が国農業の推進方向を見定めていく上で極めて重要な品目だと認識をしております。
果樹部会では、新たな果樹農業振興基本方針の策定方向を見定めるべく、これまで4回のご審議、それから2回の現地調査を行っていただきまして、生産・流通・加工・小売・消費の各場面における現状や課題、主要論点についてご議論をいただいてまいりました。
本日は、新たな基本方針の骨子についてご審議をいただくこととしております。
委員の皆様方におかれましては、限られた時間ではございますが、それぞれのご専門のお立場から忌憚のないご意見を頂戴いたしますようお願いを申し上げまして私の挨拶とさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

菱沼課長
それでは、議事に入る前に資料の確認でございます。
まず、議事次第の1枚紙がございまして、あとは資料一覧でございます。
資料1につきましては委員の名簿です。
資料2につきましては今後のスケジュールで、「審議の進め方」となっていますが、本日2月5日は第5回であり、基本方針の骨子のご審議ということであります。
その後は3月上旬に第6回、3月下旬に第7回を予定させていただいております。
続きまして資料3で、果樹農業振興基本方針の骨子案を用意させていただきました。
さらに、資料4で、資料3のポンチ絵的なものとして、「果樹農業振興基本方針の主なポイント」という横紙のものを用意させていただきました。
何か足りないところがございましたら、事務方のほうにお申しつけいただければと思います。
よろしいでしょうか。
それでは続きまして、委員の出席状況と当部会の成立のお話をさせていただきたいと思いますが、本日は、葛西委員、鈴木敏行委員、橋本委員、松田委員がやむを得ないご都合ということで事前にご欠席を承っております。
また急遽、横田委員と福士委員がご欠席とでございます。
委員及び臨時委員19名のうち13名の方がご出席でございますので、本部会は定足数12名で成立しているということをご確認させていただきます。
それでは、部会長のほうに議事進行をお願いしたいと思います。
よろしくお願いいたします。

三石部会長
それでは、ここからは私の方で議事を進行させていただきます。
本日の議題は2つありまして、1つが、果樹農業振興基本方針(骨子)についてとその他、この2点となります。
審議の進め方ですが、事務局の方から資料3、資料4が用意されておりますので、まずは資料の内容を事務局より説明いただきます。
その後、各委員からご質問、ご意見を頂戴したいと思います。
それでは、事務局の方から説明をお願いいたします。

菱沼課長
資料3と資料4につきまして説明いたします。
資料3の方は基本方針の骨子案であります。
資料4がポンチ絵でありますが、およそ25分程度でご説明させていただきたいと思います。
資料3をおめくりいただきますと、まず構造といいますか、その構成についてご説明いたします。
目次がございますけれども、第1の「果樹農業の振興に関する基本的な事項」で示させていただいておりますが、まず1番目ということで「果樹農業をめぐる状況と基本的考え」、これは5年間の果樹の政策を進めていくということで、やはりスローガン的な基本的考えが必要だろうということに立ちまして1.を設けさせていただきました。
さらに、この部会は最初から消費の方から入っていこうではないかというお話をさせていただきましたので、2番目で「消費面での対策の推進」、さらに3番目「生産面での対策の推進」、流通は後で出て参りますが、別に項目を立てました。
4番目として「輸出面での対策の推進」になっております。
流通、加工につきましては、下のほうに「第5」とありますが、「果実の流通及び加工の合理化に関する基本的な事項」で別途事項を立てさせていただきました。
第2、第3、第4の事項でございますが、例えば第2につきましては「需要の長期見通し」とか「生産の目標」、これについては今、基本計画の企画部会でいろいろとまだご議論いただいていますので、そういった議論を集約できましたら、また記載させていただきます。
第3の「栽培に適する自然的条件に関する基準」、これは温度等を記載するのですが、これについては今、果樹の研究機関の方々と調整しておりまして、後日ということになります。
第4につきましては、「近代的な果樹園経営の基本的指標」ということで、これは農業経営モデルと、今後こういった経営を進めていくべきというモデルを策定して掲載することになっておりますが、これにつきましても基本計画の中でまだ今ご議論いただいていますので、これは今後ということになっております。
このような構成で今、基本方針を策定しておりますが、それが骨子案であります。
骨子案は文言ばかりでありますので、イメージ的にもなかなか説明するのは難しいということで、私どもとしては資料4を用意させていただきました。
今日は資料4を中心に説明させていただきたいと思います。
資料4をごらんください。
まずめくっていただきますと1ページで、「果樹をめぐる状況と基本的考え」ということで、めぐる状況についていろいろとグラフ等で説明してあります。
経営者の割合が高齢化の進展だとか耕作放棄が増えているといったような果樹の課題や、さらには右下で、果実の需給構造ということで、国内生産の8割は生果で、一方、輸入については6割が果汁等の加工品ということ、このような需給構造がある訳ですが、やはり消費の方ではどんどん加工品が増えてくるだろうということがございます。
さらに、人口が減ってきているので、この需要が小さくなっていく。
その際にどうやって果樹生産を行っていくのかということが課題になると思います。
2ページでありますが、ここは基本的考えということで、今後5年間の果樹施策の方向性をスローガン的に表したものであります。
左のほうに輪がありますが、まず果樹農業の所得の向上を生み出す「好循環」ということをしっかり打ち出していく必要があります。
これはどこから始まるのかといいますと、まず高品質果実を有利販売し、所得が向上し、それで規模拡大して次世代にもつなげていく。
さらにそういった規模拡大した方々が新しいマーケットも作りながら、さらに伸ばしていくということで、所得向上をどんどんうまく生み出していこうということが一番大事だと。
そのためにはということで右の方にありますが、色々と産地や研究、市場、消費の方が書いてありますが、「連携」というキーワードを使って研究開発との連携や産地と消費者の連携、更には産地間の、競争ではなくて産地間連携をしていくこと、更には、他の異分野の方々との連携、更に、加工と小売、消費まで一気通貫での連携といった、「連携」を強化することで果樹施策を伸ばすべきではないかということを示させていただいております。
3ページでありますが、これがまず消費から入っていくということでありましたが、例えば、左上の方にありますように、世代別で全くと言っていいほど食べていない世代がある。
そこについては、世代を絞って新しい消費対策をやっていくべきということ。
さらには、消費対策でも、食べましょう、食べましょうといった運動論だけではなくて、十分に関係者が連携して、そのサプライチェーンを作ることが大事。
例えば、給食でしっかり果物を児童に食べてもらうために、JA全農ふくれんさんで、これは右の方ですが、このような動きをしているということで、ただ食べましょう、食べましょうではなく、しっかりしたサプライチェーンを作るということが、非常にこれからの消費者対策だろうということであります。
4ページですが、こちらについても、各世代ごとにターゲットを絞ってやるべきだということで、まさに「デスクdeみかん」はもう始まっていますが、「働き盛り世代」を中心とした消費拡大や、社員食堂でのこのようなメニューのやり方、更には、やはり若い人向けに果実の加工技術を新しく活用して新商品を活用して伸ばしていく、消費拡大をしていくということ、更には、食品表示制度への積極的な対応ということで、機能性表示をうまく使って消費者に効果的に訴求できるような取組を進めていこうといった、いろいろと武器といいますか新しい技術や表示方法ができてきましたので、これを使って果樹の消費を伸ばしていこうと考えております。
5ページでありますが、果樹の経営モデルということで、新たな農業経営モデルをつくるべきだというようなことで、これもしっかり作っていく必要があるだろう。
農業モデルの中で新技術ということで、みかんでいえばマルチドリップかんがい方式やりんごの新わい化栽培といったことをうまく技術を活用して新しい農業経営、果樹経営を作っていこうと。
ただ、こういった農業経営モデルはいいのですが、そこまでいくのにどうしたらいいか分からないという若手の方々が現地の話でありました。
就農してもこれから伸びていけるのかどうかということがありまして、やはり我々としては、右にあるような果樹の経営キャリアプランというか、新規就農したら、これからどうやって発展して、どこをどういうふうにしていけばこういった農業経営モデルまで近づくんだといったような、キャリアプランをしっかり作って、ロードマップを作って、これから新規就農していただいて担い手になっていただこうという施策を今度講じる必要があると思っています。
6ページですが、次世代の承継の問題でありました新規就農施策が左の方に色々とございますが、これもしっかりこれから進めていこうということ。
あとは、やはり果樹の場合は剪定技術等の様々な専門技術が必要ですので、研修をしっかりやりながら、それも基礎研修なり現地研修をやりながらちゃんと担い手として育成していこうという制度的なものも必要であろう。
さらに、農地中間管理機構を利用して、新規就農がすぐさま入っていただくためには、園地整備をして、近代的な園地整備の中にすぐさま入れるような、タイムラグがない営農ができるような体制を作っていく必要があると考えております。
7ページですが、そのような新規就農に入っていただきますが、やはり規模拡大がなかなか難しいというのが以前からご説明しました左の表でございまして、規模がまだまだ伸びていない。
そのような点で、やはり果樹におきましても、農地中間管理機構を活用して園地の集積等を行っていく必要がある。
ただ、水田と違って果樹の園地は永年性であることから、色々な特性や課題があります。
そうした中で右の絵の下にありますように、産地協議会で、さまざまな方々が入って果樹の園地の規模拡大をするための自分たちでのルールづくりをしながら、園地の集積を伸ばしていこうということをやるべきだろうと思っております。
8ページですが、規模拡大は非常に大事ですが、やはり一番大きな問題は、労働力ということが現地調査の中でも随分出てまいりました。
やはりここの労働力の支援というのをしっかりしない限りは、果樹の経営規模は増えていかないということでありまして、例えば、左の方に産地労力支援システムといったものが各地域でも、これは長崎の例ですが、このようなことも出てきています。
委託者や作業支援者のリストを作ってうまくマッチングさせて伸ばしていくということ。
さらには、右の方にありますように、農作業受託、水田農業では随分進んでおりますが、果樹についてもやっと事例的なものが出てきておりますので、このようなものを使って規模拡大に支援していこうということが大事であります。
9ページですが、やはりこれも有田の方でも色々と出ました。
耕作放棄化が進んでいるというお話がございましたので、これについて耕作放棄地対策ということで左の方で、農地流動化委員会を使いながら、規模拡大をするのと規模縮小する農家のマッチングをして、うまく耕作放棄にならないような手つなぎをしていくということ。
さらには、写真でありますように、粗放化にそろそろなりつつあるような、耕作放棄地になりそうな園地については、加工専用園地に変えていくといったこと。
これは和歌山県の研究所でも試算しておりまして、低コスト省力化を使えば労働時間も減って耕作放棄しないでやれるのではないかという試算も出ております。
このような加工専用園地の転換で耕作放棄化を防止するということ。
さらには、右の方にありますように、果樹共済のようなセーフティネット資金等もしっかりと活用していく必要があるだろう。
これも施策として訴えていく必要があるだろうと思っています。
10ページですが、生産面の対策の中で非常に重要となるところ、果樹の場合では優良品目・品種への転換ということでして、写真にもありますように「シャインマスカット」、これは種なしで皮ごと食べられるもので、作付面積が急増しております。
このような新しい品種をどんどんうまく使っていくということです。
そのためには、やはり新品種の育成ということで、個人個人ではできませんので、様々な方々が集まって地域の中でコンソーシアムを作りながら、できたものについてはどうやって保護していくのかということも考えながら、育成をしていく必要があるだろう。
さらに、右の方でありますけども、果樹の対策の中で一番核となりますところ、今進めておりますが、27年度以降もしっかりやっていくということで、改植と未収益期間対策、これをしっかり打ち出していくということであります。
これにつきましても、改植の経費について、定額でやってほしいという要望がございますので、反当たり何万円ということで定額でご支援するとか、さらに優良品種の同一品種についても一部色々と要件をつけながらですけれどもやっていくということ。
そうはいっても、改植といっても、なかなか新品種の苗が無いというお話もありました。
そのことで、急速に普及させるための苗の配布の体制づくりもしていく必要があるだろうということであります。
11ページですが、やはり生産面でこれから伸びていくためには、新技術というかイノベーションというのが非常に大事であります。
やはり優良事例を見させていただきますと、みかんでいえば「マルチドリップかんがい方式」で、高品質のかんきつを生み出す園地が出てきております。
こういうこともしっかり伸ばしていく必要があるでしょうし、やはり先ほどから申しましたが、果樹の場合は剪定技術等の様々な技術は非常に専門性に富んでいます。
そうしたところで、農研機構の果樹研究所でも今、農業の技術研修制度を行っておりますけども、これらがうまくマッチングし、研修を受けたいという方々と研究所との受け入れをうまくやりながら、先端的な技術を受けられる、知見を獲得することができるように、これを伸ばしていきたいと思っています。
さらに、果樹の場合は労働力が非常に大変でありますので、さまざまなところでスマート農業という言い方をしておりますが、ICTだとか先端ロボット技術、写真にもありますように、農業用のアシストスーツ、これらも今、補正予算でこれから全国の各地の産地に使っていただくということでご支援していきますけども、スマート農業といった形でロボット化をしまして、作業しやすい栽培方法をし、研究もこれから進めていく必要があるだろうと思っています。
12ページでありますが、ブランド化の一層の推進ということで、左の方に三角形のピラミッドの絵がございますが、これは果樹の農業で宿命で、優秀良可といいますか、いいものは少なく、余りよくないものはたくさんできてしまう形になります。
これをどうやって底辺のものをうまく売っていくのかといったことが問われてきますし、そうした中でブランド化をどのようにしていくのかということであります。
糖度を高めていいものとして売っていく。
では、真ん中のものはどうやって売っていくのか、裾ものについては、傷物もあるのであればジュースにしていく等、さまざまなやり方でうまくつないでいかなければいけないということだと思います。
さらに真ん中にありますように、これは「デコポン」でありますけども、産地間連携で共通ブランド化をしている例でありまして、産地間競争してもなかなかうまくいかないということで、これから産地間連携しながら共通ブランドで売っていく。
産地リレーすれば、やはり「デコポン」というのは知れ渡っていますので、しっかり消費者の方々も買ってくれるということです。
このようなブランド化をどのように進めていくかということが大事だと思っています。
更に右の方でありますが、これは昭和50年代、60年代、集出荷施設、新しいものを随分つくりました。
しかしながら、かなり古くなってきておりますし、今もっと新しい様々なICTを使った選別方法というのもできておりますので、そのような中で集出荷施設の再編整備、集約化を進めてブランド化を作っていきたいと思っております。
13ページでありますが、これは先般、有田のほうに行きましたところ、みかんの価格が26年産は非常に低かったと、需給調整や産地間連携できちんと需給を安定させないと価格が下がるといったお話が生産者の方々から随分出ました。
実際我々としては、たくさん果物ができてしまったときに、需給調整ということで、生の果実にせずジュースに仕向けるということで、緊急需給調整特別対策事業を行っております。
この対策につきまして随分議論がありまして、発動基準が、なかなか発動できないような基準になっている。
この事業を使いたいが、なかなか使えないといったお話でございました。
下のほうに赤の字で書いてあります【産地からの主な意見】ということで、期間が短いだとか全国平均でやっているのでなかなか出ない、県ごとにやってほしい、価格の幅が20%よりも少なくても良いのではないか等といろいろとお話ございまして、我々も、日園連さんともども、この運用改善について何かできないかということで今議論させていただいて、何とか27年産には新しい運用改善で進めていきたいと思っております。
それから右の方にあります産地間連携ということで、産地競争でうまくブランド化を作って抜け出した時代ではないこと、やはりみんなで価格をきちんと安定させなければならないということで、こういった産地間連携による需給調整はこれから大事であろうということがこの前の現地調査の中でも出たと思います。
14ページですが、これも生産面で、「6次産業化への支援」ということであります。
左の方にございますように、実際現地、有田の方で早和果樹園さんに参りましたけども、マルチドリップかんがいの栽培方法や、ICT等の様々な新しい技術を導入して、皆さんお土産に買っていただきましたが、おいしいみかんジュースをつくっているということ、それもストレートジュースということであります。
こういった6次産業化の取組というのをこれから進めていくということで、右の方にあるような対策をこれからもしっかりやっていく必要があるだろうということが課題だと思っております。
15ページ、生産面で鳥獣被害対策と地球温暖化の問題であります。
鳥獣被害対策ということで、鳥獣被害は、被害金額、最近では42億円ということで、果樹については相当なものがあります。
イノシシ、カラス等から被害を受けている訳ですが、左の方の防止対策というようなことで、ハード対策、ソフト対策で色々と充実させておりますけども、これらもしっかりこれからやっていくこと、それも地域の特性や鳥獣種の特性に応じた対策がこれから必要であろうと思っております。
右の方ですが、これは地球温暖化の高温による影響とその対応策ということで、みかんにおきましては浮皮といったようなものが出ます。
このようなことについて新品種や新技術を導入して何とか押さえていくことが必要と考えております。
16ページでありますが、輸出のお話でございます。
輸出につきましては、左のほうに棒グラフが載っておりますが、徐々に増加傾向、東日本大震災の関係もありましたので一度下がりましたけども、これから上がってきているということであります。
輸出目標につきましては、2020年に250億円に持っていくということを目標にしておりますけども、これにつきまして輸出戦略を作り、しっかり環境整備をしていくということでありまして、例えば輸出戦略におきましては、中国だけではなくて新興著しいインドネシア、ベトナムといったところに焦点もターゲットも絞っていくだろうということや、輸出環境整備では、植物防疫の問題、残留農薬の問題、更には、羽田空港等を中心としたハブ空港を作って輸出体制の整備を図っていく、このようなことをしっかりやるべきだろうというお話をいただいております。
17ページであります。
流通面でのお話ですけども、流通面で、やはりバリューチェーンを作っていくべきだろうということであります。
このポンチ絵がありますが、左の方には、高品質果実や加工専用果実の生産の拡大がありますが、生産は生産でするけれども、やはり最後、消費者とか実需者の方々にきちんと的確に商品が届かなければいけないということで、そのためにはさまざまな多様な販売ルートがございますけども、直売所やインターネット販売、更にはモーダルシフトの推進によって流通経費を落として所得を上げるといったことや、ジュースにおきましても、まさにストレート果汁とかカットフルーツ、このような伸びしろがありますので、このようなものをスーパー、コンビニ、学校給食、さらにはホテル、レストランと、様々なところにご活用していただく、このようなバリューチェーンをつくるというのが非常に大事になってくるだろうということをいただきました。
18ページでありますが、流通の高度化ということで、ガソリン、一応最近は落ち着いてきておりますけども、トラックドライバーが非常に不足しているということで、流通の合理化・効率化を図る必要があるだろう。
絵として左の方に熊本県のJA鹿本のお話が出ていますが、様々なところに集出荷施設が随分ありました。
やはりこれを整理、再編統合して流通の効率化を図っていく必要があるという話も出ております。
さらに右の方でありますが、やはりトラックドライバーがおらず、更には大型トラックもなかなか運転時間というのが限られてきているということもありますので、やはりモーダルシフトという鉄道輸送に変えていくということで、表にありますように、流通経費が削減できるといったお話がございます。
さらにコールドチェーンの構築ということで、どうしても市場のところでコールドチェーンが切れてしまうという欠点がございますので、パーフェクト・コールドチェーンを作っていく必要があるだろうということも言われております。
続いて19ページでありますが、これから加工についても進出していこうというところでありますが、やはり加工については、なかなか原材料の確保について、豊作のときにはたくさんできるけど、不作のときには全然来ないといった工場の方々の問題があります。
そのようなところで、やはり長期契約取引ができるようにしていくことだと思いますし、そのための作柄安定技術が大事だと思っております。
あとは、かなり古い工場もありますけども、産地ごとに工場があったりしますので、やはりそこを再編整備することによって、稼働率の向上が図られるのではないかと、まさに今ここで果汁工場のあり方等をいろいろと考えていかないと、将来色々と大変なことになるのではないのかというお話でございます。
また果汁といっても価格差があり、輸入のものと価格差がありますけども、やはりストレート果汁というのは非常にチャンスがあるといいますか、まだまだ伸びしろが随分あると思っておりますので、国産のストレート果汁の生産状況を載せておりますけども、これからもどんどん伸ばしていく必要があるだろうと思っております。
そういった中で20ページでありますが、果実加工分野への進出でありまして、オレンジ果汁の輸入量、価格で、先ほど申しましたけども、価格差としてはありますが、やはり果実加工品の高品質化技術は様々出てきております。
ストレート果汁でも、空気に触れないで密閉で搾るようなものや、果実の皮を酵素によって取り除くような剥離技術が出てきておりますし、このような簡便で新しい技術の中で、新商材、新商品を作っていく必要があるだろうと思っています。
濃縮果汁とストレート果汁の品質格差ということで、右の方に表を載せておりますが、褐変の度合い等のお話が出ておりまして、やはりストレート果汁はこれからの伸びしろだと思っておりますし、実際商品化ということで絵もありますし、剥離したカットフルーツともあります。
このようなものを今後進出してやっていく必要があるということであります。
以上が、最初に申し上げましたとおり、基本的な考え方ということで、果樹農業経営の好循環をするために様々な方々との連携が大事だということです。
その中で生産・流通・加工・消費等、総合的にこのような施策が必要だろう。
その中でも、やはり新技術を導入していくのが一番大事なのではないかということでまとめさせていただいているところであります。
事務方からは以上でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
今日は、今までの議論を全て踏まえた上で、文章編、それからポンチ絵で説明していただきましたが、果樹農業振興に関する基本的な事項、消費・生産・輸出と、それから流通・加工、このような内容で説明をいただきましたので、ぜひこの基本方針の骨子全体について、また内容について委員の皆様から色々とご意見をいただきたいと思いますので、全ての方からご意見をいただきたいと思っております。
いかがでしょうか。
ご意見ある方は、まず挙手していただければと思いますが、どなたかいらっしゃいますでしょうか。
かなり内容が幅広くなっていますので、どこからやるかということについては、一人一人全体を見ていただいた上ででも構いませんし、個別にこの部分はということでも構いませんので、ご意見をいただければと思います。
大西委員、お願いします。

大西委員
それでは、気づくところからというかお話しさせていただきたいと思います。
まず、基本的な考えですとか先ほどの循環のところは、まさにおっしゃるとおりだと思いますが、例えば、今主なポイントで示していただきました「連携」というキーワードで、例えば、いわゆるサプライチェーン的な連携等は非常に分かりやすいと思いますが、実はむしろ産地自身の連携というのがすごく重要で、中身を見ると結構この中にも入っていますが、畜産クラスターという畜産部門ではそんな形で、いわゆる分業化を進めておりまして、今回、例えば労力の問題ですとか、それからみかん園地でも、やはり受委託のようなことがスプリンクラーを契機にでき上がったりしていますし、それから今具体的な事例の中でも、そういう点ではコンソーシアムみたいな考え方も非常にそういう点では産地ベースに一つの品目を作り合う。
これはもちろん消費者も含めて作り上げていくものだと思うのですが。
例えば、そういう点では、この2ページにあります「連携」というところを、もう少し産地ベースというか生産部分でも具体例を入れていただくとともに、その後のいろいろ事例の中にも、これにはまる部分が随分あったので、ここをどうわかりやすく説明するかというところが今回の果樹基本方針のアピールに重要なところではないかと思います。
続きまして、先ほど課長からご説明いただいた4ページのところで機能性表示のお話がございました。
大変に機能性表示というのは今注目もされておりまして、ここに書かれてあるとおりだと思うのですが、さらにこれを具体化するということになってきますと、消費者に誤認がないルールですとか、それから産地で取り組む際の具体的なデータ整備の手法ですとか、一方で、それを証明するためのコストの問題等も出てくるのではないかと思うので、そういう課題も含めて次の段階だと思うのですが、具体的に出していただいたほうがいいのかなと思います。
それから、原料原産地も同じようなことがあると思うのですが、やはり外食だとか、それから消費者に分かりやすい表示制度というのも新しく職場とか新しい切り口があると思いますが、そういう中でも関係してくるのかなと思います。
それから、かなり本部会の中でも、いわゆる果樹を嗜好品から必需品にしていくという議論は大いに活発に意見が出されたところで、それを具体的に学校給食だとか、それから職場の切り口だとか、それから学校給食へのサプライチェーンだとか、そういう点では、手法のところはすごく納得できるのですが、うまく言えないですけれども、そういうふうに嗜好品から必需品に切り換えていくという部分の何か強いメッセージのようなものを、どう言ったらいいのか分かりませんが、手法に走るよりは、何かもとのところを訴えるものがあったほうがいいのかなと思いました。
それから、あちこち飛んで申しわけないんですけれども、一番最後のところでしたか、輸出について触れていただいたところ、何ページでしたか、販売のところ。

三石部会長
輸出は16ページです。

大西委員
16ページですか。
まさに今、戦略の中でこの輸出について取り上げていただいております。
そういう点では、まさに時宜を得ているなというふうに思います。
一方で、やはりここに、恐らく含まれているとは思うのですが、やはり果実の場合には、これは輸出だけではないんですが、非常にやはり品質保持管理技術ですとか資材の部分ですとか、もちろんここでいう、いわゆるコールドチェーンというんですかね、そういうものだとかも極めて価値を落とさない、ロスを少なくすることがすごく重要なので、これはもう次の段階での課題だとは思うんですけど、そういうのをぜひお願いしたい部分と、それからやはり国内の果実の場合には、市場卸があって、比較的そういう点ではセーフティネットがあるんですけど、なかなか輸出の場合には、相手業者にもよりますが、そのあたりが非常に不安定なところが一方でなかなか取り組めないというような部分もあるかと思うので、そのあたりの何らかの対策までの仕組みまでやはりなかなか準備しないともうひとつ飛躍できないのかなと考えております。
ひとまずそんなところで気がついたところをお話しさせていただきました。
以上でございます。

三石部会長
ありがとうございました。
幾つか重要な指摘があったと思いますので、少しばらばらになりますが、また気がついたときに言っていただければいいと思います。
ほかにご意見等はございますでしょうか。
徳田委員、お願いします。

徳田委員
今回のものをさっと見た感じで、非常に広くいろいろなところに目を配っていて、しかも、相当具体的なところまで踏み込んでいるということでは大変評価していいのかなと思うんですけども、ただ、具体的なマルドリとかいろいろ新技術についても具体的な例を挙げられていますが、逆にそれで結構果樹の場合、産地によって相当条件が違うので、必ずしもここに挙げているようなものが適しているかどうかわからない面もあるので、その辺は少し注意しながら、余り具体的なところがひとり歩きしないような形が必要なのかなということで、それ自体はいいと思うんですけど、少しその辺留意したほうがいいのかなというのが全体を見ての感想です。
その上で、具体的なところで気がついたところという形で述べさせていただくと、1つは、農地流動化に関わっての部分で、中間管理機構の話が出ていますが、中間管理機構を活用すること自体は私も賛成でいいことだろうと思いますが、実際、果樹でやる場合には幾つか課題があるのかなと思います。
ここでも産地協議会という形で出されていますが、ただ、先週でしたか、三重の南部のほうの産地に調査へ行ったときに、そこの普及員さんとも話したんですが、比較的三重県では中間管理機構への園地の借り入れ希望なども出てきていて、比較的意欲はあるんです。
そこでもやろうとしたときに1つネックになってきているのが、これは全般的に言えるかどうかわかりませんが、三重の南部の地域は70年代か80年代のパイロット開発、農地開発で結構果樹園地が開かれたところで、結局そこを比較的まとまった園地ということで集団化するのは非常にいいところで、もう30年以上経ってきて、そろそろある程度改植等も含めて利用できないかということで検討されているんだそうですが、大きなネックになるのが、結局、どうも、特にパイロット事業なので、園地はまとまっているんですが、所有者が相当集落は分散しているらしいんです。
私は管理機構の中での要件を必ずしも全部熟知していないのでよくわからないんですけども、要するに、集積がうまくいかないという、結局、集積協力金がもらえないということですよね、頑張っても。
そうすると、やはりメリットが得られないのでという話がされていて、多分その辺、基本的には水田に基づいて設計されているところなので、規定のところまで改正するのは無理にしても、何か運用面で柔軟な方向にできないかと、そういう具体的な、文言はともかく検討が必要なのかなという気がそれを聞いていて思いました。
それと、あと同じように事業とのかかわりでマルドリも挙げられていますが、これも幾つか見ている中で、特にマルドリもランチマルドリという形で共同でここのいわゆるパワーポンド作ってというような形が幾つかセンシテンから生まれてきていますが、そういうのになると、こういう支援事業などでも、これちょっとその制度もちゃんとわかっていないんですが、いわゆる個別よりも何かそういう共同事業のようなところに少し配慮をされてきたら、いわゆる大型の畑総とまではいかなくても、数戸共同でやれるとそれなりの効果があるのかなと思うので、そういうところも少し必要かなという気がしました。
あともう一点だけですが、いわゆるブランドの話ですが、これはいわゆるデコポンにあるような、ある程度広域的なブランドということですが、これ現実的に考えると、なかなかデコポン以外には進んでいないし、むしろ産地、主に県ごとの囲い込み的なところが現実に進んでいますし、それはそれで否定もできないところがあるので、そこへブランド戦略というところが少し、これはやはり柔軟に考えていかないと現実とは合わなくなる面があるのかなという気が少ししました。
とりあえず気がついた点は以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
では、とりあえず一定程度、半分ぐらいの方に意見を聞いた上で、もし事務局のほうで何か補足あれば、そこで一旦お聞きしたいと思いますので、ほかに今のところご意見ございますでしょうか。
香髙委員、お願いします。

香髙委員
そろそろまとめに入るということで、幾つか基本的な構成について意見を申し上げたいと思います。
白紙の状態から文章を書くことの大変さを知っている者としては、これまでの複雑多岐に及ぶ議論を踏まえてまとめていただいたこの文章については、大変わかりやすくて評価したいというふうに思っております。
構成についても、消費のほうから入るということは新しい試みで非常にいいかと思います。
「連携」をキーワードにした点についても、評価したいと思います。
先ほど課長からのポンチ絵を使った説明は非常によく分かったのですが、多分基本になるのは、この基本方針という文章の方になってくると思うので、そこについて幾つか感想を申し上げたいと思います。
善意の第一読者ということで批判を恐れずにあえて言わせていただきますので、どうぞご了承いただきたいと思います。
まず、全体をめぐる状況なんですけれども、消費の方から入っていくというのであれば、この文章をぜひ消費者の方とか、これまで果樹経営に余り詳しくない方にも読んでいただくという大前提に立って書くというスタンスが必要なんじゃないかなというふうに思いました。
基本的に読んでいると、ある程度の事前知識がない頭に入ってこないような部分も多々あるように思いましたので、そこのところはぜひ再考いただけたらなと思います。
1つ大きな点としては、果樹をめぐる状況が過去からどうなっているのかというところが余り振り返っていないように思いました。
過去5年とか6、7年を見れば、ほとんど需給、生産量というのは横ばいなのかもしれませんけれども、20年、30年の単位で見ると、例えばうんしゅうみかんにしても、4分の1、5分の1に作付面積が減っているという、非常に危機的な状況があります。
その一方で、例えば多品種化が進んで、店先などではいろいろな果物が出ているという特徴も最近の動きではないかと思います。
こういった全体状況というのも、総則のところでどこかで書き込む必要があるのではないかと思います。
その上で、体制の再構築が重要だ、急務だということを強調した方が、多くの方々により理解を持ってもらえるのではないかと思いました。
それから所得倍増についてなんですが、これは企画部会のほうでも散々議論になっているんですが、まるでここでは所得の倍増というのを所与のことというような形でここに書き込まれているんですが、余りそこのところでは突っ込んだ議論がないと思いますので、例えば、政府の○○戦略ではこういう所得の倍増ということが求められているというような形で、ちゃんとソースをしっかり書き込んだ上で、所得を増やすという方向に向くべきだということを落とし込んでいったほうがいいのではないかなと思いました。
それからもう一つ、1ページ目と2ページ目というのは、これは新聞記事でいうとリード部分ということで、ここで読者の関心を引けるかどうかで、読者はその先読み進むかどうかを決める非常に大切な部分だと思うので、より神経を使って書くべきだと思います。
それから考えると、3ページ目以降の具体的な部分が非常によく書き込まれているのと比べると、若干言葉が分かりにくかったり上滑りしてしまっているような部分があると思いますので、少し平易な言葉で補えば意図が伝わりやすくなる部分が幾つかあるなと思ったので、あえて申し上げたいと思います。
例えば、2ページ目の最初の方なんですけれども、「米や野菜等と異なり」とありますが、普通の人からすると何が異なっているのかが分からないので、多分これ私の推測では、不況などのときでも、ある程度安定的な消費が見込まれる米や野菜と異なりということなのではないかと思うんですが、例えばそういうふうに補うとか、あるいは先ほど大西さんからも指摘がありましたけれども、嗜好品という位置づけとか必需品へ切り換えるというような大きなメッセージを掲げるとか、個人的には余り嗜好性が強いとかそういったことは書かないほうがいいと思っています。
かなり自虐的な感じがするので、やめたほうがいいと思っています。
そのかわりに、「極めて消費動向に左右されない品目」という漠然とした言い方はやめて、例えば菓子との競合や消費者の収入の増減に左右されやすい品目とされているというような形で落とし込めば、普通の人もわかるのではないでしょうか。
その一方で、果樹というのは、先ほどのシャインマスカットの例もありますけれども、お米などとは違い非常に差別化しやすい商品であるのも特徴だと思います。
贈答品などは非常に高額な果樹が売られたりしておりますので、工夫次第では高収入が見込めるというようなことも、今後、新規参入を目指す方々向けにもアピールしてはいいのではないかと思います。
それから、「生産現場の課題を解決する視点のみで検討するのではなく」と、ちゃんと課題を明確にされているのは非常にいいのではないかと思いました。
ただ、その一方で、分野ごとに集中的に施策を講じるという部分が余りにも漠然としてしまっているので、需要の喚起の施策を講じるとか何か需要喚起とか一言補うことで、何を言おうとしているのかというのが明確になるのではないかと思いました。
ごめんなさい、ちょっと細かいことで恐縮ですけれども、あとそれから「農業」という言葉の使い方が、その次のところの所得にからめて若干雑に使われているような気がします。
例えば「農業所得」と言ったり、「農業・農村の所得倍増」と言ったり、「果樹農業者」と言ったり、「農業」という言葉が非常に便利ではあるんですが、この辺のところも議論になっている部分でありますので、例えば「所得」ということであれば、個々の農家の所得というふうに書き換えたりとか、あるいは農業・農村全体の所得の倍増とか、非常に色々な方から指摘を受けている部分については、もう少し分かりやすい言葉を補うことで誤解のないような表現にしたほうがいいのではないかと思います。
それから、カットフルーツについても、消費者が皮をむく手間を省いて簡単に食べることができるとか、何で受けているのかというところが多分消費者は分からないと思います。
あるいは生産者のほうもまだ分かっていらっしゃらない方もいると思いますので、加えたほうがいいのではないかと思います。
それから、片仮名が多用されているというところにも多くの懸念を抱きました。
「バリューチェーン」とか「サプライヤー」とか「サプライチェーン」というのは、新聞ではほとんど産業新聞系以外は使わない言葉です。
使うとしても、例えば「付加価値網」とか「需給者」とか「需給体制」とか丸括弧で、それこそ生産者が高齢化しているのであればあるほど、そういう方々にも何をやろうとしているのかなと直感的にわかるような、かゆいところに手が届く文章にしていただく工夫も必要かなというふうに思いました。
それから、決定的に文章が長過ぎるので、1つの文はできるだけ短くされたほうがいいと思います。
私が一番気になったのは5ページの一番最初の文章の固まりなんですけど、これ15行ぐらい横にあるんですけど、「。
」は1個なんですよね。
これでは一体主語と述語は何にかかっているのか全くわからなくなってしまうので、こういったところももう一工夫していただければと思いました。
あと1点、果樹共済についてなんですけど、非常にさらりと書かれていますけれども、果樹についての共済の加入率が低いというのは長年の課題になっています。
この辺をどうすべきかという議論も共済部会のほうではされているかと思いますけど、このあたりも若干取り込むような形で、それから収入保険制度という新たな制度が検討されていることなどももう少し書き込んではどうかなと思いました。
長くなりましたけど、以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
非常に具体的な骨子へのご指摘、ありがとうございました。
どちらからでも結構です。
特に最終的には、香髙委員言われましたとおり、この文章が出てきますので、そこら辺も含めてご指摘、ご意見をいただければと思います。
山口委員、お願いします。

山口委員
生産のほうは、それこそご専門の方がたくさんいらっしゃるので、私からは、消費あるいは需要創出という方向から4点ほどご提案というか意見を述べたいと思います。
まず1つ目です。
新たなサプライチェーンの構築というところがありましたが、これについて、行政が全体音頭をとってひとつ大構想を打ち出せないものだろうかという提案です。
今、食品需要というのは、もうここ10年、20年単位でご承知のとおり、家庭内食から中食、外食に大きくシフトをしているわけですが、果実のサプライチェーンということに関して言うと、このシフトに対応できていないというのが現状ではないかと思います。
前回も少し触れましたけれども、そういう意味では、例えばファストフードや喫茶ルートにこの果実関連を供給しようとしたらどうすればいいかということを真剣に考えたらどういうことになるか。
もちろん生鮮果実をそのまま供給するのでは、こういうところはだめでありまして、ファストフードの要件を備えた加工品を複数開発して、いわばそれの組み合わせでセットメニューとして提案するということが有効になるわけです。
そうなりますと、当然複数のプレイヤーが1つのプロジェクトの中に加わる必要がある。
それに大音頭を、いわば行政がとるという意味です。
つまり、例えばこういうところに商品提供しようとしたならば、果汁は既にありますけど、フレッシュ果汁を搾る、あるいはそれをカットフルーツとして、フルーツコンポートやフルーツサラダにする、あるいはフルーツゼリーやフルーツプリンなどデザートにする。
あるいはフルーツジャムにする、あるいはフルーツパイやフルーツケーキのようなベーカリー製品にする。
こういういろいろな形をとってフルーツを売り込むことができるわけですが、仮にこういう構想で組み立てるとすれば、当然原料の果実を生産する農家、それからそれを今言ったような商品に工業化していく製造業者、そしてそれを流通させるところと、この3つのプレイヤーがそれぞれ得意なところを出す必要がある。
特に製造の部分は、当然果汁を搾る製造業者とゼリーをつくるところ、ジャムをつくるところ、その他もろもろ、それぞれみんな別の製造業者がいるはずでありまして、こういうところを全部糾合して、それで冒頭にお話ししたような色々な組み合わせで、例えば朝食セットの提案をしたり、ランチセットを提案したり、喫茶セットを提案する。
こういうような組み立てを、例えばアップルで、例えばうんしゅうみかんで、余り特殊なものじゃいけませんから、普及果実に絞って、例えばアップルカフェだとかシトラスカフェだとかそういうようなチェーン展開の提案もあり得るかもしれません。
こういうような構想を組み立てようとしたらば、完全に行政が音頭取りをする必要があって、それ全体に対して行政として支援援助も含めてサポートするというような構想を幾つか打ち出してみるというようなことをすると非常に大きな組み立てができる、新たなサプライチェーンができるという可能性があるのではないかというのが1点目であります。
それから2点目は、先ほどのご説明の中にも「連携」というキーワードがありましたが、産地連携によって、今あるビジネスを通年化ビジネスモデルに仕立て上げるという可能性はないだろうか。
つまり、四季によって当然いろいろな果実ができるわけでありますけども、今確かに通信販売もあるしギフト事業もあるし、それから畑に観光客を呼び込む観光事業もありますけれども、これはある一つの果実に関してどこかがそのシーズンにやっているというのが現在の状況だと思います。
これを例えばシーズンが違うような果実を持っている産地が一緒に仕事をする。
四季全部そろうかどうか分かりませんが、しかし、一時期ではなくて、12カ月のうちのかなりをカバーできるような通信販売をできるような異種の果実を持っているプレイヤーが連携をするというようなことで通信販売やギフト事業や観光事業、これのPRとかいろいろなデータベースとか消費者へのアプローチとか、こういうことが共通でできる。
ですから、共通経費でいけるわけですけども、そういう発想でもって、今単独の果実に関する一時期の限定的なビジネスが成立しているものを、通年化ができないか、それをこの計画の中に盛り込めないかというのが2つ目であります。
3つ目は、先ほどのお話にもあった、非常に消費者のライフスタイルが多様化をしていて、その多様なライフスタイルに対していつも生鮮の果物を提供するというだけでは当然限定をされる。
しかも、多様化するライフスタイルの中では、どちらかというと生の果実を食べるよりは、そうでないライフスタイルがどんどんヤング中心に増えているわけでありまして、そういうところに果実を違った形にして提供するというような発想がこの中に入れ込めないだろうか。
つまり、違う生活場面でもって違う機能を果たす用途開発をするということでありますけれども、例えば、ヤングや子供のスナックとかおやつに果実あるいはそれの加工品を食べてもらうにはどうすればいいかという発想をこの中に入れ込むということですけども。
例えば一例でいうと、欧米では、フィンガースナックというのがあります。
つまり、ちょこっと立ち食いで指でつまんでおやつ代わりに食べる。
コーヒー片手にそれでおやつにする。
そういうようフィンガースナックという概念がありますけど、そういうことに、例えばフルーツを持っていこうとしたら、もしかしたらフルーツの揚げギョーザみたいなものがあるかもしれないし、あるいはドライフルーツはもっとうんとマーケットがつくれるかもしれないし、あれにチョコレートをまぶしたらば、やはりそういう用途が開けるかもしれないと、そういう発想をいっぱいしてみたらどうだろうかというのが3つ目であります。
4つ目は、今日のお話にも中にもありましたが、要するに、果実を原料として加工食品や飲料事業分野に原料として供給をする。
これは大量需要開拓につながるわけですけども、そういう目がぼちぼちできないかと、私もこの部会に参加してから色々なメディアを注意して見たりしているんですけど、例えばここに持ってきましたのは、最近、クラフトビールというのが話題になっていますよね。
ビールは通常大規模生産なわけですけれども、かなりマーケットが成熟してきたから、変わり種をビールメーカーもつくろうとしていて、ですから、むしろ量的には少ないけど非常に特徴があって、それこそヤングを初め新しいものを狙う人にはおもしろいかもしれないということで、このクラフトビールが、今マーケット化ができ始めました。
この中には何と、果実のフレーバーを使うような、そういう試みがスパイスやなんかと一緒に行われているわけで、そういうこととか、あるいはグラノーラなんというものが非常に健康対応でもって今伸びているようですけど、あれに最近フルグラという新製品が出ました。
これは果実2.5倍、それで全体の容量は少なく。
つまり、フルーツがセールストークになっていて、パッケージにも大き目のいちごと書いてありますけども、私現物見ていませんが、そういうようなフルーツを売り込んだグラノーラが出ている。
あるいはコーンのお菓子の中には何と焼きりんごが入れ込まれるような製品が出つつある。
こういうようなことを発想しながら、アルコール飲料やベーカリー事業の分野、あるいは菓子、スナック、デザート分野、氷菓の分野、こういうところへ色々な組み立てをしてみて、それをやるメーカーに提案してみるということで、そういう加工飲料の原料供給という需要が開ける可能性があるのではないでしょうか。
以上であります。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
では、林委員、お願いします。

林委員
ただいまのいろいろなコメントを受けまして、私、前回出席できなかったものですから、流れとして、消費からということを非常に私としては嬉しく思っております。
ただその反面、やはりいろいろな側面をこう考慮した結果だとは思うんですけれども、先ほどのポンチ絵のお話の中で、どうしても2ページにあるような好循環というようなところのご説明の中で、第1に販売というところありきで、最終的に消費者というところに止まっていくところが、やはり全体像の違和感を感じるところです。
香髙委員の方からも、その用語の使い方ですとか文章のあり方についていろいろなご指摘がありましたけれども、私の方からも消費に関わるところで幾つか気になったところをご紹介させていただきたいと思います。
まず1ページ目の果樹の「果実の需要構造」というところなんですけれども、下の段落の「今後、」というところの2行目に「簡便性や利便性等を求める消費者ニーズの高まりに対して、どのように対応していくのか、例えば、」とあるんですが、その「例えば」以降が前の「消費者ニーズの高まり」にマッチしていない。
例えばここには、先ほどありましたような、所得に非常に依存されるような消費動向があるとか、単身世帯とか世帯員数の増加、減少といったところ、単身世帯の増加といったような食べ手の構造の変化等にあわせた商品を消費者と生産とか流通などの連携によって生み出していくというところが分かりやすいように文章を工夫していただければよいかなと思います。
また、3ページ目にあります「食育」あるいは対策の推進のところには、やはりこれからの課題となってくる中食、外食での食環境という中での整備が幾つかポイントとして挙げられていますけれど、やはり消費の原点である家庭というところの要素が抜け落ちているのではないかなと思います。
ですので、やはりそこはひとつ欠かせないポイントとして、対策支援ということを考えていだたければと思います。
そして、既に幾つかご指摘ありました嗜好品から必需品へという、どうアピールしていくかというところがあるんですが、果物のよい面というところで、ひとつ健康への影響というところがあると思いますが、今議論されているような加工というのは必ずしも健康に寄与するものであるかという疑問があります。
ですので、そういった果物を食事に取り入れる、その食事パターンとして果物を取り入れることでどう健康に寄与するのか、生の果実ではなく、加工品として提供した形でそれを担保できるのかというところに非常に慎重になっていただきたいと思います。
また冒頭に、話が行ったり来たりして申しわけないですけれども、どうしても果物を食べる消費というところで見ますと、健康への寄与というところに目が向きがちなんですけれども、そもそもこの議論の中に、日本の果樹農業を守る、支援していくという姿勢があるのであれば、消費者の中にもそういった規範的な意識というものを芽生えさせるような食育ということが重要なのかなと思います。
特に小さな子供たちを招いて産地で農業体験をするというような事例もありましたけれども、そういったところで産地でどんな工夫があるのか、苦労があるのか、そういったことを肌で感じて、それらを自分たちが守っていきたいという消費者が、いわゆる消費の面での連携だけではなくて、それと自分たちで文化を守っていくというような、そういったとごろでの大きな連携というものも目指した構想になっていくとよいかなと思いました。
幾つか、まだまだこれから議論を進めていかれると思いますけれども、やはり一番私が気になるところが、余りにも具体例が挙がり過ぎてしまったり、加工に関しての利便性を強調してしまうと、必ずしも健康という側面が損なわれてしまうのではないかというところが危惧されますので、その辺は十分留意していただければと思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、田中委員、お願いします。

田中委員
生産者の立場からといいますか、果物、果汁に関しましては、他作物と違いまして永年作物です、もう皆さんご存じのとおり。
今施策をして、すぐできるものではないというのを前提に考えてほしい。
ほかの作物とか畜産業界とかいろいろな農業業界ありますけど、自分たちの業界、特に私自身はみかんの業界の代表という形なんですが、やはり今やって5年先に果物が経済樹齢になるかということに関しましては、みかんにとってはまだならない。
10年先のことまで考えて、今やらなくとはもう手遅れになるのではないかというのがあります。
今日、こう記されている部分について、消費からということに関しましては異論はないんですけども、やはり生産基盤の強化といいますか、先ほど来、生産者の年齢がどんどん上がっていると、実際、団塊世代の方はあと5年、10年はちょっときついだろうというところまできているので、そういった方々がリタイアされる、土地は残る。
前回も言いましたけども、それをどうやって活用するのか。
他の品目からといいますか、農産物からしたら、果樹が一番機械化も遅れていますし、基盤整備とか大規模化というのもかなり遅れていると思います。
もうそろそろ大胆な施策をやらないと、最低限の数量の維持さえももう無理だというふうに自分は思っています。
ですから、いろいろな消費とか健康面でどうかという前に、物をどうやって確保していくかという、そこに目線を置いていただきたいなと。
消費が減退しているというのは紛れもない事実ですけども、それは実際、生産量がこれだけ減っていく中では、もう緩やかになっていると自分は認識していますし、みかんにおいても、生産者に戻ってくるお金と、店頭で販売されている価格とのギャップがものすごくあります。
緊特事業の話もありましたけども、緊特事業があったって店舗価格が下がったわけじゃない。
じゃ、これはどういったことなのか。
以前も言いましたとおり、販売されるところの経営の中で、品目別に、この品目ではこれだけの利益を取ろうというような姿が本当に見え隠れしているのが最近顕著に見えるので、そこの是正はやってほしい。
作るほうは本当に専業でやっているんですね。
おこがましいですけど、みかんが実際この果樹、果物の中からだんだん減っていくと、ほかの果物の価格形態は崩れていくと思います。
それが現状だというふうに自分は思っていますので、やはりそこのもととなる生産基盤ですね、そこをどうやって次の世代の人たちに譲っていくか。
傾斜地ではなかなか人は残っていかないと思うんです。
静岡の清水地区がああいった大規模基盤整備をします。
徳田先生のところもやっています。
そういったところを幾つも今からでも遅くないので作っていって、品質が上がるようなそういった基盤を作っていくというのが今後本当に課せられた動向だと。
あとの人たちが残り。
生産量がある程度ないと経営も安定していきませんし、その上で品質を上げる。
やはり事前に未定稿の部分にもちょっとありましたけど、いいものをつくれば売れるということからの脱却とありますが、やはり日本の果物というのは世界に誇れる果物だと思っていますし、実際、千疋屋の総本店あたりにオマーンとかドバイとか、ああいった人たちが1回に買いにくる金額というのは、ドバイあたりは数千万単位で買っていきますし、オマーンあたりもそういった形です。
そういうふうに外国でも認められているんですから、まずそれをやるためには、やはり生産基盤の再構築、そこに力を入れてほしいというのが私の考えですし、業界の中では、地形とか環境とか全然地域によって違います。
ただ、個人個人の意見ばかり言っても何も業界は守れないと思いますので、本当の骨太のところでそこら辺のところを考えてほしいなというふうに思います。

三石部会長
ありがとうございました。
今までのところで6人ほどご意見を伺いましたけど、どうでしょう、とりあえず事務方のほうから何かありますか。
それとも先でよろしいですか。

菱沼課長
まだ先で。

三石部会長
そうですか。
では、深澤委員、お願いします。

深澤委員
それでは、輸出に関連してちょっと意見を述べさせていただきたいと思います。
骨子のほうでは11ページ、それからポイントの方で16ページになります。
まず、ポイントの方を見ていきますと、青果物の輸出実績、現状が102億円、これを5年後の平成32年に青果物全体、野菜も入るということなんでしょうけども、青果物全体で250億円を目指す。
このうちりんごは、25年実績が72億円を140億円、約倍にするという計画になっています。
具体的に数字が挙げられていますので、こういう輸出目標を大きく掲げて、これの実現のためにいろいろ施策を展開していただけるということで、大変ありがたいなと思っておりますので、大いに進めていただきたいなというふうに考えています。
ただ、ちょっと気がかりなのは、5年間で150億円増やすと、1年当たり30億円ということですから、この拡大を担う団体の記述がこの中に出てくるんですけど、オールジャパン体制で、青果物輸出団体の設立を検討するとあります。
多分これが成案になる時点ではできているのかもしれませんけど、現時点では検討中だということでありました。
以前私も意見述べさせていただいたときに、輸出は結構頭打ちになってきていますので、これを拡大するためには、新たな発想が必要だろうなと、産地のこれまでの取組では少し及びがつかないので、そういう意味では、新しい方針が出てきましたので、これの活動に大いに期待をするところではあるんですけど、いかにも5年間で150億という数値目標が出てしまっていますので、なかなか荷が重いのかなという危惧を持っております。
青森県もりんごの輸出量、目標を3万トンと掲げていますから、例えば国の輸出目標、りんごも倍増ということになっていますから、4万トン以上の輸出が必要になってくると考えますので、青森県もその一端を担っていきたいとは考えていますけど、前回もこの会議で申し上げたとおり、輸出には、国内流通以上に多くのリスクがございます。
例えば、台湾向けりんごの輸出で、輸出検疫でモモシンクイガが見つかりましたということになると、その瞬間にその年の輸出が全部止まってしまいます。
そうすると、それだけで何十億円かの輸出が吹っ飛んでしまうということになりかねません。
台湾で青森県独自の消費宣伝というのをずっとやってきて、3,000万程度でしょうか、毎年予算を持ってやっているんですけど、それでも地方都市に普及していないとか、もっともっと頻繁にテレビコマーシャルやってくれとか、注文がいっぱい出てきております。
そういったことで、そういう意味では、新たな輸出団体の創設というのも非常に期待はするんですけど、ぜひ既存産地の取組についても、これを維持して、さらに底上げをしていこうという視点もぜひ欲しいなと考えております。
それともう一点なんですけど、今モモシンクイガの話もしましたけど、(2)の輸出環境整備の推進ということの中に、例えば検疫とか残留農薬基準とかの輸入規制の課題について、これもこの骨子を見ていくと、青果物輸出団体が担っていくという表現になっております。
基本的には、こうした輸入規制が行われてしまうと、最悪の場合、それだけでまた輸出が止まってしまうということになりますので、やはり直ちに対応するということで、もちろんその場合は地方段階ではなくて、当然、政府間交渉ということになりますから、やはり国が前面に立った迅速な対応が何より必要だろうと考えておりますので、そういった姿勢もぜひ打ち出していただければありがたいなと、この2点よろしくお願いいたします。

三石部会長
ありがとうございました。
ほかに。
松本委員、お願いします。

松本委員
三、四点思いつくままに意見を述べさせていただきます。
1つは生産面での対策という関係で2つばかりです。
1つは、ここで説明がございましたように、木目細かい農業経営モデルの策定とかキャリアプランづくりというような、私からすると大変関心のある、そういう打ち出し方がありますので、ぜひこれは大変核になるところだと思いますので、ぜひしっかりとこの点の書き込みをしてほしいなというのがひとつ要望であります。
その上で、詳しく各委員の皆さんからもありましたけど、「連携」というキーワードが出ておるのでありますが、産地間とか消費と生産とか、いろいろ連携は縦横にどう組み合わせるかということの定義があると思うんですが、その中で、古いんですけども、やはり産地内の連携といいますか、そういう観点での指摘もやはり忘れてはいけないと思うんですね。
特に高齢化とかいろいろ担い手がいないとか、そういう大きな課題を持っている中で、いま一度産地内の連携という視点を出しておく必要があるのではないかと思うんです。
今申し上げたように、人材育成とか労力確保とか、農地の利用集積とか、あるいは鳥獣害対策等いずれも、これは例えばJAさんの部会などで本当に真剣に対応しないと乗り越えられないという問題だと思うんですね。
そういう面でぜひいま一度産地内での連携視点を確認していただきたいという点であります。
そういう面では、果樹園、農地につきましては、認定農業者とかそういう一つの切り口がありますけれども、これからもぜひそういう認定農業者制度の組織化とか、またそういう方々の経営改善支援といいますか、そういうものもやはりいま一度じっくり考えてみる必要があるのではないかと思います。
それから、大きく2つ目ですが、鳥獣害対策ですね。
ここの例示にも加工用に転換するというのは例示にも提起いただいているんでありますけども、なかなかこれに知恵がないんですけども、果樹振興基本方針という大方針でありますから、これから大きな問題になるのでしょう。
42億の被害ですか。
私、かねがね現場に行ってお聞きしますと、全体で200億、果樹でも42億ですか、こういうレベルの被害額ではないという感じは、現場では皆さん思っておられますよね。
よく言われるのが、共済に加入した部分で被害を受けたのがというような例示で、現場とは相当乖離があるのではないかということなんですね。
果樹なんかも、とりわけ立地状況が不利なところは、これから大きな問題になるんだと思います。
なかなか難しいんですけども、ぜひこういうところで調整しておいていただきたいと、書き込んでいただきたいと思います。
それと関連するんですが3つ目ですけど、田中委員からもありましたでしょうか、所得の拡大とかそういう観点からしますと、農地の利用集積というのは避けて通れないと思います、果樹園でも。
さらにそれを深めると、やはり果樹園の基盤整備だと思いますね。
なかなかこの時代で難しいかもしれませんけれども、やはり一丁目一番地の基盤整備の促進というのをやはりきちんと置いておいていただきたいと、そういうふうに思います。
でなければ、なかなか持続的な経営展開というのはやはり将来的には進みきれないのでないかと思います。
それから、ちょっとイレギュラーですけども、例の福島第一原発の関係で、風評被害で、この4年経ってもなかなか価格面等で大きな問題があるんですね。
これは農業全般なんです。
果樹の部門もそれを背負っておられると思います。
だから、そのあたりについても寄り添うという形で少しやはり触れておく必要があるのではないかと、なかなかこれは難しい問題ですけども、先々続く課題だということで触れておく必要があるのではないかという感じがいたしました。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
安齋委員、お願いします。

安齋委員
生産者のほうの立場から申し上げますと、1ページに、規模拡大の遅れ等により農業所得が減少するということがまず最初に書いてありますけれども、規模拡大の遅れだけが農家の収入が減るということではなくて、ここにも書いてありますけれども、いろいろな最近物価の上昇やら何やら、原材料費も上がっておりますので、そういった面もかなり農家の所得に影響しております。
その次のページの所得向上の図といいますか絵が描いてありますけれども、高品質果実の有利販売といいますけど、これを作るためには、先ほども委員さん二、三人からお話ありましたけれども、果樹園の基盤整備ですね、みかん産地の方たちが本当に大変なところでつくっているというところで、なかなか後継者がいないというのを目の当たりに視察で見てきまして、ああいうところが若い人たちも、いいものがつくれるような基盤整備とかそういうものが進めば、後継者もできてきていいものがとれて、それで農家の所得向上にもつながるのではないかと思っております。
それから、加工品の原料とか原産地の表示とか、あと機能性表示食品とありましたけれども、どこまで書いていいものか、そういうところをはっきり、勝手にこれはいいもので、体にいいよとか、りんごとかも本当に体にいいとか言われておりますけれども、何がどういいのかというきちんとした専門的な、これは書いていいという、皆さん、そういう検査体制というか、そういうところもしっかりしていただきたいと思います。
それから、原発の被害者の地域の者としまして、だめな方は、福島と聞いただけで買ってもらえませんので、支援してくださる方たちには全部検査して出ていないというのをはっきり出して販売しておりますので、それで応援してくださる方もありますし、今まで買っていただいていない地区の方たちも支援してくださったりで、逆に今まで買っていただいていない知らないところの方たちからも買っていただいたり、少しずつはいい方向に向いているような気がしております。

三石部会長
よろしいですか。

安齋委員
はい。

三石部会長
ありがとうございました。
鈴木委員、お願いします。

鈴木(忠)委員
これ拝見している段階で、非常に現状分析ということでは全くこのとおりで、よくまとまっているというふうには思います。
ただ、これはあくまで基本方針ということでございますので、こういう状況を踏まえて、農水省として果樹振興にどう関わっていくのかというところにもう少し踏み込んでもいいんではないかなというような気がいたします。
そういう意味で、皆さん方から幾つか出ておりますけれども、私のほうからも幾つかそういう意味で意見を申し上げたいというふうに思いますけれども、1つは、消費拡大に関してでございまして、こういった食育ですとか機能性の啓発、当然これ、果樹の消費拡大のためには必要なことなんでありますけれども、ただ、産地は、県や産地の独自の消費拡大はかなり取り組んでおりますけれども、それに加えてこういったことまでというと、どうしてもお金が必要なものですから、産地にやはり限界がありますので、これをどこでやっていくのかというのが非常に問題だろうと思います。
例えば、なかなか国のほうでこういったことにはなかなか支援しづらいということであれば、このバリューチェーンとかいろいろ今回出てきておりますけれども、こういった中で、そういった連携をもって果樹農業界だけではなくて流通業者ですとか、あるいは場合によれば消費者の方もということになろうかと思いますけど、そういったところで、もう少し具体的にこういった取組をできないかということを何かあればなとは思います。
もう一つは、先ほどから出ている園地の集積、規模拡大の問題でして、これ、耕作放棄地をどうしていくかというのも非常に大きな問題なんですけれども、ここで書いてあるのが中間管理機構を活用するというのは非常にこれいいことではあるんですけれども、ここに任せきりということではなくて、農水省として果樹園地というものを今後どうしていくんだと。
例えば、どういった基盤整備が必要であるだとか、どのぐらいの面積に集積することが必要だとかそういうことも含めて、農水省としてどうしていくんだという方向性が欲しいのかなという気がいたしております。
もう一つは、先ほどから少し出ましたけど収入保険の話でして、これは果樹共済の加入促進というような書き方がされていたんですけれども、前回の基本方針でも、収入保険に関して検討するというようなことで書いてあったというふうに思うんですけれども、この収入保険もう少し、5年経っているわけでございますので、もう少し具体的に何か書けないかなと。
ここを見ると全くなくなってしまっているので、どこへ行ったのかなという感じはいたします。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
では、藪野委員、その後に三森委員、お願いします。

藪野委員
藪野です。
果樹をめぐる状況についてなんですけれども、現状認識として、後にも出てくるんですけども、地球温暖化や鳥獣被害、またフルーツかいよう病とかウメ輪紋ウイルスといいった新たな病害というのも出ておりますので、50年先を見据えても、果樹農業を揺るがす課題ということになると思うので、こういったことを盛り込んでいただければなと思っております。
もう一つ、食育の推進なんですけども、こちらも力を入れていくべきものだと認識しております。
ただ、農林水産省だけでなく学校教育なら文科省、あと健康への動機づけなら厚労省といった各省との連携というのも踏み込んで取り組んでいくべきかなと思います。
あと、次世代の継承の部分なんですけども、継承には就農給付金であったりとか農の雇用事業であったりとか施策の活用というのは重要だと思います。
骨子の中にもあったと思うんですけども、ハード面においても、改植園や園地整備というのはそういう土台が整った状態で就農していくのは非常に理想的なことではあるんですけども、優良品種、どの品種を選ぶかというのは技術に匹敵するぐらい大事なことですし、園地というのは、やはり生産する経営の上でも要となります。
そういうものを物として捉えるというのはどうなのかなというのは思います。
あと先ほどからも色々と出ています農地中間管理機構の話なんですけども、機構が改植した園地を保有しているからといって、果樹園地の園地集積が進むかというと、そうとは思えないです。
果樹の園地集積はそんな単純なものではないと私どもは考えております。
改植するかしないかという判断というのは、受け手の判断に委ねられることだと思います。
園地集積に改植を選ぶ、改植が園地集積が加速するというのは、単に、言葉は失礼なんですけども、小手先の取組じゃないかなと思います。
次に、共済の話もあったんですけども、果樹共済というのは自然災害とか鳥獣害被害の保障でしかなくて、このセーフティネットの中にも、先ほどから話が出ています収入保険制度の創設というのを、和歌山県でも政府提案で挙げていることで、そこに、もうかなり前から政府提案しているというほど重要なことでして、ここに盛り込んでいただくと、実現に結びつくのかなというふうに考えております。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
三森委員、お願いします。

三森委員
ありがとうございます。
私のほうからも幾つか申し上げたいところがあるのでお伝えさせていただきます。
まず、骨子についてのことなんですが、この骨子というのは、誰に向けて何を発信するのかというところがとても大きいところではないかと思って、先ほどから、例えば消費者目線ではこういうふうなこと、例えば、では生産者目線ではどういうこと、そして行政目線ではどういうことを書くべきかということをおしなべて整理するということがとても大切なことではないかと思っております。
これだけの骨子をまとめられて、とてもすばらしいと思っております。
果樹は、やはり生産者の方が何人もおっしゃられると思いますが、品種により、産地により全く別な現状もあったりするので、それを1つにまとめるというのはとても難しいことかもしれませんが、果樹ならではの、例えば、先ほどもおっしゃられたように、この骨子をまず最初に作られるときに、やはり農水省でも、例えば経営局と生産局のところで何度もおっしゃられるように、中間管理機構のところがございます。
私も現場としてとてもここに関しては経営局にもお話を何度も何度もするんですけれども、例えば生産の方から見ていただいて、果樹の場合、こういった取組もできるというふうな、ちょっと柔らかいというか、結局現場が使いづらいものをどんなに出されたとしても、結局機構が進まないということも、特に果樹、特に私たち、さらに立ち木ではない棚づくりとなると、もっともっと不便なところもございますので、この中間管理機構を活かして、果樹だったらどういうことができるのかという、やはりある程度のモデルみたいなものも打ち出していただけると、もっと分かりやすいのではないかなと思っております。
そして、例えばこの場合、全ての場合においてなんですが、例えば国が出されることに関しますと、大きなところを言わせていただくと、例えば、加工についてお書きになられるときに、現場または産地というものと行政、例えば国とか県とか市とかが入られて、出口のところに大きな加工のジュース屋さんですとか、そういったところを踏まえて、そして新しいただのジュースということではなくて、県を挙げて、市を挙げて新しいものを開発するのに取り組むみたいなところではないと、今いろいろジュースとか言われますが、私も現状小さいのですが、自分のところで6次産業化または農商工連携させていただきますが、1次産品というものはそんなにもうニーズ的なものはございませんので、やはりこういったところにも、せっかく5年後を見据えての骨子でありましたら、もう少し個々ではなくて大きなところも捉えて、こういうふうな施策みたいなところも出されていただくとわかりやすいと思っております。
果実、私たちも思うんですけれども、特に果樹は、例えば野菜とは違って1年1作でもございますが、消費者を巻き込んだグリーンツーリズムみたいなことが多く私は出されると思います。
やはり次の世代がもっと期待を持ってこられるような職場になるということは、やはり物が直接売れるということも一つだと思うので、例えば果樹でなければできないもの、米とか野菜とかではなくて果樹、みかんとかぶどうとか、見て、その場で食べて味わうというものを、もちろん産地でも私たちもやっているんですけれども、そういったものをきちんと打ち出して生産者だけではなくて消費者を巻き込んで果樹の需要を考える様なことをもう少しきちんと打ち出していただくと、国民目線でわかりやすいんではないかと私は思います。
それと、加工、加工とおっしゃいますが、なかなか日本の国で加工に対してのプロが少ないです。
私も6次化をするときに、前回のときにも申させていただきましたが、これではないです。
全体の会議のときに伝えましたが、果樹の加工をされるときに、誰に、どこに、どういうふうに伝えればいいのか。
例えば、これはジュースだけではないです。
いろいろな2次・3次加工の場合、なかなかこういったプロがいないということがすごく大きな欠点でございます。
国レベルでしたら、こういった方々をきちっと打ち出していただいて、例えば6次化を推奨する場合、こんな方がいらっしゃるということを農研機構さんは生産の部分だと思いますが、加工の部分の果樹のプロみたいな方を多分日本ではたくさんいらっしゃるかもしれませんが、なかなか生産部分ではつかまえられないので、そういった方々もきちんと出していただければ、もっと現場からいいものができるんではないかと私は思います。
幾つかちょっとぐたぐたは言うんですが。
それと最後に収入保険に関しまして。
実際、収入保険に関してですが、私のところでも実は聞き取りにいらっしゃったところがございます。
ただ、この収入保険に関して見ると、全体的に申させていただくと、これは法人経営とかをしているところの方々に向けてというか、ある程度の経営基盤がないと、この収入保険にはちょっと入れないのではないかなというふうには実は思っております。
使い勝手ですとか、共済にもなかなか入らない果樹の方たちが、こういった収入保険にどうやって入るんだろう、この収入保険は一体何のために金額もあるんであろうというふうに思わせていただいたので、ここら辺も、一般の生産者に向けて収入保険をつくるのか、それとも、ある程度生産基盤ができているというか収入が確保できている方のために収入保険というものがあるのかというところをまず立ち位置を考えていただいて保険というものをつくられたほうがいいんではないかと現場の声として思いましたので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。

三石部会長
どうもありがとうございました。
一通り皆さんいろいろな意見、非常に大事なポイントを幾つもご指摘いただきましたので、多少時間ありますが、どうでしょう、もう一つや二つ、どうしてもこれだけは追加しておきたい、あるいはほかの方の意見を聞いて、どうしてもこれだけは補足しておきたいというものがございましたでしょうか。
田中委員、どうぞ。

田中委員
まず、先ほどから共済の話ありますけど、やはり自分たちは組合単位で入っていますけども、やはりメリットがない。
ちょうど10年になりますけども、毎年400万ずつ掛け捨てなんですよね。
無事戻金は少し来るぐらいで。
これじゃもう続ける意味ないなというところに差しかかっています。
あと、緊急特別対策事業の件なんですが、これも一つの自分なりの考えなんですが、今、市場流通に任せています。
ただ、これは分野が違うと思うんですけども、市場側にもある程度の権限を持たせて、必要でない品物は受け入れられないというような形をもうそろそろとらないと、市場側も疲弊してしまっていますよね。
どこの市場だって前年の売り上げよりずっと落ちてきますし、経営もだんだん悪化しています。
ですから、昨年の自分たちの作っているみかんも一緒なんですけど、本当にきちんとした消費レベルの品質になっていないものを受け入れないというような権限を市場にも与えていいのではないかと自分は思っていますし、生産者が減っていく中で、JAがもう少し生産面に関与していったらどうかなと、JAが出資型法人をやって、そこで運営して農地を。
九州ではJA九州があちこちで農地を取得して、いろいろな作物をつくってやっていますので、その辺のところはもう農協自体もやるべきではないかなと思っています。
それと、先ほど基盤整備等の件がありますが、やはり果樹の部分についてはすぐ経済樹齢になりませんので、今ある農地ではなくて、山林でも何でも代替とする園地の開園をやって、そこで循環させて収入を減らさずにやっていくという、そういった方法が一つあるのではないかと思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
徳田委員、お願いします。

徳田委員
流通関係のところが余り意見言われていなかったので、17、18あたりにある流通面の対策で少し触れたいと思うんですけども、1つは、流通で、ここで書かれたのは農家レストラン、インターネット等、それはそれで課題だと思うんですけども、今、田中委員から言われたのも絡みますけれども、基本的に今の数、流通は卸売場流通が主体になっている中で、そこをどうするんかいというところが見えてこない、それ抜きの流通対策ってあるのかなというところがまず一つになるところです。
それと絡んで具体的な文言なんですけども、流通の高度化の中で、「複数県にまたがった既存の集出荷体制の再編統合の推進」という文言があるんですけども、果たしてこれ、県を超えるというのは何をイメージしているのか。
現実的には、県内での共同というのはあるのかなと思うんですけども、複数県というところは、これどういうことなのかなというところが気になる点と、特に物流面でモーダルシフト、全体的な課題としてはわかるんですが、私、昨年末に野菜関連でモーダルシフトの調査をしている時期があったんですけども、正直申しまして、恐らく全体としてはその課題はあるんですけれども、多分、生鮮農産物や果実というのは恐らく順番は後ろのほうだよな、もっとほかの部分でのモーダルシフトがあって、その中で余りここで出てくる、物流面がモーダルシフトなのかなというのが率直な感想です。
以上です。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいですか。
では、大西委員、お願いします。

大西委員
1点、さきほど田中委員から、JA出資型法人のお話があったんですけども、JA出資型法人自体、状況だけお話しすると、もともとはやはり水田から入りましたけども、路地野菜や一部果樹かんきつもようやく出始めたところであります。
先ほども少しお話しさせていただいたんですけども、愛媛県の俵津農地ヘルパー組合というのはそういう点では東宇和の出資を受けながら、ヘルパー組合でスタートしました。
そういう点では、確かに部会員単位になるかどうか分かりませんけれども、そういう情報も蓄積して参りたいなと思いましたので、状況だけ、田中委員のお話として。

三石部会長
ありがとうございました。
香髙委員。

香髙委員
先ほど林委員がおっしゃっていました健康面を強調することの重要性というのは非常に私も同意したいと思います。
加工というのは非常に食べやすいと思うんですけれども、果物が健康にいいということがなかなか周知徹底されていないというところは改めて考え直す必要があるのではないかと思います。
それから、生の果物の需要がないのではなくて、買う機会がないというところも、あと買いにくい価格になっていないというところも非常に重要な視点ではないかと思います。
先ほどから田中委員がおっしゃっていますけれども、産地の価格と消費地の価格にすごく開きがあって、産地では叩き売りのようなことが起こっているにも関わらず、消費地の価格が変わらないという、この根本的な構図というのが何が原因にあるかというような分析というのも、もう少し突っ込んでするという、課題として上げるでもいいんですけれども、重要な視点ではないかと思います。
最近の消費者の傾向としては、自分の価格に対する感覚と味覚と需要というのがぴったり合えば、多少高くても通販で果物とかを購入する傾向があります。
この辺がどういう需要の行動になっているのかというあたり、もう生ものの需要がないからストレートジュースだとか加工品だというふうに一気に行くのではなく、もう少し農業者のほうの手取りが増えるようなヒントというのが色々なところにまだ残っていると思いますので、その辺もぜひ分析していただきたいなと思います。
それからもう一つ、ブランド化のところですが、骨子のところで9ページに、1つの果樹産地が勝者となるような産地間競争ではなくというふうに言い切ってしまっているんですが、これは1つの産地が勝者となるということも最初のタイミングでは必要なこともあると思いますし、あるいは例えば非常に珍しい果物であれば、最初はまずその果物の存在を知らせることが重要で、そこからだんだん周知徹底されていけば、差別化されていくというような、例えば日本酒とかが海外に売り出すときの戦略とか、そういうことをとっていたりとか、あるいは海外のワイン等がそうやって世界に出ていったりとかするような、色々なブランド化の手法というのはあると思いますので、個々の地域あるいは個々の農家の方の、せっかく前向きになっている方の意欲をそぐような表現というのは若干どうかなと。
それよりも、産地間競争によって、無駄な国内での消耗戦みたいなことが行われることのほうが問題だと思いますので、この辺の書き方、多分もう皆さん十分おわかりだと思うんですが、若干工夫の余地はあるのではないかなというふうに思いました。

三石部会長
ありがとうございます。
よろしいでしょうか。
では、最終的にどうするかは別として、私のほうで一、二点気がついた点というか、皆さんほとんど言われているので、細かい文言はまた別にして、一応基本方針ですので、これは一体何の基本方針かというところを考えると、あくまでも果樹農業の振興基本方針だという点、ここはやはり押さえておくべきかと思います。
それから、果樹農業以外にも色々なものが派生してきて、それはしっかり繋がっているのですが、あくまでも果樹農業振興基本方針という、その立ち位置からのスタートだということをやはり理解しておいて、その上で分かりやすい表現、それから生産基盤対策をしっかりやり、消費対策をどういうふうにしていくかと考えるほうが良いかなという気がいたします。
あと、何人かの委員がご指摘されたように、方針としてこれから何をするのかという点、メッセージという言葉が良いのか、スローガンが良いのかは別にして、どういう方向に行くのかということについて、全ての委員からかなり様々な点で貴重なご指摘をいただきましたので、しっかりと受け止めたいと思います。
事務局の方からどうですか。
今すぐにではないにしても、いただいた意見に対してのコメント等ございましたらどうぞ。

菱沼課長
今日は本当にどうもありがとうございました。
本当に貴重なご意見をいただきまして、私どももなるほどなと、まだ足りないところも随分ありますし、こういった目線で書かなければいけないなと。
特に消費者目線といいますか、本当に何も白地の人が読んでみてもすっと入ってくるようなものにしていかなければいけないというのが、まさにそのとおりだと思いました。
順番といいますか時間も限られていますけども、大西委員からも色々とございましたけど、やはり「連携」という言葉が非常に云々という話でして、畜産のようなクラスターというような形があると思いますし、産地間連携というのも非常に大事にしていかければいけない。
輸出についてもということでいろいろとご注文いただきましたが、細かいところについてもしっかり書き上げていきたいと思っております。
徳田委員からも、流動化の中でパイロット事業の話がありましたが、やはり農地中間管理機構だけではなくて、果樹の特性を持った集積、流動化というのはやはりやっていかなければいけない。
それはどうしても皆さんと共通になりますけど、大規模の基盤整備をやりながら改植をしつつ集積を持っていく。
まさに生産の装置産業でありますから、果樹は、そこのところをもうちょっと打ち出ししていかなければならないのかなと思っております。
あと、後でご意見がありましたが流通の関係ですね、ここのところももう一回しっかり押さえていかなければならないし、モーダルシフトというのは、やはり青果物という野菜を中心に最初始まっていますけども、その後、後段で果樹があるのではないかなということで書いておりますけども、その書き方についても色々と考えていきたいと思っています。
香髙委員からは、消費者の全くの白地の方々が理解するような書き方だとか、あとは過去からのことですね、今までやっていたことがどうなっていてこうなんだということが分かるようなこと、一番特に私どもがしっかりしなければならないのは、この骨子の中の1ページ、2ページ、リードの部分だというお話がありましたので、連携とかその辺はまだまだ上滑りのところがありましたので、しっかりやらせていただく。
あとやはり気になりましたのは、我々もまだまだ嗜好性の高い品目だという書き方をいつもしますので、もうこの際だから、嗜好品ではなくて必需品に持っていくんだという、そういうような新しいコンセプトというのを入れていくのかなとも思いましたし、あとカットフルーツと片仮名の問題だとか、文章を本当によく分かるようにというようなこと。
あと果樹共済の話と収入保険が平板である、収入保険は全くないのではないかという話もありましたので、そこのところは関係部局とも相談させていただきたいと思っております。
林委員からも、やはり加工、加工ではなくて、やはり嗜好品から必需品なんだから、食事のパターンにきちんと入れていくということで、青果で食べるということが、家庭の中での食というような食育のこともしっかり書かなければならないだろう。
あとは、やはり食べている人たち、消費者の方々が果樹農業に対して守るんだという規範的な意識というのは非常に大事なので、そういうのはかけていかなければならないと思いますし、田中委員からも、基盤整備は大事だと、まさにそのとおりでありまして、大規模基盤整備とあわせて改植をどういうふうに持っていくのかという書き方、あと共済の話、緊特事業の話、これをどういうふうに進めていくのかだと思っております。
あと輸出の関係がございまして、まだまだ書き足りないところがございます。
誰がどのように輸出の協議会を立ち上げていくのかということで、深澤さんの意見がございましたけども、そういうことをしていかなければならないと思って、書いていきたいと思っております。
松本委員のほうからはキャリアプラン、まさにこれ、私ども新しい新機軸を出そうと思っていますので、ここら辺のところはどのようにしていくのか。
あと、「連携」という言葉を本当に使っておりますけども、やはり産地内での連携というのは一番小規模なといいますか小単位の中での連携でありますから、そこら辺のところもしっかり。
鳥獣被害についても、今までのソフト、セミハード、ハード事業等も進めていくというようなことと、どうしてもやはり皆さん基盤整備の話がありました。
そこのところですね。
あと足りなかったなと思うのが風評被害のところ、これは安齋委員のお話にもありましたけども、風評被害のところをどこかできちんと出していかなければならない。
5年間の中でありますので、風評被害がなくなるようにという形できちんと明記していかなければと思っております。
安齋委員からも基盤整備のお話と、あと機能性というようなことで、きちんと留意事項を持ってくださいと。
前も田中委員の方から、マグロのDHAの話で、サプリメントに流れてしまうよと、機能性があったらベータクリプトのサプリメントで食べてしまうではないかという話がありましたので、きちんと機能性をわかった上で生果を食べてもらおうという形での進め方ということも我々留意していかなければならないし書いていかなければいけないと思っています。
あと山口委員からも4点ございまして、サプライチェーンをしっかり国がどうやって打ち出して音頭をとっていくのかということと、産地間連携で通年安定供給で出していくこと、あとライフスタイルにかわったような用途別の開発をしながらやっていくことと、あと原料というのは非常に大事になってくる。
それは大量需要開拓ということがありますので、それは新分野でありますので、我々としては、そういったところでどういうふうにかけるのかなと思っております。
鈴木委員からは、バリューチェーンということで消費拡大、これは支援も資金もなかなかということなので、我々としてこの資本方針、総合対策として打ち出そうと思っていますので、どこまでそういった予算ができるかどうかですけども、まずは出していって予算化をしながら、できないところは役割分担しながら、さらにはバリューチェーンといったことも構築できるような支援も我々何とかしていきたいと思っています。
集積の話は、基盤なんですが、これは方向性ですね、やはりこれは農地整備の部局ございますけども、そういった基盤整備の中で果樹の基盤はどういうふうにやっていくのかということを詰めつつ、また我々の改植事業もどうやって進めていくのかということをあわせながらやっていかなければならない。
収入保険は足りないということもございましたが、そういうご指摘をいただいたということで、藪野委員からも、食育の関係で文科省、厚労省との連携のお話がございまして、関係省庁と1対1で進めていくというようなことも文言も入れさせていただきながら、次世代の継承については基盤ということで、これが大事と。
農地中間管理機構、やはりこれからはこれを打ち出していかなければなりません。
施策としては非常に大事なんですけども、先ほど繰り返しますけども、果樹の特性と中山間地域といったような傾斜地での園地、そこで農地中間管理機構だけでは足りるのかどうか、そこを補完するような、今まで中間管理機構がなかったときにいろいろな精神的な事例で、自らいろいろなことをやられながら集積していました、それをベースにして農地中間管理機構を入れながら新しい果樹の集積というのを作っていく必要があるのかなと思っております。
あと三森委員からも、誰に向かって発信かというようなことを、本当にこれはしっかり我々もう一度最初に戻って考えていきたいと思っていますし、中間管理機構についても、そういったようなのだけではなくてモデル的なものができないかということでお話がありました。
それでやっていきたいと。
あと、やはり6次産業化はまさに三森委員進めていますけども、個々の力だけでは足りないところがあって、県と市町村あたりで連携してブランドを作っていく、そのときにどんと出ていく、まさに大量でマスで持っていかないとブランドをつくれないということですので、ここだけの6次化ではなくて、県、市町村、みんな入れて産地だけでの全部集めた6次化といったことなのかなと思っていますし、あとグリーンツーリズムのお話もございました。
消費者目線での書き方。
あと、やはり今まで生果、生果でずっと進んでいましたから、加工用のプロというのが全くではないですが、なかなかいらっしゃらないということで、我々としては、産地に近い方々での加工プロといいますか、加工用をつくるプロみたいな方々のバンクを作ったりしてこうやって広めていくということをやっていかなければならないのかなと思っています。
そういったものも書き足りなかったと思っています。
そういったことで、いろいろと今日は本当に私どもも色々足りないところが随分あったなということでありましたので、もう一度本文を作る際にしっかりこういったご意見を取り入れさせていただきたいと思っています。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
ほぼ1時間半ですが、予定の時間がまいりましたので、特に追加することがなければ、本日はここで終わりにしたいと思います。
本日は本当にご熱心に様々なご意見をいただき、ご議論いただきまして本当にありがとうございました。
それでは、進行を事務局にお返しします。

菱沼課長
どうもありがとうございました。
本日いただいたご意見は、先ほどと繰り返しになりますけども、基本方針の作成に当たって色々と詰めていきたいと思っております。
また、明日2月6日から20日までなんですけども、きょうの基本方針の骨子案ということを、広く意見を聞くという形でパブリックコメントを2月6日から20日までかけたいと思っております。
本日の部会の概要につきましては、部会長にご確認いただいた上で、いつもどおり農水省のホームページに掲載する予定ということにしておりまして、さらに詳細な議事録につきましては果樹部会、今までと同様、後日、皆様方にご確認いただいた上、ホームページに掲載ということでございます。
よろしくお願いいたします。
以上ですが、何かご質問等ございますでしょうか。
よろしいですか。
それでは、本日、一応議事を終了いたしましたので、本日は誠にありがとうございました。
次回も引き続きよろしくお願いいたします。
以上でございます。