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食料・農業・農村政策審議会果樹部会 第7回(平成27年3月27日) 議事録

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日時及び場所

平成27年3月27日(金曜日) 15時29分~16時11分
農林水産省本館4階 第2特別会議室

議事

(1) 果樹農業振興基本方針について

(2) その他

概要

菱沼課長
定刻になりましたので、ただいまから平成26年度第7回食料・農業・農村政策審議会果樹部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本当に年度末のご多忙中にもかかわらずご出席いただきまして誠にありがとうございます。
本日、議事に入る前までの間、私、菱沼が司会をさせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
まず初めに、本日の資料のご確認をお願いしたいと思います。
まずは議事次第がございます。
配布資料一覧がございまして、配布資料は資料1から4で、資料1につきましては、果樹部会委員の一覧、資料2は、基本方針の策定に係る審議の進め方、今までのスケジュール等を載せておりますが、資料3につきましては、果樹部会の運営ということで、法令等を抜粋で載せています。
資料4は、果樹農業振興基本方針(案)ということでお配りしているところでございますが、何か足りないところがございましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
よろしくお願いします。
続きまして、委員の出席状況でございますが、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上が出席しなければ会議を開き議決することができないとされているところでありますが、本日の出席状況につきましては、松田委員、大西委員、葛西委員、福士委員がやむを得ないご都合ということでご欠席というようなことになっております。
橋本委員におかれましては、所用により若干遅れているというご連絡を承っております。
したがいまして、本日、委員及び臨時委員の19名のうち14名の方がご出席ということでございますので、本部会は成立していることを確認いたします。
議事に入る前にご注意といいますか報道の関係の方々へのご連絡ですが、傍聴及び報道関係者の方々へのご連絡ということで、当初、私どもはカメラ撮りといいますのが冒頭のみ許可するとお知らせしておりましたけども、およそこの議事進行をしまして、大体3時45分ごろに答申の手渡しが行われますが、その際にカメラ撮りを許可するタイミングになりましたら、事務局よりお知らせいたしますので、これらの指示に従って撮影していただきますようご協力をお願いしたいと思っております。
それでは、ここからは部会長に議事進行をお願いしたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。

三石部会長
それでは、議事を進行させていただきます。
本日は、果樹農業振興基本方針(案)の答申についてお諮りいたします。
昨年6月の諮問以来、新たな基本方針(案)について審議を重ねてきました。
本日の果樹部会を最終の部会とさせていただきたく答申をお諮りしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げます。
審議の進め方ですが、事務局から資料が用意されておりますので、まずは資料4、これに基づいて、前回の部会からの基本方針の修正部分を説明いただいて、その後、果樹農業振興基本方針(案)についてお諮りしたいと思います。
なお、この基本方針(案)は、前回のご議論を踏まえて所要の修正を行った最終案です。
私も事前に修正箇所を含めて確認させていただいたものであります。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

菱沼課長
それでは、「果樹農業振興基本方針(案)」、資料4をごらんいただきたいと思いますが、まずは、前回お示しした基本方針から委員の皆様や関係各方面からのご意見を踏まえて修正を加えております。
まず、全体としては振り仮名とか略語、技術の注釈につきましては追記をさせていただいて、より農家の方々や消費者の方々にわかりやすい表現に修正させていただきました。
中でもいろいろと大きく変わったところが何点かございますので、ご報告申し上げます。
まず、1ページでありますが、「(1)果樹農業をめぐる状況」というようなことであります。
これの2番目のパラグラフのところであります。
国内の果実生産量等について説明させていただきましたが、前回の部会の中でも、鈴木委員から、こういった数字についてはしっかり明確に整理することが必要であるといったような、それほどほかの品目も増えているわけではないといったご意見がございまして、その結果、このパラグラフの下から2行目ですけれども、「その他の品目では、生産量が増加した品種もあり、品目・品種の多様化が進んでいる。」といった文言にさせていただきました。
続きまして、ずっとめくっていただきまして21ページでございます。
21ページ、「4 輸出面での対策の推進」といった項目を設けさせていただきました。
その中で「(1)戦略的な輸出対策の推進」の3番目のパラグラフで、「今後の果実の輸出については、」というところです。
今後の輸出については、輸出拡大方針に基づきまして、しっかり「ジャパン・ブランド」の確立を通じて、戦略的に進めていこうといったような文言でありますが、これは各方面いろいろと御意見を伺った中で、結果的に、輸出をやっても流通の方々、輸出を進めている会社が儲かって中間マージンを取って、結果的には農業者に利益が行かない、そうなったら意味がないではないかというご意見もいただきました。
このパラグラフの中では、真ん中あたりですが、「果樹農業者が利益を得られ、農業者所得が向上することを念頭に、」と文言を追加し、しっかり輸出をやっていこうということで、中間業者の方々が儲かるのもいいのですが、やはり最終的には農業者の方々がしっかり儲かるように頑張っていこうじゃないかという文言にさせていただきました。
続いて22ページ、めくっていただきまして、輸出環境の整備のことについてですが、上から2番目のパラグラフであります。
せっかく輸出をするに当たっては、環境整備をしていく必要があるだろうということで我々文言を追加させていただきました。
2番目のところでありますが、輸出団体を中心に、例えば向こうでバナナ等の輸入果実の輸送・貯蔵拠点を使わせてもらおうといったようなことで、輸送・貯蔵拠点、リーファーコンテナの活用といったようなことを書かせていただきましたけれども、それだけでは足りなくて、やはり輸出先国にきちんと拠点となる貯蔵施設、例えばりんごのCA貯蔵、そういったような施設をきちんとつくった上で、品目横断的に輸出体制を整えていくといったことがご意見として出ておりますので、新たに「輸出先国における拠点となる貯蔵施設等を活用した」といった文言を入れさせていただきました。
続いて、飛んで30ページでが、大きな項目ということで「第5 果実の流通及び加工の合理化に関する基本的な事項」というのを以前から載せておりますけども、そういった中で、やはり流通と加工というのをしっかり分けて書くべきだろうといったようなお話がございまして、今回、30ページの「1 果実の流通面における対策の推進」という項目を設け、さらに31ページ、お隣のページですけど、「2 果実の加工面における対策の推進」といったものを設けて、はっきり流通ではこうしっかりやっていくんだ、加工についてはこういうことをやっていくんだということを明記させていただきました。
そういった中で、31ページのところ、「2 果実の加工面における対策の推進」ということで新たに項目立てをさせていただきました。
いろいろとしっかり対策をすると書いてはありますが、やはり加工・業務用といったものをしっかりやるためには方針というのが必要だろうというご意見がありましたので、新たに31ページの「(1)加工・業務用国産果実生産・流通方針の策定」といった項目を設けさせていただきました。
内容につきましては、やはり国内需要の6割を占める輸入果実のうち、その約6割が依然として果実加工品によって占められている。
そういったところから、国産加工原材料の安定確保を図り、さらには、産地や果樹農業者が積極的に果実加工分野に進出していけるよう、国が、その具体的な施策の方向性を示そうというようなことで、仮称ではありますが、「加工・業務用国産果実生産・流通方針」ということを策定して、これをしっかり食品企業の方々と連携しながら果実加工品の国産シェアの拡大に向けた取組を展開していこうじゃないかということで明記させていただきました。
したがって、国としては、こういった新しい指針を策定していくというような姿勢になっております。
主な修正点については以上になります。

三石部会長
ありがとうございました。
それでは、果樹農業振興基本方針についてはこのとおりとさせていただいてよろしいでしょうか。

(「はい」の声あり)

三石部会長
ありがとうございます。
続いて、私が用意いたしました答申案を委員の皆様にお配りしたいと思います。

(答申案配布)

三石部会長
お手元に答申案が届いておりますでしょうか。
それでは、昨年6月30日の第1回開催の果樹部会において、農林水産大臣のほうから、食料・農業・農村政策審議会に対し、果樹農業振興特別措置法第2条第1項に基づき、果樹農業の振興を図るための基本方針を定めるに当たり留意すべき事項について、同条第3項の規定に基づき、食料・農業・農村政策審議会の意見を求めるとの諮問を受けています。
この諮問事項につきましては、「食料・農業・農村政策審議会における部会の設置について」に基づき、これにより答申案について委員の皆様にお諮りしたいと思います。
それでは、答申案を読み上げます。
果樹農業の振興を図るための基本方針について(答申)。
平成26年6月30日付26生産第9485をもって諮問のあった果樹農業の振興を図るための基本方針について、下記のとおり答申するということで、果樹農業の振興を図るための基本方針については、別紙のとおり定めることが適当である。
これが資料4で定めたものです。
皆様に同意いただいたものです。
それから、今読み上げました答申案のとおり答申させていただくということで基本的に異存はございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

三石部会長
ありがとうございます。
それでは、この答申案を当部会の決定とすることとして、答申決裁に署名したいと思います。

(署名)

三石部会長
それでは、答申文書の用意ができましたので、食料・農業・農村政策審議会の正式の答申としまして農林水産大臣に提出させていただきます。

菱沼課長
それでは、事務局よりお知らせいたしますが、これより答申を行うまでの間、カメラ撮りを許可いたしますので、よろしくお願いいたします。

三石部会長
果樹農業の振興を図るための基本方針について(答申)
平成26年6月30日付
26生産第948号をもって諮問のあった果樹農業の振興を図るための基本方針について、下記のとおり答申する。
果樹農業の振興を図るための基本方針については、別紙のとおり定めることが適当である。
よろしくお願いします。

菱沼課長
カメラ撮りはここまでといたしますので、カメラ撮影者の方はご退室をお願いいたします。

三石部会長
委員の皆様のご尽力とご協力によりまして、本日、基本方針を答申することができましたことに改めて私のほうから感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。
それでは、多少時間がありますので、最後の機会ですし、この基本方針に即した施策の展開方向などについて、コメントをいただければと思います。
この機会に1年間を通して総括して将来を考えて述べておきたいということがございましたらコメントをいただきたいと思います。
いかがでしょうか。
林委員、お願いします。

林委員
それでは、私から消費面での対策の推進について、今後の展開について少しコメントをさせていただきたいと思います。
非常に多様な消費者がいるというところで、内容についてもそれぞれの多様性に即した形で包括的にまとめていただいて非常に感謝しております。
1点、5ページ目にあります今後の「果実の健康への有益性を検証するため」というところ、下から2つ目のパラグラフになりますが、今後、医療関係の有識者等との「連携」をというところで、具体的な取組についての視点が書かれておりますけれども、やはり果物を食べる、果実を食べるということの予防的な働きという視点からは、保健・医療というような形で取組を進めていっていただけたらと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。

三石部会長
ありがとうございました。
大事なポイントだと思います。
そのほかにご意見ございますか。
鈴木委員、よろしいですか。

鈴木(敏)委員
私、常々、4月からの機能性表示のスタートに際して、いろいろなものを訴えることができるのでないかと期待していましたが、前回もお話ししましたサプリメントということで、非常に健康は食からというメッセージがすごく消費者に通じていないなと。
いろいろなサプリメントはパーツパーツで素晴らしいものがいっぱいありますが、それにはやはり青果物、特に果物の水分、ビタミン、いろいろな要素が総合的に健康をつくっている、組織をつくっているというようなメッセージが足りないなと。
震災のときにすごく感じたのは、公共広告機構だったでしょうか、あれを見て非常にインパクトがあったのは、全員があれを見ながら、これを守ろうねという確認をしたことだったんじゃないかなと思います。
日本は高齢化に伴い、消費の形態が変わってくると思います。
私は昭和31年に生まれたので、母が果物を非常に毎日食べさせて、学校でも若干出ましたけども、非常に習慣が大事だったと感じています。
これからは、健康は食からで、果物をコストではなく、健康を得る農産物、食べ物というメッセージをどんどん発信して訴えることで価格にも反映してくるのかなと。
価格競争ということが全面に出ていますけども、そこがやはり足りないなと思います。
私、去年ですか、アメリカに行きまして、スムージーが各家庭で言われていました。
私の知り合いは80代ですが、にんじんにりんごを入れたり、はちみつを入れたり、手づくりのスムージーをつくっていただいて、私も自分で今バイタルミックスを買って、80過ぎた年寄りがいますので、ちょっと傷んだりんご、そういうのを全部入れてスムージーができる。
非常に体調がよくなったということも聞いていますし、私自身も薬要らずということで正露丸も飲まなくなりましたし、花粉症も実はこの3年ぐらいで治りました。
やはり食べ物なんだと実感しています。
その辺を訴えていきたいなと思っています。
ちょっとこの食育の一層の推進というところの括りでお話ししました。

三石部会長
ありがとうございました。
これからこういった新たな基本方針をつくって、どのように展開していくのかという点で幾つか重要なポイントだと思います。
今後のこと、これをつくって終わりではなく、まさにこれから始まるわけですので。
ほかにいかがですか。
山口委員、お願いします。

山口委員
とてもいい基本方針ができたと思います。
やはり改めて思うと、内需の下支えと、それから国外の外需をどう取り込むか、この2つを並行してやるための戦略と、そのための施策の積み上げということが非常に大事だと思いまして、それがよく盛り込まれていると思います。
最後に、そうした基本的な戦略にあわせて強調したいことを3つほど、既にいろいろなところで触れた部分と重なる部分がありますが、3つほど強調しておきたいと思います。
1点目は、やはり果実の一番の商品価値は、先ほどの健康にもつながりますが、何よりもまず鮮度だと思いますので、その鮮度保持の技術開発をやはりしっかり積み重ねるということは改めて大事だと思います。
これはもちろん新品種開発もあるでしょうが、加えて包材や包装システム、それから先ほど物流の話もありましたけど、物流、保存要件、こういう技術を積み重ねて、日本の果実の鮮度を改めて技術によって支えるということをぜひ積み重ねると良いと思います。
2点目は、地理的表示制度がスタートするわけですが、これを目いっぱい使う。
先ほど21ページで輸出関連のお話がありましたけども、外需を取り込むための非常に有力な武器になるわけで、どこかのページにも記述がありましたが、科学的根拠に基づいた品質規格、それからその地域でしかできない地産のストーリー、それにいわばGIマーク、つまり国家が国として品質保証するマーク、これが揃ったら非常に強い競争力になるし、ジャパン・ブランドの打ち出しができるだろうと思います。
類似品の排除も可能になるわけで、たまたまスタートする地理的表示制度、これを目いっぱい使い込むということがとてもいいのではないかと思います。
3点目は、最初にお話しましたが、やはり新市場、新需要を開く努力をするということがやはり大事だと思います。
特に私は外食あるいはファストフードのところが大事ではないかと思います。
これは私どもの個別企業の例で恐縮ですが、失敗した例ですけれど、私どもは国内では非常にブランドが強いものですから、もっぱら家庭で愛用していただくということを非常に強みとしてやっていて、アジアへ展開するときも、かなりの地域でそれをやって、成功してきました。
しかし、地域によっては、例えば朝飯から外で食べる。
家庭の主婦の方も仕事を持っているというので、朝は屋台で食べちゃう、そういうマーケットが非常にたくさんあります。
そういうところはやはり外食あるいはファストフードが極めて有効でありまして、このモデルを日本で何らかの形でつくって、そうしたアジア等のマーケットに移植をしていくということを一生懸命やると需要開拓、外需の取り込みができるのではないかと思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
では、安齋委員、お願いします。

安齋委員
生産者の立場から、食農教育というのを随分言ってきましたけれども、これにも入れていただきましてありがとうございます。
それで、子供たちやその親世代ですが、どんなふうにしてつくられているかというのを全く知らずに食べているというのが現実です。
給食のフルーツも冷凍物、カットしたりんごも最近出ていますので、やはり食育だけじゃなくて食農もつけた、それに力を入れてこれからずっとやっていただけたらと私個人的にはそう思っております。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいですか。
徳田委員、お願いします。

徳田委員
私も生産面について少し発言させていただきます。
これまでも何度か申し上げてきたことだとは思いますが、特に今回のこの基本方針の中では、従来以上に生産振興に大きく舵を切っているのではないかと考えています。
つまり、これまで全体的な供給過多の中でいかにそれを需給調整するかというところがあったかと思いますが、担い手が減少していく中で、今後もこのままの推移でいった場合には、むしろ不測の事態が生じるということの不安の中で、今回出されたのだと私は理解しております。
そのために、特に生産基盤整備というところに、特に生産面では大分重点を置いているのではないかと思いまして、その点は大変評価できると思います。
それにかかわって、やはりそれを実際に進めていく上では、常にさまざまな経営支援対策、あるいは果樹だけではないですが、農地中間管理機構等のさまざまな対策がございますが、やはりこれから重要なのは、それをうまく有機的に結びつけていくということが必要と思っております。
それはやはり今後自治体に進めていく上では、なるべく現場に立脚した形で、これ実際、果樹の場合には、個々の産地には相当条件が異なりますので、それぞれに合ったような形で利用できるようなことにぜひ留意していただきたいなというふうに考えております。
それにかかわって、今回、今後キャリアプランをつくるということですが、これもやはり地域によって違いがあるように思いますが、実は今月の初め、静岡の三ヶ日に行ってきたときに農協の方とも話をしていたのですが、日本の中でも最も担い手が豊富な果樹産地というふうに言えると思いますが、それは多分ここで目指されている生産基盤整備が最も進んでいるところとも言えると思います。
ただ、その中で、全体に担い手はいるけれど、なかなか新規が入りにくいという話をされていまして、それはなぜかというと、今ある三ヶ日の経営というのはかなりの資本投資をしていて、数千万の機械、あと貯蔵庫も入れると数千万の施設機械投資を行っているので、なかなか新規の人がこれだけのお金を出して入れないという話をされていました。
昔は果樹の新規を入れるのが大変なのは、技術が難しいという話や、永年作物ですので、なかなかすぐに所得収入を得るのに時間がかかるという話がありましたが、どうもそれだけではない課題も実は生まれてきていると思いますので、その辺も踏まえながら、進めていく中で新しい条件を踏まえてぜひ考えていただけたらというふうに思います。

三石部会長
ありがとうございました。
よろしいですか。
三森委員、お願いします。

三森委員
多岐にわたってとても、全てとは言わないですけれども、答申になっているかと思います。
その中で、私がぜひ入れていただきたい、私も全部読み下していないので、もし重複していたらおっしゃってください。
産地間の形成の大切さということはとても思っておりまして、この中に余りドリフトという問題は出ていなかったと思うので、この辺のところはどちらかのところに、生産面のところにぜひ入れていただいて、やはり産地間形成と、多品目になるとドリフトの問題が出てくるので、こういったところもきちっと書いていただきたいと思っておりました。
先ほど徳田委員のほうからも出された農地中間管理機構ですが、やはり現場の私たちとすると、とても非常に難しい問題が多々ございます。
立ち木もそうですし、私たちのぶどう棚も明記されていることが、平地で返すというふうなことで、山梨でも非常に今問題になっているということも伺っております。
ぜひ、この生産部会のほうから答申のところではやはり産地間に合った農地中間管理機構の活用ということを強くうたっていただいて、次世代にこの管理機構が上手に使えるような施策を打っていただきたいなというふうにも思っております。
いつも私も思うんですけれども、農業の担い手は常に思っていることは、新規就農者、新しい方たちだけに特別な青年農業給付金といったものがあるのですが、三ヶ日のようなところというのはそう大変な産地ではないかと、私、全体的な日本の農業の中で思いますが、それは全ての農業者に言えることなので、ぜひ、本当の意味の後継者が就農したときにもっといい、例えば技術ですとか、そういった伝承ができるような仕組みをぜひ国のところで、青年農業給付金は新規就農者ではなく農家の子世代というのでしょうか、世代たちがきちっとつくって、次の世代の産地の代表となれるようなところもぜひこういったところでもうたっていただきたい。
新しい方たちだけでは帰ってしまうということ。
先ほどもおっしゃられたように、農地がなかなか借りられないというふうな、特に果樹はそういった問題、山梨でも多々ございます。
ですので、なるべく次世代のリーダーは、ぜひ農業者の子弟が継げるような施策もこのところで書いていただくということも一つだというふうに思っております。
ありがとうございます。

三石部会長
ありがとうございました。
中身に書いてあることと、それから今後それを踏まえて実践していく部分と幾つか重要なご指摘をいただいていると思いますので、今後の施策の展開の中でぜひ活かしていければと思います。
ほかに総括コメントあれば、いかがでしょうか。
答申は済んでおりますので、これを振り返ってという形で。
田中委員、お願いします。

田中委員
10カ月ほどにわたってこういった場に出させてもらって、いろいろな方面からいろいろなお話を聞いて、ああ、よかったと思っています。
私はみかんですけど、みかんの生産者の代表との話し合い、来月末にやるようにしています。
その中でも農水省の方に来てもらって話してもらおうとも思っています。
それをどういった形で生産者が捉えていくのか。
どこに柱があって、どうやっていけばいいのか。
これからもずっと考えていかなければいけないというところがあります。
毎回私は言ってきましたとおり、生産者が減っていく一方で、農地は残っていく。
先ほど来、農地中間管理機構の話もありましたが、使い勝手もまだまだわからないというのが正直なところで、果樹農家というのは、やはり地方にあって田舎でやっています。
そこにいかにしてそういった生産者の方々が定住できるような環境ができるかと、その中での生産性、利益を出して生活していくと、そこのプロセスをやっていくためにこういったことがあるのでしょうが、やはり消費の構造自体も、どこで本当につくられているのかなと、消費者自体がつくっているのかなというクエスチョンのところも自分としてはあります。
売り場の中で利益になる品目、そうでない品目と、そういったところもあろうかと思いますので、その辺のしっかりとしたすみ分けをやっていかないと、やはり生産者ももどかしい中でだんだん意欲がなくなっていく、そういう感じがしております。
先ほどもありましたが、機能性表示の部分ですが、やはり品目で日本全体で国産全体で捉えていくような形を今後とっていただけたらと思います。
先行して、静岡でみかんの場合はやられているので、そこはスムーズにいくでしょうけれども、ほかの県はまだまだ立ち遅れていると思います。
ただ、品目は同じです。
その機能性もさほど変わりがあるものじゃないと思っていますので、ここはどこかが旗を振りながら品目別の機能性をしっかりとやっていただきたい。
どこかの県が突出するのではなくて、これこそ本当に連携していくべきところじゃないかと思っています。
最後ですが、先ほど言ったように、気候の変動が著しい中、そういったのにも耐え得る基盤整備、いいものができるところ、大型農家を目指さないと品物自体が減っていくというのは如実なところだと思います。
そういったところに対しましても、雇用という部分も発生してくると思います。
景気が悪いと農家に働きに来る人が多いのですが、現状は変な雇用が多くなって、なかなか雇用ということに関して大変難しい時期になっています。
外国から入れないといけないという産地の現状があちこちから聞こえてきますので、そういった方針もやっていただけたら幸いだと思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
鈴木委員、お願いします。

鈴木(忠)委員
今回のこの基本方針、非常に多岐にわたりまして果樹農業の今後の方向性を示していただいていると思っております。
ただ、今後この方針に向けて、これを実現していくために誰がどのように取り組んでいくかというのが非常に大事になってくると思います。
そういった意味で、国も含めて市町村なり県、そういった行政が取り組むべきこと、あるいは農業団体としてやるべきこと、また、生産者が自ら取り組むべきことというのをある程度明確化した中で、今後、国の方針の中に、施策の中に、そういった格好でもって活かしていただければと思います。
ぜひその辺も含めてこれを、言葉は悪いですけど、絵に描いた餅にならないように、いかにこれを実現していくかということに今後どうやって取り組んでいくかということをぜひよろしくお願いいたしたいというふうに思います。
以上です。

三石部会長
ありがとうございます。
いかがでしょうか。
よろしいですか。
それでは、私のほうからも最後に一言ご挨拶を申し上げたいと思います。
私も果樹部会の担当になったのは全く初めてで、漠然とした知識しかなかった中で1年間いろいろと皆様のお話を聞いて、多くを学ばせていただきました。
その中で、最終的には企画部会、それからその他の部会でもそうですが、環境が大きく変化しています。
それは自然環境、消費環境、生産環境、それから加工する環境、あらゆる環境が変化していく中で、それに対応するためには幾つかのやり方があります。
例えば、変化を先取りして少しでもそれに追いついていく、あるいは新しい市場に向かっていくというやり方もあれば、既存の技術、新しい技術を使って、今までのものを何とか守るという方法もあると思います。
果樹の場合には、恐らくこれから両方を一緒にやっていかなければならない。
既存の素晴らしい産地を何とかして守っていくということと同時に、新しいマーケット、新しい産地、新しい食べ方、全てにおいて新しいことを一緒にやっていかなければいけない。
その中で、この基本方針のコンセプトになった連携というものが必要になってくる。
そこは産地間の連携だけでなく、さまざまな分野との連携をという話が出てきています。
ぜひこれを今後、最後に鈴木委員が言われましたけども、実際に実践してこその基本方針ですから、紙に書いただけでなく、少しでも将来につなげるものにしていけたら良いと思います。
そのためには、何気なく思っている我々の意識、それから実際に果樹農業が持っている潜在力を徹底的にたたき起こす必要があるかと思います。
私は眠っている部分がかなりあると思っています。
それは生産面においても、加工面においても、消費面においても、まだまだこれから眠っている部分、今まで眠っていた部分をたたき起こして新しい発展につなげていければいいのではないかと思います。
つたない部会長でご迷惑をおかけしましたが、これで本部会での議事は全て終了いたしましたので、進行役を事務局にお返ししたいと思います。

菱沼課長
三石部会長、大変ありがとうございました。
それでは、閉会に当たりまして、生産振興審議官の鈴木よりご挨拶申し上げます。

鈴木生産振興審議官
委員の皆様方におかれましては、本日、ご多忙の中ご出席いただきましてありがとうございました。
先ほど三石部会長から、果樹農業振興基本方針の答申をいただきました。
基本方針の審議に際しましては、昨年6月以降、2回の現地調査も含め計8回にわたって貴重なご議論をいただき、本日この答申ということで実を結ぶことができました。
心より感謝申し上げます。
果樹農業振興基本方針は、今後の果樹施策の方向を示すものであり、今後、この方針を着実に実行し、果樹農家の所得向上、果樹産地の維持発展、そして我が国の果樹消費の拡大、こういうことにつなげていくということか非常に重要であります。
そのためには、この方針を私ども事務方のほうで、それぞれの方に御理解いただけるような形でわかりやすい資料をつくりまして、生産の面では産地のほうへ出向き、県の皆さんやJAの皆さん、生産者の皆さんとご議論をし、また、流通にかかわる皆さんともご議論させていただいて、そういう点ではいい連携ができますように、私ども国が先頭に立ちまして、関係者の方々と果樹施策に取り組んでまいりたいと考えております。
最後になりましたけれども、今後とも委員の皆様方の一層の果樹振興へのご支援をお願い申し上げましてお礼のご挨拶とさせていただきます。
本当にありがとうございました。

菱沼課長
閉会に当たりまして3点ほどご報告を申し上げます。
まず1点目が、基本方針につきましては、今後、所要の手続を経た上で、4月中旬をめどに官報に掲載したいというふうに考えております。
2点目につきましては、本日の部会の概要は、部会長にご確認いただいた上で、農水省のホームページに掲載する予定にしております。
3点目でございますが、詳細な議事録については、これまでの果樹部会と同様、後日、委員の皆様にご確認いただいた上で、農水省のホームページに掲載したいと考えておりすますので、よろしくお願いします。
以上ですが、ご質問等はございませんでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日はまことにありがとうございました。
これで閉会させていただきます。
誠にありがとうございました。