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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会 第1回企画部会 議事録

平成11年10月1日(金曜日)

農林水産省第2特別会議室

 

議事次第

 

1 開会

2 部会長互選

3 部会長挨拶

4 政務次官挨拶

5 部会の進め方について

6 資料説明

7 質疑

8 閉会

 

 

1 開会  

 

会長 皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会第1回企画部会を開催いたしたいと思います。

企画部会の開催に先立ちまして、昨日、東海村のウラン加工工場で臨界事故と言われているような事態が発生いたしましたので、それに対しまして、農林水産省から御説明いたしたいと思います。これは、食料品や農産物、いろいろな問題にみんな関係するところがありまして、緊急の事態でございますので、事務局から初めに、その対策について御説明をお願いいたします。

事務局 今、会長からお話がございましたように、昨日10時35分に、東海村のウラン加工施設におきまして放射能漏れの事故が起きました。

これに対する対応でございますが、その前に、先ほど受けました連絡によりますと、施設の臨界状態は終結したという報告を受けております。

まず、政府全体といたしましては、総理大臣を本部長といたします対策本部を設置いたしまして、総理から、周辺住民の安全第一に万全の体制をとるようにという御指示がございました。

農林水産省といたしまして、お配りいたしておりますように、東海村ウラン加工施設事故対策本部設置要領ということで、こういう対策本部を設置いたしております。事務次官を本部長にいたしております。

なお、お配りいたしておりませんが、茨城県を中心といたします関東周辺を管轄いたしております関東農政局におきましても同様の本部を設置いたしております。

今後の対応でございますが、目的にもございますように、今回の事故を受けまして、食品、農畜水産物、飲料等への影響を見極め、必要な措置をとるということが最大の課題ではないかと思っております。

このため、検討事項にございますように、科学技術庁等関係省庁、あるいは茨城県等自治体と十分連携をいたしながら情報収集を行いまして、具体的な対策をとっていきたいと思っております。

なお、特に茨城県の東海村周辺におきます食品、農畜水産物、飲料等につきましての調査を早急に実施いたしまして、必要な対応をとっていきたいと思っております。

なお、現時点におきましては、周辺の農産物につきましては県の方から出荷自粛ということをお願いいたしておりまして、今後、事故施設周辺のモニタリング調査の結果が判明次第、具体的な対応を講じてまいりたいと思っております。

どうか、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

会長 ありがとうございました。

また必要な情報が入りましたら、逐次、御説明願いたいと思います。

それでは、本論に戻ります。御案内のとおり、去る9月6日に開催されました第1回食料・農業・農村政策審議会におきまして、企画部会及び施策部会を設置することが了承されたところでございます。これを受けまして、私の方で、委員の皆様方の御意向等も踏まえた上で、それぞれの部会ごとの委員及び専門委員の構成を決めさせていただきました。本企画部会の皆様に、本日お集まりいただいたわけでございます。

なお、本部会のメンバーは、お手元にお配りしてあるとおり、委員9名と専門委員10名の計19名でございます。それで、委員の皆様方を御紹介すべきところでございますが、時間の制約もございますので、名簿を御参照いただきたいと思います。

 

2 部会長互選  

会長 それでは、まず最初に企画部会長を選出いただく必要がございます。食料・農業・農村政策審議会令第5条第3項の規定により、部会長の選出は部会に属する委員の互選によることとされております。つきましては、部会長の選出について、何か、御意見ございましたら、どなたからでも御提案いただきたいと思います。

委員 委員のでございます。部会長につきましては、食料や農業、農村について幅広い御見識をお持ちで、しかも、基本問題調査会の会長代理等をお務めいただいた渡辺委員にお願いするという御提案を申し上げたいと思います。

会長 ただいま、委員から渡辺委員を御推薦したいという御提案がございましたが、いかがでございましょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

会長 ありがとうございました。

御異議がございませんようですので、皆様の互選により渡辺委員が部会長に選出されました。

それでは、渡辺委員、部会長席にどうぞ。

 

3 部会長挨拶  

会長 それでは、ここで渡辺部会長から御挨拶をいただきたいと思います。

なお、これから部会長に議事をお進めいただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

部会長 ただいま、本企画部会の部会長に選任されました渡辺でございます。私にとりましては、大変大任でございますが、皆様の御協力をいただきまして、円滑な部会運営に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いを申し上げます。

本部会は、基本計画の策定に向けまして、食料自給率の問題を初めといたしまして、食料・農業・農村に関するいろいろの課題や施策につきまして、幅広い観点から御審議をいただくという大変大事な場でございます。皆様からの忌憚のない御意見をいただきまして、21世紀にふさわしい食料・農業・農村のあり方を考える場としてまいりたいと思っておりますので、どうか、よろしくお願いを申し上げます。

 

4 政務次官挨拶  

部会長 それでは、これから食料・農業・農村政策審議会の第1回目の企画部会の議事を進行させていただきたいと存じます。

本日は、松下政務次官に御出席をちょうだいいたしておりますので、ここで政務次官からの御挨拶をいただきたいと思います。

政務次官 おはようございます。政務次官の松下忠洋と申します。中川大臣が、カナダのバンクーバーで五ケ国農相会議が開かれておりまして、WTOに向けての出発になる大事な会議でございまして、今、そちらの方に行っておりますので、私がかわりまして御挨拶申し上げることにいたします。

先ほど、事務局からお話がありましたけれども、今回の東海村の事故、大変深刻な状態でございます。我が省も、たまたま大臣が留守でございましたので、私も、夕べからずっと官邸に詰めておりまして、今朝3時まで、冷却水のバルブをはずして水を抜くというところを確認してから帰ってまいったわけでございます。大臣不在中でしたけれども、きちっと対応しているということを御説明申し上げたいと思います。

今回の事故は、原子力発電の工程中に起こったものではなくて、原子力発電用の核燃料を作る、その生成・加工する工場の過程で起こったということでございますので、そこはまた、後でいろいろ御説明する機会もあろうかと存じます。とにかく大変深刻な事故でございまして、総理はじめ、大変な危機管理体制の中で対応してまいりましたので、それだけまずお知らせ申し上げることにいたします。

食料・農業・農村政策審議会第1回企画部会が開催されるに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

21世紀を間近に控えた現在、食料・農業・農村を取り巻く状況を見ますと、食料自給率の大幅な低下、担い手の減少や高齢化、過疎化の進行などの諸課題を抱え、農業・農村は大きな転機を迎えております。

このような時代の転換点に当たって、食料・農業・農村基本法に即し、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮といった農業・農村に対する国民の期待にこたえていくためには、我が国農業の持続的発展や農村の振興に向けた諸施策を21世紀に向け、力強く推進していく必要があります。

この企画部会では、食料・農業・農村基本計画のほか、農用地等の確保等に関する基本指針について議論を深めていただくこととなっております。食料・農業・農村基本計画は、食料自給率の目標をはじめ、新基本法に基づく施策の具体化計画という重要な位置づけを有するものであり、今年度中に策定したいと考えておりますので、この部会の重要性というものは、非常に大きいものとなると考えております。

大変難しく重要な課題でありますけれども、部会長のもと、委員の皆様のそれぞれ御専門の立場から、十分かつ活発な御審議をいただきまして、21世紀における食料・農業・農村政策の基本方針の策定に向けて、忌憚のない御意見を賜りますよう心からお願いを申し上げます。

よろしくお願い申し上げます。

部会長 どうもありがとうございました。

 

5 部会の進め方について  

部会長 本日は、第1回目の会合ということでもございますので、今後のこの部会の取り進め方につきまして、まず御協議を申し上げたいと思いますが、事務局の方で何かお考えがございましたらお願いいたします。

事務局 この部会で御審議いただく食料・農業・農村基本計画は、かなり幅広い内容が対象となりますので、まず「食料」「農業」「農村」それぞれにつきまして一通り御議論いただいて、その後、食料自給率の問題など、特に主要な論点と考えられる事項に焦点を当てた御議論を年末までにしていただくことにしてはどうかと考えております。

その上で、それらの御議論を踏まえまして、年明けに基本計画の骨子についての御審議を行っていただいてはどうかと考えております。

以上でございます。

部会長 ありがとうございました。

ただいま事務局から御説明がございましたが、私といたしましては、ただいまの事務局の案に従いまして、まず「食料」「農業」「農村」それぞれについて一通り議論を行いまして、その後、食料自給率の問題など、特に重要と思われる論点につきまして議論を行っていくことといたしまして、その過程で、もし委員の皆様方から議事の進め方等について御意見があれば、それらも踏まえて取り進めていくということにいたしたいと存じますが、いかがでございましょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

部会長 それでは、そのような形で取り進めさせていただきたいと思います。

 

6 資料説明  

部会長 きょうは、第1回目の会合ということでございますから、食料について御議論をいただくということにしたいと思いますが、資料が事務局の方から出ております。「食料をめぐる現状と課題」という資料がございますので、まず、その資料に基づきまして、いろいろと食料に関する御説明をお願いしたいと思います。

事務局 それでは、資料は本日3つお配りしておりますが、そのうちの資料3をごらんいただきながらお聞き取りいただきたいと思います。「食料をめぐる現状と課題」でございます。

1ページでございますが、まず、最初に現状ということで御説明を申し上げたいと思います。国民の食生活の動向についてでございます。

我が国の食料消費につきましては、昭和35年度には、1人1日当たり供給熱量(カロリー)が2,291キロカロリー、このうち米を中心としたでん粉質が7割、動物性たんぱく質が非常に少ないという状況にございました。その後、我が国の食料消費は、高度成長期における所得水準の向上を背景に、平成9年度では2,638キロカロリーまで伸びました。

それから、その内容につきましても、肉類、牛乳、乳製品、果実等の消費が急速に増加しておりまして、これは右下の表でもごらんいただけると思いますが、昭和50年代ごろには、主食である米を中心として、畜産物、魚介類、野菜、果実といった多様な食品から構成されて、バランスのとれた日本型食生活とも言うべき、健康的で豊かな食生活が形成されていると考えております。

また、ライフスタイルの変化、物流の広域化、国際化の進展等に伴いまして、我が国の食生活、消費品目の多様化、食の外部化・サービス化が進展するとともに、諸外国及び国内各地域の食品や料理、食文化といったものを巧みに吸収しつつ変化を遂げてきたわけでございます。

2ページでございます。しかしながら、近年におきましては、この流れの中に、次のア、イに書いてありますような状況が現れてきているということでございます。まず、食生活の変化に伴いまして、栄養バランスの崩れ、糖尿病等の生活習慣病の増加などが懸念されるという状況にあります。また、世界には8億3,000万人を超える栄養不足人口が存在する中で、我が国は世界最大の農産物純輸入国である一方で、かなりの食べ残し・廃棄が出るなど、食料資源の浪費や無駄が見られるという状況にあります。

また、食事のとり方につきまして、(5)にありますが、いわゆる「欠食」、家族が異なった時間に1人1人食事をとる「孤食」、それから、家族が1人1人違う料理をとる「個食」といった問題、あるいは、家族一緒の食事が減ったことによる家庭における食教育機会の減少など、食生活をめぐっては様々な問題が生じております。

右下の表は、朝食の欠食率のデータでございますが、男性の若い世代を中心にいたしまして朝食の欠食率が、ここ20年で見てかなり増えているのがごらんいただけると思います。

3ページでございますが、その第1点の栄養バランスの関係についてでございます。厚生省が行っております「国民栄養調査」によりますと、国民1人1日当たりの栄養等摂取量の平均栄養所要量に対する充足率につきましては、カルシウムを除く栄養素については所要量を上回っている状況にあります。

また、エネルギーにつきましては、全体として、上のグラフの一番左の101となっているところでございますが、ほぼ適正摂取となっております。それから、右下のグラフでごらんいただいてもわかりますように、摂取エネルギーの栄養素別、PFC別の比率を見ますと、米の消費の減少、油脂類、畜産物の消費の増加に伴いまして、炭水化物の比率が減ってきているということ、それから、脂質の比率が過剰の傾向にあるということでございます。網かけのところが脂質の適正比率の幅を示しているわけでございますが、この上限を超えているということでございます。

次に、4ページでございます。その脂質の摂取過剰につきましては、肥満や高脂血症ばかりでなく、心臓病や大腸がんなどの一因にもなると言われておりまして、生活習慣病予防の観点から注意を払うべき問題となっているわけでございます。

次に、右下のグラフでございますけれども、成人についての脂質摂取比率を年齢階層別に見たものでございます。これの20歳代では脂質摂取比率が28.5%、それから、30歳代が27.6%、40歳代が26.3%ということで、注にもありますように、適正脂質比率は、18歳以上で20~25%となっておりますが、20歳代から40歳代まででは、いずれの階層でも、この適正比率の上限を上回っているということで、脂質の摂取過剰が懸念される状況にあるということでございます。

5ページでございますが、次に、食べ残し・廃棄の関係でございます。我が国においては、これまで包括的、かつ総合的に食品廃棄の実態を調査したものはないわけでございますが、京都市が行った事例調査、これは同市内の58世帯のデータでございますが、これによりますと、1日1世帯当たりの可食部分の食べ残し・廃棄が、台所ごみの37.5%になっているということでございます。この平成4年のデータを、同調査を昭和56年度にもやっておりまして、それと比較をいたしますと、食べ残し・廃棄量全体で1.4倍に増えているということと同時に、その比率も10ポイント程度増加している状況にあります。

一方、米国の農務省による、米国では食品ロス統計を平成9年7月に公表しておりますけれども、これによりますと、米国の小売、外食、消費者段階の可食食料の年間ロス総量、これは平成7年ですが、4,360万トンということで、供給総量の27%とされております。品目、群別に見たものが右のグラフに書いてありますが、生鮮果実及び生鮮野菜が19.6%、生乳・飲用牛乳が18.1%、穀物製品が15.2%などとなっております。

6ページでございます。また、食料消費の状況を示す指標としましては、農林水産省「食料需給表」による供給熱量ベースのものと、厚生省の「国民栄養調査」による摂取熱量ベースのものがあるわけでございます。

これにつきましては、参考1の26ページをごらんいただきたいと思うんですが、右側のところに概念図で書いてありますけれども、まず食料需給表、農水省のデータにつきましては、左の一番上にありますように、食料の国内生産または輸入が行われて、市場に供給されてから、家庭の台所などに届けられて最終的に消費されるまでの実態を示すものでございます。

(ア)のところにありますが、まず、農場から市場に供給される国内生産量と輸入量の合計、これに消費に仕向けられた在庫等を加えたものが「国内消費仕向量」でございます。右の絵の上から2番目の横長のものでございます。それから、この消費仕向量から餌などの非食用向け、種子用向け、それと流通・輸送途上等の減耗を除いて食用に仕向けられたものが「粗食料」でございます。

それから、この「粗食料」から、果物の芯とか野菜くず等の不可食部分を除いた、いわば人間の消費に直接利用可能な食料の実際の量が「純食料」ということでございます。この純食料につきましては、1人1日当たり純食料(重量)に加えまして、これに単位熱量を乗じて求めた1人1日当たり供給熱量が示されておりまして、これが、平成9年度で2,638キロカロリーということでございます。

一方、厚生省の「国民栄養調査」につきましては、国民が実際に摂取した1人当たりの食料摂取の実態ということを示すものでございます。毎年11月の平日の1日について、5,000世帯、1万5,000人を訪問調査してデータをとっておりまして、この摂取量に単位当たりの熱量を乗じて求めた1人1日当たりの摂取熱量というものが示されているわけでございます。これが、平成9年度で2,007キロカロリーということになっております。

もとに戻っていただきまして、6ページでございますが、先ほど申し上げました2,638キロカロリーと2,007キロカロリーの間には、約630キロカロリーあるわけでございます。調査方法が違いますので、単純に比較はできないわけでございますが、この差の相当部分が、食べ残しや賞味期限切れ等に伴う廃棄によるものではないかと考えられておりまして、近年、これらが増加してきていると考えられております。

7ページでございます。次に生産の動向でございますが、国内の農業生産につきましては、旧農業基本法のもとで、国民の所得向上に伴いまして消費が増大すると見込まれる畜産物、果実、野菜等の生産拡大、いわゆる選択的拡大を目指してきたところでございます。

次に、8ページでございますが、これによりまして、国内での畜産物、果実、野菜等の生産は、昭和60年ごろまで順調に拡大してきたわけでございます。他方、小麦や大豆につきましては、コシヒカリ等の米の早生品種の作付増による水田裏作麦との作期競合、あるいは相対的な収益性の問題等から、昭和50年ごろまで生産が減少してきております。

近年の状況を見ますと、担い手の減少・高齢化、畜産環境問題の深刻化、品目構成の変化、重量野菜の減少等によりまして、肉類、果実、野菜等の生産が減少傾向となってきております。また、昭和50年代と60年代初めまで増産傾向であった小麦・大豆につきましても、転作手法の多様化等で、生産が近年は減少している状況にあります。

こうした生産を支えている農地について見ますと、右下にありますが、国内の耕地面積は491万ヘクタールあるわけでございますけれども、一方で、現在、我が国が輸入している主要農産物の生産に必要な海外の農地面積は、国内農地面積の約2.4倍に相当する1,200万ヘクタールに及んでいるという状況でございます。

9ページでございます。このような、ただいま申し上げました消費・生産の動向のもとで、食料の消費について国産でどの程度まかなえているかを示す指標であります食料自給率、昭和35年度の穀物自給率82%、うち主食用は89%、それから、供給熱量自給率79%から大幅に低下いたしまして、平成9年度で見ますと、穀物自給率が28%、このうち主食用では62%、供給熱量自給率が41%となっております。この結果、穀物自給率ベースで見たOECDの中での順位は、29カ国中、我が国は28位ということになっております。

なお、左下にありますように、食料自給率としましては、品目別自給率、穀物自給率、総合自給率という3つの示し方があるわけでございます。このうち、品目別自給率と穀物自給率は重量ベースで示されているわけでございますが、総合自給率といたしましては、食料全体の総合的な自給の割合について最も基礎的な栄養であるエネルギーに着目して、供給熱量自給率というもので現在のところは示しているところでございます。

ただ、右側の枠で囲っております一番下の※印をごらんいただきたいと思いますが、この供給熱量自給率におきましては、飼料の自給率を考慮する畜産物やカロリーの低い野菜といったものの国内生産努力が反映されないという問題がありまして、こういった問題を補うためには、金額ベースの自給率等も示してはどうかという考え方があるわけでございます。

10ページでございますが、食料自給率の低下要因でございます。我が国の食料自給率がこのように低下した主な要因についてですが、まず、基本的に自給されております品目の米の消費が減少したということが挙げられるわけでございます。また、畜産物や油脂の消費が大きく増加したわけですけれども、これらの生産に必要な飼料穀物(とうもろこし等)や油糧原料(大豆・なたね)については、農地が狭くて平坦でないといったハンディキャップを持っている我が国の農業生産では、十分な対応が困難であり、輸入に依存せざるを得なくなったことなどによるものでございます。

右側に2本のグラフがありますが、昭和40年度から平成9年度までの変化を見てみますと、米の消費の減少、畜産物、油脂の消費の増加という消費面の要因が、供給熱量自給率の低下の原因の約3分の2を占めております。

次に、11ページでございます。今度は、世界の食料需給の動向でございます。農業生産は、自然条件の制約を強く受けて生産が変動しやすい。また、生産するのに一定の期間を要するということで、需給事情の変動に迅速に対応することが難しいという特質を持っております。これに加えて農産物は、基本的には、まずそれぞれの国の国内消費に仕向けられ、余剰が輸出に回されるということで、生産のうち輸出に回される割合は概して低いという特徴があるわけでございます。

さらに、農産物貿易におきましては、少数かつ特定の国・地域が主要な農産物の輸出について大きな割合を占める構造になっておりまして、右上のグラフでごらんいただいてもわかりますように、例えば、大豆につきましては、世界の輸出市場の3分の2が米国産のものになっているということでございます。

したがいまして、世界の食料需給につきましては、主要輸出国における作柄変動等の影響を受けやすく、そもそも不安定な側面が強いわけでございますが、さらに、主要輸出国が80年代に過剰在庫に伴う財政負担、価格の低迷に苦しんだ経験ということで、在庫水準を圧縮させてきている状況があります。それから、異常気象が近年多くなってきて、これによる生産変動の可能性も高まっているということで、今後は、短期的な不安定性が増大すると見込まれております。

12ページでございます。さらに、長期的に見た場合でございますが、世界の人口、右側にも書いてありますように、開発途上国を中心に大幅に増加すると見込まれております。また、今後は開発途上国のうち比較的高い経済成長が見込まれるアジア地域を中心に、畜産物の消費が拡大すると見込まれておりまして、右側の1の2つ目のにありますように、畜産物には何倍かの飼料穀物が必要だということで、こういった飼料穀物の需要が大幅に増加すると見込まれております。こういったことで、今後、世界の食料需要は大幅に増加すると見込まれております。

一方、供給面ですが、これまで供給面では、単収の増加で生産の増加が支えられてきたところでございます。品種の改良、化学肥料の投入、かんがい施設の整備等による単収の増加でございます。ただ、今後は、農用地の面積拡大の制約あるいは環境問題の顕在化等、生産拡大を図る上での種々の制約要因があることも明らかになってきております。

こういった状況を踏まえますと、世界の食料需給は、中長期的にはひっ迫する可能性もあると考えられております。

13ページでございます。次に、大きな2番目で課題についてお示ししてあります。

まず、これも消費面から申し上げますと、先ほども現状のところで申し上げましたけれども、我が国の食生活をめぐっては、栄養バランスの崩れ、大量の食べ残し・廃棄、欠食、孤食といった問題が生じております。

こういった問題に対しましては、下に3つほど、ア、イ、ウと書いてありますけれども、まず、少子・高齢化の進展等の状況の中で、生活習慣病の増加等に対応し、他の取り組みとも相まって、健康的で豊かな食生活を実現することにより、国民が健康で暮らせる期間を長くすることが必要である、取り組んでいかなければいけないのではないか。

2番目に、8億3,000万人にのぼる栄養不足人口が存在する中で、最大の純輸入国である我が国では、限られた食料資源を適切に利用するとともに、ごみとしての処理等による環境への負荷を減少させる。

3番目に、1日の活動の開始に当たって朝食をとることを初めといたしまして、食事を規則正しくとることによって、カロリーを適切に摂取すること、あるいは食卓を中心とする一家団らんにより、親子の理解と絆を深めるとともに、食文化の伝承を行っていく、こういった観点から、国民全体でその課題解決に向けて取り組んでいかなければならないのではないかと考えております。

右上に行きますが、このため、望ましい栄養バランスの実現、食料資源の有効利用等に向けて具体的な目標を示して、健全な食生活に関する指針の策定、あるいは食生活のあり方を見つめ直す国民運動の展開、食料消費の状況、食べ残し・廃棄の実態等についての積極的な情報提供といったことを行うことによりまして、健全な食生活の実現に向けた普及・啓発に努めていく必要があるのではないかと考えております。

14ページでございます。食品の安全性・品質の確保と表示・規格制度の充実でございます。

消費者・国民は、食品の安全性・品質の確保に極めて強い関心を示しているわけでございます。これは、世論調査にもあらわれているわけでございます。食品は安全であることが大前提でございまして、食品の安全性・品質の確保対策を強化する必要があるわけでございます。

また、消費者にとって、的確でわかりやすい表示・規格制度が求められておりまして、このため、JAS法を改正して、表示・規格制度の拡充を行ったところでございますが、FAO/WHOのコーデックス委員会における国際規格化の検討状況も踏まえまして、食品の表示の一層の整備・適正化を図る必要があるということでございます。

また、遺伝子組換え食品につきましては、先般の食品表示問題懇談会の取りまとめを踏まえて、改正JAS法に基づいて、今後、表示ルールを定め、適正な表示を行っていく必要があるということでございます。

15ページでございますが、次に、国内農業生産についてでございます。

世論調査を見ますと、右側に書いてありますが、国民の多くは、将来の我が国の食料事情に不安を抱いているという結果が出ているわけでございます。食料は、何といいましても、人間の生命の維持に欠くことができないものでございまして、健康で充実した生活の基礎として重要でございます。したがって、将来にわたって良質な食料を合理的な価格で安定的に供給していくことが必要でございます。

このため、先ほど申し上げましたように、世界の食料需給や貿易が不安定な要素を有しているということを考えますと、国内の農業生産の増大を図ることを基本といたしまして、国内生産で対応可能なものについては、あくまでも国内生産での供給に努め、これと輸入・備蓄を適切に組み合わせていくことが必要でございます。

その場合、農業生産については、市場指向性を一層強化して、コストの削減、品質の向上等により、国内で生産されたものが消費者や実需者に選択されることを通じて、その可能な限りの増大や拡大を図ることが重要であるということでございます。

16ページには、そのための方向といたしまして、優良農地の確保・有効利用、農業生産基盤の整備、農地の流動化の促進、多様な担い手の幅広い確保等が掲げられておりますが、こういったことで生産性の向上と生産基盤の強化を図る必要があるわけでございます。

また、消費者ニーズを的確に伝達し得るよう、市場評価を適切に反映した価格形成の実現を図るということ、それから、技術開発・普及による品質の向上・安定を推進する必要があります。

次に17ページですが、こういったことで、主要な農産物について、品目ごとに、担い手、品質・コスト等生産面における課題を明確化するということで、その上で課題が解決した場合に到達可能な国内生産水準を生産努力目標として策定いたしまして、その目標達成を目指した生産を展開する必要があるということでございます。そのことが、品目別に右側に取り組み課題として掲げてあります。

次に18ページでございますが、輸入と備蓄についての関係でございます。

現在の我が国の豊かな食生活を前提とすれば、国土の制約等もありまして、すべてを国内では生産できないわけでございまして、それらについては、輸入を行って安定供給を確保する必要があるということでございます。

このため、右側に掲げられておりますように、食料輸出国との情報交換を含めて、相互信頼関係の醸成、特に、国家貿易品目の小麦・大麦につきましては、主要輸出国との間で安定的な取引に関する取り決めを行っているわけでございます。

今後、こういった国との良好な関係を維持するための外交ということと、情報の収集・分析体制の強化が必要でございます。また、国際協力の分野を通じて、食料需給の安定に資するために、我が国としても、経済力、国際的地位に応じた国際貢献を行っていく必要があるということでございます。

一方、19ページでございますが、輸入により競合関係にある国内農産物の生産に著しい支障を与える場合におきましては、緊急の必要がある場合には、国際規律との整合性を確保するという前提の上で、一定の輸入制限措置を実施する必要がある。また、輸出につきましても、我が国の農業の優位性を生かせる部分については、農産物の販路を拡大するために必要な支援を行っていく必要があるということでございます。

それから、備蓄でございますが、国内外での不作あるいは輸送障害等によって食料の供給が不足する事態に備える措置として、備蓄の確保ということは有効な手段であるわけでございますが、この備蓄については、昭和47年の異常気象による需給ひっ迫を契機といたしまして、昭和48年から50年にかけて、小麦、飼料穀物、食品用大豆について、制度の本格的な整備が行われたわけでございます。また、米につきましては、平成5年の未曾有の大不作の経験を踏まえまして、平成6年に制定された食糧法の中で、備蓄が法律上位置づけられたところでございます。

今後、先ほども申し上げましたように、短期的な不安定さを増すということ、あるいは国内の生産動向等を踏まえまして、適切・効率的な備蓄に努めていく必要があると考えております。

それから、20ページでございますが、食品産業でございます。

食品産業につきましては、食料の加工、流通、外食を含むものでございますが、こういったサービスを提供し、あるいは国民への食料の安定供給や食生活の多様化、高度化を支えるという点で、我が国の農業とともに重要な役割を担っております。

しかしながら、食品産業については、中小企業比率が高いということもあって、経営体質の強化を求められているという状況でございます。

また、魅力のある品ぞろえ、仕入れ機能の高度化、店舗の近代化、消費者サービスの充実等によって、食品流通の合理化を図ることも必要でございます。特に、卸売市場については、今年7月に改正されました新たな卸売市場法のもとで、市場関係業者の経営体質の強化、公正かつ効率的な売買取引の確保、具体的に言いますと、例えば、セリ原則だったものを廃止して、今後は市場ごと、あるいは品目ごとに取引方法を設定できるようにした等々のもとで、こういったことを推進していく必要があるということでございます。

21ページでございます。次に、食品産業と国内農業との連携でございます。国内農業と食品産業は、原材料等々の面で強い結びつきを有しているわけでございます。このため、食品産業と国内農業双方の振興を図るという観点から、連携の推進は非常に重要でございまして、良質の食材の安定的・継続的な取引、消費者ニーズに対応した付加価値の高い商品の開発等を行っていく必要があるということでございます。

それから、環境問題に対する関心が高まってきておりまして、こういった中で、事業活動に伴う環境への負荷の低減、資源の有効利用を図るため、食品産業におきましても、食べ残し・廃棄の抑制、食品残さの肥飼料へのリサイクルの促進等、総合的な環境対策を一層推進する必要があるわけでございます。

22ページでございますが、次に、不測時における食料安全保障についてでございます。

まず、危機管理体制の構築と書いてありますけれども、何といっても、食料は生命の維持に欠くことができない基礎的なものでございまして、不測の要因により需給がひっ迫する場合においても供給を確保していく必要があるわけでございます。

したがいまして、さまざまな事態を想定して、不測時において実施すべき食料の増産、流通の制限等の必要な施策をマニュアル化し、不測時において機動的に発動し得る危機管理体制を構築する必要があるわけでございます。

また、このような危機管理の前提としては、常時、国内外の食料需給動向等に関する情報を的確に把握・分析するための情報基盤整備の推進が必要であるわけでございます。

23ページでございますが、不測の事態ということについて類型化した上で、事態を深刻さの度合い、例えば継続期間、あるいは食生活がどこまで深刻になるか等々に応じて類型化をいたしまして、それぞれのレベルで、生産・流通面での対策を明らかにしていくことが効果的であると考えております。

そのレベルにつきましては、右上のところにレベル1からレベル3まで書いてあります。ここで言っておりますレベル1といいますのは、備蓄の活用などによりまして、現在の食料供給の維持は確保されるレベルということで、要因としては、備蓄で対応可能な程度の異常気象、災害、あるいは港湾スト等の輸送上の障害による輸入の遅延等でございます。

それから、レベル2といいますのは、最終的には元に復するわけでございますが、その間は、食料供給に影響が出ざるを得ないような深刻なレベルということで、主要輸出国や主要生産国における連続不作、同時不作というものでございます。

それから、レベル3につきましては、長期的、構造的な事態ということで、かなり継続的、かつ大幅に輸入が大きく減少する事態ということでございます。

この場合のレベル1につきましては、例えば、価格・需給動向の監視、備蓄の放出、可能な地域からの輸入の確保ということで、その影響を緩和することが必要になるわけでございます。

さらに、より厳しいレベル2、レベル3という事態になった場合には、次のページをごらんいただきたいと思いますが、生産面での緊急増産・生産転換、あるいは価格・流通面でもさらなる対策というものが必要になってくるわけでございます。

まず、生産面につきましては、左側のアに書いてありますけれども、備蓄の放出等の対策だけでは確保できない場合につきましては、事態のレベルに応じて緊急増産、この緊急増産につきましては右上に掲げられておりますが、需給がひっ迫する作物あるいは熱量効率の高い米とかいも類といったものを増産する。さらには、花などの非食用作物から熱量効率の高い作物への生産転換等の対策を適切に組み合わせていく必要があるわけでございます。

このため、あらかじめ作物別・地域別に計画を策定し、見直し・更新を行っていくということ、さらには、その計画達成に必要な生産資材の確保、技術の普及等の対策についても検討しておく必要があると考えられるわけでございます。

さらに、農業生産にとって不可欠な石油が減少する場合についても、食料生産に対する安定確保対策や供給減少による生産への影響度合いと具体的な農法の転換方法、その場合の労働力の確保等を明らかにしておく必要があるのではないかということでございます。

それから、もう一方の価格・流通面での対策につきましては、行政的な措置としての動向監視等、必要に応じて法的措置の必要が出てくるわけでございます。これらの法的制度につきましては、過去において、昭和48~49年の第1次石油危機のときに一部が発動された実績があるわけでございますが、指示や命令の発動に当たっての具体的な実施手順に明確でないものもあるために、今後、不測時における食料への適用のための具体的な実施方法について検討しておく必要があるということでございます。

次に、25ページでございます。食料自給率につきましては、右側に条文が掲げられておりまして、基本計画のところの15条2項2号に掲げられておりますが、食料自給率の目標につきましては、その向上を図ることを旨とし、3項で、国内の農業生産・消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めるとされているわけでございます。

このため、今後、目標の示し方、カロリーベースや重量ベース、さらには金額ベース等の示し方、食料消費の今後の見通しとあり方、国内農業生産の今後の見通しと目標等につきまして、幅広い検討を行っていく必要があると考えております。この食料自給率の問題につきましては、自給率というテーマについて、改めてこの企画部会の場でも、別途、これをテーマに議論していただくこととしております。

なお、食料自給率の目標につきましては、左の(3)に掲げておりますが、平時における食料の安定供給の確保の観点から策定し、関係者一体となって、その実現に取り組むべきというものでございます。このことを通じまして、平素から、優良農地の確保と有効利用、担い手の育成・確保、技術向上等を行うことによって、不測の事態の安保にも資するという位置づけになっているわけでございます。

26ページ以下は参考でございますが、26ページは、先ほど御説明したとおりでございます。

それから、27ページにつきましては、参考2といたしまして、食生活と食料自給率ということでございます。

食事のメニュー別に供給熱量の自給率やPFCの熱量比率を試算すると、食生活の内容によりまして自給率等に大きな変化が見られるということをお示ししております。右の表にありますとおり、和食による朝食は自給率が56%、それから、脂質熱量の比率も望ましいとされている比率の範囲内となっている一方で、洋食の朝食は自給率が14%で、脂質熱量比率もかなり高い53%になるということでございます。

それから、右下にありますものは、栄養素別の供給熱量自給率の変化を参考までに載せておりますが、炭水化物を含めて全体として、昭和40年度と平成9年度を比べますと低下しておりますけれども、特に脂質の熱量自給率が下がっていることがごらんいただけると思います。

それから、28ページ以下につきましては、主要品目の需給の現状と生産面の今後の取り組み課題ということで、小麦と大豆と飼料作物につきまして、その需給の現状、今後の生産面でやっていくべき課題というものを整理いたしまして、参考で掲げさせていただいております。

以上でございます。

部会長 御苦労さまでした。

 

7 質疑  

部会長 それでは、ただいまの御説明を踏まえまして、御質問なり、御意見等がございましたら、自由に御発言を願いたいと存じます。

どうぞ、委員。

委員 全体に、感想を含めて私の意見を申し上げたいと思います。

今の御報告で、大体主な点は網羅されているという印象は持ちました。こういう方向でいいのではないかと思いますが、私自身の幾つかの感想といいますか、意見を申し上げますと、私は今、世界各国をずっと歩いて、先週まで南米へ行っておりました。来週は、またヨーロッパを歩くんですけれども、ずっとこの2年間歩いておりまして、外から日本という国を見ますといろいろな問題を感ずるんですが、食料の問題に関しては、3つ、私はいつも感じております。

1つは、ここで指摘されておりますように、やはり日本の食料の自給率というものを本気で考えないと大変だなと、いつも外に出ていって思っております。したがいまして、今回、自給率の41を幾つにするかという目標を掲げて、そこへチャレンジするといった行き方は正しいのではないかと思っております。これが第1点目であります。

それから、第2点目の私が感じております問題点は、国際競争力ということを食料とか食品で考えないといけないのではないか。例えば、私どもの主力製品について、国内の生産では競争できないので海外にほとんど持っていった。それで、国内にあるのは技術力の非常に高いレベルのものだけが残ったということであります。

したがいまして、食品とか食料の自給率という問題を考えるときに、海外の同じようなものとの競争力ということを考えていないと、ひとりでに海外の輸入ものがふえるという結果になると思いますので、その辺をどう考えるのかというところを一つ議論しておかないといけないのではないか。国際競争力という問題であります。

それから、3点目は環境の問題であります。ここにもちょっと触れてありますが、私の経験を申し上げますと、前回、ノルウェーに行きましたときに、ノルウェーのベルゲンから1時間半ぐらい離れたアトランティックサーモンの養魚場へ行って、私は大変な衝撃を受けました。それはどういうことだったかといいますと、こういう卵から10キロぐらいまでのアトランティックサーモンの育つ過程を全部コンピュータで管理して12人でやっているんです。それは日本にも大量に輸出しているんですが、全部コンピュータで、温度管理から餌の管理までやっている。それで、ある大きさになるとフィヨルドに持っていって網の中で育てるわけです。そこへ餌をコンピュータで定期的に回すんですが、驚いたのは何なのかというと、そういう合理的で、少数でやっているということのほかに、一番驚いたのは、餌を定期的に出すんですが、流れている餌を魚が食べ切れないものは下へ全部落ちていくわけです。それを、何とそこでは全部回収して、もう一度使うような仕組みになっていまして、海が汚れないんですね。つまり、人口800万の国の、しかも北海の果てにある養魚場で、海を汚さない配慮をしながら合理性を追求している。

ここのところを、実は私、日本に帰ってきて関係者に聞いてみましたら、日本では、そういうものはないんだそうであります。コストがかかるのでやらないということを聞きまして、やはりいろいろな問題を考えるときに、21世紀は、国土を保全するとか、環境をちゃんと考えながらやるという視点をはずしてはいけないんじゃないかというのが、3点目の私の指摘であります。

以上、3点意見を申し上げました。

部会長 ありがとうございました。

どんなことでも結構でございますので、御意見をお願いします。

委員 10ページで、食料自給率の低下の要因が整理されておるんですが、私は、これは不自然に思うんです。農村の現場にいる者からすれば、あたかも農地が狭くて平坦でないということから、不可抗力で自給率の低下を来したと整理されているわけでありますけれども、考えてみるときに、昭和35年に農業基本法が制定されて、選択的拡大がうたわれ、片一方では高度経済成長の中で、もちろん、我々生産現場の努力もなかったと反省しておりますが、麦や豆は再生産できないような状況に置かれたという事実なんですね。このことを整理しないで、単に、農地が狭い、あるいは平坦でない、だから、不可抗力で自給率が下がったんだという整理は、私は、いささか疑問に思いますので、ここで発言をさせていただきます。

部会長 今、委員から資料に対する、異論というほどではないかもしれませんが、御意見ですけれども、農林省の方で何か、お答えはございますか。

事務局 ただいまの御指摘でございますが、そのような趣旨で書いたつもりはございませんで、9ページの生産のところに書いておきましたように、旧基本法が制定されまして、選択的拡大ということで、需要の伸びるものということで、畜産物なり、果実等に対しまして非常に生産を集中いたしました。その結果といたしまして、資料にもあらわれておりますように、これら品目について大幅な増大が行われたというのは事実でありまして、まさに、それは農家の方々、あるいは関係者の方々の御努力の成果によるものと考えております。

ただ、自給率が低下いたしました数字の分析をいたしますと、基本的には、畜産物の原料となります飼料穀物の輸入ということが非常に大きなシェアを占めている。また、国内で生産が相当可能であるのにもかかわらず、米につきまして、現実実態といたしまして、旧基本法時代に、1人1年2俵から1俵とほぼ半減したということが非常に大きな理由として挙げられるということで、そういうことを指摘しておるわけでございます。

なお、麦・大豆等の問題につきましても、御指摘の価格面あるいは海外からの輸入の問題等、さまざまな経緯があったことは御承知のとおりでございます。その過程におきまして、昭和50年ぐらいまで低下したというのは御指摘のとおりでございますが、その後、麦・大豆につきましても、減反政策との関係も含めまして増産に非常に励んでいるということでございます。

いずれにいたしましても、農家の方々が頑張らなかったからどうとか、そういうことを言っているわけではございませんで、食生活の大きな変化の中において、なかなか国内生産で対応が困難であったものを中心として自給率が減少したということを指摘したわけでございます。

委員 わかりました。

ただ、やはり麦・豆が、昭和35年以降、急速になくなったということは、いわゆる政策面で、再生産ができないような状況に陥ったという事実だけは御認識をいただきたいと思います。

部会長 ありがとうございました。

委員、どうぞ。

委員 資料の記述の流れを伺っていますと、要するに、自給率が低下したのは食生活の変化に負うところが多いというふうにどうしても読めてしまいます。それで、食生活が畜産物と脂質の摂取が多くなってきている。したがって、自給率が低下する。なぜならば、畜産品も、脂質も、平坦な農地が少ない我が国においては自給することが非常に難しい。なおかつ、飼料の自給は難しい。飼料の主なものはとうもろこしですから、とうもろこしも平坦なところの方が収獲がいいわけですね。

そういう論調になってきますと、食生活を変えて、米をたくさん食べて、脂質を減らし、なおかつエネルギー源の畜産物を減らせば、自給率は自然に、何もしなくても上がるのではないかと。事実、朝食で米を食べると、これだけ自給率が上がりますというデータもございました。そういう論調になってしまうと、これは、単なる食生活を変えればいいんじゃないかということに焦点が行き過ぎてしまう。もちろん、食生活を見直すことは必要であるとは思っておりますけれども、余りにもそこに焦点が行き過ぎると、これは農産物の生産をしっかりと増大させて、国内農業を足腰のしっかりしたものにしていこうという観点からは、いささかはずれてくると思います。

ですから、そういう論調ではなく、現実の食生活は、そんなに言っても――朝食で皆さん、きょうは何を食べていらっしゃいましたでしょうか。本当に、御飯とおみそ汁と納豆を食べていらした方がどの程度いらっしゃるのか、手を挙げていただきたいというぐらいに思うわけですけれども、現実は、非常にそこが難しいというわけですね。ですから、その難しい点をどう改善していくか、見直していくかということを議論しなければいけないと思っております。

それで、自給率を向上させるための一つのネックは、私は飼料をどう国内で生産していくことができるかというところが、かなり重要な課題になってくると思っておりまして、そのあたりについて、どの程度自給が可能なのか、どういう方策をとればいいのか、具体的な施策がここでは必要ではないかと思っております。

部会長 御指摘、よくわかります。

委員、どうぞお願いします。

委員 私も、大変によくまとまった資料だと思うんですが、感想を二、三述べさせていただきます。

1つは質問なんですが、欧米のPFCカロリーの比率がどうなっているのかということを教えていただきたい。

2つ目は、日本は現在、ここにありますように、現在のカロリーを摂取するためには、2.4倍も耕地面積が必要なわけですね。耕地面積は限られておりますから、これは実質上、不可能でありまして、そういう意味からいいますと、やはり、現在輸入しているものを即国内で生産するということは不可能な議論であります。したがって、単収を上げるか、上げないかという問題はまた別としましても、やはり、ここで議論しておくことは、日本の気候とか風土に合った作物に集中していく必要があるのではないか。すべてを日本で自給率100%近くに持っていくということは不可能な議論であります。

また、政府の政策で、これを食べちゃいけないとか、これからはこうするなというのも無理でありますし、安いもので、おいしいものは食べるわけでありまして、これを法律で規制することはできないことであります。

したがいまして、そういう現象からいいますと、バランスのとれた栄養はどういうものか、PFCでどうかということは、インディケーションとして出すことはできますが、米をたくさん食べろとか、パンは食べるなという議論は、やはりできないわけであります。もちろん、きょうの資料でもそういうことは言っていないわけであります。そういうことからいいまして、やはり自給率の問題を議論する上で大事なことは、PFCのバランスをいかにとっていくか。そのために、日本の気候・風土に合った作物に集中して自給率の全体を高めていくということだと思うんです。

もう1点は、これは非常に大きな問題なんですが、遺伝子の組換え作物によりまして単収が大幅にアップするだろうというのが、アメリカでは相当議論されております。現に最近も、穀物メジャーでありますカーギルのトップの連中が参りまして、私も話をしたんですが、中国が本格的に穀物輸入を始めると国際的な需給が狂うのではないかと。恐らく、10年ぐらいに、まずエネルギーの資源獲得競争があり、20年ぐらいの間に食料の資源確保の問題が国際的に出るのではないかという話を私がしていましたら、中国でそういう議論は当然あるかもしれないけれども、我々は、遺伝子組換え作物によって単収は大幅にアップするだろう。恐らく、中国でも需給はとれるようになるんじゃないか。中国が大幅な輸入国になるとは必ずしも言えないという見方を示しております。

したがいまして、遺伝子組換え作物を、今後、日本としてもどう扱っていくのか。これによって単収が大幅にアップする可能性がありまして、現に今も、ワシントンのIMF/WTOの会議の横で、中南米・アフリカの遺伝子組換え作物における適用の会議が行われているわけですね。これは、私の方にも招待状が来ていましたけれども、そういう会議をやりながら、国際的に遺伝子組換え作物をどういうふうにアプライしていくかということを、まず、アフリカとか中南米あたりから議論をしているわけです。これは、いずれ世界的にこの問題が起きてくると、世界の穀物需給は変わる可能性があります。ということも、やはり念頭に入れておく必要がある。

そうすると、日本の限られた耕地面積の中で自給率をどう高めるかという議論は、先ほど申し上げたように、日本の気候・風土に合った作物に集中するのが、日本としても効率的であり、安定供給を図る上でベターではないか。そうなると、飼料穀物とか大豆という問題は、非常に日本の気候・風土に合っている地域は、実に限られた地域しかございません。やはり米作を中心としたものが、日本の食料自給率の中核に据えて考えるべきものであって、あとの油脂とか、脂肪とかたんぱくというものは、動物の廃棄物からいいましても、環境問題からいっても、やはり相当、輸入というものを前提に今後は考えていってもいいのではないか。そういう戦略的といいますか、そういう作物を中心に、今後、自給率というものを考えていかないと、非常にオーバーオールに、すべて総花的に自給率をふやすという議論は、余り的確ではないんじゃないかと思います。

部会長 今の委員の御質問に対してお答えを……。

事務局 主要先進国の欧米のPFCバランスでございますが、まず脂質につきましては、欧米各国、軒並み30数%となっておりまして、具体的に事例を申し上げますと、ヨーロッパでは、フランスが脂質35.7%、イギリスでは38.5%、アメリカにつきましては33.6%ということでございます。それから、炭水化物につきましては、一部50%を超えている国もありますが、40%台の国の方が欧米では多い。それから、たんぱく質につきましては、大体12~13%という状況でございます。今のデータは、FAOの1997年のデータでございます。

以上でございます。

部会長 さん、お願いします。

委員 私も、こういう問題は素人なものですから、大変よくまとめていただいて勉強になりました。それで、幾つか気になったことがあります。

第1点は、担い手という話がところどころに出てくるんですが、当然のことながら、品目別、地域別、年齢別の農業人口の分析が過去から将来に向かってあって、それでの話だと思うんだけれども、そういうデータがほとんどなかった。多分、農村か農業のところで、また御用意いただけるかと思いますが、地域別、年齢別というのを、少子・高齢化と言っているときにそれをどういうふうにするのか、あるいは過去どういう格好で、これだけ大規模な転換が起こったかというのをぜひ教えていただきたいというのが第1点でございます。

2点目は、自給ということを議論すると、私の専門領域からいうと、当然のことながら、世界あるいは国内の地域別、品目別の需給がどういう格好で動いているかということが一番のベースで、しかも、これだけ緯度の差がある、気候条件の違う国ですから、全国一律のデータで、全部の品目で自給率ということは、ほとんど意味がないように、素人の私からは思えます。したがって、これだけの資料がありながら、地図情報、空間情報が全くないというのは、大変、私の感覚から言うと不思議な気がしますので、これも、また農業とかいう段階なのかもわかりませんが、ぜひ、世界も含めてどういうゾーン間で、どういう動きになっているのかということを分析する必要があるのではないかと思います。

3番目も、それとかかわること、あるいは既に御指摘のあったことですが、当然、そうやって分析しようとすると価格構造で、それぞれの地区・ゾーンごとの生産コストがどうなって、そこからいろいろなところに動いているときの価格構造がどういう格好で構成されていくのか、流通の各段階でどういうことになっているのかということがあって、その国際競争力で、一体どうマネージするのかということ、先ほど御指摘のとおりだと思いますので、一番最初の生産されたところでのコストから、そのコストがどういう格好で構成されていて、流通の各段階で、あるいは備蓄も含めて、どうやって最終消費地のコストになり、それが世界の中でどうなっているのかということを分析してやっていくように思います。これが3番目です。

4番目は、ちょっと違うんですが、国際貢献をどんどんやっていこうという話がありました。これは、私もODAのプロジェクトをずっと、少なくとも、常時1つはかかわっておりますし、東南アジアに長期で滞在したこともございますが、どうも見ていまして農林関係――ちょっと言葉が適切じゃないかもわかりれませんが、農林関係のODAの方々は、必ずしも機能的に動いていないように見えます。これは一国の情報ではなくて、あちこちで聞きます。これが、どうしてそういうふうになっているのかというと、これは農林省の問題だけではなくて、各省庁そうなんですが、送り出す人にミッションを明確に与えていなくて、何をどこまでやってこいということがない。ただ行って、本人がそこで苦労して、なかなか風土が合わなくて、あきらめが先に立って、1週間出勤しないなんていう登校拒否みたいなことが起こってみたり、非常によそから批判されるようなことが起こったりしています。

したがって、ここで単純に、国際貢献が重要だから、もっと向上するんだというのは、僕はそうじゃなくて、全部総点検して、数は半減ぐらいしちゃった方がいいんじゃないかという気がします。

つい最近の例でいいますと、ベトナムで聞いた話ですが、ある方は、肥料を使わないでやる農業を一生懸命教えておる。もう1人の別の人は、肥料をどんどん使えということを一生懸命教えている。どうも、そのお2人の間には情報交換がないように見える。これはもちろん、両方の局面がありますから、矛盾しているからといって悪いとは言いませんが、それをどういう仕組みでやっていくのかということが、ちゃんと議論されて、マネージされてやっていくべきもので――これはうわさですから、議事録に残して、直にそれに対応していただくことを求めているわけではないんですが、そういったたぐいのことをあちこちで聞きます。

したがって、ぜひ国際貢献の話は、本当に何をやったら世界の需給にかかわる貢献ができるのかということをもう少し詰めて、その上で、もっと拡充しましょうとか、減らしましょうという議論をした方がいいような気がします。

ちょっと長くなって恐縮です。

部会長 ありがとうございました。

今の委員のお話、御意見が多いんですけれども、農林省で、資料面で何か、お答えすることはございますか。地域別とか……。

事務局 本日は、食料という切り口から資料をお示ししているわけでございますが、ただいまの御意見は、次回あるいは次の次のことを見通した御意見というふうに承りましたので、今後、今承った意見を踏まえて資料の整理をしたいと考えております。

部会長 あと何か……。

さん、お願いします。

専門委員 私は、スーパーマーケット、食品スーパーを経営している者なんですが、つい数週間前に、私どもの店を回りましたらバナナが品切れしているんですね。スーパーマーケットでバナナが品切れするというのは非常に珍しいものですから、何ということだと言って店長を叱りまして、次の店に行ったら、またバナナが品切れしているんです。それで、おかしいなと思って聞いてみましたら、たまたまバナナが品切れをした前の日に、NHKか何かでバナナが非常に体にいいという放送をやったということがあったんです。

実は、こういう現象が、現在は非常に顕著というか、ちょっと異常だと思われるぐらい消費者が敏感でありまして、一番有名なのは、2年ぐらい前でしたでしょうか、「おもいっきりテレビ」でココアが非常にいいということで、日本中の小売店の棚からココアが一瞬なくなるということがあった。今のバナナも、供給先の商社の方に聞いてみますと、やはりバナナが異常に売れているということで、青いバナナまでどんどん出ていって困っちゃったんだという話になっているわけです。

そういうものは、もちろん短期に動いているわけで、それがいつまでも残るわけではないんですが、じゃ、ココアが完全に元へ戻ってしまったかというと、どうもそうでもない。少しふえたまま続いている。その他、そういう種類のことがたくさんありまして、あるものは、やはり多少残っているわけですね。

そういうことを考えに入れて、この資料をずっと読んでいきますと、実は食料という問題は、当然のことながら、食べている人間の方、消費者の方を頭に置かなければならないのですが、やはり、どうしても供給サイドからの見方に、ほとんど全編が貫かれておりまして、消費者が出てくると、自給率を高めるのは和食がいいというところで出てくるだけで、ほとんど消費者視点からの見方がないんですね。むしろ、逆に消費者の方から見ていった方がいいんじゃないかという感じもするわけですが、今言ったように、広告というか情報、メディアによって提供される情報と、消費者の動きというものの関連性みたいなものが非常にあって、例えば、朝の食事は自給率を上げるために和食がいいんだということをどれだけ言ったって、消費者は「じゃ、和食にしようか」とはならないので、恐らく、和食の方が健康にいいという情報がもたらされれば、しかも、うまく――これは、ただ単に、そういうことをつまらなく言ったのではだめで、消費者が好むようなタレントがそれを言えば、これはわっと伸びる。

それで、この間も「おもいっきりテレビ」でおはぎがいいと言うんですね。おはぎが健康にいい。なぜかというと、ごまを使ってあって、きな粉が使ってあるからいいんだ。抗がん、脂肪の取り過ぎにならないと言うんだけれども、もち米がたくさん入っているわけですから、ごまよりも、きな粉よりも、もち米の方が脂肪をふやすんじゃないかと思うんですが、そっちは全部スポンと抜けているわけです。

そういうことのよしあしは別にして、一体、消費者が何によって自分の食生活を決めているかという部分についての分析も、情報も全くないというのは、少しおかしいのではないかという感じです。つまり、マーケティング的な視点が抜けているということでしょうか。

それから、さらに消費者が一番困っているのは、私は30年、スーパーマーケットをやってきて、いつもこの問題が解決していないなと思うのは、実は、今晩のメニューをどうするかという意思決定をするための情報がほとんどないんです。これは皆さん、奥様にお伺いになったらよくわかるんですが、きょうの夜、何を食べようかということを考えるのがすごく大変で、結局、同じことになってしまうんですね。ですから、皆さん、一緒にスーパーに買い物に行かれたら、必ず「きょう、何にする」という質問が奥さんからあると思いますが、結局、その辺のところも、うまい情報の提供をすることによって、かなりの部分、消費者の食生活は変えることができるのではないかと思うんですが、ちょっとそういう種類の視点や、資料や、考え方が抜けているような感じがしますので、その辺も補っていただければと思います。

部会長 さんの今のお話で、何かありますか、事務局の方から。

特になければ、私からちょっと、私も関心がございますのでお聞きしたいんですけれども、バナナとか、ココアとか、赤ワインとか、その種のものがたくさん出ますね。私も、役所で昼御飯を食べるときは、極力、テレビを見ながら食べるようにしているんですけれども、その時間帯に、よくその種のものがございますが、あれは、どれぐらい続くんでしょうか。例えば、赤ワインみたいなものとか、ココアは長く続くけれども、バナナみたいなものは割合短期間で終わっちゃうとか、そこら辺、何かございますか。

専門委員 これは商品によってまちまちだと思いますけれども、先ほど言ったように、ココアはちょっと残ったようなんですね。大体、非常に一般的に言うと、「だんご三兄弟」ぐらいの時間的タイミングです。つまり2月か3月に出て、もう5月にはほとんど忘れられているというぐらいのものが一番短い流行ですけれども、確実なことは、放送された後、ほとんど、どんなものであっても相当伸びる時期があって、恐らく消費者の方たちが、合理的に判断しておられるのだと思うんですが、何となく納得できるものは残っているという感じです。そういうものも、ちょっと調べる必要があるのではないかと思います。

部会長 ありがとうございました。

何か、ありますか。

事務局 今、委員から、消費者の視点からという貴重な御意見がございましたが、そういった観点からのデータは、私どもの方でも一部持っておりますので、次回以降、お示しをさせていただきたいと思います。

部会長 それでは、委員、どうぞ。

委員 きょうは、大変いい勉強をさせていただいているんですけれども、私は、この40年間、大体3,300の市町村のうち1,300ぐらい歩いてきたわけですが、消費者と生産者が、都会と地方でかなり温度差があるということを、現実的にもう少し受けとめていただけたらありがたいなと思います。

もちろん一般的には、カロリーベース41%というのは、国民がみんな不安に思っているということは事実ですし、低いよりも高い方がいいのは当たり前ですけれども、余り数字だけにこだわりますと、先ほど来出ているように、肉食を減らせば自給率が上がると言ってしまうようになって、本当に身もふたもないなというのが実感でございまして、まず、世界じゅうから欲しい食料をこれだけ買い集めた結果、飽食のあかしという感覚を、もうちょっと国民の私たち1人1人が見直さなければいけないと思います。

それから、飼料の問題ですけれども、これは、日本は完全に生産を放棄してしまっていると言っていい現状だと思うんですね。輸入する方がコストが安いから、これは当たり前だと思います、市場原理では。しかし、1,200万ヘクタールも外国の土地をお借りして、私たちの食生活が成り立っているということをこのまま続けていっていいのかどうかということを、もう少し国民の私たち、特に台所を預かる女性たちにわかりやすく説明をしていただきたいと思います。

それから、先ほどの日本の気候・風土に合った作物というのは、私、大変すばらしいさんのお考えだと思うんです。まず、農地を減らさないための努力を、生産者側もかなり真剣に考えなければいけない問題だと思うんです。と申しますのは、食料を自給する生産者側の専業農家がどれぐらいいるかということは、御専門の方々の方がおわかりだと思いますけれども、サラリーマン農業をなさっている農家は、米に依存せざるを得ないという現状があるわけですね。機械化すると労働力時間が短くて済んじゃう。そういう問題を、もうちょっとこういう場所でも――別に、生産者側を援護するということではないんですが、生産者側にもその辺のところを、すべて兼業農家も、専業農家も一緒なんだということではないと思います。

それと、回ってみますと、別にすべての地域がお米で生きているわけではないんですね。もっともっと適地適作で、転換をすれば、もっと自給率が細やかに上げられるということを各市町村で、自分のところではどういうものがいいのかと。ですから、減反なんかも、もう少しそれぞれの市町村にお任せしたらどうだろうか。何か、すべて上から、上位下達のようにおりてくる数字というのが、私は現実的に歩いていて、どうも違うんじゃないかなという気がするんです。ですから、食料の自給率を上げるためには、各地それぞれでどういうものを作ったらいいのかという市町村レベルでの話をもう少しあげていただけるといいなと思います。

その辺の温度差というものをいつも考えるものですから、こういう課題、すべて本当にそうだ、そうだと思いながらも、現場では現実的じゃないなという感じがいたしますので、これは食料なのか、農業なのか、農村なのかということはわかりませんけれども、少なくとも食料に関して、その辺のところを数字にだけ余りこだわらないで、もう少し細やかな方策を示していただけたらと思います。

部会長 ありがとうございました。

それでは、委員。

専門委員 私は、生産現場で農業を営んでいる者ですが、気づいた点を二、三点申し上げてみたいと思います。

まず、基本計画をこれから樹立していくということですが、皆さんに今、お聞きしますと、いろいろな御意見があるように、これからの日本の農業・農村・食料を考えるときの基本コンセプトというものをどこかで示さないと形ができていかない。それを持って国民にどう話しかけるかということが、まず1点必要ではないかなという気がいたしております。

それから、課題が今提示されておりまして、よく整理されているわけなんですが、一つ気になりましたのが、自給率の問題にいたしましても、自給不安ということについては、随分議論されているんですが、自給意識の低下ということも――コストを下げれば自給率は上がるのかもしれませんが、自給意識というものを国民の皆さんがどう考えていくのかというあたりも、これは課題として上げていかないといけないのではないかということ。

それから、食料自給率の問題に関しては今の我々の課題ですが、消費者ニーズが多様化しているのに、本当にそれに対応できる流通システムができているのかということも、これから大いに議論すべき点ではないかということであります。

それから、先ほどから自給率向上、不測時の問題というのが常にあるわけですが、食料安全保障ということだろうと思うので、きょう御出席の委員の皆様は、それは十分理解なさっていると思いますが、一般国民の皆さんとお話するときに、どうも自給率を上げるとか不測時の問題は、何か、農業保護につなげる政策を組むためにあるのではないかという意識が、まだ国民の皆さんに多いような感じを、私は農業者として、残念ながら受けている。そうじゃなしに、これは、国民をいかに守るかという政策であるという基本があって初めて合意が成り立つことだろうという気がいたしておりまして、その1点が大きく気になります。

それから、どうあるべきかはこれから議論されていくと思いますが、特に私が気になっておりますのは、できるだけ我々はコストダウンに努力をいたしますし、競争原理に挑戦していきますけれども、食料生産には風土という基本がございまして、そこで今、特に我々が全力でやらなければならないのは、転作、生産調整という――先ほどから御議論があるように、お米を倍も3倍も食べようと。これがなかなか難しいとするならば、90万ヘクタールに及ぶものが本当に転作と言えるのか、転作という概念から、どう生産計画を組み立てていくか、土地利用計画を組み立てていくかというあたりに転換しながら、飼料の点が、私はすべてだめとは言いませんけれども、どうも生産能力が落ちている原因になっているのではないか。それで、私は、飼料米ということを今主張しているわけでございます。瑞穂の国ということもございますし。

それから、先ほどからデータとして食品廃棄がありますが、これは自給率の問題で非常に重要なポイントであります。今ここで示されましたように、1,100カロリーを今、我々は生産しておると言われたわけですが、2,000――そんなことはあり得ませんけれども、私は、戦後の食料不足を少し体験している年齢ですが、あの時代から考えますと、自給率は50数%超えているわけですから、すべて食べ残しなし、廃棄物なしというのはならないにしても、ここは自給率を向上させる大きな一つのポイントではないかということで、残さを飼料化していく。堆肥化という御意見がすぐ出てくるんですが、堆肥ばかりにするよりも、もう一度それを、一番穀物自給が自給率を下げているというのならば、豚、鶏、牛の餌にできないか。このあたりは大きな課題ではないかということが、今、非常に重要ではないかと思っております。

それから、食品の表示の問題ですけれども、先ほどの食品売上の帰属で、外食とか食品に大きなウエートが占められているとするならば、外食産業の場合はなかなか、国産でできているのか、何でできているのかというのは難しいと思うんですけれども、この辺も含めて議論しないと、我々は、肥料とか農薬とか、いろいろ規制を頑張ろうと思っているんですが、食品になったとき、外食のメニューになったとき、どれだけが日本でできたものなのかということも、消費者はある程度興味があるのではないかというあたりも意識する時代が来ているのではないか。

以上が、私の今日の感想です。

部会長 ありがとうございました。

さん、どうぞ。

専門委員 さんのおっしゃいました農業サイドの努力不足等の問題は、また、この次にでも議論になるのだろうと思いますので、そのときには、ちゃんとお話しします。

さんの食生活のことといいますか、食料に関連しての話ですが、自分を振り返ってみたら大変だぞという話は、私自身も大変なんですが、なかなかちゃんとやっていないところもございますので。

実は、ある杉並区の小学校の家庭科担当の先生の報告を聞く機会がありましたが、小学校5年生のクラスの調査で、3割が、その日は朝御飯を食べてきていなかったということでありまして、絵をかいてもらって、その絵によりますと、1人で食べている子供の割合が大変高い。同時に、実は、これが大変興味深いんですが、朝食を作った人はだれですかという質問をしましたら、何と「会社の人」と書いてある回答がありました。それは、どういうことかといいますと、前日、コンビニでクリームパンを買って、クリームパンが一つ置いてあった。そのクリームパンを食べたから、それは会社の人が作ったことになっているわけですね。言いわけじゃありませんが、間違いなく、家庭の中での生活なり、もちろんライフスタイルがありますから、なかなか容易じゃないし、共働きということもあるでしょうし、子供は夜は塾へ行っていますから、なかなか朝起きできないということもあります。いろいろなことがありますので、一概に、だれの責任、これの責任と毛頭言えないわけでありますが、しかし、それにしましても、もしかしたら、大変なところで危機が進行しておるのではないかというふうに、やはり真剣に考えた方がいいのではないかと思います。

農林省は、本日の資料の13ページのところで、健全な食生活に関する指針を策定するとか、国民運動をきっちり展開していきますよと言っておりますので、先ほど来、なかなか個々の食生活のあり方にまで踏み込めないよという御意見もあったわけでありますが、そういう危機をもう少し分析して、単に押しつけるということだけではなくて、もっと構造的な問題で、提起していくことがあれば、思い切って国民運動をやっていいのではないかと思うわけであります。

米国は、マクガバン報告以来、ピラミッドの模型を使いましたバランスのいい食生活ということを徹底して子供たちに教えているという報告を聞いておりますけれども、そういう面では、思い切った運動なり、政策推進が当然あっていいのだろうと考えます。

部会長 さん、どうぞ。

専門委員 国民の健康というものに視点を置いて食料ということを考えた場合に、食料の生産と消費者の摂食のバランスが非常に重要ではないかと思うんですが、この資料をずっと見せていただきまして、率直な意見で、生産者態度の意向が非常に強くあらわれている。これは当然、農水省のことですから、そういう立場であるということはよく理解ができますけれども、消費する立場で、あるいはまた、健康を志向するためにいろいろな啓発をしなければいけない立場といたしましては、消費者の摂取傾向がどう変わっているのか。それに基づいて食料生産計画ができないものかというふうに、逆に視点を変えてみることもできるかと思うんです。

と申しますのは、今、食生活指針というのが世界中で、新しいFBDGと言いましてフードベースの指針が各国で考えられておりますが、この指針は本来、その国の食料栄養の確保、食料生産計画あるいは食料の加工配分、適正な消費と利用を促すという重要な役割をもって指針ができているわけなんです。ですから、途上国も当然そうですけれども、この国の人口が健康に生きていくためには、どれぐらいの食料生産が必要であり、どれぐらいの輸入が必要だという総量から、健康を維持するために、国民にどういう食べ方をしてほしいという示唆をするのが指針の役割であるわけで、今、お米をこれだけ作っているよ、牛乳がこれだけあるよ、だから、ぜひこういうものを食べましょう、健康にいいんだということを普及の中に入れてこられたと思うんですが、実は、私の小さいときは、お米よりもパンの方が栄養があるよという指導をしなさいと言われたわけです。それは、恐らく昭和30年の初めまでは、お米の生産量が非常に少なかった。だから、輸入の小麦に頼るためには、日本人の食生活を変えなさいという形で指導を受けた記憶がございます。

そう考えていくと、一体、人間の健康というのは何なんだろう。お米を食べればいいのか、小麦を食べればいいのかという、非常にさまざまなことが出てくるんですが、やはり国の食料計画というのは、対象の食べる人の食事パターンだとか、あるいは、ライフスタイルなどを考えた上で計画を立てていただければありがたいと思います。

実際に、健康上から油がどうだ、こうだと。脂肪の比率が26.3になった、26.4になったと非常に細かいことをおっしゃっておられますが、先ほども脂肪の比率が、アメリカが33、ヨーロッパが35だと言われておりました。

実は今、地中海ダイエットというものが日本を攻めつつあります。イタリアは大使館を挙げてオリーブオイルの利点について普及を始めました。それで、実際に先週、イタリアのシンポジウムに出ておりましたら、地中海ダイエットは、食品に入っていないプラスアルファの油を45グラムとるということを奨励しているわけです。それで、地中海周辺の南ヨーロッパの心臓疾患の死亡率、コレステロールの高さというのは、日本よりちょっと高いぐらいで、日本が今、世界でベストの状態にあるわけです、脂肪の摂取からいくと。

それで、日本の場合、脂肪の摂取量というのは、動物性の油と食用油のバランスを考えていくと、食用油の使い方が非常に賢いと思うのは、これは生産上やむを得ないのかもしれませんが、単一の油を使っているんじゃなくて、ブレンドされた油を使われている。そうすると、脂肪酸構成が非常によく上がっていくわけですね。そういうことで、過去20年間の脂肪酸の組成の変化を見ていきますと変わっていないんです。動物性の脂肪と植物性脂肪が50%・50%の割合で20年間変わっていない。これを発表いたしましたら、ヨーロッパは非常に驚きました。ヨーロッパは単一のオリーブオイルだけしか使っていないということで、この脂肪の問題にいたしましても、動物性の食品が入ってくるから悪いように思えるけれども、脂肪の摂取自体は、決して多くなって悪いということではないんじゃないかと私は推測しているわけです。

そういうことを考えていきますと、油が悪いからといって油の摂取を少なくしなさいというより、もっと賢い油のとり方をやり、なおかつ食用油の生産の自給率を上げるような生産構造を作っていただくのが一つの方法でもあるかなと、大変口はばったいことですけれども、考えております。

結局、食生活指針というのは、あくまでも消費者の食べる行動を考えながら、なおかつ国の食料政策に反映させていただきたいということと同時に、消費者自体に、いかに賢く食べるか、いかに自給率を上げるような食べ方をするかという啓発がもっともっと必要ではないかと考えております。

部会長 ありがとうございました。

それでは、さん、どうぞ。

専門委員 消費の問題がたくさん出ているんですが、今度の基本法の中に、消費者の役割というものがきちっと位置づけられているというのは、農林省は生産者的な色彩が非常に強いところですから、そういう意味では、大変画期的なことかなと思います。

最近は、消費者のニーズということ、あるいは利便性ということで、食生活はどんどん高度化というか、豊富になってきているわけですけれども、それが望ましい方向に行っているかというと、決してそうではないという問題があるのだろうと思うんですね。

それで、今のいろいろなことに関係するんですけれども、やはり理解を深めていただくということは非常に大事だと思うんですが、今非常にはやっているのは機能性食品。これは、認められているものも、認められていないものもあるんですけれども、イチョウの葉っぱからキノコまで、普通の雑誌を開けてみますと、ものすごい広告が出ているわけですね。それだけ消費者の関心が高い。それから、産地とか組換え体なんかについては、きちっと表示をしろということで、そういう細かな部分の健康の配慮というのは、各人が非常におやりになっているような感じがするんですけれども、それでは、実際に朝御飯をちゃんと食べるかとか、あるいは基本的な食材を3食食べているかという根っこの部分については、余り重視をされていないといいますか、そういう行動をとっておられないという感じがするわけです。

それから、また平成5年のお米のときもそうですけれども、昔の狂乱物価のときと余り変わらない行動で、もうちょっと冷静に対応していただきたいなという感じもありまして、そういうことを、どういうふうに一般の国民の方に理解をしていただくか。このページには、啓発とか指導という言葉がございますけれども、私のところは、組換え体の色々なPRの問題を一生懸命やっているわけですが、教育とか、普及とか、啓発とか、指導という言葉を使うと、大体、消費者の方に叱られることが多いので、上手にやっていかなければいけないなと思うんですけれども、こういうものは、恐らく、きちっとした今度の方針ができても、農政上の言葉の重さとしては、それほど重いものにはならないと思うんです、消費者の部分も。それから、農政の本筋に据えていくというのは、なかなか難しいと思うんですけれども、やはり、これからの農政を進める上でのエネルギーを消費と供給というバランスのとれた形で使っていただきたいと思います。

それは、赤信号で渡っていけないというものと大体同じようなことなものですから、こういうものに有効なのは運動しかないんじゃないかという感じがいたします。それも、お役所が中心になってやりますと、なかなか言うことを聞いていただけませんで、先ほどから出ているように、やはり、何かいろいろ裏にあるのではないか、農業の保護ではないかといろいろなことになりますので、今、スーパーマーケットの社長さんとか、消費者のさんとか、いろいろな方がおられますので、そういうところの知恵をおかりしながら一つの運動として――ただ、エネルギーとしては、生産とか色々なものに振り向けるエネルギーと同じようなエネルギーを振り向けて、これからやっていただく必要があるのではないかという感じを持っております。

ただ、消費者の役割というものが入ったということは、私も生産奨励を農林省でやっておりましたので、そういう意味から見ると、大変画期的なことだし、皆さんから、そういう御意見が出るというのは、大変結構なことだと思っております。

以上です。

部会長 それでは、さん。

専門委員 自給率の問題は、別途、機会が設けられるということですけれども、恐らく、この段階で少し議論をしておいた方がいいかなという気がするところがございますので、ちょっとお話したいと思います。もちろん、そもそも論をここでやるつもりはございませんけれども。

先ほど来から出ている色々な御意見とも絡むんですけれども、自給率というのは、いろいろなエレメント、要素が総合されて出てくる大きな結果の数字であるということがございます。したがって、おおむね自給率が上がれば、物事がいい方向に向かっていると言っていいのかもしれませんけれども、物によっては、必ずしもそうは言えないところがあると思うんですね。

そのことがあってか、きょうの資料で言いますと、9ページのところに囲みで食料自給率の計算方法というものがあって、さらに一番下の注のようなところに問題点があるので、それを補うために金額ベースの自給率等も云々とあります。これはこれで、確かに、考慮に値することかもしれませんけれども、むしろ、自給率という表現の根底にある本質を押さえておいて、疑問が生じたら、そこにもう一回立ち戻って判断するということをしておく必要があるだろうと思います。

一、二例を挙げますと、先ほど来から少し出ております畜産の問題ですね。畜産の方式が、どういう形が望ましいかということを別にいたしますと、特に中小家畜なんかの場合には、むしろ生産を減らした方が自給率が上がるということになりかねないことがあるわけですね。あるいは、これは現実ではないと思いますけれども、食料のロスを減らすということも、これは国内起源の食料についてのみそういうことが仮に起こったとすれば、あるいは数字の上では自給率が落ちるということもあるかもしれませんが、いずれも、本来、自給率という表現によって、こういう方向にということとは別の要素があるわけでありまして、こういう場合には、本質論に一旦戻って判断する必要があるだろうと思っております。

本質論というのは、結局、農業の基礎的な資源である土地なり、水なり、あるいは人の確保にきちんとつながるかどうか。あるいは、そういった基礎的な資源もそうですけれども、食料資源全体をむだなく使っているかどうか、あるいは食生活の健全さといいますか、ここが、やはりそれぞれベースにあって、これを象徴的に示しているのが自給率――通常は自給率で示されるわけですけれども、問題がある場合には、やはり原点に戻って判断するということをしておく姿勢を持っておいた方がいいだろうと思います。

それから、食生活の問題に収れんされてしまうと、これはこれで問題だという御指摘がございましたが、まさに、そのとおりだと思います。ここは、情報提供をいかに効果的に行うかということで、これは皆さん、おっしゃいましたので、特に私、つけ加えることはないんですけれども、先ほどのバナナとかココアのように、瞬間的に盛り上がって、すぐ消えてしまうということでないような形で情報提供が浸透していくことは望ましいと思いますが、その場合に、やはり1億3,000万人の国民の食生活の選択が、長い目で見ると農業の形を決めているんだ。したがって、農村の形を決めているんだと。ここのところについていろいろ理解していただく。メニューごとに自給率を表示するというのも、ある意味では、そういう意味合いを持つと思いますけれども、そういった食と農の距離を縮めるような情報提供というものが非常に大事だと思います。

それから、もう1点のみ、不測の事態への備えということについては22ページ以降にかなり詳しく述べられておりまして、これは、ぜひ詳細な、また実行可能なプログラムを絶えず引き出しの中にしまってある状態というものを作っておくことが非常に大事だと思います。

その意味で言いますと、これは19ページだったと思いますけれども、備蓄については、現状について、米なり、餌なり、大豆なりの説明があるわけでありますが、恐らく、不測の事態への備えということになりますと、今の品目別の備蓄それぞれに制度の趣旨が多少違っているはずでございますので、これをもう一度、総合的に見直すということも、恐らく必要になるのではないかと思っております。

ちょっと長くなりましたけれども、以上でございます。

部会長 それでは、さん。

専門委員 食生活の問題の改善だけに問題を矮小化しちゃいかんという御指摘、全くそのとおりだと思うんですが、先ほどからいろいろ指摘されているし、このレポートにもありますような、国民1人1人あるいは家庭の中での変化というのは、かなり問題点のある形、そういう方向への変化というふうに読み取れるわけですね。

結局、私たちも子供のころからのことをずっと考えてみますと、米を食べながら、学校へ行ってパンを食べてという中で育ってきました。それから、私たちの子供たちが今、主婦になって、それで子供をまた育てるという流れがあるように思うんですね。そういう意味で、教育の現場でどういうふうに進めていくかといった問題とか、家庭でどうするかというのは、それぞれの国民の選択の自由の問題ではありますけれども、国民全体、国家全体として、どういう健康な食生活と健康な寿命といったものを確立していくかというのは、やはり政策的な課題でもあると思うんです。

その点で、過去どうであったのかという点が、ここでは余り触れられていなくて、つまり、これは農林水産省の農政に関する審議会でありますから、当然、そういう立場からの資料になっていると思うんですけれども、文部省であるとか、あるいは厚生省であるとか、総理府であるとか、そういうところで色々関わってきたことが、今日まで放置されたのか、政策的に作られてきたのか、そういった問題というのも絡んでくるのではないか。将来、そういう問題をこれからのテーマとして基本計画を策定していって、実際に動かしていく、それが国民に受け入れられていくためには、農林水産省とか、農業関係者とか、そこだけでやれば成果が上がっていくとは思えない環境だと思うんですね。

そういう意味で、国家全体といいますか、他の関連する行政の施策といった問題も含めて、どこかで触れられ、連携されていくということがないと、なかなか実現が難しいのかなという感じがしています。ですから、省庁の縦割りでいろいろな資料、あるいは政策があるとは思うんですが、それとの関連という問題も、農林水産省で議論をするわけにはいかないのかもしれませんけれども、やはり絡めての検討というのは必要ではないかという感じをきょうは一つしたということであります。

それからもう一つは、選択的拡大というのは政策的に進めてきたことでありますから、そういう形で畜産なり園芸というのは伸びてきたわけですが、そういう中で、麦・大豆などについては極端に、これは急速に下がったわけであります。もちろん国際競争力の問題もあったと思いますが、政策的に、生産技術の問題でありますとか、流通でありますとか、品種の問題という点で、研究体制も含めて、かつてあった体制とは、比べてみると、手抜きをされたといっては、大変語弊があるかと思いますが、全体的にウエートは小さくなってきたという流れがあると思いますね。そこら辺を、最後の方に書かれていますが、各作物別に、麦なり、大豆なり、あるいは飼料作物なりのこれからのあり方についても資料が出されておりますし、そこのところの一定の政策の転換といいますか、例えば、麦・大豆で言えば、水稲の転作のための麦・大豆という位置づけになってきている今までのような状況から、どのように脱却していくかという展開が非常に大事なんだろうと思うんですね。その辺のところが、これからの課題として十分議論していただければなというふうに思っております。

部会長 ありがとうございました。

御意見ございますでしょうか。

委員 一つだけ最後に申し上げたいんですが、要するに、1億2,000万人が2,000キロカロリー摂取するのに、現在は1,700万ヘクタールぐらい必要としているわけですね。ところが、日本には500万ヘクタール弱しかないということで、国民の健康と食の安全を確保していくのにはどうしたらいいかという議論だろうと思うんです。

そうすると、この500万ヘクタールに一体何を作っていくのが、日本の食料安保と消費者の健康のためにいいのかと、結局、そこを軸にして議論をしないと、土地は何ぼでもあるよ。だから、食生活向上とか、消費者にいいものをどんどんやりましょうというのとは違うんですね。要するに、これだけしか土地がない。しかし、1億2,000万人が2,000キロカロリーで健康を維持していくために、将来何を作っていくんだということが一番の基本だと思うんですよ。あれもやりたい、これもやりたい、それは結構でしょう。しかし、本当にそれが経済合理性と食料の安保というものを考えたときに、どうなんだという議論を軸にしてすべてを議論していかないと、これだけ広いテーマですから、あちこちに話題が飛んでしまうのではないかという気がいたしますので、次回は、そういうことでひとつ整理をしていただくのがいいんじゃないか。

私は、この資料はそういう軸で整理されているのだろうというふうに理解しているんですが、そのことをお願いしておきたいと思います。

部会長 ありがとうございました。

会長さんから御意見がございます。

会長 意見というわけではないんですけれども、今、委員の皆さんからお聞きしまして、大変建設的というか積極的な、それから、厳しい問題提起をいろいろいただきまして感謝しております。

それで、この企画部会、私が考えますのは、きょうは第1回でございますけれども、いずれ自給率の問題を含めて、基本計画を策定するということが基本課題として与えられているわけでございます。そのためにも、食・農・農村というふうにこれから分けてやるんですが、きょうは一応、その前提になるデータをおさらいしたわけですけれども、これから、だんだん食と農をつなぐ戦略的課題は何か。先ほどさんからの、コンセプトは何かというものと同じような意味だろうと思いますし、今、委員のおっしゃられたこともそれにつながると思うんですが、そのあたりをだんだん絞り上げて、基本的な問題、そういう意味での基本計画をしっかり作っていくべきだと考えています。

というのは、基本計画というのは国会に出す、あるいは法律に従って定めるということだけではなくて、これを通じて、国民に広く食と農という問題はこういうことですよ、こういうふうに我々はやるんですよという大きな宣言だと思うわけですね。

そういう意味で、私ども、この企画部会は、本当にそういう意味での計画責任を持っていると感じております。その5カ年先に、結果責任を問われることになりかねないわけでございますので、そのことも考えて、ぜひとも、これから御議論を積極的に提起していただきたいと思います。

ただ、きょうの資料を拝見していて、私、気がついたことなんですけれども、食あるいは農をめぐる教育だとか、啓発だとか、普及だとか、それはいろいろ言い方はあるんですが、これについての現状がどうなっているのか。このごろ、やっとやり出してきたということもございますし、それから、先ほど委員からもございました、食生活指針は出ているんだけれども、それがどうなっているのか、どういうふうに動いているのか、結果は何かあるのかということを、これは他省庁とも関連するのでやりにくいことはあるかと思いますけれども、そういうことはやはり重要でございますので、また次回にでも検討していただければいいかと思っております。

色々ございますけれども、きょうは限られた時間の中で、大変いい御意見をいただきましてありがとうございました。

部会長 あと何か、ございますでしょうか。

私も、最後にちょっと申し上げたいんですけれども、昭和15年に私は小学校の5年生でして、そのときから米の配給が始まったんです。親父が一生懸命、農家の知っている人から米を、配給制が始まる前に買い込んで裏の倉庫に、いい意味での備蓄か、悪い意味での隠匿か知りませんが、やっていたのを子供心に覚えております。あのときの配給量が、私は宇都宮ですが、そういう都市部の子供を含めた平均が、たしか毎日2合3斥でした。2合3斥を365日、5倍しましてキログラムに直しますと125.9キロ、126キロになります。それで、当時は恐らく、日本人の子供を含めての平均が150キロ食べておりました。それが126キロの配給になって、私、子供心にも、本当にお腹がすいた記憶があるわけです。

それが今、どれだけ米が減ったかというと60キロ台になって昔の半分、腹が減って困った配給の半分にまで米が減った、こういう言い方が一番ピンと来るんですね。年配の人はすぐわかるんです、なるほどということで。

その間、同じ大きさの胃袋に何が入ってきたかというと、米を追い出したのが、主として畜産物とか、魚とか、青果物関係で、胃袋の大きさは同じだからはじき出されていったという説明をするんですが、とにかく米の消費が減って、畜産物、魚、その他の消費が増えて、結果的に人生50年、私の父親は56歳、母が52歳で死んでいますから、50歳前後だった平均寿命が今80歳前後になっているとしますと、米の消費が減ったということの結果やっております生産調整、けしからんと農家の方はおっしゃるんですが、うらみの持っていき場所がないじゃないかと。

知事という仕事をやっていますと、生産者のことも、消費者のことも毎日つき合っているものですから、生産者からは、生産調整をもっと緩和しろという要求が強くあるんですが、そんなことを言ったって、生産調整は、その結果、米の消費が減ったら寿命が伸びたとすれば、うらみの持っていき場所はないんだから、自分の問題だと思って考えて判断してやらなければだめだと。最近は、大分認識も深まってきたと思いますが、そういう中で自給率の論議がだんだん結果的に数字の上で減ってまいりまして、それを国会で、自給率の向上を図ることを旨としてというような修正が入ったそうでございますから、そういう意味での自給率の目標を作るというのは、大変難しい、大変な部会長をやらされているなという思いで困っておるわけでありますが、何分、よろしくお願いしたいと思います。

そろそろ時間が参りましたが、今日は、会長さんのお話のように、たくさん御意見をいただきまして、最初に、委員の大変示唆に富んだ貴重な御意見を皮切りに、ほぼ全部の委員さん方から御意見をいただきまして、そろそろ予定の時間が参ったわけであります。

これをもちまして、そろそろ会議をやめたいと思いますが、もし今までの御議論の中で、この場で事務局の方から何か、おっしゃりたいことがございましたらおっしゃっていただければと思います。

事務局 それでは、1点だけ申し上げておきたいと思います。

先ほど、食生活等々の関係で、特に消費の食生活の関連で、各関係の行政機関との連携等のお話が出ておりました。何人かの委員の方から出ておりましたけれども、これにつきましては、現在、厚生省の方で、21世紀に向けた「健康日本21」という検討がされているように聞いておりますし、それから、私ども農林省の食品流通局でも、基本法に基づく健全な食生活に関する指針というものを作るということで、基本法に基づく指針の検討を始めたところでございます。

したがいまして、こういったところで、かなり掘り下げた議論がされてきていると思いますので、議論の検討状況も踏まえて、場合によっては、この企画部会にも、そういった議論を紹介していただくような場も今後設けていきたいと考えております。

以上でございます。

部会長 それから、先ほど来、資料要求も幾つかございました。それから、特に資料要求とはおっしゃられませんでしたけれども、諸外国のPFCのバランスの数字の御質問がございましたので、そんなものも、できたら資料を整理して次回に出していただきたいと思います。

それでは、これをもちまして議事は終了させていただきたいと思います。

 

8 閉会  

部会長 次回の会議のスケジュールでございますが、10月18日、月曜日の午後2時から4時半、場所は、本日と同じく農林水産省の第2特別会議室ということのようでございます。

次回の部会では、農業をテーマとしまして御議論をいただくことにいたしたいと思っております。

その後のスケジュールにつきましては、事務局から案がありましたらお願いいたします。

事務局 ただいま、次回の第2回のスケジュール、部会長の方からお話がありましたが、今月の18日、月曜日、2時から4時半ということでございますが、その後のスケジュールにつきましても、皆さん、大変お忙しくいらっしゃいますので、今後の予定もあると存じますので、ここで申し上げさせていただきたいと思います。

第3回の企画部会につきましては、11月11日、木曜日の午後2時から4時半という予定をしております。さらに第4回につきましては、11月30日、火曜日でございますが、これは午前中、10時から12時半までという予定をさせていただきたいと思います。さらに第5回につきましては、12月9日、木曜日、午後2時から4時半までということで、年内、このスケジュールで予定させていただいております。

以上でございます。

また、詳細につきましては、改めて文書で連絡させていただきたいと思います。

部会長 それでは、本日はこれで閉会といたします。

不慣れな部会長で御迷惑をおかけして申しわけございませんでした。

どうもありがとうございました。