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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会 第5回企画部会 議事録

平成11年12月9日

農林水産省第2特別会議室

 

開会  

 

部会長 それでは、定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会の第5回企画部会を開催いたしたいと存じます。

 

総括政務次官あいさつ  

 

部会長 それから、本日は、総括政務次官、政務次官に御出席をいただいておりますので、ここで総括政務次官からごあいさつをいただきたいと存じます。

総括政務次官 こんにちは。本日はどうも御苦労さまでございます。

これまで4回にわたりまして、先生方には御熱心な御論議をいただきまして、まことにありがとうございました。なお、本日は本年最後の部会になりますので、これまでの御論議を整理させていただくとともに、これらを踏まえまして、食料・農業・農村基本計画の策定に向けまして、さらなる御論議を進めていただきますようお願い申し上げます。

なお、資料説明に先立ちまして、先週行われましたWTOシアトル閣僚会議についての報告を事務局からさせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

資料説明

 

部会長 ありがとうございました。

それでは、ただいまの総括政務次官からのお話にもございますように、議題に入ります前に、先週シアトルで行われましたWTO閣僚会議の経過等につきまして事務局から報告がございますので、伺いたいと存じます。

事務局 お手元に「WTOシアトル閣僚会議の結果について」という3枚紙の資料をお配りしてございますが、これに沿いまして簡単に御説明させていただきます。

11月30日から12月3日までアメリカのシアトルで閣僚会議が開催されました。我が国からは河野外務大臣、玉沢農林水産大臣、深谷通産大臣、以下が出席しております。

全体概要でございますが、(1)にございますように農業を含めて五つの分科会を設置して、そこで議論が行われたということでございます。しかしながら、農業、アンチダンピング、労働の問題につきまして、ジュネーブの議論もこれらについて収れんを見なかったわけでございますが、その収れんを見ないままシアトルになだれ込んだということで、加盟国の立場が大きく異なっていたということ。それから、新聞報道にもございましたように30日初日にNGOの大きなデモがあったということで、時間的にも非常に限られていたということでございます。

それから、135カ国が加盟しておりますが、この議論の効率性という観点から、いわゆるグリーンルームという少数国の会合で議論を進めております。20カ国で進めておるわけでございますが、そのような進め方につきまして途上国の方から、透明性の問題でおかしいではないかという批判がございまして、それやこれやで結果的には12月3日に、バシェフスキー議長が発言を行いまして、結果的に水入りになったということでございます。「このプロセスは中断する。中身に進展はあったのでこれを凍結し、ジュネーブに引き継ぐ」という発言を行って水入りになったということでございます。

したがいまして、このシアトル閣僚会議では、具体的なペーパーが何らまとめられておりません。今後の問題ということでございます。

農林水産分野でございますが、4の(1)以下に書いてございますように、農業分野については大きく三つの論点がございました。一つは、農産物と鉱工業品とのルールをどうするか。輸出国側、ケアンズグループとかアメリカでございますが、これらの国々は農産物を鉱工業品と同一のルールのもとに置けという主張をするわけでございますが、この点が一つの論点。

それから、農業協定第20条というのがございます。3ページ目に入れてございますが、ウルグァイ・ラウンドの結果、農業協定というのができておりますが、農業協定の第20条にそこにございますような条文がございます。改革過程の継続ということで、簡単に申し上げますと、関税の引き下げ等を行ってきているわけでございますが、これらにつきまして引き続き行っていく。他方(a)から(d)までの事柄を考慮に入れて引き下げの問題を検討していくということで、このような形で輸出国、輸入国側のバランスをとっているということでございます。

その考慮事項の中には、(a)にございますようにこれまでの経験、(b)にございますような農業貿易に及ぼす影響、(c)の非貿易的関心事項、開発途上国の問題、それから、輸出国側が特に重視しております、(d)さらにいかなる約束が必要であるか、こういうものを考慮に入れて検討していくということでございます。

この20条の4行目のところをごらんいただきたいと思いますが、「実施期間の終了の1年前にその過程を継続するための交渉を開始する」ということで、実施期間は来年度まででございますので、来年からこの交渉は開始するということもあわせてこの20条は規定しているということでございます。

もとに戻りまして、この農業協定20条をどのように位置づけるか。EU、それから我が国等は、この20条に基づき次の交渉はするんだという主張でございますけれども、輸出国側はあくまで20条は考慮するんだと、これを非常にやわらげた表現をしております。特に先ほど申し上げました(d)の問題、それを重視しているのが輸出国の立場ということでございます。

それから、第3に多面的機能の問題ということでございます。

このうち、第1の問題、第2の問題はイのところに書いてございますように、各国の理解が得られたのではないかと考えております。しかしながら、我が国等が強く訴えてきました多面的機能につきましては、この言葉につきまして、これは保護主義の隠れみのではないかというのが輸出国の主張でございまして、この点につきましては、多面的機能という言葉自身を入れることについては合意が得られておりません。

ただ、そこの5行目以下に書いてございますように、多面的機能の具体的な内容である食料安全保障、環境保護、農村地域の活性化等でございますが、これらについては各国の理解を得ることができたと考えております。

この食料安全保障と環境保護の問題は、先ほどの3枚目の一番下のところに農業協定の前文の抜粋が入れてございます。農業協定の20条にはこれらの事項は出てこなかったわけでございますが、前文の方に、非貿易的関心事項の例示として、食料安全保障、環境保護の必要性というのが出ておりました。それに今回新しく、農村地域の活性化とか、食品の安全性も加わったということでございます。

それから、林野・水産分野につきましては、我が国はこれらについては地球環境の保全の問題や持続的な資源管理の問題があるので、林・水産物は関税番号からすると、鉱工業品と同じようなグループで扱うのが本来の原則でありますけれども、こういう特性があるということで別グループで議論すべきだと主張してきたわけでございますが、結果的には必ずしも文章でのいろんな議論はなりませんでしたが、この別グループは別として、地球環境の保全の問題とか、資源管理の観点などを踏まえたことの重要性につきましては、認識が深まったのではないかと考えているところでございます。

いずれにしましても、先ほど申し上げましたように今回すべてのプロセスが凍結ということでございますので、一切合意はないということで、これからジュネーブの場で手続面から議論が開始されるということでございます。

また、先ほど申し上げましたように20条に基づきまして、来年から農業交渉が開始されるということでございますけれども、全体の交渉がそのような状況でございますので、農業交渉だけ先にやることがいいのかどうか、本来我が国等は、あくまで包括交渉でやるべきだと言っておりますので、全体の動きを見きわめる必要があるというのが我々の立場でございます。

以上、簡単でございますが説明とさせていただきます。

部会長 御苦労さまでした。

本日は、今後の基本計画の策定に向けまして、これまでの企画部会における御論議の整理を踏まえまして、さらに議論を進めていただきたいと存ずるわけであります。そういう意味で事務局から資料が提出されておりますので、その説明をお願いしたいと思います。

まず、資料1の「これまでの企画部会における議論の概要」、それから、資料2で「食料・農業・農村基本計画の構成(案)」、参考資料1の「農業経営及び農業構造の展望の基本的な考え方」、以上3点につきまして事務局から説明を願います。

事務局 それでは、資料1、2と参考資料1まで説明させていただきます。

資料1は、「これまでの企画部会における議論の概要」ということでございます。この資料は、左側の項目という欄につきましては、この後資料の2で御説明いたします基本計画の構成のタイトルによって分けてありまして、これに関連させる形で、これまで4回にわたって委員の皆様からいただいた御意見を右側にまとめるという形で整理させていただいております。主なものをかいつまんで申し上げたいと思います。

まず、食料自給率の目標の基本的考え方というところでございますけれども、「外国と比較して日本を見ると、今の41%の自給率は気になる。目標を掲げてチャレンジするやり方は正しい」という意見、「食料自給率の向上に向けた国民合意が必要であり、そのための積極的なPRが必要」という意見があった一方で、「世界との関係を考えると、単に他国と比べて低いということで自給率を向上すべきであるとする理由は非常に弱い」、「なぜ今、自給率の向上を考えなければならないのか。海外の安い食料を消費者に提供する方がよいのではないか」という御意見がありました。そして、「自給率目標については、基本問題調査会における両極端の議論を経て現在の低過ぎる自給率を何とかすべきという考え方により新基本法に規定されたもの。ここから一歩でも二歩でも進めた議論を行う必要がある」、こういうような意見がございました。

次に2ページでございますが、また自給率の示し方につきましては、「品目別自給率、穀物自給率、供給熱量自給率について示すことは意味がある」、それから、その次の3番目ですが、「畜産物・野菜生産の問題など、カロリーベースでは捉えきれない面があり、品目別自給率や金額ベースの自給率で補完することが適当」、こういった意見だったと思います。

次に、消費につきましては2番目のところにありますが、「国民の食生活を規制するのは不可能であり、政府の役割としては、健全な食生活等についての情報提供に尽きる」、また、「テレビで体に良いとされると消費が伸びるという現象もあり、うまく情報提供すれば消費者の食生活を変えることができるのではないか」、あるいは「米国では食生活に関する積極的な活動が行われており、我が国においても思い切った国民運動を展開すべき」、こういった御意見が出されました。

それから3ページでございますが、生産に関しましては、「今後の農業政策では、国際競争力の強化の観点が重要」、「自給率向上には、どうすれば買ってもらえるかというマーケティングの視点が重要」、「地域ごとにどの作物をどれくらい作るべきかについて市町村レベルの議論が必要」といった議論。あるいはその四つ下ですが、「限られた農地を有効に使う上では、我が国の気候・風土に合った作物生産に特化していくことが必要」、こういった意見が出されたところでございます。

それから4ページ、大きな3番目、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策のまず食料の関係では、食品産業に関しまして、「消費者ニーズの多様化に対応できる流通システムの構築が必要」、それから、「食品産業と農業の連携」、「流通など農業を取り巻く産業について総合的に政策展開し、我が国農業が世界との競争に耐え得るようにしていく必要がある」といった御意見が出されました。

それから、不測時における対応につきましては、「詳細・実行可能なプログラムを準備しておくことが必要」という意見等が出されたところでございます。

それから5ページでございますが、農業に関しましては、農業経営の展開に関し必要な施策ということとの関係で、「担い手を確保する、耕作放棄を解消するというのは、結局、農業の収益性をどう高めていくかという問題に帰着する」という意見、それから、「農家全てを救うというのでは国民の理解が得られない。意欲ある農業者に施策を集中すべき」という御意見がありました。また、「将来的な経営モデルを作る際には、実態に合ったものとすることが必要」という御意見もありました。

それから、農地の確保につきましては、「最低限これ以上は減らせないという視点から農地の守り方を考えることが必要」という御意見があったわけでございます。

それから、6ページの人材の関係につきましては、「農外者からの就農を促進することが必要」という意見、それから、「担い手についての将来的な予測を示し、それを踏まえて議論することが必要」という御意見でございました。

それから、技術の開発、普及に関しましては、「麦・大豆の本格的生産には、重点的な技術開発・品種改良・普及が重要である」という御意見があったわけでございます。

それから、価格に関しましては、「価格政策の見直しにより、農産物の品質にきちんとした評価が与えらることは、望ましい変化である」という御意見がありました。

それから、7ページの農村に関しましては、「暮らしの質を追求する観点から、アメニティ空間としての農村整備に向けた取り組みの支援」、一方で「農村を整備する施策については、まず農業の国際競争力の強化の観点から議論すべき」という御意見、また、「生活の場としての農村の問題は担い手確保の問題と不可分であり、農業の体質強化の問題とあわせて議論していくことが必要」という御意見がございました。

さらに中山間地域に関しましては、一番下でございますが、「市場経済に任せているだけでは、耕作放棄が減らず、結局国土が荒廃してしまう。予算上の手当ても含め、国として対策を講じることが必要」。

また、8ページの一番上ですが、「中山間地域の農業は「生産」という側面より、むしろ「国土保全」という観点からの施策が必要」という御意見がありました。

それから、大きな4番目の、施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項の関連で申し上げますと、費用と効果分析に関しての御意見、それから、一番下の二つにありますように、「国民に対するPRが必要」という御意見が出されております。

以上かいつまんで御議論の概要を御説明申し上げました。

次に資料の2番目でございますが、ただいま申し上げましたとおり、基本計画の構成(案)についてのペーパーでございます。

基本計画につきましては、この審議会の御意見をお聞きした上で政府が定めることになっているわけでございます。具体的な骨子案につきましては、年明けの1月下旬ごろにこの企画部会にお諮りすることとなると思いますが、きょうはその構成の案をお示しするということでペーパーをお配りしている次第でございます。

新基本法15条2項に即する形で、大きく四つの部分で構成される形になっております。

1番目が、食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針ということで、基本理念の実現のための基本方向を書くことになります。

2番目が食料自給率の目標ということでございます。基本的考え方、消費、生産、そして自給率の目標という形で記述してはどうかということでございます。

それから、3番目につきましては、食料、農業、農村の三つの問題と団体につきまして、それぞれ新基本法の体系に位置づけられておりますフレームに即して、ここに書いてありますような構成にしてはどうかということで整理してあります。

2ページ目の一番下の大きな4番につきましては、総合的かつ計画的に推進するために必要な事項ということで、施策の評価と見直し、情報の公開、こういった施策を推進するに当たっての留意事項をここのところで記述してはどうかということでございます。

次に、その資料の一つ下に1枚紙で「資料2関連」という資料があると思います。ただいま構成(案)の2枚紙で御説明しました基本計画、この基本計画につきましては閣議決定されるものでございますが、その基本計画の実施プログラムとして位置づけられるものという意味で、その例として、食品の表示についての実施プログラム例をこの1枚でお示ししているわけでございます。基本計画は10年間のものでございますが、初年度の12年度、その次の4年間のもの、それから後半の5年間ということで三つに分けた形で、食品の表示に関連する遺伝子組換え食品、あるいは有機食品の表示の問題について施策の実施のプログラムというのを例でお示ししてあります。

それから、次に参考資料の1を御説明申し上げたいと思います。

これは農業経営及び農業構造の展望の基本的考え方ということでございます。右側の一番上をごらんいただきたいと思います。新基本法の21条でございますが、ここで、国は、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、必要な施策を講ずるものとするということになっているわけでございまして、この効率的かつ安定的な農業経営、これがどんな姿になるのかということを明らかにする必要があるというのが経営展望ということでございます。

また、効率的かつ安定的な農業経営が、農業生産の相当部分を担う農業構造としての姿、その姿を明らかにする必要があるわけでございますが、それが構造の展望ということだというのが1ページで整理してあるわけでございます。

2ページはその経営の展望についてでございます。21条で言っている「効率的かつ安定的な農業経営」は、生産性が高く、一定の収益を上げることができる経営、かつ、そのような状態が継続し得るような経営基盤や労働環境を備えた経営、こういうふうに一般的に言えると思います。

このような農業経営の育成を図ることは、新たな担い手の確保が得られるようにするためにも重要であるわけでございまして、それではどういう切り口からこれをとらえていくかということですが、右下の表をごらんいただきたいと思います。農業後継者確保のための課題のアンケートでございますが、上位の二つ、農業所得の増大確保、労働条件の改善ということで、所得と労働条件が非常に大きい要素になっているわけでございます。

そのために、特に所得に関しては、主たる農業従事者の1人当たりの生涯所得について、他産業従事者と遜色ない水準になるようにしてはどうかということでございます。農業所得につきましては、ライフステージごとの所得のパターンが他産業とは異なるということで、生涯所得をとらまえて他産業の従事者と遜色ない水準にするようにしてはどうかということでございます。

それから、労働条件に関しては、指標としてとらえることのできる年間労働時間を指標といたしまして、他産業並みの水準となるようなことを基本とする必要があるのではないかということでございます。

3ページでございますが、その年間労働時間につきましては、他産業並みということで比較する場合に、農業と類似の性格を有する業種の動向を踏まえつつ、農業の実態に即した労働時間を設定することが適当ではないかと考えております。

また、生涯所得につきましては、他産業の賃金には地域ごとに差が見られる。右下の棒グラフでごらんいただけると思いますが、これを考慮して、地域ごとの他産業と遜色ない水準の生涯所得を基本とすることが適当ではないかということでございます。

そして経営展望の示し方としては、以上の点を踏まえまして、(4)のところにありますが、「営農類型及び地域の特性に応じ」と。この意味は、例えば北海道の稲と麦・大豆を組み合わせた経営とか、あるいは関東から西の地域での施設野菜を中心とした経営とか、こういった営農類型、地域の特性に応じて幾つかのタイプごとの農業経営について、経営規模、作目ごとの作付面積、10アール当たりの労働時間、費用合計、こういった具体的な指標として示すことが適当ではないかというふうに考えております。

次に4ページ、農業構造の展望についてでございます。基本的考え方として、アの「効率的かつ安定的な農業経営」が農業生産の相当部分を担う農業構造の姿を見通すことは、今後いろいろ施策を講ずるに当たって目指すべき農業構造を明らかにするという意味で重要だということでございます。

6ページをごらんいただきたいんですけれども、6ページの上のところにありますが、「効率的かつ安定的な農業経営」の数等を試算する上で、その対象をどのようにとらえるかということが基本になりますけれども、その点につきましては今後検討していく必要があるわけですが、例えば、女性とか高齢者が農業生産において占める位置づけなどを踏まえまして、また、ウのところにありますように、農業所得への依存度、農業所得が半分以上を占めているという意味で、農業外の所得ではなくて農業所得が主であるということも踏まえて、その両方を加味したような形で、男女を問わず65歳未満の農業専従者がいて、この農業専従者というのは年間150日以上従事する者ですが、これがいて、かつ農業への所得の依存度が大きい経営というものをとらえてやってはどうかということでございます。

5ページに戻っていただきまして、こうしてとらえた経営につきまして、10年後の平成22年にどうなるかを試算して展望するわけでございますが、その際には「効率的かつ安定的な農業経営」の全体の中における位置づけが明らかになるように、この「効率的かつ安定的な農業経営」より、より大きな母集団であります総農家数とか販売農家数の展望もあわせて行うこととする。さらに(イ)にありますが、稲作とか畑作といった主要な経営形態ごとの作付面積等において「効率的かつ安定的な農業経営」がどのくらいのシェアを占めるかを明らかにすることが適当ではないかということでございます。

6ページの一番最後にありますように、以上のような農業構造を実現する上では、十分な農業労働力の確保が前提となりますので、農業労働力の展望についてもあわせて示すことが必要ではないかと考えております。

いずれにしましても、この経営展望、構造展望につきましては、今日考え方をお示ししておりますが、年明けにはこれを踏まえた展望自体をお示しすることを考えております。 以上でございます。

部会長 御苦労さまでした。

続きまして、これまでの各委員からの御意見も踏まえまして、基本計画と関連する事項として、参考資料の2、3、それから4の説明をお願いしたいと思います。

まず、参考資料2の「小麦・大豆・飼料作物の生産拡大に向けた取組み」につきまして、事務局から御説明をお願いします。

事務局 それでは、参考資料2の小麦と大豆につきまして私の方から御説明を申し上げます。

まず、参考資料2で「麦・大豆・飼料作物の生産拡大に向けた取組み」という資料をお開きいただきたいと思います。1ページでございます。右側に三つほどのデータが載っております。真ん中から御説明申し上げます。

小麦につきましては、需要ということなので種類別の用途でお示ししておりますけれども、国内産は、真ん中の表に四角が四つほどございますが、上から3番目の中力小麦、これはたんぱく質の含有量が上へ高いもの下へ低いものということで、真ん中ほどの中程度のものでございますが、ここが大体国内の小麦がはまるところでございます。ごらんになると一目瞭然ですが、オーストラリア産のASW、オーストラリア産のスタンダードホワイトというものがまさにライバル関係にあるわけでございます。これは日本めん用を中心に使われております。

ちなみに、一番上の欄の強力小麦はたんぱく質が高うございます。大体15%以上程度ではないかと思いますが、カナダ産のものが大体食パン、一番下が薄力の小麦で家庭用のメリケン粉等でございますが、大体国内産で10%程度のたんぱく質でございます。

次に上の方に行っていただきたいと思います。日本めん用は小麦全体が600万トン、そのうち食用が500万トン程度の中で、大体70万トン程度供給されておりますが、右に見ていただきますと、日本めんを中心に57万トン、自給率9%ということでございますが、日本めん用に22万トン供給されております。先ほどお話ししましたようにオーストラリア産の小麦が最大のライバルになるわけでございまして、自給率を上げるとすれば、俗っぽく言えば、ここをけ飛ばして競争していくことになるわけでございます。

そこでASWでございますが、一番下の表をごらんいただきますと、現在いろんな観点から製めんの評価をいたしております。色とか粘弾性、そのほか食味とか食感とかいろいろあるわけでございますが、現在、まだ評価としては製めん適性が輸入小麦の代表でございますASWに劣っているということでございますが、後ほど幾つかの品種を掲げてございますが、これに追いつき追い越せということで、現在育成中ということでございます。

なお、この評価は色合いのところにかなり力点を置いておりまして、オーストラリアのは色が白いものですから評価が高くなっておりますが、最近の消費者の皆さんの感じを聞いてみますと、必ずしも色はそんなに力を入れなくていいんじゃないかという評価もございまして、ここを下げれば相当違った評価になるのではないかということでございます。

次のページを開けていただきたいと思います。もう一点、需要の点でお話をしておきたいのは、単に国内産の需要といっても北から南まで同じ日本めんでも、かたいものからやわらかいもの、丸いものから平たいもの、いろんな需要がございます。そういう需要を前提に、右側の上の表が平成10年に生産の実態と実需の皆さんから御意向をお伺いした資料でございますが、欲しいという品種とつくりたいという品種が実は食い違っているということがわかるわけでございます。ここで大体10万トン程度のものが両者の食い違いがあることを示しておりますが、このミスマッチをどう改善していくかということがポイントでございます。

次のページをお開きいただきたいと思います。生産の方で二つほど私どもの頭にありますことを御紹介しておきたいと思います。

一つは3ページでございますが、左の下の棒グラフをごらんいただきますと、土地利用がずっと落ちてきているわけでございますが、ここで水田裏作麦の面積が次第次第に減ってきているということでございまして、これだけ生産力として持っている分も有効活用してないということで、ここの有効活用が必要だということをこのグラフは示しておりまして、ここを活用して国産のものを提供できる余力はあるということでございます。

次のページをお開きいただきたいと思います。そうは言ってもつくればいいというわけではございませんで、4ページの左の丸の2番目でございますが、担い手の皆さんにかついでいただいていますシェア、機械化の進展で生産性は上がってきているんですけれども、右の方をごらんいただきますと真ん中に折れ線グラフがございます。これでおわかりのとおり、実際の10アール当たりの実収量はかなり上下しておる折れ線グラフがございますが、収量、品質は、収穫期に雨が降る、つまり梅雨があるということが我が国の特徴でございます。北海道は別でございますが、そういうことから気象条件の影響を受けてかなり変動する。これは量だけではございませんで、質的にも変動するわけでございまして、ここが実需者から問題と言われている部分でございます。

次のページをお開きいただきたいと思います。右側の上の四角の囲みに先ほどちょっとお話をいたしました地域、例えば南の方は梅雨がない時期に収穫したいとかいろんな地域の特性がございますので、そういう地域の特性に応じた、あるいは実需者のニーズを加味した品質をいろいろ育成しておりまして、そこに開発目標を御紹介しております。

左の欄で4点ほど今後の取り組みを掲げております。一つが、国内産小麦の製面適性の向上を図ること。それで需要とマッチングさせていく。同じことでありますが、2番目で、実需者のニーズに応じた品質向上を図って、とにかく売れるものでなければ需要拡大の目的は達せられないということを書いております。3番目は、安定的に提供するための主産地を形成していく。それから、主産地を形成するための条件等を(エ)に書いてございます。小麦については、そういう取り組みを考えていることを御理解いただきたいと思います。次に大豆でございます。6ページをお開きいただきたいと思います。右側の表の上の方をごらんいただきますと、我が国の大豆の需給は全体で500万トンでございます。そのうち400万トン弱、378万トン何がしが油を絞っている分でございます。それ以外の概ね100万トンが食品でございます。そのうち半分が大体豆腐と思っていただいて結構でございます。豆腐・油揚げ用は49万トンでございます。右側の小さな方の四角をごらんいただきますと、現在の国産が14万5,000トンでございまして、総量で言いますと自給率3%でございますが、油を絞っているものはほとんどございませんので、食品用を頭に置きますと14%ということになります。そのうち大半を占めるのが豆腐でございまして、全体でも半分、国産も半分ぐらい豆腐に向いているということでございます。

需要の状況は、その下の方に横長に書いておきましたけれども、ややこのところ健康志向で増加の傾向が見られるということでございます。

ただ、左の方の2番目の丸に書いておきましたけれども、国産大豆は味がいい、安心感があるということの片方で、バラエティ大豆と呼んでおりますもの、これは海外で日本の需要向けに特に開発された品種で日本用と思っていただいて結構でございますが、この品種や、さらに有機という基準でつくられた大豆が増えてきておりまして、ここが競争相手ということでございます。需要から言いますと、自給率を上げる観点からすると、ここのところがライバル。

それから、最近は納豆の需要が特に西の方で増えかけている状況も見えますので、ここは頑張らないといけないというのが大豆の需要の関係ではなかろうかと思っております。

それから、もう一つは実需の方とお話をいたしますと、決して価格が安いものを求めているわけではない。もちろん安いのにこしたことはないんですけれども、年間決まった品質のものを安定した量でもらえれば、ある程度外国と競争になるのではないか。もちろん、味噌とか安いものはありますけれども、豆腐は大体国内では4ランクぐらいに分かれておりまして、上から二つぐらいのランクのものについては勝負になるのではないかというお話をいただいているところでございます。

開けていただきまして、今お話ししたようなことを背景にして今後の取り組みということでございますが、マーケットで買っていただかないといけないということでございますが、それに見合ったようなものをつくる前提として、どういう評価があるかということが生産農家に伝わらないと、さっきちょっと麦でお話ししましたようなミスマッチが出てくるということもあります。現に若干は出ている気配がありますので、そこのところは是正しないといけないと思います。

それから、国産のものについて、特に最近いろんな輸入ものとの比較で取りざたされておりますので、国産のいいところをPRしていかないといけないということで、表示問題も力を入れていくということを2番目のところに書いております。

それから左側の3番目でございますが、それこそさっきと同じでございますが、新しい品種、実需者に買ってもらえるような品種の育成等に力を入れるということで、輸入大豆に対する優位性を確保していくということでございます。

さらに、そういうものをきちっと供給していく生産体制の整備、特に大豆の場合は水に弱うございますので、基本技術を確保すること、そういうための基盤整備をする、排水対策を充実することが大事ではなかろうかと思います。

それから、大豆の場合は加工原料でございまして、たくさんの豆腐屋さんとか特に掲げておりますので、そういう皆さんが安心して取引していただけるようなロットをまとめるとか、情報を提供するということも大事なことではなかろうかと思っております。

駆け足でございましたが、小麦と大豆につきましては以上でございます。

事務局 続きまして、飼料作物について御説明を申し上げます。9ページをお開きいただきたいと思います。

まず現状でございますが、右側の数字をちょっとごらんいただきたいと思います。濃厚飼料、粗飼料を含めました全体での自給率は一番上でございますが、10年度で25.3%でございます。これは中小家畜、濃厚飼料等を対応しますけれども、そういうものが伸びているということで、次第に減っているということでございます。

ちなみに、2番目に牧草とか麦わらの粗飼料でございますが、これも最近の円高とか、あるいは非常に使い勝手がいいということで78.5でございますが、これも減少しているということでございます。

3番目に作付面積でございます。かつて100万ヘクタールを超えることもあったわけでございますが、現状では97万ヘクタール程度で推移しておりまして、北海道と都府県に分けますと、北海道が3分の2ぐらいを占めております。

それから、酪農で見てみまして、1戸当たりの飼料作付面積はどのように推移したかということでございますが、これはかなり伸びておりまして、昭和50年あたりと比べてもかなり伸びておりまして、北海道は39.8ヘクタール、都府県でも4.3ということで規模拡大が進んでいるわけでございます。ただ、これを1頭当たりで見ますと、規模拡大のテンポが非常に急テンポであるということで、逆に多少減るということになっております。45アールと10アールということでございます。

次のページをお願いします。10ページでございますが、草地の造成面積は、一時3万ヘクタールを超えたこともございましたが、近年では適地も減少したということで、1,000ヘクタールから2,000ヘクタールというのが最近の数字でございます。

一方、粗飼料の給与率でございますが、2番目の表の酪農で見ますと、平均では48%ということで概ね5割でございますが、北海道と都府県では多少差がございます。肉用牛で見ますと、小牛の生産の繁殖経営では高うございますけれども、肉を育てる肥育の面では低くなっております。

それから、先般も輸入粗飼料の議論がございましたが、一番下の右側の表でございますが、まず価格から見ますと、都府県の費用価としてTDN、栄養換算でございますが、65円キログラム当たりでございます。輸入のヘイキューブが81円、乾牧草が89円ということでございますので、価格的に使いやすさ等を考えますと、そういうものが伸びていることの原因になっているところでございます。

次のページをお開きいただきたいと思います。11ページでございます。低利用、未利用の資源の活用の問題でございますが、採草放牧、森林等を活用した面積が昭和45年当時は50万ヘクタールを超えておりましたけれども、平成2年のデータで見ますと、17万ヘクタールということでかなり減っております。

それから、これも先般御議論のございました稲わらの利用でございますが、円グラフでごらんのように総生産は963万ヘクタールございますが、そのうちの13%が飼料用であり、6割の572万トンはすき込んで田んぼに還元されている状況でございます。

そういうのが現状でございますが、課題として4点ほど次のページに掲げさせていただいております。一つは、自給の飼料基盤を今後強化しなければいけないという課題がございます。転作田の活用、畑等既耕地の活用もございますが、一方で耕作放棄地も全国にございますので、そういうものをできるだけ活用した飼料作物の作付拡大がございます。先ほども説明いたしましたように、林地なり野草地なりの低利用、未利用の土地の畜産的な活用を、もう一回復活させなければいけないということもございます。

また、貴重な資源であります麦わらにつきましても、6割がすき込むということがございまして、そういう副産物の利用促進も今後さらに努めなければならないというのが一つの課題でございます。

2番目の課題としては生産性等の向上でございまして、これは右の二つのグラフを見ていただきたいと思いますが、規模によってコストがかなり違います。1ヘクタール未満では、平均ですが7万円台、5ヘクタール以上になりますと4万ちょっとということで、かなり規模によるコストダウンが図れるわけでございます。

また、技術的にも非常にばらつきがございます。下の方で単収を比較しておりますが、成績の悪い方といい方の両極端を20%ぐらいずつとりますと、北海道でも概ね倍半分の収量の差がありますし、都府県に至りましては3倍程度の開きがあるということで、いかに技術を高位のところで平準化させるかということも大きな課題でございます。

それから、3番目の課題としては、できるだけ組織化なり外部化を図っていくということでございます。生き物を相手にしておりますので労働はかなり大変でございます。そういうことで労働の負担軽減とか、低コストのためにはその組織化も必要でございます。あるいは、そういうものを専門に行うコントラクターと言っておりますけれども、そういうものを育成することも必要だということが3番目の課題でございます。

次のページでございますが、4点目は日本型放牧ということで、やはり低コスト化を図るためには放牧も非常に有効な技術でございます。ただ、広大な草地があるところはいいんですが、やはり日本的に集約的な利用が必要なわけでございまして、例示で右に四つほど掲げてございますが、一つは、1日1牧区ということでローテーションで回していくようなスーパー放牧といった方式、あるいは耕作放棄地、棚田を活用した省力放牧、いろいろアイデアを絞って日本的な放牧が今後も考えられるだろうということで、そういうものも今後大いに取り組んでいきたいということで、4点目の課題としてございます。

今後の取り組みでございますが、後ほど御説明しますが、「飼料増産推進計画」というものを策定しまして、いろんな政策を講ずるとともに、飼料の増産にはそれぞれの意識改革も必要でございますので、増産運動も含めて取り組んでいきたいということでございます。

以上でございます。

部会長 御苦労さまでした。

引き続きまして、参考資料3の「基本計画に関連する方針等の検討状況」のうち、1番目の「水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱」につきまして、事務局から説明をお願いします。

事務局 参考資料の3の1ページをお願いしたいと思います。

水田を中心とした土地利用型農業活性化大綱というのは、10月29日に取りまとめられたものでございまして、この基本的な考え方としましては、我が国の水田農業においては、米が供給過剰となっているわけでございまして、生産調整をやっております。一方、麦なり大豆なり飼料作物は生産の定着・拡大していない状況でございますので、耕地利用率なり自給率が向上しない現状にあるわけでございます。

このため、この大綱におきましては2本柱になっております。一つは、需要に応じた米の計画的生産を確実に推進するのが一つの柱でございます。二つ目の柱として、麦、大豆、飼料作物等の本格的な生産を推進するということでございます。

現在、我が国は水田におきましては、水稲をつくりたいという要求が非常に強いわけですが、今の食料需要から申し上げますと、大体930万トン程度でございます。水田が270万ヘクタールでございますので、概ね3分の2については水稲が作付できる。残りの3分の1については水稲以外の作物をつくる必要があるという状況になっております。そういう意味におきまして、自給率の低い麦、大豆、飼料作物を転作ということではなくて、本格的に生産する。我々が言っておりますのは、米も麦も大豆も転作ではなくて、転作から本作への転換をする必要があるのではないかと思っておるわけでございます。

一方におきまして、上に耕地利用率の表を掲げておりますけれども、作物につきましては夏作と冬作がございます。表作、裏作というわけでございますが、夏作は稲とか大豆とか夏の期間に成育するもの、冬作は麦が代表でございますけれども、冬の間といいますか、秋から春にかけて成育するものがあるわけでございます。

この中に耕地利用率ということで掲げておりますけれども、昭和35年は134%だったということです。水稲だけつくれば100%の耕地利用率になります。水田に米と麦をつくれば200%の耕地利用率になるわけでございます。昭和35年は134%が、平成10年には94%、水田だけでは91%になっておりまして、非常に耕地利用率が低下してきております。先ほど申し上げました表においては大豆等の飼料作物の生産の振興、裏においては麦の振興、そういうことを合わせまして、水稲経営だけではなくて水田全体の経営、水稲経営から水田経営の展開を図っていくことが必要ではないかと思っております。

2ページは今申し上げたところをポイントとして書いてございますが、需要に応じた米の計画生産と、麦・大豆・飼料作物の本格的生産が2本柱になっております。左の方の(1)に書いているのは、今までは生産調整という意味においては、米をつくらない面積、転作目標面積を配分していたわけですが、今後は米の計画生産を進めるということでございますので、米の生産面積なり生産量を配分していくことが大事だろうということが一つでございます。

二つ目の豊作への対応でございますが、稲作については自然条件により豊凶の差があるわけでございます。非常に豊作になりますと需給動向が緩和し、価格が下がる形になってくるわけでございます。その豊作分につきましては、主食用以外に処理する、例えば飼料用等に処理する方式を導入していこうということでございます。

3番目の稲作経営安定策につきましては、後でまた御説明させていただきたいと思います。

右側の本格的生産の方でございますが、これについては水田農業振興計画を策定して進めていくということで、助成体系としては経営確立助成という形が一つございます。それについては自給率が低い麦・大豆・飼料作物に重点的に助成を進めるということでございます。また、3番目に書いてございますが、本格的に生産をするということで、作付の団地化を進め、土地利用の担い手への集積をやっていくことが非常に大事でございます。そういうことを進めていきたいと思っております。4番目は水田の高度利用、1年2作なり2年3作なり、こういうことを進めていこうということでございます。

とも補償につきましては、また後で御説明させていただきたいと思います。

3ページ目は、今申し上げましたような形で進めていくということでございます。

4ページでございますが、稲作経営安定制度は先ほど申し上げましたけれども、これにつきましては生産調整実施者、すなわち農家からの拠出と国の助成によりまして、稲作経営安定資金をつくるわけでございます。補てんの仕方としては、過去3年の平均価格でございます。これは入札によって価格が決まっておりますので、その平均の価格に対して、落ちた分の差額の8割を補てんするような制度を昨年から設けているわけでございます。左の方に幾つか書いてございますが、今年、充実したという内容でございます。

続きまして、5ページは麦・大豆等の本格的な生産でございます。一つは、生産を進めていくとき、どうしても市町村単位で水田農業の振興計画を策定していくことが必要でございまして、右の方にイメージ図を書いてございますけれども、〇〇町水田農業振興計画を協議会で策定する。

具体的なところとしては、C地区の地区計画みたいな形で、例えば団地化率をどうするか、担い手への集積をどうするか、土地利用率をどうするか、作物をどうするか、こういう形で計画を具体的につくって、その目標に向かって進めていくということでございます。続きまして、6ページは新たな助成システムということでございます。先ほど私が申し上げましたように、一つは(ア)に書いてございますが、経営確立助成におきましては、麦・大豆・飼料作物について重点化していく。そのときにも本格的につくるということでございますので、(ア)の作付の団地化や担い手への土地利用集積を進める。当然のことながら、(イ)にあるように基本的な栽培技術の実施をする。そういうことに対して助成していくということでございます。また、イでは、別途の一般作物についても、当然団地化や土地利用集積をやっていきます。ウでは、水田高度利用を進めたものについて助成するということでございます。

右のグラフの方を見ていただきますと、下の方に一般作物、その中でも麦・大豆・飼料作物とその他と分けてございます。また、特例作物に分かれているわけでございます。この麦・大豆・飼料作物の自給率が低いのでこれを重点的に推進するということで、助成体系として高い助成体系を組んでおりまして、一番右下に書いてございますように、結果として、一番大きい場合は10アール当たり合計で7万3,000円の助成体系になっている状況でございます。

もう一つ、とも補償でございますが、これは水田において米をつくりたい人が非常に多いわけでございます。それをとも補償してやっていこうということで、水稲の作付者が10アール当たり4,000円を出し、国もこれに助成する。要するに麦・大豆・飼料作物等転作作物について助成していく形でやっていこうということでございます。

最後の8ページでございますけれども、今申し上げましたように米の計画的生産なり、麦・大豆・飼料作物等を重点的に実施するために、基盤整備なり、機械・施設の助成なり、技術経営指導なりを集中的、重点的に進めていきたいと思っておりますし、今申し上げました趣旨を徹底するために、国段階、県段階、市町村段階におきまして、そういう趣旨徹底のための運動を展開していきたいと考えております。

以上でございます。

部会長 御苦労さまでございました。

お疲れかとは思いますが、引き続き、参考資料3の2の「飼料増産推進計画」と3の「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」につきまして、事務局から説明をお願いし、その後、畜産振興審議会会長のコメントをいただければと思います。

事務局 それでは、2番目の飼料増産推進計画、先ほどちょっと触れましたけれども、これについて御説明いたします。

まず趣旨でございますが、これは昨年12月の「農政改革大綱」なり、今年3月の「乳業大綱」に書かれたものでございますが、飼料自給率の向上、生産コストの低減、経営の安定化、家畜ふん尿の草地への適切な還元といった観点から、増産のための具体的な数値等を含めまして「飼料増産推進計画」を策定することにしております。

2の検討状況でございますが、これまでに専門家の方々、農協関係、民間団体からなる検討委員会を設置いたしまして、さる11月に中間報告という形で出ております。これは基本計画や、この後説明いたします「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」とも非常に密接に絡みますので、それとの整合性を図りながら、本年度中に策定するということでございます。

その中間報告の内容は、要点が右側に整理してございますが、時間の関係で下線部のところだけちょっと申し上げますと、(ア)の増産に対する意識啓発。その必要性とかメリットを啓発するということ。それから、担い手への土地の利用集積。また、スケールメリットを活かした低コスト生産の推進。先ほども言いました組織化、外部化の推進ということで高能率な生産システムをつくっていくんだということ。それから、優良品種の普及なり技術水準の高位の平準化を図っていかなければいけない。それから、放牧につきましても、いろいろダニが発生するとか今では間違った考え方もございますので、そういうものに対する意識改革等も進めていかなければいけないということもございます。また、(サ)にも書いてございますように地域未利用資源の畜産的活用の促進。また、関係者一体となった増産運動が必要だということで、(セ)でもそのことの必要性が書いてございます。

こういった中身がありますが、今後さらにこれを精査して策定するということでございます。

続きまして、3番目の「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」でございますが、これは法律に基づいてつくっておるものでございまして、(1)のところにございますが、「酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律」に基づくものでございまして、酪農と肉用牛生産のマスタープランということでございます。

その中身としましては、(2)に書いてありますとおり、基本的な指針がまずございますが、生乳の地域別の需給の長期見通し、生産数量の目標、牛肉の生産数量の目標、あるいは地域別の飼養頭数の目標といった数値目標がございます。

3点目としては、経営の基本的指標ということで、望ましい経営類型というものをつくりまして、その経営類型における規模であるとか、技術であるとか、生産コストの目標とか、そういうものを定めることにしております。

また、集乳なり乳業の合理化、肉用牛につきましても流通の合理化、例えば乳業工場の再編整備であるとか、食肉処理場の再編整備であるとか、そういったものも含めまして規定してあるということでございます。

次のページでございますが、新たな基本方針をつくらなければいけないということで、本年の6月から畜産振興審議会において検討を開始しているところでございます。会長は、先ほども御紹介がございましたが、今村先生にやっていただいております。

これまで4回ほど検討しておりまして、次の12ページでございますが、これも本年度中の目途ということで今作業を鋭意進めているところでございます。審議会における主な論点ということで大きく三つにくくりまして、代表的なものを掲げてございます。

一つは、飼料自給率の向上によるカロリー自給率の向上、有機質資源の循環等の多面的機能の発揮のため、土地基盤に立脚した畜産振興が重要ではないかということ。

また、生産性も必要でございますが、ゆとりあるということで、質的な面での充実が必要ではないかということが2点目でございます。

それから3点目は、家畜排せつ物の適切な処理・利用の推進を図ることが重要ではないかと言われております。

それから、経営の指標につきましては、規模拡大は一つの方向でありますが、低コストで労働時間が少ない草地酪農のような方向も検討し、多様な類型を示すことが必要ではないかということがございます。

経営類型につきましては、基本方針の中で国がどのような施策を行う必要があるかということで、施策の集中とかそういう観点から導き出される望ましい経営の類型として示すべきではないかということの御指摘がございます。

それから、流通の合理化では、乳業の合理化の目標を設定して、乳業の体質の強化も必要ではないかという御意見。

それから、牛肉の関係では、輸入牛肉と競合する度合いが強い乳用種の牛肉がございますが、品質的には優れているので、流通の改善を図ることによってさらに普及・定着が必要ではないかということで、ロット、品質の均一化等を含めまして流通改善の必要性を主張されております。

以上でございます。

部会長 御苦労さまでございました。

それでは、会長、お願いします。

会長 今の御説明で大体尽きていると思いますけれども、また来週月曜日、13日に企画部会をやりまして、3月までにはもちろん基本方針を策定するつもりでおりますので、きょうは時間がございませんので、これで勘弁願います。

部会長 ありがとうございました。

それでは、続きまして、参考資料3の4の「果樹農業振興基本方針」について御説明をお願いします。

事務局 それでは、資料では最後でございますが、先ほどの資料の13ページをお開きいただきたいと思います。「果樹農業振興基本方針」というものがございまして、これの検討状況について御説明を申し上げます。

これは「果樹農業振興特別措置法」、昭和36年にできた法律がございまして、これに基づいて定められているものでございますが、現在、まさにここで御検討いただいております新しい基本法に基づく基本計画とバランスをとるということで、さらに改定するということで検討中でございますが、その資料の左側の下に書いてございますように、基本方針で定める主要な事項ということで、五つほど法定の事項がございます。これらについてただいま果樹農業振興審議会にて御検討いただいているところでございます。

二つだけお話をしておきますが、一つは、何で果樹だけこういう基本方針をつくるんだろうかというお話がございます。これはいろいろございますが、大きく分けて二つございまして、一つは果樹が作物の特性上、永年性作物ということでございまして、1年1年ではなくて、ある程度長期的な展望のもとにいろんな作付なり経営なり生産対策をやらないといけないということで、政府のそういう基本方針をつくって、国全体が一つの目標に向かって進んでいこうという作物特性があったということが一つございます。

それから、こういう果樹をめぐるいろんな事情がございまして、当初は、ちょうど戦後農業生産が安定してきて、果樹も一人前と言うと言葉は悪いんですが、そういう地位になってきたので何か特に考えないといけないんじゃないかと、平たい言葉で言えばそういうこともあったわけでございますが、他方、経済的に国民生活が向上してまいりまして、食生活が変化してまいりました。それなりに果樹がある位置づけを持ってくるということでございまして、そういうものを前提にしてどのような方針で臨むかということ。もっと皆さん御承知の言葉で言いますと、前の農業基本法が選択的拡大を目指してきたという背景もバックグラウンドとしては、当時の事情にあったわけでございます。

そういうことがございまして、果樹について基本方針をつくるということが法律で定められまして、その時その時で見直してきて、一番新しいものは平成7年につくられたものでございますが、さらに現在見直しを検討中でございます。

なお、資料の15ページをお開きいただきたいと思います。15ページの右側に審議会における主な論点が掲げてございます。この中で二つほど御紹介しておきますと、一番上の丸に書いてございますように、消費者の皆さんは、現在のところ消費者ニーズが健康とか安全に関心がいっておりまして、価格はどちらかというと安いものというより、値ごろ感がよければいいんじゃないかという感じになってきておるところが特徴でございます。それと国産は品質がいい。逆に言うと品質がよくなければ全然お話にならないということで評価を受けております。いずれにしても、そういうことがきちっと消費者に伝わっているのかということが一つ議論になっております。

それから、丸の三つ目でございます。ここでは品目の特徴でございますが、どうしても立地条件が必ずしもいいところではないところが多いんですが、そういう中で例えば海外と競争していくことになりますと、いろんな基盤の整備とか、上らなくてもとれるようなリンゴも背の低いものということで、わい化の栽培技術とか、あるいは表年、裏年をなるべくなくそうじゃないかとか、中の品質がレーザー光線を当てただけでわかるとか、そういう新しい品質確保のための研究もする必要があるのではないかという議論がされております。

私の方からは以上でございます。

部会長 本日は、果樹農業振興審議会会長に御出席いただいておりますので、コメントをいただきたいと思います。

果審会長 今御説明があったとおりでございますが、今年3月の果樹農業振興審議会におきまして、新たな果樹農業振興基本方針の策定に向けまして、調査検討を開始することに決めました。現在、専門委員会で検討しております。3月の果樹農業振興審議会には、果樹農業振興基本方針の策定の前提となる最近の果樹農業をめぐる情勢を議論いたしましたが、多くの委員から、欧米等に比較して我が国の食生活の中で果実の位置づけが十分でないのではないかという意見が出されました。まさにそのとおりでございまして、日本では野菜は健康に重要と思っております。しかし果実は嗜好品でございまして、食べると太ると誤解している人がたくさんおります。

このため、1人当たり消費量が欧米の半分から3分の1でございます。これが食物繊維、ビタミンC、カロチノイド、ポリフェロールなどの摂取不足になりまして、日本人の生活習慣病の多発の大きな原因となっております。

日本では既に高脂血症1,000万人と言われております。糖尿病1,500万人と言われておりますが、私の年齢でこういう病気になりましても痛くもかゆくもありませんし、大体合併症が出るのは20年先でございますから、そのころは私の寿命も尽きておりますからどうということはございません。ただしかし、今の日本では小学校の生徒の血液検査で多数の生活習慣病、またはその予備軍が発見されております。今の子供たちの多数が20年先、30歳、40歳台で廃人になる可能が非常に強いということでございます。

21世紀の日本は高齢社会です。これははっきりしておりますが、これでは年金はおろか健康保険もパンクです。日本は滅びる可能性がございます。このような観点も加えまして、21世紀の日本を救うために、果樹農業を活性化する方向づけを行いたいと考えております。 以上です。

部会長 ありがとうございました。

それでは、最後でございますが、参考資料4の「食料自給率目標についての考え方及び不測時の食料安全保障との関係」につきまして、事務局からお願いいたします。

事務局 前回のこの企画部会で、自給率目標の考え方そのものについて御議論がありましたし、また、不測時の食料安全保障との関係についての御議論があったわけですが、その際に部会長の方から、これまでの経緯を踏まえた解説があったわけでございまして、今回この3枚紙の資料では、この点につきまして改めてお示ししておきたいということでお配りしている資料でございます。

1ページ、2ページは食料自給率目標が位置づけられたこれまで数年間の経緯、2~3年の経緯でございますが、基本問題調査会で1年半にわたって議論していただいた際、両極端の議論があったわけでございまして、その際には、今後の世界の食料需給が短期的に不安定さを増すということと、中長期的には逼迫する可能性もあるという認識のもとで議論になったわけでございます。

その結果、最終的には、このアンダーラインを引いている部分でございますが、国民の十分な理解を得た上で、国民参加型の生産・消費の指針としての食料自給率目標が掲げられるならば、食料政策の方向や内容を明示するものとして意義があるとされたわけでございます。

この答申等を踏まえまして、新基本法案が国会に提出され、成立したわけですが、国会では修正が行われ、国内農業生産については増大を図ることを基本とするということと、それから、食料自給率の目標については、その向上を図ることを旨とするということで、右側に修正点が書いてありますが、アンダーラインのところが修正になりまして、その結果2ページのところにありますように、新基本法においては、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入、備蓄とを適切に組み合わせて行うということと、それから、基本計画の中で、自給率目標は、その向上を図ることを旨とし、生産、消費に関する指針として、関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めることとされたということでございます。

それから3ページでございますが、これは不測時における食料安全保障との関係でございます。(1)にありますけれども、この右側の上に書いてあるレベル1、2、3については、第1回のときに御説明したのを前回第4回の資料では省いてしまいましたので、わかりにくかった点があったと思いますが、不測の事態としては、国内外における単年度の不作といった短期的なもの、ここで言えばレベル1から、国際的紛争による輸入の大幅な減少、あるいは輸入の途絶、レベル2とか3といったものまでかなり様々なレベルがあり得るわけでございまして、そうした事態においては、熱量の高い作物への生産転換で、国民に必要な最低限の供給熱量を確保する必要があるということでございます。この場合には、食生活には相当程度の影響が出ざるを得ないというわけであります。

その上で、そうした不測時の食料安全保障と食料自給率目標を策定してやっていくということとの関係について、右下のところでチャートでお示ししておりますが、食料の安定供給の確保という基本理念、この中には平時の安定供給と不測時の食料安全保障と二つあるわけでございますが、この平時につきましては、前回も御説明いたしましたとおり、自給率目標を策定して施策に取り組んでいくということは、平時を前提として行うものでございまして、平時の食生活、平時の需要を前提として行うわけでございます。

自給率目標の実現に向けて、国内農業生産の増大を、需要に即した形でやっていくという取り組みを平素からやっていくことによりまして、長い四角で囲んでおりますように、農地、担い手、技術という食料供給力の確保・強化が図られて、食料自給率目標の実現に向かっていく。こういう左側のラインが自給率目標を定めて施策を行っていくという、こういう平時を前提とした流れでございます。

下から2番目の長い四角のところで、この食料供給力の確保・強化が、平素からの取り組みによって行われることによりまして、右側のラインとしての不測時の食料安全保障として、不測の事態が起こった場合には、この供給力が涵養されていることによって、不測時の生産転換等が円滑かつ確実に実施されるという脈絡になっているということでございます。

次に、ちょっと資料はないんですが、この参考資料4にも関連いたしますが、前回の部会におきまして、食料自給率の向上については、この審議会の議論を含めて積極的にPRを行い、国民的議論を深めていくことが重要だという御発言が委員の方からあったわけでございますが、これに関連いたしましては、私どもはこの審議会の御議論の内容について、発言された方々のお名前は伏せておりますけれども、すべて公表させていただいておりまして、インターネット上でも公表しております。

それから、来年の1月下旬ごろには、基本計画の骨子案をこの部会にお示しして御議論いただくことにしておりますが、その際にはインターネット上の当省のホームページでも御紹介して、国民の皆様からの御意見をいただくことを予定しております。

さらに、食料自給率、食生活等の問題につきましては、本年3月に設立されておりますが、農林水産団体、消費者団体、学識者をメンバーとして設立されております「食料・農林漁業・環境フォーラム」というものがありますので、これとか、この後、食品流通局の方から御説明のあります「食を考える国民会議」を通じて、なるべく多くの方が関心を持っていただくように、国民的な運動の展開についても努めていきたいと考えております。

また、来年この自給率の目標を含む、今御議論いただいております基本計画、あるいは食生活指針が策定されれば、その段階で私どもとしても各地の関係者が積極的に取り組んでいただけるよう、趣旨、内容についてブロック会議の開催を通じまして広くPRしていきたいと考えておりますので、御紹介させていただきました。いずれにしましても、これらの点につきましては委員の皆様にも御支援をよろしくお願いしたいと思います。

以上でございます。

部会長 もう一つございました。参考資料5の「食を考える国民会議」につきまして、事務局から御説明をお願いします。

事務局 資料説明の最後でございます。参考資料5でございます。

「食を考える国民会議」でございますが、1の(2)にございますように、先日御説明しました食料・農業・農村基本法に基づきまして、食料消費の改善、あるいは農業資源の有効利用に資する観点から、健全な食生活に関する指針を策定するようになっております。この指針につきましては、きょうは御欠席でございますけれども、専門委員を座長といたしまして、現在、食生活指針検討委員会で検討を進めております。年度内に取りまとめる予定でございます。

これは、健全な食生活につきましての国民に対するメッセージでございまして、政府一本のものとするということで、厚生省等と調整を進めているところでございます。

これの普及なり情報提供を進めようというのが、この「食を考える国民会議」でございまして、民間団体等とも連携して進めていこうということでございます。

一番最後にありますように、本年12月17日に設立することを考えておりまして、2ページに参りまして、この建物の7階講堂におきまして、木村尚三郎代表による基調講演、あるいは共同アピールの採択等を行う予定になっております。

今後、情報提供、あるいは各種のフォーラム、シンポジウム、消費者、特に子供向けの農業・農村体験、調理体験教室、家庭での調理実践支援等の活動を実施することとしております。

また、構成員は広範な範囲を考えておりまして、既存の類似団体とも連携することを考えております。

以上でございます。

部会長 ありがとうございました。

政務次官におかれましては、公務の関係で御退席になられますので、お忙しいところ、ありがとうございました。

 

質疑

 

部会長 以上で説明が終わりました。大分盛りだくさんであったわけでありますが、今までの御説明につきまして、意見の交換を行いたいと存じます。

本日は、これまでの企画部会における論議を踏まえてさらに議論を深めていただくということでございますので、まず、資料1の「これまでの企画部会における論議の概要」ということで、今までの論議を農林省の方でおまとめいただいたわけでありますが、これにつきまして、もう少し言い足りなかったところはないかという意味での御意見等ございましたら。それからもう一つは、資料2の今考えられております「食料・農業・農村基本計画の構成(案)」につきまして、最初に御議論をいただきたいと思います。

どうぞ。

委員 資料2について、私これを見させていただいて、この背景にどういうことがあったのかちょっとよくわかっておりませんし、それから、特に農村について議論したときに私は欠席しておりますので、その点も含めて私の理解が不十分ではないかということも恐れながら意見を言わせていただきたいと思います。

私の申し上げたいことはこういうことでございます。従来の農業に関する基本的な計画から、今般、食料・農業・農村基本計画に大きくその法律が改正され、計画の改定が行われることになった背景としては、一つには食料自給率に基づく国内の食料供給能力の強化に対する具体的な指針を定めること。それから、農業、農村の持つ多面的な機能並びに自然循環機能の観点から、農業の持つ役割を再度評価すること。それから、農業だけではなくて、都市等との関係も含めた農村空間、国土空間における重要性にかんがみその基盤の強化を図っていく、こういうことであったのではないかと思われます。

こういう観点からこの基本計画の構成目次を見ますと、最初の食料自給率の目標については、私は大分議論にも参加させていただいてこれはこれで一つ、これからどういう書かれ方をするかは別にして、バランスのとれた構成になっているのではないかと思うんですが、3の中で書かれている事柄を見ますと、とりわけ3の(2)の中に、従来の農業振興施策と新しい農業振興施策、多面的機能の発揮が含まれているように思われるわけですが、実際のここの中で施策項目としては、自然循環機能の維持増進に関し必要な施策というふうな形で、これもほかにいろいろなところが含められているという理解もあるのかもわかりませんが、私はどうもこれだけ見ると、従来の施策を大きく転換したというふうな印象を持ち得ないので、ここら辺の少し新しい施策についての書き込みを十分図るべく、構成全体のバランスを再構成していくことが必要ではないかという印象を持ちました。

それから、農村の振興にかかる施策ということで、これは農村、中山間、都市と農村交流ということになっておりますけれども、これもこのようなものだけではなくて、もう少し国土計画的な視点から、農村の新しい役割等も踏まえた、従来の農業施策にとどまらない大きな施策の枠組みの展開が必要だと思いますので、「総合的な」という形の言葉でくくられておるわけですけれども、もう少しこの辺の具体の中身が明らかになるような形で今後書き加えられていくことが望ましいのではないかと思います。

私の申し上げたいことは、先ほど来申し述べたことが私の理解が間違っていなければ、ちょっと新しい施策という観点での基本計画の構成において、やや問題があるのではないかということを申し上げたいわけでございます。

それからもう一点でございますけれども、そういうふうな新しい認識を持つに至ったことに関して様々な国の他の施策の振興というのがございます。これは例えば国土計画の中で、農村を新しく多自然居住地域として見直していくという観点での物の見方でありますとか、あるいは環境基本計画においては、自然と人間の共生する新しい地域づくりの観点で議論がされておりまして、そういうものとしていわば農村の果たしている役割が非常に強調されてきております。

また、中でも私ちょっと議論ができればもう少しされていいと思うんですけれども、例えば自給率等の問題、あるいは中山間地域等の問題になりますと、森林資源の利用との関連性について、より明記しておく必要があるように思います。私もちろんこれは農林水産省の基本計画ということは十分承知しておりますので、それについて行政間の仕切りが必要だということがあるならば、少なくともそれらとの連携という形での記載が今後検討されてしかるべきではないかと思いますので、その点について先ほどの点も含めて、もし今の時点で私の思い違いであれば御指摘いただきたいと思いますし、また、何らかの形で御回答いただければと思います。

部会長 ありがとうございました。

どうですか。

事務局 ただいまの御意見、御趣旨につきましては、御趣旨として承らせていただきたいと思いますが、まずこの構成(案)につきましては、この大きなくくりとしての構成(案)という形でお示ししているわけでございますが、例えば3のところの(1)の食料、(2)の農業、(3)の農村、(4)の団体といいますのは、それぞれ今の新しい基本法の体系の中で、例えば担い手の問題、技術の問題、食品生産の健全な発展等々、いずれも基本法の中できちんと位置づけられて、必要な施策を講ずべきとされている項目でございます。基本的には基本法の体系に沿った形で、これについては書き込まざるを得ないという項目を整理しておりますので、おのずとこれから、これに即して骨子の形で来年お示しするわけですが、肉づけする過程でいろいろと考えていかなければいけない点はあると思います。ただ、この項目いずれも基本法に即した形のものでありますし、割愛することのできない項目ですので、少なくともここに書いてあるような項目につきましては書き込んでいくという意味で、構成(案)ということでお示ししているということを御理解いただきたいと思います。

部会長 内容については、委員のような理解でさらに努力するということでよろしいんですか。

事務局 委員の御意見も十分踏まえて検討させていただきたいと思います。

部会長 よろしいですか。

どうぞ、専門委員。

専門委員 これは1、2、3、4という区分になっておるわけですが、2番目のところの(2)に「消費の基本的方向と望ましい消費の姿」という目標があるんですが、3になると「消費」が消えてしまっているんです。そしてこれは恐らく個人に、あるいは人間に、何を食えということは言えないということが背景にあると思うんですが、消費の姿を望ましい方向に変えていくための施策が現実に具体的に、しかもかなりたくさんあるということを考えると、ここに望ましい消費の姿を実現することに関する施策というものがあるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

事務局 消費に関しましては、この3の(1)食料についての施策の1番目のところでございますが、「食料の安全性の確保、品質の改善」と例示はされておりますけれども、それも含めた食料消費に関する様々な必要な施策については、ここの「食料の安定供給の確保に関する施策」の中できちんと書き込む方向で検討させていただきたいと思います。

専門委員 何となくウエートがちょっと弱いような、低いというか、どうしても供給側に寄っているような感じ、印象を受けますが。

部会長 ありがとうございました。

いかがでございましょうか。どうぞ。

専門委員 若干質問と関連してのことだと思いますが、参考資料の1に「農業経営及び農業構造の展望の基本的考え方」ということで整理されて、今回お出しになっているわけであります。その中で全体の論調とも関連するんですが、4ページの右上の表に「農業専従者がいる農家等の数」というふうにしてありますし、そういう観点で含まれておるのかというふうに思います。それから、全体として「効率的かつ安定的な農業経営」という観点で整理されておりますので、多分含まれているのかというふうに思いますけれども、法人なり多様な生産組織を多分含めておられるだろうと思いますが、我が国の農業構造を考えるときに、法人化なり、そうした法人化した組織だけではなくて、営農組合、受託組織、集落組織と任意の多様な組織を考えていかなければなかなか進まないと思っておりますので、その点はお考えのことだろうと思いますが、御確認しておきたいと思います。

部会長 どうでしょう。

事務局 4ページの右上のタイトルについての件ですが、この「農業専従者がいる農家等」の等は、農家等ということではなくて、農業専従者がいる農家、それから、そのうちの65歳未満の専従者がいる農家、この下の三つのくくりでくくっているものもあるという意味で「等」と書いていると。この点についてはそういう趣旨でございます。

それから、農業経営につきましては、基本法の第22条のところで書いてあるわけでございますが、専ら農業経営を営む者、その他経営意欲のある農業者が創意工夫を生かした農業経営を展開できるようにすることが重要であるということで、家族農業経営の活性化を図るとともに、農業経営の法人化を推進するために必要な施策を講ずるということになっておりますので、そういうことも踏まえて、効率的かつ安定的な農業経営が大宗を占める構造として描いていくということになっていると考えております。

部会長 よろしいですか。

専門委員 済みません、私の聞き方も十分ではなかったと思いますが、要は今おっしゃったことの中で、我が国の農業の将来構造を考えるときに、例えば営農組合や受託組織、集落組織等の任意の多様な組織も、きちっと念頭に置いていますよということでいいんですね。

事務局 そういうことでございます。

部会長 あと、いかがでございましょうか。どうぞ。

専門委員 座長さんの方からは資料1、2ということですが、今、専門委員の方から出ましたので関連的な意見として述べさせていただきたいんですが、今の参考資料1の「農業経営及び農業構造の展望の基本的な考え方」に、生産の現場人として我々は非常に興味があるんです。これには、効率的、安定的な農業経営体はどういうものかと今からお示しになると思うんです。それと、これらの農業経営が農業生産の相当部分ということでお示しになるとき、いろんなデータをチェックすると思うんですが、私どもは法人で経営して経験を30年積んできた中で、ここで労働問題とか労働時間の問題が出ますが、現実ここまで担い手がきたということを踏まえてぜひチェックしていただかないと、また同じことの繰り返しで、担い手は減っていくだろう。

というのは、データのとり方なんです。特に今我々は若者を見てみますと、前からくどく言っているように、家という概念から個人という、若者ですから経営管理費というものをきちっと農業経営の中に入れて価格形成の中に位置づけませんと、家だから親子だからということを嫌って担い手は農業を離れていったと考えても過言ではないと思うんです。やはりそこに就業時間、日曜日、すべてそうしたものをきちっと。他産業並みというのは、週2休制で朝8時から夕方5時までで相当の所得を上げていらっしゃるので、1時間当たりの給与所得というものを見られないと。農業はデータ的には、農家がどこまできちっとしたデータをつけたものを皆さんが集約なさっているかというのはちょっと気になるんです。

現実にその話は随分やってきました。けれど、担い手が。結果的には、随分農業というのはもうかっていいように見えるデータが出ているんだけれども、この現実というものをここで。さっきも出たように、この新政策というのはそこをどうするか。本当に将来、21世紀の食料自給率はそこにかかるわけですから、ぜひ管理費等も。家族経営は要らないよということで見ますと、大変もうかったようなデータが出ちゃうんです。

ところが我々法人でやりますと、就業規則が絡みますし、労働基準法が絡みますと、家族経営ですと2人でできるものを4人持ってこないと日曜日がとれないんですよ。特に酪農は。そこも入れてぜひデータをチェックするときがきていると考えますので、データをおつくりになるとき、もうチェックなさっていると思いますが、考慮願いたいということでございます。お願いします。

部会長 ありがとうございました。

どうぞ。

専門委員 1番と2番ということで、2点ちょっとこれはお伺いになるかと思いますけれども、この「効率的かつ安定的な農業経営の概念」につきましては、新政策でも示されましたときに、我々もこういうことでいいなと思っていましたが、ただ今の御意見もあったんですが、そういう感じが必要だと思います。この生涯所得を見るときに、一般的には賃金統計のときは、給料と退職金と年金で生涯所得を計算していますので。そういう概念で今回も見られるのかどうかというのは一つどうかなと。年齢とかここに掲げられていることはいいと思います。そういう観点が取り入れられるのかなというのが一つ、これは御質問みたいな格好です。

それからもう一点は、望ましい農業構造。この資料2でいけばどっちに入るのかよくわからないんですけれども、今の効率的、安定的農業経営を中心とする農業構造と、もう一方土地利用も含めて、ホビーだとかクラインガルテンがこれから発展すると思いますけれども、農村計画的な観点での望ましい農業構造は全体的にはある。ほかの施設も含めて。そういう農業構造としてとらえているとすれば、これはこの資料2でいくとどこに入ってくるのか。そういうとらえ方をしてないと言えばそれでいいんですけど、農村計画的に見た場合、農村の振興なのか、望ましい農業構造の確立の中でやるのか、その辺ちょっとお伺いしたいと思います。

部会長 どうでしょう。

事務局 1点目の生涯所得のとらまえ方についての御意見ですが、とらまえ方は、具体的にどうするかはこれからやることになると思いますが、基本的には賃金、退職金、年金を総体としてとらえていくということで御理解いただいて結構だと思います。

それから、ただいまおっしゃったクラインガルテン等については、基本的にはこれは効率的かつ安定的な農業経営が相当部分を占めるということで、日本の農業を大きく支える経営の構造が10年後の平成22年度にどうなるかということを主に構造展望しようというものですので、全体の中で経営体がいろんな形のものがどうなるかということはありますけれども、主体は今申し上げたものでございます。

部会長 どうぞ。

専門委員 二つあるんですが、一つは「農業経営及び農業構造の展望の基本的考え方」という参考資料の方は、位置づけがどういうふうな感じになるのかなという感じがするんです。外からこの基本計画を見てますと、恐らくいろんな施策が講ぜられる。そうすると結果としてそれを農家の庭先なり、法人でもいいんですけれども、まとめた場合にどういう姿になるのかというのは、農林省の中におられる方と違って、いろんな農家の方とかいろんなことが知りたいんだろうと思うんです。

それから、施策を行われるような方はこういった経営を頭に描いて、それぞれ大豆の振興とか、果樹の振興とか、消費だとか、いろんなことをお考えになるものとして参考という格好で考えるものなのか、計画の中に具体的に農業経営というのがどこかへ出てくるのかというのがちょっとわからないので御質問したいと思います。

それからもう一つは、基本計画のプログラムというのが今例示されているんですけれども、プログラムというのは、いろんな施策でそれぞれ分担されて大変精緻なものが恐らくできて、それを逐次やっていかれるんだろうと思うんですが、基本計画そのものというのはどの程度のことを示すのかというのがなかなか判断がつかないところがございますので、この次に具体的なものが出てくればだんだんわかってくる話ではありますが、何かこのようなイメージというのがありましたら教えていただければありがたいと思います。

事務局 1点目についてでございますが、この「食料・農業・農村基本計画の構成(案)」のところで、2の(3)に「生産の基本的方向と生産努力目標」というのがありますけれども、生産努力目標、課題を設定して、それに目標を立てて努力していって、その結果として自給率の目標に近づいていこうということでやっていくわけですが、その際にそれを支えるものとしていろんな形での農業経営、相当部分を占めるものとしての農業経営がどういうふうにそれを支えることになるか。それから、その構造がマクロとしても相当部分を占めるものになっていくかどうかということを、いわば将来の姿を検証する意味で参考的にお示しするという位置づけだと御理解いただきたいと思います。

それからもう一点は、プログラムにつきましては、今回、基本計画の具体的な実施のプログラムはどういうことになるかということで参考例として一つお示ししたわけですが、いずれにしても基本計画自体については、年明けに骨子案ということでお示しさせていただきたいと思います。

部会長 どうぞ。

委員 食料の需給について今までいろいろ御論議されて一つの姿が出てきているわけで、現場にいる私としては、これでやらなければいけないんだなという強い意識を持つわけなんですけれども、ふと自分の周囲を見るときに、待てよと、この考え方を実際遂行する農業者がどれだけいるんだ、本当にやっていけるのかなという実は不安にかられているんです。これは5年ごとに見直すという考え方でありますけれども、これから5年の間、いわゆる農村に働く方々の人数とこの計画の整合性をどう見ているのか、ここのところをちょっと教えていただきたいと思います。

事務局 今回この経営展望、構造展望の考え方をお示ししているわけでございますが、この基本的考え方について御了解いただければ、これに基づいて実際にどういう形で構造展望なり経営展望がなるかということについては試算いたしまして、具体的な形でお示ししたいというふうに考えております。

委員 そうしますと、現時点ではこれを遂行するための具体的な手だてというところまで入ってなくて、デスクプランという整理の仕方なんでしょうか。

事務局 それは先ほどちょっと申し上げましたけれども、これはまさに基本計画の中で生産努力目標なり課題を設けて、それに向けて施策を集中してやっていこうということとのセットとして姿を描いていくということですので、これが机上のプランということではなくて、具体的な施策をセットとして基本計画の中で実施していくのに合わせて、その将来展望の姿がどうなるかということで、これは示すということでございます。

委員 お願いですけれども、そのときに、やはり何と言ったってどんなに技術革新があっても、そこに働く人がいなければこれはどうにもならない問題でありますから、その後継者ということがいろいろ論議されているようですけれども、そこに働く方々をどう確保するか、そのために、この食料・農業・農村に関する施策についての基本計画の中に、国全体の問題としてとこのようにとらまえ整理されているんです。

あわせて、国全体というときに、やはりこの食料問題は一人農民の問題ではなく、国民1人1人の課題なんだ、重要な問題なんだ、この認識を全国民がすることによって、いわゆる食料の大切さ、結果的に需給につながる、自給率の向上につながると私は思いますので、そのこともあわせてお願いしたいと思います。

事務局 まさにおっしゃるとおりでございまして、この経営展望なり構造展望を示す意味も、担い手がきちんと入ってくるような魅力のあるものとして位置づける必要があると、そういう意味で意味があるということで、目指すべき姿として描いて、全体の基本計画との体系の中で示していこうということですので、御趣旨は踏まえてやっていきたいと思います。

部会長 ありがとうございました。

専門委員 まず、構造展望の話が少し話題になっているようでございますので、非常に細かな話で恐縮でございますけれども、展望の示し方として、単なる過去の趨勢を伸ばすだけではなく施策の効果も踏まえて示すこと、このこと自体私は特に異論はないわけでございます。先ほど御説明いただきましたように、検証するんだということもあれば、趨勢も示すことができるものについては示しつつ、さらに施策の効果として、これだけ期待したいということを併記することがいいのではないかと思います。もう既にそういうおつもりなのかもしれませんけれども。

それから、最初の資料2の2の(2)、先ほど専門委員が御指摘された点でございますけれども、私は内容的には専門委員のおっしゃったように、それなりのウエートのあるものとしてお示しいただければと思うわけでございますけれども、同時に、これは言葉の表現でございますけれども、消費の基本的方向とか、望ましい消費、この「消費」という言葉が出るのはやや即物的な感じがしまして、食生活というぐらいの方がいいのではないか。もう少し周辺のいろんな事項も織り込んだ上での今までの議論だったというふうに思いますので、ちょっとここは固いといいますか、即物的に過ぎるというのが私の印象でございます。

それから、これはこの基本計画に絡めるとすれば、恐らく3の(1)の不測時の食料安全保障ということになるのかもしれませんが、これまでの議論の中で、議論のまとめは資料1でございますか、4ページの一番下のところ、これは前回の議論であったかと思いますけれども、1日当たり1,760kcalの熱量が供給できるならということで、ここにもございますようにその評価は割れているわけでございます。私もここは非常に微妙だと思いますけれども、この数字の評価そのものは別として、また目標として掲げようという意味合いでは決してないということを前提にお話ししたいわけでございますけれども、特に食料安全保障ということになりますと、この意味での絶対的な供給力が一番大事なポイントになると思うわけでございます。

この種の計算につきましては、私の知る限り過去にも何年かに一度、10年に一度、最近はもう少し頻繁に行われているわけでございますけれども、この際どうでしょうか、もう少しこれをオーソライズするというか、この計算はなかなか大変な計算だと思いますし、また、数字が一人歩きするとなかなか難しい問題があるということも承知しているつもりでございますけれども、やはりこういう計算の方法と、こういうデータに基づいて計算してこういう格好になると、これをある期間ごとにモニターしていくことが、特に食料安全保障から言うと必要ではないかと思います。

部会長 どうぞ。

専門委員 ただいま出されている意見のように、全体的にこれは今度の基本計画が農業の問題ということに限定しないで、基本計画の構成(案)の最初に2行書いてある内容なわけなんですけれども、ずっと並べてみると、何となく3の(2)の「農業の持続的な発展に関する施策」の項目の方が数が多いというイメージもあるのかもしれませんが、国民的な問題としてやるんだというところは、きちっと見えるのかなというのがあると思うんです。

これは意見をまとめられた中でも、国民にわかりやすくPRすることが必要だとか、積極的なPRが必要だとか、食生活の見直しについてももっとアピールすべきだとか、いろんな方法をこれからやらなければいけないと思うんですが、そういう点から言いますと、食生活の問題とか食料の問題がかなりのウエートを持って位置づけられるように、見えるようにする必要があるだろう。その上で生産というもの、あるいは農業の多面的な機能を発揮できるような構造なり仕組みをどうつくるか、こういうふうにつくられていくんだろうと思いますが、これは項目だけですし、プログラムの例を見るだけで私はちょっとイメージができないところがありますので、わかりやすくするということだけをちょっと要望しておきたいと思いますし、アピールするという点を考えますと、非常に膨大な資料をつくってしまうと国民へアピールするという点で難点がある。しかし、余り省いてしまうとよくわからないという問題があるので、それは非常に苦労を要すると思うんですが、アピールするものは簡単な国民受けのするようなことを頭へ置いて提案をお願いしたいと思います。

以上です。

委員 今のお話で私さっき言ったことと関連して申し上げますと、私も少なくともここに書かれていることは法律に明記されたものとして必要だということを否定しているつもりはないわけであります。ただ、今までも私ちょっと農林水産省はへただと思っているんです。施策の転換を一生懸命実態としてはどんどん変えておられるんですね。例えば集落排水で非農家を取り込んだりというのが土地改良事業の中でやられてみたり。ところが、外に出て行くときには農業土木関連事業の予算が増えているというふうなとらえられ方をして、実態としてすごく変わってきているにもかかわらず外からは十分理解されない。 それと同じように、今回せっかく食料・農業・農村基本法をつくって体質を変えるんだ、計画もつくるんだということで、それを明示的大綱でアピールされたんですから、その成果がものすごく変わったんだという印象を与えた方が得だと思うんです。そういう点でやや私は不満があったんですけど、それはしかし先ほどの御説明で一応私も納得したんですが、ただし今のような話もあるので。これが社会に出て行くときには多分パンフレットなどがもっと表に出て行きますね。そういうものをもっと積極的に活用されたらいいんじゃないかと思いましたので、あえてつけ加えさせていただきたいと思います。

それからもう一つ、済みません、きょう風邪引いて声がハスキーになっているんですが、気になっているのは、政策矛盾が出てくるものがあるんじゃないかということなんです。例えば飼料作物について、この自給率が低いということで何かをしろということと、それから、自然循環系機能を維持しようというのが、現時点でもしかしたら矛盾することがあるかもしれないですね。

それから、生産性を向上するというのと、中山間地域で直接支払いでやっていって、棚田とか美しい風景を守っていこうというのは矛盾する可能性は大いにあるわけです。そうすると、どこかで政策を地域単位とか類型単位ごとに統合していくことが必要なのではないか。つまり食料・農業・農村を一体的に考えていって、ここのところは食料の基地、そして農業生産性の向上、いわゆる農村としては米作でやっていくというような一つの系列。こっちの方は余り需給に貢献しないけれども、多面的な機能を十分発揮して都市の交流をやっていくとか、その辺のことがどこでどう書かれるのかというのが、これは全部縦に割った三つの話ですけれども、それを横につないだ話が多分出てくることが必要なんじゃないかと思うので、その辺もぜひ工夫していただければと思います。

部会長 ありがとうございました。

委員 ただ今の前半の御意見に共通することなんですけれども、ずっとこの会議に出させていただいて、本当に食料・農業・農村というふうにこの新農基法が変わったということは大変大きな変化だと思うんです。そして私が現実に全国を回って、この新農基法ができたことをどのくらい御存じですかと伺っても、正直申し上げて生産者側でも知らない方が多いんです。なおかつ具体的に理解している方が非常に少ないということは現実でございまして、そういう中で国民の合意という言葉がございますけれども、本当にどれほど国民に理解されているのか、さらに理解されていくにはこれからどうしていったらいいのかということを踏まえてお話を伺っておりますと、かなりこれはわかりづらいなというのが現実でございまして、「くらしといのちの安全、安心の確保」という言葉でくくってございますけれども、本当に国民全体の文化としての農業というとらえ方では、どのように訴えていくんだろうか。

農業人口が衰退していることも事実でありますけれども、逆に新規参入者やUターン組が増加していることもあります。それから、志を持った若者が農業の未来に対して信じて参画しようという方も多いわけでございますので、私はこれはお願いでございますが、先ほどの御意見と同じなんですけれども、例えば自給率の数値を上げるにしても、だれがどのようにやっていくのか、そして達成していくのかということが、数値ではよくわかるんですけれども、理論も私は十分できてないのかもしれないんですけれども、現実にやる人にとって見えづらい。心に響かないと言っていいんでしょうか、そういうことが農村で働く人たちに、今後どのようにきちっと心に響くような形で訴えていくのかということが大事なんじゃないか。

そして、いい形できちっと種をまいていただかないと、現実には農村においては土になじまないというのが実感なんですね。ですから、こういうところで議論することはとても大事なことなんですけれども、落とし込んでいくときに、その土に解け込むような言葉をもっともっと練って言っていただかないと、国民1人1人にはなかなか訴えられないのではないかか。

先ほど、PR、インターネットとおっしゃいましたけれども、確かに私もやっておりますけれども、現実には農村の人がどれだけインターネットをやっているかといったら、かなり行政間ではやっていても、農民1人1人が全員がインターネットをやっているわけではなくて、もっともっと新聞であるとか、テレビであるとか、ラジオとか、雑誌とか、そういう平たいものの普通の目につく形での、それも心に響く言葉で国民の感覚としてきちっととらえていただけるような表現をさらにこれからやっていただけると、私は文化としての農業というのは、山積している農業問題に関してもうちょっと合意が得られるんじゃないか。

正直なところ、本当にここ半年間回っていても、新農基法が変わったと、しかも食料・農業・農村になったのよと言っても、その意味がまだ理解されてないというのが現実でございますので、これを表現するときにはその辺のところも十分に御理解いただいた上でやっていただけたら大変ありがたいなと思います。

部会長 ありがとうございました。

それでは、今は一応資料1と2を中心に御議論いただいたわけでございますが、さらに参考資料も全部含めまして全体として御意見をいただければと思います。

専門委員 私の発言に対して同じような御趣旨の発言がありましたので、もう一回同じようなことを申し上げてまことに恐縮なんですが、「食料の安定供給の確保に関する施策」の中に、「食料の安全性の確保、品質の改善等食料消費に関し必要な施策」というのがあるんですが、これはあくまで供給側から見ているんですね。需要の側から見たときに、大体マーケティングという考え方が製造業の方では1955年ぐらいから日本にドーッと入ってきて、そのときの一番革命的な変化が供給側ではなくて需要側から見るんだということで、かなりみんなびっくりしたわけです。これは簡単なようで頭の切り替えはなかなか難しいんです。どうしても供給者は供給者の側に立った仕事。

端的に言うならば、農林水産省でなくて食生活省だったら同じこの基本計画についての構成の案ができるかというと、恐らくこういう構成には全くならないのではないか。食生活をどうするかというところからスタートして、その食生活に対してどんな食料を供給するかというのが説き起こされてくるということで、順序は完全にそういうふうになるんじゃないかと思うんです。

これは今までのいろんな経緯もあり、また、持っておられる情報等のことからいっても、いきなりそうするのは難しいにしても、やはり食生活省的なものを加えるということで、この食料安定供給の確保の中に食料消費、あるいは食生活を入れるのではなくて、食生活に対してどう働きかけていったらいいんだろうかというのは、何とか別立てにしていただくべきではないかという感じがいたします。全く同じことを申し上げて恐縮です。

総括政務次官 私が発言するのは不規則なんですけれども、今のお話を聞いてちょっと私もメモしていたんですよ。これが農林省じゃなくて食糧庁ということだったら、どういうふうなことになるだろうか。全く同じことを考えていたわけなんです。実は生産者はイコール消費者でもあるわけですね。そういうふうに考えますと国民全員が消費者なんですよ。そういうふうな面から考えなければならない面もあって、幾ら自給率を上げて生産がそこまでいったとしても、消費されなかったら、食べてもらえなかったらこれは何の自給率だからわからなくなるということだから、私はこれは前々から、私がこちらに就任したときからいわゆる食の問題について、食べる方の問題について農水省は並列に考えろと、そうでないといけないよということを何回も申し上げたんですが、全く同感なんですね。ちょっと差し出がましいんですが、私はそういう感想を持っております。

部会長 どうもありがとうございました。

どうぞ。

専門委員 資料2番に戻って恐縮なんですが、3番の(4)の「団体の再編整備に関する施策」ということで、黒ぽちで「食料、農業及び農村に関する団体の効率的な再編整備に関し必要な施策」と書いてあるわけです。団体の再編整備の必要性については、さきの部会の資料でも整理されておりましたとおり、不十分ながら実践に移しているというふうに思っております。

ただ、率直に言いまして農協の場合、再編整備はどちらかというと経済社会、環境変化に経営の視点からどう対応するかという観点が強いと思っております。余り公の場で披瀝する話ではありませんが、こういう形での再編整備の中で、例えば現場ではどんなことが起こっているかということになりますと、広域合併したはいいが地域と組合員との結びつきが弱まったじゃないかとか、地域の農業振興を果たすべく営農指導が弱まっているんじゃないかとか、それから、我々は生産調整なり転作に一生懸命に組織を挙げているわけでございますけれども、その事務作業に追い回されてもうほかに手が出ないぞという声であったり、さらに御案内のとおりの経営環境でありますから、賦課金で成り立つといいますか、ほかからいろいろ賦課してもらって、金を回してもらって成り立っております営農指導事業が大変弱体化する、ないしは営農指導員自身が事業推進を図らないとやっていけないとか、そういうことが生じているわけです。

もちろん今言ったような否定的な話ばかりではありませんで、広域合併の中では営農センターを中心にしながら目を見張る効果といいますか、地域農業振興上、役割を果たしている合併農協もあるのも事実なんです。これだけの食料・農業・農村の基本計画を今後実践していく場合に当たっては、我々団体の役割は大変大きいと思っておりますし、より自覚を高めていかなければいけないと覚悟しておりますけれども、実態が伴うのかという心配を大変しているところがあります。

そこで、ここの整理でありますけれども、「食料、農業及び農村に関する団体の効率的な再編整備に関し」ということになっているんですが、観点がちょっと違うのかと思うんです。ここでは云々に関して役割、機能の発揮を目指す再編整備ということでないといけないのじゃないかと思っておりまして、これが第1点です。

それから第2点は、単なる合理化という視点だけではなくて、地域農業振興に力を発揮すべく関係団体の連携強化、再編、統合という観点もおのずから必要になってくるのではないかと思いますので、単に効率化という観点だけでない視点を施策展開してもらわないと、推進の実践部隊がおぼつかないのではないかと思います。

部会長 やや具体的な話なんですけど、お答えすることはありますか。

事務局 これから検討していく中身でございますので、ただいまの御指摘を踏まえてやらせていただきたいと思います。

部会長 ほかにいかがでございましょうか。

ほかに特に御議論がなければ、問題が残っていればこの次の企画部会でまたいろいろ出していただくということもございますので、そろそろ予定の時間も参りました。農林省の方から何か今までのことでお答えすることはございますか。

事務局 先ほど委員から幾つか御指摘があったわけで、構造展望について趨勢も検討してはどうかということでございましたので、私どもはこの資料に書きましたとおり、施策の効果を踏まえた形でやるのが望ましいということで検討しておりますけれども、その趨勢のことについてもやれるかどうかも含めて検討させていただきたいと思います。

以上でございます。

部会長 特によろしゅうございますか。

それでは、そろそろ時間もきましたので、本日はこれをもって議事を終了させていただきたいと存じます。

次回第6回の会議のスケジュールでございますが、来年の1月24日、月曜日、午前10時から12時30分まで、場所は本日と同じ第2特別会議室を予定しております。正式には改めて事務局から御連絡を申し上げることとなっております。次回は、基本計画の骨子案につきまして御審議をいただくことを予定しておりますので、お含みおきいただきたいと思います。

それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうも長時間にわたりまして、ありがとうございました。

 

閉会