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食料・農業・農村政策審議会 第8回企画部会 議事録

食料・農業・農村政策審議会 第8回企画部会速記録

平成12年2月14日

於・農林水産省第二特別会議室

農林水産省

 

 

 

開会

 

 

部会長 おはようございます。時間になりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会の第8回の企画部会を開催いたしたいと思います。

 

 

資料説明

 

 

部会長 それでは、本日はまず、主要な論点でございます食料自給率に関連をいたしまして、消費及び生産のすう勢と今後の課題について御議論いただきたいと思います。

 

このことにつきまして、事務局から資料No1、食料消費のすう勢と今後の課題、資料No2、国内生産のすう勢と今後の課題、資料No3の消費と生産のすう勢試算値が提出をされておりますので、企画室長から説明をお願いいたします。

 

また、前回の部会の御議論を踏まえまして、参考資料といたしまして「農業経営の展望(案)」につきましての資料が再度提出されておりますので、あわせて室長さんから、追加事項等を中心に簡潔に御説明を願いたいと存じます。

 

それでは、室長さんお願いします。

 

事務局 おはようございます。それでは、資料に即して御説明を申し上げたいと思います。

 

まず、資料No1の食料消費のすう勢と今後の課題についてでございます。1ページをお開きいただきたいんですが、まず食料消費につきましては、これまでの食料消費の推移を全体として見てみますと、これまでも御説明してまいりましたけれども、我が国の食料消費は、昭和50年代ごろには、平均的に栄養バランスのとれた日本型食生活とも言うべき、健康的で豊かな食生活が形成されてたわけでございます。しかしながら近年におきましては、脂質の摂取過多等の栄養バランスの崩れ、かなりの食べ残し・廃棄が出るなどといった問題、こういった食料消費をめぐる問題が顕在化しているということでございます。

 

右側に、国民1人・1年当たりの消費量と食料自給率を掲げてありますが、基準年となります平成9年度の欄が右から2番目にありまして、そのさらに右側に、速報値ではありますけれども、平成10年度のデータも参考として掲げさせていただいております。

 

2ページ以下に品目別のすう勢を記述しております。近年の食料消費の動向が続くとした場合の今後の姿、これをすう勢といたしまして品目別に見ているわけでございます。

 

まず、米についてでございますが、これまで米につきましては、食料消費が量的飽和水準に達する中で、食生活の多様化による畜産物・油脂等の消費量の増加に置きかえられる形で減少してきたわけです。近年、食生活の多様化がほぼ一巡してきましたので、このような米と畜産物・油脂との間の代替関係は弱まりつつありますが、緩やかなトレード・オフ関係が継続しているということでございます。

 

消費形態別に見ましても、米の家計消費は減少傾向を示しておりますが、近年、その減少率は鈍化しております。米の消費の量的変化が小さくなる中で、良質米志向の継続、冷凍食品等の加工米飯の増加といった質的な変化が進行しているわけでございます。それから外食消費につきましては、最近では横ばい傾向にありますが、持ち帰り弁当、おにぎりといったいわゆる中食の伸びが大きくなっております。

 

そういった中で今後のすう勢といたしましては、米と畜産物・油脂の代替関係が従来に比べて緩やかになるものの継続し、消費としては減少傾向で推移していくものと見込まれるところでございます。

 

2ページは麦類でございます。近年、小麦につきましては、家庭用の減少、パン用の横ばい、マカロニ、スパゲッティ用の増加といったように、用途ごとの消費に増減はありますが、全体としてはほぼ横ばいでございます。

 

今後のすう勢につきましても、こうした傾向に大きな変化はないということで、ほぼ横ばいで推移するものと見込まれております。

 

大・裸麦につきましても、麦御飯等の用途に限られておりまして、同様にほぼ横ばいのすう勢が見込まれております。

 

4ページに参りますが、いも類のうちのまず甘しょの消費でございますが、生食用が横ばいで推移する一方、加工食品用につきましては、健康志向等を背景に、菓子類等の新製品の開発あるいはパウダー等の新しい用途の開発で増加しております。

 

今後のすう勢につきましては、全体として増加していくものと見込まれております。

 

馬鈴しょの消費につきましては、これも生食用が横ばいで推移しておりますが、加工食品用は増加傾向で推移しております。加工食品のうちポテトチップス用は横ばいとなる一方で、冷凍馬鈴しょ、マッシュポテト、惣菜用、こういったものは増加しております。

 

今後のすう勢といたしましては、生食用は横ばいですが、加工食品用の増加が見込まれるということで、全体としては増加していくものと見込まれます。

 

5ページの大豆でございます。まず、食品用の大豆の消費の6割以上を占める豆腐、油揚げの消費につきましては、近年、健康志向、伝統食品としての見直しということで、一時減少傾向にあったものが、最近では、ほぼ横ばいで推移しております。また、納豆の消費につきましては、地域間の消費の格差の平準化を伴いつつ、引き続き増加傾向にあります。それから煮豆、惣菜用、豆乳、こういったものの消費も微増傾向でございます。

 

このため、食品用の大豆全体の消費としては、近年、微増の傾向で推移しております。

 

今後のすう勢といたしましては、こうした全体の傾向が継続するということで、やや増加の見込みでございます。

 

それから6ページ、野菜でございますが、野菜につきましては、近年、ビタミン類が豊富だということで緑黄色野菜が増加する一方で、白菜、大根といった重量野菜が減少しておりまして、消費重量全体では減少傾向となっております。

 

消費形態別に見ますと、外食とか調理食品とか、こういった食の外部化・サービス化が進む中で、従来、野菜消費の大宗を占めていた家計消費仕向けが減少傾向にありますが、一方で加工食品、外食仕向け量が増加傾向で推移をしております。

 

なお、野菜消費の周年化や業務加工用需要の増大によりまして、輸入が増加している傾向にあります。

 

今後のすう勢といたしましては、重量野菜の減少等により消費重量全体としてはかなりの減少が見込まれるところでございます。生活習慣病の予防等健康増進の観点から、その増加が望ましいとされておりますが、全体としてはかなりの減少ということでございます。

 

7ページの果実ですが、果実につきましては、消費の6割を生食用が占めておりますが、その生食用につきましては、品目選択の多様化が進行しております。特にミカンが減少する一方で、リンゴ、もも、おうとう等は横ばいないし増加傾向ということ、それから輸入果実の大宗を占める柑橘類、バナナの消費の増加が見られまして、全体では、生食用はほぼ横ばいで推移しております。

 

それから缶詰、果汁等の加工品の消費につきましては、約8割を占める輸入加工品が一時顕著な増加を示した後、近年はほぼ横ばいで推移しております。したがいまして、加工品、生食用を含めた果実全体でも、ほぼ横ばいで推移をしております。

 

今後のすう勢といたしましては、その他の果実が引き続き増加傾向、リンゴはほぼ横ばい、ミカンについては引き続き減少傾向ということで、全体としての消費はほぼ横ばいで推移するものと見込まれております。

 

次に畜産物ですが、まず牛乳・乳製品につきましては、そのうちの飲用需要については、消費者の健康志向と、これに対応した商品、例えば低脂肪乳でありますとかカルシウム強化タイプ、こういった商品の多様化・高品質化が進んだということで、長期的には増加傾向で推移しております。

 

また、乳製品の需要につきましても、チーズや生クリームを中心として大幅に増加しております。

 

牛乳・乳製品はカルシウムに富んでおりまして、今後ともその摂取をふやすことが望ましいとされておりますが、今後のすう勢におきましても、これまでの傾向が継続して、かなり増加ということが見込まれております。

 

9ページの牛肉につきましては、消費者の根強い志向がありまして、安定的に推移してきております。なお、平成8年度につきましては、狂牛病あるいは腸管出血性大腸菌O157による事故等の影響がありまして、前年度をかなり下回りましたが、平成9年度には回復に転じております。

 

今後のすう勢につきましても、消費の地域間格差の平準化を伴いつつ、かなり増加と見込まれております。

 

豚肉につきましては、近年の牛肉の消費増等もありまして、家計消費、加工向けとも横ばいで推移しております。

 

今後のすう勢につきましては、加工品の新製品の開発等による需要増の可能性はあるものの、家計消費はほぼ成熟ということで、ほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

10ページの鶏肉でございますが、家計消費が成熟する中で横ばいで推移しておりまして、今後のすう勢といたしましても、家計消費が伸び悩んでおりますが、加工用需要の増加の可能性がありまして、やや増加という見込みです。

 

肉類全体としましては、以上の傾向の中で、肉類間の競合を伴いつつも、牛肉を中心に食肉の消費はかなり増加と見込まれます。

 

11ページの鶏卵ですが、鶏卵は、これまで安定的に増加してきておりまして、今後としても、良質で安価なたんぱく質の供給源として定着しており、やや増加の見込みでございます。

 

12ページの砂糖でございますが、砂糖の1人当たり消費量につきましては、近年、減少傾向で推移しておりましたけれども、加糖調製品等を含めればほぼ横ばいということで推移しております。家庭用の需要の割合が近年低下しておりまして、一方で菓子類、清涼飲料等の業務用需要の割合が85%となっております。

 

今後のすう勢といたしましては、ほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

次に油脂につきましては、1人当たりの消費量、伸びは鈍化しつつありますが、増加傾向にあります。動物油脂の消費が横ばいで推移する一方、大豆、菜種等を原料とした植物油脂の消費がほぼ一貫して増加してきておりまして、約9割を占めております。特に近年、消費者の健康意識の高まりに対応した低カロリーなどのタイプの油脂の消費が増加をしておりまして、今後のすう勢といたしましては、かなりの増加が見込まれます。

 

13ページのお茶につきましては、昭和50年代にはほかの飲料との競合で低下傾向にありましたが、近年、缶入り緑茶の普及、緑茶の持つ機能・効用に対する関心の高まりもありまして、下げ止まって、ほぼ横ばいで推移しております。今後とも、ほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

魚介類につきましては、近年、増加のテンポが鈍化いたしまして、微増ないし横ばい傾向を示しております。魚種の摂取の内訳を見ますと、昭和40年ごろにはアジ、サバ、イカの3魚種が全体の3割を占めておりましたが、この割合が減少しまして、最近ではマグロ、サケ、カニ、ブリ、こういった中高級魚介類が増加しております。

 

今後のすう勢といたしましては、国民の健康志向による根強い需要もあり、ほぼ横ばいで推移すると見込まれます。

 

14ページ、海藻類につきましては、健康志向の高まりを背景にいたしまして、繊維質、ミネラルに富むノンカロリー食品として増加傾向で推移してきましたが、近年はほぼ横ばいとなっておりまして、今後のすう勢といたしましても、ほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

きのこ類につきましては、これも健康志向の強まりで、ほぼ一貫して増加傾向で推移してきております。今後とも、かなりの増加が見込まれるところでございます。

 

次に15ページで、以上を踏まえた全体のすう勢でございますが、米が減少傾向で推移する一方、野菜以外の全品目の消費が横ばいないし増加傾向ということで、食料供給量全体はやや増加。

 

それから米の消費減と畜産物・油脂の消費増という代替関係は、鈍化するものの継続すると見られるということで、過剰傾向に今既にある脂質の割合はさらに増加すると見込まれるところでございます。

 

それから野菜につきましては、摂取量の増加が望ましいとされているものの、今後のすう勢ではかなり減少。

 

ということで、栄養水準はおおむね横ばいと見込まれる中で、食料供給量がやや増加いたしますので、食べ残し・廃棄量は引き続き増加していくものというふうに見込まれておりまして、現在、食料消費が抱えている問題がさらに深刻化していくというふうに考えられるところでございます。

 

次に16ページでございますが、今後の食料消費の課題でございます。以上のようなことでございますので、こういった問題を踏まえますと、消費者の理解のもとに「健康日本21計画」、「食生活指針」等において示される適正な栄養バランスの実現、食べ残し・廃棄の抑制、こういった食料消費の改善のための具体的な課題の解決に向かって関係者が一体となって取り組んで、望ましい食料消費の姿を実現していく必要があるわけでございます。

 

右側の「健康日本21計画」に書いてありますが、抜粋で書いてありますけれども、脂質、脂肪エネルギー比率を25%まで減少させる。野菜につきましては、基準値300グラムを350グラムまで増加させる。カルシウムに富む食品等につきましては、例えば豆類は76グラムを100グラムまでふやすと、こういったことが掲げられているところでございます。

 

具体的な望ましい食料消費の姿の実現といたしましては、左側の2)にありますが、まず栄養バランスに関しましては、脂質を多く含む品目の消費の抑制、糖質を多く含む品目の消費の増加、野菜等の消費の増加の実現が今後の課題であるというふうなことでございます。この栄養バランスの改善に関しましては、全体のカロリーが変わらないという中で、脂質を多く含む品目の消費を抑制するということになりますので、その分、炭水化物(糖質)を含む品目などの消費をふやすということになります。即ち、肉類などの畜産物や油脂の消費が減って、米など糖質(炭水化物)の消費が増加するということでございます。

 

次に、17ページのもう一方の食べ残し・廃棄の問題に関しましては、左側の 2に書いてありますが、世界には8億人の栄養不足人口の存在ということで、我が国が最大の農産物純輸入国であることや廃棄物減量化の要請。これにつきましては、右側のところに掲げておりますが、廃棄物の減量化目標というものが閣議決定をされております。平成22年度を目標年度とする廃棄物減量化の目標ということで決められておりまして、参考の 1のところにありますけれども、一般廃棄物の減量化の目標のうち排出量、この中に食品廃棄物も対象になるわけですが、国民1人当たりの排出量を平成22年に平成8年比で10%減量するということを目標とした上で、全体としての全国の排出量を5%削減するということがうたわれているところでございます。

 

こういったことでございまして、食料消費の有効利用あるいは環境への負荷の低減の観点から、外食あるいは家庭における食べ残し・廃棄の抑制による無駄の抑制を図っていこうということが、今後の課題であると考えられるわけでございます。この食べ残し・廃棄の抑制の問題に関しましては、食料資源の有効利用あるいは環境への負荷の低減、こういった観点から行うものでございますが、消費がその分減るということになるわけでございます。食料自給率の計算上で申し上げますと、分母の消費の分が小さくなるということになるわけでございます。

 

18ページ以降、参考がつけてありますけれども、20ページをちょっとごらんいただきたいと思います。20ページの食べ残し・廃棄のところの右側の上にグラフが書いてありますが、これは前にもお示しした表でございますけれども、摂取ベースの熱量と供給ベースの熱量には差があるわけでございますが、この両者のベースにもともと違いがありまして、摂取ベースの方には酒類が含まれていたわけですけれども、両者の比較のベースを合わせるということで、それを除いたものとして、このグラフを改めてつくり直しております。その結果、平成9年について見ますと、2,619キロカロリーと1,948キロカロリーということで、差が約670キロカロリーあるということになっているわけでございます。

 

それから下側の我が国の食べ残し・廃棄の年間総量は、少なくとも700万トンから800万トン存在すると。これは前にも御説明申し上げましたけれども、右下のところに書いてありますように、その推計量は、全体の食料供給量の約15%ということで推計されるわけでございます。この食料供給量につきましては、液体で流されてしまって回収されないごみは除いた形での供給量、5,100万トンのうちの約15%と推計されるわけでございます。

 

それから23ページですが、その他の品目といたしまして、食料ではございませんが花きについて掲げておりまして、花きにつきましては、大幅な増加が見込まれるということでございます。

 

次に、資料No2でございます。国内生産のすう勢と今後の課題でございます。

 

1ページをごらんいただきたいと思いますが、これまで国内生産の全体の動向につきましては、畜産物、果実、野菜等の生産拡大、いわゆる選択的拡大を目指して行われてきたということで、畜産物、果実、野菜につきましては昭和60年ごろまで順調に増加したわけですが、その後、最近では減少傾向にある。また、小麦、大豆につきましては、昭和50年ごろまで減少いたしまして、その後、水田利用再編対策の実施等によりまして増産傾向にありましたけれども、またこれも、その後、生産が減少してきているということでございます。それから漁業につきましても、国際規制の強化、資源状態の悪化等から減少傾向にあるということでございます。

 

2ページ以下、品目別に見ております。これも今後の生産のすう勢ということで見ております。あわせて課題を記述しております。

 

米につきましては、昭和46年度から生産調整対策を開始いたしまして、この間、天候要因による反収の変動等もありますけれども、計画的な生産に努めてきたところでありまして、消費の減少に伴って、作付、生産量とも減少してきたということでございます。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、米消費の減少は緩やかになるものの、継続すると見込まれるために、生産量もこれに応じて減少していくというふうに見込まれます。

 

今後の課題のところに幾つか書いてありますが、国民の主食でありますので、需給動向に即した安定的な供給体制の確立が必要だということ。それから需要に応じた米の計画的生産の推進と、稲、麦、大豆を組み合わせた合理的な作付体系の定着・拡大によりまして、安定した水田農業の確立等を図っていく必要があるということでございます。

 

それから3ページは小麦でございます。まず、右側をごらんいただきたいんですが、小麦の需要につきましては全体で629万トン。このうち食用(製粉用)が525万トン、その他みそ、しょうゆ、工業用、飼料用、こういったその他の加工用等が約100万トン、こういう形になっております。この食用のうち、日本めん用が72万トンということになっております。現在の小麦の生産は、この日本めん用を中心といたしまして57万トン生産しているということでございます。

 

一方、生産の態様といたしましては、左側に戻りますが、畑作4割、水田裏作3割、転作3割、こういった態様でございます。このうち転作の麦につきましては、近年、減少傾向にありましたけれども、平成8年以降の生産調整規模の拡大に伴いまして、再び増加傾向にあります。それから転作麦につきましては、高齢化の進行、水稲栽培の早期化等によって微減の傾向にあります。また、畑作麦については、輪作体系のもとで比較的安定して推移している、こういうことでございます。

 

このような中で生産性は、担い手のシェア拡大、機械化の進展で着実に向上してきておりますが、品質面においては、なおオーストラリア産スタンダードホワイト等の輸入小麦に比べて劣っているということでございます。それから収穫期の雨の害、湿害等の影響を受けやすいということで、収量、品質とも変動が大きいということで、その安定が求められているところでございます。

 

したがいまして、今後のすう勢の見込みといたしましては、現状の品質等の改善が図られなければ大きな変化は考えられないということで、生産もほぼ横ばいで推移と見込まれます。

 

今後の課題といたしましては、一層の品質の向上、生産コストの低減等に向けて最大限の努力を行っていく必要があるということでございますが、そのために、そこのアからオに書いてありますような課題に、関係者が一体となって取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから4ページ、大・裸麦につきましても、基本的には小麦同様でございまして、今後のすう勢の見込みといたしましては、ほぼ横ばい。

 

課題といたしましては、品質のばらつきの是正、生産コストの低減等に取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから5ページ、甘しょでございます。甘しょにつきましては、生産が昭和50年以降減少してきたわけでございますが、近年、加工食品用を中心に食用が増加傾向にありまして、ほぼ下げ止まって、全体で110万トン程度で推移しております。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、加工食品用の需要の増加等需要形態の変化が見込まれますが、全体としてはほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

今後の課題といたしましては、省力化栽培体系ということで、機械化一貫作業体系の導入、また、加工食品用を中心とした多様な実需者ニーズに対応した品質の導入、それから食品産業等との連絡協議会の開催による実需者との連携強化、こういったことに関係者が一体となって取り組んでいく必要があるということでございます。

 

次、6ページの馬鈴しょでございます。馬鈴しょは、主産地の北海道を中心に、高齢化の進展による労働力不足、収益性の高い他作物への転換等により減少傾向にあります。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、国産で対応している生食用では大きな需要増が見込めない一方、需要増が見込まれる加工食品用については、品質や価格面で優位な輸入品を中心に増加するということで、全体としてはやや減少の見込みでございます。

 

したがいまして、今後の課題といたしましては、病虫害対策等の栽培技術、品質管理の徹底、広域集出荷による出荷ロットの大型化、周年供給体制の確立等々に関係者が一体となった取り組みが必要だということでございます。

 

それから7ページ、大豆でございますが、大豆もまず右側をごらんいただきたいと思いますが、大豆の需給につきましては、全体で約500万トン、このうち製油用が378万トンということでございまして、あと食品用83万トン、みそ、しょうゆ用19万トン、合わせた食用のものとして約100万トン、それから餌用等で24万トン、こういうことになっております。これに対して現在の大豆の生産は、食品用を中心に14万5,000トンということでございます。

 

左側をごらんいただきたいと思いますが、大豆につきましては、今申し上げました食品用と加工用のみそ、しょうゆと合わせた食用に約100万トンの需要がありますが、これに対して国産のシェアが14%ということでございます。転作大豆が6割、畑作大豆が4割という形態でございますが、このうち畑作大豆については、北海道では輪作作物の一つとして重要な地位を占めておりまして、近年、横ばいで推移しておりますが、都府県では高齢化等によって減少傾向にあります。一方、転作大豆については、米の生産調整規模の変動に伴って、作付、生産量も変動してきたということでございます。

 

国産大豆につきましては、たんぱく質含有率が高く味がよいという評価がありますが、供給量・価格の面で不安定ということ、それに産地出荷ロットが小さくて、品質が均質でないといった問題が指摘されているわけでございます。

 

また、豆腐、納豆用等に、たんぱく質含有量等が国産品と遜色のないいわゆるバラエティー大豆、海外で日本向けに育成された品種でございますが、こういったもの、あるいは有機大豆、こういった輸入量が相当程度の割合を占めております。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、国産大豆の需要動向に大きな変化は考えられないということで、生産はほぼ横ばいで推移していくというふうに見込まれるわけでございます。

 

今後の課題といたしましては、今申し上げました問題点に対応する形になりますが、市場評価が生産者手取りに的確に反映されるよう交付金制度を見直すことと同時に、主産地化に向けた生産体制の整備、地域の条件に応じた栽培技術体系の確立によって収量の安定化・多収化を図る、あるいは実需者、消費者との連携、こういったことによりまして、量・質両面での供給の安定化、生産コストの低減、ロットの大型化、こういった点に最大限の努力で取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから8ページ、野菜でございますが、野菜につきましては、昭和60年ごろまで増加傾向で推移してきましたが、近年、担い手の高齢化、機械化の立ちおくれ、こういったことに加えまして輸入品の増加も見られまして、こうした中で国内生産は減少傾向にあります。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、需要の減少とも相まって、かなりの減少が見込まれます。

 

こういった中で、今後の課題といたしましては、重量野菜を中心に育種、定植から収穫に至るまでの機械化一貫体系の導入、あるいは作業の外部化、こうしたことによりまして生産の省力化・低コスト化を図る。それから契約取引等を通じて消費者、食品産業との連携を図る。それから優良品種の育成・導入、などに取り組んでいく必要

があるということでございます。

 

次に、9ページの果実でございますが、果実につきましては、消費面において品目構成の変化、多品目化が進展する中で、果実加工品の輸入が増加してきております。ミカンの消費の減少あるいは担い手の高齢化、こういったことによる生産力の脆弱化によりまして、減少傾向で推移しております。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、こういった高齢化の進展による労働力不足等から、ミカン等を中心に引き続き減少していくものと見込まれます。

 

今後の課題といたしましては、担い手への園地集積、作業の機械化によりまして省力化・低コスト化を図ること。また、光センサーつき選果施設等高度な集出荷貯蔵施設の導入、内部品質を加味した出荷規格の策定によって品質本位の生産・流通体制の確立を図る、あるいは病虫害への抵抗性や優れた品種の導入、こういうことに取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから牛乳・乳製品でございます。生乳の生産につきましては、需要の伸びを背景に増加してきましたが、最近、国産ですべて賄われる飲用の需要が伸び悩む中で、ほぼ横ばいで推移しております。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、農家の高齢化、後継者不足等による飼養頭数の減少が懸念されておりますが、健康志向の高まりにより、飲用需要、チーズ等の乳製品需要とも増加が見込まれるということで、かなりの増加が見込まれます。

 

今後の課題といたしましては、関係者の連携を通じた離農農家の円滑な経営の継承、ヘルパー等支援組織の積極的な活用、経営の実態に合わせた経営の法人化・協業化。それからフリーストール・ミルキングパーラー方式の導入による省力化、あるいは自給飼料基盤の強化、家畜排せつ物の適切な管理、有効利用に関係者が一体となって取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから11ページが肉類でございます。まず牛肉ですが、牛肉は需要の増加に支えられて安定的に増加してきましたが、平成8年以降、減少しております。しかし、直近では、ほぼ横ばいないしやや増加に転じつつあります。

 

今後のすう勢の見込みとしましては、農家の高齢化が懸念されるものの、需要の増加傾向が継続すると見られる中で、やや増加と見込まれます。

 

今後の課題につきましては、ヘルパー等の支援組織の積極的活用、それから作業の省力化・合理化、また酪農と同様、自給飼料基盤の整備、家畜排せつ物の適切な管理、有効利用、こういったことに取り組んでいく必要があるということでございます。

 

それから豚肉につきましては、近年、農家の高齢化等によりまして、飼養農家数の大幅な減少により減少傾向にあったわけですが、直近では、大規模層が生産の大宗を占めて、国産豚肉の需要も安定的に推移していることから、横ばいで推移しております。

 

今後のすう勢につきましても、需要に大きな変化がないと見られる中で、ほぼ横ばいの推移が見込まれます。

 

今後の課題としましては、産肉・繁殖能力の向上、衛生ガイドラインの導入等の衛生管理技術の高度化、家畜排せつ物の適切な管理、有効利用、こういったことに取り組む必要があるということでございます。

 

12ページの鶏肉についてでございますが、規模拡大が進展しておりますが、飼養農家数の減少により、生産はやや減少傾向で推移しております。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、需要がやや増加するものの、やや減少という見込みでございます。

 

こういったことで、肉類全体といたしましては、豚肉は横ばい、鶏肉はやや減少、一方で牛肉についてはやや増加ということで、すう勢の見込みといたしましては、全体としてはほぼ横ばいの推移が見込まれるところでございます。

 

それから13ページ、鶏卵につきましては、需要のほとんどを国内生産で賄っておりますが、需要の伸びに対応した生産の大規模化により、安定的に増加してきたところでございます。

 

今後のすう勢の見込みといたしましては、需要に対応してやや増加の見込みでございます。

 

今後の課題といたしましては、需要動向に見合った計画的な生産、飼養管理技術の改善等による産卵能力等の向上、それからサルモネラ菌の発生防止等衛生問題への適切な対応、こういったことに関係者が一体となって取り組んでいく必要があるという

ことでございます。

 

それから14ページ、てん菜・さとうきびにつきましては、まずてん菜につきましては、北海道の輪作体系の一環として計画的に行われておりまして、近年、ほぼ横ばいの推移でございます。それからさとうきびにつきましては、高齢化の進展、他作物への転換等によりまして減少傾向にあります。

 

こういった中で今後のすう勢の見込みといたしましては、てん菜はほぼ横ばい、さとうきびについてはかなり減少と見込まれます。

 

今後の課題としては、農業者、国産糖企業、精製糖企業、こういった関係者の協同した取り組みによる砂糖の価格競争力の回復による加糖調整品との置きかえ。特にてん菜については、規模拡大に対応した直播栽培等省力栽培技術の確立・導入、あるいは土層改良等の実施。さとうきびにつきましては、担い手の経営規模の拡大や農作業受託組織の育成、機械化一貫作業体系の導入、こういったことに取り組んでいくことが必要であるということでございます。

 

15ページのお茶につきましては、高齢化の進展による栽培面積の減少等によりまして、やや減少傾向にあります。

 

今後のすう勢の見込みといたしましても、やや減少の見込みでございます。

 

今後の課題は、年間計画に基づいた収穫の安定化、機械化体系の導入等による低コスト化、こういったことに取り組む必要があるということでございます。

 

16ページの飼料作物でございますが、飼料作物の作付面積につきましては、昭和40年代から50年代にかけて、家畜飼養頭数の増加に伴いまして草地の開発、畑作あるいは転作田等の既耕地への作付拡大により急増したわけでございます。

 

しかしながら、近年、利便性あるいは円高の進行等による輸入飼料の増加、濃厚飼料の需要の増加によりまして、北海道では横ばい、都府県では減少傾向に推移しておりまして、今後のすう勢の見込みといたしましては、こういった傾向が継続するというふうに見込まれるところでございます。

 

こうした中で今後の課題といたしましては、低コスト化、ふん尿の還元、こういった粗飼料生産のメリットに対する意識の改革、転作田・水田裏等既耕地における作付の拡大、林地・耕作放棄地等低未利用地の活用、さらには技術の高位平準化、優良品種の導入等による生産性・品質の向上。また、飼料生産受託組織の活用等による生産の組織化・外部化。また、自然条件に適応した放牧についての積極的な実施、こうしたことにも積極的に取り組んで、関係者が一体となって最大限の努力を図っていくことが必要ではないかということでございます。

 

17ページ魚介類でございますが、魚介類につきましては、国際規制の強化、資源状況の悪化等により減少傾向となっておりまして、今後のすう勢の見込みといたしましては、さらに減少が見込まれるところでございます。

 

それから海藻類につきましても、近年、漁場環境の悪化によりまして横ばいで推移してきておりますが、今後のすう勢の見込みといたしましては、減少の見込みでございます。

 

18ページ、きのこ類につきましては、全体として増加傾向で推移してきておりますが、今後のすう勢の見込みといたしましては、やや増加ということが見込まれるところでございます。

 

19ページに全体のすう勢のことを記述しておりますが、以上踏まえまして、国内生産全体のすう勢の見込みといたしましては、米については、消費の減少に対応した減少、麦、大豆、飼料作物等の土地利用型作物についてはほぼ横ばい、野菜、果実については減少、畜産物については、生乳、牛肉は増加、他の畜産物は横ばいないし減少、水産物については減少ということで、近年の国内生産の減少傾向が今後とも継続していくものと見られるところでございます。

 

このような状況を踏まえますと、今後、農業生産の増大を図るためには、消費者や実需者によって国内産の農産物が選択されるよう、品目ごとに生産性、品質の向上を図るという課題の解決に向けて、関係者が最大限の努力で取り組んでいく必要があるということでございます。

 

また、そのためには、優良農地の確保、有効利用、ほ場整備や水田の汎用化、農地の流動化の促進、多様な担い手の幅広い確保、こういったことによりまして生産基盤の強化を図っていく必要があるということでございます。

 

20ページには、その数字が書いてあります。

 

21ページに、食料ではありませんけれども、参考といたしまして花きと葉たばこの生産について、すう勢の見込みを記述しております。花きにつきましては、伸びは鈍化するものの増加していく見込み、葉たばこにつきましては、減少傾向が今後とも継続する、こういう見込みでございます。

 

次に、資料No3をごらんいただきたいと思います。資料No3は、ただいま食料消費と国内生産のすう勢について考え方を御説明しましたが、この考え方に即しまして、各品目ごとに近年の消費及び生産の動向を基礎にして、回帰式などによりまして、そのすう勢が継続した場合の平成22年の姿を試算してみたものでございます。

 

米につきましては、緩やかになりつつも消費が減少して、62キログラムまで落ち込んで、これに伴って生産も減少するということがごらんいただけると思います。

 

この欄は、まず消費、生産、そしてその消費、生産を踏まえた品目別の自給率、この3つになっておりますが、それぞれの欄がまた3つに分かれておりまして、基準年次となります平成9年度と目標年次となります平成22年度が掲げられておりまして、その右側に参考といたしまして、それぞれ平成10年度の速報値が掲げられております。それから消費の欄につきましては、上段の括弧に入ってない部分が国内消費仕向け量で、単位万トンの数字でございまして、その下の三角括弧の中に入っているものが、1人1年当たり供給純食料で、単位がキログラムのものでございます。

 

小麦につきましては、消費がほぼ横ばいで33キログラムとなる中、生産も現状並みの58万トンというふうに見込まれるところでございます。

 

それから大豆につきましては、油脂用も含めて消費が増加する中で、生産も現状並みの15万トンと見込まれます。

 

それから野菜につきましては、重量野菜を中心に消費が95キログラムまで減少する中で、生産につきましても、品目構成の変化や高齢化等から1,255万トンと大きく落ち込むという見込みでございます。

 

それから果実につきましては、生産量が387万トンまで減少ということでございます。

 

牛乳・乳製品につきましては、乳製品を中心として消費が大きく増加する中、生産量も935万トンに増加するということでございます。

 

2ページに参りますが、肉類につきましては、牛肉は消費が伸びるものの、生産はやや増加の57万トンということでございます。

 

それから豚肉、鶏肉につきましても、生産はやや減少ということでございます。

 

それから鶏卵につきましては、消費の伸びに即して生産も増加するという見込みで

ございます。

 

それから砂糖につきましては、消費、生産とも横ばい。

 

油脂については、すう勢の見込みといたしましては、消費が16キログラムとかなり増加する見込みでございます。

 

それから飼料作物につきましては、すう勢の見込みといたしましては、生産は都府県を中心に減少傾向が継続するという見込みでございます。

 

魚介類につきましては、消費が横ばいとなる中で、生産は資源の悪化等からさらに減少を続けるという見込みでございます。

 

以上の品目別のすう勢の見込みを全体として総合して見ますと、栄養バランスにつきましては、脂質の割合は25%が適正だとされておりますが、現状の29%程度から30%程度にさらに悪化するというふうに見込まれます。それからカロリー自給率につきましては、現状からさらに2~3ポイント低下するものというふうに、全体の品目別の見込みから見込まれるところでございます。

 

このため、こうしたすう勢の動向を自給率向上の方向へ持っていくためには、品目別の課題等の解決に向けて関係者が一体となって取り組んでいく必要があるということでございます。

 

以上で資料No1から3までの説明を終わりまして、次に参考資料の説明をさせていただきたいと思います。「農業経営の展望(案)」についてということで、前回、一度お配りしたものでございますが、御議論等も踏まえて一部修正・追加をしております。

 

まず1ページをごらんいただきたいと思いますが、この右側の経営形態の例のところで申し上げますと、上から4つ目のところに、生産組織(南東北・北陸、集落を基礎)ということになっておりますが、これを追加しております。

 

それから畜産の養豚のところ、下から4つ目でございますが、養豚の都府県の家族経営についての類型を1つ加えさせていただいているということでございます。

 

具体的には、水田作のところで、前回は、集落営農を全て中核になる農家がいない形のものとしての類型を掲げておりましたが、今回は、4ページの3つあります一番左側のところにありますように、30戸の経営で全体で60ヘクタール、そのうち5人が主たる従事者としてやっている形態のものとして掲げさせていただいております。

 

それから15ページをごらんいただきたいと思いますが、15ページに養豚の類型を1つ加えさせていただいております。都府県の家族経営による繁殖肥育一貫経営でございます。繁殖の豚150頭、年間出荷頭数3,360頭の形態のものを追加させていただいております。

 

経営展望、本体は以上でございます。

 

19ページをごらんいただきたいと思いますが、経営展望につきましては今申し上げたとおり、前回も申し上げましたけれども、効率的かつ安定的な農業経営の具体的な姿として、主たる従事者の年間労働時間、生涯所得、こういったものが他産業並みというものを確保し得る生産性の高い経営ということで、それらを地域別、営農類型別に、どういう経営内容であればそれが実現できるかということを例示的に示したものでございます。

 

この19ページ参考1に掲げておりますのは、そういった農業経営が、基本法でいう効率的かつ安定的な農業経営が相当部分を担う農業構造の姿を明らかにしておくという必要がありまして、これを農業構造の展望として示してはどうかということで示させていただくことにしておりますけれども、20ページをごらんいただきたいと思います。20ページの右側のところに、農家戸数、農業労働力等の推移ということで現在の姿が描かれておりますが、総農家で言いますと、平成11年で324万戸。このうち販売農家が248万戸。うち主業農家が55万戸。この下の括弧に書いてある48といいますのは、ちょうど真ん中あたりの定義のところの販売農家のうちの主業農家の欄にありますが、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家のうちで、農業所得が農外所得より多い農家、これが主業農家ということになるわけでございますが、このうちで一番下の(注)の1にありますように、従事日数が150日以上の農業専従者がいる農家、これが先ほどの55万戸のうち48万戸あるということでございます。

 

こういった総農家、販売農家との対比で、構造展望におきましては、効率的かつ安定的な農業経営が占めるウエートが明らかになるように、総農家数、販売農家数等との対比での効率的かつ安定的な農業経営の数をお示ししたいということでございますし、あわせて水田作、畑作等主要な部門ごとに効率的かつ安定的な農業経営の生産のシェアがどのくらいになるかということの展望も示すことが適当ではないかというふうに考えております。

 

その際、その展望に当たりましては、主業農家等のすう勢、それから農業経営の展望、生産努力目標、農地利用の集積の動向、こういった動向も踏まえて示していくことが適当ではないかというふうに考えております。以上が今の2)のところに書いてあるところでございます。

 

それから3)のところにありますが、農業労働力の確保が前提となりますので、農業労働力の見通しについてもあわせて示すということで考えております。

 

それから21ページ、今度は参考2をごらんいただきたいと思います。ただいま申

し上げました主業農家について、どんなことになっているかということを記述したものでございます。

 

右上をごらんいただきたいんですが、このうちで太線で囲っているところが主業農家でございます。販売農家全体で見ますと、約1.8ヘクタールの経営耕地面積を持っていて、うち専従者が0.5人、準専従者が0.5人、農業所得は年間125万円、農家総所得としては868万円、これが販売農家全体のイメージでございますが、これに対して真ん中の主業農家、これは北海道と都府県で分けておりますが、北海道で言いますと、経営耕地面積が19.5ヘクタール、専従者2.1人、準専従者0.5人、農業所得668万円、農家総所得が948万円でありますし、それから都府県で申し上げますと、2.7ヘクタール、1.8人、0.6人、523万円、全体で801万円、こういった姿になっているところでございます。これは平成10年の数字でございます。

 

左下のところに販売農家における主業農家の地位を示しておりますが、戸数で言いますと、主業農家は22%、耕地面積で言いますと51%を占めております。さらには農業専従者の割合で言いますと59%、粗生産額では63%、生産農業所得で言いますと74%、こういった地位を占めているところでございます。

 

次に、22ページでございますが、経営形態別に見た主業農家のシェアはどうなっているかということでございます。右側の図で網かけをしたところが主業農家の部分でございます。全体の販売農家戸数248万戸のうち、主業農家は55万戸でございますが、22%。それが作目別にずっと書いてあります。稲作から果樹類、露地野菜等々書いてありまして、この単一経営というのは、左側の備考欄、真ん中のところに書いてありますが、農産物販売金額1位部門の販売収入が全体の80%以上を占める農家、これが単一経営農家でございます。これで見た場合には、稲作経営では主業農家の比率は7%、非常に低いわけでございますが、複合経営あるいは準単一経営では主業農家の比率が4割程度になっております。それから酪農、施設野菜、花き・花木では、単一経営でも5割以上という高い実態にあるわけでございます。

 

それから左下の棒グラフは、農業部門別に見た主業農家単一経営の農業所得でございます。年間の平均の農業所得で、稲作単一経営では年間302万円、果樹作は556万円、施設野菜では814万円等々になっているということでございます。

 

それから23ページですが、農家世帯と勤労者世帯との所得の比較をしたものでございます。右上の棒グラフをごらんいただきたいと思いますが、一番上の勤労者世帯につきましては、勤め先収入、事業・内職収入、こういったものが666万円、これに社会保障給付等入れて全体で707万円ということでございますが、これに対して、まず販売農家の平均では、農業所得が先ほど申し上げました125万円、これに農外所得と年金・被贈等の収入を入れて868万円ということでございます。

 

これを主業農家、準主業農家、副業的農家に分けますと、主業農家では農業所得が539万円であるということでございます。

 

農家単位で見ますと以上でございますが、それをさらに1人当たりで見たものが右下の表でございます。右下の表の一番左の欄に、今の棒グラフの数字が掲げられております。勤労者の707万円に対しまして販売農家は868万円、こういうことでございます。これを世帯員1人当たりで割ってみたものが真ん中の欄でございます。勤労者世帯より販売農家の方が若干世帯員が多いということで、割りますと、準主業、副業では勤労者を上回りますが、主業農家では割合が93ということで、下回る。さらには就業者1人当たりで見ますと、販売農家全体あるいは主業、準主業、副業別でも、いずれも勤労者世帯を下回るということでございます。

 

なお、就業者といいますのは、その注にもありますが、農業または他産業に年間60日以上従事した者をいうということでございます。

 

次に、その主業農家の部分についてさらに詳しく見たものが24ページの(参考)でございます。ただいま主業農家の就業者2.74人ということで見たわけでございますが、そのうち農業就業者が2.46人あるわけでございます。右側の表の一番右側をごらんいただきたいと思いますが、全体一番下の2.74人のうち、農業就業者は、その下から3番目の2.46人でございます。これをさらに分解してみますと、一番上の欄の専従者、自家農業に150日以上従事する専従者が1.88人。さらにその内訳としましては、250日以上、2,000時間以上が0.97人、約1人、それに150~250日が0.91人。これに準専従者の60~150日が0.58人、こういった形で担っておりまして、左側の下の4行にありますように、農業経営におきましては世帯員数が多く、また自営であるということで、他産業に就業している世帯員あるいは高齢者、女性が労働に参加しやすい環境にありまして、個々の就農状態は多様であっても、就業者数としては多めになるというふうに考えられるわけでございます。

 

それから25ページから27ページまでには、前回に御議論がありましたということで、ここでは、実際に各地で営まれております農業経営のうちの優良事例、優良経営の事例につきまして、10類型をリストアップして、経営展望でお示しした類型の参考にしていただきたいということでお示ししたところでございます。説明は省略させていただきます。

 

以上でございます。

 

部会長 御苦労さまでした。

 

 

質疑

 

 

部会長 それでは、ただいまございました説明等につきまして御論議をいただきたいと思います。何かございませんでしょうか。

 

それでは、きょうは質問しないつもりで来たんですけど、やっぱり資料を拝見しますとどうしても気になることがあるので、2~3御質問やら意見を申し述べたいんですが、例えば私が関心がありますのは野菜といもとの関係なんです。前々から申し上げているんですけれども、長年そういう区分をしているということで、それはそれでしようがないんだろうと思うんですが、例えば資料No1で6ページの最後の方に、野菜は、生活習慣病の予防等健康増進の観点から、もっと消費が伸びることが望ましいんだというようなことが言われておりますし、それからずっと後の方の15ページでも、 3で、野菜については、「健康日本21計画(案)」で摂取量を増加させることが望ましい、というふうにされております。

 

一方、最近私、知事の仕事をやっておりますと、どうしても県民の健康問題ということで随分いろんな雑学をさせられるわけでありますが、お医者さんの書いてる本を読んでみますと、最近--最近というよりも20年前ぐらいから言われてることらしいんですが、ここ30~40年あるいは40~50年間の間の日本人の食べ物の変化、特に繊維の摂取量の減少ということと脂質の摂取量の増加ということが、大腸がんが急増している相当大きな理由であるとか、あるいは最近、国立がんセンターの中央病院の院長さんがお書きになった本を拝見しましても、大腸がん以外に、最近やはり急増しております男性特有の前立腺がんの発生にも、この脂質の増と繊維の摂取量の減少というのが環境因子として非常に大きい問題であるという指摘があるわけです。

 

そうしますと、繊維の減少というふうに思いますと、それは野菜ということが、果物にもあるかもしれませんが、野菜ということが大宗を占めるんだろうと思いますが、いもも繊維が相当多いわけです。特にサツマイモは多いわけでありまして、いもと野菜との関係というのを、統計的には長年、農林省は別立てでやってきておりますが、これだけ健康志向が多くなって、野菜の消費量の減、即繊維の摂取量の減が生活習慣病ということで大きな問題になってるというのなら、やはりいもというものと野菜との関係、あるいは極端に言えば、いもも野菜の一部であるという位置づけでいろいろ御検討いただいた方がいいんじゃないかというふうに前々から思っておったわけであります。

 

例えばきょうの資料を拝見しておりましても、消費のすう勢--お医者さんの方は、繊維の消費が減った、即野菜の消費が減ったというふうに思い込んでるわけでありますが、この資料を拝見しますと、野菜の消費は横ばいであると、すっと1行目に書かれちゃいますと、我々がふだん思ってることとこの表現ががらり違うんですね。統計も拝見しますと、消費の方は50年以降の統計が並んでおりますが、いもについては、生産の方は40年から書き出されておりまして、40年代から50年代にいかに、4分の1ぐらいにいもの生産は減ってるわけです。

 

これから野菜を健康の意味でも非常に評価するんだというんなら、そういうことの絡みをちょっと考え直す必要があるんじゃないかというのが私の意見でありまして、せめて野菜の消費の動向の中に、いもを野菜と思って整理をする、繊維の摂取量あるいは野菜の摂取量は激減しているというふうに表示する程度のことはした方がいいんじゃないか。余りにも世の中の常識的なことと農林省の統計との間にずれがあることを非常に心配をいたしております。そのことについて、何かわかりやすい御説明がいただけたらありがたいと思います。

 

もう一つは、脂質の増と繊維の摂取の減がいろいろ問題があるというときの、あるいは日本型食生活が壊れつつあるというときの脂質というのは、脂質の増の脂質の中身は、いわゆる植物油脂と畜産物とどれくらいの比率になっているのかということが非常に気になっているんですが、例えば植物油の方の消費がふえてるということであれば、こういう対策というのがあるんでしょう、畜産物の方の消費がふえてるために脂質の摂取がふえてるということになると、自給率の面でも脂質の増が問題であるという。といいますと、畜産物対策はどうするんだという非常に頭の痛い話にもなってくるんだと思うんですが、できましたら脂質の増の中身というのは、いわゆる食用油脂的なものなのか、畜産物から摂取される脂質が多いのかというようなことをお教えいただければと思います。

 

事務局 御説明いたします。後者の油脂類についての消費のこれまでの傾向ということでございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、油脂類の中の動物性油脂の摂取というのは一貫して減少しておりまして、量的なものでいきますと、年間でございますけれども、割合でいきますと、大体植物性油脂が1人1日当たりで、平成10年直近の速報でございますけれども36グラム、これに対しまして動物性油脂の方は4.0グラムということですから、全体として9割ぐらい、先ほど御説明したように植物性油脂ということでございます。傾向的には、ラード、動物性油脂の方は一貫して減少しておりまして、平成に入ってから6グラムぐらいありましたけれども、その6グラムぐらいあったものが4グラムまで減少ということで、植物性油脂の方は、やはりオリーブオイルを中心とした、そういった健康あるいは新しい製品ということで、引き続き増加傾向にあるということでございます。

 

それから、最初に御質問ございましたいも類の分類でございますが、御指摘のように、私ども食料需給表の分類上は、いも類と分けて野菜類ということで2つに分けておりますけれども、これも御指摘ございましたように、いも類の消費全体が相当大幅に減少しておりますので、合計した数字はきょうはございませんけれども、全体合計してみれば、御指摘のような減少傾向というのはさらに顕著になろうかと思いますので、また資料等については工夫させていただきたいと思っております。

 

部会長 お願いですが、できましたら後段の話は、文章の中にもそういうことが入ってくれば、世の中の常識に合うんだろうと思うんです。

 

それから前者の4グラムというのは、ラードだけなんですか。それとも、例えば牛乳から摂取する脂肪分とか、そういうのは入ってないんですか。

 

事務局 今、油脂類で4グラムと言った、その数量の中には入っておりませんけれども、全体の脂質割合をPFCバランスといったことで出しているわけですね。例えば先ほどの御説明でいきますと、すう勢でいきますと、脂質の摂取割合はPFCバランスで3割ぐらいになると。その場合の脂質の中には、牛乳とかに含まれる脂質、それが脂質合計の中に入ってくる。

 

部会長 非常に簡単に言いますと、脂質の増が、ふえるということが健康的に問題だという指摘があるわけですね。30%超しちゃ困るとかっていう話があるわけですね。そのときに、じゃどこをターゲットとして抑えるかというとき、畜産物を抑えるのか食用油を抑えるのかという、ちょっとギラギラした話になって恐縮なんですが、そこが知りたいんですよ。脂質の摂取割合を減らすというとき、一体じゃ畜産物を抑えるのか、てんぷら油を抑えるのか、マヨネーズで抑えるのかという話ですわね。

 

事務局 厚生省の「健康日本21計画」でも、具体的に動物性の油脂あるいは植物性の油脂、どちらを減らすというふうなことではございませんで、全体をバランスよく摂取していく中で抑制していこうということになっておりまして、実際に全体のバランスで見ますと、お魚の方の油も含めて全体の3つのバランスでいきますと、先ほどの植物性の油が5割、半分、残りの半分を動物性、ラードを中心として4割、この中には当然お肉等も入るわけですけれども、そういった動物性の油脂が4割、それから健康にいい魚ですね、魚が1割。この5対4対1というのは、現在厚生省の方でも、これは適正な摂取割合、割合としてはですね、ということになっておりますので、これから脂質の抑制を国民的運動としてやっていくといった場合には、この適正な割合というものの中で、比較的バランスのとれた形で抑制をしていくと。ですから、どれだけをターゲットに落としていくということではないのではないか。

 

部会長 くどいようですけど、5・4・1という数字は結構ですけど、現在はどうなっているんですか、その27~28%とか30%近いと心配してるのは。現状は、畜産物が、食用油が、魚がというのはないんですか。なきゃないでいいんですけれども。

 

事務局 平成10年の実績の数値でいきますと、供給指数全体を100といたしまして、植物性油脂が43.9%、動物性油脂が4.9%、両方合わせて48.7%、それからその他油脂類以外、全体の供給指数の中の油脂類以外が51.3%、合計100%。

 

部会長 51%の中身は何ですか。畜産物じゃないのかな、一般的に言えば。

 

長参事官 ですから、その残りの5割が肉類、畜産物でございまして、それぞれ肉類が12.8%、以下、鶏卵、牛乳・乳製品その他というふうになっております。

 

部会長 県でいろんな行政をやらされておりますときに、PFCバランスの話をして、どこを減らすんだという質問をされると非常に苦しいんですよ、栃木県も畜産県ですから。大変苦しいんですけれども、私はしようがないんで、若い人は肉を食おう、年配者は魚を食おうと言ってごまかしてるんですけれども、そこはやっぱり数字としてはきちんとして、表に出した--世の中の人がどう思うかは別として、出した方がいいような気が私はしますが、これは意見でございますから。どうもすみません、私ばっかりしゃべっちゃいまして。

 

専門委員 PFCの数値の出どころのお話でございますが、これは摂取量サイドから、供給量ではなくて摂取量サイドから検討されております第6次の栄養所要量の数値は、飽和脂肪酸、つまり動物性の脂肪から来るものと植物性の脂肪から来る不飽和脂肪酸、それから魚油を含む不飽和脂肪酸の中で、比率は3対4対3と言っております。これをもっと具体的に食品ベースで以前は表示されておりましたが、今度の6次の所要量にはこれはなくなりました。しかし、この数値は、植物性の脂肪酸由来が5、動物性の脂肪酸由来が4、そして魚油からの由来が1と、こういう数値が決められておりました。

 

じゃ、この数値の比率はどこから来たのか、何か整理的なデータをもとにして出たのかと言いますと、現在日本人が摂取している比率からこの比率が決められておりまして、この比率で余り問題はないというところでこの比率が決められているというふうに所要量の解説書には書いてございます。

 

したがって、人体において、この比率はどれが一番理想的かということはまだ科学的なデータは出ていないのが現状のようでございまして、現在の日本人の摂取量から見て余り大きな問題はないというところからこの数値が出ているというふうに理解しております。

 

部会長 ありがとうございました。

 

専門委員 こういう席で委員の方にお答えを求めるのはどうかなと思うんですが、よろしかったらお答えをいただきたいなと思うんですが、かなり肉や何かが自由化されたり何かして、それから円のレートなんかも昔のように物すごく円高に振れるとかそういうことではなくて、ある程度安定して、各国から食材がかなり自由に買えるようになってきたと思うんですね。生鮮品はまだどんどん伸びてるわけですけれども。そういう意味で、ある程度行き着くとこまで行き着いたといいますか、少し従来の変化よりも、これからあんまり大きな変化はなくて、このまま、まあまあの状態でいくんではないかという感じが、私、今の御説明を聞いてもそういう感じがするんですけれども、そういうものを実感として、○○委員とかあるいは御専門でどんどんいろいろスーパーで売っておられる○○専門委員などは、感覚としてどういうふうに受けとめておられるのかなということがもし伺えれば、ありがたいなというふうに思うんですが。

 

私は、毎日買い物に行ってるわけではないんですけれども、割合店をのぞくのが好きなものですから、結構いろいろなところを見ておりますけれども、ある程度何か来たのかなと。昔ですと、肉なんかに非常に飢餓感があって、月給日になるといい肉が売れるとか、あるいはもっと前ですと、給料日ですと駅前の果物屋さんの果物が売れるというような時代もあったんですけれども、今はとてもそんな状態ではないんですが、飢餓感があるのは、おいしい肉かあるいはおいしいお刺し身か、その辺かなと思うんですが、まあまあいいとこまで来てるかなというような感じを私は持っているんですけれども、その辺、もし何か聞かせていただければありがたいなというふうに思っております。

 

部会長 どうぞ。

 

専門委員 御指摘のとおりでありまして、今この御説明をずっと聞きながら、私どもの販売しております商品、あるいは過去30年間の消費の動きのようなものが具体的に頭の中に割合浮かんでくるわけですけれども、動かなくなったといいますか、おっしゃるように非常に飢餓感みたいなものは減ってきましたし、それから全体的な御説明で一々納得できるものが非常に多くて、そういう形に収斂してきたんだなという感じを受けます。

 

消費の実態との関係でちょっと感じが違うなと思うのは、かなり前のこの会でも申し上げたんですが、魚介類が1本になってるのは、どうしても私は気になるんです。例えば肉や野菜がこれだけ細かく分かれてるのに、魚介類というものが、海藻を除きますと全部1本で表示されてる。消費の動向を見ていく中で、魚介類のどれが伸びていったり、どれが少なくなっていったりということと非常に関係があるし、それからまた、脂質の中身も魚介類によって随分違うと思う。私どもの社内では、いろいろこういう商品についての論議をしますときに、大体こういう分類、もっと消費者サイドに寄った分類ですけれども、それでやってるわけですが、魚介類についての議論は非常にたくさん出てくる、もっとたくさんの言葉が使われる。にもかかわらず1本に表示されてるのは、ちょっと生産者寄りのというか、供給者のある段階の括りでこういうことになってるのかなという感じがしますけれども、それはこの会議での議論とはちょっとまた離れますので。全体としては、非常にいいバランスになってきているという感じを受けます。

 

それから製造業の方、つい最近も加工肉メーカーさんが続けて2社、ことしの新製品の見本市みたいのをやりまして、それをついこの間、両方とも見てきたんですが、そういう加工メーカーさんのねらっているところというようなこととの関係も、全体に新しいものが出にくくなって、反復する中で次々に需要を掘り起こすということで、これも安定してきていると、そんな感じを受けます。

 

専門委員 肉の種類ということになろうかと思いますが、日本人の嗜好、あるいは経済的に豊かになるとどういうものが好まれるかと言いますと、霜降りの肉で、非常に脂肪の多い肉で柔らかいものが、しかも高いものが好まれるということに動くだろうと思うんですね。私たち教育をしたいという立場から考える場合、できれば脂の少ない肉を食べてほしい。それで、部会長の御指摘のように、油脂類の何が悪いんだと言われたときに、健康的に一番障害をもたらすのは動物性の脂でございまして、例えば肉の中にたくさん脂肪が入ってるようなものは余り好ましいとは思われない。

 

したがって、変な話ですけれども、シャブシャブという料理は非常にいい効果を示している。脂を全部お湯で流して、しかもそれをポン酢でいただくという健康的な食べ方というのはいいわけで、そういうふうに動物の体内に入っている脂肪をできるだけ少なくした形で私たちはいただきたい。できれば赤身の、少し固めのお肉が普及するようになれば、日本人としてはもっと健康的なものが得られるのではないかというふうに栄養学的な視点からは考えられると思うんです。

 

余談でございますが、アメリカで一等最初に1970年代にガイドラインを出しましたときに、栄養学者のガイドラインの一番大きな視点は、市場に販売する肉の一番外側の脂の部分はカットして市場に出すようにというのがガイドラインに出たときに、栄養学者に対して一斉に批判が参りまして、それをこういうふうに出すのであれば、研究費は出さないという大変強い圧力がかかったというので、そのものは指導のレベルで、これをカットして食べましょうとか、あるいはお肉を焼いた後にはグレービーは捨てなさいというところで、健康を志向するには、買ったものをどう処理するかということでアメリカでは指導をやっているようでございます。できるだけ赤身の、脂の少ない肉を生産していただけるとありがたいなと思います。

 

専門委員 高いから、霜降りはそんなたくさん食べられませんよ。

 

部会長 どうぞ。

 

委員 話題は変えてよろしいですね。

部会長 どうぞ、結構でございますよ。

 

委員 質問が1つと意見が1つです。

 

質問の1つは、資料No2のページ16で、飼料作物の今後の課題ということで、飼料増産運動の展開等がここで書かれているわけですけれども、この飼料作物の中身はやはりトウモロコシなのか。トウモロコシは大変厳しいと思うんですね。今、飼料用の米の開発等も研究はされていると聞いておりますけれども、そのあたりはどういうことなのか。もちろん実験段階のようですから、数値に響くような量ではないとは思いますけれども、これはトウモロコシ一本でいくのかどうなのか、そこが質問事項です。

 

それから、その次は意見でして、資料No1の食料消費のすう勢と今後の課題、これ全般にわたってなんですけれども、今後の課題ということになりますと、やはり生産と消費を結ぶ加工・流通、そこの役割、いわゆる食品産業の役割というのは非常に大きいと思います。ここに書かれてありますように、全体的に見ますと、食料消費のすう勢と生産の状況との乖離が、今後、トータルとしては大きくなるということなわけですよね。ですから、食料消費のところでも、消費者はちゃんと栄養バランスも考えながら消費をしなければいけないということにこの先なるわけですし、生産のところも、消費に合わせた生産を増大させていなければ自給率は上がってこないという構図になっているわけですよね。

 

食料消費のところは、もちろん食生活を考え直す、バランスを考え直す、いろんなところでやるにしても、これは強制的にはできないわけでして、かなりのキャンペーンを張らなければならないということになると思います。もちろん、それをやる必要があり、食料消費を見直すということは非常に大事なことですから、それはしっかりやらなければいけないと私も思っています。

 

ですけれども、もう一つ、その中間にあるメーカー、それから流通の役割も非常に大きいと思うんですね。例えば廃棄を少なくするために少量パックを買いたいと思っても、なかなかそれが選択できない。一部工夫されてきていますけれども、でも、まだまだ選択できないという状況もありますし、特に外食産業等では、量が多くてどうしても食べ残してしまう。選べないという問題がありますね。そういう細かなところ。それから国産の原料を使って加工食品を製造していくということも、やはり自給率を上げる大きな要因ではありますね。確かに国産のものは品質にばらつきがあるとかいろいろ問題があるわけですけれども、そこを改善しなければならないんですが、そこは一定、食品産業といいますかメーカーのところでも努力していただくということがあって、それを表示をしながら、消費者に国産品を買おうということで訴えていくということも必要で、その中間が、非常にと言うと語弊がありますけれども、中間のメーカー・流通のところも大きな役割を持っていると思います。この記述は最終的にはどうなるのでしょうか。どうなるのでしょうかというのではありません、ぜひ記述していくべきであるというふうに思っております。

 

以上です。

 

部会長 どうでしょうか。

 

はい。

 

事務局 2つお話ございました、飼料関係のことでございますけれども。1つは飼料増産ということで、ストレートにトウモロコシ。もし○○委員が、いわゆる配合飼料に混ぜるようなトウモロコシのイメージを描いて御質問になったとすれば、そうではなくて、端的には牧草ということをイメージしていただければわかりやすいと思います。ここで頭にありますのはですね。トウモロコシも、例えばサイレージにするようなものも当然対象になりますが、一言で言えば、配合飼料なんかで頭に置いておられるトウモロコシじゃなくて、牧草と思っていただけば結構だと思います。

 

それから、それじゃ中身はどんなことなんだろうかというお話でございますが、例えば稲で理解いただきますと、2つほど課題がございまして、1つは、当然今のような単収では、価格が違いますのでなかなか計算が合いませんから、単収を上げないといけない。それから実だけではもったいないわけでございますので、当然植物体全体を給与する方が効率がいいわけですので、大体倍ぐらいになりますから、そのためのサイレージといいますか、その技術。

 

したがって、今の検討の課題は、そういう要請に合うような飼料として、どれだけ適当な品種がつくられるかどうかということと、それをサイレージにした場合に、どういう形で給与するかという給与技術、その2つが課題ではないか。その2つの研究をするということではなかろうかと思っておりますけど、よろしゅうございましょうか。

 

部会長 どうぞ。

 

事務局 2点目の御意見についてでございますけれども、○○委員のおっしゃってる方向は、我々もまさにそういう方向が必要だというふうに思っておりまして、健全な食生活指針をつくる、それを国民、消費者にキャンペーンなどによって啓蒙普及を図っていくということでございます。その際に、消費者にいわば実践として取り組んでいただきたいものに合わせまして、食品産業サイド、要するに加工メーカーなりあるいは外食産業なりに取り組んでもらいたい実践例もその中にお示ししたいということで、現在、検討しているところでございます。

 

また、国内生産と食品産業との、要するに加工あるいは業務用を通じての結びつきというのが、どちらかといえば最近、業務用、加工用は輸入に流れるという傾向がございますので、その結びつきを少し法制度化も含めて、お互いにプラスになる連携を進めていこうということで、国内農業と食品産業の連携のための促進法案を今国会に出すということで準備を進めているところでございます。そういうことを含めての課題を、消費サイドあるいは生産サイドの課題の中に必要な記述は行っていきたいというふうに思っております。

 

部会長 ○○委員からの飼料用米のお話か何か、御質問なかったですか。

 

委員 それはまだ実験段階とおっしゃったのでわかりましたけれども、でも、輸入に頼ってるのは圧倒的にトウモロコシですよね。牧草はほぼ、まあ自給できてるという状況ではない? 牧草も輸入部分22%というデータですけど、この22%を減らすという意味合いなんですか。

 

事務局 端的に言えば、競争していって、それを安く供給して、使ってもらうということですよね。

 

委員 22%部分の自給を高めると、そういうふうに理解していいんですか。

 

事務局 そうですね。ただ、それと、単純にいわゆる濃厚飼料と粗飼料が常に同じ比率で使われるわけではありませんから、例えば濃厚飼料でトウモロコシを使ってる部分を国内の粗飼料で置きかえるということもございますから、おっしゃった22だけを置きかえるんじゃなくて、いわゆる頭の中におありになるトウモロコシを粗飼料で置きかえるということも考えております。

 

委員 それは、畜産現場でそういうことを考えていくということ、トウモロコシではなくて粗飼料を与えるということですよね。

 

事務局 はい。むしろそうした方が、例えば大家畜なんかは濃厚飼料をたくさん食べるよりは、例えば胃の構造なんかからしましても、粗飼料でやった方が健康的な部分もあるということもありますから。

 

委員 なるほど、じゃそういう方針も持つということですか。

 

事務局 そうですね、その飼料増産計画の中できちっと。

 

委員 中で、そういう粗飼料を与える率を多くするという方針を持つということなんですか。

 

事務局 そうです、粗飼料の供給率を高めるようにしようということも書き込むつもりで、今検討をいたしております。

 

委員 そうですか、わかりました。

 

部会長 どうぞ。

 

専門委員 消費と生産のすう勢の予測のことについてですが、こういう形のすう勢予測をするというのは、それこそ前提をどう置くか、それから整理してありますように、課題解決に向けてどういう努力ができるかということによりましてかなり違ってくるというふうに思っておりますので、予測することの難しさは十分理解して発言するわけでありますけれども、米につきまして伸びないと、現状のままでいくというふうに整理されてるわけですね。しかし、米は現状のままでいくということは、生産調整をやってるから現状のままでいくという問題があるわけです。

 

お手元の資料No3の1ページ、米の生産量について、平成22年の主食用については結局は消費量と一緒の数字、生産量に合わせてあるわけです。要は、ここはむしろ生産量のすう勢というよりも、消費量のすう勢をここに置いたということなんですよね。そうすると、ひるがえってこの次を見てみますと、小麦については伸びませんよと、57から58です。大裸麦も19から19。そして大豆についても15から15なんですね。これの前提は、いろいろ書いてありますよ、品質改善ができれば伸びるんじゃないかというふうに生産面で書いてありますけれども、そういう前提はともかく置かずに今後の課題に置いたと。そういう整理で、ともかく横ばいだという整理なのかもしれないんです。

 

ところが、この表だけで見てみますと、平成22年度にこうやった暁に、それじゃ農地はどうなってるのかと。これは、米を減らした分だけの農地は荒れたままにほっておくのか、それとも転用で、あとは減っていくという予測をしているのかということになってくるわけです。だから、予測の見通しというのはものすごく難しいということを言うわけですが、結局は品種改良をするということで、技術会議も前回、前々回だったですかね、決意表明をいただきましたが、大変な努力をされてるということでもあります。それから前回の部会におきましても、必要な農地の確保、利用ということで政策展開を図っていくということがあるわけですよね。

 

とすると、こういう部分は、こういうすう勢がどうこうというよりも、もはやそれは政策の前提中の前提なんですね。前提中の前提は置かなくて、麦も大豆もふえないということで整理してしまうと、いかにすう勢値だといってみたって、それじゃこの予測は意味があるのかということになると思うんですね。これだと、麦、大豆の自給率も伸びませんし、生産は落ち込むだけですよ、ということを言うことになりはせんのかという心配があります。このままだと、麦、大豆を伸ばそうということを言ってるわけですが、意欲も元気も出ないということになりゃせんのかというふうに思いますので、何度も言うようですが、すう勢の予測の難しさを認識しながら、これの扱いについては、やはりきちっと今言ったような前提を置いてもらわなきゃいかぬというふうに思います。そんなふうに考えますので、ちょっとそこの点はお聞きしておきたいなというふうに思っております。

 

事務局 まず、このすう勢の考え方ですけれども、まさに今おっしゃったこの資料の1ページに書いてありますが、近年の消費及び生産の動向を基礎に、そのすう勢が継続した場合の姿ということで、すう勢という考え方自体は、過去の実現した実績の流れの中には、過去の実績の動向の中には、いろいろな要素が含まれた形で実績が実現しているわけですけれども、その動向を回帰式等によりまして、一定の前提は置きますけれども、その場合には、人口でありますとかあるいは経済成長率とか、そういった一定の一般的な前提は置きますけれども、その上で、一定の期間をとらえた上での過去のいろんな要素の結果としての動向、こういったものを将来に伸ばすとすればどういうことになるかというのが、いわばこのすう勢の考え方でございます。

 

もうちょっと言いますと、消費はまさに100%そのとおりでございまして、消費の動向には、実現した、まさに消費者の選択としての動向が過去のトレンドでありますし、一方で生産につきましては、いろんな施策、消費に比べればより多くのいろんな施策も講じた上での結果として実現されたデータということにはなりますが、これにつきましても、過去のこれまでのトレンドとしての動向、こういったものが続くとすれば将来どうなるかという意味でのすう勢を描いておりますので、全体といたしましては、先ほど申し上げました、人口とか経済成長率を踏まえた上で試算したものであるということでございます。

 

その上で、その努力の結果云々という点につきましては、これはまさに、そういったこれまでの動向を踏まえればこうなるというすう勢を踏まえた上で、今後、さらにどういったことを施策として講じていく必要があるか、あるいは関係者、生産者、消費者も含めてどういうことに努力していただくかと、こういう課題をきちんと明らかにした上で、それが実現した場合にどうかという意味で、今回はすう勢でしたけれども、さらに生産においては生産努力目標、それから消費面につきましては望ましい消費の姿というものを描いていくということですので、それは次回以降お示しする中で提示させていただきたいというふうに考えております。

 

部会長 いいですか。

 

専門委員 今後また議論が続くというふうに思いますので。

 

部会長 わかりました。

 

委員 国内の生産のすう勢と今後の課題ですね、農業の現場にいる者として、今後の課題等々はまさにこのとおりだと思っております。そこでなんですけれども、そこから問題なんですね。つまり、「このような状況を踏まえ、今後、国内の農業生産の拡大を図るためには、消費者や実需者によって国内産の農産物が選択されるよう、品目ごとに、生産性向上、品質向上等の課題の解決に向けて、生産者や生産団体等が、積極的に取り組んでいく」、これも現実だと思うんですね。ここからなんですね。つまり、国内の農産物の消費拡大はいわゆる市場原理に委ねるんだと、そういう言い方なんですね、ここでは。そうしますと、この新しい食料・農業・農村基本法で食料の自給率の向上を図るということで今までずっと論議してきたものが、ここに来て、そのかぎを握るのは生産者、生産団体ですよと、その方々の努力によって初めて可能なんですよ、という言い方をしているように私は受けてならないんですよ。まず、このことを質問させていただきたいと思います。どうなんでしょうか。

 

事務局 今、国内生産のすう勢と今後の課題の資料No2の19ページのことをおっしゃっているんだと思いますが、この資料、生産の関係についての資料のところの記述を引用されましたので、まさに生産者だけというような印象でとられたのかと思いますけれども、まず生産につきましては、生産を担当していただくのは生産者でございますので、それがつくるだけつくって、後は需要がどうなっても構わないというのでは基本法の精神にもとることになりますので、需要のあるものをつくることによって農業生産を持続的にやっていきながら、かつ生産拡大を図っていこうというのが基本法の精神でございますので、あくまで消費者、実需者によって選択されるような需要サイドのニーズのあるものをつくっていただくという意味で、まず第一に生産の部分ですので、頑張っていただくのは生産者あるいは生産者団体の方々が中心になることは事実です。

 

その上で、その下にも書いてありますけれども、もちろん国あるいは地方公共団体、こういった行政、さらには消費者の方では、この資料ではなくてもう一つの消費の方の資料に書いてあるわけですけれども、消費面においては、天下り式に消費をコントロールするわけにいきませんから、望ましい食生活に向けて消費者の方々あるいは食品産業の方々にも頑張っていただくことを通じて、消費面でも望ましい方向に持っていくことによって、生産者のみならず消費者の方々、食品産業者の方々、それに行政、国、地方公共団体、こういった関係者が全体として取り組んで最大限頑張っていった上で、国内農業生産も増大するし、消費面も含めた食料自給率の向上を旨としてやっていきましょうということでございますので、生産だけの部分では確かにそういう印象になったかもしれませんが、そういう全体の流れの中での生産の部分の記述であったということで御理解いただきたいと思います。

 

委員 その前提になってるのが、先に○○委員がお話ししてますけれども、消費の動向も横ばいもしくは減少で整理されてるんですね。これは予測が難しいという答えでした。だけれども、そういう状況の中でいわゆる市場原理にお任せをするんだと、こういう整理なんですよね。私からすれば、そうしかどうしてもとれないんですよ。消費も横ばいですよ、減少しますよ、その中でいわゆる市場原理に任せていくということになれば、どこに自給率の向上を求めるんですか。これは、もちろん生産者の努力で安く品質のいいものをつくって国内の生産物を高めますよと、これしかないわけでしょう。違うんでしょうか。

 

事務局 繰り返しになるかもしれませんが、食料自給率の向上を旨としてやっていきましょうということで、いろんな議論の結果としてなったということですが、その際には、関係者が最大限努力をしてやっていこうということで描かれた世界でございますので、その中で生産者の方々には生産サイドでの努力をしていただきますし、消費サイドでは消費者の方々、それから食品産業者の方々、こういった方々に努力をしていただくことによって自給率の向上が描けるように、関係者一体となってやっていきましょうということでございます。

 

それで、これも繰り返しになりますが、下がってしまうという今回お示ししたすう勢の数値というのは、先ほども御説明したとおりの意味でのすう勢値でございますので、それが仮に下がるから自給率目標が向上しないではないかということではなくて、すう勢値がそういうことでありますので、消費サイド、生産サイド、課題に向けて、その解決に向けて努力をして、その結果として生産努力目標、望ましい消費の姿、こういったことを描くことによって、その結果として出てくる自給率の向上に向けてやっていこうと、こういうことでございますので御理解いただきたいと思います。

 

委員 くどいようで申しわけないんですけど、今のお答えでは、私どうしても納得いかないんですよ。つまり、市場原理で動向は決まりますよと。私は、これは事実だと思うんですよ。市場原理で決まるというのはそのとおりだと思うんですね。しかし、すべて横ばいもしくは減少という消費動向で整理されている中で、いわゆる市場原理だけで決まるんだったら、農民サイドの、農業者団体サイドの努力だけで今後の基本法の食料自給率の向上を図るというところと整合性をとるということに整理されるとしか思えないんですよ。だとすれば、私は自給率の向上はなかなか図ることができない、そのように考えます。

 

部会長 私が申し上げるのも何なんですけど、自給率を基本法の中に入れる前提として、調査会時代に随分この問題について議論がございました。今○○委員がおっしゃるような意見もございましたし、流通関係の団体からの御意見もございました。結局私の理解するところによりますと、自給率を話題にし、それをできるだけ上げようということになった背景に2つあったと思います。1つは、国際的に人口が爆発的にふえるという背景、食料不足が国際的に間違いなくあるということがわかっているにもかかわらず、先進国で金持ちなるがゆえに、自分の食料資源を活用しないで外国からずっと食料を輸入しっぱなしにするというのは国際的にも通用しない、したがって、国際的な義務としても日本は食料自給率を上げる努力をすべきであるという議論が1つあったんですね。これは、間違いなくだれも否定できない議論だと思います。

 

それからもう一つ、そのときに生産者だけが幾ら努力しても云々という話がずっとありまして、消費者の方から例えば一番激しい議論としてありましたのは、自給率を上げるための明確な実効性のある政策手段というのはないじゃないかと、今の自由な世の中で、という議論があって、なかなか自給率議論がまとまらなかったんですが、それに対して、さっき言ったような国際的な義務だというようなことについても、消費者にできるだけPRをして理解を求めると。生産者は、もちろん消費者に使ってもらえるような、合理的な値段でいいものを生産する努力をする。行政も、消費者に対するPR、あるいは生産者に対するいろんな助成その他の指導をする義務がある。総合戦力の結果として自給率があるんだと。特定のものだけの責任ではないという形で整理されたというふうに私は理解しておりますので、○○委員のお気持ちわからぬではございませんが、そういう議論の経過があったということをぜひ御理解いただきたいなと思っております。

 

○委員に対しましても同様でございまして、私、別に農林省の肩を持つわけじゃありませんが、先ほど出しましたのはあくまでもすう勢値で、ほっときゃこうなっちゃいますよと。だから、そこに政策手段を、これから努力することによってこういうふうになりますよというのが、この次ぐらいに多分出てくる農林省の案だろうと思うので、もう少し時間をかけて御議論いただければなというふうに思っております。

 

専門委員 関連をしますが、次回にそういうことが出されるということなんですが、最近の状況として、新聞報道等によりますと、政府の方で自民党の農政基本政策委員会ですか、そこへ説明されたのが報道されてますけれども、全体的に自給率の向上は非常に難しいというようなことが政府の説明としてされてて、それについていろいろ議論されてるという報道があるわけなんですね。私は、そういう問題の一つの背景があって、きょうこの資料を見て、非常に危惧するわけです。

 

一つは、このすう勢を必ずしも受け入れたものということではないというふうにされておりまして、生産についても消費についてもこれからの課題というのが書かれているわけでありますけれども、そのような課題が、それではどういうふうに具体的に向こう10年で到達するのか、行われるのかということが、きょうは項目として割と抽象的に書かれてるだけですので、読めないということがあるわけですね。

 

したがって、それと絡んで、すう勢だけの話がどうしても浮かび上がってしまうんで、どっちかというと非常に消極的な、いわゆる今度の基本法の食料の安定供給、自給率の向上を旨とするというようなこととか、農業の多面的な機能といったものを充実していくという点から見て、やや消極的じゃないかというふうに、具体的に決めるのが消極的なところがにじみ出てるように見えて、非常に懸念をするということです。1つはですね。

 

例えば生産サイドの問題も、ここに書かれている課題を具体的にやっていく場合に、農業者はもちろん、生産者団体も努力しなきゃならない主体であるということは私たちも認識し、やらなきゃいかぬと思ってます。ただ、今度の法律は従来の農業基本法と違って、まさに国民的な食生活の問題や農村の多面的な機能を維持するというようなことを盛り込んだわけで、農業の側からだけの法律じゃないというところに特徴があると理解してますので、そういう点では、政府の責任、自治体の責任、それが果たすべき役割、こういったのがもっと書かれないと、はっきりしていかないんじゃないかというのを強く感じるわけですが、きょうの資料では、そこの点はどうもはっきりしてないというふうに感じまして、そういう姿勢で次に数字の議論がされるとすると、懸念するところがありますということでございます。

 

それから、先ほど○○委員の御質問に対して2人の委員の方からお答えがありましたけれども、要するに日本型食生活というのが、実際のマ-ケットなりあるいは栄養を担当している専門家から見ても、一定の落ち着くところへ落ち着いてきたなというところで、これからの課題に取り組めばどうなるのかというのが示されないと、なかなか見えてこないということであります。そういう点はかなり大きなキャンペーンが必要なんですが、変わりつつあるのかなという感じがするわけで、これから変わり得るのではないかということに期待するわけです。

 

たまたま私、この10日間ほどニュージーランド、オーストラリアへ行ってたんですが、オーストラリアでも米の地帯を特に見てきたんですが、85%輸出用の米をつくっているところで一番の問題は水問題。政府も井戸掘りなんかについてはかなり規制をして、それから組合も、稲の作付面積というのはこれ以上ふやさないと、水を使うのでね。そういったことをやってる中で、片やマ-ケット、スーパーマ-ケットを見てきたんですが、米の小袋がたくさん並んでおりまして、オーストラリア国内でも米の消費がふえていくという、そういうすう勢。これはアメリカもそうだそうですが、ニュージーランドでは、すしが最近大はやりなんだそうです。すし職人が少ないという、そういうような話も聞いてきたんですが、変わっていくんじゃないかという、変えていく、これはいろいろな皆さんの、私も含めての努力の結果だと思いますが、その辺がもう少し明らかにならないといけないんじゃないかという感じがします。

 

前回の委員会で○○先生の方から、この自給率の問題については、生産及び消費の課題が解決された場合に実現可能な水準、という表現について、課題の設定をどういうふうにするのか、それが実際、実現可能なものになるのかどうかということが問題だ、という御指摘があったと思いますが、まさにそのとおりだと思うんです。そういう面でも、もう少し生産者と消費者ということだけでなくて強調してほしいところがあるし、課題についてももっと具体的にして、より積極的な目標になるような、そういう資料といいますか、方向づけになるような議論を期待したいというふうに思っているわけであります。

 

部会長 ありがとうございました。

 

専門委員 2点ほど、お答えは必要ないかと思うんですが。このすう勢を見て、私は、ウンなるほど、私の思ったとおりの数字に近いなというのを、このすう勢として感じております。これをどうするかというのが、我々現場の農業者の大きな課題であると自覚してはおるんですが、すう勢の課題の中で「低コスト化」という言葉がすべての面で出てまいります。確かに外国の農産物に勝つこと、これは自給率を上げることである、これは非常にわかりいいわけですけれども、これは、これから地球を含めた日本の国内の環境問題という視点から、私は逆に厳しい、コストは非常に厳しいという感を持っている。努力はいたしますよ。

 

したがって、私はこのすう勢なり消費動向を見ていくとき、自給率を踏まえてマ-ケティングもぼちぼち、これは農林省しっかり押さえていらっしゃるかもしれませんが、どうも私は、今までマ-ケティングというのは流通・加工・販売業者にお任せではなかったのか、食品は。この辺で、市場原理という言葉が出てきた以上は、マ-ケティングについても、例えば朝市という概念は最近入ってきたわけですが、これは自給率の底支えだと思うんですよね。おばあちゃん、おじいちゃんがつくってたものを全国の消費者が食べ始めてるということは、今まで、生産したけれども必ずしも消費者のお口に入らなかったものが入り出してるというのは、これは実に大きいマ-ケティングの一つだと思うんです。必ずしも農業者が直接売れという意味では決してないわけであって、その辺に関与するということは、加工、すなわち販売業者との連携という概念が--コストが下げられればいいんですけれども、コストにこだわりますと、私はむしろ非常に厳しい状況を感じております、一部の地域では可能な地域があるかもしれませんが。それが1点です。マ-ケティングという問題についてのこれからの取り組みといいますか、方向というものをこれから御検討いただいておきたいというのが1点でございます。

 

それから、先般の会議でちょっと何だったんですが、経営指標の問題なり、この辺でお願いをしておきたいのは、確かにきょう、数字は納得をしてるわけで、大きいほど私たちは頑張れるのでいいんですけれども、特に今回の基本法でも、農業経営の法人化を推進しようという大命題、これが大きな柱のような感じもするわけでございます、担い手問題から。したがいまして、そうしますと、どう見ても視点が違ってたんですね。私たち法人で見る所得概念、給与概念と、農家、どっちかというと生活も生産も一緒のような経営の所得概念という、その辺をぼちぼち、商業簿記と言っちゃ失礼ですけれども、農業もそうした意味でいかなきゃいけない。ただ、そのときに物差しがなかったのが、先般ちょっと私、御迷惑かけたかなという反省もあるんですけれども、物差しをぜひ農林省と我々一緒になってつくっていきたいなというお願いをしておきたいと思います。

 

それから、私ども日本法人協会も今1,200ぐらい仲間がおりますから、その中で平成12年度の課題は、ぜひ経営を公開していこうじゃないかと。データをきちっと同じ物差しで出そう、そうしないと、国民なりの皆さんを説得できないよということを今検討しておりますので、できるだけ多くのデータで我々出したいと思いますので、ぜひ御指導、御協力をお願いしたいという、この2点でございます。

 

部会長 御返事要りますか。

 

専門委員 結構です。

 

部会長 それでは、○○さんどうぞ。

 

専門委員 ちょっと話題が変わるんですが、食べ残し・廃棄の問題なんですが、道徳律といたしまして、8億人の栄養不足が地球上におると、それから食料を捨てることはもったいないということ、私も全くそう思っておるということを前提にしての話なんですが、自給率を上げるということの目標というか目的は、いざというときの食料の確保というようなことが最終的にはあると思うんですね。ところが、そもそも食料というのは常に消費と生産との間にギャップがありまして、これは工業製品と違って、消費を目的にして製造するというわけにいかない。つくったものを消費するということにならざらを得ないので、常に生産と消費の間にギャップがある。それから2番目に、つくられたものが長期間の保存がしにくい。また、地域間の移動も非常にしにくいものが多いということがあります。そこに国家としては、貿易のインバランスという問題が日本の場合には常にあるということですと、非常にびっくりするようなことを申し上げるようですが、日ごろからなるべくぜいたくをして、食料が余ったときにはどんどん捨てているということが、いざというときのために非常にいいのではないか。もしこれが、きちきちにして、ぜいたくもしない捨てもしないという状態になっていると、いざというときの農業生産の拡大も難しいですし、いざというときのゆとりが全くなくなるということを実は意味してるのではないかと思うんです。

 

思い出していただきたいんですが、今から20年ちょっと前にオイルショックがありました。あのとき、トイレットペーパーと洗剤がなくなった。どうしてトイレットペーパーと洗剤がなくなったかというと、流通在庫がほとんどないんですね。ほとんどこれは空気を運んでいるようなものでありまして、単価が安くて空気を運んでいるものはできるだけ在庫を少なくしようということで、流通在庫をほとんど持っていなかった。しかも、これは絶対の必需品ということで、だれが目をつけたか知りませんが、そういうことを言い出した人がいて、突然、全部品切れしてしまったと、だれか隠したろうといって探したけど、なかったというようなことが当時いっぱいあったわけですが、食料も実は同じことがあって、少しいつもぜいたくをしている、例えば肉を食べているから、いざというときにジャガイモを食べることによって生きていける。そして、日ごろ需給のアンバランスを廃棄というようなことで埋めている、そういうことをやって生産を維持しているから、いざというときにその分が人間の生存に向かってくるということを考えると、食べ残し・廃棄問題というのは、道徳律としてできるだけ少なくした方がいいということについては十分よく理解いたしますけれども、この自給率を上げるということのさらに上位の目的との関係においては、余り触れないのが正解ではないか。何もそういうことを言わないで、むしろ適当に捨てていることがいざというときに役立つというふうに感ずるんですが、いかがでしょうか。

 

部会長 私も半分くらい同感のところがあるんですけれども、自給率にストレートに、廃棄物を一つの論点にして数字に反映させるような使い方はどうかなという感じは何となくあったんですが、今、○○さんがおっしゃられたので、何かお考えあったら教えてください。

 

事務局 今の御議論ですが、食料安保との関係でというのは、確かにそういう考え方もあるかもしれませんが、いざというときの食料安保というのは、そういう政策目的のためには、また別の政策手段でやるべきなのでありまして、ここで申し上げてますのは、先ほど資料No1の17ページのところでも御説明申し上げましたけれども、単に8億人の栄養不足人口が云々という、そういう道徳の問題だけではなくて、食料について申し上げれば、食料資源の有効利用、環境への負荷の低減、こういった考え方のもとにやるということがまず1点です。

 

それから、17ページの右側のところに書いてありますが、廃棄物の減量化目標ということで、これは国の方針としても出ておりまして、内閣を挙げて取り組むべき課題と。この中には食品の廃棄物も当然対象になっておりまして、食品廃棄物の中には、今、余り詳しいデータがありませんが、例えば京都市のデータ等によれば、台所から出るごみの30数%が食べ残し・廃棄だということも考え合わせてみると、それも含めて、こういった食品廃棄物を含めた一般廃棄物の減量化の目標ということで、その 1にあります排出量の削減をしていこうというフレームができております。

 

この5%と10%との関係ですが、ここで言ってますのは、まず国民1人当たりの排出量を、基準年次である平成8年との対比で、平成22年に1人当たりで10%減量しましょうということが掲げられております。これが、人口の問題、それからあと紙の使用量についての動向等々を勘案してみますと、1人当たりで10%の減量というのを目的としてやっていくことによって、全国の排出量全体を5%程度、現在より削減することにしようということで目標が掲げられておりまして、これに基づいて今進めているということでございますので、私どもの平成22年度を目標とした食料自給率、これの消費の部分につきましても、食生活を見直すという中に、この食べ残し・廃棄の抑制を含めるという食生活指針を今描いておりますが、これと相まってやっていこうということですので、食料安保の問題とはまた別のものとして、これはこれで政策としてやっていく必要があるということで位置づけられておりますし、食料安保、懐が少し浅くなるんじゃないかということにつきましては、それはまた別の政策手段を講ずることによって、食料安保の観点からの政策を進めていくということではないかと考えております。

 

部会長 また私がしゃべっちゃ申しわけないんですけど、例えば廃棄物が減る、お米を捨ててた人がお米を捨てないようになったら、自給率は下がっちゃうんじゃないですか。逆に、輸入飼料をうんと使ってつくった国産牛肉が廃棄されてて、その廃棄量が減れば、自給率は上がるかもしれないですね。だから、廃棄されてるものの中の何が廃棄されなくなったら自給率にどうはね返るかというのは、前提の置き方、その他難しい話になるんじゃないかと思うので、議論はよくわかるんですけど、そこら辺、何かの機会によく教えていただければ、○○委員さん方も御納得いただけるんじゃないかと思いますが。

 

どうぞ。

 

委員 2点申し上げたいんですが、1点は、今のお話は、超長期に世界的な生産がどうなるかという話と、それから短期的なリスクの話とが一緒に議論になっていて、ほんとにリスクマネジメントだとすると、そのリスクがどういう状況かということを議論し、それにどういう対応をするのかということがないと、自給率と冗長なシステムにするという話を直にやっていくのは、余り論理的な議論じゃないような気がいたします。

 

もともとこの自給率の話は、リストマネジメントといいながら、そのリスクは明示的に出されていませんから、そういう土俵に乗ってないのではないかと私は思っております。もしそういう議論をするんだとすると、繰り返しになりますが、どういうリスクに対してどう対応するのかということを、自給率だけではなくてほかのところについても詰めていく必要があろうかと思います。もうまとめの段階ですから、多分ほわっとした段階での議論にとどめているのかなと、私は勝手にそう思っております。これが1点目でございます。

 

それから2点目は、資料No2の19ページに生産性の向上と生産基盤の強化という4項目が上がっておりますが、この順序はこういうことなんだろうかということと、それから先ほど御議論になっていた、生産者だけの責任かというお話とも絡むんですが、私、素人なりに、担い手がうんと減ってきて、それに対して株式会社化するとか農地を流動化するとか、そういうところで構造を大きく変えていこうということをおやりになっているのが今回の法律の基本かと、私はそう理解しております。

 

したがって、そういうことをやっていくために、じゃ農地はどうすればいいのか、生産基盤はどうしていけばいいのか、というふうに説明をしていただかないと、やっぱり片一方で減反してるのにまだ農地をつくるのかとか、あるいは、水は余ってるというのにまだ水をつくるのかという、こういう素朴な国民の疑問に、こういう格好の提示では答えられないのではないかなという気がいたします。農業の担い手がうんと減っていくということに対して、自給率を何とか今よりうんと下げないで維持していくためにはこういう努力が必要なのではないかという、何かそういう論理立てをした方がいいのかなという気がいたします。

 

それから、あと1点は、今のと絡むんですが、生産性の向上と消費となっているんですが、間の流通のところはどうなっているのかというのがちょっと気になります。私のように地域学とか交通とかってやってる立場から言いますと、例えば観光地に行って、農水産品が東京と変わらない値段で売られていて、観光地経営としては非常に困ってるという、こういうことがどうして起こるのかとか、一たん東京に来て、また逆送されるような交錯輸送がどうして起こるのかとか、こういうところの流通のメカニズムについて、何か項目としてはあってしかるべきなのではないか。

 

それから現実に○○さんのところもそうですし、流通形態というのはものすごく変わってきたはずで、そういう今まで変わってきたのが、もうこのままなのか、この辺もぜひ検討、こういうところの課題に入ってくるのではないかなと、こんな気がいたしました。

 

以上でございます。

 

部会長 ありがとうございました。

 

何かお答えになることありますか。

 

事務局 先ほどの廃棄物と安保の関係でちょっとつけ加えさせていただきますと、廃棄につきましては、懐が深いものが浅くなるという部分がありましたけれども、廃棄を減らすということは、要するに適正な水準になるように減らしていくということが基本的な考え方ということを、まず指摘させていただきたいと思います。

 

それからもう1点は、食料安保につきましては、これも、これまでいろいろな議論があったわけですが、食料安保上は、生産力の強化によりまして食料の供給力をきちんと確保するということが基本的に重要だということであるということでございます。

 

会長 すみません、ちょっと時間がなくなりかけているんですが、私ちょっと感じを言うと、で、事務局にいろいろ検討いただきたいんですけれども、○○委員あるいは○○委員からいろいろ御意見が出たんですけれども、この数年の農政改革というのは、別のとらえ方をすれば、消費者負担型の農政から財政負担型の農政へ大きな転換、その痛みというのがいろいろな形で出てきているし、これからもまた追求していかなくてはならぬ課題だろうと思います。今まで、米価にしろ麦価にしろ政策価格で決めてたのが、市場原理によってだんだん決まっていくという時代になりまして、例えばここ10年ぐらいに、消費者負担と言われたものがどのくらい低下してきたのか、消費者はどれだけの得を得てきているのかというふうなこと。これはなかなかマクロで計算するのはもちろん難しい問題なんですが、私、大胆にやってもいいんじゃないかというふうに思っているわけです。で、国民にやっぱり、それこそ考えていただくと。

 

そういう背景のもとで、片方で農政の財政支出、いろいろあるわけですけれども、例えば農地の流動化だとか農場制をつくり出そうと、利用権設定を通じてですね、というときに、各地で、皆さん御存じの方もいると思いますが、土地改良負担金がかなり高いものですから、これがネックになって、とっても動かないというふうな問題もあるわけですね。もちろんそれは一つの例ですけれども。そういうことで、片方で農地流動化って随分旗振って皆さんも一生懸命努力するんですけれども、何だって負担金が3万円とか4万円とかどうしようもないぐらい、それが固定的にあるというのが邪魔して、なかなかパイプが詰まって動かない、例えばこういう問題もある。

 

そうだとするならば、土地改良に対して公共財として投資するんだというふうなことも言えるでしょうし、あるいは、生産をやる主業農家あるいはそれに類するような方々が規模拡大して生産性を上げていくということになると、片方で兼業農家とか土地持ち農家が土地を貸しましょうと。だけど、地域のメリットは何もないとなると、これは考えてみれば、そういう方々は、生活にかかわるいろいろの施設投資だとか整備だとか、いろいろこれから起こってくるわけです。あるいは介護の問題とかですね。さまざまな問題が起こってくるわけです、地域社会としては。こういうものを一体農政としては、今までの農政じゃなくて、今度は食料・農業・農村ですから、農村という問題を一体どういうふうに考えるかというふうな、こういう視点で考えていきましょうというふうな問題提起もやっぱりマクロに一度やって、国民に考えていただく、あるいはそれを投げかけてみる。農政改革というのは、わかりやすく言えばそういう産業、経済が背後にあるんですよというふうなことを考えてもらう一つのきっかけが必要だろうと思うんですね。難しい課題ですけれども、大胆にそういう問題をやっていただく。農政改革というのは消費者負担型から財政負担型へ、なんて言ったって、皆さんわからないですからね。やっぱり数字を出しながらそういうことを考えていただく、それが1つ。

 

もう一つは、これは○○委員とか○○委員から御提言があったんですが、私、一番気になってるのは、これからは例えば牛肉、いろいろなことがありますが牛肉を例にとりますが、ほんとにサシがこれからもずっと続くのか、それとも、赤肉の割と柔らかいものにシフトしていくのか。これは10年先を考えた場合、非常に重要な要素になってくるだろうと思うんですね。それは、牛の改良とかいろいろな問題ももちろん背景にありますし、それから粗飼料依存型といいましょうか、トウモロコシ、濃厚飼料だけに依存しないというような方向だとか、それから乳牛についても、低脂肪牛乳がだんだん売れております。そうしますと、低脂肪で高たんぱくの乳質を持った牛乳を出す牛にかえるなんていったって、そう簡単には私はいかないと思ってるわけです。しかし、方向としてはそういうことを考えておかなければならない。

 

もしそうだとするならば、自給率に大いにかかわってくるわけですよね。トウモロコシ依存、コストを安くするということが片方にあるかもしれませんけれども、片方で、米づくりであいた土地をどういうふうに飼料供給に結びつけていくかというふうな、有機的な体系性というんでしょうか、特に輸入濃厚飼料及び輸入粗飼料が自給率に一番影響を及ぼすわけですから、これを例えば仮に300万トン減らせば、ぐっと違ってくる。そういうふうにやったときに、一体どういうふうな畜産のあり方が望ましいのか、というようなことをやはり考えなくてはならない。

 

ただし一番難しいのは、そのときにどういう牛肉を、例えば牛肉なら牛肉、牛乳なら牛乳を消費者が選択し嗜好するかという、ここは非常に難しいところでございます。特に牛肉については、赤肉というようなことを言いますと、オーストラリアのグラスフェッドがいいぞとかいろんな問題。輸入とのかかわりで問題が出てくる可能性があるんですが、その辺を考えて、同時に環境保全型というのは、ふん尿還元というふうなことだけではなくて、日本に膨大に存在する中山間地域の土地をどういうふうに活用するかというふうなこと等考えて、もう少し、もちろん基本計画でそこまで書かなくてもいいんですが、有機的な体系性というのを裏に持ちながら、それで数字として出していくという。それで農業生産者、農民の皆さんに、こういう方向はどうだろうかということを大胆に提示して、これは私も言ってるし○○委員も常々言ってるんですが、言うならば生命総合産業としての農業の創造というのと、その実現の場をどうつくっていくか、こういうことを農業生産者や農業団体の皆さんには大胆に提起する必要がある。そういう意味を持つから、消費者の皆さんもいろいろ考えていただきたいと。消費者あるいは多数派の国民の皆さんにどういうふうに問いかけて、考えていただくきっかけをつくるか、こういうことは今回の基本政策の中では重要ではなかろうかというふうに思っています。

 

そのほかもございますけれども、とりあえず時間が来たようですから、ちょっと時間をいただきまして私の感想を若干述べさせていただきました。

 

部会長 どうもありがとうございました。

 

まだ本日の議題で御質疑おありの方もおられるんだろうと思いますが--○○さん、それじゃ、ごく簡単にやってください。

 

委員 簡単というよりも早口になるかもしれませんけど、お許しいただきたいと思います。

 

幾つか、議論があった点に関連することをまず申し上げたいと思うんですけれども、お魚といもと野菜の話がございました。これと多少関係すると思いますけれども、いわゆる果実的野菜という、イチゴとかスイカ、多分メロンなんかも野菜という格好で生産の方からは区分されてるかと思いますけれども、統計上の区分は別として、やはりここも生活実感に合ったような形の処理がいいのではないか、こういうふうに思います。

 

それから、ロスの問題と自給率あるいは食料安保の問題というのは、やはりそのまま結びつけるというのはやや無理があるというふうに思います。余りここは無理をしないのが後々いいというふうに私は思いました。

 

それからトレンドにつきましていろいろ議論があったわけでございますけれども、生産が低下しているトレンドというのは、いわばほっておいてなったわけではなくて、これまでもそれなりに政策的にいろいろな手当てをして、しかしこうなってきてるという非常にきつい現実があるわけであります。したがいまして、これをいわば変えるということになりますと、新しい政策がやはり必要だということがもう一つあるんだろうと思います。きょうの中にいろいろ書いてありますけれども、いわばこれまでにない要素としてどういう政策があるかということをきちんと強調するなり、あるいは裏づけのあるものをつくるということが大事だろうと、こう思います。

 

全体としましては、消費者あるいは生産者の方々にもいろいろ呼びかけていくということでございます。私の率直なところを申し上げさせていただければ、生産者サイドとしても、無条件にこうするということではなかなか話はしにくかと思いますけれども、こういうことであればできるんだというような、むしろ積極的な提案ですね、そのときに何が必要かというような形の議論の投げかけがないと、変な言い方でありますけど、陳情とその答えというふうな形になりかねないところもあるかと思いますので、それはある意味で消費者の方も同じかもしれませんけれども、生産者の場合にはきちんとした組織があるわけでございますので、その点は、私がお願いするのも妙な感じでありますけれども、感想としてそういうことを感じた次第でございます。

 

それから、○○委員が先ほどおっしゃったこととも関係するわけでありますけれども、全体として自給率を上げるといいますか、農業の生産の方にしっかり伸びていただきたいということで、この資料の中にも生産性の向上、生産基盤の強化ということがあるわけでありますけれども、ここで考えるべきことはまだ幾つかあるように思います。特定の品目についてどうということではないわけでありますけれども、1つは、これは担い手の育成ということとも絡むわけでありますけれども、ちょっとこういう視点が必要かなというふうに思うわけであります。これは○○委員もおっしゃいましたし、前回もいろいろ議論になったわけでありますけれども、これまでの伝統的な農家の場合には、賃金、つまり労働に対する報酬の部分と、地代、つまり土地に帰属する部分と、調子がいい場合には資本に帰属する収益、これは一種、混合所得として稼得されていたわけでありますね。ところが、これからは、土地を少なくとも貸し借りをして生産をしていくということになるわけでありますので、全部ひっくりめてどんぶりで幾らということよりも、いわば分配の問題が非常に大事になるだろうと思うんですね。

 

私は、結論だけ申し上げますと、政策の一つの視点は、できるだけ労働ないし経営者報酬を厚くし、土地に対する分配分をなるべく圧縮するような、そういう基本的な視点を持つべきだろうと、こういうふうに思っております。実際には、小作料なんかの数字は随分下がってきております。ただ、まだいろいろ問題はあると思っておりまして、会長がおっしゃいました土地改良負担金の問題、これは背景にいろいろな難しい問題がございますけれども、結果的にはそういうような、つまり土地への分配分を厚くしてしまってるような要素があるかと思います。

 

それから、今回、稲以外の作物を振興するという形でいろいろなことが書かれているわけでありますけれども、従来の表現で言えば転作奨励金であります。これも今回、かなり増額されるような話もあるわけでありますけれども、どうかすると、いわば土地を持ってる人のところに行ってしまって、転作作物をつくるというのはなかなか大変でありますけれども、それを実際に背負っている人のところには行きがたい、あるいは行く部分が減ってしまうということが間々あるわけであります。恐らく典型的には、例えば餌をつくるというような場合に、転作の場合にですね、土地の所有者が転作奨励金を極端に言えば全額取得して、実際につくる人は、ただでその土地でつくらせてもらって、その収穫物だけは手に入るという。そうなりますと、6万とか7万という額が一種地代化してしまうというようなことがあるわけであります。これは一番極端な例でありますけれども。全体としては、そういう作物の生産を振興する政策が、構造政策上の一種の副作用を持っているというようなところがあるかと思います。こういうところを、きちんと一貫した視点でコントロールなり変えていくというようなことが必要だろうというふうに思います。それが1つであります。

 

もう少しございますので。もう一つは、これは○○さんのおっしゃったことと絡むわけでありますけれども、生産基盤の整備ということで、大区画ほ場ですから水田の汎用化があるわけでありますけれども、ノーマルな状態になっても、恐らく3割ぐらいの水田が、稲作からはいわば必要ないという形になっているわけでありまして、すべて汎用化という形で、稲作もあるいは畑作も両方対応できるような形、いわば技術的には一番高度な形の、またそれだけにお金がかかるような形になるわけでありますけれども、そういう形だけでいいのかどうかということは考えてみる必要があるだろうと、こう思います。

 

畑地化ないし餌づくりというような形で、むしろ地目を変えていくようなことも私は考える必要があるかと、こういうふうに思っております。ただし、その上でつくられるものなり、経営がきちんとその土地の上で成立するというビジョンが、あるいは見込みがないと、むしろ水田から畑地に変えることは耕作放棄を一気に進めてしまうという危険性もありますので、そこは機械的にやる必要はないかと思いますけれども、地域的にそういう芽があるところ、あるいはそれなりの--だらだら補助金を流すというよりも、むしろある経営なり途中の転換のところのいわば投資の部分についてきちんとバックアップするようなことをして、経営が成り立つというようなことがあるのであれば、これは汎用田。どこでも何割かは転作をやってるという状態ではなく、あるところは100%お米をつくるし、あるところはお米以外のところに完全に特化していくというような、そういうあたりまで考えないと、自給力といいますか自給率の向上というのはなかなか難しいだろうと思います。

 

以上でございます。

 

部会長 ありがとうございました。

 

ほかにも御意見あるかもしれませんが、大分時間も超過をいたしましたので、本日は、これをもちまして議事を終了させていただきます。

 

 

その他

 

 

部会長 次回第9回のスケジュールでございますが、2月の23日の午後2時から4時半まで、場所はここで。正式には、改めて事務局から御連絡を申し上げることといたします。

 

次回は、これまでの御論議を踏まえまして、事務局から基本計画と「農用地等の確保等に関する基本指針」の案を提示をして、それについて御議論をいただきたいと思っております。

 

 

閉会

 

 

それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。

なお、事務局から連絡がございます。