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食料・農業・農村政策審議会 第9回企画部会 議事録

食料・農業・農村政策審議会 第9回企画部会速記録

平成12年2月23日

於・農林水産省第二特別会議室

農林水産省

 

 

 

開会

 

部会長 それでは、ただいまから、食料・農業・農村政策審議会の第9回の企画部会を開催いたします。

本日は、委員、委員、委員、委員、専門委員、専門委員が御欠席との御連絡をいただいております。また、委員が遅れて来られるという御連絡をいただいております。

部会長 本日は、総括政務次官に御出席をいただいておりますので、ここで御挨拶をいただきたいと存じます。

 

総括政務次官挨拶

 

総括政務次官 皆さん、こんにちは。今日は、政務次官も出席をしていただいております。一言御挨拶を申し上げます。

食料・農業・農村政策審議会第9回の企画部会が開催されるに当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

本部会におきましては、今年に入りまして、基本計画の骨子案、農業経営の展望や食料自給率目標の検討に当たりまして、消費及び生産のすう勢と今後の課題等について御論議をいただいたところであります。

最近、マスコミでも社説等でも取り上げられておりますし、いろいろと報道されております。また、テレビ等でもいろいろ報道がされておりまして、非常に注目をされております。先生方におかれましても、これまでの御論議を踏まえまして、「食料・農業・農村基本計画要旨(素案)」を本日お示ししいたしますほか、食料自給率の目標策定に当たっての考え方について改めて御説明を申し上げますので、これをもとに御論議をいただきたいと思います。

先生方におかれましては、本日もそれぞれ専門の立場から活発な御審議をいただきますようお願い申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

部会長 どうもありがとうございました。

 

資料説明

 

部会長 本日は、「食料・農業・農村基本計画要旨(素案)」、「食料自給率の目標設定に当たっての考え方」、この2つにつきまして御論議をいただきたいと存じます。

事務局から資料が提出されておりますので、まず、資料1と2につきまして説明を願います。

事務局 それでは、資料の御説明をさせていただきます。資料をいくつかお配りしておりますが、そのうち資料1と2を御説明させていただきます。

まず、資料1の「食料・農業・農村基本計画要旨(素案)」でございます。まず、これは4部構成になっておりまして、第1から第4までありますが、この第1のところは、恐縮ですが読み上げさせていただきたいと思います。

「第1、食料は、人間の生命の維持に欠くことのできないものであるだけでなく、健康で充実した生活の基礎として重要なものであり、食料の安定供給を確保することは、社会の安定及び国民の安心と健康の維持を図る上で不可欠。

現在でも世界で約8億人の人々が飢餓や栄養不足に直面しているが、21世紀においては、世界の総人口は増加を続け、これに伴い食料需要が大幅に増加すると見込まれているのに対し、農業生産については、既に過度な放牧や耕作による土壌の劣化や砂漠化といった環境問題が顕在化しており、中長期的には世界の食料需給はひっ迫する可能性もあるとの指摘。

こうした中で、我が国の食料自給率は、消費構造の変化等により年々低下し、最近では約3割にも及ぶ水田で米の生産調整を行っている中で、他の食物の定着が必ずしも十分に図られていないこともあり、世界最大の食料純輸入国となっているが、自国の資源を有効に活用して国民への食料の安定供給を確保する観点から、我が国農業の役割に対する期待が一層高まるものと見込まれるところ。

また、食料に対する国民の需要については、食生活の変化を反映して高度化・多様化が進んでおり、今後、消費者の健康志向・安全志向の高まり等を背景として、基本的にはこの傾向が続くと見込まれることから、こうした需要の動向に即して食料供給を行うことが一層重要。

一方、このような食生活の変化に伴う栄養バランスの崩れ、かなりの食べ残しや食品の廃棄等の発生といった問題も指摘されており、食料消費の面において、これらの問題点の改善を図ることが重要な課題。

このような状況を踏まえ、食料自給率の目標を、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針として、関係者が取り組むべき課題を明らかにして定め、その達成に向けて、国、地方公共団体、農業者及び農業に関する団体、食品産業の事業者並びに消費者が一体となって努力していく必要。」

さらに、2ページでございますが、「国民がゆとりや安らぎをこれまで以上に重視するようになっている中で、農業については、今後とも、国民に対し良質な食料を合理的な価格で安定的に供給することのみならず、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承等の多面的機能を適切かつ十分に発揮することが求められるところ。

このように、我が国農業については、食料の安定供給の機能及び多面的機能を発揮することが期待されているが、これらの機能が十分に発揮されるためには、農業が持続的に発展すること及びその基盤たる役割を果たす農村の振興が図られることが重要。

このような考え方に立ち、基本法に掲げる食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農村の振興という四つの基本理念の実現を図るため、同法に則り、次のような観点を踏まえ、食料、農業及び農村に関する施策を総合的かつ計画的に推進」、ということでございます。

以下、その4つの基本理念について書いてありますが、1番目の食料の安定供給の確保につきましては、国民に対し、将来にわたって良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されることが必要。

国民に対する食料の安定的な供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行うことが必要。そして、不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫し、またはひっ迫するおそれがある場合においても、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保が図られることが必要。

また、国民の豊かな食生活の維持、確保を図っていくためには、国内の農業生産のみならず、国内の食品産業が重要な役割を担うことから、農業の生産性の向上及び食品産業の合理化・効率化を促進しつつ、農業と食品産業の健全な発展を総合的に図ることを通じ、高度化・多様化する国民の需要に即した食料の供給が行われるようにすることが必要、ということでございます。

2番目の多面的機能の発揮につきましては、多面的機能がもたらす効果は、農産物のように市場において評価されるものではないが、国民生活及び国民経済の安定に果たす役割にかんがみ、これらの多面的機能が将来にわたって適切かつ十分に発揮されるようにすることが必要、ということでございます。

3番目の農業の持続的な発展につきましては、将来にわたって食料の安定供給が確保され、かつ、多面的機能が発揮されるようにするためには、農業の持続的発展を図られる必要。

そのため、農業生産に必要な農地、農業用水その他の農業資源及び農業の担い手が確保され、農業技術水準の向上を伴いながら、地域の特性に応じて、これらが効率的に組み合わされた望ましい農業構造が確立されるようにするということと、農業の自然循環機能の維持増進により、環境と調和のとれた農業生産の確保が図られるようにすることが必要、ということでございます。

4番目の農村の振興につきましては、農村は、農業者を含めた地域住民の生活の場であり、また、そのような場で農業が営まれていることにより、農業の持続的発展の基盤たる役割を果たしているということで、農業が食料その他の農産物の供給の機能及びそれ以外の多面的機能を適切かつ十分に発揮できるよう、農業の生産条件の整備及び生活環境の整備その他の福祉の向上により、農村の振興が図られる必要。

このため、地域の農業の健全な発展、4ページに参りますが、生活環境の整備その他の福祉の向上、これらを総合的に推進するものとして、農業の振興その他農村の総合的な振興が図られることが必要。また、中山間地域等の振興、都市と農村の交流の促進等が図られる必要。これが4部構成の第1の基本的な方針でございます。

それから5ページに参りますが、5ページは、2番目の食料自給率の目標でございます。この第2につきましては、第6回、7回で議論していただきました骨子で御説明したのと基本的に考え方は同じでございます。

1番目の基本的考え方のうちの目標の意義につきましては、2つ目のにありますとおり、食料自給率の目標を掲げることは、国民参加型の農業生産及び食料消費の両面にわたる取り組みの指針として重要な意義を持っている、こういうことが基本でございます。

(2)の定め方につきましては、これも以前御説明いたしましたが、5ページから6ページに参りますが、まず、主要品目ごとの自給率を提示する。

それから総合的な意味での自給率につきましては、まず、カロリーベース、供給熱量ベースの総合食料自給率目標を提示する。なお、金額ベースの総合食料自給率目標も併せて提示するということでございます。同時に、主食用穀物、飼料用を含む穀物全体、さらには飼料自給率、こういった目標も提示するということでございます。

2番目の望ましい食料消費の姿、消費に関しましては、7ページのところに、上から2つ目ののところにありますけれども、脂質の摂取過多の改善等適正な栄養バランスの実現、それから食料資源の有効利用、環境への負荷の低減といった観点から、食品の廃棄や食べ残しを減少させることが重要な課題ということでございまして、そういったものを踏まえて、(2)にある望ましい消費の姿として、平成22年度における食料消費を提示していくということでございます。

それから3番目の生産努力目標でございますが、これにつきましては8ページの上から4つ目ののところに書いてありますが、食料自給率の目標における国内の農業生産については、食料自給率の目標が国内の農業生産の指針としての性格を有することを踏まえ、このような課題が解決された場合に実現可能な水準を「生産努力目標」として設定するということで、課題を明らかにした上で、その課題に向けて関係者が積極的に取り組んだ結果としての努力目標として設定するということでございます。

その下のでございますが、また、国内の農業生産の増大を図る取り組みをより着実に推進するため、全国段階における生産努力目標の策定と併せて、地方公共団体、生産者団体等による地域段階における生産努力目標の策定を促進するということを記述しております。

その下の(2)の主要品目ごとの課題でございます。ここでは、品目ごとに課題を提示、とだけ書いてありますが、それぞれの品目ごとに、具体的にそれぞれの課題をきちんと記述するということにしたいと考えております。

そういったことで(3)の生産努力目標を出していくわけですが、その生産努力目標、それから生産努力目標に係る品目ごとの単位面積当たりの収量、そして、これらを前提とした場合に必要となる品目ごとの作付面積、それの延べの面積、それから耕地利用率、農地面積等について示していくということにしております。

最後に9ページ、4番目にありますが、以上を踏まえた平成22年度における、いくつか申し上げた自給率の目標を数字として、これは表の形になると思いますが、ここのところではっきり提示をするということにしております。

それから10ページに参ります。大きな3番目でございますが、食料、農業及び農村に関し総合的かつ計画的に講ずべき施策でございます。ここの大きなフレームは、骨子で御説明したものと同じでございますが、それに肉づけを行って整理をしております。

かいつまんで御説明をいたしますが、まず、この第3は大きく4つに分かれておりますが、食料・農業・農村と団体。その1番目の食料でございます。先ほど申し上げましたけれども、食料の安定供給の確保ということは、消費者が良質な食料を合理的な価格で安定的に得られるようにすることを意味するものであり、消費者ニーズにこたえ得る農産物を提供していくことが農業の基本。したがって、消費者の視点を重視しつつ、食料消費に関する課題に対応するための施策の充実を図る必要があるというのが基本でございます。

また、食品産業については、国産農産物の需要先として、かつ、国民に多様な食料を提供する主体として重要な役割を果たしていることにかんがみ、食品産業の健全な発展を図るための施策を実施するということです。

さらに、農産物の安定的な輸入の確保、適切な備蓄の実施に関する施策、農産物の輸出の促進に関する施策を実施するということでございます。

このほか、不測の事態の場合でも最低限度必要な食料の供給が確保されるようにするための施策、それから食料援助その他の国際協力を推進していくということでございまして、具体的には、まず、(1)の食料消費に関する施策の充実について申し上げますと、これにつきましても、まず、食料の安全性の確保の重要性及び品質に関する消費者の関心の高まり等を踏まえて、食料の安全性の確保、品質の改善を図るというのが基本で、同時に、消費者の合理的な選択に資するため、食品の衛生管理及び品質管理の高度化、表示の適正化、こういった施策を実施することとしております。

また、食料消費の改善、農業資源の有効利用に資するため、健全な食生活に関する指針の策定、食料の消費に関する知識の普及、情報の提供、こういったことを実施していくということでございます。

食品の衛生管理、品質管理の高度化につきましては、11ページに参りますが、農業生産資材、農薬等の農業生産資材の適切な使用の徹底、いわゆるHACCP手法の導入の促進等を図る。

それからイのところの食品の表示の適正化につきましては、JAS法に基づく食品の品質表示基準の策定及びその運用を通じて行っていくということでございます。

それから健全な食生活の指針の策定等につきましては、本年度中に策定することとしております健全な食生活に関する指針、それから国民各層への普及啓発、健康増進等の目標と施策体系を定めた総合的な計画の策定及びそれに基づく国民的な健康づくり運動の展開、こういったことを図っていくということでございます。

(2)の食品産業の健全な発展につきましては、食品産業が食料の供給において重要な役割を果たしておりますので、事業活動に伴う環境への負荷の低減、資源の有効利用の確保に配慮しつつ、事業基盤の強化、農業との連携の推進、流通の合理化を図っていくということで、まず、事業基盤の強化につきましては、技術力の向上等を通じた生産性の向上等によって事業規模を強化していく。

それから12ページでございますが、食材の供給、商品の開発等に関する食品産業と国内農業との連携等も推進していく。

それから流通の合理化に関しましては、卸売市場の機能、体制の改善強化、それから集出荷流通システムの高度化、取引形態の多様化に対応した取り組み、こういったものを推進していくということでございます。

それから環境への負荷の低減、資源の有効利用の確保のためには、食品残さの発生の抑制及びリサイクルの促進等の取り組みを推進していくということです。

(3)の農産物の輸出入に関する措置に関しましては、ア、イ、ウとありますが、農産物の安定的な輸入の確保、農産物の輸出の促進、適切な備蓄の実施を行っていくということでございます。

(4)の不測時における食料安全保障についてでございますが、不測の事態にはさまざまなレベルのものが想定されるわけでございまして、そのような不測の事態に的確に対処するため、我が国の食料供給力の確保及び向上に平時から努めることに加えまして、さまざまなレベルに応じて食料供給の確保を図るための対策を講ずるということでございます。そのためのマニュアルの策定を実施する。特に不測の要因により国内における需給が相当の期間著しくひっ迫するような場合には、熱量効率の高い作物への生産転換による食料の増産、流通の制限、そういった必要な施策を実施するということでございます。

(5)は国際協力の推進ですが、世界の食料需給の将来にわたる安定に資するため、技術協力、資金協力、食料援助、こういったことを実施していくということでございます。

2番目の農業についてでございます。

これにつきましては、農業の持続的な発展が求められるわけですが、そのためには、効率的かつ安定的な農業経営。これは、主たる従事者が他産業従事者並みの労働時間で地域における他産業従事者並みの生涯所得を確保し得る農業経営ですが、こういった効率的かつ安定的な農業経営を育成して、これらの経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することによって、生産性の高い農業を展開することが必要だということでございます。

このため、このような農業経営及び農業構造の姿を全国段階及び地域段階で明確にしつつ、以下に述べるような施策を実施していくということでございまして、その1番目が、望ましい農業構造の確立でございます。これにつきましては、営農類型及び地域の特性に応じて農業生産の基盤の整備、基盤強化法に基づく認定農業者を中心とする担い手への農地の利用の集積等による規模拡大、それから14ページに行きますが、その他農業経営基盤の強化に必要な施策を実施していくということでございます。

(2)の専ら農業を営む者等による農業経営の展開についてですが、そういった農業者が創意工夫を活かした農業経営を展開できるようにすることが重要であるということで、その条件を整備して、家族農業経営の活性化と農業経営の法人化を推進するための施策を実施していくということです。

家族農業経営につきましては、アのところにありますが、農業者による青色申告の促進等を通じた経営管理の合理化等、経営の発展のための条件整備を行って活性化を図る。それから農業者年金制度については、制度のあり方を見直していく。黒ポツの3番目ですが、家族農業経営、法人経営等の経営形態に応じ、効率的かつ安定的な農業経営を育成する観点から、育成すべき農業経営に諸施策を集中することとし、それらを体系的・総合的に実施するということでございます。

イの農業経営の法人化の推進につきましては、法人経営が経営管理能力の向上、新規就農の促進等の面で重要な役割を果たすものであることにかんがみまして、農業経営の法人化の推進に必要な施策を実施していく。それから農業生産法人の一形態としての株式会社形態の導入を含む農業生産法人の要件の見直し、それから農業委員会の機能の活用等により、これに伴う投機的な農地取得等の懸念を払拭するための措置を実施するということでございます。

(3)の農地の確保及び有効利用でございますが、まず、農地として利用すべき土地の農業上の利用の確保につきましては、15ページでございますが、農業振興地域整備法に基づく農振制度、それから農地法に基づく農地転用許可制度、こうした制度の適切な運用を通じて、集団的な農地や基盤整備が実施された農地、こういった農地として利用すべき土地の農業上の利用を確保するということ。それから農村における農地の利用等に関連する諸制度のあり方について、総合的な観点に立った検討を実施していくということでございます。

また、効率的かつ安定的な農業経営を営む者に対する農地の利用の集積を推進していくということと、それからウにありますが、地域における耕作放棄地の活用に向けた取り組みの推進、耕地利用率の向上等によりまして、農地の効率的な利用を促進していくということでございます。

4番目の農業の生産基盤の整備につきましては、地域の特性に応じて、自然環境の保全あるいは美しい景観の形成等環境との調和に配慮しつつ、また、事業採択に当たっての適切な費用対効果分析等による事業効果の評価を通じた効率的実施、こういったことを旨として施策を実施していくということでございまして、まず、地域の特性に応じた推進ですが、平場地域におきましては、生産性の高い農業等を展開するため、地域の農業の担い手への農地利用の集積に資する大区画ほ場の整備、また、麦、大豆等の生産振興に資する水田の汎用化等の基盤整備を推進していくということ。

それから、中山間地域等における高付加価値型農業等を展開するための整備も併せて推進していくということでございます。

それから16ページですが、土地改良施設等の管理・保全につきましては、それを推進していくということと、ウの土地改良制度の見直しにつきましては、土地改良制度に関しまして、農地の利用等に関連する諸制度のあり方についての総合的な検討の一環として、土地改良制度をめぐる情勢の変化等を踏まえ、所要の見直しを実施するということにしております。

それから(5)の人材の育成・確保につきましては、まず、アのところにありますけれども、農業に関する技術の普及事業等を通じて、担い手たる農業者の農業技術、経営管理能力の向上を図る。

それからイのところですが、農業外からの新規参入等を含め、多様な就農ルートを通じ、農業を担うべき人材の幅広い確保・育成を図るため、新たに就農しようとする者に対する情報提供、研修、こういったことによって技術、管理手法の習得を促進する。それから新規就農者が農地等を円滑に取得できるようにするための施策を実施していくということです。

それから、併せて農業に関する教育の振興につきましては、学校教育における農業に関する学習内容の充実、体験の促進を実施していくということでございます。

(6)の女性の参画の促進ですが、男女が社会の対等な構成員としてあらゆる活動に参画することが重要であることにかんがみ、女性の農業経営における役割を適正に評価するとともに、女性が自らの意思によって農業経営及びこれに関連する活動に参画する機会を確保するため、環境整備を推進していくということでございます。

特にイの3行目にありますが、女性が農業経営及びこれに関連する活動に参画する機会を確保するため、農村女性の社会参画の目標の策定、研修の実施、起業活動に必要な情報の提供、こういったことを推進していくということでございます。

それから7番目の高齢農業者の活動の促進ですが、高齢農業者につきましては、農業生産あるいはそれに関連する諸活動に関して、豊かな経験、知識、技術を有しておりますので、それらの適切な活用を図ることが重要ということで、地域におけるこうした高齢農業者の役割分担並びにその有する技術、能力に応じて、生きがいを持って農業に関する活動を行うことができる環境整備を推進していくということでございます。

また、イの3行目にありますが、農協を含めたホームヘルパーの育成あるいは既存施設を活用した取り組みなどによりまして、農村における高齢農業者の福祉を向上していくということでございます。

8番目が農業生産組織の活動の促進でございます。これにつきましては、地域の農業における効率的な農業生産の確保に資するためということで、18ページになりますが、そこに書いてあるようないろいろな形での農業生産組織の活動の促進に必要な施策を実施していくということでございます。

それから(9)の技術の開発・普及でございますが、農業、食品の加工流通、こういったことに関する技術の研究開発、普及の効果的な推進を図るため、目標の明確化、関係研究機関の連携の強化、技術の普及事業の推進、こうした施策を実施していくということで、まず、技術の研究開発の目標の明確化につきましては、目標を明確化した上で、これに基づき具体的な技術の確立に向けた戦略というものを定めていって、その上で、農業生産の現場を支える技術、ゲノム解析等の革新的技術、こういったことに関する研究開発を効果的・効率的に推進していくということでございます。

また、国の研究機関が独立行政法人化されますので、これに伴い試験研究の集中化・効率化も推進していくということでございます。

それから普及につきましては、ウのところにありますが、対象者を担い手等に重点化するということ、それから農協による営農指導等との役割分担を図っていくということで、効率的かつ効果的に推進していくということでございます。

(10)の農産物の価格の形成と経営の安定でございますが、従来の農産物価格に関する政策は、農業経営及び国民の消費生活の安定を図る上で一定の役割を果たしてきましたが、需給事情や消費者ニーズが農業者に伝わりにくく、農業者の経営感覚の醸成の妨げとなり、農業構造の改善や内外価格差の是正につながらず、結果的に国産農産物の需要の減少を招いたという面があるという評価を踏まえまして、消費者に選択される農産物の生産を促進するという観点に立って、需要に即した生産を推進するため、農産物の価格が需給事情及び品質評価を適切に反映して形成されるように、麦、大豆等の主要品目ごとの価格に関する政策を見直すといった必要な施策を実施するということでございます。

また、それと同時に、農産物の価格の著しい変動、そういった価格政策の見直しに伴う価格の著しい変動が、育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策も同時に実施するということでございます。

の2番目のなお書きですが、なお、育成すべき農業経営を個々の品目を通じてではなく経営全体としてとらえて、その経営の安定を図るという観点から、農産物の価格の変動に伴う農業収入または所得の変動を勘案する仕組み等について、今後、品目別の価格政策の見直し状況、品目別の経営安定対策の実施状況、あるいは農業災害補償制度との関係等を勘案しながら検討していくということでございます。

11番目は農業災害による損失の補てんということですが、これにつきましては、農災法に基づく制度の適切な運用を通じて、災害による損失の合理的な補てん等の施策を実施していくということでございます。

12番目が自然循環機能の維持増進についてですが、農業の持続的な発展を図るためには、農業に本来備わっています自然循環機能の維持増進によって、環境と調和のとれた農業生産の確保を図ることが重要ということで、また、このような農業生産のあり方は、資源の循環的な利用や農業生産活動に伴う環境への負荷の低減にもつながるということでございます。

こうした観点から、農薬、肥料の適正な使用の確保、家畜排せつ物等の有効利用による地力の増進、こういった施策を実施していくということでございます。

それから20ページのウのところにありますが、また、家畜排せつ物、稲わら、食品残さなどの有機物について、その循環利用を促進する取り組みを推進するということと、温室効果ガスの排出の抑制、オゾン層破壊物質である臭化メチルの削減等の効果のある新技術の開発の推進によりまして、農業分野においても地球環境保全対策を充実するということでございます。

さらに、黒ポツの3番目ですが、農業生産に係る環境面に関連した施策のあり方について、諸外国における動向、今後の国際規律の動向等踏まえながら検討するということでございます。

最後、13番目に資材の関係がありますが、農業経営における農業資材費の低減に資するということで、生産、流通、利用の合理化の促進等の施策を実施するということでございます。

大きな第3番目が農村でございます。先ほど申し上げましたけれども、農村は地域住民の生活の場であり、そのような場で農業が営まれているということで、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしているわけでございます。

このため、の2番目に書いてありますが、農業者はもとより幼児から高齢者まですべての地域住民にとって、また、都市住民から見ても、活力と魅力ある地域社会となるよう努める必要がある。特に少子高齢化の進行等も踏まえまして、高齢者や女性が暮らしやすく活動しやすい農村の形成を図ることが重要であるということでございます。

しかし、農家人口の減少、混住化が進んでおりまして、地域産業の経営の厳しさ、過疎、高齢化の進展等もあって、活力が低下しているわけでございまして、こういった状況を踏まえて、農村における土地の農業上の利用と他の利用との調整に留意して、農業の振興その他農村の総合的な振興に関する施策を計画的に推進する。それから地域の農業の健全な発展を図るとともに、景観が優れ、豊かで住みよい農村とするため、必要な施策を実施していくということでございます。

21ページのの1番目ですが、その際に、農業の振興はもとより、自然、歴史、文化、景観、こういった地域資源を活用しながら、また、農村の有する豊かな自然環境との調和を図りつつ、個性的で魅力ある地域づくりを総合的に進めるということ、それから生活支持機能の向上を図るということが必要であるということでございます。

それから少子高齢化の一層の進展、また、厳しい財政状況にかんがみまして、一つの市町村では対応できない諸課題も増加しているということを踏まえて、地域の共通の課題に対して複数の市町村が広域的に連携・機能分担を図りつつ施設整備を行うなど、効率的・効果的な地域づくりを進めることも必要であるということでございます。

さらに、地域住民が誇り、意欲を持って自主的な取り組みを展開することが重要でございまして、個性ある地域づくりを推進する必要があるということ。

それから中山間地域等につきましては、そこで農業生産活動が行われることを通じて、食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮を図る上で重要な役割を果たしているわけでございます。

したがって、中山間地域等がこのような役割を十分発揮できるように、農業その他の産業の振興による就業機会の増大、生活環境の整備による定住の促進、こういった施策を講ずる。また、適正な農業生産活動が継続的に行われるよう、農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等によりまして、多面的機能の確保を特に図るための施策を実施していくということでございます。

また、都市と農村との間の交流の促進等の施策の実施、それから都市及びその周辺における農業について、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を実施していくということでございまして、以下、この農村の部分は、この中が3つのパートに分かれておりますが、21ページの一番下の1番目、農村の総合的な振興についてでございます。

これにつきましては、22ページのアのところから以下、具体的に書いてありますが、まず、アの最初のところにありますように、農村における土地の農業上の利用と他の利用とを適切に調整していく。

それから地場産業の振興、あるいは多様で個性的な観光資源の提供等の取り組み、こういったことを行っていく。さらには、立地自由度の高い産業の導入等を促進して、農村における就業機会の確保に貢献していくということ。

それから多様な産業の振興を図るための基盤として、道路ネットワークの整備を推進していくということでございます。

それからイとしまして、農業生産の基盤の整備と生活環境の整備その他福祉の向上の総合的な推進でございます。農村では、地域住民の生活の場で農業が営まれているということでございまして、農業生産の基盤と農村の生活環境が密接に関係しております。このため、農業生産の基盤と生活環境を一体的に整備をしていくということがポイントでございます。その際には、先ほども申し上げましたが、自然環境の保全あるいは良好な景観の形成等の多面的機能の発揮、魅力ある田園空間の形成、地域資源の循環利用の促進に資するよう配慮していくということでございます。

(イ)でございますが、また、災害に対して安全で安心できる地域づくり、交通情報通信ネットワーク整備を通じた公共公益施設の共同利用、バリアフリー化の観点も踏まえた基礎的インフラの整備、こういったことによりまして地域の存立基盤や生活支持機能の確保に資する地域づくり、あるいは地域固有の資源を活用した魅力ある地域づくり、このような観点を含めて、以下述べる施策を総合的に実施していくということでございます。

a、b、c、dとありますが、まず、交通につきましては、道路ネットワークの整備の推進、それから交通安全施策の推進、さらには地域の生活の足の確保に資するバス等の交通体系の形成、地域間の連携、交流を促進するための鉄道、空港、港湾の整備、それと効率的な物流ネットワークの構築、こういったことをやっていきます。

それから情報通信につきましては、都市と遜色のない高水準の情報の提供により、地域の活性化や地域住民の利便性の向上に資するため、高度な情報通信基盤の整備を推進していく。さらには光ファイバー収容空間等の整備を推進していくということでございます。

それから衛生につきましては、ナショナルミニマムの実現の観点から、農村における汚水処理施設、上水道等の整備を推進していく。

教育につきましては、農村の適切な教育環境の整備、文化施設、社会教育施設等の整備を推進していくということ。

さらに文化につきましては、農村において受け継がれてきた多様な伝統文化について、その保存及び継承等を推進していくということでございます。

以上については、農村の医療体制の整備、医療機関の機能分担と広域的な連携を通じて、良質で効率的な医療サービスを確保していく。

そして住宅・宅地につきましては、23ページの一番下にありますが、U・J・Iターン、田園居住等による地方定住の促進を図るため、良好な居住空間を確保し、地域の文化、景観を含む地域資源を活かしながら、魅力と個性を備えた住宅・宅地の供給を着実に促進していく。

防災につきましては、治山、治水対策、土砂災害対策、あるいは道路防災、除雪等の冬期道路交通の確保、農地防災、農地保全、こういったものを推進していくということでございます。

それから公園については、日常的なレクリエーション活動の場の提供、身近な歴史、生活文化、景観等の保存・復元等を目的とした公園の整備を推進していく。

最後に福祉については、ホームヘルパーの育成、公共施設のバリアフリー化等の促進によって、高齢者が安全に安心して活動できる環境整備を実施していくということでございます。

2つ目の中山間地域等の振興についてですが、アのところにありますけれども、農業その他の産業の振興による就業機会の増大につきましては、黒ポツの1番目にありますような、新規作物の導入による高付加価値型の農業等、地域の特性に応じた農業の展開。それから黒ポツの2番目にある、いろんなことを通じた就業機会の増大。それから黒ポツの3番目、奥地等産業開発道路の整備の促進、こういったことを図っていくということでございます。

25ページの生活環境の整備による定住の促進についてでございますが、ここでも、農業生産の基盤の整備と一体的に農村の生活環境の整備を推進していくということでございます。

また、いろいろな施設の整備、黒ポツの2番目に書いてありますが、このような整備を通じまして、十分な生活基盤を確保していく。それから森林と農用地の混在する地域での一体的な保全整備。

さらには、ウのところにありますように、中山間地域等において耕作放棄の発生を防止し、多面的機能を確保する観点から、農業生産条件の不利を補正するための施策を実施していくということでございます。

3つ目は都市と農村の交流でございます。アにありますように、この交流の促進につきましては、いわゆるグリーン・ツーリズムの推進等によりまして都市農村交流を促進していく。

それから黒ポツの2番目、規格の高い幹線道路網の整備の推進。黒ポツの3番目の、マルチハビテーションなど新しい居住形態への関心の高まりを踏まえ、豊かな自然環境を有する地域でゆとりある生活を過ごせる田園居住を実現するための住宅・宅地供給の推進。さらには、26ページでありますが、都市住民との交流の増大を図るための道路、河川、公園等の整備の推進、こういったことを図っていくということでございます。

それから市民農園の整備の推進、さらにウのところの、都市及びその周辺の地域における農業の振興としては、農産物の直売施設の整備、都市住民への情報の提供等、適切な振興策を実施していくということでございます。

それから、第3のうちの4番目の団体についてでございます。これにつきましては、基本法の基本理念の実現に資することができるよう、食料、農業、農村に関する団体の効率的な再編整備について必要な施策を実施していく。

なお、これらの団体に関連する諸制度のあり方の見直しが行われる場合には、これら組織としての団体の体制自体についてもその見直しを実施していくということでございますが、ア、イ、ウ、エとありますけれども、まず、農業協同組合系統組織については、自主的に食料の安定供給、農業の持続的な発展、農村振興という基本法の基本理念を的確かつ効率的に実現できるような体制の整備に必要な施策を推進していくということでございますし、農業委員会系統組織につきましては、優良農地の確保、有効利用、担い手の育成・確保等の役割を効率的かつ十分に果たすことができるよう、組織体制の適正化や組織の効率的な再編整備に必要な施策を推進していく。

農業共済団体につきましては、農業の担い手の育成、経営の安定に果たす役割を強めつつ、農災制度の円滑な普及・定着に向けた取り組みを効率的に展開できるような体制整備に必要な施策を推進していく。

土地改良区につきましては、その役割を効率的かつ十分に果たすことができるよう、統合整備を通じた事業運営基盤の強化を促進していく。

また、土地改良制度の見直しが行われる中で、土地改良区が地域において果たす役割等についても見直しを行っていくということでございます。

それから団体間の連携の強化でございますが、地域の実情に応じて、森林組合や漁業協同組合を含む団体間の連携についての条件整備を推進していくということでございます。

最後、28ページですが、4番目の第4でございます。施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項として6つ挙げられております。1番目につきましては、この計画に従って各施策を実施するに当たっては、必要に応じ第三者機関による評価を活用することも含め、適切な時期に施策の評価を行い、その結果を踏まえ、必要に応じ施策内容等の見直しを実施するということでございます。

2番目は、厳しい財政事情のもとで限られた予算を最大限有効に活用する観点から、財政措置を効率的かつ重点的に運用。また、類似の事業について重複投資を行わないよう、関係省庁が連携して計画的に事業を実施するということでございます。

3番目は情報公開等でございますが、施策実施における透明性の確保の観点から、情報の公開及び国民の意見の聴取に努めるほか、施策の目的内容等について国民の理解が得られるよう、広報活動の充実等を実施していくということでございます。

4番目は、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、その地方公共団体の区域の自然的、経済的、社会的諸条件に応じた施策を策定し、実施するということと、特に公共投資の分野では、民間主体の資金や能力を適切に活用する観点から、いわゆるPFI手法の活用を図るということ。それから地域住民、NPO、民間企業、こういった多様な主体の参加と連携を促進していくということでございます。

5番目は、国際的な規律との調和を保つということで、新たな国際的な規律の形成に際しては、我が国の立場や主張を最大限反映させるよう努力していくということでございます。

6番目、定期的な見直しでございます。この計画については、食料、農業、農村をめぐる情勢の変化並びに施策の効果に関する評価を踏まえて、おおむね5年ごとに見直して所要の変更を行っていくということでございます。

以上で資料1の説明を終わらせていただきます。

次に、資料2を引き続きごらんいただきたいんですが、1ページをお開きいただきたいと思います。1ページには、食料自給率の目標策定に当たっての前提条件をおさらいの意味で載せてあります。経済成長に関しましては、新経済計画の実質経済成長率年2%程度というのを前提としております。

それから人口につきましては、日本の将来推計人口ということでとっておりまして、この人口推計につきましては2007年がピークになると見込んでおりますけれども、2010年で見た場合に、ピーク時よりは少し下がりますが、1998年との対比で見ますと、1.2%増えている状態ということで見込まれているわけでございます。

それから2ページ、消費の姿の設定についてでございます。消費については、栄養バランスの実現と食べ残し等の減量という2つがあるわけでございますが、そのうちのまず食べ残し・廃棄の量を減らすということについて申し上げますと、(イ)のところにありますが、廃棄物減量化目標として、平成22年度の一般廃棄物の1人当たりの排出量を現状より10%減量するということが関係閣僚会議でうたわれておりますので、それに基づいて、それを勘案して、食べ残し・廃棄についても減量化していく必要があるのではないかという考え方でございます。

それから3ページでございます。したがって、望ましい消費の姿におきましては、食べ残し・廃棄が減量された適正な供給熱量を設定する必要があるのではないかということで、その具体的な水準といたしまして、アとイと書いてありますが、前にも御説明をいたしました摂取ベースと供給ベースの供給熱量の差が年々拡大して、近年、ベースを合わせますと650キロカロリー程度になっているということでございまして、この両者の差は食べ残し・廃棄の目安ということで考えられますので、廃棄物減量化目標を勘案いたしまして、この両者の差が10%程度縮小した供給熱量、すなわち2,540キロカロリー程度、こういったものを供給熱量として設定することとしてはどうかということで考えております。

それから4ページ、今度は栄養バランスの改善の関係でございます。これにつきましては、脂質の摂取過多等の栄養バランスの崩れによりまして、国民の健康への影響が懸念されているわけでございまして、右上のところにありますように「健康日本21計画」、あるいは私どもと厚生省でつくることにしております「食生活指針」、これらに即しまして脂質摂取過多の改善、また、野菜、カルシウム、こういったものの摂取を増やすという必要性が「健康日本21計画」、右上のところにも書いてあるとおりでございます。

したがって、具体的な水準として、(2)の(ア)以下に書いてありますが、まず、「健康日本21計画」において、脂質の関係につきましては成人についての平均脂質比率、これは摂取ベースですが、これを25%まで減少させるということが目標とされているわけでございますが、成人に比べて子どもは適正な率が高いということでございまして、これを全国民ベースに引き直しますとだいたい26%程度と試算されるわけでございます。

これに、右下の(ウ)にありますように酒類の関係がありますので、ベースを合わせることをいたしますと、だいたい成人の摂取ベースの25%の脂質比率といいますのは、全国民で言いますと、供給ベースのおよそ27%程度というふうに試算されるわけでございます。

したがいまして、この供給ベースの適正な脂質割合の目標値としては、27%程度に設定することが適当ではないかということでございます。この場合、適正な脂質割合が実現し得るように、エのところに書いてありますが、脂質を多く含む品目である油脂、畜産物、こういった消費を減少させる、同時に糖質(炭水化物)を多く含む品目の消費増を見込むべきではないかということで考えているところでございます。

それから5ページの野菜、カルシウムの関係でございますが、野菜につきましては、今申し上げましたとおり、「健康日本21計画」で、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン、こういったものの適切な摂取による生活習慣病予防という観点から、成人1人当たりの野菜の平均摂取量を、平成9年の300グラムから350グラムまで増加させることが目標とされております。

したがって、望ましい消費の姿における私どもの野菜の消費量の見方においても、同様の増加を見込むべきではないかというふうに考えているところでございます。

それからカルシウムに富む食品についてでございます。カルシウムについては、我が国の栄養水準が相当上がってきている中で、唯一、所要量に対して95%と下回っている栄養素でございまして、「健康日本21計画」や「食生活指針」でもカルシウムに富む食品の平均摂取量の増加が目標とされております。

このため、カルシウムに富む食品である牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜、こういったものについても同様の増加を見込むべきではないかということでございます。それぞれの品目の増加の目標は、前のページ、4ページの右上のところに「健康日本21計画」の内容として書いているわけでございまして、それと同様の増加を見込むべきではないかというのが私どもの考えでございます。

それから6ページですが、今度は生産面でございます。生産面につきましては、(1)にありますように、国内農業生産の増大は、コストの削減や品質の向上等を通じて、国内で生産されたものが消費者、実需者に選択されることにより実現するものでございまして、したがいまして、食料自給率の分子になる国内農業生産については、先ほど御説明しました望ましい消費の姿を前提といたしまして、消費者や実需者により一層選択されるよう、品目ごとに品質やコスト等の面での課題を明確化した上で、到達可能な国内生産水準を努力目標として設定するということでございます。

この場合、(3)にありますが、特に小麦、大豆、飼料作物については、著しく他に比べて自給率が低いということで、関係者の意欲的な取り組みによって大幅な生産拡大が期待し得る作物であるということ。

それから需要に応じた米の計画的生産と、米の作付を行わない水田を有効に活用して安定的な水田農業経営を確立していくということで、昨年の水田における土地利用型農業活性化対策大綱も打ち出されておりますので、こういったことから、関係者の取り組みと各般の施策の集中によりまして、本格的な生産の定着・拡大を通じて生産の増大を図っていく戦略作物として位置づけるべきではないかということでございます。

また、その他の品目につきましては、それぞれの明確化された課題の解決に向けた関係者の取り組みを踏まえて努力目標を設定していってはどうかということでございます。このそれぞれの品目の課題については、別添資料を御参照いただきたいと思います。

7ページ以下、参考を添付しております。ざっとごらんいただきたいと思いますが、参考1では、昭和50年代には、我が国の食料消費、食生活がPFCバランスで望ましい状態のものとしてあったわけでございますが、その中身を見ますと、米の消費量は今よりもかなり多かったことに比べて、畜産物・油脂類の消費量につきましては、かなり少ないものとなっていたということでございまして、(ア)、(イ)、(ウ)に書いてありますような問題があるということで、留意をする必要があるのではないかということでございます。

それから8ページでございますが、8ページは品目別の具体的な消費量の設定について書いてありますが、先ほど脂質摂取の適正化ということで、脂質を減らしていくということでございますが、この栄養バランスの改善のための適正な脂質割合の実現のためには、PFCのうちのP、たんぱく質の供給割合はおおむね適正な水準にありますので、脂質と糖質の間で、供給ベースの脂質割合が27%になるような調整が行われるということになるということでございます。

(ア)に書いてありますのは、脂質を多く含む品目である油脂や畜産物等の消費の抑制ということでございまして、これにつきましては、まず、油脂には動物、植物、魚類ということであるわけでございますが、この比率は摂取ベースで見ますと、一番右下のところに書いてありますけれども、動物、植物、魚類由来が大体4対5対1ということになっておりまして、これが望ましいとされる比率になっておりますので、どれを減らすということではなくて、脂質を含む全品目を、全体を消費の抑制対象にしてはどうかということです。

それからイにありますが、その際、脂質は含むけれどもカルシウム等の摂取の観点から摂取増が必要とされている牛乳・乳製品、魚類等につきましては対象から除く。

それからウにありますように、脂質の抑制に実際に取り組む場合には、それぞれの重量に占める脂質の割合が違いますので、それに応じた消費の抑制を見込むこととしてはどうかというふうに考えております。

それから9ページですが、一方で糖質(炭水化物)を多く含む品目の消費増を見込むわけでございますが、その際には、右の表をごらんいただくとおわかりになりますが、米と畜産物と油脂、この3つのカロリーを見てみますと、ほぼ50%の半ばの割合を占めておりまして、ほぼ一定という経験則がありますし、また「食生活指針」では、御飯など穀類の十分な摂取が必要とされておりますので、米を中心とした穀類の消費増を見込む。

同時に、イのところにありますけれども、穀類と栄養成分が近く、食物繊維に富むなど健康食品でもありますいも類の消費増も見込んではどうかということで考えております。

それから10ページ、そのいも類の関係ですが、前回も部会長から御指摘がありましたけれども、いも類につきましては、炭水化物が主体ではありますけれども、ビタミン、ミネラル、こういった豊富な各種の栄養成分をバランスよく含んでおります。特に甘しょにつきましては、抗酸化性等の機能を持つポリフェノール類あるいは食物繊維を含むといったことで、生活習慣病予防の機能性成分を含んでおります。

ということで、2の(3)にありますように、望ましい消費の姿の設定に当たりましても、このようないも類の栄養成分、消費量の動向を勘案していく必要があるのではないかということでございます。

それから11ページ、これは国内農業生産額と供給熱量の比較ということで、平成9年のところをごらんいただきますと、国内農業生産額の割合、%のところをごらんいただきますと、米が28%、野菜が23%、畜産物が26%という、これが大所の品目でございます。これに対して供給熱量の方で見ますと、米が6割を占めておりまして、野菜、畜産物は数%になっているということでございます。これが、前に御説明いたしましたカロリーベースの自給率の一定の制約の部分ということで、これを踏まえて、金額ベースの自給率も併せて示すことにしてはどうかということにしているゆえんのものでございます。

それから12ページは、消費の面での1人・1年当たり消費量の推移ということでございまして、一番右のところの平成10年度の速報値でごらんいただきますと、速報値と書いてある下のところが1年当たりのキログラム、その右側に供給熱量の欄がありますが、全体で2,570キロカロリー、そのうちの米は635キロカロリーということで、4分の1を占めているということでございます。

次に、13ページの方でございますが、国内生産の方も同様で、一番右側の数字をごらんいただきますと、平成10年度のところで国産の供給熱量は、先ほどの2,570キロカロリーのうち1,032キロカロリーということで、これが40%の率になるわけですが、その1,032キロカロリーのうち米のカロリーが606.8キロカロリーということで、これが6割近くを占めていると。その他は、野菜が6%、牛乳・乳製品が4.6%、魚介類が6.7%、てん菜、さとうきびが6.6%、こういった比率を占めているということでございます。

長くなりましたけど、説明は以上で終わらせていただきます。

部会長 御苦労さまでした。引き続きまして、参考資料1につきまして説明を願います。

事務局 ごく簡潔に御説明申し上げます。

参考資料1の表紙をめくっていただきますと、食料自給率とは以下5項目書いてございますが、このうちの1から4までは、これまで折に触れて御説明してきた事柄でございますので、この資料は、その中のごくポイントだけを御説明させていただきたいと思います。また、5のところの金額ベース食料自給率の計算方法、これは第4回の当部会で、金額ベースのこういった自給率を出すことについては意義のあることだという御指摘を踏まえまして、私ども事務方で試算をしたものでございます。

早速でございますが1ページをごらんいただきますと、食料自給率、これは、御案内のように、国民の食料消費に対して国産でどの程度賄えているかを示す指標ということで、右にありますように、FAOでこの基本的な考え方は取りまとめられております。そういった計算方法に準拠してこれまでも我が国でやってきたものでございまして、個別品目については重量ベースで、また、一定のグルーピングができる同種の産品についても、例えば穀物自給率のように、重量ベースでこれまでも計算をいたしております。

それから食料全体の自給率ということにつきましては、FAOでは、この四角の(3)のところにありますように、エネルギーで見る場合、あるいは価格によって計る場合というふうに2つの考え方が示されておりますが、我が国におきましては、これまで供給熱量ベースということで、カロリーに着目をして試算をしてきたわけでございます。

次に、2ページ、3ページは個別品目ごとの自給率と穀物の自給率の計算方法をお示ししてございますが、御留意いただきたい点は、2ページの左下の(3)でございます。これは小麦の例で書いてございますけれども、国内での消費仕向け量あるいは国内の生産量、その用途につきましては、食用だけではなくて種子用あるいは飼料用といった非食用も含めたすべての用途について分母・分子の関係を見たものでございます。

それから3ページ目の穀物自給率につきましては、同種の産品ということで、米や麦類あるいはトウモロコシといったものを含めて重量ベースで計算をいたしておりますけれども、その中で、我が国におきましては、穀物について食用と飼料用とが明確に区別をされているということで、この穀物自給率の中の一つの系列としまして主食用穀物自給率というのを3ページの右下のところにお示しをしておりますが、米と麦類について、その中で餌に仕向けられた部分を除いて分母・分子で計算をしているというものでございます。

それから4ページをごらんいただきますと、供給熱量ベースの総合食料自給率の計算方法となっております。考え方のところにありますように、食料全体についての自給度合いを供給熱量ということに着目をして試算をしているものでございますが、これまでの品目別なり穀物といったものは、この右の絵でごらんいただきますと、(A)あるいは(B)のところにありますように、国内に消費仕向けされた全体の量に対する国内の生産量という分母・分子の関係で出しておりますのに対しまして、供給熱量ベースでは、消費者のいわば手元に届いた段階での供給熱量の比率で見るということで、この(A)のところ、下にずっと下がっていただきますと、まず、全体の消費仕向け量から種子やあるいは非食料の部分を除いて、粗食料という概念がございます。米で言えば玄米ベースでの数字でございます。

さらに純食料、その下にありますけれども、玄米から精米にする、あるいは野菜であれば、表の皮なり芯の部分を取り除いて可食部分ということでとらえたのが純食料でございます。米ですと、1人・1日当たり636キロカロリー。こういったものを、米以外の品目全部を足し上げたのが2,570キロカロリーという供給熱量になります。そのうちの国産部分ということになりますと、それぞれの品目ごとにつきまして、(2)の(イ)にありますように、品目ごとの熱量に品目ごとの自給率を乗じて足し上げる。国産部分は1,032キロカロリーになりますので、この分母・分子の関係で40%というのが出てくるわけでございますが、ここで御留意いただきたい点が2つございます。

4ページの左下に(ア)として書いてございますが、1つは、供給熱量ベースの自給率はいわば消費者に供給された時点でとらえておりますので、2,570キロカロリーというのは国民栄養調査の摂取ベースとは違った概念であるということと、もう一つは、次に5ページをちょっとごらんいただきますと、国産熱量を計算いたします際に、畜産物につきましては、(イ)に書いてございますが、飼料の多くを輸入に依存しているということで、その飼料が欠けてしまっては国内生産も成り立たないということから、輸入に依存しております部分につきまして控除をいたしております。

この右の絵でごらんいただきますと、豚肉を例にしておりますが、豚肉の1日当たりの供給量は63キロカロリー。豚肉という肉のベースでの品目自給率は、その右にあります61%です。ところが、この国内での豚肉の生産のために餌を大量に輸入しておりまして、国産で餌を賄ってる比率というのは10%でありますので、63キロカロリーの供給量のうち国産部分はということになりますと、61%の品目別の自給率にさらに餌の自給率10%を掛けて、結果的に4キロカロリーになるということで、畜産物につきましては、こういった飼料の自給率も考慮して計算をしているわけでございます。ここが御留意いただきたい点でございます。

それから6ページでございますが、金額ベースの総合自給率ということで、これまでの議論を踏まえまして事務方として試算をしたものでございます。金額ベースの自給率の考え方は、食料供給のうち国内生産で賄われたものの割合を金額の割合で示すということでありまして、具体的な計算方法は6ページの左下の(2)でございますが、右下の絵をごらんいただきながらお聞きいただきたいと思います。

まず、分母に当たります食料の国内消費仕向け額でございますけれども、全体の供給量の中から非食料、食用に供さない部分は除いているという点を一つ御留意いただきたいと思います。また、具体的な価格のとり方でございますが、国産品につきましては農家の庭先価格、また加工品、例えば油脂あるいはでん粉といったものは、工場の出荷段階で把握をいたしております。また、輸入品につきましては、CIFベースに関税等の国境措置を加えまして、いわば輸入されたものが日本の国内マ-ケットに入ってくる、その時点で把握をしております。

それから(イ)にありますように、原料を海外に依存して、その加工、製品をつくる際に国内で行われたという場合には、その原料となります餌なりあるいは原料農産物につきまして、製品の価格からそれぞれ控除をいたしております。

こういった形で試算をいたしますと、6ページの中ほどにありますように、平成9年あるいは10年の数字が大体70%あるいは71%といった水準になるということでございます。試算値でございまして、ただいま精査をいたしておりますが、おおよそこの程度の水準になるということを御留意いただきたいと思います。

それから6ページの左下にありますように、これは、それぞれそのときの時価をとっておりますので、過去についてはその時々の価格がとれますけれども、当然のことながら将来につきましては、基準となります年次の価格をとらざるを得ないという制約がございます。

最後に7ページでございます。これまでも食生活の変化と自給率の低下ということについて縷々御説明をいたしておりますが、ここでは、これまで申し上げたことをひとつモデル的にわかりやすくお示しをしようということでつくったものでございます。四角の中をごらんいただきますと、米の消費が5キロ減少し、その米の消費の減少に伴いますカロリーを油脂と畜産物、ここでは牛肉を例にしておりますが、それぞれ半分ずつ補うというふうに仮定をいたしました。

それから牛肉の自給率でありますけれども、国内でも少し生産が増えるということで、品目別の自給率の変化はない。ただし、国産の牛肉を生産します際の餌は全量輸入ということで計算をいたしております。そういたしますと、備考のところにありますように、米の消費が1年間で5キロ減りますと、1人・1日当たりでは49キロカロリーの減少になります。約50キロカロリー。これを油脂と牛肉とでそれぞれ半分ずつ補うということですので、ごらんいただきますように、1人・1年当たり1キロなり4キログラム、こちらの方は消費が増えるとなります。年間にいたしますと、米は70万トン減少し、油脂は16万トン、牛肉は80万トン消費が増えるということになります。その牛肉につきましては、自給率が変わらないという前提ですので、35%という現行の自給率は維持されますから、80万トンのうちの35%、28万トンは国内で牛肉生産が増えます。ただ、その増える牛肉の生産に必要な餌、219万トンが海外から輸入されるという前提になります。

そういう前提を置いて計算をしますと、右側にありますが、まず品目別の自給率、米につきましては、消費の減少に応じて国内生産も減らしますので、分母・分子から70万トンずつ減ります。この場合は、結果的に品目別自給率95%というのは変わりません。牛肉は、品目別自給率は変わらないと前提を置きましたので、35%のまま。それから油脂ですけれども、これは国内で油脂原料がありませんので、消費が増えた分はすべて輸入で対応したということになりますので、品目別自給率は1ポイント下がるということになります。

2つ目の丸の主食用の穀物自給率、ここは主食用ということでいきますと米だけが影響してまいりますので、分母・分子から米の70万トンが落ちまして、58%というふうに、自給率は1ポイント低下をいたします。また、穀物自給率ですが、餌が牛肉の生産のために219万トン増えるということで、分母が大きくなります。したがいまして、自給率は低下することとなりまして、27%から24%へと3ポイント落ちるということでございます。

最後に供給熱量自給率ですけれども、米の消費の減少分の49キロカロリーが、分子の国内生産量のところから落ちます。国内生産、牛肉は増えておりますけれども、その生産のための餌が100%海外に依存されているという前提でこれは計算しておりますから、分子の方では米の減少分だけがきいてくるということになりまして、供給熱量ベースでは38%へと、2ポイント落ちるというふうになるわけでございます。

こういったふうに、米の消費の減少、それを補う形での油脂なり畜産物の消費の増加というものは、それぞれの自給率に、今申し上げましたような影響が出てくるということでございます。

以上でございます。

 

質疑

 

部会長 それでは、ただいま御説明のございました事項について御議論いただきたいと存ずるわけでありますが、その前に、ちょっと御報告を申し上げたいことがございます。

本日御欠席の専門委員から、事前にペーパーで御意見をちょうだいいたしております。非常に簡単なペーパーでございますので、御紹介をさせていただきます。その後、御議論をいただきたいと思います。

「望ましい食料消費の設定方法についての意見ということで、食べ残し・廃棄の抑制を考慮した上で、健康に配慮した適正な栄養バランスになるように、脂質を含む食品の消費を抑制し、そのかわりに米を中心にして糖質(炭水化物)を増やすといった基本的考え方が適当であると考えます。

2番目に、また、これを具体化する方法として、食べ残し・廃棄の抑制については、その実態が現在正確には把握されていないことから、食料需給表による供給量と国民栄養調査による純摂取量の差に着目をすること。脂質の抑制目標については、年齢や平成22年の人口構成、摂取と供給の差を考慮して、供給ベースでは27%として設定することについても、種々のデータの制約を考慮すればやむを得ないものと考えます。

3としまして、しかしながら、1点留意すべきとすれば、このような方法により求められる品目ごとの供給純食料は、あくまで全国民平均の、しかも供給ベースの数字だということです。実際に健康行政を地域現場で進めるに際しては、食事ベースの摂取の目安を示していくことが必要であり、現在、厚生省においてその作成が急がれている、となっております。

最後に、したがって、今回望ましい食料消費の姿として示されようとしております供給純食料は、食料栄養政策の視点から、マクロベースで国民の目指すべき方向性を示す性格のものであることについて、広く国民の理解が得られるようにしていくことが適切と考えます。」

以上であります。

それでは、ただいまの御説明につきまして、御審議いただきたいと思います。御質疑がある向きは、どうぞお願いいたします。

委員 全体として、御説明をいただいた内容については、おおむねこんなところかなというふうに思っておりますが、私は、ここで1つだけ非常に今大事なことがあると思いますのは、先ほどの説明にもありましたように、「情報の公開と国民の意見の反映」というのは最後の28ページで御説明がありましたが、やはりこの計画には国民が参加するということが前提に入っているのであります。国民が食生活なり望ましい姿に協力するというか参画するということが前提に入ってますので、ぜひとも必要なのは、やはり突然最終の自給率の数字がぽんと出るのではなくて、ある程度国民の理解をどういうふうに得るかということも考えながらやっていかないと、最終の数字をここでぽんと出して、これで協力しろというのは、余りにもちょっと乱暴のような気もするんです。

そういう意味で、この広報、我々が今作業しているこの内容の広報をどうするか、国民的理解を得るためにどういうふうなやり方をするのかというところを、今日はちょっとまだそこまで入っていませんが、この後、ぜひそれを考えておいていただきたいというのが私の意見であります。

部会長 ありがとうございました。それでは、引き続き。

委員 一つ御質問なんですけど、10年後ということになると、遺伝子組み換えによる自給への影響というのが当然出てくるのではないかと思うんですが、この辺をどういうふうに評価されているかということ。

それから、もう一つは提案なんですが、消費の姿というのを国民に見せていくという意味では、PFCの望ましい姿というのがありますから、メニューごとにカロリー表示のレストランは結構多いんですね、各レストランにPFCの表示を義務づけるというのも一案じゃないか。望ましい食生活の姿ということですね。そうすれば、国民も、Fが多いとかPがどうだとかということがかなり気になるのではないか。そういう意味で協力体制ができるのではないかというふうに思いますので、これはひとつ御検討いただきたい。

総じてこのお話は、私はこの間の議論、何回も欠席しているわけですが、全部御説明をいただいておりますので、大変よくまとまっているというふうに理解をしておりますし、総じて賛成であります。

あと3点ほどちょっと申し上げておきたいんですが、1つは、非常に国土が限られている消費国の日本ですから、自給率の設定に当たっては、日本の風土、国土条件に合わせた生産の確立。どのような農産物をどの程度の規模の農地でつくるか。これは、そういうふうに計算されていると思いますが、これを国民に具体的に示すということは、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、そういう作業はやはりきちっとやる必要があるだろうと。

それと、もう一つ、数値目標を掲げるということは非常に重要なことなんですが、これに対して、努力目標で言いっ放しということじゃなくて、やはり結果責任というようなこともある程度考えておく必要があるんじゃないかということが1つです。

2つ目は、自給率目標達成のために、生産者を対象とした施策と消費者を対象とした施策が講じられるということでありますが、国民の食生活に国家が介入するというのは現実的じゃないと思いますので、やはり生産者を対象とする施策に重点が置かれていくだろう。その中で重要なことは、市場のメカニズムを通じて消費者に国内の農産物を購入してもらえるという視点が大事でありまして、例えば農産物の価格支持政策については現在見直しの作業中というふうに思いますが、消費者に選ばれる国内農産物を目指して、これもやはり抜本的に見直す必要があるかもしれません。

こうした中で、国内農産物の価格低下が避けられないと。これは国際競争力ということから言ってですね。そういう意味では、生産性の向上を図るために生産基盤の強化を急ぐということで、大規模化とか保全、法人化というようなことが必要になってくるわけでありますが、まさに農業技術の研究開発というようなことも必要かというふうに思います。

3つ目は、自給率目標の策定に際して安全保障の問題ということを考慮する必要があるわけでありまして、少し触れられておられますけれども、無駄の排除として10%カットするといって、どういうふうにカットするんだと。まさに10%カットしたいということでありますが、どのように10%のカットを実行していくことが可能か。あるいは不測の事態への対処方法ということについても、これについては政策体系とは区別して、シミュレーションとして検討しておく必要があるんではないか。具体的にシミュレーションとして検討しておく必要があるというふうに思います。

以上3点申し上げます。

部会長 今の第1点の御質問について。事務局どうぞ。

事務局 まず、遺伝子組み換え技術による品種改良等で自給率にいつごろ影響が出るかということ。我々の計画から試算しますと、一番自給率に響くのは、今国産のもので品質等で輸入品に劣る、例えば麦なんかいい例なんですが、そういったものの品質が画期的にいいものに変わるというあたりが一番早いんじゃないかと思うんですね。麦の場合ですと、穂発芽という、収穫期の雨の影響で穂に発芽して劣化するというような穂発芽の遺伝子とか、あるいは色がくすむというのがあるんですけど、色を白くする、白皮の麦にするというあたりが、従来の交配育種では無理な点なんですけど、そのあたりがいつできるかと言いますと、穂発芽については、今、遺伝子がやっと探究できたところですね。

一方、イネ・ゲノム計画で、平成17年にイネのゲノムが解析できるということを考えますと、そういう形質を持った植物個体が組み換えによってできるのがおそらく5年後だろうと思ってるんですね、早くて。それを目指して頑張っているんですが、5年後だと思ってます。5年後に個体ができて、それをバッククロス等で安定させる。それが現場に出てくることから考えますと、10年後にデビューするぐらいかなと思っておりまして、その10年後のデビュー作品の機能見込みを、交配育種で今3年計画でやってますけれども、そこと比べたとき、3年計画ですと、例えば麦で言えば、ASWに比べて、ASWが100点とすると約92~93点のところを狙っているんですが、その92~93点のレベル。3年後に得られるものと、平成22年にデビューする麦を比べてみますと、それほど極端な差がまだ出ないだろうということでありまして、その辺の検討を、今、生産努力目標、単収とか国内仕向けの可能性を見てやっているんですが、その辺に反映させようと思っていますけれども、そういうことで、平成22年度にアッと驚くものが普及するというところまではちょっといかないのではないかと正直なところ思っております。

委員 少しの飼料で肉がたくさんとれるとか、そういう研究とかいうものは行われているんですか。

事務局 それは、牛の栄養効率の向上というようなことで、飼料の改善と牛の方の品種改良の両面でやっておりますけれども、牛の方の品種改良は、麦、稲に比べるとはるかに、とにかく組み換え体をつくってやるというところはさらに時間がかかると思います。いろんな問題をクリアしないといけないと思ってます。

委員 では、10年間じゃ大きな自給への変化はないということですか。

事務局 今のところ、そう思っております。

事務局 食べ残し・廃棄、無駄の削減についてどのように取り組むかという御質問でございますけれども、先ほど委員御指摘ございましたように、やはり食生活のことでございますので、直接に介入するというよりは、普及啓発を中心にということになろうかと思います。

第1点といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、「食生活に関する指針」ということで現在策定中でございますけれども、その中にも食べ残し・廃棄がある。これは消費者の皆様に一番理解していただかないと進まないわけでございますので、そういったものを盛り込むということで検討しておるところでございます。

それと併せまして、政府全体として廃棄物の減量化に取り組むということもございますので、そういったものと絡めまして推進していくこととしております。また、従来から外食産業その他食品産業関係の方々にもいろいろ御協力いただいているわけでございますけれども、今後、食べ残しや食品の廃棄の削減に、消費者の方が実際の行動の中で選択できるような、例えばメニューの工夫とか、老人向けとか子ども向けとか、そういったものを工夫していただくと。

いずれにしましても、家庭、食品産業、事業者の方々も含めまして、全体として取り組むような普及啓発活動に力を入れていきたいというふうに考えております。

以上でございます。

部会長 いかがでしょうか。専門委員どうぞ。

専門委員 2つ御質問したいんですが、最初に説明された資料1の中に、「施策を実施する」とか「施策を推進する」という言葉が随所に出てくるんですが、私はちょっとよくわからないんですが、国や行政が「施策」と言ったときには、国が戦略や戦術として進めていく。すなわち、そこには必ず国費あるいは税金の投入がさまざまな形で行われると思うんですが、それについては、これだけの大プロジェクト、今の予算措置だけではできない、膨大な経費がかかると思うんですが、この10年間の間に新たな予算措置あるいは国費の投入をどのぐらい予定されているのか。

それともう一つは、仮に自給率を5%ないし10%上げた場合、先ほど御説明いただきましたが、我々の日本国全体、現在、国内の農産物に対して12兆円のお金を払っているわけですね。これがもし5%、10%上がったときに、我々の食料の物価の基本的な価格というのは当然上がっていかざるを得ない。すなわち国産品を輸入品に置きかえていくわけですから、もしそれが5%自給率が上がったときに、我々消費者側の負担、今70%、12兆円が総食料の70%価格になっているというふうにおっしゃってたと思うんですが、これがもし5%、10%上がったときには、我々消費者はどの程度物価が上がっていくことを想定したらいいんでしょうか。

事務局 まず、第1点目の施策の実施と予算の関係ということでございますが、施策につきましては、もちろん予算、国費を投じて予算措置を講じてやるもの、あるいは法律の制度等に基づいてやっていくもの、ソフト的な予算で運動論的にいろいろと皆さんの御協力でやっていくもの等々、施策のやり方としてはいろいろあるわけですが、予算が必要な部分については、当然のことながら予算措置を講じてやっていくことになります。その予算の全体がいくらぐらいになるかということでの試算はなかなか難しいと考えておりますけれども、いずれにしても予算の単年度主義の中で、予算の効率的かつ優先順位をつけながらの投入の中で、施策にメリハリをつけてやっていくことによって10年後を目指していくということではないかと考えております。

それから5%自給率を上げた場合に、消費者負担といいますか国民負担はどのくらい増えるのかということでございますが、これも一概に、負担は5%分そのまま上がるということにはならないような形で、全体としての国産品のコストにつきましても、全体としての生産性の向上、コストの削減等を通じて内外価格差の縮小等に努力していくという中で、一概にこれがいくら増えるのかということは、ちょっと一口では申し上げられないのじゃないかというふうに考えております。

部会長 どうぞ、委員。

委員 関連してなんですが、基本計画の扱い方にちょっと戸惑っています。なぜかと言いますと、食料自給率に関しては、食料消費の部分も生産の部分もかなり具体的に踏み込んで計画を立てるということになりつつありますね。ですけれども、この計画要旨全体は、全般にわたって記述されているわけですね。ですから、他の分野で、「…という施策が必要である。」とか、「…ということが重要である。」というような書き方になっているような部分が、具体的にはどうされていくのか。この基本計画に基づいて具体的な政策は、あとはお任せにしてしまうのか、一定の見通しが語られるのか、そこが少しわからないので。食料自給率は非常に具体的に検討されているわけですけれども、そこのバランスといいますか、その他はどうなのかということと、それから今の質問に関連してなんですが、市場に任せる分野、それと本当にちょっと援助する分野、それからきちんと政策として税金を継ぎ込む分野、部分というのはよくわからないんですね、私は素人なもので。多分これは、農業に詳しい方がこの文章を読むと、ここはこうだとおわかりになるんじゃないかなとは思いながら、よくわからないので、そこはもう少し、素人が読んでもというか、これは、国民がわかるようにこういう基本計画でいくんですよというふうにするわけですから、もう少しわかりやすく――非常にきれいに、ウンなるほどというふうにちゃんと書かれているんですけれども、具体的にどうなのかなというのがよくわからない。何も具体的なところまで書く必要はないのか、そこもちょっとよくわからないということがあります。

それと、あとはDNA組み換えの話なんですけど、先ほどのお話は、日本での開発の状況ですね。ただ、小麦はまだ海外では開発されてないのか。研究されてないのか。大豆はされてますよね。

事務局 実用的にはまだされていません。

委員 実用的にはまだされてないんですが。小麦はそうだとしても、大豆はされてますよね、もう既に。ですから、いわゆる組み換え大豆を国内で栽培をして、生産を上げるというようなことについてはどうお考えになっていらっしゃるか。むしろそれは専門委員にお答えいただくのがいいのかなと思ったりしているわけですが。以上です。

部会長 それでは、前段のことについて。

事務局 それでは、最初の、自給率の第2のところがわかるように具体的に書いてあるのに比べて、施策のところの記述がふわっとしているんではないかという御指摘だったと思いますけれども、これにつきましては、自給率については基本法の中でいろいろな議論があったわけですけれども、その結果として、具体的な、まさしく分母・分子の率として目標を立ててわかりやすい指標としてやっていきましょうというのが打ち出されましたので、これはもう義務として、本当に具体的なものとして出していくということで位置づけられておりますので、その方向でやっていくということになります。

一方、施策の方は、これにつきましては単年度の、先ほど予算のことを申し上げましたけれども、予算なり法律の措置についての単年度ごとの施策につきましては、これは毎年講じようとする施策、ただいまこの企画部会ともう一つ別の施策部会の方で議論していただいておりますけれども、その施策部会で議論いただいております講じようとする施策においてきちっと位置づけた上で、具体的に施策を講じていくことになりますが、その考え方を今後10年間、どういう方向に持っていくかということを、この第3部の講ずべき施策のところで書いたらどうかということでまとめてあります。それで、10年間のことを踏まえながら書きますので抽象的な部分もあるかもしれませんけれども、それについては、それぞれの中で具体化していくということ。

もう一つ、わかりにくいものにならないようにという御指摘、まさにそのとおりでございまして、私ども、できるだけ国民の方々が読んでわかりやすいものにしたいというふうに考えておりますが、ただ、閣議決定文書になる性格のものですので、できるだけコンパクトな形で整理をするということにもなりますので、その制約に係る部分は、私どもとして考えておりますのは、国民の皆さんにPRするようなわかりやすい資料は、またこの基本計画そのものとは別な形で、より敷衍したような書き方のもの、あるいは図表を入れるなりして、わかりやすいようなものとしてPRをさせていただくような方向で考えたいと考えております。

事務局 先ほど委員からは、自給率に響くようなことはあるかという御質問でしたのでああいうお答えになったんですが、今栽培できるものがあるかと言えば、おっしゃるように、外国で開発されました除草剤抵抗性の大豆とトウモロコシ、それからBTトウモロコシ、殺虫機能を持ったものがあります。いくつかは日本でも栽培できるように安全性確認を済ませておりますので、そういうものがあるし、それからまた、国内の研究機関からもウィルス病抵抗性のイネとかいくつかあるものですから、そういうのが実用化される可能性がないとは言えないんですね。言えないんですが、たぶん今挙げたものは、ほとんどが生産性向上の方につながっていくんですね。例えば農薬は要らないとか。生産性向上なるものが実現したときに、それが自給率にどう響くかというところはなかなか測りかねるところがあって、もろに響くとすれば、外国品に比べて格段に品質がいいとか、あるいは今悪いものが上がるというところなので、そこのところの話を先ほど申し上げたつもりであります。

ですから、組み換え体の技術が、農家の経営安定とか、あるいは政策経費の節減なんかに寄与するというのはもっと早くできる可能性はあると思います。ちょっと実際に栽培するかどうかは…。

専門委員 遺伝子組み換え大豆の種子は、現状では我が国に入っていないと確信しておりますので、国内生産を今後拡大していこうというふうに考えておりますが、その場合もあくまで、食用に向けるわけでありますし、遺伝子組み換え大豆でないもので国産の優位性というのを示していきたいというふうに思いますから、全く遺伝子組み換え大豆はつくる考えはありません。

専門委員 たぶん専門委員の言ったのは、将来にわたってどうであるかというのは、これはまだいろいろ未確定のものがあるという前提だと思います。今、私どもで扱っているものというふうにお考えいただければ、食用の部分ですね、これは、まず国産でつくるということについては、今考えてません。消費者の需要、需要者のニーズにどうこたえるかということで、来年から表示義務化がされるということを先取りして、業界の皆さんはもう既に走ってますので、それに我々も一生懸命こたえていくという立場で生産についてはやっていきたい。

したがって、国産大豆については、私たちはある意味では追い風でもあるというふうに思っております。そういうことで、ノンGMOの大豆生産に絞って物をつくっていくというふうに考えています。

それからもう一つは、輸入が実際あるわけですが、入ってるものについて言いましても、できれば食用のものを、豆腐であるとかあるいは納豆であるとか、そういうものについて輸入されているものが、求められているのはやはりノンGMOのものだというふうに思ってますので、私ども輸入は、油脂用の原料のものについては、餌の原料を輸入するルートの中でやってますけど、これはちょっと分別ができないという部分がありまして、現状では、油脂のメーカーさんには分別せずに供給しているという実態であります。これは、こういう形で続けざるを得ないと。それから国の表示の中でも、その点については議論のあるところでしょうが、表示がなくてもいいと。扱いになってませんので、それに沿っていきたいというふうに思っているところであります。

専門委員 今のお話なんですけれども、そちら側にずっと消費サイドに近い方が並んでおられるので。これは、そういう方々の理解を得られるようになれば、ただ闇雲につくらないということではなくて、国内でもつくっていただいたらいいんじゃないか。そのために国も試験研究をやってますし、私どもはそういうこともいろいろやってるものですから、委員の中でもめてもしようがないんですけれども、ぜひ国民の皆さんの科学的な御理解をいただいた上で、そういうふうな状況になればつくっていただくと。それはいろんなメリットがあるわけでございますので、そういうメリットを活かして国内でもつくっていただいたらいいと思いますし、今すぐという話になれば、今、委員がおっしゃったような状況だろうと思いますので、そこは慎重にやっていただいていいんではないかということ。

以上でございます。

委員 今の件、非常に大事な議論だと思うんですね。感情的に何もかも輸入しない、使わないというふうに決めてしまうのは、技術のこれからの進化の中で、安全であるということがもっとはっきりしたときには、革命的にコストが下がるという可能性があったりするわけですから、使わないとここで決めてしまうようなことではおかしいのであって、やはり現状を見ながら冷静に対応するという面が一方でないと、日本の中での技術は育たないということになるわけですから、その辺は少し慎重にされたらいいんじゃないかというふうに思いますが。

専門委員 今の専門委員と専門委員の御意見は、非常に我々にとっては大きな問題でして、厚生省と農林水産省は遺伝子組み換えは安全であるという前提のもとに、これを我々にも使っていいというお墨つきをつけてくれたわけですが、生産する方の側が安全ではないと。今のお話を聞くと、安全でないというニュアンスがあって、そこで国が一旦出した安全宣言を否定するようなことがあると、我々のような末端の消費者は非常に困るんですね。我々は不安を抱えつつも国の表示義務を納得して、これからそれを使っていこうと。それから、今、分別できない環境にあるわけで、例えば調味料とかそういうものについては、そこに何が含まれるか、遺伝子組み換えについては全然わからないところにある。この件について、もし生産者側が、不安があって使わないよ、そして国がそれを承認して、おっしゃるように使わせません、というようなふうになってくると、一体これはどういうことになるんでしょうか。

部会長 それでは専門委員、うまく誤解を解いてください。

専門委員 国が、厚生省が安全を証明し、同等ということで下ろしたわけですから、そのことは、私どもは全く素直に受け入れています。ここのところは消費者の選択の問題だと思っております。そこが表示を義務づけられて来年の4月から行われるのも、買う、買わないは消費者の問題だと思います。ただ、私ども、生協さんとか量販店さんとかいろいろなところと取引の話をしてますと、ニーズは圧倒的にノンGMOなんですよね。それからメーカーさんも、原料についてはノンGMOに全部切りかえるというのを早々とされているところもありまして、それにはこたえていこうと。あくまでもこたえていこうということで、今、遺伝子組み換えの大豆を入れてくれというのはないし、はっきり言って、先ほど申し上げましたように、油の原料のようなものは国でもそういうふうに問題外にされているわけでありますから、私どもは扱ってますが、分別されてない、あるいは多分入ってると思います。アメリカで既に50%そういう栽培がされておりますので、流通でも分別されておりませんので、それが製油メーカーさんに私どもから供給されている部分がありますので、これは扱っております。その点は区分けしてやっていくつもりでありまして、安全でないからやらないとかそういうことではありませんので、御理解いただきたいと思います。

部会長 どうぞ、専門委員。

専門委員 非常に注意しなければいけない発言になるのかもしれませんが、ちょっと私、農業者として不安があるのは、今回の食料・農業・農村基本法は大豆、麦拡大法ではないということでありまして、昨日、全国の法人協会の仲間を集めて議論をやったんですが、大豆、麦、自給率と、これがひとり歩きを今し始めておりまして、マスコミもそれを非常に意識しております。闇雲に自給率、それは大事なことですけれども、新農業基本法はそれではないんではないかという議論もちょっとありまして、一番大事なのは、さっきから御報告ありましたような、将来の21世紀の社会を考えたとき、我が国でも農業生産というものを確保していこうよというのが基本に、国民合意でああいう法律ができたのであって、闇雲に自給率を今から、イライラして、大豆だ、麦だと。国民が大変な誤解を非常に受けてしまって、麦、大豆、麦、大豆って。僕は、とにかく行政も冷静に行動してほしいと思います。

麦、大豆、麦、大豆と言って1%上がったけれども、結局今、肉が嫌われものになっちゃって、肉や脂肪はどうかというような話になりまして、農業者も国民もとんだ間違いを犯して、気がついたら、自給率は何でも――農業者が本当に全体の、米にしても、すべてのものを基本に考えていくのがこの新基本法であり、基本計画というふうにとらえていただきたいというのが農業者の気持ちでありまして、きのうも北海道の委員から、大豆つくれつくれと言うから、おれはつくったと。そういう発言はここでどうかと思いますか、つくったら豊作だった。そしたら、30%価格がダウンした。大豆と麦が足らぬからつくれと言って、つくったら30%ダウンするって、会長、あんたは一体この委員会に出て何を言っておるんですかって、こうした厳しい御意見があったわけでございまして、確かに麦と大豆というのは、瑞穂の国である――私、現場におっても大事なことでして、どうぞ国として進めていただきたいんですけれども、余りにもここに躍起になっていただきたくないというのが私の思いであります。

要を得ない意見かもしれませんが、ぜひその辺を基本に置いて考えないと危険ではないかなという感じをちょっと受けたもので、きのうもその話が出たもので。

部会長 ありがとうございました。どうぞ、専門委員。

専門委員 専門委員のおっしゃったことについては十分理解しながらも、我が国の食料の安定供給の確保という観点からして、また、言われてます食生活のバランスの問題からしまして、そういう面では、その状況を知るという、数字として食料自給率目標の水準はそれはそれで必要なことというふうに考えておりまして、そういう観点でいろんな場所で主張もし、また、基本計画の中に定めていくというふうにしていただいたというふうに考えております。これが1点です。

2点目は、先ほど委員の方から、自給率目標の水準について、努力目標だけれども結果責任があるぞというふうにおっしゃっていただいたわけでありまして、結果責任を問われかねない立場から若干申し上げなきゃいかないのかと思っているんですけど、計画要旨の5ページでありますが、下から4行目に「したがって、食料自給率の目標の水準については、これらの今後取り組むべき農業生産及び食料消費における課題が解決された場合に実現可能なものとして設定」と、こんなふうになっておるわけでありまして、そうなりますと、結果責任を問われるんだったら、それじゃ課題の設定を易しくして、ここが解決された場合の実現可能なものを設定すればいいのかということに、変な言い方ですが、逆の言い方をしまして、なりかねない部分があるわけですが、一方で、この基本計画もそうでありますし新しい基本法もそうでありますけれども、国内における食料の安定供給なり食料の安全保障なりということを高らかに掲げておるわけでありまして、そうした基本的な方針と、それともう一つは、実現可能なものとして設定という部分のギャップが大変あるんじゃないかというふうに受けとめるわけです。

生産努力目標と実現可能なものという、これもまた何かギャップがあるようにどうしても受けとめるわけでありますが、とりわけ生産努力は、個々の農業者や地域、それから我々団体も含めまして、取り組み意欲がずっと積み上がったもの、その総和として努力目標だったり努力が出てくるものでありまして、そういう面からしますと、この努力目標は意欲を失うものであってはならないということを、やっぱりこうしてきちっと生産団体においてかき立てるものであるべきだと、こんなふうに思いますので、大変厄介な問題だということはよく承知してますが、取り組み課題の設定とあわせまして、取り組み目標にきちっとなるものにしていただきたい、こんなふうに思います。

委員 先ほどちょっと申し上げましたのは、せっかくここでは、何%か知りませんが、最初に自給率ありきで我々議論してないわけで、やはり限られた国土の中で、最も日本の風土、国土に合った作物をつくっていくべきじゃないかと。その積み上げが結果的にこういうことになりますよという議論を前提としてやってるわけですよね。それが日本の農業の持続的発展のためにもなる、だから生産基盤もきちっとしなきゃいけませんねと、こういう議論をやってるわけですが、ある日どっかに出ていくと、おまえたちのやってることは全然目標になってない、60%だとか、そういう無責任な話がもし出てくるようなことがあると、これは一体何なんだと。そしたら、そういう人は、ちゃんと結果責任というのを一言入れておけば、そう簡単に言えないんじゃないかというふうに私思いまして、その辺をちょっと懸念をしているわけでありまして、そういうことがなければ、今おっしゃったようなことは十分私は理解できると思うんです。その辺のところはちょっとグレーでよくわかりませんので、やはりそういう文言も要るんじゃないかなと、こういうふうに思ったわけです。

部会長 恐らく今の点は、農林水産省にしても頭が痛い点ですけれども、いずれにしましても来月中には決めなければいけないんでしょうから、これからもよろしくお願いをいたします。

それで、私が申し上げるのも何ですけど、先ほどの委員のお話とどこかで関連するんですけど、基本計画で自給率のとこは詳しく書いてある。それは当然だと思いますが、それ以外に、例えば23ページとか24ページあたりを見ていきますと、23ページの交通なんていうところでは、「地域における生活の足の確保に資するバス等の交通体系の形成」云々とか、23ページの下の方の医療というところでは、「農村における医療体制の整備を図る」云々と、基本計画というのは閣議決定するわけですから、政府全体としてこういうことをやるということで書いてあるわけですね。そうなんだと思うんですが、それが今度、これを読む人は、大体農林水産省がやる施策が書いてあると思ってたぶん読むんですよ、読む方は。ところが、書いてある中身は、政府全体として取り組むことだというように書いてある。それはわかるんですけど、それを十分書き込んじゃうと、うんと厚くなって肝心なところが散漫になるという、恐らく同じ悩みを持っておられるんだと思いますが、そういう閣議決定される基本計画ではありましょうけれども、できるだけ農業あるいは流通その他食べ物、農村等に関係のある人にわかりやすいように書いていただけるといいなと思います。

専門委員 私も、今部会長がおっしゃったところあたりでやや、勉強不足なのか、違和感が多少あったというのが率直なところでございます。23ページのところ、「バス等」ぐらいまではいいのですが、その後で「空港」というような話がございますね。もちろん、こういうのを一般的に否定するわけではないんですけれども、かなりスケールの違う、考える場合に想定するスケールの違うものが混在しているという印象を否めないんですね。ですから、ちょっとここは、多分違和感を持つ方が正常ではないかという感じがした次第でございます。

それから次のページ、これは、私は言葉として少し、ここは私の勉強不足なのかもしれませんけど、24ページの一番下のところで、ここは中山間地域の振興ということで、就業機会の増大あるいは定住の促進というようなことは非常に大事なことでございまして、これはこれで結構なんでございますけど、最後のところに、「産業の開発が十分に行われていない奥地等において」と、奥地等産業開発道路の整備というようなことがあるわけなんですけれども、こういうことの必要なところもあるいはあるのかもしれませんけれども、ちょっとこのこと自体の意味も私にはよくわかりませんので、説明なしに、「はい、よろしゅうございます」と言うわけにもいかないと思います。ちょっとここも、いささか違和感を持ったという感じがございます。

ここはそのぐらいで、自給率の問題でございますけれども、38年ぶりに新しい基本法ができたわけでございまして、もとの基本法につきましてもいろいろな目標を掲げたわけですけれども、人によって評価は違いますけれども、相当前にいわば法の規範力がなくなってしまったという、こういうことがあるんだろうと思うんですね。その場合に、もちろん政府の政策なりの責に帰する要素もあったかと思うんですけれども、とにかく日本社会なり経済の変わり方が余りにも早かったということ。特に農地の価格、土地の価格の問題ですとか、あるいは総兼業農家化したとか、基本法をつくったときにはなかなか想定できなかった要素が大きかったというのが公平な見方だろうと思います。

今回の基本法も、ぜひある期間、それなりの規範力を持つ形で機能してほしいというふうに思うわけでありますけれども、余りにもひとり歩きをしてもみくちゃになるような格好の中で自給率が設定されますと、今度はむしろ外からの要因ではなく、基本法のもとでつくった基本計画自体の信任の度合いというか、そこでもってむしろ中から崩れてしまうということがありはしないかと。これはちょっと心配し過ぎかもしれませんけれども、かつての基本法は外の状況によってなかなか難しいことになったわけでございますけれども、今度はむしろ基本法の政策の根幹のところの目標の設定の仕方で、法自体に対するクレディビリティーといいますか信任が崩れていくというようなことがあっては、これは困るという感じがしております。

以上でございます。

委員 自給率については、きちんと決めることに反対しているのではないんです。そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。ただ、まさにおっしゃったように、食生活が及ぼす影響というのは非常に大きい、したがって、食生活も見直していかなければならない、というふうになっているわけですね。それも間違ってはいないんです。ですけれども、今の暮らし方だとか現実を見ていると、こんなに、ここに書いてあるようにうまくバランスを考えて食生活をほんとに変えてくれるかしらという、非常に不安が大きいんですよね。もちろん国がそれを指導するなどということはできないわけで、そのために一つの指針として「食生活指針」をつくり、なおかつ選択に資するために表示制度も充実しましたね。それが側面、応援隊になっていると思います。

ですけど、もう一つ応援隊が足りない。どこが足りないかと言いますと、この基本計画のところに書かれてはいますけど、あっさりと書かれている、いわゆる安全性の確保の施策の分野です。農薬の適正な使用、それは重要なことだとは書いてありますが、ではどうするのかというのはない。

それから、あとは環境の問題です。今、環境を守って循環型の農業、とこう言いながら、それは全く農業をしてる場面だけのことを言ってるのかなという感じがすごく強いわけですね。奥地に道路をつくるとか、これ、環境との関係はどうなるのかなって、ちょっと矛盾をする記述があるわけですね。環境への関心というのは非常に高いわけですから、安全性の確保のところと環境の施策、ここをもう少し応援団として厚くして、インセンティブになるような形をとった方が、私はもう少し可能性が見えてくるんじゃないか。いわゆる自給率を実現するために食生活が変わっていく、国民の選択が変わっていくようにしなければならないわけでしょう。国産のものを選んでみんなが食べなければ、もっと極端に言えば、パンをやめてお米を食べなければならないわけですよね。そういうふうに変わっていくためには、いろんな方法をやっぱりとらなければいけないんですけれども、そこがちょっと弱いという気がして、不安で仕方がありません。

部会長 ありがとうございました。専門委員、どうぞ。

専門委員 私も、先ほどの道路のこととか非常に違和感がございました。ここに書いてなければやらないのかなという感じで。そうなると、何もかも書かなきゃならないとすると、もっと抜けてることも、どぶをつくるとかいろいろ他にいっぱい出てくるわけで、特に公園の整備とか、道路なんかは都会の方がよっぽど悪いわけであって、何か非常に違和感がある。そういう細かい点は他にも、例えばカルシウムを増やすというなら、魚介類というのがむしろ、我々子どものころから小魚を食べろと言われてるんですが、カルシウムというと牛乳の方に行く必要は別にないわけで、そのあたり、細かい点がいくつかあるわけです。

そういう点はまたちょっと別にしまして、自給率目標ということなんですが、これを向上させていくということ、それは法律で決まり、そのことについて特に異論はないわけなんですが、ただ、前にも一度申し上げましたように、どんどん自給率が下がっている現状の中で、いきなり自給率を上げる目標を掲げるということは、下手をするとさらに長期的、10年でなくて20年、30年というレンジで見たときには、非常に具合の悪いことにならないと短期の自給率は上げられないということになる。他のいろいろなことからそういうことがあるわけで。その短期目標と長期目標が矛盾するということがあるのではないかと思うんです。

しかし、短期にも自給率を維持ないし上げていこうということについて、それは仮にいいといたしまして、このことについては皆さんからまたいろいろな御意見があって決まると思うんですが、それと並んで、あるいはそれ以上に重要な、本当に長期の食料・農業・農村についての目標のようなものがあるので、例えば労働力の確保ということが常に農村の問題になっているわけですが、労働力確保についての目標のようなものをつくる方がより重要なのではないか。例えば農業に従事する労働者、人口をどのくらいに持っていくのか、都市と農村とのバランスを国家としてどのように持っていくのか、あるいは農業に従事する人々の平均年齢をどのレベルまで持っていくのか、男女の比率をどのくらいにしたらいいのか。

もちろん、全体的には品目別の生産というような目標もあるでしょうし、自給率目標というような極めて総合的な、ある意味では結果として出てくるもの、しかもそれが、ここにもいろいろ論じられておりますように、国民の生活そのものを変えなきゃいかぬというような、誰が責任をとっていいかわからないような目標。それはそれで別にノーではないのですけれども、実際に目標として操作可能で、誰がそのことをしなければならないかがはっきりわかったような種類のことで、しかも21世紀の日本にとって非常に重要な、一番端的には農業に従事する人口を確保する、労働力を確保するというようなことですが、そういうことに関する目標を設定していくというようなことを並行して考えておかないといけないのではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。

事務局 ちょっと道路の話が専門委員の方から出てますので、若干。24ページの奥地等産業開発道路についてなんですけれども、この基本計画につきましては、農業の振興のみならず農村の総合的な振興ということで、農業の基盤たる農村の活性化につながる施策についても記述するということで、24ページの最終の行の「奥地等産業開発道路」につきましては、法律がございまして、これに基づき産業の振興を図っていくということで、今回ここに記述しているということになっています。

部会長 専門委員がおっしゃっているのは、そういう個別のことももちろんありますが、やっぱり何か違和感があるということについては、農林水産省は一工夫してほしいと思いますね。例えば私は知事ですから何でもやらされてるんで、そうしますと、厚生省の方の福祉というところだと、24ページを見ますと、ホームヘルパーとかバリアフリーのことばかり書いてありますけど、一番大切なのは特別養護老人ホームとか老人保健施設こそつくってもらいたいわけですよ、現場はですね。その方が農村の活性化にうんと役に立つわけです。そのことが抜けてて、確かに法律はあるかもしれませんけれども、奥地の何とか道路だというと、何かそぐわないんですね。

だから、政府の決定ですから全部お書きになりたいんだろうと思いますが、できたらもう少し抽象的に、何とも読めるような形でさらっと――さらっとと言うと失礼ですけど、もう少しページ数が少なくなるような形の方が、読む方は楽に読めるんですけどね。読む方というか、読まされる方はですね。これは御検討ください。

事務局 今の部会長の御指摘の点につきましては、特に農村の部分については、先ほど農林水産省に関わるところを中心にというお話もありましたけれども、政府全体として農村については特に、この分野については特に関係各省が一体となって施策を講じていかなければならないという部分でもありますので、そういう趣旨から、建設省の方でも検討をいただいて、案として今回お示ししているわけですけれども、今回、何人かの委員の方々から御指摘があり、かつ、今、部会長からのお話もございましたので、それも十分踏まえて、またさらにこの辺につきましては検討させていただきたいと思っております。

それからもう一点、今、専門委員から御指摘のあったところなんですが、労働力のことを特におっしゃってたわけでございますが、この点につきましては、実は何回か前にも農業経営の展望というのを御説明し、かつそれと同時に、構造展望というのもいずれお示しするということで考え方を御説明したかと思いますけれども、これはいずれお示ししたいと思ってます。何でまだ出さないのかということなんですが、今日、考え方で御議論いただきましたけれども、生産努力目標、農地をどういう形で使って、耕地利用率も図っていきながらどういった作物をどのくらいの面積つくって、単位当たり収量がどうで、どのくらいの量としてつくっていくかと、この部分が固まるのと同時につくっていかなくちゃいけない部分がありますのでちょっと遅れているわけですけれども、この構造展望を示す中で労働力につきましても、当然のことながら農家を支えるものとしての担い手、いわゆる人としての担い手の部分でございますので、この農業労働力の展望についても示すということにしたいと思っています。

その際に、確保の目標というふうに専門委員おっしゃいましたけれども、まさに目標ということでやって、必ずしもそれと手段がきちっとした形でつくのもなかなか難しいと思いますので、そこのところは私どもの見方としましては、農業労働力についてどういった形で描けるかということで、例えば御指摘のあった平均年齢、あるいは男女の関係でどういった姿になるのかと。また、それはいろいろなこれまでのトレンド、あるいは今後の生産の動向、あるいは農地の中心となる経営体への集積の動向、こういったものを踏まえた上で農家の構造を展望しますし、農業労働力の展望をするということで、望ましい姿として描いていきたいということで考えておりますので、いずれ、これにつきましてはお示しをすることにしたいと思っています。

その形としましては、この間お示しした農業経営の展望と同様に、基本計画と同時に出すことにはなりますけれども、基本計画と併せて農林水産省として作成し、出すことにしたいというふうに、位置づけとしてはそのように考えております。

以上でございます。

部会長 大分時間も押し詰まってきましたが…。どうぞ、専門委員。

専門委員 特別御意見を申し上げることもありませんが、今まで申し上げてきたことがかなり取り入れられておりまして、こういうことでお願いしたいと思っておりますが、ただ、自給率のことにつきましては、いろいろな議論があるし大変な問題だと思っております。専門委員からも意見が出ましたし、専門委員が発言されましたように、そういう観点で、この5ページにありますような視点で御努力をいただきたいなというふうに考えております。

それから、これは今まで申し上げてきました点でありますが、2カ所にわたって調整問題抱えておりますので、これ以上言うつもりはございませんけれども、特に都市計画法が30年ぶりの大改正、抜本改正をやりますので、この資料の指針の方でもやっておりますが、6ページの括弧の中の問題解決のためにも、かなり具体的な調整をしていただく必要があるのかなというふうに思っております。特に食料問題だけじゃなくて、景観の問題を含めた、多面的機能を含めた観点からの、里山を含めた調整があろうと思いますので、そういう点はこれからの話し合いになると思いますから、特にやっていただきたいなというふうに思っておりますし、最近、また新聞等、都会の税金を地方に持っていくのはいかがか、という議論も出ております。そういう議論があるのも当然かと思いますけれども、そのもとになっている、都会の生活ができる原点のところも必要かと思いますので、無理やり言うわけじゃありませんが、そういう視点も、今度、法律として多面的機能というのを国民的視点で認めているわけですから、そういう視点も特に都市計画法等の接点については、これは共通の法律であると思いますので、農林水産省の観点から一層の調整をお願いしたいというふうに、これはお願いしておきたいと思います。

事務局 都市計画法の話が出ましたので、ちょっと一言申し上げておきたいんですが、都市計画法は、今の農振法と現在でもゾーニングは重複をしております。そして、都市計画法に基づく各種の施策の推進に当たって、ゾーニングも含めて農林漁業の健全な発展への寄与ということに十分配慮して線を引くということになっておりますので、その精神で調整に当たりたいというふうに思っております。

今回の改正の主な点は、1つは分権化の推進ということでございます。もう一つは、やはりこれまでのバブル期を始め進んできた乱開発に歯止めをかけるという意味で、自治のもとで小型の開発を何とか規制をする、地方公共団体に線引きの権限を持たせるということでございます。根っこのところの調整の問題は、前から精神は変わっておりませんので、十分な調整をいたしたいと思っております。現状でも重複をしているということだけ念頭に置いていただきたいと思います。

それからもう一点、ちょっと先ほどの道路の話で申しわけないんですが、僕らもそうなんですが、農村部へ行きますと、ゴルフのとき広域農道ばっかり通るものですから、農村部の方がよっぽど道がいいじゃないかと思うんですが、現状、町村の道路舗装率を見ますと65%ということで、中都市が82%でしょうか、大都市ですと87%ぐらいですから、やはり道路全体としては農村部は非常に遅れているというのが現状でございますので、数字だけちょっと申し上げておきます。

部会長 ほかに特にございませんでしたら、そろそろ予定のお時間ですが…。どうぞ。

専門委員 余り大きな話じゃありませんが、14ページ(2)のア、家族農業経営の活性化の部分の黒ポツの2つ目でありますが、農業者年金制度について触れております。基本計画自体は要旨でありますから、手直しがあるのかというふうに思いますけれども、これはもう見直しますよということだけ書いてあるわけですね。見直しますよということだけ書くんなら、もう要らないんじゃないかと。やはりここは、どんな方向で見直すのかという観点があるわけで、家族農業経営の活性化という観点で、そこの分野に入ってますからそういうことかというふうにも思いますけれども、そこはやっぱり一定の理念が必要だというふうに思います。

以上です。

部会長 今の点はいいですか。御返事ありますか。

事務局 御指摘のとおりでありまして、見直しが即緩和とか、なくすとか、そういうことではなくて、我々とすれば、やはり家族経営の健全な発展と、それからむしろ基本法に定められた担い手の育成確保というところですね。そして、担い手の持っている経営に係るいろいろな資源を円滑に継承していくという点を念頭に置いて改正を行いたいと思っておりますので、文章はまた工夫をさせていただきます。

 

その他

 

部会長 それでは、予定の時間が参りましたので、本日はこれをもちまして議事を終了させていただきたいと存じます。

次回第10回の会議のスケジュールでございますが、3月の9日木曜日、午後2時から4時半まで、場所は農林水産省第2特別会議室、ここの場所でございます。正式には、改めて事務局から御連絡を申し上げることといたします。

次回は、「食料・農業・農村基本計画(案)」、今日は要旨でございますが、今度は基本計画の案全体と、「農用地等の確保に関する基本指針(案)」につきまして御審議をちょうだいいたしたいと思っております。

 

閉会

 

それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。