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食料・農業・農村政策審議会 第10回企画部会 議事録

食料・農業・農村政策審議会 第10回企画部会速記録

平成12年3月9日

於・農林水産省第二特別会議室

農林水産省

 

 

 

 

開会

 

部会長 それでは、ただいまから食料・農業・農村政策審議会第10回の企画部会を開催をいたしたいと存じます。

なお、本日は御都合で委員、委員、委員、委員、委員、専門委員、専門委員、専門委員、専門委員が御欠席ということでございます。また、専門委員が遅れてお見えになるという御連絡をちょうだいいたしております。

それから、本日は総括政務次官に御出席をちょうだいいたしております。農林水産大臣、政務次官におかれましては、国会の関係で遅れて後ほどお見えになる由でございますので、その際、ご挨拶をちょうだいいたしたいと存じます。

なお、毎回この部会に出席をしていただきまして、部会の審議に御協力をちょうだいしておりました農林水産省の総務審議官が昨夜、急逝をされました。まことに残念なことに存じます。彼の努力に感謝をしながら、彼の御冥福をお祈りをいたしたいと存じます。

 

資料説明

 

部会長 本日は、「食料・農業・農村基本計画(案)」、「農用地等の確保等に関する基本指針(案)」につきまして御論議をちょうだいいたしたいと思います。

事務局から資料が提出されておりますので、まず資料1につきまして事務局から説明を願います。

事務局 それでは資料1を説明させていただきます。「目次」が2ページありますが、本体の1ページ、食料・農業・農村基本計画(案)でございます。

まず、最初のページに「まえがき」ということで1ページ、記述をさせていただいております。ここでは新しい基本法に基づいて基本計画を策定する所以のところを記述いたしますとともに、この基本計画に基づいて施策を総合的、かつ計画的に推進すること、そして適切な時期にはその効果に関する評価を行うこと、こういったことを明らかにしております。それから、10年程度この計画は見通して定めること、それから情勢の変化と施策の効果に関する評価を踏まえて、概ね5年ごとに見直すと、こういうこともここで明らかにしております。

次に2ページでございます。大きく4つにこの基本計画は分かれておりますが、その1番目の第1は、「食料、農業及び農村に関する施策についての基本的な方針」でございます。以下、御説明に当たりましては、前回2月23日の第9回の企画部会ではお配りしました基本計画の要旨の素案ということで御説明いたしましたけれども、この素案から、変更のあった部分を中心に説明をさせていただきたいと存じます。

この第1の基本的な方針につきましては若干の修正がございましたが、それは2つ目のパラグラフ、上から6行目のあたりでございますが、「水資源の枯渇や不安定化」ということで、水あるいは水資源の問題について、顕在化しているという記述の中に含めて書き加えたということが、まず1点目でございます。

それから2ページの一番下あたりをごらんいただきたいと思います。「水田農業を始めとして、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる国土の保全」云々の機能ということで、この「水田農業を始めとして」というくだりを、ここのところで書き加えさせていただいております。農業で農業生産活動が行われることによって多面的機能が発揮されますが、水田農業を始めとしてということで趣旨を、我が国の中心とする水田農業をはっきり書き加えたということでございます。

それから3ページの1のところに、ここでは「食料の安定供給の確保」を書いておりますが、ここの7行目のところに、「食料の安全保障を図る観点から」、このくだりを挿入しております。元の文で、「凶作、輸入の途絶等の不測の要因により需給が相当の期間ひっ迫するおそれがある場合でも、国民が最低限度必要とする食料の供給の確保が図られなければならない」という記述だったわけですが、「食料の安全保障を図る観点から」という趣旨をはっきり書き加えたという修正でございます。

第1の基本的な方針のところは、そのほかの部分は前回お示ししました要旨素案と同じでございます。

それから6ページ、ここからが第2の部分でございまして、食料自給率の目標についての記述でございます。ここにおきましては、まず「基本的考え方」ということで、食料自給率の目標の意義を説いた上で、(2)のところで食料自給率の目標の定め方ということになるわけですが、ここの(2)の目標の定め方の上から14~15行ほどは前回お示ししたものとは大分変わっておりますので、読み上げさせていただきたいと思います。

2)食料自給率の目標の定め方

食料自給率の目標については、これを掲げる意義及びその達成に向けた取組を通 じ我が国の食料供給力の向上が図られることの重要性に鑑み、また、我が国の食料 自給率が年々低下し、供給熱量ベースで4割程度と先進国の中で最も低い水準とな っている中で、国民の多くが我が国の食料事情に不安を抱いていることを踏まえれ ば、基本的には、食料として国民に供給される熱量の5割以上を国内生産で賄うこ とを目指すことが適当である。

しかしながら、この基本計画で定める食料自給率の目標は、計画期間内における 食料消費及び農業生産の指針となるものであることから、実現可能性や、関係者の 取組及び施策の推進への影響を考慮して定める必要がある。

このため、この基本計画においては、平成22年までの計画期間を、関係者の努力 により食料自給率の低下傾向に歯止めを掛け、その着実な向上を図っていく期間と 位置付け、関係者が取り組むべき食料消費及び農業生産における課題を明らかにし て、計画期間内においてこれらの課題が解決された場合に実現可能な水準を食料自 給率目標として設定することとする。

ということでございまして、基本的には食料として国民に供給される熱量の5割以上を国内生産で賄うことを目指すことが適当だとした上で、当面の基本計画であります平成22年度までの計画期間においては、計画期間内に課題が解決された場合の実現可能な水準を設定するという考え方を明らかにしているところでございます。

次の8ページにまいりますが、食料消費につきまして望ましい姿に関する記述の部分でございます。ここの(1)の食料消費に関する課題の2つ目のパラグラフ、「こうした中で、近年、我が国の食料消費については」というその後ですが、書き加えさせていただいております。「米を中心に地域産品も含めた多様な食品をバランス良く摂取する食生活が変化しており」ということで、脂質の摂取過多等の栄養バランスの崩れとか、食料資源の無駄が生じてると、こういったことの前に栄養バランスの崩れの前段として食生活が変化しているということを書き加えているところでございます。

それから8ページから9ページにかけまして、望ましい食料消費の姿を具体的に書いているわけでございますが、9ページのア.イ.ウということで、ここでは望ましい食料消費の姿の見込み方を具体的に記述をしているところでございます。このア.イ.ウも読み上げさせていただきます。

ア 栄養バランスについては、摂取ベースでの脂質熱量割合を国民の健康の観点か ら適切な水準であるとされる25%にするという目標に対応して、供給ベースの脂 質熱量割合が現状の29%から27%程度に低下すると見込む。

イ 品目としては、脂質を多く含む品目の消費が減少する一方、米を中心とする穀 類の消費が堅調に推移し、糖質(炭水化物)の消費が増加することを見込むとと もにカルシウム等微量栄養素及び食物繊維の摂取の増加の必要性から野菜、豆類 及びいも類の消費が増加すると見込む。

ウ 食品の廃棄や食べ残しを減少させることについて、国民の理解と関心が高まる 中で、平成11年9月28日のダイオキシン対策関係閣僚会議で決定された廃棄物の 減量化の目標量等を勘案して、近年の供給熱量と摂取熱量の差の約1割が減少し、 供給熱量が2,540kcal程度になると見込む。

ということで望ましい食料消費の姿を描く場合の具体的な見込み方をここで記述しているところでございます。その上で平成22年度における主要品目別の食料消費の姿を数字であらわしておりますのが、次の10ページからの第1表でございます。ここにおきましては、平成22年度の望ましい食料消費の姿としまして、品目ごとに年度としては確定値の出ている平成9年度、それから速報値が出ております直近年である平成10年度を参考としています。それから右側のところで平成22年度の姿を掲げているところでございます。

例えば米につきましては、この括弧の中の数字が一人1年当たりの供給純食料で単位kgのものでございますか、米については平成9年度に一人当たり66.7g消費していたものが平成10年度で65.2kg、更に、このままこのすう勢が続けば62kgになるというのは以前お示ししたところでございますが、それを望ましい食料消費の姿としては66kgということで描いておりまして、それに見合った全体の数字としては、主食用が 906万t、米全体としては1,008万tという形になると見込んでいるところでございます。

もう1つは、大豆とか魚介類につきましては食用の数字を全体の数字とは書き分けて、「うち食用」ということで別立てで数字を書く形にしております。

それから11ページでございますが、今申し上げました望ましい食料消費の姿の結果としてPFC熱量比あるいは総供給熱量が出ておりますが、総供給熱量につきましては先ほど申し上げましたように、平成22年度で2,540kcalとみておりまして、そのPFC熱量比は脂質が27%ということになっているところでございます。

次に12ページからは農業生産の部分でございまして、農業生産の努力目標を記述しております。ここの(1)のところでは農業生産に関する課題を書いております。この(1)の一番最後のパラグラフをご覧いただきたいと思いますが、「国内の農業生産の増大を図る取組をより着実に推進するため、全国段階における生産努力目標の策定と併せて、地域段階において、地方公共団体、生産者団体等による地域の条件と特色を踏まえた生産努力目標の策定を推進する」ということにしているところでございますが、ここの一番最後の行のところに「地域の条件と特色を踏まえた」という、このくだりを追加しておりまして、ここでは生産を努力目標に向かって進めていく場合に、適地適産の考え方を踏まえてやっていくという趣旨を記述しているところでございます。

次の(2)でございますが、これは要旨の段階では品目の名前だけ挙げて、ここに課題を書き込みますということだけ申し上げておきましたけれども、今回この本体では品目ごとに課題を記述しております。課題を書く前に現状をまず記述し、その後でこういう課題があるという書き方になっておりますが、いずれの品目につきましても労働時間あるいはコスト、こういったものの低減の目標を数値で記述するということにしておりまして、生産努力目標の達成に向けた課題としてより具体的な形で明らかにしているところでございます。

13ページのところで米の課題が一番上のところに書いてありますが、米につきましては「需要動向に即した計画的な生産を図ることを基本として、米と麦、大豆、飼料穀物等を組み合わせた収益性の高い安定した水田農業経営の展開」こういったものを図る。その際、「低コスト化、多様なニーズに対応した産地としての、まとまった取組の展開を進める」と、こういうことを課題として挙げております。

次の小麦につきましては、「このため」以下のパラグラフに書いてありますが、「実需者のニーズを的確に把握するとともに、地域の条件に応じた基本技術の励行、品質分析に基づいた産地全体としての品質管理等の徹底、加工適性の高い早生品種の導入による品質の向上(製めん適性の5%程度の向上)及び安定化を推進することを基本として、生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付けの団地化、合理的な作付体系の確立等による生産の安定化及び生産コストの3割程度の低減等の取組を通じ、品質の向上とそれに応じた価格の形成を図ることにより、日本めん用を中心として国産小麦の需要を拡大し、生産の大幅な増大を図ることが課題となっている」としているところでございます。

それから14ページのカのところに、大豆が記述されております。この大豆についてをご覧いただきますと、「このため」以下のところですが、「消費者及び実需者のニーズを的確に把握し、契約栽培、ロットの大型化等ニーズに対応した産地の取組を拡大するとともに、地域の条件に応じた基本技術の励行等を徹底することを基本として、優良品種の導入、生産組織や担い手の生産規模の拡大、作付けの団地化等による多収化や生産コストの3割程度の低減、及び収量の安定化、良好でばらつきの少ない品質の確保等の取組を通じ、豆腐用、納豆用等の食品用を中心に国産大豆の需要を拡大し、生産の大幅な増大を図ることが課題となっている」ということでございます。

このほか、野菜、果実等につきましても機械化等による省力化で労働時間を低減する等の記述をし、課題として打ち出しているところでございます。

それから肉の部分につきましては、これも経営規模の拡大、あるいは家畜排せつ物の適正な管理、その他生産性の向上のための課題を記述しているところでございます。

それから17ページはてん菜、さとうきびでございますが、これもてん菜につきましては直播栽培等による省力化等のほか、低コスト化等を課題としておりますし、さとうきびにつきましては、機械化一貫体系の投入による省力化で労働時間も相当程度減少するというようなことを課題として掲げているところでございます。

それからソの飼料作物につきましては、「このため」というパラグラフをご覧いただきたいと思いますが、「転作田等における飼料作物の作付けの拡大、低・未利用地の活用、生産技術の向上や優良品種の導入等による生産性の向上(生産コストの3割程度の低減)及び品質の向上、飼料生産受託組織の活用による生産の組織化・外部化(飼料生産受託組織による受託面積を3倍程度の拡大)我が国の土地条件及び自然条件に適応した日本型放牧の普及等の取組みを通じ、自給飼料生産の大幅な増大を図ることが課題となっている」ということでございます。

以下「参考」といたしまして、農産物ではございませんが、魚介類、海藻類、きのこ類、これらにつきましての生産に当たっての課題をそれぞれ19ページまでに記述しております。

以上のような課題が解決された場合に、20ページですが、実現可能な国内の農業生産の水準である生産努力目標を21ページの第2表として掲げております。

21ページの生産努力目標をごらんいただきますと、これも先ほどの食料消費と同様ですが、品目が上から順にありまして、左から、平成9年度の確定値、平成10年度の参考値が実績としてありまして、一番右側に平成22年度の目標の数字が掲げられております。小麦につきましては平成22年度に、現状の57万tを80万tに上昇させる。大豆につきましては平成9年度の15万t、平成10年度の16万tを25万tに持っていくということなどが生産努力目標として記述されております。

それから22ページにつきましては、今申し上げました生産努力目標の背景にあります単収の表でございます。水稲につきましては平成9年度は10a当たり504kg、10年度は 507kg、これが平成22年には 520kgということでございますし、小麦については 370kg台から 436kgということでございます。それから大豆は 170kg台から 221kgという単収を平成22年度で見ております。

それから、以上の生産努力目標の数量と10a 当たり収量の結果といたしまして、作付面積は第4表でございますが、水稲の 186万haから小麦は18万ha、飼料作物までの数字を掲げさせていただいております。

23ページにおきましては、ただいま申し上げました延べ作付面積、先ほどの第4表は食料を中心に書いてあるわけですが、ここに花などの非食用作物の作付面積を含んだ農作物全体の延べ作付面積として掲げておりますが、平成22年度においては、 495万haということでございます。

それから農地面積は、すう勢を踏まえまして、耕作放棄の抑制等の効果を折り込んで見込んでいる 470万haということで、耕地利用率は 105%ということでございます。

それから家畜飼養頭羽数につきましては、ここに書いてありますような頭数なり羽数を掲げております。

以上の消費、生産を踏まえた、消費につきましては望ましい食料消費の姿、生産については生産努力目標、平成22年度における数字を踏まえた主要品目別の自給率目標は第7表、25ページでございます。それから総合食料自給率目標、第8表については26ページのところに掲げております。

まず25ページの品目別の食料自給率目標ですが、ここでは先ほどの消費、生産の結果として、米については全体として96%、うち食用は 100%、小麦は現行の9%が12%、大豆については全体として現行の3%が5%、うち主食用は現在14~15%のものを21%、牛乳・乳製品は75%、肉類は61%ということでみております。、こうした形の自給率が品目別に目標として出てくるわけでございます。

26ページ、総合的な指標としての総合食料自給率目標としましては、従来からも御説明しておりますとおり、カロリーベースの供給熱量総合食料自給率でございます。これが中心でございますが、平成9年度41%、平成10年度40%でありましたが、これを平成22年度45%ということでございます。

それから参考1としまして、酒類を含む場合では、ただいまの数字より、ほぼそれぞれ1%低い数字として描けるところでございます。

それから参考2としまして、カロリーベースの総合食料自給率の欠点を補う形でのものとして、金額ベースの総合食料自給率を示しておりますが、これにつきましては平成9年度71%、平成10年度70%が、平成22年度に74%となるわけでございます。

それから第9表、主食用穀物の自給率につきましては、平成22年度は、平成9年度並みの69%になるところでございます。餌用を含みますと30%、飼料自給率は35%ということでございます。

以上、26ページまでが第2部の食料自給率の目標についての記述でございます。

次に27ページ、第3部のところでは、講ずべき施策を書いております。まず食料でございますが、食料の安定供給の確保に関する施策として幾つか書いております。このうち、まず(1)の食料消費に関する施策の充実、このうちでアとして食品の衛生管理及び品質管理の高度化というのがありますが、この2行目に農業生産資材、これは農薬等でございますが、この農業生産資材の「適切な使用の徹底」というくだりに素案ではなっておりましたが、ここに「農業生産資材に関する法令の遵守等によるその適切な使用の徹底」ということで、「法令の遵守等による」というくだりを挿入させていただいております。

それから28ページ、ウの健全な食生活の指針の策定等というところでございますが、ここの冒頭のところで1行半ほど書き加えておりますが、「主食としての米等の穀類に地域産品も含めた多様な食品をバランス良く組み合わせること等を内容とする健全な食生活の普及浸透を通じ」ということで、健全な食生活の浸透の内容を敷衍した形でその前に書き加えたという変更でございます。

それから2つ目のパラグラフの「また、次代を担う子ども達が」というところでは、素案ではサラリと書いておりましたけれども、ここに「食習慣を形成する上で重要な時期に」というのを書き加え、更に、単に「食料の生産及び消費について」ということではなく、「食生活や」ということで食生活についても正しい知識を習得できるようということの趣旨をはっきりさせたところでございます。

更に、「各教科や学校給食等においてこれらに関する教育の充実を図る」ということで、単に教育の充実ということだけではなくて、各教科、それから学校給食、こういったものを通じて食生活なり、食料の生産・消費についての教育を充実していくという趣旨を明確にしたところでございます。

それから29ページ、ここは食品産業のところでございますが、このウのところで食品流通の合理化として、「取引の電子化の進展等を踏まえ」ということで、最近の動向を踏まえた形のものを書き加えると同時に、「流通システムの高度化や」と、その後に「産地直販、地場流通等の多様な取組を推進する」と、こうした具体的な形で記述をさせていただいたところでございます。

次に30ページですが、農業の関係のところでございます。ここでは「農業の持続的な発展に関する施策」ということで、効率的かつ安定的な農業経営を育成して生産性の高い農業を展開していくということを書いているところでございますが、そのうちの31ページをご覧いただきたいと思いますが、「専ら農業を営む者等による農業経営の展開」ということが書いてあります。この中では家族農業経営の活性化、農業経営の法人化の推進ということを記述しております。

それから(3)で農地の確保及び有効利用でございます。32ページにまいりますが、この(4)の農業の生産基盤の整備の2行目のところですが、「農業の生産性の向上を促進するため地域の特性に応じて」の後ですが、「自然環境の保全や美しい景観の形成等環境との調和に配慮しつつ」の、「自然環境の保全」の前に「生態系等の」という言葉を追加して記述しているところでございます。

それから33ページですが、ここの(5)の人材の育成及び確保のところに、ウとして農業に関する教育の振興というのがあるわけでございますが、前回の要旨素案では学校教育について記述していたところでございますが、学校教育と並んで社会教育の重要性を考慮しまして、「学校教育や社会教育における」と、両方あわせて記述する形にしております。

それから(6)の女性の参画の促進でございます。ここにつきましては全体として少し短くまとめた形にしたところでございます。その上で34ページの一番上の1行目ですが、「経営の法人化、役割分担の明確化等を通じて」というこのくだりを追加しまして、「女性の農業経営における役割を適正に評価する」その具体的な面をはっきり書き加えたという修正を行っております。

(7)のところは高齢農業者の活動の促進でございますが、この2行目のところに、高齢農業者の豊かな経験、知識、技術を適切に活用する、その活用の仕方として2行目の、「地域の農業生産に関する取組や子ども達の農業体験における指導等に」ということを書き加えておりまして、具体的に高齢農業者の方々が持っている豊かな経験、知識や技術、こういったものの適切な活用の中身を書き加えたところでございます。

それから35ページの(9)は技術の開発及び普及でございますが、ここのアのところをご覧いただきたいと思いますが、ここでは具体的な技術の確立に向けた技術の研究・開発の目標を明確化して、それに基づいて具体的な技術の確立に向けた戦略を定めるということにしておりますが、その上で「農業生産の現場を支える技術」ということで書いていたわけですが、具体的に「麦、大豆、飼料作物等の品質向上や省力・安定栽培のための技術」等、その例示を書き加えております。

それからその後に素案では「ゲノム解析」とだけ書いてあったわけでございますが、そこの前に「稲等主要作物の画期的な品種開発を図るためのゲノム解析」ということで趣旨をよりはっきりするように記述したところでございます。

それから36ページの(12)に自然循環機能の維持増進という項目がありますが、これの4行目でございますが、「農業生産活動に伴う環境への負荷の低減」の後に、「及びそれを通じた生物多様性の維持等の自然環境の保全」を付け加えまして、この自然循環機能の維持増進を行う農業生産のあり方というものにつきまして、資源循環的な利用、それから環境への負荷の低減と並んで生物多様性の維持等の自然環境の保全にもつながるという趣旨を書き加えさせていただいております。

次に37ページから3番目の「農村の振興に関する施策」でございます。この農村に関する施策につきましては、前回の第9回の企画部会におきまして何人かの委員の方々から、記述されている表現について想定しているスケールの違うものが混在しているという印象があって違和感があるという御意見が出されたところでございます。したがいまして、その後、再度、関係省庁と調整をさせていただきまして書き上げたものを今回お示しさせていただいております。全体としてできるだけわかりやすくなるように、専門的な用語をできるだけ少なくして、一般的な言葉で記述するように努めたところでございます。37ページにはまず農村の振興を図る必要性、背景を記述した上で、38ページの「これらのことを踏まえ」というところからご覧いただきたいと思いますが、「農業の振興その他農村の総合的な振興に関する施策を計画的に推進することとし、地域の農業の健全な発展を図るとともに、景観が優れ、豊かで住みよい、アメニティに満ちた農村とするため、農業生産の基盤の整備と交通、情報通信、衛生、教育、文化等の生活環境の整備その他の福祉の向上とを総合的に推進するよう、必要な施策を講ずる」ということでございます。

それから中山間地域等につきましては、地域の特性に応じて、就業機会の増大、定住の促進、こういった施策を講ずるということと、それから適正な農業生産活動が継続的に行われるよう、農業の生産条件に関する不利を補正するための支援を行うこと等により、多面的機能の確保を特に図るための施策を講ずるということでございます。

更に都市・農村交流の促進の施策、それから都市及びその周辺における農業について、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるというのがこの基本的な考え方でございます。

その上で、全体的に縮めて書いているわけですが、39ページをご覧いただきたいと思いますが、(イ)のところにaからjまで記述しております。ここでは交通、情報通信等々ということが書かれているわけですが、できるだけ前回に比べまして簡潔にサラリとした表現で記述をしたつもりでございます。

例えば、aのところをご覧いただきますと、交通ネットワークの整備の推進とか、また、地域の生活に密着した公共交通の確保を図る、こういった表現で取りまとめさせていただいております。

それから40ページにまいりますが、ここから中山間地域等の振興でございます。

それから41ページ(3)の、都市と農村の交流等というところでございます。

それから第3部の42ページの4、団体の再編整備に関する施策、ここにつきましては要旨の素案でお示ししたのをそのまま文章にしております。

それから44ページ、今度は第4部の施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項ということで6項目、要旨でも書いていたわけですが、ここの4のところでPFIとかNPOというのをそのままの形で書いておりましたけれども、「注」を入れる形で括弧の中で説明を書いたのが1点目でございます。

それから、そのパラグラフの「特に公共投資の分野では」という次の「民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用する観点から」という趣旨を明確にしたというのが変更点でございます。

以上が本体でございまして、その後、政府として措置するに当たっての基本計画の参考付表をつけております。この参考付表は基本計画本体とセットになる性格のものとして位置づけさせていただいております。

その第1表ですが、ここでは食料消費のすう勢を幾つか掲げさせていただいておりまして、第1表は食料消費についてのすう勢試算値、第2表は生産についてのすう勢試算値、3ページの第3表は品目別の食料自給率のすう勢試算値、第4表は総合食料自給率のすう勢試算値、第5表は主食用穀物等の自給率のすう勢試算値でございます。

それから4ページの第6表につきましては研究・技術開発の展望ということで、今後10年間に主要な点で達成されることが目標とされる研究、あるいは技術の開発の内容を、目標の一部数値を含めまして掲げることとしているところでございます。こういった技術開発をベースとして実現できるものについては、10年間の間にできるだけ活用に移していくということでございます。

それから6ページの第7表でございますが、これは熱量効率を最大化した場合の国内農業生産による供給可能量でございます。以前、本企画部会でも現時点での試算値として食料の供給に当たって農地等をベースとしてどのくらいの熱量が国内で供給できるのかという試算をして、ケース1、2と分かれておりましたけれども、その試算では1,760kcalから1,970kcalという数字をお出ししたと思いますが、この数字は基本的にその考え方と同じ考え方をとりまして、平成22年度における農地面積、それから単収、こういったものを前提といたしまして試算をしたものでありまして、これによりますとケース1では水田の全面積で米を作付けした場合ですが、これで1,890kcal、更に水田のうち、湿田以外の田の半分にはいも類を作付けするといった試算として2,030kcalという数字を試算をしております。

参考のところにありますが、昭和20年代の供給熱量としては2,000kcal弱でございますが、これを上回る、ほぼ2,000kcalに届く供給量が可能だということで試算されているところでございます。

基本計画についての説明は以上でございます。

部会長 はい、御苦労さまでした。

それでは引続き、資料2につきまして事務局からお願いいたします。

事務局 それでは私から資料2と、それから参考資料2、参考資料3、この3種類について御説明を申し上げます。

まず初めに資料2、「農用地等の確保等に関する基本指針(案)」でございます。これは既に先の審議会におきまして骨子について御説明申し上げました。これに肉付けをいたしましたが、大きくその後変わっておりますのは、この基本指針の中で優良農地の面積見込みの数値を掲げたことでございます。優良農地、後で具体的に数値を御説明申し上げますけれども、農業振興地域の整備に関する法律に基づく、通称「農振制度」と言っておりますが、この農振の農用地区域内において集中的に施策を投じ、面として集団的に確保する農地のことでございますが、この数値を掲げたということでございます。

イントロダクションのところでは、説明がありましたが、生産努力目標の中で農地の必要とする今後の農地面積の総量が明示をされました。延べ作付面積でいきますと 495万ha、耕地利用率 105%で割り戻しまして、絶対面積としては 470万haが必要だということでございます。この 470万haのうち、優良農地としてどれだけを確保するかということについてこの中で触れたいと思っておりますが、農地は農業生産にとって最も基礎的な資源でありますので、この農地を良好な状態で維持・保全をし、かつ、その有効利用を図ることが重要である。耕作放棄とか不作付けと、こういったことがないようにするという思想を述べております。

この基本指針はこういうことを踏まえまして、先ほど申し上げました農振法3条の2に基づいて、国としての農用地等の確保に関する基本的な考え方を示して、この国の基本的な考え方の下で、都道府県知事が整備基本方針を定めます。また、それをもとにいたしまして市町村長が農業振興地域整備基本方針、これが具体的なこの制度のゾーニングになりますけれども、ゾーニングをして、その中でどのような農地をどういう状態で確保するかということになりますので、その際の手法といいますか、政策に的確に反映するように策定するものであるということを述べているわけでございます。

以下、構成は前回お話ししまたことと同じ3部構成でありまして、第1は農用地等の確保に関する基本的な方向として、この農振制度を適切に運用する。エッセンスは一番下の行になりますけれども、今後とも農用地等をできるだけ保全・確保することを旨として、農用地区域に係る制度、つまり優良農地として囲い込む地域、これについての制度の適切な運用を図る必要があるということを述べております。

2ページにまいりまして、そうした農用地等を確保するためにどういう取組みが必要がという施策体系の一番基礎になるところを述べております。

方向性でありますけれども、3つ掲げておりまして、(ア)は農地の保全・有効活用ということで、耕作放棄の発生の抑制、更には既存の耕作放棄の復旧を進めて農地の保全・有効利用を促進するということでございます。基盤整備事業をするとか、あるいは担い手を育成をする、交換分合をする、さらには生産条件の不利を補正をするということを通じまして、耕作放棄の発生がこれ以上出ないような形で抑制をしていく。場合によりますと、ほ場整備の一環として既存の耕作放棄地を取り込んで整備をするというようなことでございます。

そのことが具体的に(イ)に出ておりまして、農業生産基盤の整備という形で、目指すところは先ほど来、申し上げておりますような耕地利用率を高めるわけでございますので、生産農地の区画の拡大であると同時に、水田の汎用化、つまり水田は稲だけということではなくて、他の畑作物も十分に高い生産性をもってつくれるようするといったようなことを通じまして、生産基盤の中で良好な営農条件を備えた農地の確保を推進するということでございます。

とは言え、我が国のように国土が狭く、非農業的土地需要は今後も続くわけでございますので、それらに対する対応としては適切に行うということで(ウ)がございます。農業上の利用に支障が生じないことを基本として計画的な土地利用の確保に努める。「計画なければ開発なし」という精神を述べております。

以上の哲学のもとで平成22年に見込む農用地区域内の農地面積、言ってみれば優良農地の面積といたしましては、上記(1)及び(2)に掲げる農業振興地域制度の適切な運用と諸施策を通じた農用地等の確保のための取組みの推進により、平成22年の農用地区域内の農地面積、つまり優良農地の面積は現状、419万haでありますが、これをできるだけ下げないようにということで、概ね同程度の 417万haを見込みたいということでございます。

以下、第2部は農業振興地域の指定の基準に関する事項でありまして、主としてこれまで通達をもって定めておりましたことを、国民一般にきちんと明示をする形で掲げたいと思っておりますし、第3、これは4ページになりますけれども、その他の配慮すべき重要事項ということで配慮事項を掲げたわけでございます。

417 万haという優良農地の面積に入ります前に、説明を申し上げました 470万haという数字がどういったポジションにあるのかということをちょっと説明をさせていただきたいと思います。参考資料2でございます。

同じような図が1ページ目と2ページ目に並んでおりまして、混同しがちでございますけれども、初めに2ページ目をお開きいただきたいと思います。参考といたしまして「基本計画における農地面積について」ということでございます。先ほどの説明で45%という自給率目標のベースになる必要農地の面積は延べ作付面積で 495万ha、耕地利用率 105%で実面積としては 470万haということを申し上げました。一番上に太い字で書いてありますけれども、平成10年の農地面積は 491万haでございます。これは自然体といいますか、トレンドでそのまま引いていきますと、過去のすう勢を延ばしますと、一番下から2番目にございますように、平成22年には 442万haになってしまいます。つまり、必要とする面積 470万haとの間に約30万haのギャップが出るわけでございます。したがって、このギャップ30万haを政策努力によって今後ギャップが生じないように確保をしていく必要があるということになります。

その手法といたしましては、中段破線でありますように、耕作放棄の発生を防止するような政策、あるいは耕作放棄されておりましたものを何らかの形で再活用していく、それから農地転用については極力適正化ということで押さえ込んでいくというふうな形で、まあ転用は転用で見込む、それから若干ながら農地の造成もございます。こういったことをしながら抑制の面では基盤整備事業で農地が使われやすくする、あるいは担い手に流動化をし、集積をしていく、更には生産条件の不利の格差を埋めていくような政策をとりまして、ここにプラスという数字が出ておりますが、トレンド、すう勢値からこのプラスでもって戻しをする、あるいはプラスをするということで何とか、平成22年に 470万haを確保することが可能ということでございます。

こうした政策努力を通じて 470万haの農地が確保され、その農地が耕地利用率 105%で回れば、延べ作付面積としては495万ha、食料自給率ベースで45%が可能になるということでございます。

したがって、平成22年で必要とされる農地面積は 470万ha、そのうち、それでは農振農用地区域内で優良農地としてどれほど確保をし、そこに施策の集中をしていくかというのが1枚目の図でございます。

これはちょっと年次の関係が10年度と10年になっておりますので、多少数字に時点の差がございますが、平成10年度末現在の農振農用地区域内の農地面積、言ってみると優良農地としてカウントをされております面積は 419万haでございます。これもこれまでのすう勢で22年まで推移をいたしますと 367万haになることが予想されます。

しかし、先ほど基本方針の中で述べましたように、国の基本指針として極力現状程度の面積を維持する。現状 419万ha、最終的には 417万haということを申し上げましたが、現状程度を維持するということでございますので、逆に言いますと 419万haという現行の面積と、すう勢値 367万haのギャップ50万haを政策努力によって埋めていく必要があるわけでございます。

先ほどの総面積ベースでは30万haのギャップでありましたけれども、優良農地につきましては、より一層難しい50万haというギャップが予想されますので、このギャップにつきましては政策努力を集中的に行う。基盤整備の重点はこの地域に置く、流動化集積もこの地域に置く、直接支払い等の不利の補正も行う、そして担い手の育成も大いにここで実施するということで、何とか現状と概ね同程度の 417万haの確保は可能になるのではないかというふうに思っているところでございます。

こういったことを背景にいたしまして、この基本指針には現状と概ね同程度の 417万haを平成22年の時点で優良農地の面積と見込むというふうにした次第でございます。

なお、参考資料3といたしまして、きょうはまだお見えになっておりませんが、先生から農用地区域の編入・除外について、過去どういう状況であったかということについて資料要求がございましたので整理をいたしました。

編入・除外というのは、例えば農振制度といいますのはゾーニングの法律でありますので、線引きをしてその内側に集中的に施策を投じるということですので、その施策を投じる場合にはゾーニングの変更をしなければいけない。それから農地を転用したり他用途に使うには線引きを変えなければいけないということであります。それからゾーニングをした地域の周辺部で例えば基盤整備事業が行われますと、ゾーニングをした中と一体として扱われて集団的農地になりますので、ゾーニングのラインを外へ張り出して中に取り込むということが行われます。過去の推移をそれによりまして整理をいたしましたのがこの表でございます。以上です。

部会長 御苦労さまでした。

それでは、引き続きまして参考資料1として「農業構造の展望について(案)」が提出をされております。事務局から説明をお願いします。

事務局 参考資料1の「農業構造の展望について(案)」でございます。

考え方につきましての1ページにつきましては以前に御説明をいたしましたけれども、この考え方は(2)にありますとおり、新基本法に基づいて「「効率的かつ安定的な農業経営」が農業生産の相当部分を担う「望ましい農業構造の姿」」を明らかにするために、これを「農業構造の展望」として示すということでございます。

そのために(3)にありますが、ウェイトが明らかになるように、「総農家数、販売農家数等及び「効率的かつ安定的な農業経営」数」、一方で、それらのシェアの展望、こういったことを示すということでございます。それから、併せて農業労働力の見通しについても農業生産の相当部分を担う農業構造を支える労働力としての見通しという意味で示すことにしていたわけでございます。

その結果としまして2ページでございますが、試算の結果を右側のところにお示しをしております。

まず、農家戸数につきましては、右側の総農家という数字でございますが、平成11年に 324万戸でありますが、これが平成22年には 230~ 270万戸、この試算に当たりましては農業センサス、5年毎にやっておりますが、そのセンサスに平成2年と平成7年の詳細なデータがあります。この変化をもとにしまして最近の、その平成7年以降のすう勢等も踏まえた形でこの試算を行っております。230~270万戸が農家戸数、他方で、ちょうど真ん中の線を引いた下側に土地持ち非農家というのがありますけれども、これはその下の「注」の4番目に書いてありますが、土地持ち非農家といいますのは、定義上、農家ではなくなって土地を持っている家ということになるわけですが、耕地及び耕作放棄地を合わせて5a以上所有しているが、経営している経営耕地面積が10a未満で、かつ販売金額が15万円未満の農家という、これが土地持ち非農家ということでございますが、これが平成11年の 105万戸から 140~ 170万戸になるということでございます。

この増加は、その右側に書いてありますとおり、効率的かつ安定的な農業経営へ農地の大宗を委ねて他産業の従事に専念するとか、生きがい農業を行うとか、こういった形になると見込まれるものでございます。

それから「効率的かつ安定的な農業経営」についての展望といたしましては、これは左側の(イ)のところに書いてありますけれども、主業農家等のすう勢を踏まえまして施策の効果を折り込んで見込みを行っております。「農業経営の展望」あるいは「生産努力目標」を実現するための関係者による取組、それから農地の利用集積の一層の進展、こういった施策の効果を前提といたしますと、家族農業経営についての効率的かつ安定的な農業経営は、右側の網かけになっている点線で囲まれたうちの左側ですが、家族農業経営として33~37万戸、そのうち単一経営は18万戸、複合経営は15~19万戸と。

この単一経営についての定義は一番下のところに「注」で書いてありますが、当該部門の現金収入が全体の80%を占める経営ということですが、そういった形で33万ないし37万戸が効率的かつ安定的な家族農業経営として見込まれるところでございます。

それから法人及び生産組織につきましては、その右側にありますとおり3~4万の数が見込まれるということでございます。

それから左側の下のところの波線の中で囲まれておりますが、さっきから申し上げております「効率的かつ安定的な農業経営」というのは、経営展望の際にも申し上げましたけれども、「年間の労働時間が他産業従事者と同等、主たる従事者の一人当たりの生涯所得が他産業と遜色ない水準を確保し得る、生産性の高い営農を行う経営」ということでございます。

次に3ページでは、その経営構造の展望を経営形態別にどうなるかということを見たものでございます。右側の表にありますとおり、この左側が平成11年の主業農家で65歳未満の専従者がいる農家でございますが、これが「効率的かつ安定的な家族農業経営」として平成22年にどういう形になるかというのをみましたが、これによりますとシェアがそれぞれ6割から9割ということで見込まれているところでございます。

なお、左側の波線で囲んだところに幾つか「注」がありますのでご覧いただきたいと思いますが、1番のところにありますが、水田作ということで右側の表の一番上に書いてあるわけですが、稲作とかということで捉えるのではなくて、「水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱」を踏まえまして、今後、稲作単一経営のほかに、稲作中心で麦、大豆等の畑作物も一緒に生産する言わば複合経営としての水田作というものが増えてくるという見込みのもとに、水田作ということでとられた形で整理をさせていただいております。

それから施設野菜のところをみますと、経営規模として平成22年におきまして2ha程度という、施設野菜としては非常に大きな面積という感じがするかもしれませんが、これは施設野菜以外に、稲作、他の畑作物とか、こういったものを全体として行う経営規模としての2haという趣旨でございます。施設野菜そのものにつきましては全体の4分の1程度ということになると考えております。

もう1点は平成22年の水田作の経営規模、全体平均で14ha程度、それから北海道、都府県がそれぞれ21ha程度と12ha程度という数字が平成22年の水田作のところに書いてありますが、この数字につきましては左側の「注」の2のなお書に書いてありますけれども、水稲の作業受託面積、北海道は少ないですが、0.3 ha、都府県では4ha、これを含めた数字としての経営規模という形でございます。

以上が経営形態別の展望でございます。

それから4ページに、あわせてもう1点の農業労働力の見通しというのを試算しておりますが、それによりますと、これも平成2年から7年のセンサスのデータを用いまして、近年のすう勢も踏まえた形で行っておりますが、これによりますと平成11年の 234万人という基幹的農業従事者の数が、平成22年には 184万人というふうに見込まれるところでございます。昭和1桁世代が大きな割合を占めているわけですが、その減少と高齢化が進行してるということで、65歳以上の比率は46%ということでございますが、平成22年におきましてはこの傾向がさらに進みまして、全体で 184万人、そのうち65歳以上が50%を占めるという形になるわけです。

ただ、39歳以下のところをごらんいただいてもわかりますけれども、平成11年の15万人、これが引き続き平成22年におきましても15万人ということで、シェアはむしろ6%から8%に上がるということで見込まれるわけでございます。

それから女性についての数字を見てみますと、女性の基幹的農業従事者に占める割合は引き続き5割弱を占めておりまして、農業経営において重要な役割を担うということで見込まれているところでございます。

それから左側のウにありますけれども、先ほど申し上げましたが、39歳以下の新規就農者につきましては、平成10年に1万1千人入ってきております。これが平成22年におきましては1万5千人程度ということで見込んでいるところでございます。ここ3~4年の数字でみますと、こういった若い39歳以下の新規就農者も含めまして、全体でかなり新規就農者が大きく延びているわけでございますが、より長いスパンでみてみますと、傾向としては増加いたしますけれども、増加率は小幅になると見込まれますので、10年ほど前の昭和60年代の初めとほぼ同水準の1万5千人程度になるんではないかというふうに見込んでいるところでございます。以上でございます。

部会長 はい、御苦労さまでした。

 

質疑

 

部会長 それでは、ただいま御説明がございましたことにつきまして、御議論等いただきたいと思います。どうぞ、委員。

委員 ちょっと教えていただきたいんですけれども、21ページの生産努力目標というものがございまして、この中で生産努力目標を明確にされて食料自給率全体としての安定化向上を図るということは大変よく理解できますし、また穀類、あるいは大豆等が一定程度の伸びを示すというようなことについて、この程度の目標を掲げておられることは十分理解できるんですが、私、前に申し上げたと思いますけれども、飼料作物についてはかなり大規模化というような乱暴なやり方では難しいということで、これについては特に付加価値の付け方の問題も含めて非常に難しい問題があるんじゃないかというようなことを申し上げたと思いますけれども、これを見ますと平成9年度に394万トンというのが、平成22年度に508万トンということで、これは平成10年度も390万トンというようなことなものですから、記述の内容は当初のものに比べて非常に穏やかなものになっているわけですが、逆に穏やかであればあるほど、その実現性ということについて、どういうふうにお考えなのかなということが疑問になってきましたので、説明を聞かせていただきたいと思います。

それから、これも質問ですけれども、砂糖について、てん菜とさとうきびが平成10年で増えて、そして平成22年である一定のおさまりを示してると、このあたりはやはり年変動が大きいからこうなっているのかどうかということですね。一般的に考えますと、特にさとうきびの場合は非常に難しい問題があろうかと思いますので、この辺が伸びるという形になるというのがどのような形でいくのかという、これは確か沖縄なんかでは振興作物で補助が出ていて成り立っているんじゃないかというような気もしたんですけれども、その辺も私よくわかりませんので教えていただければと思います。

部会長 どうぞ、お願いします。

事務局 飼料作物生産努力目標の作付面積を、大体今のところ110万ha、生産量508万tということで見込んでおります。

この中で幾つか果たさなくちゃいけない前提があるわけでございますが、1つは労働力の問題がございます。これについては今のところ外部の生産組織の受託組織に出していくということで労働力不足を解消しようじゃないかということが1つございます。

それからもう1つは、優良品種を相当導入していかないといけないということがございます。その優良品種を導入していくと同時に、土地利用の集積をしていってコストダウンするということ。

大きく言いますとこの2つを達成すると。この課題が解決されることによって達成されるということで見込んでいるところでございます。

その場合、外部に委託していく、あるいはコストダウンするためのもう1つ前提の要件がございます。そのためには利用農家がどういうニーズであるか。ただ単に頼みますよというだけでは解決できないわけでございますので、労働力が不足している農家と、それから受け手側の具体的な組織の状況、そういう情報交換のための言わばシステムをつくると。それからもう1つは、オペレーター等々養成をしていかないといけない、これをやはり達成をしないといけないんじゃなかろうかと思っています。

それから優良品種の導入等々につきまして、お手元の資料の最後から2枚目のところをご覧いただきますと、やや簡単ではございますが、真ん中ほどに「飼料作物、今後10年間の主要な達成目標」と書いてございますが、本当はもっと具体的にすればよろしいんですけれども、2つございまして、1つは品種について相当新しい品種を育成をしていくということと、もう1つ、それよりも、もうちょっと達成可能ではないかと思われる部分で飼料稲を、これもいろいろ議論があったわけでございますが、ホールクロップサイレージにするということで、とうもろこし並みにそれを活用するということで、これについては一部品種については、もう目鼻がついてるものもございますし、それをどうやって、例えばサイレージにしていくかとか、単収を上げていくかというような技術も、プロジェクト的な解決のための研究がございますので、それを達成しながら対応していくということではなかろうかと思います。

なお、飼料用の稲につきましては、既に一部現地でホールクロップサイレージについて、最近、私が入手しました情報では、宮崎県全体で140haぐらいのものに取り組んで、そのうち半分ほどをホールクロップサイレージ、残りを大体、乾草ということで対応しようかということで、11年度から動いているということを聞いております。

そういうことを達成するということでこういった面積を目指していこうということでございます。

事務局 御指摘の砂糖の点でございますけれども、参考で出させていただきました平成10年度、作況は 130ぐらいで特に高い年でございます。その意味で若干減ってるような、特に生産地で減ってるような感じでございますけれども、生産についてはいろいろな技術的な面も含めますと、ほぼ横ばいでみているところでございます。

それから、さとうきびの方は機械化の促進ですとか、新たな肥料増殖技術等々を踏まえながら、いろいろな増収等々を考えながら 162万tまで生産量を拡大するという方向で見通しを立てていると、こういう現況でございます。

部会長 ほかに何か御意見ございましたら。はい、どうぞ。

専門委員 基本計画(案)でありますが、全体として大変御苦労されて、内容的にも適切におまとめになってるというふうに見ております。ですから、この段階にきて余り細かいことを言うつもりはないわけでありますが、若干質問したいところがあります、12ページであります。

これは感想だけでありますが、「しかしながら」の4行目以下でありますが、「需要に見合った国内産の農産物の供給が行われていない」ということ、「消費構造の変化への対応が十分でなかったこと等から多くの農産物の国内生産が減少する傾向がある」というわけでありまして、全体として方向を捉えるためにこういう整理になるのかというふうに思いますけど、我々生産の関係者からしますと、今まで何をやってきたのかなという印象をちょっと持っております。

それから12ページの一番下の段でありますが、米に関してのことでありまして、ここも「品質、価格、供給の態様等に関する消費者や実需者のニーズの多様化に対する産地の対応が進んでいない現状にある」というふうに書いてありまして、ここの部分が次の13ページの3行目の「多様なニーズに対応した産地としてのまとまった取組の展開」ということと対応するのかというふうに思いますが、ここはどういう観点なのかということを教えていただければありがたいというふうに思っております。

それから34ページでありますが、この「農業生産組織の活動の促進」の下から4行目ですか、「地域における農作業の支援組織の云々」から始まりまして、ここはどこかに句読点を打っていただいた方がいいのかというふうに思います。

と言いますのは、農業生産組織の活動の促進という部分について、専ら農業経営を行うものという部分にあわせまして、この部分の重要性を高く評価しているものですから特に注意して見させてもらっておりまして、その点をお願いしたいというふうに思っております。

それから「農用地の確保に関する基本方針」の部分でありまして、今後の国内農業生産を確保していくというためには、基本となる農地の確保が極めて重要であります。とりわけ、この審議会、部会でも意見が出ましたが、都道府県、市町村が制度を基本的には運用するということになる中で、基本方針をどんなふうに定めていくかというのは大変重要であります。そういう面では大変苦労されて、そしてきちんとした方向をまとめておられるというふうに思いますが、1ページの下から2行目ですが、「今後とも農用地等をできるだけ保全・確保することを旨として」と書いてありまして、「できるだけ」という文言だけは文学的かなというふうに感じております。

以上です。

事務局 先ほど12ページの(1)のところで、需要に応じた生産が十分に図られていない状況等についてのコメントがございましたが、これらの文章、いずれもその品目ごとの課題をこの基本計画に書き込むに当たっての総論的な考え方として、生産サイドの方々におかれても今後取り組んでいただくべき課題を明確に示すという趣旨の前段として記述しているものでありまして、産地あるいは生産者の方々の努力を否定するものではありませんので、その御趣旨を御理解いただきたいと思います。

事務局 今、専門委員からの御指摘の点でございますけれども、御存じのとおり、米に関するモニターのいろいろな調査をみますと、値段が高くても味のよいものを選ぶというのが、平成5年から平成9年にかけまして9ポイント減少いたしまして18%程度になっておりますし、それから値段も味もまあまあのものを選ぶというのが3ポイント増加して64%、それから値段が高くても無農薬、もしくは低農薬のものを選ぶというのが3ポイント増加して10%になったと。また冷凍食品等の加工米の増加にみられるような状況もございますし、それから食料品の専門スーパー等の量販店におきます米穀類の販売シェアが増加するといったような恰好で、さまざまな品質、価格、供給の対応に関しましていろいろな状況が多様化しているわけでございます。

それで農協サイドや産地サイドで、こういったようなニーズに対する取組が、いろいろなことが行われていることは承知しているわけでございますけれども、例えて言いますと、産地における良食味の問題に関しましても、例えば品質安定のための共同乾燥調整比率というのがまだ3割程度であるとか、物流コストの低減等の低コスト化に関しますバラ流通費が2割程度というような状況でございまして、まだ十分だというような状況にあるというふうには思っていないわけでございます。そういう意味でここは、産地は産地で努力していることは承知しておりますが、そういった点を捉えてこういったような表現になっているということでございます。

また、多様なニーズに対する取組というのは、先ほど申し上げましたいろいろな嗜好があるわけでございますので、消費者の良食味に対応いたしました米生産に主眼を置いたような取組ですとか、平場等の有利な土地条件を生かした高収量、低コスト化生産によります値ごろ感のある米生産に主眼を置いた取組、それから農薬や肥料の使用の節減等、消費者の安全、安心指向に対応した米生産の取組等、地域状況に応じました多様な生産販売を戦略的に展開することによって産地の市場評価を向上させていくと、こういったことは必要ではないかと、こういう意味でここを書かさせていただいたわけでございます。

部会長 あと何か御意見がございましたら。どうぞ、専門委員。

専門委員 全体的な問題として、法律で「食料・農業・農村」というふうになったように、消費者というものを念頭に置いて食料の問題、また農業者以外いろんな機能、あるいは農村に住むいろんな人たちをくるんだ形で農村ということで、かなり幅広く計画の中に書いてございますし、昨日、施策部会がございましたけれども、そういうものに照らしてかなり幅広い、従来と違った形の施策が随分あるなという感じがいたしまして、農林省の政策の基本も重点が少しずつ移ってきてるなという感じがしたわけでございます。

それから2点目で、従来ですと単なる見通しということでやってまいりましたけれども、相当数字が入ってるんですね。かなり具体的なもので、定性的なものから定量的なものがかなり入り込んでおります。これは農林省の覚悟のほどがあらわれているんだろうと思いますが、ただ、農地の確保にしても、あるいは生産量の確保にしても、特に生産の場合にはいわゆる需要に合ったものということで、品質も追求をしなければいけないし、量もつくらなければいけないという、そういう意味ではなかなか大変だなというふうに思いますが、非常に意欲的に盛り込んでおられて、これをどう実現するかというのは政策の方でみていくということだろうと思いますけれども、大変従来の、言葉は悪いんですけれども、言いっ放しというような感じとは違って、きちんと数字でピン止めをしていくというようなところが評価できるんではないかと思います。

それから3番目に、これは法律にもあるんですけれども、従来見直しというのがあったんでございますが、大体施策をやりますと、予定調和の世界でございまして、こういうことをやればこうなるはずだということで、ならないのは相手が悪いとは言いませんけれども、そういうことで予定調和の世界だったわけですけれども、今度はきちっと評価をしていくということで、先生が前に言っておられましたが、やめるものはやめるというようなことになるんで、これはまたなかなか大変かなと思いますが、そういう意味では、これもまた覚悟のほどが、しのばれるという感じがいたします。

それから、全体としてそういう意味で大変時宜を得たものができたなというふうに思いますが、1つ、全体として、特に生産の場といいますか、農村の振興にしても、いろいろなものを実現していくというのは担い手をどう確保するかということが一番大事だろうと思うんですが、全編を通じてあんまり「担い手」という言葉が出てこないんですが、これは結局どこでも全部、絵で言うと地色が塗ってあって、そこに絵が書いてあるというような感じで、どこをとっても担い手なくしては成り立たないという意味で余り「担い手」という言葉が出てこないんだと思うんですが、農家の側からこの計画を見た場合に、自分たちとしてこの計画がどういうふうに関わってくるんだろうかということがよくわからないんではないかと。特に農家の庭先になりますと、これは生産の面でもいろんなものがありますし、いろいろなものが全部農家の庭先に集まって初めて施策として実を結ぶんで、そういう側からみた、農家側からみてこういう計画なんだと、こういう施策なんだというようなものを、ぜひわかりやすいものをつくってPRをしていただきたいと思うし、また一方、消費の側、消費者の側からは、生産省というような感じで農林省もおりましたけど、そこがかなり変わってきてるということで、消費者側からみた計画なり施策なりというようなものも、わかりやすい形で出していくということで、せっかくかなり思い切った計画ができ、施策が出るわけでございますので、非常に大事に扱っていただいて、ぜひ理解を得て実現をしていただきたいなというふうに思います。以上でございます。

部会長 どうぞ、委員。

委員 1つ、視点としてぜひこれは、できるならば書き加えていただきたいと思っておりますのは、都市と農村の交流のところ、41ページにありますけれども、これは言ってみれば余り深くないと言うと変ですけれども、商業ベースであったり、そうではなくても従前やってきたことだったりということで、もう少し違う視点が都市と農村の交流では必要なのではないかと思います。

1つは、農産物を介したいわゆる産直活動というのが取り組まれております。それは市民団体だとか消費者団体とかで取り組まれています。その動きというのは年々高まってきていて広がって、確かにごく一部、日本全国で見ればごく一部ですけれども、でも非常に積極的に広がってきているという状況が一方ではありますので、それは農産物を直接購入するということだけではなくて、生産現場へ行ったりしてかなり継続した中身の濃い交流が行われていると思います。そういう活動を促進する政策というのが1つ必要でありますし、そこでどういう視点が欲しいかといいますと、いわゆる商業ベースとかではなく、生産と消費という関係ではなく、言ってみれば市民や消費者のボランティア活動といいますか、そういう観点での農村や農業への参加、それから林業への参加もあると思うんですね。草地等の草焼きが人手がなくて非常に危険でできない。草刈り十字軍というのもあるそうですけれども、草焼きボランティアというような活動があってもいいわけですし、そういうことを通じて具体的に農業・農村等について体験していける層を少しずつでも、正式な農業人口としてではもちろんありませんけれども、そういう視点が非常に必要だと思うんです。そういう活動で人的な援助が少しは得られるんじゃないかと。

だから、全部がはっきりとした役割分担で、きっちりと担っていくという図式だけではなくて、そういうボランティア的なものだとか、NPO活動的なことだとか、そういう発想で農業生産、それから農村に参加していけるような仕組み、そういうところを少し広く太くとっていく、そういう視点が必要なのではないかと思います。

事務局 都市・農村交流については、今すぐにここでこう書くという趣旨が申し上げられませんけれども、41ページの(3)のアのグリーン・ツーリズムの推進、そのあとの「都市と農村との交流機会の確保」、こういう簡単な言葉で処理してるのが今の案でございますが、今の委員の御指摘を、どこまで御趣旨を体せられるかわかりませんが、できるだけ工夫はさせていただきたいと思います。

部会長 どうぞ、専門委員。

専門委員 自給率の1つの方向を示されたわけですが、私は生産現場として2~3点、気にしてる、これをより具現化していくために、これを実践していくためにという意味でちょっと発言させていただきます。

市場原理の時代ということを大前提に、これから考えるということが我々の責務になってくるわけでして、その点から言うと、この目標を実現していくためには、生産・流通・販売という新たなシステムをいかに基本計画に基づいて、より具現化していくか、要は消費者に日本の農産物を選んでいただかないと自給率は上がらないわけですから。それでは、価値をどう表現するのか。そのための流通とは何ぞや、生産とは何ぞやということが大前提に私ども生産者は考えておりますので、これはなかなか商売に関わることでマーケティングになるんですが、もはや我々農林関係もマーケティングを避けられないということが今回の基本法の前提ですので、ぜひその辺を、この基本計画を具現化する、より具現的な勇気を持った施策を取り扱っていただきたい。

例えば、必ずしも市場だけで消費しますと、日本の米というよりも「何々県の米」、いや「私の米」という3つの売り方があるんではないか。そこにおいて価値、消費者の皆さんに喜んで食べていただけるということであって、日本の米というと外国とすぐ比較されて、おまえらのは高いと、こういう戦略に、まあこれはすべての農産物に言えることですけれども、ぜひその辺をより具体的な戦略をこれから御考察をいただきたいというのが1点であります。

それから、次は、先ほど先生もおっしゃっていましたけれども、担い手でございまして、これは示されたわけでございまして、我々、法人を経営している者として、3万なり4万という、まあこれはいろんな法人組織、生産組織ということでありましょうからいいわけですが、こう言うと身びいきしてるというふうにとられると嫌なんですけれども、新規就農者に余りにもこだわりますとアッという間に10年が経ってしまう。むしろ、現在頑張っている農業者の皆さんも、まだ余力があると私は現地で見ているわけです。仲間の話を聞きましてもね。したがって、そういう方々が、畜産であってもお米に手を出すべきだと思うし、お米であっても畜産と組むというのが自然循環農業でもあるし、理想ですから、その辺も含めて担い手問題というものを、あくまでも新規就農者に余りにも特化するのはいかがなものか。大事なことですけれども、それが2点目でございます。

それから、農地は、優良農地、これは先ほどお示しがあったわけですが、私たち現地で農業を営む場合に、優良農地の確保はできたけれども、それが有効利用できるもう1つ奥のシステム、先ほど団地化という言葉も出ましたけれども、やはり消費者の皆さん、良質なものを安くというのは大前提でありますから、いかに団地化を図るかということが、これから土地利用型農業の大きな大きな目標である、その辺のお知恵をぜひお出しいただきたいなというのが3点目であります。

あとは産業界で出ます残さといいますか、これは家庭の生ゴミまでを飼料化してほしいとは当然言えません。まだそこまで生ゴミの流通なり収集システムというのはできておりませんけれども、量販店なり、いろんな地区で時間切りで出てくるようなものは、やはりこれを飼料化していく、堆肥化、コンポストはもちろんですが、コンポストのみでいいのだろうかと。もう一歩政策として餌化していくという努力は、もう供給しているものですから自給率に非常に影響力が強いというのが私の思いであります。

それから90万haの転作水田が続くであろうということが今回も示されたわけでございますので、麦、大豆、飼料作物ということで頑張るということでありまして、私は異存ないわけでございますけれども、先ほど御指摘がありましたように、飼料作物の 110万haというのがやはりポイントだなという気がいたしておるわけでございまして、ぜひその辺は我々も努力したいと思っています。

そのことを受けまして自給率を、26ページの総合自給率の話なんですが、示されておりますが、10年度から平成22年度にぽんと書いてあるわけですね。しかし私は、もう少し国民の皆さんに安心していただくためには、まだ当面、11、12年度は現状よりも下がるかもしれないと。それから上がっていくんだよという、まあメカニズムという言葉が正しいかどうかわりませんが、平成11年は40だよ、次はこれだよといったときに、もし来年下がったら動揺なさるんじゃないか、国民もみんな。ですから、こういう順序で平成22年度にこういう目標があるんだよというものを、概ねお示しになれるものならした方が、むしろ国民は安心するんじゃないかということで、今回この数字が出ますと、それだけで走り始めまして、もし来年40%を切っていくような状態が起こると、これは非常に国民は不安がるんではないかというイメージを持ちまして、私たち農業生産の現場は自給率が高いほどいいわけでございまして、それに向かって、ただし、できないことを掲げても、これは政府として許せるものではないというのはわかりますので、もう少し具体的にお示しいただく方が我々もやりやすいし、国民の皆さんも、わかりやすいのではないかというのが私の思いであります。以上であります。

お答えいただけるなら、最後の自給率の示し方についてお答えを願いたいと思います。

部会長 今から年次別の見込み数値をつくるといっても、言うべくしてできないことだと思いますので、文書の中に入れるのか。発表のときに何かされるのか。

事務局 なかなか数値で年次別というのは、実務的な作業としてもいかがかと思いますが、6ページから7ページにかけて委員、御指摘の当面の期間においての考え方を記述しておりますけれども、当面の10年間という経過期間の中では、私どもが主眼を置いてますのは、現実に食料自給率が低下していく、すう勢でいけば低下する。前回もすう勢でいけば今の40%から38%に、米の消費も62kgに減少する、そういった低下傾向に歯止めをかける期間だという認識でございまして、ですから、おそらく委員のおっしゃるように、1年、2年ということをみれば、自給率は若干低下するかもしれませんけれども、それを数値で示すということよりも、この10年間という消費の改善にも時間がかかる、小麦や大豆を増やすためにも時間がかかる、そういった期間として位置づけることで、すう勢試算値もきちんと今回お出しした上で、その歯止めをかけて向上させていくという、ですから言わば中長期的な10年という観点からみて取り組むべきだという、そういう位置づけの考え方で整理しておりますので、1年ごとにどうなるかという数字はなかなか出し難いということで御理解いただきたいと思います。

専門委員 私は理解してないわけじゃなしに、ただ、今度大豆が下がりましたので、政府は何しているんだと、我々も農家は、何してると怒られるんじゃないかと。だから、下がって上がるんだよというようなところも、できればお示しになった方が、国民は安心するんじゃないかという老婆心です。

事務局 前回、先生からも、この目標数値を示すだけではなくて、毎年、毎年の検証が大事だという御指摘を何度かいただいております。ですから、そこのところの準備はこれからですけれども、具体的に目標を示した上で、どういう措置でこれを検証していくか。何ができて何ができなかったということを明確にできるような形で少し検討を進めていきたいと思います。

部会長 私も同じような心配をしておったんですけれども、発表するときによくレクチャーするということよりちょっとないんじゃないかと思うんですが。

あと、御議論の途中でございますけれども、本日、御欠席になりました委員さん方からペーパーないしは、御意見をちょうだいしているそうでございますので、事務局の方から発表なさったらどうでしょうか。

事務局 それでは、まずペーパーの形でいただいている方が2人おられますので、そちらから申し上げたいと思います。

委員からの御意見でございます。

3月9日の企画部会はよんどころのない所用のため欠席いたしますけれども、以下に私の考えを述べさせていただきますのでよろしくということでございまして、3点あります。

1点目は、10年を超える長期にわたる自給率目標は、消費者の安心、生産者の意欲、実現可能性、国民全体の理解の得やすさから総合的に判断し、国の方針として50%以上に置くべきと考えます。

2点目、しかし、我が国の現状を直視すると、向こう10年間の目標値としては達成できる可能性が高い45%程度に設定し、長期目標実現の第一段階として位置づけるのが妥当と考えます。

3点目、我が国として、まずは自給率の長期低落に歯止めをかけることが大切です。次に国民全体の理解と協力を得られる目標値に向けて自給率引き上げを図るのが現実的と考えます。

以上が委員のコメントでございます。ペーパーの形で提出いただきました。

それからもう一方、ペーパーの形でいただいたのが専門委員のさんでございます。ちょっと長いんですが、読み上げさせていただきますが、これも3点あります。

1点目は自給率目標についてでございます。

自給率目標は、食料・農業・農村基本法の基本理念である国内農業生産の増大を基本に食料の安定供給の確保を図る目標として設定するものであり、国家目標あるいは国家理念という意味合いもあると考えます。とりわけ今回の基本計画は新基本法制定後初めてのものであり、その持つ意味は極めて大きなものがあります。また、生産者はもちろん関連産業、消費者を含めた全国民参加の下に目標の設定はもちろん、実現に向けた努力が肝要であり、国民の食料供給に対する不安を払拭するとともに、生産者の生産意欲を喚起するものでなくてはなりません。

こうしたことから国民の食料消費の少なくとも半分以上は国内で賄うとの基本目標が必要です。今回の案で示された「5割以上を国内生産で賄うことを目指す」とはまさにこの基本目標であると考えます。

なお、10年という限られた期間内で達成を目指す目標としては、基本目標を実現するステップとして実現可能性を考慮するとともに、可能な限り意欲的な数値とすべきであると考えます。私ども生産者団体としては全力を挙げて努力をするつもりですが、この目標達成には生産と消費両面から相当の努力が必要であり、国民全体での取組みが必要と考えます。

以上が自給率目標についてでございます。

2点目が学校給食における国の対応についてということでございます。

健全な食生活の実現に向けて、次代を担う子供たちに対する取組みは重要であり、学校給食の果たす役割は非常に大きいものと考えます。今回の基本計画案の中でも教育の充実を図るとしていますが、一方で米飯給食への国の補助は今年度で打ち切られることとなっています。地域によっては地場生産、地場消費の一環として、地方行政やJAグループなどが連携して取り組んでおります。米の消費拡大は自給率向上はもちろん、健全な食生活の実現に欠かすことのできないものであり、そのためにも子供たちの学校給食に対する国の支援が必要であると考えます。

以上が2点目でございます。

3点目は、国内産飼料拡大における米の活用についてということでございます。

飼料作物の増大については、転作田等における飼料作物の作付け拡大が課題として挙げられています。そのためには湿潤等の土地条件で米以外栽培できないところがあることや、不測の事態に対して食料用の転換が容易であること等から、飼料用稲の栽培拡大は大変重要であると考えます。飼料用稲は濃厚飼料としての飼料用米や、濃厚飼料プラス粗飼料としてのホールクロップサイレージの形で事例的な利用がなされております。

私どもも山形県庄内地区や宮崎県で行政とも連携して取り組んでおりますが、現状では生産流通コスト、品種改良、超多収米、栄養面、生産者と利用者との調整等さまざまな課題を抱えております。

以上が専門委員のコメントでございます。

 

農林水産大臣挨拶

 

部会長 途中でございますが、農林水産大臣がお見えになりましたので、ここで御挨拶をちょうだいいたしたいと思います。

農林水産大臣 本日、第10回企画部会が開催中ではありますが、お許しを賜って一言御挨拶させていただきます。

本部会におきましては、これまで9回にわたって幅広い御論議を賜り、特に前回は食料・農業・農村基本計画の要旨(素案)について御審議いただいたところであります。

本日は、これまでの皆様方の御意見を踏まえ、食料自給率の目標数値を含めた「食料・農業・農村基本計画(案)」と「農用地等の確保等に関する基本指針(案)」をお示しさせていただいており、これらについて十分な御論議をいただきたいと存じます。

いよいよ大詰めが近づいてまいりましたが、委員の皆様には、本日もそれぞれ御専門の立場から活発な御審議をいただき、忌憚のない御意見を賜りますよう、また御指導を賜りますようお願い申し上げまして私の挨拶といたします。ありがとうございます。

部会長 どうもありがとうございました。

 

質疑(続 き)

 

部会長 それでは引き続いてお願いします。

事務局 それでは、ペーパーで提出していただいた意見、お二方のものを御紹介させていただきましたが、次に口答で御意見を賜っている方々の御意見を御紹介させていただきたいと思います。

委員の御意見、口答で承ったものでございます。

目標として5割以上を目指していくことが望ましいが、平成22年度においては実現可能な積み上げとして45%の数値とするという考え方は妥当なものである。

なお、食料自給率は結果として出てくる数値である。目標数値としては高いにこしたことはないが、余り無理な目標を設定することは資源や金を無駄に使うことにもなりかねず、適当でないと考えている、こういった趣旨の御意見でございました。

それから委員のコメント、これも口答でいただいたものでございます。

自給率については計画期間内に実現可能な45%が望ましいと考えます。施策の実施に当たって関係省庁が密接に連携し、進めること。公共投資についてはその効果をきちんと評価することが重要と考えます。以上でございます。

以上で事前にいただいたコメントの紹介を終わらせていただきます。

部会長 今のコメントについて何か事務局の方から御意見ありますか。

事務局 飼料米につきまして、先ほども触れたんですが、やや問題を特定してお話がございましたので、詳しめにお話を申し上げますと、俗に飼料米といわれる場合、大きく分けて2つございまして、つまり、お米といわれる上の実の部分だけを実取りと言ってもいいんですが、活用する方式と、それから子実の方と下の茎の方まで、一緒に餌にしてしまうという方式がございます。その場合、実取りでありますと、とうもろこしが大体比較の対象になるわけでございますが、現在のコストと比較をいたしますと大体10倍以上の格差がございます。もちろん御指摘がございましたように、通常の稲作でやれる、栽培体系が同じ、万一の備えになるとか、転作田に活用できるメリットはございますが、どうも10倍以上の格差というのは、なかなかコスト引き下げを一応目標にしていきます現在の前提に立ちますと、容易にすぐマッチングできるという方法ではないんじゃなかろうかという気がいたしておるわけでございます。

そこで、水田を転作田等まだございますので、これを活用するという考えに立ちながら、かつ、稲を飼料用として今後活用できないかということになりますと、子実と茎を一緒にサイレージにしてしまう、いわゆるホールクロップサイレージということがございまして、その場合には単収が、上下使いますこともありますが、倍以上になるということは既に新しい品種がつくられておるわけでございまして、その程度でございますとそれ以上望めると。それから、何しろ一番効きますのは労働時間、通常お米の実を取る場合の労働時間は35時間以上程度かかるわけでございますが、これまでの実験的ではございますが、ホールクロップサイレージは、早めに収穫ができますので、労働時間が大体4分の1程度で済むということが実験的には確認をされておりまして、そういたしますとコストが大体3分の1ぐらいで済むんじゃないか。餌米だと、いわゆる米の方を活用しますと16万円程度コストがかかりますが、ホールクロップサイレージにいたしますと、10a当たりで5万から6万円ぐらいで済むというような試算もございます。

そういうこともございますので、まずそういう品種を開発するということと、それから栽培の場合に土地条件に応じまして、例えばコストを下げるために不耕起栽培でやるとか、そういうのを導入するとか、もう1つは、サイロに入れたときの発酵のいろんな技術とか、それから先ほどお話をしましたように、11年にプロジェクト研究が進んでおりまして、そもそも最初からそういうホールクロップサイレージをねらいにした収穫機械というようなものも開発してみようということが進んでおりまして、そういうことを進めていって転作田における作付けを進めるとか、そういう開発の方向で対応したいなと思ってます。現に着手はいたしておりまして、先ほども御説明しましたが、数字的には何haというのはなかなか難しいんでございますが、作付面積の拡大の中に取り入れて対応していきたいと。かつ、新しい土地利用型の水田利用の対策の中では、麦、大豆と並びましてホールクロップサイレージも飼料作物という扱いで最高の奨励金の単価の対象にするということになっております。以上でございます。

事務局 学校給食ですけれども、いわゆる政府米の値引き売却措置は段階的に縮小して12年度から廃止ということになりました。しかし、別途、備蓄米の無償交付の制度を設けておりますので、それを使っているところもあります。

それから、そのお金の有効利用ということで、むしろ炊飯設備に対する助成、あるいは保温庫の助成、あるいは食器類の助成と、こういうことで具体的に推進しています。

それから今、氏素性が必ずしもつまびらかでない政府米よりは、地県産のものを使った方がいいと、こういう動きが非常に強くなっておりまして、今や4県だけが政府米のみということですが、あと38県は自主流通米のみ、基本的に地県産ですね。あと残りのところは両者の併用と、こういう形になってきております。この利用については各県なり市町村で独自の対策としての助成措置というのを講じているところもございます。これは地方交付税などを有効活用した措置だということであります。

そのほか今、学校教育の一環として初期教育ということも進めておりますけれども、あわせて現場で、教育委員会サイドと農林サイドでよく連携して事柄を進めるということ。それから各地の優良事例、これは今、全国的に調査をいたしております。そういったものを学校給食で米を使ってないところにPRをいたしまして、どうやって取り組めば課題を乗り越えて進められるかということについて、全体の米の消費の問題の一環として取り組んでいきたいというふうに思っています。

部会長 引き続き御論議をお願いします。

専門委員 基本計画(案)と農用地等の確保等に関する基本指針(案)につきまして、いずれも妥当でよいものが出来たのではないかと、こういうふうに考えております。まだ終わったわけではないわけでございますけれども、特に事務当局の方は大変な作業を随分長期間にわたっておやりになったということで、改めて私個人としても敬意を表したいと、こういうふうに思います。

多少感想めいたことを含めて申し上げたいわけでありますけれども、自給率の目標につきましては最大の論点だったわけでございますが、これまで農業政策の議論となりますと、どうしても白か黒か、オールオアナッシング、株式会社の議論なんかが典型的だったかと思うんですけれども、そういう形で論点が設定されてしまって、そうなった途端になかなか建設的な議論ができなくなるというようなことが、ままあったかと思うんですけれども、自給率の目標については私、多少そういう懸念も当初無くはなかったわけでございますけれども、そんな形になることなく、裏付けなり、いろんな意見を踏まえた表現にもなっておりますし、大変よかったんではないかと、こういうふうに思います。

もう1つ、自給率についてちょっと感じておりますことでございますけれども、非常に印象風の言い方で恐縮でありますけれども、受験生に例えますと、不得意科目を何とか克服するということにかなり力点を置いた形になっているんだろうと思うんですね。小麦にせよ大豆にせよ、餌もそうでございますけれども。これはこれでもちろん非常に大事で、全くそれに異論をはさむことはないわけでございますが、やはり得意科目を維持し、あるいは伸ばすということも大事だろうと思います。得意科目を伸ばすことで勉強が好きになって、不得意科目も力が入るということもあると思いますので、その点は少し、これについて訂正を要求するということでは全くございませんけれども、御配慮いただければと思います。

供給熱量ベースの自給率というのは、ある意味で安全保障型、あるいは安定供給型の自給率ということだろうと思います。ビジネスベースということになりますと、今回もちろん参考ではありますけれども、むしろ金額ベースのものの方が農業経営者の活力を引き出す、その結果を表すというような意味ではもっともっと重視されていいような気もいたします。いずれにせよ、経営者感覚をいかに引き出して農業が元気になって、その結果として基礎的な資源も確保されると、こういう回路だと思いますので、まあ言わずもがなでございますけれども、一つ付け加えさせていただきます。

それから、先ほど事務局の方から説明もございましたけれども、食料の自給率というのは国民、特に消費者の方を含めてでございますが、メッセージ性という意味では非常に簡潔でわかりやすいわけであります。その意味ではこの計画自体は、概ね5年後に見直すということではございますけれども、どうでしょう、毎年、食生活と自給率についてのレポートを、簡単なものでいいと思うんでありますけれども、白書なんかとあんまりダブってもあれでございますが、これだけのいろんな注目、関心が集まっている事柄でありますので、そういう意味ではメッセージ性を持続するという意味でも少し工夫をされてはいかがかと、こういうふうに思います。

そのほか、過去9回の部会の中で、個別の政策的なことはいろいろ申し上げてきたわけで、それは余り繰り返したくはないわけでございますけれども、1つだけ繰り返しという形をお許しいただきたいと思うわけですが、特に土地利用型農業の場合に、農産物の価格がかつてとは違う状況になってきておりまして、全体として付加価値が小さくなってきているという面は否めないと思います。

ただ、これからの担い手は自作地もさることながら、借地、あるいは作業受委託という形で規模を拡大していくというケースが多いわけであります。そうなりますと、付加価値の大きさももちろん問題でありますけれども、それがどう土地と人の間に分配されるかという問題も同じように重要かと思います。

担い手への施策の集中というようなことがうたわれているわけでありますけれども、これはこれで結構でございますが、同時にちょっと角度を変えてみると、これは要は付加価値を土地ではなく、人と経営に厚くするという、こういう視点をきちんと持っておく、こういう言い方ができるんではないかと、こう思います。

生産調整の奨励金の帰着の問題ですとか、土地改良の問題について多少例を挙げて申し上げたような記憶がございますけれども、この点もいろいろな政策を立案し、また実施していく上では少し念頭に置いていただければありがたいと、こういうふうに思います。以上でございます。

部会長 専門委員、どうぞ。

専門委員 これまでのいろんな御意見を大変うまくまとめていただいたと思っております。私もかなりいろんなことを言ってまいりましたけれども、大体中に入っておりますし、そういうことで評価をしていきたいと思っておりますが、出されました生産努力目標については、これはまた我々農業団体の責任もかぶってくるという、玉が投げられたという感じもいたしておりまして、この点について努力をしなきゃいかんと思っておりますが、先ほど示されました農用地等の確保に関する基本指針につきましても、470万ha、これもすう勢値等から、この数字はかなり無理をして確保する数字ではなかろうかなというふうに感じております。したがいまして、総体の470万haと優良農地の417万ha、これは今後もかなり、今までのような攻め合いはないと思いますけれども、農用地区域の中の農地も、これでみましてもやはり8万という転用は見込みがございますし、この辺についてはこれからもきちんとした対応をしていただきたいと。特に都市計画法との関連で今までいろいろ申し上げておりまして、いろんな調整もされているようでございますから、担保はされると思いますけれども、この点が1つです。

それからもう1つは、いずれにしても105%の耕地利用率をやらなきゃいかんということがございますから、基盤整備、あるいは汎用化の問題についてきちんと対応をしていただきたいなということでございます。

それから担い手の問題につきましていろいろ皆さんから出ておりますけど、多様な担い手、いろんな御意見もございましたけれども、やはりきめの細かい経営対策、これは税制もありましょうし、金融もあると思いますけれども、そういう意味でのきめの細かい多様な担い手の育て方というものについての施策についても、より一層の御検討をいただきたいなということを感想として申し上げておきたいというふうに思っております。

部会長 専門委員、どうぞ。

専門委員 我々農業団体にとりましても極めて大切な計画なり施策を決めていく審議会であり、きちんと申し上げなきゃいかんわけでありますが、自給率目標の設定につきまして大変いろいろ御議論があったわけでありますけれども、この部会でも意見がありましたが、ここにありますように「必要な熱量の5割以上を国内生産で賄うことを目指す」ということできっちり出していただいたわけであります。それから実現可能な45%の水準につきましても、これはもう大変な努力をしていかなきゃいかん内容だろうというふうに思っておりますが、当事者としても、我々農業団体としましても、主要な取組を挙げてみるだけでも、土地利用型農業の活性化対策、すなわち米の計画生産と麦、大豆の振興、さらに耕作放棄地を無くする取組、それから水田裏等を含めた耕地利用率の向上の取組、それから中山間地域の直接支払いとも関連しますが、集落協定策定に積極的に参加した地域を挙げた取組、それから地域の消費者の皆さんと一緒になりまして、日本型食生活の推進なり、地産地消の消費拡大運動がどうしても必要になるわけであります。

地域におきます消費者、生産者、行政、JA、これが一体となった取組みが必要なわけでありまして、これらを支える国を挙げたといいますか、内閣を挙げたといいますか、そういう態勢をぜひつくっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

部会長 専門委員、どうぞ。

専門委員 私の視点から自給率をお決めになる過程をいろいろ聞かせていただきました。人の健康状態、あるいは食料状況、そしてそれをうまいぐあいに数字の上に表現するというお仕事は大変なことであったろうと思います。特に私どもの国民の消費量からいいますエネルギーの比率だとか、それぞれの栄養素の充足に関しても大変細かい配慮をしていただいて、その計算自体に大変私は敬意を表しております。この前から御意見を申し上げましたとおり、妥当な線かなというふうに思います。

その後のことなんですけれども、今後、私どもの世界では物を決めたら、その施行、あるいは実施に対する評価というのが必要になってくるだろうと思うんです。この実施に関しては、おそらくいろいろな予算を計上されて、普及啓発に進められるだろうと思うんですが、施策の評価というのが、5年後、あるいは10年後、あるいは専門委員がおっしゃいましたように毎年の評価というのが必要になろうかと思いますが、例えば私、担当させていただきました食生活の指針というのが、果して、全国的にすべての国民にどれぐらい普及するだろうか、これが一番知りたいところでございまして、それについては具体的に、今はもういろんなパソコンがございますので、例えば自給率のフロッピーを私どもちょうだいいたしましたけれど、あれと同じように全部数量化できないものも、まあ質的なものは数量化、換算することもできますので、そういうディスクをつくっていただいて、個人あるいは集団に1年ごと、あるいは4年間という、1年に1~2回でもいいんですが、そういう評価をしていただくと。そうすると経済効果というのもわかりますし、そういう評価がこれから非常に大事なことではないかと思います。

アメリカのケースも指針を出したり、あるいは表示を出されておりまして、部分的な評価はなされておりますが、広い国ですので、国を挙げての評価はまだなされていない。私どもの場合はシステムを活用すればこういった自給率の動向がどう変わってきたか。これはプログラムを簡単にうまく組めば、非常に有効にできるんじゃないかというように感じますので、是非、そこら辺を、5年後あるいは10年後に向けて評価をしていただきたいなと思います。

部会長 ありがとうございました。ほかに何か御意見ございますか。どうぞ、委員。

委員 私も最後にちょっとお願いというか、申し上げておきたいと思うんですが、この基本計画は農業の振興というのを確認しつつ、一方で食料の問題に視野を広げ、他方で農村整備の問題に視野を広げたというところが非常に大きな特徴かと思っております。食料及び農業については相当程度突っ込んで、さらには農用地の確保の目標水準に至るまでのかなり細緻な議論ができたというふうに思っておりますが、私は農村について、これは先ほど来の議論の精緻さがやや違うということもありましたけれども、やはりフィジカルなプランに落とすというところまでの精緻さはまだ持ち得ていないと思うんですね。

これは今この時点でどうこうということではなくて、恐らく省庁再編後にいわゆる国土庁における農村整備的機能が農水省に入ってきたときに、そこのところで、もう一回どういうふうに考えを固めていくのかということと非常に大きな関連があると思うんですが、具体的に言いますと、例えば農振農用地はいいけれども、農振白地をどういうふうなポリシーでもって農水省がこれから考えていくのかということは、例えば都市と農村の交流とか、あるいは自然循環機能だとか、そういうふうな言葉で代表されるような農村の持つ価値の向上に対しては非常に大きな意味を持っている。そういうふうなところでの計画調整みたいなものが、ひいては言わば省庁間の計画連携みたいな話にも繋がってくるというような大変重要な点だと思うんですけれども、この点については、私はこの中に書けというふうには申しませんが、重要な問題として今後引き続き議論する必要があるのだというふうな認識は、ぜひお持ちいただきたいというふうに思っております。私はこの基本計画そのものについては大変皆さん、御努力されて非常にいいものが出来上がったというふうに評価しておりますが、その評価の上で1点申し上げたいと思います。

部会長 今の委員の御意見はしっかり受け止めるということでよろしいですね。ほかに何かございますでしょうか。

私から1つお願いなんでございますけれども、きょうも先ほどさんとかさんからお話しございましたが、消費者といいますか、そういう農家以外にうんとよく説明しなきゃいけないという話を、ぜひお願いしたいんです。

今、栃木県は県議会の開催中でございまして、一昨日の本会議でそれらしき話が出まして、議員さんの中から真面目な意見として、今度できた食料・農業・農村基本法、あるいはそれに伴う今議論されているいろんな中身は非常にいいことだと。ついては、しかし、今まで県庁も国も農業・農村にしかそういう説明をしてないではないかと。消費者といいますか、都会といいますか、そういう方面に対する説明、あるいはPRというんですか、そういうことをもっとしっかりやらなきゃだめだという提言がございまして、私もなるほどなと思って、近く私も消費者団体がたくさん集まるときに食べ物の話をするという連絡をしたところなんですが、従来以上に農林省として、まあ消費者向けと言ったらちょっと言葉はあれですけれども、その方面での御努力をぜひお願いをしたいと思います。

そろそろ予定の時間がまいりましたので、本日はこれをもちまして議事を終了させていただきたいと存じます。

本日で概ね論議は尽きつつあると存じますが、御論議の内容を私なりに拝聴しておりましても、概ね農林省の案につきまして、こういう方向でいいんではないかというような感じに受け止めさせていただきました。

 

その他

 

部会長 そこで次回でございますが、第11回の会議のスケジュールにつきまして、11回が最後になると思いますが、3月15日に首相官邸で午後3時半から4時までの30分間の予定で企画部会を開催をいたしまして、部会としての取りまとめを最終的に行いたいと思っております。その後、引き続きまして4時過ぎから第2回の食料・農業・農村政策審議会全体会議を開催することとしておるようでございまして、場所も同じ首相官邸でございます。場所と時間等については改めて事務局から御連絡を申し上げると思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。次回は、本日いただきました御意見の趣旨等も踏まえました上で、「食料・農業・農村基本計画」と「農用地等の確保等に関する基本指針」の最終案につきましてお諮りすることを予定しておりますので、よろしくお願いをいたします。

なお、調整の過程におきまして文言等の修正の必要が生じた場合には部会長であります私に御一任をいただければありがたいと思いますが、そのようにお願いをいたします。

それでは以上で本日の会議を終わりたいと思いますが、私どもにしてみれば、きょう初めて数字が正式に出たわけでありますが、マスコミとの対応について何か事務局の方から我々に対する御注意はございますか。

事務局 本日、この会議の模様を、毎回やってきておりますけれども、夕方から農政クラブなり農林記者会の方にレクチャー申し上げますが、その中で、本日ここでお配りした資料はすべてお出しして御説明申し上げますので、本日の資料の取り扱いにつきましては特に申し上げることはございません。

部会長 ということでございます。

 

閉会

 

部会長 それでは、本日はこれにて閉会といたします。どうもありがとうございました。