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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成31年3月28日)議事概要

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日時:平成31年3月28日(木曜日)13時00分~15時20分
場所: 農林水産省本館7階講堂
出席委員:有田委員、大橋部会長、大山委員、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、髙島委員、中嶋委員、柚木委員(伊藤委員、十倉委員、中家委員、三輪委員の4名は欠席)
ヒアリング協力者:青沼光氏(clover farm代表)、内村祐太氏(有限会社福永畜産生産部長)、小林晴香氏(株式会社mosir取締役)、高橋誠氏(高源精麦株式会社代表取締役社長)
概要:
【ヒアリング協力者からの発表概要】
(青沼氏:酪農、富山県)
  •  広島県の非農家出身。富山県高岡市で第三者継承により就農し、家族経営。酪農の仕事に興味のある若者は増えてきているが、学校で経営を学ぶ機会が不十分である、人材育成の仕方が課題。
  •   地域に酪農を残していくために、事業継承、新規参入、規模拡大に対する支援は重要。例えば、新規参入者向けの借入資金の償還期間が厳しく、耐用年数の長い牛舎の買取で精一杯で、乳牛の導入まで回らないことなどが課題。
  •  過去に補助金で立てた牛舎が、離農して使われなくなってしまっている。そこを行政が管理して、将来やりたい人に使用権の移譲等ができないか。
(内村氏:肉用牛、鹿児島県)
  •  大学卒業後に鹿児島県さつま町の現法人に就職。ICTの積極的な導入で、生産性向上、省力化に取り組む。投資効果額が初期投資額を大きく上回った。現在、繁殖用として、発情の兆候の検知に使っているが、子牛の疾病兆候を検知できる機器があると有り難い。
  •  投資資金の調達がなかなか難しく、借り受けまで時間がかかっており、タイムリーにできないか。また畜産特有の課題として、牛ふん堆肥の滞留があり、良質堆肥を生産することで販路拡大していきたい。
  •  地域の課題は、新規就農や規模拡大志向者への支援の充実。施設整備の土地を確保する際、混住化、所有者不明土地、農地転用に時間がかかる等が課題。
(小林氏:酪農、北海道)
  •  一般企業での経験を経て、北海道別海町で親元にUターン就農。酪農は投資額が大きく、返済が課題。様々な可能性を考えてシミュレーションを立てているが、乳価が安定してくれないと、20年、30年後の将来というのは描きづらい。
  •  別海町では、飼養頭数の増加、規模拡大が急速に進んでおり、家族経営での規模拡大には、酪農ヘルパー、人工授精師、獣医師、削蹄師、飼料・機械メーカーなどの他職種の方々の支援が必須。他の専門職の方との情報交換の場がもっとあればありがたい。
  •  酪農女性の活躍には無限の可能性があるが、家族経営では、出産、子育て、介護といった、ライフステージの変化に合わせた営農のサポートが少ないことが課題。
(高橋氏:岩手県、養豚)
  •  岩手県花巻市で養豚を営む親元へ就農。豚肉の輸出の際、日本の養豚は海外品種に輸入飼料を与えて発展してきたこと、養豚は世界中で行われていること、日本豚の魅力である脂身が海外では切り落とされていることなどにより、日本養豚の魅力に対する価値観が揺らぐ経験をした。
  •  日本産豚に対する海外のニーズは高まっていると感じる。豚肉輸出拡大の課題は、輸出可能な国が少ないことや、低温流通体系の未整備、と畜場の近代化等があると考える。
  •  生産面では、飼料の国産化は避けて通れない課題。国産飼料を使うにあたり、日本の農業が行政面や設備面において、子実トウモロコシ生産に対応できていないと感じる。トウモロコシは、生産には手間がかからないものの、収穫や飼料化は大変手間がかかる。また、堆肥の消費量が多いので、養豚生産者が生産を継続・拡大するのに必要なシステムではないか。
【意見交換】
(髙島委員)
  •  農家のコミュニティは地域単位であり、品目単位には強くなかったが、これを強化していく必要がある。地域を越えると競争意識もなくなり、お互い学び合えるようになり、さらに頑張りやすくなる環境づくりにつながるのではないか。
  •  素晴らしい生産者の取組を行政が把握できるようになってきたと感じる。逆に、離農しそうな人の情報などについては、行政の把握の程度にばらつきがある。こうした情報は、農業をやりたい人や規模拡大したい人にとってはチャンスであり、マッチングができれば拡大しやすくなる。
(近藤委員)
  •  TPPなどの自由化に対してどう考えているかを4名の方に、また高橋氏に耕畜連携についてどう考えるかをお聞きしたい。
(有田委員)
  •  小林氏に、サポート体制について、今ある仕組みが地元では使えないということなのか、それとも制度的に問題があるということなのかをお聞きしたい。
  •  高橋氏に、エコフィードを利用されているかについてお聞きしたい。
(大山委員)
  •  青沼氏に、廃用牛を利用するメリットデメリットについてと、現在の農業大学校や農学部では経営を学べるシステムになっているかをお聞きしたい。
  •  内村氏、小林氏には、ICTのコストの負担や支援のあり方についてお聞きしたい。
(青沼氏)
  •  TPPについては、自分は指定団体に生乳を卸していて、加工はしていないので、あまり悲観はしていない。
  •  耕畜連携について、国産の飼料を安定した価格で入手するために、今後絶対やっていくべきことだと思う。
  •  ブランド化については、自分の農場の生乳を使ったアイスを作っている方々が取り組まれていて、自分たちはHACCP認証を進めている。
  •  廃用牛導入のメリットは決定的に安かったこと。再度乳量を得るのに時間がかかることがデメリットだが、大切に飼えば長く飼えることを読み取ってほしい。
  •  学生は、経営の具体的な数字を学ぶ機会がなく、経営に踏み込んだ学習はできていないと感じる。
(内村氏)
  •  TPPについては、和牛が外国産に負けないという自負があり、逆に、和牛を海外にアピールできる場と感じている。そのために、HACCPやGAPの認証を進めている。
  •  耕畜連携を進めていきたいと考えているが、地域の畑は所有者不明で荒れ地になっており、手詰まり状態。
  •  ICTについては、導入した効果が大きかったので、データを出すことでいろいろな方面に活用してもらいたい。
(小林氏)
  •  TPPについては、指定団体に生乳を卸しているので悲観はしていないが、TPPによって情勢や景気がどうなっていくかはアンテナを張っていきたい。
  •  サポート体制について、酪農は朝一番と夜遅い時間に仕事があるが、この時間に受けられる介護サービスがない。子育てにおいても、一大産地としてそういうサポートがあれば現場に復帰する人も増えると思う。
  •  ICT導入のコストについて、畜産クラスター事業を活用して数千万円の機械を導入。国産の機械は牛のデータが少ない。自分の家族経営はヨーロッパの形態に近いように思うが、米国やニュージーランドのデータは多く、ヨーロッパのデータは少ないと思うので、実践例が増えればありがたい。
(高橋氏)
  •  TPPについては、豚肉の相場を下げる影響は出ていると考えるべきだろうと思うが、自分たちの銘柄豚に対する引合いは強く、そのような付加価値を手放さないようにしていきたい。
  •  耕畜連携は養豚家にとってメリットがあると思ってやっている。養豚は臭いの問題もあるが、地域の方との交流ができたのは良かった。
  •  エコフィードは食品工場が近くにある都市近郊の方が有利かと思っており、我々はそういう環境がなく、耕作放棄地の方が問題なので、子実とうもろこしをやっている。また、マーケティング的にはまだまだ研究が必要。
(柚木委員)
  •  4名の方に、労働力確保について、外国人材の受け入れについてどう考えているのかお聞きしたい。また、耕作放棄地の解消の観点で、放牧利用など、お考えをお聞きしたい。
  •  青沼氏に、第三者経営継承を円滑に進めていくためのポイントをお聞きしたい。
(中嶋委員)
  •  4名の方に、規模拡大についてどのように考えているのか、そのとき直面する課題についてどう考えているかお聞きしたい。また、アニマルウェルフェアについてどう考えているかお聞きしたい。
  •  高橋氏に、トウモロコシ生産時の獣害に対する対策についてお聞きしたい。
(染谷委員)
  •  4名の方に、畜産において後継者は必要なだけいるのか、どう感じているかお聞きしたい。
  •  青沼氏に、新規参入する場合、どのようなものがあると良いか、お聞きしたい。
(青沼氏)
  •  労働力について、自分は次期経営者を育てることを念頭に置いており、やりたい学生も多いと感じる。自分たち現場の農家が支援をしていかないといけない。海外の労働力の活用は考えておらず、できるだけ日本の有望な人を育てていきたい。
  •  放牧利用は、牧草の利用という上では有効かと思う。
  •  第三者継承については、離農する意思のある人を行政が把握することが重要。自分は、行政の支援なしで今の場所をマッチングしたが、実は、そこを前やっておられた農家は、自分もその前から行政に相談していたと聞いた。
  •  自分の就農時、金融機関に当たっても貸してもらえず、農協は計画すら見てくれなかったが、実績が出てくると融資の申出をしてくれるようになった。今やっている農家が新しくやりたい人に環境を用意するということをしていかないといけないと感じている。
  •  ワークライフバランスについては、できるだけ働かない方向でやっている。牛舎に1日6~7時間という状態が作れており、特に不満はない。
  •  アニマルウェルフェアについて、牛は酪農家にとって運命共同体であり、最低限のことはしてあげたいと考えており、結果的に生産性の向上につながっている。
  •  行政や関係団体の取組が実を結んでいると感じており、若者の酪農への期待は高まっているが、その先がまだつながっていないと思う。新規就農に当たっては、資金の総額が必要。3,700万円よりも、1億円、2億円借りられた方が楽に返せる。
(内村氏)
  •  福永畜産の従業員の平均年齢は29.6歳で、4月には2名入ってくる。ICT活用の取組が農業大学校等に浸透してきたと感じる。外国人の希望者はないが、来たいなら受け入れる体制は取っている。
  •  放牧利用については、さつま町は水田地帯なので問題なく利用できる。
  •  規模拡大については、子牛価格が高いので、肥育牛は現状維持だが、繁殖牛は倍に増やし、完全一貫によるブランド化も図っていきたい。
  •  アニマルウェルフェアについて、農場HACCPやGAPの取組を通じて意識向上につながった。
  •  地元さつま町では後継者不足は深刻だが、新規就農したい人や増頭したいという人はいるので、行政的に支援をしてもらえれば後継者不足に歯止めがかかるのではないかと思う。
(小林氏)
  •  自分は雇用は考えておらず、機械化や作業動線の工夫で、自分と家族だけで経営できるように考えている。労働力については、自分は人を育てるのに向いていないと感じているので雇用は考えていない。
  •  自分の地域は同年代の後継者が多く、土地がなくて放牧には足りないので、畜産クラスター事業で牛舎に投資をした。
  •  規模拡大については、まずはクラスター事業の返済が最優先であるが、次にチャンスが来れば、4倍の規模拡大までできないかと考えている。
  •  アニマルウェルフェアについて、ヨーロッパの事例なども参考にしながら、全部の牛に土を踏ませるなど、可能な範囲でやっていきたい。
  •  後継者については、機械化により女性でも十分やっていけるので女性がやらないのはもったいないと感じる。今後も自分が、女性として活躍している姿を見せていきたいと考えている。
(高橋氏)
  •  労働力確保については、地域では半導体や自動車工場があることから、一次産業は苦労しているが、自社はなんとか回している。離職率を下げる工夫も必要。
  •  放牧については、養豚については豚コレラ等もあり、現実的ではないと思う。
  •  アニマルウェルフェアについては、ストールを使わない生産を実験的に導入したが、母豚が子豚を潰してしまうなど事故率が高くなり、手間もかかる。一方、外国産と並べた時の魅力も考える必要があり、段階的な導入は必要。運転資金のダメージに対する支援があるとありがたい。
  •  トウモロコシは熊による食害があるが、今後規模拡大していく上では課題になってくる。
  •  後継者については、会社に入って運営してみたいと思ってもらえる人を育てていきたい。
(栗本委員)
  •  自分は1人で経営しているが、取引先から、あなたに何かあった時に、イチゴを買えなくなるのは無責任だよ、と言われたのがきっかけで雇用を始めた。自分に何かあった時の対応はとっているのか、青沼氏と小林氏にお聞きしたい。
(佐藤委員)
  •  青沼氏に、ヤギを導入したことによりギシギシとヨモギが駆除されたのかをお聞きしたい。また、人材育成について、大学でということかをお聞きしたい。
  •  内村氏に、子牛を増やさずに母牛を増やすということなのか確認したい。
  •  小林氏に、酪農ヘルパーについてお聞きしたい。
  •  高橋氏から言及のあった、飼料用米との補助率の差についてお聞きしたい。
(青沼氏)
  •  自分がだめになった時について、現状は経営を軌道に乗せていくので手一杯だが、家畜の運命を背負っている畜主として、ちゃんと牛がつながっていくことはしていきたい。
  •  ヤギは牛と違って上から食べてくれるので、ギシギシとヨモギの駆除ができた。
  •  経営専門の学科があるが、現場とリンクしていないと感じる。
(内村氏)
  •  現状は3割が福永畜産で生まれた子牛で、7割が子牛市場で買ってきたもの。それを10割自前にしたいと考えている。
(小林氏)
  •  自分に何かあったとき、というのは、保険は完備したが、牛に対する責任は放棄できないので、スマホでの遠隔操作などで、自分の家族でもできる仕組みにはしている。
  •  機械化してもやはり生き物なので、簡単に1日休むというわけにはいかず、その際に代わりに仕事をしてくれるのが酪農ヘルパーだが、農家ごとにやり方が異なるので、覚えるスキルが必要。今後より必要な仕事になると思う。
(畜産部長)
  •  水田活用の直接支払交付金において、飼料用米を生産する場合には、10a当たり5.5万円から10.5万円、最大8万円が交付。他方、トウモロコシ等の飼料作物は、10a当たり3.5万円。
(政策統括官付参事官)
  •  米の場合は相当経費がかかるが、トウモロコシ等の飼料作物は経費が少なく、所得が大体同じくらいになるよう計算をした結果、8万と3.5万の差があるということ。
(以上)

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