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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成31年3月18日)議事概要

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1日時:平成31年3月18日(月曜日)15時00分~17時30分
2場所:中央合同庁舎4号館共用220会議室
3出席委員:有田委員、大橋部会長、大山委員、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、中嶋委員、中家委員、柚木委員(伊藤委員、髙島委員、十倉委員、三輪委員の4名は欠席)
4ヒアリング協力者:斎藤勝幸氏(F.A.I.N 会長)、中森剛志氏(中森農産株式会社代表取締役)、橋本英介氏(農業生産法人有限会社沼南ファーム取締役)、横田飛鳥氏(株式会社ライスグローワ―ズ代表取締役)
5概要:
【ヒアリング協力者からの発表概要】
(斎藤氏)
  • 「F.A.I.N」は、山形県庄内地域の、家族経営や法人の若手農業者15名からなるグループ。各メンバーが数haから50haまで、平場から中山間地域まで広域に生産し、経営や技術能力の向上のための研修や海外視察、商談会等に参加。
  • 経営における悩みは、(ア)人・農地プランを理解している生産者が少なく、農地集積・集約の計画が組みにくいこと、(イ)共済細目書や補助事業等、申請における書類が紙で非常に多いこと、(ウ)今後の米政策に対する不安(飼料用米支援、今後の生産目安)など。
(中森氏)
  • 東京の非農家出身。青果物流通業、飲食業経営を経て、農業生産現場の弱体化に危機感を覚え、就農を志し、2016年に埼玉県加須市でゼロから就農。翌年法人化し、毎年経営規模を拡大し、現在100haを経営。
  • 今後の戦略としては、(ア)国際競争力を持てるような低コスト化が可能な作付体系(乾田直播)、(イ)高付加価値の有機栽培米が広範囲で生産できる技術(紙マルチ移植)の二つの柱を進めていくこと。そのためには、農地中間管理機構と、スマート農業の更なる推進が不可欠。
(橋本氏)
  • 千葉県柏市で、2002年に親の法人に就農。近隣の道の駅の立ち上げにも関わる。地権者の要望に応え、地域の信頼を獲得しつつ、地域の圃場を引き受け。
  • 地域の農家が高齢化し、今後、突然多くの地域の農地を引き受けられなければ米不足になることもあり得るのではないかと危惧。現在の農地中間管理機構の仕組みは、市町村、都道府県ごとにバラバラであり、自分のように広域で引き受けていると、事務手続きが非常に煩雑。例えば100haなど、ある程度の規模になれば、「メガファーム」という形で、申請手続きを国に一括化などできないか。地域は農家のボランティアによって維持されてきたが、今後、人口減により、このような農村システムが崩壊に向かうことを前提に地域を考える必要。
(横田氏)
  • 新潟県加茂市で2009年に親元で就農。2014年に親の会社を買い取り、自ら法人を設立。自社での生産と、地域の農家からなる生産組合で生産された有機栽培・特別栽培米を精米・販売。父の海外生活や貿易実務の経験を活かし、スイス・ドバイ・米国へのコメの輸出にも取り組む。
  • 今後の経営上の課題としては、(ア)国内における流通コストの高騰と米の需要減に対する対応、(イ)輸出においては、商談会の参加や中国向けの真空包装などにかかるコストが高いことが中小規模の農家にとってのハードルになっている。
【意見交換】
(中家委員)
  • 発表された各取組内容は大変素晴らしいが、水田農業は多様化しており、いろいろな経営体がある。基本計画の元となるヒアリングであるので、もう少し幅広い農業者を対象にすすめる必要があるのではないか。
  • 斎藤氏について、15人のグループで農作業を共同でやるようなこともしているのか。また、農協では現在自己改革を行っているが、JAグループに対する要望はあるか。
  • 中森氏、橋本氏について、食料安保に関する御指摘をいただいたが、まさに思いは一緒。農業は残っても農村がなくなるおそれ、との話があったが、具体的にどうすれば良いと考えるか。 
(斎藤氏)
  • 我々の目指す、例えば家族経営であれば、岩手や八郎潟の大規模家族経営に出向き、先を見据えた視察をしたり、草刈り作業や販売をグループで協力し合ったりしている。地元JAでは、付加価値を付けた直接販売などをしてくれたり、良い方向に変わってきていると感じる。
(中森氏)
  • 人口が減る中で農村システムを維持していくためには、欧米の真似をするという方法もある。大型の機械で草刈りをすることができるようにインフラの再構築が必要。
(橋本氏)
  • 県や市をまたぐと農地中間管理機構がバラバラになるので、国が直轄でメガファームという形で動かせないかという提案をした。
  • 農業生産法人が受注する農地耕作条件改善事業の草刈りなどの単価は、建設業者が受注する場合に比べて下がってしまっている。99%が借地なのに、地域の草刈りを一手に引き受けて、そこに投資をしている状況。ある程度の金額で請け負えれば、法人としての仕事になる。
(大山委員)
  • 斎藤氏には、人・農地プランの理解が進んでいないとのことだが、何が壁となっているのか伺いたい。また、地代の交渉が難しいなどあるか。
  • 中森氏は異業種からの参入で、始めは農地を借りるのに苦労したとのことだが、制度面での課題について伺いたい。
  • 橋本氏は、事務手続きの煩雑さや、基礎自治体の行政や農業委員会のハードルなど、農地中間管理機構が役に立っていないとのことだが、詳しく教えて欲しい。
  • 横田氏には、中規模の農家が輸出をする上で、どのような枠組み、制度が必要か伺いたい。
(斎藤氏)
  • 自分の作っている平場のところは、比較的収量・単価が高い米の産地で、草刈り作業も比較的楽なので、高齢者の方でも健康なうちは手離さず、集約化が進まない。一方、中山間のところは、空いている田んぼが増え始めてきている。地代は、農協の出している目安があるので、そこまで揉めるということはない。
(中森氏)
  • 当初、農地中間管理機構から借りられなかったのは、始まったばかりだったからであり、時間とともに改善している。地元でも徐々に進みつつあるが、担当者が少なく、人手が足りていない。説明会は開いてもらっているが、農業のことを知らない土地持ち非農家など地権者の自由意思を尊重しすぎており、意識の高い地域でないと動かない。
  • 新規就農者向け支援について、空き家や作業場のデータベースもあるようだが、被災者向けで新規就農者は使えないなどと言われることもあり、実際の支援は十分ではないと感じる。
(橋本氏)
  • 機構は、農地を一度集めて担い手に渡すのが目標だが、まず農地が集まっておらず、集める人員も少ない。県単位でもナンセンスで、国が農地に関する情報を一括して集め、ちゃんと耕作する人が活用できるようなシステムが必要。規模拡大しても地代は変わらないので、どこまで農地を引き受けられるのか、金銭面ではシビアな経営。農業者は亡くなるギリギリまでやり、亡くなってから、さあどうしようとなる。自分たちも乾田直播をやるなど、引き受けられる準備をしているが、そういう人はごく少数。
(横田氏)
  • 輸出をする上で、正直、農家自身が流通・輸出について不勉強。自分のようにコンテナ一つを自社の米で一杯にして輸出できるところはいいが、そうでないところは、例えば県で米を集めて何件かまとめて出すようにするなどの仕組みがあると輸出し易くなる。
  • 語学も障害の一つ。ビジネス英語が自分でできれば良いが、そうではない場合、通訳を雇うことになるが、通訳のコストが高いことに加え、通訳に自分たちの商品の良さをしっかりと理解してもらい、販売につながる説明をしてもらえるようになるまでに時間がかかり、その間お客さんとの意思疎通がうまくいかずチャンスを逃している。県が通訳と事前に打ち合わせられ斡旋などがあれば、より広がっていくと思う。
(有田委員)
  • 中森氏より、機構の推進が必要とのことだが、具体的に教えて欲しい。また、併せて横田氏に聞きたいが、スマート農業を進めていく上で必要なところはどこか。
(中森氏)
  • 農地中間管理機構については、今が危機的状況であり、農地の流動化に対応できるよう、職員を増やすなどして、地権者任せにしないことが必要。
  • スマート農業については、無人トラクタは圃場を無人で走ることができるが、圃場までいく公道を無人で走ることができない。また、ドローンの目視外飛行が認められれば、水田センサーが不要となりコスト削減につながる。
(横田氏)
  • 紙の申請作業が膨大で、似た書類を役所ごとに出さないといけない。例えば、タブレットのアプリに入力している作業履歴等のデータをそのまま有機JAS申請等に使うことができれば、間違いもないし、作業が楽になる。
 (近藤委員)
  • 事務作業を軽減する観点から、農業専門の行政書士を育てるべきではないか。県庁のOBなどで行政書士をやっている人がいるが、仕事がないと言っている。一方で、農業者は書類を書きたくないと言っている。両者をマッチングさせればよいのではないか。確かに農業は書類が多すぎるので、簡素化は必要。また、農地中間管理機構が機能しきれていないとのことだが、今の制度の中で具体的な改善策があれば教えてほしい。
(栗本委員)
  • 農地の問題を解決すること、スマート農業はインフラ整備が行われていかないと進まないと感じた。4名は、食料・農業・農村白書は読んでいるか。
 (佐藤委員)
  • 農地中間管理機構は地域差が大きく、福島市は比較的しっかりと機能しているが、結局、貸したくない人は貸したくない。農家は事業継承しようという自覚がないので、国からも進めて欲しい。
  • 橋本氏の言うメガファームの具体像はどのようなものか。
 (斎藤氏)
  • 白書は全ページではないが、気になったところは読んでいる。
 (中森氏)
  • 農地集積については、地権者に委ねられており、地権者の多くは農業をやっていないので当事者意識がなく、なかなか進まないというのが現状。白書は、ざっとは見ている。
  • 事業継承については、佐藤委員御指摘の通り。水田農業の殆どがガーデニングで、個人事業主であり、殆ど利益が出ておらず、産業の体をなしていない。規模が小さすぎて事業継承にならない。地元の大規模農家ですら、約半分に後継者がいないので、危機感を感じている。
 (橋本氏)
  • 白書は読んだことがない。農地集積に当たって、判子集めを自分でやるのが大変。ここを機構がやってくれるだけでも助かる。
  • メガファームについては、適正な規模は何ともいえないが、例えば100haを超えたら、ある意味、地域を管理しているということなので、国の直轄で直接やりとりできないか。
(横田氏)
  • 白書は、今まで存在も知らなかったが、今回お話をいただいたことで目を通した。農地集約について、自分のような有機農業をやっている人は、40年間かけて地力を上げてきてきたところであるが、そこで区画を変えろといわれてもなかなか難しいので、障害になる可能性もあると感じた。方向性の違う経営者がどう共存していくかが課題。
(柚木委員)
  • 農地については、受け手が少ないところ、出し手が少ないところなど、地域性が大きいと思う。集まった農地をどう集約化していくかが課題であり、今回の法改正も行われると思うが、出し手である地権者の農地に対する意識を、農地中間管理機構に効率的に委ねられるようにするという方向性に、どう誘導していくかが課題。橋本氏は、農地の合筆の際に苦労はあったか。
  • 中森氏、横田氏に聞きたいが、有機農業について、個人的には、有機農業の栽培団地のようなものを作って推進すべきと考えているが、有機農業推進のために何が必要か。
(中嶋委員)
  • 政策上、スマート農業を推進しているが、スマート農業政策の推進をしないといけないと感じた。これだけ実体が動き始めている時に、すべて書類ベースでこなせるのか。中間管理機構も、今後はICTで処理しないと対応できないのではないかと感じる。
  • 規模を拡大していく上で、何が課題になるのかをお伺いしたい。自分としては、人材の確保、資金繰り、リスクへの対応、ICT、ビジネスパートナーあたりがポイントと思うが、また、規模拡大はどこまで進められるのか、壁があるのであればその要因は何か。規模拡大が進んでいった時、地域の農地全部を抱え込むことは難しくなるかもしれないが、ビジネスとしてやっていくためには何が必要になるか、制度面での課題はあるか。
(染谷委員)
  • 現状、交付金・補助金なしでは経営が成り立たない状況であるが、今後どうしたら産業として自立できるようになるか。
  • 農村システムが崩壊するとの話があったが、農村文化を守っていくために何が必要か。
  • 現状、女性農業者が少ないがどう考えているか。もっと女性が引っ張っていくべきか。
(橋本氏)
  • 合筆については、農地中間管理機構を通しているので地権者と合意はあるが、実際に合筆した後、合意はしていても、自分たちの土地が取られるのではないかという意識のようだ。
  • 規模拡大に伴い、資金調達先をJAから民間銀行に切り替えた。ビジネス的に厳しくなってくれば、地代の負担が大きいので、他県の水準も相談しながら、地代水準を見直す必要があるだろう。
(中森氏)
  • 有機農業については、日本は地理的にやりやすいところが限られているので、エリアの選択と集中が必要になるかと思う。
  • 農業をビジネスにしていくためには、大規模化は最低条件で、絶対に進めなければならないこと。また、農地は「ナマモノ」であり、いつ何ha集まるか分からないことがボトルネック。お金があっても、農地が集まるか分からず、常にリアルタイムで修正しながらやっている。ある程度規模が大きくなり、ビジネスベースに乗れば、若い人も集まってくる。
  • 農業を産業化していくには、現状の規模は小さすぎる。中には規模じゃないという人もいるが、規模がないと何もできない。
  • 補助金については、依存するのではなく、活用するものだと思っている。飼料用米に関する指摘もあるが、政策的にはソフトランディングの意味合いもあると認識している。
(横田氏)
  • 農家は、水田1枚でも生活に直結するのでなかなかチャレンジできない。新しいチャレンジをする際に講習などあれば、チャレンジしやすくなる。
  • 農業での女性の活躍については、ここまで機械化が進めば、男性の仕事ではなく、女性が参入してもやっていけると思っている。

(以上)

お問合せ先

大臣官房政策課

担当者:岡本、加集、岡部
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX番号:03-3508-4080

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