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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成31年4月12日)議事概要

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日時:平成31年4月12日(金曜日)10時00分~12時38分
場所: 農林水産省本館7階講堂
出席委員:有田委員、大橋部会長、大山委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、中嶋委員、中家委員、三輪委員、柚木委員(伊藤委員、栗本委員、髙島委員、十倉委員の4名は欠席)
ヒアリング協力者:及川由希子及川りんご園、風間正利農業生産法人葡萄専心(株)NZプロジェクトマネージャー、玉井真吾(株)橙果園社長、田村善之Matcha Organic Japan(株)社長
概要:
【ヒアリング協力者からの発表概要】
(及川氏)(りんご、岩手県)
  •  岩手県奥州市で、家族経営でりんごを2ha栽培。自分は非農家出身でデザインの仕事をしていたが、主人が実家のりんご園を継ぐこととなり、2006年から従事。生食用販売のほか、自らジュースやジャム等に加工して併設のカフェでの提供・販売や、オンライン販売や地域活性化イベントにも取り組む。
  •  JA出荷分の支払いが時差のため遅く、資金繰りが大変。出荷時点の評価で決済してもらえるとありがたい。
  •  小さい農家にとって、天災リスクの負担が大きいので、手厚くしてもらえるとありがたい。また、新規就農支援は助かるが、収入を上げようとするブレーキとならないよう、所得に応じて給付金を減額しないでほしい。
(風間氏)(ぶどう、山梨県)
  •  実家がぶどう農家であり、2011年に山梨県笛吹市で親元就農し、2013年に葡萄専心(株)が行うニュージーランドでのブドウ生産に参画。
  •  季節が反対の日本とニュージーランドで年2回のブドウ生産により、技術習得の速度を2倍にすることが可能となり、優秀な人材確保に資する。将来的には、果樹ビジネスをやりたいなら山梨に行け、と言われるような、世界最先端の地域にしていきたい。
  •  海外拠点に対する支援や、ビジネス戦略へのサポート、ビザの緩和などスムーズな人材交流のサポートがあるとありがたい。
(玉井氏)(かんきつ、愛媛県)
  •  みかん農家の3代目として、21歳で親元就農、2017年に法人化。家族5人で約5haを栽培。家族経営では後継者の確保が大きな問題であり、後継者イコール家族経営の限界と考え、法人化をしたが、労働者の定着が課題。
  •  急傾斜地であり、スプリンクラーによる共同防除、共同潅水を行っているが、導入から30年以上が経過して老朽化し、施設の更新、整備が課題。
  •  地域は高齢化と後継者不足により、耕作放棄地や放任園の増加が課題。特に、機械化できない収穫作業時の人手確保が難しい。特にかんきつでは、新規就農時の未収益期間が長いので、のれん分け等で支援していきたい。労働力確保には、JA等の関係機関の連携が重要。
(田村氏)(茶、静岡県)
  •  有機抹茶の輸出を目指し、2016年に若手農家5名で法人を設立。地域の耕作放棄地を任せてもらい、現在は9haで有機抹茶を栽培。メンバーは代々続く茶農家の後継者で、法人の事業の他に、それぞれ自園で茶園を営んでいる。
  •  東京でのサービス業従事の経験を活かし、「農業はサービス業」をいうキャッチフレーズで、サステイナブルな中山間農業を目指し、茶畑でのソーラーシェアリングの取組やカフェスタイルの販売などに取り組む。
  •  海外ではオーガニックの抹茶のニーズが高い。地域と共生しつつ事業を拡大させていきたい。
【意見交換】
(有田委員)
  •  及川氏に、青年就農給付金の申請時に担当者からアドバイスはなかったのか、また自然災害の保険がなかったのかについてお聞きしたい。
  •  風間氏に、ニュージーランドで栽培しているぶどうの現地での評価や、広げていく際の土地の確保についてお聞きしたい。
  •  玉井氏に、説明のあった水の問題に対する対応についてお聞きしたい。
  •  田村氏に、資料の地図上の赤い線は何かということと、会社は共同経営とのことだが問題が起きたときの解決方法についてお聞きしたい。
(大山委員)
  •  及川氏に、オンライン販売の手応えと可能性についてお聞きしたい。
  •  風間氏に、海外拠点に対する支援が手薄いとのことだったが、商社や食品事業者等から相談を受けた経験があるか、お聞きしたい。
  •  玉井氏に、労働力確保について、現時点でJAが役立っている点や、今後JAに求めたいことをお聞きしたい。
  •  田村氏に、外国人観光客の取り込みの手応えについてお聞きしたい。
(中家委員)
  •  及川氏より、JA出荷の際の決済・販売について要望頂いたが、JAの多くは委託販売であるためラグはどうしても出てくると思うが、一方で購買の決済は、JAによっては販売代金が入ってから決済するところもある。そこはまた、地元のJAにお話をいただきたい。
  •  風間氏に、画期的な取り組みだが、国内の技術や品種の保護についてどう考えるかと、逆輸入のリスクについてのお考えをお聞きしたい。
  •  玉井氏に、労働力確保において、JAに求めるものは何かをお聞きしたい。
  •  併せて、特定のどなたかにではないが、外国人労働者の制度、省力化のためのスマート農業の活用、また、国が取り組んでいる改植事業へのご意見等があればお聞きしたい。
(及川氏)
  •  青年就農給付金について、より多くもらうには夫婦だというアドバイスはいただいたが、自分は既にカフェを経営しており、その収入との関係でブレーキがかかった。
  •  ひょうのオプションについては、地域でひょうが降ったのが初めてであり、想定していなかった。普通の共済には入っていた。
  •  ブランディングについて、JA出荷で助かっているのは、市場評価の高い品種だけでなく、認知度の低い品種も引き取ってもらっていること。オンライン販売の伸び幅は無限で、やり方しだいでは100%可能と感じている。
  •  直接JAにかけ合えることがあればしているが、難しそうなこともあり、仲良くやっていければいいなと考えている。
(風間氏)
  •  ニュージーランドでどう広げていくか、ということについては、まずは今の畑で出来る可能性を広げていきたい。その上で、山梨に来る海外の人のビジネスをサポートする、ぶどうに詳しい弁護士や、知的財産保護に詳しい弁理士等の専門家を増やしつつ、規模的にも広げていき、新規就農者も増やしていきたい。
  •  ニュージーランドには日本のように棚栽培で生産しているぶどうはなく、味が濃厚だとの評価で、高級スーパー等で扱っていただいている。
  •  海外拠点に対する支援はあまりなかったイメージだが、JETRO等から現地の情報をもらったりといった協力はいただいている。
  •  国内の技術や品種についてはしっかりと守っていきたい。また、流出して不法に作るより、許可の下で作った方が良い仕組みを、ビジネスの中に組み込みたいと考えている。
  •  逆輸入のリスクについては、日本に輸出するよりも海外の販路を探し続けており、うまく見つければ、そこに日本産ぶどうも乗せることができ、長期間棚が確保できるなど、新たな可能性が広がると考えている。
(玉井氏)
  •  水道管については、水漏れがある箇所もあるが、更新の費用が高いので、自分で修理して使っている。
  •  アルバイト確保のため、時給800~1,000円でハローワークに求人を出したが誰も応募してこなかった。1,500円に上げたら応募が来たが、残念ながら賃金の高さだけで来た方で、2日で辞めてもらった。JAにアルバイターの方を、日本全国を回る形で確保する仕組みを作ってもらっており、その規模を拡大してもらいたい。
  •  外国人労働者について、まずは後継者となる日本人を育ててからでないと後々つながっていかないと思う。改植事業について、新しく入った人と一緒に育てつつ、育った状態で独立した人にそのまま作ってもらう仕組みを想定。スマート農業について、今一番大変なのは庭先選別の作業であり、そのまま持って行けば選果してくれるシステムがあればよい。また、新しいアルバイターの目慣らしになる技術があればありがたい。
(田村氏)
  •  資料の地図上の赤い線は道路。40年前に出来てバイパスになったので、集落が孤立してしまった。メンバーは市内から車で10~20分で通ってきている。
  •  当社は共同経営で、満場一致を目指すが、機会損失がある時など、タイミングに応じて自分の判断で決めていることもある。
  •  海外からのバイヤーは月に1~2回は来るものの、インバウンドはまだまだだと思っている。日本にはインバウンドの受け皿が少ないと思っており、国の事業にも手を挙げさせていただいている。
(佐藤委員)
  •  4名の方に、地球温暖化の影響と対策についてお聞きしたい。
  •  及川氏に、可能な限り持続できる安定した仕事づくりとのことだが、具体的にやっていることがあればお聞きしたい。
  •  風間氏に、社長さんがいただいた賞がどのようなものだったかと、研修を行う場所として、ニュージーランドにこだわった理由についてお聞きしたい。
  •  玉井氏に、スプリンクラーの共同防除について、その必要性と費用についてお聞きしたい。
  •  田村氏に、お茶の有機栽培のメリットとデメリットについてお聞きしたい。
(柚木委員)
  •  4名の方に、鳥獣害の現状とその対策についてお聞きしたい。
  •  田村氏に、有機農業の観点から、耕作放棄地が有利になることがあるのかお聞きしたい。
  •  玉井氏に、今後、のれん分けを進めていく上での政策的支援や課題についてお聞きしたい。
(三輪委員)
  •  及川氏に、6次産業化がうまくいった秘訣についてお聞きしたい。
  •  風間氏の取組について、自分もアジア各国で技術指導をしており、海外拠点で世界のマーケットに出していくことは非常に共感。逆輸入というよりは、海外の需要が強いので、日本の農業にとっても、新たな収入が得られるというプラスの部分があると思う。その際、あればいいと思う支援と、法規制のところで必要な政府のサポートについてお聞きしたい。
(染谷委員)
  •  4名の方ともに、農業外の経験があるが、外から農業を見て、こうすれば農業はもっと良くなるのにと思うことはあるか、お聞きしたい。
(田村氏)
  •  温暖化対策として、ソーラーパネルでエネルギー再生に取り組むとともに、今後、「TEA TREE DONATION」という寄付の仕組みを考えている。
  •  有機栽培のメリット・デメリットについて、有機であれば世界的な売り先があるというのはメリット。有機であれば品質は割と度外視されているが、自分としてはおいしいものを作っていきたいと考えており、それは強みになると考えている。デメリットは、周りの農家との兼ね合い。自分たちは運良く集落の茶園をすべて任せてくれたのでよかった。
  •  耕作放棄地対策について、離農してしまう前に新規就農を希望している人を入れて、地域で話し合うことが重要。また、収穫する農業だけが放棄地対策ではないと考えており、例えば茶畑を迷路にしたり、文字を書いたりするのもいいのではないかと考えている。
  •  農外から参入して思ったことは、年配の先輩農家の間では、きちんとした情報交換がされていなかったこと。会合があっても「昔はあーだった」のような話ばかりであり、建設的ではなかった。外に出て様々な人と話をし、横のつながりを持つことが必要だと考える。
(玉井氏)
  •  温暖化対策について、昨年は春先の温度が高くて開花が早かったが、前進出荷を抑え、果皮障害を抑えることが重要。県は新品種の研究は熱心に行っているが、基礎研究にも力を入れてもらいたい。
  •  スプリンクラーについては、国の事業による整備は済んでおり、これから自分たちでするなら、反当たり40万円ほどかかると聞いている。
  •  鳥獣害対策については、捕獲するしかないと思う。ワナの免許を取る人は多いが、猟銃の免許を取る人が少ない。思いつきだが、クレー射撃で農家からオリンピック選手が出たら面白いのではないか。
  •  新規就農者の政策支援については、家・倉庫・トラック・農業機械など、基盤への支援をどうするか。特に、倉庫の問題が大きいと思う。
  •  農業をおもしろくするためには、自分で生産したもので遊んでみることだと思う。私の場合はみかんガチャを企画したり、自動販売機でみかんを販売したりしてみた。そういった活動により、視野が広がるのではないかと思う。
(風間氏)
  •  温暖化対策については、様々なビジネスの可能性を広げてリスクをヘッジするということに尽きると思う。
  •  樋口社長は、畑ごとに最適な剪定方法品種の選定、スケジューリングを組む技能があると感じている。
  •  ニュージーランドで取り組む理由は、日本国内だとどうしても年1回しかぶどう栽培ができず、南半球のNZでもぶどう栽培を行うことで年2回のぶどう栽培が可能となるため。
  •  鳥獣害について、当社の日本のぶどう園ではあまりないが、ニュージーランドではウサギや鳥による被害がある。
  •  海外展開の際の支援について、海外ビジネスは計画どおりに進まないことが多いので、融通の利く補助金があるとありがたい。また、現地の信頼出来る方を紹介してもらえるとありがたい。また、ビザの緩和が出来れば一番インパクトがある。
  •  外から見て思ったことについて、ニュージーランドでは、時給1,500円で雇用しても、「こんな給料ではやらない」といったことが普通に起こる。日本とは全く違う価値観であり、経営者として学ぶという観点からも、ニュージーランドで事業を行って良かったと思っている。
(及川氏)
  •  温暖化による影響については、当地域ではJA、普及所、地元のりんご部会が共同で講習会を開いてくれており、過去の気象データ等を用いて、地域別に丁寧に説明してくれている。
  •  自分にとって持続可能な農業とは、地域と連携して加工・販売を行っているということかと思う。
  •  鳥獣害については、ネズミやウサギ、熊が出るので、それぞれ対策をしている。
  •  6次産業化が成功した要因としては、自分が大学時代にレストランでアルバイトしていた際に、サービスのあり方やお客様に対する接客などを学んだことが影響されていると感じている。また、デザインや都市計画、地域活性化の勉強をしたことも店づくりに役立っていると感じている。
  •  農外から見て感じたことは、農業者は自己肯定感が低い。大変な作業を行って農産物を生産しているにもかかわらず、「この程度のものなんて」と言って産直での値段を低く設定しているのがもったいない。また、枝の剪定方法など技術の継承が難しい。上質のりんごをつくるコツを表面化していき、達人のストーリーを作って地域活性化につなげていくことができればと考えている。
(以上)

お問合せ先

大臣官房政策課

担当者:岡本、潮田、岡部
代表:03-3502-8111(内線3086)
ダイヤルイン:03-3502-5515
FAX番号:03-3508-4080

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