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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成31年4月25日)議事概要

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日時:平成31年4月25日(木曜日)10時00分~12:19
場所: 農林水産省本館7階講堂
出席委員:有田委員、大橋部会長、大山委員、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、中嶋委員、三輪委員、柚木委員(伊藤委員、髙島委員、十倉委員、中家委員の4名は欠席)
ヒアリング協力者:大西辰幸(株)Veggy代表取締役、寺田真由美(株)寺田農園代表取締役、藤原俊茂(株)農家ソムリエーず代表取締役、三浦淳三浦農園
概要:
【ヒアリング協力者からの発表概要】
(大西氏)(キャベツ、レタス、ダイコン等、静岡県)
  • 2012年に脱サラして他産業から農業に参入し、2016年に(株)Veggyとして法人化。約40haでキャベツ・レタス等の露地野菜を栽培。外国人技能実習生は10名以上受け入れている。また、販売部門は(株)青空農園という別会社を設立している。
  • お客様のニーズに応えるとともに安定した収入を得るため、生産した農産物のうち、7~8割は加工業者との契約栽培を実施。
  • 従業員の満足度を向上させるために様々な取組を行っており、入社して3か月経過した社員で辞めた人は一人もいない。社員の独立を支援する制度も設けている。
  • 大規模農業法人が増加しており、今後は、加工業務用であっても、他の法人との価格競争が起こることを懸念している。生産コストの削減、安定供給やブランド力の向上、高付加価値化により、いかに差別化できるかが課題。
(寺田氏)(トマト、岐阜県)
  • 1997年の結婚を機に就農。2010年に法人化。トマト、米、メロン等を生産。自社でトマトの生産からジュース等への加工、販売まで実施し、生産・加工・販売の三本柱で運営。そうすることで、雪国でも通年雇用が可能となった。
  • 差別化を図るため、品種の異なる味で商品化したり、PRを工夫したりしている。地域の農家の加工受託も行っており、地域全体で6次産業化に取り組んでいる。
  • 今後の課題は、生産・加工・販売に必要な経営に関する知識の向上と、それを担う人材育成。また、資材や人件費等の経費が上がっている中、販売力を付けて販売価格を上げることが課題。JAにも販売力の向上を期待。
(藤原氏)(さつまいも、徳島県)
  • 2009年の大学卒業と同時に親元就農。徳島県の「なると金時」内で産地ごとにブランドが乱立していたため、2014年に各産地の生産者で出資して共同運営会社を設立し、ブランドを再定義し、スケールメリットを生かした事業展開を行っている。法人では現在52haでさつまいもを生産している。農福連携に取り組んでおり、福祉事業者と連携して選果をやってもらっている。
  • 2015年から「なると金時」の輸出をスタートした。1年目は年間300kgだったが、2018年には、年間80tまで増加した。現在は香港、台湾、シンガポール、マレーシア、ドイツ、フランスに輸出しており、2021年には年間300tの輸出を目指している。
  • 高齢化が進む中、産地を維持することが課題。JAと共同で共選場を建設し、スケールメリットの発揮を目指す。
  • 労働力不足への対応として、ベトナム人研修生を雇用するとともに、JICA事業を活用してベトナムでなると金時を生産する現地法人を設立。日本で生産技術を学んだ研修生を雇用し、労働力の循環を目指す。
  • 輸出が伸びている中、価格競争が起きている。輸送中の歩留まりリスクを抑える取組等を通じて、価格に意味を持たせていくことが重要。
(三浦氏)(水なす、玉ねぎ、キャベツ等、大阪府)
  • 農業大学校を卒業後、2007年に親元就農。地域の伝統野菜である泉州黄玉ねぎ等を家族経営で約1ha生産。
  • 天敵昆虫を活用した農薬の削減やスマート農業による省力化、ぬか漬け製造による6次産業化に取り組んでいる。
  • 地域は都市型農業であり、ほ場が小規模・不整形で分散しているため、作業の効率化が困難であることや、住宅地であるため、地域住民への配慮が必要であることが課題。地域住民等とのつながりを持つため、農業体験を通じて農業を知ってもらう取組を実施。
  • 昨年9月の台風でビニールハウスが倒壊。今年1月に建て直しができたが、災害等に活用できる支援対策の情報提供が課題と認識。
【意見交換】
(染谷委員)
  • 家族経営の野菜農家に対するアドバイスについて、皆様にお聞きしたい。
(三輪委員)
  • 6次産業化について、地域の農業者の加工受託の際、商品や出荷、物流等で、受託先の農家とのコラボレーションもあるのか、寺田氏にお聞きしたい。
(大山委員)
  • 人手不足の中、従業員や新規就農者をどのように確保しているのかお聞きしたい。特に、大西氏には、どういった方が応募してくるか、苦労している点は何かをお聞きしたい。寺田氏には、人材確保で苦労している点があればお聞きしたい。藤原氏の会社における、農福連携での労働力確保の状況についてお聞きしたい。
  • 三浦氏の農園は住宅地にあり、ほ場が分散しているとのことだが、ディベロッパーが土地の売買交渉をしてくるといった、都市農業ならではの苦労はあるか、お聞きしたい。
(大西氏)
  • 浜松市には1,000名の認定農業者がおり、家族経営でかなりの利益を上げている人もいる。従業員を雇用すると、教育や待遇の向上が必要になるため、利益を出せる家族経営というのが一番安定していて理想の形ではないかと思う。
  • 当社の従業員は、ほぼ全員が非農家出身。静岡出身の人は半分ぐらいで、東京から来た人もけっこういる。浜松は工業の町でもあり、近くにスズキ自動車本社があるが、農業の会社で働いていると奥様が胸を張って言えるような環境を整えることが重要。また、チームごとの体制になっており、独立してやっているのに近いイメージでできる体制づくりを心掛けている。
(寺田氏)
  • 家族経営においては、自分が倒れた時の技術継承等のリスクをどうするのか考えておく必要がある。意思を早めに説明しておくと、計画もできるようになる。
  • 加工受託の関わりについて、地域の農業者が製造したジュースのラベルの表示等はアドバイスしながら一緒に行う。競合相手でもあるが、地域活性化として受け入れていきたい。岐阜県のいろいろな作物と一緒に岐阜県ブランドという括りで展開していきたい。
  • 人材確保について、高山市は木工業なども盛んでインテリア業で移住する方の奥さんをパートとして雇用し、その兼ね合いで価値ある高山の産業とも連携した見せ方をしながら農業の魅力を見出したい。ただ、休暇は他の職業とは異なり、農業はカレンダーどおりの休みではないため、大型連休や学校などと休みを合せたいときなど、休暇スタッフと出勤スタッフをどうならしていくのかが課題。休暇中の方々が農業をリフレッシュできる作業と位置づけ、短期「日雇い」的雇用を創出できないかと考えている。
(藤原氏)
  • 様々な家族経営がある中で、それぞれ不安や不満があると思うが、その原因について、とにかく産地で話し合いをしていくことが重要。まずは現実に目を向けてもらい、どうすれば家族経営を明るくしていくことができるのかをいっしょに考えていかなければならない。
  • 農福連携については、人材不足の中で作業を請け負ってもらった。仕事の分担をパートごとに明確にすることで、作業が非常に速くなり、自分たちが出来ない部分を補ってもらい助かっている。彼らのモチベーションを保つことが非常に大切で、当社ではメディアの記事やお客様の声などをしっかりと共有するようにしている。
(三浦氏)
  • 自分の地域はほとんどが家族経営だが、家族でやる方が農業は楽しいにもかかわらず、農業はしんどいとのイメージがあり息子が農業をやっていない。
  • 都市農業は、ほ場が不整形、分散している上に、農薬散布や機械作業の騒音、堆肥の臭い等、近隣住民からのクレームに気をつかう必要があり大変な面もある。また、子どもが勝手に畑に入って遊んでいたり、泥棒に苗や野菜を盗まれることもある。
  • 一方で、借りていた田んぼが住宅向けとしてなくなることもあり、先祖代々耕してきて良い土になってきたのにもったいないと思う。
(有田委員)
  • 従業員の昇給についてどのように考えているのか、大西氏にお聞きしたい。
  • 後継者を家族でなくても良いと考えるに至った経緯を寺田氏にお聞きしたい。
  • 障害者を雇用する補助金を活用しているのか。また、知的障害の方を雇用しているのか、藤原氏にお聞きしたい。
  • 昨年の災害に係る支援策の情報について、JAからは提供してもらえなかったのか、三浦氏にお聞きしたい。
(柚木委員)
  • 大西氏のほ場は約350か所あるとのことだが、1枚当たりどの程度の面積があれば効率的に作業ができるのかお聞きしたい。また、新規就農者は一定水準の農地が必要とのことだが、具体的な水準についてお聞きしたい。併せて、独立した後の繋がりがあればお聞きしたい。
  • 都市農業で農地を集積・集約化することは難しいと思うが、今後の方策について、どういった行政の支援があればよいか、三浦氏にお聞きしたい。
(中嶋委員)
  • 経営発展のために、JAや普及指導員が果たしてきた役割があれば、皆様にお聞きしたい。
  • 「なると金時」のブランドが乱立していたとのことだが、JAはまとめ役として機能しなかったのか、また、ブランドが乱立していることのデメリットについて、藤原氏にお聞きしたい。
(近藤委員)
  • デフレでここ20年は野菜価格が上がっていないが、近年は輸送費や資材コスト等が高騰しており、採算を取るのが難しくなってきている。そのような中で、働き方改革をしなければならないが、これからの野菜生産はどのように対応していくべきと考えるか、皆様にお聞きしたい。
  • 加工業務用野菜は、原料が海外産が多いために単価が安いと思うが、高い運賃の中で利益を上げることができるのか、大西氏にお聞きしたい。
  • ベトナムでの現地法人設立における課題について、藤原氏にお聞きしたい。
(三浦氏)
  • 当初は市とJAに情報が入り乱れており、いつまでに見積もりを出せば良いか等、明確に教えて欲しかった。
  • 都市農業発展のために、伝統野菜である泉州黄玉ねぎをブランド化していきたい。若手農家でマルシェしたり等にも取り組んでいる。
(藤原氏)
  • 就労支援企業と業務提携を結び、そこで作業の流れを覚えてもらった上で、そこから今年は4名雇用した。引き続き企業とも提携し、よりスピーディーな選果業務を行っていきたい。
  • 「なると金時」のブランド化について、JAが独自にブランドを作った経緯もあるが、経営自体を圧迫してしまっており、そもそもなると金時とは、という原点に立ち返る必要がある。そのためには何かきっかけが必要だが、海外輸出を契機に一つの方向性にまとまっていければと考えている。
  • ベトナムでの現地法人設立に向けて、どういう形で入るのが良いか、パートナーは誰が適任か等、慎重に考えている。
(寺田氏)
  • 後継者については、昔は長男は家を継ぐという風習もあったが、今はそうではなく、農業を選んでくれた人に、明るい未来が描けるような後継者として育成していけたらいいなと考えているところ。
  • 自分も農福連携には取り組んでおり、団体にラベル貼りなど簡単な作業をお願いしている。
  • JAとの関わり合いは今後もしていきたいが、自己改革の取組が広がる中、農業者の利益を上げるために圧縮できる部分はないか、売上を上げる努力をしているかといったことが明確になっていけばと思う。普及員との関わりは、GAP取得の際に相談した。
  • 雇用促進のためには他企業並みに賃金を上げなければならないと思うが、そのためには直接消費者とやりとり等して利益の向上に取り組んでいく必要がある。
(大西氏)
  • 従業員の給与について、入社してから5年目まで毎年約1万円ずつ上げている。それ以降は管理職手当等の能力的なルールにしている。
  • 当社は生産部門は毎年増収増益。販売部門は、農業者に利益を還元するために薄利でやっている。
  • 当社の農地は1枚1反から1ha程度。作業機のロータリー幅との兼ね合いで、3反~1haが一塊であるのがやりやすいと思う。
  • 新規就農者にとっては、「お金」「土地」「販路」が課題。「お金」については制度資金があり、他業種より優遇されていると感じている。「販路」については、独立の際には同じお客様を案内してあげることで、スタート時のリスク低減をしている。強制はしていないので、自分で有利な売り先を見つけることも可能。「農地」が一番ネック。独立する人が良い農地を手に入れることは困難なため、当社から独立する人には、比較的良い農地を一部分けてあげる取組を実施している。
  • 浜松市はJAが強く、自分が就農した当時はJAを通さないと融資も農地も手に入れることができなかった。2年目以降はJAと取引はなかったが、昨年あたりからタイアップを始めたところで、上手な連携の仕方を模索中。
  • 加工業務用の販売単価は確かに安い。しかしながら、JAの共選は規格が厳しく、出荷手数料や資材費、輸送コストや手間・コスト等を考慮すると、売値は安くとも業務用向けの方が規格が緩く、包装も簡素化できるため、加工向けでも採算が合うと考えているが、今後加工向けの生産が増えていくと、価格競争になっていくので懸念している。海外産は供給が安定している。一方、国産原料は天候等で不安定であり、安定感を出すことが課題。
(栗本委員)
  • 昨年、台風で塩害に遭われたと思うが、契約栽培における天災リスクにどのように対応してきたのか、大西氏にお聞きしたい。
  • 後継者確保について、現時点で道筋は立っているのか、寺田氏にお聞きしたい。
  • 輸出した場合の利益率について、国内と比べてどうかを藤原氏にお聞きしたい。
  • 今井早生の種を今後、産地としてどう守っていくのか、三浦氏にお聞きしたい。
(佐藤委員)
  • 先ほど述べていた従業員の給与は手取りか総支給か、大西氏にお聞きしたい。
(大橋部会長)
  • スマート農業を実際に使われた所感や課題について、三浦氏にお聞きしたい。
  • 意欲的な出荷目標を立てているが、今後の産地の在り方についてどう考えているのか、藤原氏にお聞きしたい。併せて、海外生産による品種流出のリスクについてもお聞きしたい。
  • 生産・加工・販売の配分について、今後の見通しがあれば、寺田氏にお聞きしたい。
  • 今後、海外展開する場合のボトルネック等、感じていることを大西氏にお聞きしたい。
(大西氏)
  • 契約栽培における天災リスクについて、台風の際には顧客も理解してくれているので、そこは申し訳ないと頭を下げている。ただし、顧客のうちの2~3割には、契約数量分必ず出荷するという契約を結び、その分販売単価を高く設定している。当社としてもリスクを負い、安定供給という付加価値をつけて契約している。
  • 先ほど申した従業員の給与は手取りではなく額面。
  • 海外展開について、当社で生産している重量野菜は輸送コストがかかるので、輸出は困難だと思うが、中国産を嫌う実需も多く、ベトナムで作ることはできないか、と話を持ち掛けられることはあった。将来的には、日本人である私たちがベトナムで生産するという形も少しずつ出てくるのではないかと思う。
(寺田氏)
  • 後継者の実際の道行きはまだ立っておらず、これからの課題。
  • 生産・加工・販売のワークバランスは、現状で良い訳ではないが、生産は育成に時間がかかる。当面は現状のバランスでやっていくが、売上のバランスも均一に取れていければいいなと考えている。
(藤原氏)
  • 輸出する際の利益について、当初はどういう売値を設定すれば良いか分からず、安く設定したところ、量は売れたものの、利益率が低く、回らないと考え、「なると金時」というブランドを掲げているので、今は市場価格より30%ぐらい高い水準で取引させてもらい、利益率も向上した。しかしながら、他産地から輸出されているさつまいもが安く、日本の産地同士で価格競争が起こっている。これからはジャパンブランドとしての仕組みづくりが必要。徳島県でグローバル産地計画を策定しており、全ての産地が同じ目線となることを目指している。
  • 品種流出のリスクについて、F1品種の開発はできていないが、仮に海外で同じ品種が栽培されたとしても、技術的に同じ品質のものが生産できるとは思えない。また、キュアリングによる長期安定輸送の実証に現在取り組んでおり、ある一定の温度で貯蔵すると発芽が抑制されるといった技術が確立されれば、品種流出の抑止に繋がるのではないかと思う。
(三浦氏)
  • 今井早生の種は、今後地域のブランドにしていきたい。たまねぎは品種がいろいろあるので、リレー栽培により単価を高めていきたいと思っている。
  • スマート農業の活用により、スマホで環境データや収量が見える化され、作業が楽になった。収穫補助ロボットagbeeは、重量野菜の作業負担軽減に役立つが、バランスが悪く倒れることがあり、改良の余地。パワードウェアは軽くてよい。
(経営局審議官)
  • 昨年の台風被害について、大阪での説明会に関係団体に出てもらっており、全農家へダイレクトメールを送って受付をされた市もあると聞いていたが、十分情報が届いていないというのは反省点。確約はできないが、被害状況の写真があれば、もう一度市に照会いただければ、既に復旧されてしまっているところでも、事前着工という形で対象になる可能性はある。
(以上)

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