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農林水産省

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食料・農業・農村政策審議会企画部会(平成31年1月18日)議事概要

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1 日時:平成31年1月18日(金曜日)10時00分~12時00分
2 場所:農林水産省 講堂
3 出席委員:大橋企画部会長、大山委員、栗本委員、近藤委員、佐藤委員、染谷委員、中嶋委員、中家委員、三輪委員、柚木委員

農水省側から白書構成案、スマート農業の展開について、平成30年発生災害における農業関係の被害状況と復旧・復興状況、農地中間管理事業の推進に関する法律等の改正についての説明を行い、その後の各委員の主な発言は以下のとおり。

(大山委員)
  • 今度の白書の目玉がスマート農業というのはいい。
  • 高付加価値でかつ、消費者への透明性のある情報提供を重視する若い農業者が増えてくると思っている。生産現場への技術の導入、実装だけではなく、トレーサビリティを充実させるためのブロックチェーン技術も含め、流通・消費に至るまでICTに取り組む観点を持つべき。一方で、ITリテラシーの高くない人は費用等の心配を持つだろう。そういう人たちをわかりやすく誘導してあげられるような書きぶりをしてほしい。

(栗本委員)
  • スマート農業に関して、初期費用の心配がある。また、トラブルへの対応力やメンテナンス能力が生産者にないと続いていかないのではないかと思っている。
  • 白書全体が技術と販売に偏っている印象。自分の回りのうまくいっている新規就農者に「農業で必要なこと」を聞くと、マネジメント力、対応力と言う。しかし、県や市、JAの方は技術や経験と言う。実際、自分が技術のない1年目からスムーズにスタートできたのは、前職で培った計画遂行能力、対応力等のおかげだと思っている。技術・販売だけではなく、人材育成のほうにも力を入れてほしい
  • 今回の災害は、各農家の事前の対策によって被害に大きな差があった。白書では、防災・減災の内容を取り上げてほしい。
  • 外国人人材に触れられていないのは違和感がある。

(近藤委員)
  • 農業が産業として持続していくための対策をするべき。所得の安定性が低く、また働き方改革が叫ばれる一方で、大半の家族農業は土日の休みがない。これでは産業として続かない。
  • 家族レベルではなく、地域レベルで6次産業化に関する計画を決めるべき。1次と6次がマッチングし、地域に根づくような政策誘導をお願いしたい。

(情報分析室長)
  • ご指摘のあった、スマート農業についてや就農に関する課題への意識、地域における6次化については、留意して検討していきたい。
  • 外国人人材については、国会での議論も続く中で、状況を見ながら今後対応していきたい。

(技術会議事務局)
  • これまでは、生産段階での技術・情報化について現場実装を進めてきているところ。フードチェーン全体での対応についても今後対応できるように進めていきたい。
  • 費用やメンテナンスへの不安はあると思う。実証研究を通じて農業者の方にスマート農業を体験してもらう中で、メンテナンスに関する知見を積み上げ、また、費用対効果などスマート農業の農業経営への貢献度について検証し、現場に提供していきたい。

(危機管理・政策立案総括審議官)
  • 被害を未然に防ぐという観点から、例えば台風24号ではハウスへの被害が大きかったが、耐候性ハウスを導入したところではほとんど被害がなかったので、耐候性ハウスの導入支援などを行ったところ。価格は高いが、JAなどがリース事業を行うといった初期投資を抑えるようなやり方なども活用し、未然防止を進めていきたい。また、事前に生産部局から通知することで対策を呼びかけるなどの取組も重要。

(佐藤委員)
  • スマート農業について、自分の行う果樹栽培では夢のような話であるという印象。アシストスーツの実用が進むかは疑問。一方で、気象情報等を事前に察知できるようなシステムがあればいいと思っている。
  • 農地バンクについて、自分も今年から活用しているが、各地域での農地の集約は是非進めるべきと考えている。果樹では、作物毎に農薬が変わり、桃とリンゴではお互いにドリフト(散布された農薬が目的外の作物に付着してしまう現象)が起きやすいので、農地の交換、集約化を進めるべき。

(染谷委員)
  • スマート農業について、オートステアリングは自身も利用しており便利だと思うが、市内での利用者は少ない状況。規模がある程度大きくなければ利用できない等の課題もあるため、今後、導入にあたっては検討していく必要。
  • 「稲は人の足音を聞いて育つ」と言われるほど、現場に行き生育状況や水の状態等を把握することは重要。自身は何十年もかけ経験として培ってきたが、新規就農者に同じことを求めるのではなく、そういったものをデータ化し、技術習得に活用できるようにすることも重要。
  • 農業が食料生産を担う重要な産業であることを共有し、一般市民に農業についての理解を深めてもらえるよう、白書ができるだけ多く一般市民の目に触れるようにすべき。

(中嶋委員)
  • 白書の構成はこの形で進めてよい。
  • 白書は、広報、記録、分析の3つの機能があると考えており、特集・トピックス・本文とある中でそのメリハリをつけていただきたい。特集は広報と分析が大事。スマート農業は、28年度はトピックス、29年度は本文、30年度は特集が組まれて、今回どのように記述されるか楽しみにしている。
  • 新技術に関して、この技術を普及するためにどのように制度の変更、組織・集落の変更をできるのか議論してもらいたい。例えば水管理のICT化に向けて土地改良区ではどういう変更が必要かといった議論が必要ではないか。
  • トピックスはテーマによって中心となる分野があるのだろうが、可能であれば分野横断的に記述してほしい。例えば輸出が農業経営にどういう影響を与えるか、食料・農業・農村の全分野の観点を盛り込んでいただくと農業経営者に示唆的な伝え方ができるのではないか。
  • 繰り返しになるが、本文では分析や評価を充実してほしい。

(中家委員)
  • スマート農業について、平地や大規模経営で行われるもので中山間地では夢のような話というイメージがあるが、積極的に課題として取り組んでいただきたい。夢のように思う方はコスト高であると感じているので、やってみようと思えるような記述をしてほしい。
  • 災害の関係で、食料の安定供給に対するリスクが高まっていると感じる。世界的にも異常気象が起こり、昨年は5兆円を越える被害。こういうことをより丁寧に中長期的な視点とともに記述してほしい。
  • 被災農家へ国として支援いただき感謝している。災害が起きる前の防災・減災対策が大事。昨年、7月豪雨によって愛媛県の園地が崩壊した。農家にとっては致命傷となる。2011年には地元の和歌山県でも水害があり被災した園地は99%ほったらかし、コストをかけてまで復旧することはハードルが高い。災害に強い園地作り、作物の導入の取組を進めるべき。

(情報分析室長)
  • 白書の読者については、農業者や業界関係者だけでなく様々な読者がいる中で、できる限り一般の方にもわかりやすいものになるよう心懸けたい。

(技術会議事務局)
  • 果樹においてスマート農業の導入は夢のような話とのことであったが、アシストスーツや防除・除草機の自動走行化等が既に現場での実装が可能な段階となっており、果樹の収穫作業についてもさらなる研究が必要ではあるがプロトタイプの開発が進んでいる状況。また、自動収穫がしやすい樹形の開発も含めて、トータルの技術として研究を進めているところ。
  • 導入にあたってコストダウンは重要な課題。現場での導入が進むことでコストダウンにもつながる。アシストスーツについては、流通業等にも活用でき、他分野の活用もコストダウンにつながると考えている。
  • 中山間地等の地域の条件に応じたスマート化が重要。畦畔除草の自動走行化や水管理の自動化については、中山間地においても有効であるとの声もある。
  • 機械化を最大限に有効活用するためのビジネスモデルについても検討する段階にきている。
  • 染谷委員の発言(「稲は人の足音~」)もあったが、AIやドローンを活用してさらに観察力の向上に役立ててもらい、また、長年の経験のデータ化にも取り組んでいきたい。

(経営局)
  • 農地バンクについて、果樹農家をどう取り込むかが課題となっていた。白書においても、紙面が許せば果樹農家の農地バンクの活用事例について取り上げたい。

(農村振興局)
  • 水管理のICT化については、水田単作では比較的容易に対応できるが、畑地利用や裏作などがあると複雑になる。このため、末端では自動化、基幹的施設は土地改良区の管理という形態に変化すると見込まれ、土地改良区事務局員の数は減らすことになると考えている。土地改良区の組織全体の観点からは、組合員数の減少により管理が難しくなっていることから、本年度土地改良法を改正して、准組合員制度を導入し、耕作者と土地所有者が両方とも参画できる制度を作るため、組織としては厚みを増すことになる。
  • 園地の整備による担い手の規模拡大が重要と考えており、樹園地については来年度から基盤整備の面積要件を小さくして整備が進むよう取り組んでいるところ。

(三輪委員)
  • 白書の構成はこのまま進めていただきたい。
  • 29年度の白書は一般の方や学生から、事例が充実していて、未来志向で、現場の課題が逃げずに書かれていてわかりやすいと好評価だった。
  • 災害に関して、地元の広島も被災したところ。農林水産省として被災農家に寄り添うようなメッセージを盛り込んでいただきたい。
  • 私自身はスマート農業を推進する立場でこれまでSIPや実証実験にも参画してきた。スマート農業の開発は、世界と比べて日本は急ピッチで開発を進めており、研究開発のロードマップを数年先取りしているポジティブな状況。
  • 今後は現場での実装が重要。これまで稲作等の土地利用型農業での自動運転やドローンによるセンシング技術が先行してきたこともあり、平地で大規模経営というイメージがあるが、果樹や中山間地でも使われている。AI・IoTは、規模に関係なく競争力を上げるものという観点で小規模、中山間地、労働集約型の好事例をPRしていただきたい。
  • ドローンについては一家に一台ではなくシェアリングが基本となると思われる。メーカーではなく政策主導で取組を進め、マーケティングに飲み込まれないように。
  • 白書の広報について、例えば事例先の農家のメッセージ動画をウェブ上のリンクから見られるようにすれば、思いが伝わりやすくなると思う。一般の方の反応のフィードバックが得られるよう努めてほしい。また、白書の議論がリアルに届けられるように、例えば農業関連イベントの場で委員の方とパネルディスカッションなどの機会を設けてほしい。

(柚木委員)
  • スマート農業は、高齢化や担い手不足が進む中、今後の農業に不可欠。その中で、中山間地域や家族経営に身近な新技術を強調してほしい。白書に書くことで現場への推進にもつながる。また、鳥獣害対策のスマート化についても記載してほしい。
  • 災害関係では、ため池の緊急点検の内容と今後の管理をどうしていくのか記載してほしい。
  • 平成30年度からの米政策の動向に関する点検・評価を丁寧に記載してほしい。
  • 基盤整備に関して、水田のフル活用には基盤整備時の排水対策が重要。排水対策により転作作物の単収が向上しているデータや事例を紹介してほしい。基盤整備は担い手を呼び込む一つの材料にもなるので重要。
  • 外国人労働者については、農業でも具体的な対応が進むと思うが、技能実習生は労働力ではないということで白書の中での扱いは慎重であったと思う。今後は労働力としての外国人材は当然分析していく必要。技能実習生制度等について丁寧に記載してほしい。
  • 平場では担い手への集約が進んできた中で、認定農業者の経営継承が重要。農地中間管理事業の見直しと合わせて、現場での議論を進めていく必要。

(大橋部会長)
  • 農福連携について、福祉だけでなく、様々なセクターとの連携が重要。農業が町づくりの中核に位置付けられ、地域活性化につながる姿が目指していけるといい。
  • 災害に対するレジリエンスは重要。生産・流通・販売まで一貫した安定性とは何なのかを考える必要。食料供給の安定性について考える良い機会。
  • 技術に関しては、先端性を競うのではなく、現場へ普及することが重要。建設分野ではICT化が進んでいると聞くし、若い人は関心を持っている。市場性という観点をしっかり踏まえて示してほしい。

(情報分析室長)
  • ご指摘のあった、白書の記述については一般の方にも読んでいただける、関心を持っていただけるような記述としていきたい。部門横断的な記述については、常々悩みつつ進めているが、意見を踏まえて検討し3月、4月にお示ししたい。
  • 白書をまとめた後の国民への普及については、これから検討していきたい。

(技術会議事務局)
  • 条件に応じたスマート化を進める必要がある。地域連携やシェアリングというキーワードに関しては、機械を最大に稼働させるため、シェアリングやコントラクタービジネスの育成が重要。鳥獣害対策についても、捕獲わなのICT化やドローンの追い払いを生態調査に活用するなど先端技術の活用は進みつつあるところ。

(危機管理・政策立案総括審議官)
  • 被災者の方々にしっかりメッセージが伝わるように工夫したい。また、ため池についても関係部局と相談しながら記述するようにしていきたい。

(経営局)
  • 今年度の予算で農業経営者サポート事業を開始。経営に関するコンサルタントを無料で受けられる体制を整備。本年度の税制改正で農業者個人の経営継承に関して税制優遇が受けられるようになった。中小企業庁と連携して普及していきたい。

(農村振興局)
  • 排水改良については、単収の向上に加え、高収益作物の導入が可能になるという効果もあり、所得向上について加筆したい。また、基盤整備だけの効果ではないだろうが、出生率が上がったという声もあるので、こうした効果を是非盛り込んでいきたい。

(政策統括官)
  • 米政策については動向編の中でしっかり記述していきたい。

(大橋部会長)
  • 予定の時間なので、食料・農業・農村白書についての審議はここまでとする。続いて食料・農業・農村基本計画に関して。現行計画が平成27年3月にとりまとめられ、もうすぐ4年を経過しようとしているところ。今後、当部会で議論を行うことになっていくが、今後の進め方について、事務局から説明をお願いする。

(政策課)
  • 食料・農業・農村基本計画については、食料・農業・農村基本法第15条に基づき、食料、農業及び農村をめぐる情勢の変化を勘案し、施策の効果に関する評価を踏まえ、おおむね5年ごとに変更するもの。変更に当たっては、食料・農業・農村政策審議会の意見を伺うこととされており、食料・農業・農村政策審議会決定により、企画部会が調査・審議を行うこととされている。
  • 従来、基本計画見直しの際は、役所側から施策の効果や基本計画に盛り込む施策等について説明し、委員の皆様からの質問に答えるという形を基本に審議をしていただいたところ。
  • しかし、この進め方では、あらかじめ農業者や食品事業者の方々から直接意見を聴く機会がなく、論点整理に反映できず、また、委員の皆様と役所間での議論が中心であったことなどから、農業者等の方々への基本計画の浸透が不十分な面があったと考える。
  • このため、今回の基本計画の見直しに当たっては、まずは農業経営に関する現状や課題等、現場の声を広く集める観点から、農業者、食品事業者等からヒアリングを行った上で、委員の皆様の間で活発な議論をいただき、基本計画見直しのための議論を整理した上で、本年秋頃を目途に諮問を行い、施策検討の議論を行うこととしてはどうか。

(大橋部会長)
  • 企画部会の審議をより実質的にする観点から、私もそのように進めたいと思うが、皆さんいかがか。

(中嶋委員)
  • そのように進めるといいと思う。前回の基本計画の改定の時には、夏休みの時期に現地視察1回、その後地方意見交換会をやった。地方意見交換会は非常に有意義だったので前倒しで聞いておけるといい。どういう方に意見を聞くかは、消費者を入れるなど色々なアイディアがあると思うので事務局で工夫していただきたい。

(大橋部会長)
  • それでは、そのように進めてまいりたい。ヒアリングの人選については、部会長である私に一任していただきたい。(異議なしの声)

(以下、事務局から連絡事項)
  • 食料・農業・農村白書に関する次の企画部会は、白書の骨子案について審議を予定。開催時期は、3月上中旬頃で調整する予定。
  • 農業者等からのヒアリングに関する企画部会は、部会長とも相談の上、改めて日程を連絡したい。
(以上)

お問合せ先

大臣官房広報評価課情報分析室

担当者:鴨川、島田
代表:03-3502-8111(内線3261)
ダイヤルイン:03-3502-5517
FAX番号:03-6744-1526

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